JPH08200847A - スクロール式冷凍装置の吐出ガス温度制御方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】圧縮機１，凝縮器２，膨張弁３，蒸発器４，液
インジェクション用電磁弁５、及び液インジェクション
流量を制限するキャピラリ６の主要機器で冷凍サイクル
を構成し、圧縮機の吐出ガス温度及びその上昇率等運転
状態に応じて液インジェクション制御温度を制御する。 【効果】圧縮機の過度的な運転状態において吐出ガス温
度を適正に保ち、信頼性の高い運転が可能になり、圧縮
機の動力をも無駄に消費しない運転が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はスクロール圧縮機を用
い、液インジェクションにより吐出ガス温度制を制御す
る方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来技術は特公平1−269866 号公報に記
載されているように、吐出ガス温度が一定温度になった
場合に液インジェクション回路を開いたり、一定温度に
なるように流量調整弁の開度を制御している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術は、吐出ガス
温度を検知し、一定の設定値で液インジェクション回路
を制御する方式であり、連続運転している時は問題ない
が、圧縮機起動時等の過渡的な状態で、吐出ガス温度上
昇率が高い時等は一定の設定温度で液インジェクション
を開始しても吐出ガス度制御に遅れを生じ、吐出ガス温
度を規定の温度に制御することが出来ないという問題が
あった。

【０００４】この問題の解決手段として、インジェクシ
ョン作動温度を下げた場合は、連続運転時における吐出
ガス制御温度を下げてしまうことになり、インジェクシ
ョンの必要のない運転条件までインジェクションを行う
場合もあり、無駄な動力消費により効率の悪い運転を行
うことになる。また、条件によっては冷やし過ぎによる
油の性能低下等の問題発生も考えられる。

【０００５】本発明の目的は過度的な運転でも圧縮機吐
出ガス温度を適正に保ちかつ連続運転による安定時には
効率の高い運転を行うことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、吐出ガス温
度上昇率及び安定時の運転状態に応じてインジェクショ
ン作動制御温度を変化させることにより達成される。

【０００７】

【作用】圧縮機吐出ガス温度の上昇率を温度変化値及び
時間より算出し、起動時等の過渡的な状態で規定以上に
上昇率が高い時は通常運転時におけるインジェクション
開始作動温度より低い温度でインジェクションを開始す
ることにより、吐出ガス温度を規定の値に納めることが
可能となる。また、この制御後、吐出ガス温度が一定時
間、設定温度以下で運転された場合はインジェクション
制御温度を上げて通常の制御温度に戻して運転する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１，図２により
説明する。

【０００９】図１は液インジェクション制御を設けた冷
凍サイクルを示す。

【００１０】図１において圧縦機１，凝縮器２，膨張弁
３，蒸発器４，液インジェクション用電磁弁５、及び液
インジェクション流量を制御するキャピラリ６の主要機
器より冷凍サイクルが形成されている。

【００１１】このサイクルで、圧縮機１の吐出ガス温度
制御方式は圧縮機１の吐出ガス温度を検知して規定値以
上になった時、電磁弁５を開くことにより、高圧液冷媒
をキャピラリ６を介して圧縮機１の圧縮過程の途中部へ
導入して冷却を行う。

【００１２】本サイクルで従来の制御は一定の制御温度
で電磁弁５を開閉させてインジェクションを行っている
ため、起動時の温度変化率が高い時は吐出ガス温度に対
しインジェクション冷却効果に遅れを生じ吐出ガス温度
が規定以上に上昇してしまう。そこで、本実施例は図２
に示すとおり、高，低二つのインジェクション作動制御
用設定値を設け、吐出ガス温度上昇率及び吐出ガス温度
値によりインジェクション開始及び停止温度を高くした
り、低くしたり変化させることにある。ここで圧縮機起
動後の吐出ガス温度がある規定以下のゆるやかな上昇率
であった場合は、インジェクション作動温度値は通常使
用の設定値（Ａ，Ａ′）とし、（ＯＮ）設定Ａ以上の値
にてインジェクション用電磁弁５を開路し、（ＯＦＦ）
設定Ａ′以下の値で閉じることにより吐出ガス温度の制
御を行う。また、吐出ガス温度がある規定以上の急激な
上昇率であった場合はインジェクション作動温度値は通
常の設定値Ａ，Ａ′よりも低い値のＢ，Ｂ′でインジェ
クション制御を行うことにより、冷却を早めに開始して
追従遅れによる温度上昇を防止する。しかし、それ以降
安定運転状態に入った際はインジェクション制御温度を
下げているので運転条件によっては必要以上に低い温度
で制御している場合も考えられ、無駄なインジェクショ
ンによる運転効率低下防止及び冷やし過ぎによる油粘度
低下防止等を目的に上記制御を行った一定時間後に、吐
出ガス温度を検知し、ある規定以下の値Ｃであった場合
は再度制御温度を高くして通常の沿御温度Ａ，Ａ′に戻
して運転する制御とする。

【００１３】本実施例は吐出ガス温度上昇率を検知して
行う制御例であるが、その他に圧縮機の発停類度や外気
温度等を検出してインジェクション制御温度を変化させ
る方法も可能である。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、圧縮機の過渡的な運転
状態においても吐出ガス温度を適正に保つ運転が可能に
なると共に圧縮機の動力をも無駄に消費しない運転が可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】インジェクション回路を設けた基本の冷凍サイ
クルの系統図。

【図２】図１の冷凍サイクルを基にした本発明の制御の
フローチャート。

【符号の説明】

１…スクロール圧縮機、２…凝縮器、３…膨張弁、４…
蒸発器、５…電磁弁、６…液インジェクション用キャピ
ラリ。

フロントページの続き (72)発明者 富田 良輔 静岡県清水市村松390番地 日立清水エン ジニアリング株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スクロール圧縮機を用い、高圧液冷媒の一
   部を圧縮途中の中間圧室へ液インジェクトすることによ
   り吐出ガス温度を制御する冷凍装置において、圧縮機の
   吐出ガス温度変更状態に応じて液インジェクション作動
   制御温度を変化させることを特徴とするスクロール式冷
   凍装置の吐出ガス温度制御方式。