JPH08198834A - 1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノアントラキノンの製造法 - Google Patents

1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノアントラキノンの製造法

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JPH08198834A
JPH08198834A JP554795A JP554795A JPH08198834A JP H08198834 A JPH08198834 A JP H08198834A JP 554795 A JP554795 A JP 554795A JP 554795 A JP554795 A JP 554795A JP H08198834 A JPH08198834 A JP H08198834A
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JP
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diamino
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sodium
potassium
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JP554795A
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Kazuhiko Takahashi
和彦 高橋
Junji Shiraiwa
淳二 白岩
Ritsu Okajima
理津 岡嶋
Isao Yoshida
勲 吉田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B1/00Dyes with anthracene nucleus not condensed with any other ring
    • C09B1/16Amino-anthraquinones
    • C09B1/20Preparation from starting materials already containing the anthracene nucleus
    • C09B1/22Dyes with unsubstituted amino groups

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノアント
ラキノンを工業的有利に製造する。 【構成】 1,4−ジアミノ−2,3−ジハロゲノアン
トラキノンを、水を含む溶媒中、100℃以上の温度で
スルホン化剤と反応させて、1,4−ジアミノアントラ
キノン−2−スルホン酸とし、これを単離することな
く、シアノ化剤と反応させて、1,4−ジアミノ−2,
3−ジシアノアントラキノンを得る。 【効果】 大量の廃酸が発生せず、廃酸処理の必要がな
いので、工業的に有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,4−ジアミノ−
2,3−ジシアノアントラキノンの新規な製造法に関す
るものである。この1,4−ジアミノ−2,3−ジシア
ノアントラキノンは、染料工業上特に有用なアントラキ
ノン系染料の中間体となりうるものである。
【0002】
【従来の技術】1,4−ジアミノアントラキノン−2−
スルホン酸を水性媒体中でシアノ化剤と反応させて、
1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノアントラキノンを
製造することは公知である。例えば特開昭 55-143952号
公報には、この反応をピリジンのような有機塩基の存在
下で行う方法が開示されている。また特開昭 56-73056
号公報には、この反応を第四級アンモニウム化合物の存
在下で行う方法が開示されている。さらに特開昭 57-17
6944号公報には、この反応を第四級ホスホニウム化合物
の存在下で行う方法が開示されている。
【0003】これらの反応で原料となる1,4−ジアミ
ノアントラキノン−2−スルホン酸は、通常、1,4−
ジアミノアントラキノンまたはロイコ−1,4−ジアミ
ノアントラキノンを強酸性のスルホン化剤でスルホン化
して製造されている。例えば特開昭 52-8032号公報に
は、ロイコ−1,4−ジアミノアントラキノンをクロロ
硫酸でスルホン化する方法が、また特開昭 61-210061号
公報(=EP-A-189,376) には、1,4−ジアミノアントラ
キノンまたはロイコ−1,4−ジアミノアントラキノン
を発煙硫酸でスルホン化する方法が開示されている。こ
うしたスルホン化において、転化率を向上させるために
は、大過剰のスルホン化剤を用いる必要があり、またそ
