JPH0819839A - 連続鋳造用スライドバルブ装置 - Google Patents
連続鋳造用スライドバルブ装置Info
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- JPH0819839A JPH0819839A JP15493094A JP15493094A JPH0819839A JP H0819839 A JPH0819839 A JP H0819839A JP 15493094 A JP15493094 A JP 15493094A JP 15493094 A JP15493094 A JP 15493094A JP H0819839 A JPH0819839 A JP H0819839A
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- molten metal
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- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 スライドバルブの絞りによる偏流の発生を軽
減し、浸漬ノズル内への析出物の付着量の低減およびモ
ールド内での流動性を改善し、製品の品質の向上と操業
の安定性を図る連続鋳造用スライドバルブ装置を提供す
る。 【構成】 溶融金属容器の溶融金属流出口の下部に装着
され、固定プレート11、17に対し可動プレート12
をスライドさせて各プレートに形成された流出孔の流出
面積を変えることにより下部に配設されるノズルからの
溶融金属の流出量を制御する連続鋳造用スライドバルブ
装置において、上記各プレート11、12、17に形成
される流出孔15、16、18を上位のプレートの孔径
に対し下位のプレートの孔径を小としたことを特徴とす
る。
減し、浸漬ノズル内への析出物の付着量の低減およびモ
ールド内での流動性を改善し、製品の品質の向上と操業
の安定性を図る連続鋳造用スライドバルブ装置を提供す
る。 【構成】 溶融金属容器の溶融金属流出口の下部に装着
され、固定プレート11、17に対し可動プレート12
をスライドさせて各プレートに形成された流出孔の流出
面積を変えることにより下部に配設されるノズルからの
溶融金属の流出量を制御する連続鋳造用スライドバルブ
装置において、上記各プレート11、12、17に形成
される流出孔15、16、18を上位のプレートの孔径
に対し下位のプレートの孔径を小としたことを特徴とす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続鋳造用スライドバル
ブ装置に係り、特にそのプレートを改良したスライドバ
ルブ装置に関する。
ブ装置に係り、特にそのプレートを改良したスライドバ
ルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造設備におけるタンデイッシュや
取鍋等の溶融金属容器の底部には、図1、図2にタンデ
イッシュの場合を示すように、タンデイッシュ1の底部
1aのノズル受け煉瓦2に出鋼口3が開口されてその内
部にインサートノズル4が装着され、タンデイッシュ1
の下面には二層式または三層式のスライドバルブ装置5
が装着され、このスライドバルブ装置5は下部に下ノズ
ル6(整流ノズル)が装着され、さらにその下部にはモ
ールド7内に浸漬される浸漬ノズル8が装着されてい
て、前記スライドバルブ装置5の作動により溶融金属の
流出量を制御するようになされている。9、9は浸漬ノ
ズル8の下部に開口する吐出口を示す。
取鍋等の溶融金属容器の底部には、図1、図2にタンデ
イッシュの場合を示すように、タンデイッシュ1の底部
1aのノズル受け煉瓦2に出鋼口3が開口されてその内
部にインサートノズル4が装着され、タンデイッシュ1
の下面には二層式または三層式のスライドバルブ装置5
が装着され、このスライドバルブ装置5は下部に下ノズ
ル6(整流ノズル)が装着され、さらにその下部にはモ
ールド7内に浸漬される浸漬ノズル8が装着されてい
て、前記スライドバルブ装置5の作動により溶融金属の
流出量を制御するようになされている。9、9は浸漬ノ
ズル8の下部に開口する吐出口を示す。
【0003】上記スライドバルブ装置5は、図1にタン
デイッシュの他に主として取鍋に用いられる二層式を、
図2に主としてタンデイッシュ1に用いられる三層式を
各略示断面図として示すように、二層式のスライドバル
ブ装置5では、スライドバルブ装置5の装置本体10に
固定的に設けられる固定プレート11と、その下部にあ
ってスライド可能に設けられる可動プレート12とを有
し、この可動プレート12は装置本体10の外側部に取
付けられた油圧シリンダ13のピストンロッド14に連
結され、油圧シリンダ13の作動により可動プレート1
2をスライドさせて固定プレート11と可動プレート1
2とに形成されている溶融金属流出孔15、16の開度
を調整することにより溶融金属の流出量が制御されるよ
うになっている。
デイッシュの他に主として取鍋に用いられる二層式を、
図2に主としてタンデイッシュ1に用いられる三層式を
各略示断面図として示すように、二層式のスライドバル
ブ装置5では、スライドバルブ装置5の装置本体10に
固定的に設けられる固定プレート11と、その下部にあ
ってスライド可能に設けられる可動プレート12とを有
し、この可動プレート12は装置本体10の外側部に取
付けられた油圧シリンダ13のピストンロッド14に連
結され、油圧シリンダ13の作動により可動プレート1
2をスライドさせて固定プレート11と可動プレート1
2とに形成されている溶融金属流出孔15、16の開度
を調整することにより溶融金属の流出量が制御されるよ
うになっている。
【0004】三層式のスライドバルブ装置5では、可動
プレート12が上下の固定プレート11、17の間に位
置し、これら固定プレート11、17の間で可動プレー
ト12がスライドし、各プレートの流出孔15、16、
18の開度を変えて流出量を制御するようになってい
る。なお19は浸漬ノズル8の脱着用シリンダ、20は
支持アームを示す。
プレート12が上下の固定プレート11、17の間に位
置し、これら固定プレート11、17の間で可動プレー
ト12がスライドし、各プレートの流出孔15、16、
18の開度を変えて流出量を制御するようになってい
る。なお19は浸漬ノズル8の脱着用シリンダ、20は
支持アームを示す。
【0005】上記の二層、三層式のいずれであっても、
従来のスライドバルブ装置5、5の各プレートの流出孔
15、16または15、16、18はすべて同一径とさ
れており、またその下位に位置する下ノズル6の内径も
上記流出孔と同一径とされている。
従来のスライドバルブ装置5、5の各プレートの流出孔
15、16または15、16、18はすべて同一径とさ
れており、またその下位に位置する下ノズル6の内径も
上記流出孔と同一径とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記スライドバルブ装
置5は、溶融金属の流出量の制御性において優れた機能
を有するが、図3に二層式の場合のモールド7の長手方
向に可動プレート12がスライドした場合(図4)を示
し、また図5に三層式の場合のモールド7の幅方向に可
動プレート12がスライドした場合(図6)をそれぞれ
模式的に示すように、可動プレート12をスライドさせ
て流出孔面積を減少させたとき可動プレート12の流出
孔16の位置がずれる(絞る)ため溶融金属の流れが下
ノズル6内の偏った位置へ流入し、それがために流入し
た位置とは反対側に渦流aが生じるとともに浸漬ノズル
8へ至ったとき浸漬ノズル8内で偏流が生じ、浸漬ノズ
ル8の下方両側部に開口する吐出口9、9から流出する
溶融金属流出量が不均衡となる。また浸漬ノズル8内で
の偏流が大きくなると、浸漬ノズル8内に流れの淀みが
発生し、特にアルミキルド鋼の製造時にはアルミナ析出
物が淀み部を中心に浸漬ノズル8の内周面に堆積し、ノ
ズル閉塞を伴って流量制御が困難になることや、これが
連続鋳造中に剥離して鋼中に入ると製品の品質欠陥をき
たし、また浸漬ノズル8内での偏流が大きいとモールド
7内での溶融金属の流動性に悪影響を及ぼし、操業の安
定性を損なうという問題が生じる。
置5は、溶融金属の流出量の制御性において優れた機能
を有するが、図3に二層式の場合のモールド7の長手方
向に可動プレート12がスライドした場合(図4)を示
し、また図5に三層式の場合のモールド7の幅方向に可
動プレート12がスライドした場合(図6)をそれぞれ
模式的に示すように、可動プレート12をスライドさせ
て流出孔面積を減少させたとき可動プレート12の流出
孔16の位置がずれる(絞る)ため溶融金属の流れが下
ノズル6内の偏った位置へ流入し、それがために流入し
た位置とは反対側に渦流aが生じるとともに浸漬ノズル
8へ至ったとき浸漬ノズル8内で偏流が生じ、浸漬ノズ
ル8の下方両側部に開口する吐出口9、9から流出する
溶融金属流出量が不均衡となる。また浸漬ノズル8内で
の偏流が大きくなると、浸漬ノズル8内に流れの淀みが
発生し、特にアルミキルド鋼の製造時にはアルミナ析出
物が淀み部を中心に浸漬ノズル8の内周面に堆積し、ノ
ズル閉塞を伴って流量制御が困難になることや、これが