れによって大量の廃酸を生ずるため、その廃酸処理にも
問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、汎用原料
から出発して1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノアン
トラキノンを製造するにあたり、必ずしも工業的に満足
しうる方法はこれまで報告されておらず、新しい方法の
開発が待たれていた。
【0005】本発明者らは、上記のように大量の廃酸を
生ずることなく、1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノ
アントラキノンを工業的有利に製造する方法を求めて研
究した結果、1,4−ジアミノ−2,3−ジハロゲノア
ントラキノンから出発して、簡便な水系の溶媒中でスル
ホン化反応を行うことにより、1,4−ジアミノアント
ラキノン−2−スルホン酸とし、引き続きこれを単離す
ることなくシアノ化することにより、1,4−ジアミノ
−2,3−ジシアノアントラキノンが収率よく得られる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
1,4−ジアミノ−2,3−ジハロゲノアントラキノン
を、水を含む溶媒中、100℃以上の温度でスルホン化
剤と反応させて、1,4−ジアミノアントラキノン−2
−スルホン酸とし、これを単離することなく、シアノ化
剤と反応させることにより、1,4−ジアミノ−2,3
−ジシアノアントラキノンを製造する方法を提供するも
のである。
【0007】本発明においては、1,4−ジアミノ−
2,3−ジハロゲノアントラキノンをスルホン化して
1,4−ジアミノアントラキノン−2−スルホン酸と
し、これを単離せずにシアノ化して1,4−ジアミノ−
2,3−ジシアノアントラキノンへと導く。以下、これ
らの工程を順に説明していく。
【0008】スルホン化反応の原料となる1,4−ジア
ミノ−2,3−ジハロゲノアントラキノンとしては、
1,4−ジアミノ−2,3−ジクロロアントラキノン、
1,4−ジアミノ−2,3−ジブロモアントラキノンな
どが挙げられる。これらの1,4−ジアミノ−2,3−
ジハロゲノアントラキノンは、1,4−ジアミノ−2−
ハロゲノアントラキノンを含有していても差し支えな
い。
【0009】スルホン化反応は、水を含む溶媒中で行わ
れ、水単独のほか、水と極性有機溶媒との混合物が使用
できる。また、反応に影響を与えない範囲で、非極性溶
媒を含んでいてもかまわない。溶媒は通常、反応原料で
ある1,4−ジアミノ−2,3−ジハロゲノアントラキ
ノンに対して3〜30重量倍の範囲で用いるのが好まし
く、工業的には3〜10重量倍の範囲で用いるのがより
好ましい。
【0010】水と極性有機溶媒との混合溶媒を用いる場
合、極性有機溶媒は例えば、カルボン酸アミド類、C1
〜C6 のアルコール類、環状エーテル類、第3級アミン
類、セロソルブ類、プロピレングリコールエーテル類、
ポリエチレングリコール類などであることができる。
【0011】カルボン酸アミド類としては例えば、C1
〜C3 カルボン酸のN,N−ジC1〜C3 アルキルアミ
ド、C1 〜C3 カルボン酸のN−モノC1 〜C3 アルキ
ルアミド、C1 〜C3 カルボン酸の無置換アミド、C1
〜C3 カルボン酸と環状アミンとのアミド、環の大きさ
が5員ないし7員であるラクタム、環の大きさが5員な
いし7員であるラクタムのN−C1 〜C3 アルキル置換
体などが挙げられる。さらに具体的なカルボン酸アミド
類は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチ
ルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロ
ピオンアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホ
ルムアミド、N−プロピルホルムアミド、 N−メチル
アセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、ホルムア
ミド、アセトアミド、プロピオンアミド、N−ホルミル
モルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−アセチルモ
ルホリン、N−アセチルピペリジン、N−メチル−2−
ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル
−2−ピペリドン、2−ピロリドン、2−ピペリドンな
どである。
【0012】またアルコール類の具体例は、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノールなどであ
り、環状エーテル類の具体例は、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどであり、3級アミン類の具体例は、ピリ
ジン、トリエチルアミンなどであり、セロソルブ類の具
体例は、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブなどであり、プロピレングリコールエーテル
類の具体例は、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどであ
り、ポリエチレングリコール類の具体例は、PEG40
0、PEG300、PEG200、PEG1500など
である。
【0013】これらの極性有機溶媒を水と混合して用い
る場合、通常は、溶媒全体の量を基準として、極性有機
溶媒が60重量%以下となるようにするのが好ましく、
特に10重量%以下とするのがより好ましい。
【0014】こうした水系の溶媒中で、1,4−ジアミ
ノ−2,3−ジハロゲノアントラキノンとスルホン化剤
との反応が行われる。ここでのスルホン化剤としては通
常、亜硫酸塩または亜硫酸水素塩が用いられる。具体的
には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウムのようなアル
カリ金属亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウムや亜硫酸水素
カリウムのようなアルカリ金属亜硫酸水素塩、亜硫酸ア
ンモニウム、亜硫酸水素アンモニウムなどが挙げられ
る。なかでも、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウムなどが好まし
く、とりわけアルカリ金属亜硫酸塩が好ましい。これら
のスルホン化剤は、それぞれ単独で、または2種以上を
組み合わせて用いることができる。スルホン化剤は、
1,4−ジアミノ−2,3−ジハロゲノアントラキノン
に対して、2〜5モル倍の範囲で用いるのが好ましく、
さらには2.2〜4モル倍の範囲で用いるのがより好まし
い。
【0015】スルホン化反応においては、反応系のpH
はかなり広い範囲で変えることができ、例えばpH4〜
11程度の範囲で反応を実施することができる。あまり
pHが低くなると、反応が遅くなり、スルホン化が有効
に起こりにくい傾向にある。またあまりpHが高くなる
と、原料または生成物の加水分解など、副反応が起こり
やすくなるので、収率が低下する傾向にある。反応混合
物のpHは、必要ならば、例えば系に適当な緩衝剤を加
えることにより制御してもよい。緩衝剤としては、例え
ば、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウ
ム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムな
どが挙げられる。また反応中に適当なアルカリ、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどをそ
のまま、あるいは水溶液として適時供給することによ
り、系のpHを制御してもよい。
【0016】スルホン化反応は、100℃以上、好まし
くは100〜200℃、さらに好ましくは120〜18
0℃の温度で行われる。水の存在する系で反応温度が1
00℃以上になることから、通常は、オートクレーブの
ような耐圧密閉容器を用いて反応を行うのが適当であ
る。
【0017】こうしたスルホン化反応により、1,4−
ジアミノアントラキノン−2−スルホン酸が得られる。
本発明では、こうして得られる1,4−ジアミノアント
ラキノン−2−スルホン酸を単離することなく、引き続
きシアノ化反応に供する。この際、スルホン化反応終了
時の混合物のままシアノ化剤を加えてシアノ化反応を行
ってもよいし、また必要であれば、スルホン化反応終了
時の混合物に適宜溶媒を加えてからシアノ化反応に供し
てもよい。特にシアノ化反応は、極性有機溶媒の存在下
で行うのが有利である。そこで、スルホン化反応を水単
独溶媒中で行った場合は、スルホン化反応終了後の混合
物に極性有機溶媒を加えてシアノ化反応に供するのが好
ましい。シアノ化反応を水と極性有機溶媒の混合溶媒中
で行う場合も、溶媒全体の量を基準として、通常は極性
有機溶媒を60重量%以下の範囲で存在させるのが好ま
しい。さらには、極性有機溶媒を30重量%以下の範囲
で存在させるのがより好ましい。
【0018】シアノ化反応は、スルホン化反応によって
得られる1,4−ジアミノアントラキノン−2−スルホ
ン酸を含む反応混合物を、そこから1,4−ジアミノア
ントラキノン−2−スルホン酸を単離することなく、シ
アノ化剤と反応させるものである。ここで用いるシアノ
化剤としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金
属またはアンモニアのシアン化物、水中でシアンイオン
を生成するシアンヒドリン類などが挙げられる。シアン
化物の具体例は、シアン化ナトリウム、シアン化カリウ
ム、シアン化アンモニウム、シアン化マグネシウム、シ