連続鋳造中に剥離して鋼中に入ると製品の品質欠陥をき
たし、また浸漬ノズル8内での偏流が大きいとモールド
7内での溶融金属の流動性に悪影響を及ぼし、操業の安
定性を損なうという問題が生じる。
【0007】本発明はこれに鑑み、可動プレートのスラ
イドによる流出孔の絞りにより偏流が発生することを軽
減し、浸漬ノズル内への析出物の付着量を低減するとと
もにモールド内での流動性を改善し、これにより製品の
品質の向上と操業の安定性を図ることができる連続鋳造
用スライドバルブ装置を提供することを目的とする。
イドによる流出孔の絞りにより偏流が発生することを軽
減し、浸漬ノズル内への析出物の付着量を低減するとと
もにモールド内での流動性を改善し、これにより製品の
品質の向上と操業の安定性を図ることができる連続鋳造
用スライドバルブ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来の技術が有する
問題点を解決する手段として本発明は、溶融金属容器の
溶融金属流出口の下部に装着され、固定プレートに対し
可動プレートをスライドさせて各プレートに形成された
流出孔の流出面積を変えることにより下部に配設される
ノズルからの溶融金属の流出量を制御する連続鋳造用ス
ライドバルブ装置において、上記各プレートに形成され
る流出孔を上部側のプレート(上位のプレートという)
の孔径に対し下部側のプレート(下位のプレートとい
う)の孔径を小としたこと、および下位のプレートの流
出孔の孔径に対し下ノズルの孔径を小としたことを特徴
とする。そして上記口径の比率は上部側のプレートの流
出孔の孔径をD、下位のプレートの流出孔の孔径をd、
下ノズルの孔径をd′とするとき、D≧d+D/10〜
D/20、D≧d≧d′+D/10〜D/20の範囲と
される。
問題点を解決する手段として本発明は、溶融金属容器の
溶融金属流出口の下部に装着され、固定プレートに対し
可動プレートをスライドさせて各プレートに形成された
流出孔の流出面積を変えることにより下部に配設される
ノズルからの溶融金属の流出量を制御する連続鋳造用ス
ライドバルブ装置において、上記各プレートに形成され
る流出孔を上部側のプレート(上位のプレートという)
の孔径に対し下部側のプレート(下位のプレートとい
う)の孔径を小としたこと、および下位のプレートの流
出孔の孔径に対し下ノズルの孔径を小としたことを特徴
とする。そして上記口径の比率は上部側のプレートの流
出孔の孔径をD、下位のプレートの流出孔の孔径をd、
下ノズルの孔径をd′とするとき、D≧d+D/10〜
D/20、D≧d≧d′+D/10〜D/20の範囲と
される。
【0009】
【作用】上記構成に基づく溶融金属の偏流低減作用は、
孔径が減少された下位のプレートの流出孔または下ノズ
ルが溶融金属の流れの障害を作り、この障害により下位
のプレートまたは下ノズルの部分で溶融金属の流れが均
等化し、浸漬ノズル内に流入したのちにおける偏流の発
生もそれだけ低減する。また下位のプレートまたは下ノ
ズル部分で発生していた負圧の程度が小さくなるため該
部における渦流の発生が減少し、この負圧の減少に伴な
いプレートの面間からの外気の吸入が減少して溶融金属
の酸化および吸窒が防がれ、アルミキルド鋼の場合アル
ミナ析出物が減少してアルミナの付着量が低減し、製品
の品質、歩留りの向上が図られる。
孔径が減少された下位のプレートの流出孔または下ノズ
ルが溶融金属の流れの障害を作り、この障害により下位
のプレートまたは下ノズルの部分で溶融金属の流れが均
等化し、浸漬ノズル内に流入したのちにおける偏流の発
生もそれだけ低減する。また下位のプレートまたは下ノ
ズル部分で発生していた負圧の程度が小さくなるため該
部における渦流の発生が減少し、この負圧の減少に伴な
いプレートの面間からの外気の吸入が減少して溶融金属
の酸化および吸窒が防がれ、アルミキルド鋼の場合アル
ミナ析出物が減少してアルミナの付着量が低減し、製品
の品質、歩留りの向上が図られる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照し、
図1、図2と共通する部材についてはこれと同一符号を
用いて説明する。
図1、図2と共通する部材についてはこれと同一符号を
用いて説明する。
【0011】本発明の基本構成は、三層式のスライドバ
ルブ装置の場合を図7に示すように、上位の固定プレー
ト11と可動プレート12との流出孔15、16の孔径
Dは同一とされ、可動プレート12の下位に位置する固
定プレート17の流出孔18の孔径dおよび下ノズル6
の孔径d′が前記可動プレート12の流出孔16の孔径
Dに対しD>d、またはD≧d>d′とされ、好ましく