アン化カルシウムなどであり、またシアンヒドリン類の
具体例は、アセトンシアンヒドリンなどである。これら
のシアノ化剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組
み合わせて用いることができる。これらのなかでも特に
好ましく用いられるものは、シアン化ナトリウムおよび
シアン化カリウムである。シアノ化剤は、1,4−ジア
ミノ−2,3−ジハロゲノアントラキノン1モルに対し
て、2〜10当量の範囲で用いるのが好ましい。
【0019】シアノ化反応は、系のpH8〜11、さら
にはpH8.5〜10.5の範囲で行うのが好ましい。反応
系のpHがあまり低くなると、系外にシアン化水素が散
逸して、シアノ化が有効に起こりにくくなる傾向にあ
る。また反応系のpHがあまり高くなると、加水分解が
起こって、高次の副生物を与える傾向にある。反応混合
物のpHは、必要ならば、例えば系に適当な緩衝剤を加
えることにより制御してもよい。緩衝剤としては、例え
ば、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウ
ム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムな
どが挙げられる。また反応中に適当な酸、例えば塩酸、
硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などをそのま
ま、あるいは水溶液として適時供給することにより、系
のpHを制御してもよい。
【0020】シアノ化反応においては、場合により脱水
素剤を存在させるのが有利である。脱水素剤としては、
例えば、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホ
キシドのようなスルホキシド類、ニトロベンゼン、ニト
ロベンゼンスルホン酸またはその塩、ニトロフェノール
のような有機ニトロ化合物、過酢酸や過硫酸のような有
機または無機の過酸のナトリウム、カリウムまたはアン
モニウム塩、イオウなどが用いられる。また空気酸素を
用いることも可能であり、この場合には通常、モリブデ
ン酸アンモニウム、バナジン酸アンモニウムなどを添加
するのがよい。
【0021】シアノ化反応は、通常20℃以上の温度で
進行するが、50〜90℃の温度で行うのが適当であ
る。反応は通常、2〜20時間で終了する。高温側で
は、反応は速いが、高次の加水分解を防ぐうえで、pH
をなるべく低めに設定するのが好ましく、逆に低温側で
は、pH11を越えない範囲で、できるだけ高めのpH
に設定するのが好ましい。反応終了後は、過剰のシアノ
化剤を次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素水などで分解
した後に濾過して、1,4−ジアミノ−2,3−ジシア
ノアントラキノンを得ることができる。
【0022】反応に水と極性有機溶媒との混合溶媒を用
いた場合は、この混合物をそのまま回収して次の反応に
用いてもよいし、また蒸留などの操作により精製してか
ら次の反応に用いてもよい。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。例中にある%および部は、特にことわらないかぎ
り重量基準である。
【0024】実施例1 500ccのオートクレーブ中で、 水190部とN−メ
チル−2−ピロリドン10部の混合物に、1,4−ジア
ミノ−2,3−ジクロロアントラキノン(純度88.2%
で、他に1,4−ジアミノ−2−クロロアントラキノン
を5.5%含む)20部および亜硫酸カリウム(95%純
度)25.22部を加えて、150℃に昇温し、その温度
でさらに6時間保温した。冷却後、水40部を用いて、
オートクレーブ中の反応混合物を500ccの四つ口フラ
スコに流し込んだ。この液にニトロベンゼンスルホン酸
ナトリウム9.05部を加えた後、水酸化カリウム水溶液
でpHを8.8〜9.0に調整した。硫酸水溶液でpHを
8.8〜9.0に保ちながら、シアン化カリウム11.97部
を水20部に溶解させた溶液を90℃で1時間かけて滴
下した。90℃でさらに6時間保温し、1,4−ジアミ
ノアントラキノン−2−スルホン酸の消失を高速液体ク
ロマトグラフィーで確認した後、55℃まで冷却した。
この液を60℃以下に保ちながら、そこへ60%過酸化
水素水11.72部を滴下し、滴下終了後、60℃でさら
に2時間保温した。濾過後、温水で洗浄し、乾燥して、
1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノアントラキノン1
4.03部を得た(収率62.8%、純度78.9%)。
【0025】実施例2 500ccのオートクレーブ中で、水200部に、実施例
1で用いたのと同様の1,4−ジアミノ−2,3−ジク
ロロアントラキノン20部および亜硫酸カリウム(95
%純度)25.22部を加えて、150℃に昇温し、その
温度でさらに6時間保温した。 冷却後、水40部を用
いて、オートクレーブ中の反応混合物を500ccの四つ
口フラスコに流し込んだ。この液に、ニトロベンゼンス
ルホン酸ナトリウム9.05部およびピリジン30部を加
えた後、水酸化カリウム水溶液でpHを8.8〜9.0に調
整した。硫酸水溶液でpHを8.8〜9.0に保ちながら、
シアン化カリウム11.97部を水20部に溶解させた溶
液を90℃で1時間かけて滴下した。90℃でさらに6
時間保温し、1,4−ジアミノアントラキノン−2−ス
ルホン酸の消失を高速液体クロマトグラフィーで確認し
た後、55℃まで冷却した。この液を60℃以下に保ち
ながら、そこへ60%過酸化水素水11.72部を滴下
し、滴下終了後、60℃でさらに2時間保温した。濾過
後、温水で洗浄し、乾燥して、1,4−ジアミノ−2,
3−ジシアノアントラキノン14.05部を得た(収率6
1.1%、純度77.0%)。
【0026】実施例3 実施例2でスルホン化反応の溶媒として用いた水200
部に代えて、水195部とピリジン5部の混合物を用い
た以外は、実施例2と同様の操作を行った。その結果、
1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノアントラキノン1
3.39部を得た(収率62.4%、純度82.5%)。
【0027】実施例4 実施例2において、シアノ化反応前にピリジン30部を
加えずに、スルホン化反応およびシアノ化反応をともに
水単独溶媒で行った以外は、実施例2と同様の操作を行
った。その結果、純度73.3%の1,4−ジアミノ−
2,3−ジシアノアントラキノンを収率54.4%で得
た。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、 1,4−ジアミノ−
2,3−ジハロゲノアントラキノンから、大量のクロロ
硫酸や発煙硫酸を使用することなく、簡便な水系溶媒中
での反応によって1,4−ジアミノアントラキノン−2
−スルホン酸が得られ、これを単離することなく、引き
続きシアノ化剤と反応させることにより、1,4−ジア
ミノ−2,3−ジシアノアントラキノンとすることがで
きる。したがって、廃酸の大量発生を回避できることか
ら、その処理の必要がないなど、本発明の工業的価値は
非常に高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 勲 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,4−ジアミノ−2,3−ジハロゲノア
    ントラキノンを、水を含む溶媒中、100℃以上の温度
    でスルホン化剤と反応させて、1,4−ジアミノアント
    ラキノン−2−スルホン酸とし、これを単離することな
    く、シアノ化剤と反応させることを特徴とする、1,4
    −ジアミノ−2,3−ジシアノアントラキノンの製造
    法。
  2. 【請求項2】水単独溶媒中で反応を行う請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】スルホン化剤との反応を、水単独溶媒中ま
    たは、水と極性有機溶媒からなる混合溶媒中で行い、シ
    アノ化剤との反応を、水と極性有機溶媒からなる混合溶
    媒中で行う請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】耐圧密閉容器中でスルホン化剤との反応を
    行う請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】スルホン化剤が、亜硫酸塩または亜硫酸水
    素塩である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】スルホン化剤が、亜硫酸ナトリウム、亜硫
    酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウムまたは亜硫酸水素カ
    リウムである請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】シアノ化剤が、アルカリ金属、アルカリ土
    類金属またはアンモニアのシアン化物である請求項1〜
    6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】シアノ化剤が、シアン化ナトリウムまたは
    シアン化カリウムである請求項7記載の方法。
JP554795A 1995-01-18 1995-01-18 1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノアントラキノンの製造法 Pending JPH08198834A (ja)

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