はD≧d+5〜10(mm)、またはD≧d≧d′+5
〜10(mm)の条件を満すものとされる。
ルブ装置の場合を図7に示すように、上位の固定プレー
ト11と可動プレート12との流出孔15、16の孔径
Dは同一とされ、可動プレート12の下位に位置する固
定プレート17の流出孔18の孔径dおよび下ノズル6
の孔径d′が前記可動プレート12の流出孔16の孔径
Dに対しD>d、またはD≧d>d′とされ、好ましく
はD≧d+5〜10(mm)、またはD≧d≧d′+5
〜10(mm)の条件を満すものとされる。
【0012】図10、図11は、従来構造のものと本発
明構造のものとの流れの状況の水モデルによる実験結果
を示すもので、従来構造としては、上位の固定プレート
11、次位の可動プレート12、下位の固定プレート1
7の各流出孔15、16、18の孔径を各70φ、下ノ
ズル6の孔径を70φ、浸漬ノズル8の孔径を80φと
した場合であり、本発明構造としては、上位の固定プレ
ート11および可動プレート12の各流出孔15、16
の孔径を各70φ、下位の固定プレート17の流出孔1
8の孔径および下ノズル6孔径を64φ、浸漬ノズル8
の孔径を80φとした場合に相当する。上記実験は、ア
クリル製の浸漬ノズル内の水の流速をピトー管を用いて
測定したものであり、測定箇所は図9のように流出孔の
A、B、C、D、Eの各点、および縦方向に60mm間
隔で8箇所とし、各箇所での中央部および可動プレート
のスライド方向の左右の壁面から5mm離間した位置に
おいて各々5回測定し、その平均値により評価した。そ
して上記図10、図11の左側が上流側、同右側が下流
側を示し、左から右へ流れを示している。
明構造のものとの流れの状況の水モデルによる実験結果
を示すもので、従来構造としては、上位の固定プレート
11、次位の可動プレート12、下位の固定プレート1
7の各流出孔15、16、18の孔径を各70φ、下ノ
ズル6の孔径を70φ、浸漬ノズル8の孔径を80φと
した場合であり、本発明構造としては、上位の固定プレ
ート11および可動プレート12の各流出孔15、16
の孔径を各70φ、下位の固定プレート17の流出孔1
8の孔径および下ノズル6孔径を64φ、浸漬ノズル8
の孔径を80φとした場合に相当する。上記実験は、ア
クリル製の浸漬ノズル内の水の流速をピトー管を用いて
測定したものであり、測定箇所は図9のように流出孔の
A、B、C、D、Eの各点、および縦方向に60mm間
隔で8箇所とし、各箇所での中央部および可動プレート
のスライド方向の左右の壁面から5mm離間した位置に
おいて各々5回測定し、その平均値により評価した。そ
して上記図10、図11の左側が上流側、同右側が下流
側を示し、左から右へ流れを示している。
【0013】上記実験結果から、従来構造によると図1
0のように浸漬ノズル8内の流速が特に浸漬ノズル8の
上部において不均一であることが認められ、これに基づ
く偏流現象は浸漬ノズル8の下部に至るにつれて次第に
緩和されることはみられるものの浸漬ノズル8の下端部
に至るもなお完全には解消されず、かなりの流速のばら
つきがみられる。
0のように浸漬ノズル8内の流速が特に浸漬ノズル8の
上部において不均一であることが認められ、これに基づ
く偏流現象は浸漬ノズル8の下部に至るにつれて次第に
緩和されることはみられるものの浸漬ノズル8の下端部
に至るもなお完全には解消されず、かなりの流速のばら
つきがみられる。
【0014】これに対し本発明構造による場合は、図1
1のように浸漬ノズル8の上部において流速分布のばら
つきが比較的少なく、特に浸漬ノズル8の中部では流速
のばらつきが殆んど解消され、浸漬ノズル8の下部にお
いては殆んど流速のばらつきがなくなっており、スライ
ドバルブ装置の絞りに基因する偏流はほぼ解消され得る
ことが判明した。
1のように浸漬ノズル8の上部において流速分布のばら
つきが比較的少なく、特に浸漬ノズル8の中部では流速
のばらつきが殆んど解消され、浸漬ノズル8の下部にお
いては殆んど流速のばらつきがなくなっており、スライ
ドバルブ装置の絞りに基因する偏流はほぼ解消され得る
ことが判明した。
【0015】ちなみに下位の固定プレート17の流出孔
18の孔径、および下ノズル6の孔径を67φとした場
合は、図12に示すように浸漬ノズル8内でかなりの偏
流が確認された。
18の孔径、および下ノズル6の孔径を67φとした場
合は、図12に示すように浸漬ノズル8内でかなりの偏
流が確認された。
【0016】スライドバルブ装置部分での流れの状況を
考察すると、図7に矢印で示すように孔径dに縮径した
下位の固定プレート17の流出孔18(または下ノズル
6)の部分が溶融金属の流れの障害となることによって
下位の固定プレート17(または下ノズル6)部分で溶
融金属の流れが平均化され、これにより浸漬ノズル8内
での偏流を起こすことが低下する要因となっていると堆
測される。
考察すると、図7に矢印で示すように孔径dに縮径した
下位の固定プレート17の流出孔18(または下ノズル
6)の部分が溶融金属の流れの障害となることによって
下位の固定プレート17(または下ノズル6)部分で溶
融金属の流れが平均化され、これにより浸漬ノズル8内
での偏流を起こすことが低下する要因となっていると堆
測される。
【0017】また本発明構造によると、各プレートの流
出孔部分において発生する負圧も小さくなることが上記
実験の結果から判明した。その結果を図14に示すが、
図13(A),(B)において可動プレート12の流出
孔16の図中a、b、cでの圧力を測定したところ図1
4にみられるように従来構造では流量が200 l/mim
を超えると急速に負圧の増大がみられるが、本発明構造
によればc点においても−0.03〜−0.07kg/cm
2 程度であり、特に可動プレート12の流出孔16部分
で発生する負圧が小さいことが分る。これは特に高速連
鋳時に各プレート面間から外気を吸入することが少なく
なることを意味し、空気の吸入が直接原因となる鋼製品
の劣化、浸漬ノズル8内面へのアルミナ等析出物の付
着、可動プレート12の損傷等が防止されるなどの好ま
しい結果が得られることになる。
出孔部分において発生する負圧も小さくなることが上記
実験の結果から判明した。その結果を図14に示すが、
図13(A),(B)において可動プレート12の流出
孔16の図中a、b、cでの圧力を測定したところ図1
4にみられるように従来構造では流量が200 l/mim
を超えると急速に負圧の増大がみられるが、本発明構造
によればc点においても−0.03〜−0.07kg/cm
2 程度であり、特に可動プレート12の流出孔16部分
で発生する負圧が小さいことが分る。これは特に高速連
鋳時に各プレート面間から外気を吸入することが少なく
なることを意味し、空気の吸入が直接原因となる鋼製品
の劣化、浸漬ノズル8内面へのアルミナ等析出物の付
着、可動プレート12の損傷等が防止されるなどの好ま
しい結果が得られることになる。
【0018】
【表1】 表1は、アルミキルド鋼を製造する際におけるアルミナ
析出物の付着状況の比較を示すもので、この表1にみら
れるように下位の固定プレート17の流出孔18および
下ノズル6を共に64φとしたもの(本発明構造
(1))、または下ノズル6の孔径のみ64φとしたも
の(本発明構造(2))、下位の固定プレート17の流
出孔18を64φ、下ノズル6を58φとしたもの(本
発明構造(3))は、いずれもアルミナ付着指数が従来
構造を100とするとき50、70、50と略半減して
おり、これは連鋳数が増してもアルミナの付着によるト
ラブルが少ないことを表わす。また下位の固定プレート
17の流出孔18および下ノズル6を共に67φとした
もの(本発明構造(4))の95に比しきわめて良好な
結果が得られている。
析出物の付着状況の比較を示すもので、この表1にみら
れるように下位の固定プレート17の流出孔18および
下ノズル6を共に64φとしたもの(本発明構造
(1))、または下ノズル6の孔径のみ64φとしたも
の(本発明構造(2))、下位の固定プレート17の流
出孔18を64φ、下ノズル6を58φとしたもの(本
発明構造(3))は、いずれもアルミナ付着指数が従来
構造を100とするとき50、70、50と略半減して
おり、これは連鋳数が増してもアルミナの付着によるト
ラブルが少ないことを表わす。また下位の固定プレート
17の流出孔18および下ノズル6を共に67φとした
もの(本発明構造(4))の95に比しきわめて良好な
結果が得られている。
【0019】また、製品の表面欠陥についてみると、従
来構造による場合を100とするとき本発明構造(1)
では70、同(2)では85、同(3)では70と略3
0%の減少がみられる。さらに浸漬ノズル8へのアルミ
ナの付着厚についてみると、図15のように本発明構造
によれば、浸漬ノズル8の下部側面に開口する吐出口9
より上方へ50mmの位置でみたとき、連鋳5回目でも
最大で5mmであるのに対し、従来構造では連鋳5回で
15mmにまで達している。
来構造による場合を100とするとき本発明構造(1)
では70、同(2)では85、同(3)では70と略3
0%の減少がみられる。さらに浸漬ノズル8へのアルミ
ナの付着厚についてみると、図15のように本発明構造
によれば、浸漬ノズル8の下部側面に開口する吐出口9
より上方へ50mmの位置でみたとき、連鋳5回目でも
最大で5mmであるのに対し、従来構造では連鋳5回で
15mmにまで達している。
【0020】上記のことから、負圧の発生の減少、およ
びアルミナの付着量の減少を達成させるには、前述のよ
うに少なくともD≧d+5〜10(mm)、またはD≧
d≧d′+5〜10(mm)とすることが望ましく、ま
たそれに近い効果を生むためにはD≧d+D/10〜D
/20、またはD≧d≧d′+D/10〜D/20とす
るのがよい。
びアルミナの付着量の減少を達成させるには、前述のよ
うに少なくともD≧d+5〜10(mm)、またはD≧
d≧d′+5〜10(mm)とすることが望ましく、ま
たそれに近い効果を生むためにはD≧d+D/10〜D
/20、またはD≧d≧d′+D/10〜D/20とす
るのがよい。
【0021】前記下位の固定プレート17の流出口18
または下ノズル6の孔径の縮小化については、図16〜
図17に示す形状とすることができる。すなわち下位の
固定プレート17の流出孔18の場合は、ストレートの
まま小径dとするもの(図16(A))、上半部を下す
ぼまり状のテーパー面18aとし、下半部をストレート
の小径dとするもの(図16(B))、すべて下すぼま
りのテーパー孔としてその下端が小径dとするもの(図
16C))などがある。また下ノズル6では、ストレー
トのまま小径d′とするもの(図17(A))、テーパ
ー孔によりその下端を小径d′とするもの(図17
(B))、上下部は大径とし、中間部のみを小径d′と
するもの(図17(C))、上部をテーパー面6aと
し、下半部をストレートの小径d′とするもの(図17
(D))などとすることができる。
または下ノズル6の孔径の縮小化については、図16〜
図17に示す形状とすることができる。すなわち下位の
固定プレート17の流出孔18の場合は、ストレートの
まま小径dとするもの(図16(A))、上半部を下す
ぼまり状のテーパー面18aとし、下半部をストレート
の小径dとするもの(図16(B))、すべて下すぼま
りのテーパー孔としてその下端が小径dとするもの(図
16C))などがある。また下ノズル6では、ストレー
トのまま小径d′とするもの(図17(A))、テーパ
ー孔によりその下端を小径d′とするもの(図17
(B))、上下部は大径とし、中間部のみを小径d′と
するもの(図17(C))、上部をテーパー面6aと
し、下半部をストレートの小径d′とするもの(図17
(D))などとすることができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、連
続鋳造設備の溶融金属容器の下部に装着されて溶融金属
の流出量を制御するスライドバルブ装置において、下位
の固定プレートの流出孔および/または下ノズルの孔径
を上位のプレートの流出孔の孔径より小さくしたことに
より、浸漬ノズルの上下間領域において偏流を生じるこ
とが減少し、これにより流れの淀みが生じにくくなり、
溶融金属からの析出物の浸漬ノズル内面への付着量が減
少し、これが剥離して製品に混入することも防止されて
製品の品質劣化を防止することができる。
続鋳造設備の溶融金属容器の下部に装着されて溶融金属
の流出量を制御するスライドバルブ装置において、下位
の固定プレートの流出孔および/または下ノズルの孔径
を上位のプレートの流出孔の孔径より小さくしたことに
より、浸漬ノズルの上下間領域において偏流を生じるこ
とが減少し、これにより流れの淀みが生じにくくなり、
溶融金属からの析出物の浸漬ノズル内面への付着量が減
少し、これが剥離して製品に混入することも防止されて
製品の品質劣化を防止することができる。
【0023】また浸漬ノズルへ流入する前段階における
流速の均一化が図れるので、負圧の発生が抑止され、プ
レート間から外気を吸入することが減少し、これにより
製品にエアが接触しないので製品の劣化が防がれるとと
もにプレートの損傷も防止される。
流速の均一化が図れるので、負圧の発生が抑止され、プ
レート間から外気を吸入することが減少し、これにより
製品にエアが接触しないので製品の劣化が防がれるとと
もにプレートの損傷も防止される。
【図1】本発明の適用対象としての二層式スライドバル
ブ装置を示す断面図。
ブ装置を示す断面図。
【図2】同、三層式スライドバルブ装置の断面図。
【図3】二層式スライドバルブ装置における溶融金属の
流れの状況を示す従来技術の説明図。
流れの状況を示す従来技術の説明図。
【図4】スライドバルブ装置の可動プレートのスライド
方向を示す説明図。
方向を示す説明図。
【図5】同、三層式スライドバルブ装置における溶融金
属の流れの状況を示す従来技術の説明図。
属の流れの状況を示す従来技術の説明図。
【図6】同、可動プレートのスライド方向を示す説明
図。
図。
【図7】本発明の一実施例を示す可動プレートのスライ
ド時の説明図。
ド時の説明図。
【図8】図7に対応する従来技術の説明図。
【図9】流速の測定箇所を示す説明図。
【図10】図8の従来技術における流れの状況の実験結
果を示すグラフ。
果を示すグラフ。
【図11】本発明による流れの状況の実験結果を示すグ
ラフ。
ラフ。
【図12】同、他の例による実験結果を示すグラフ。
【図13】(A),(B)はプレート部分に生じる負圧
の測定点を示す説明図。
の測定点を示す説明図。
【図14】負圧の発生度合いを比較したグラフ。
【図15】浸漬ノズル内へのアルミナ付着厚を比較した
グラフ。
グラフ。
【図16】(A)〜(C)はプレートの縮径された流出
孔の形状例を示す断面図。
孔の形状例を示す断面図。
【図17】(A)〜(C)は下ノズルの縮径形状例を示
す断面図。
す断面図。
1 タンデイッシュ 5 スライドバルブ装置 6 下ノズル(整流ノズル) 7 モールド 8 浸漬ノズル 9 吐出口 11 上位の固定プレート 12 可動プレート 15、16、18 流出孔 17 下位の固定プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前 田 昌 宏 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 木 村 雅 保 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内
Claims (3)
- 【請求項1】溶融金属容器の溶融金属流出口の下部に装
着され、固定プレートに対し可動プレートをスライドさ
せて各プレートに形成された流出孔の流出面積を変える
ことにより下部に配設されるノズルからの溶融金属の流
出量を制御する連続鋳造用スライドバルブ装置におい
て、上記各プレートに形成される流出孔を上位のプレー
トの孔径に対し下位のプレートの孔径を小としたことを
特徴とする連続鋳造用スライドバルブ装置。 - 【請求項2】前記下位に位置するプレートの流出孔の孔
径に対しその下位に位置するノズルの孔径を小とした請
求項1記載の連続鋳造用スライドバルブ装置。 - 【請求項3】前記孔径の比率は、上位のプレートの流出
孔の孔径をD、下位のプレートの流出孔の孔径をd、下
ノズルの孔径をd′とするとき、D≧d+D/10〜D
/20、D≧d≧d′+D/10〜D/20とした請求
項1記載の連続鋳造用スライドバルブ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15493094A JPH0819839A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 連続鋳造用スライドバルブ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15493094A JPH0819839A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 連続鋳造用スライドバルブ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0819839A true JPH0819839A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15595057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15493094A Pending JPH0819839A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 連続鋳造用スライドバルブ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819839A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002028760A (ja) * | 2000-07-14 | 2002-01-29 | Toshiba Ceramics Co Ltd | 偏流防止型スライドゲート |
JP2006000895A (ja) * | 2004-06-17 | 2006-01-05 | Kobe Steel Ltd | 連続鋳造方法 |
JP2011020164A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Kobe Steel Ltd | スライドプレートの開閉に起因する偏流を抑制する整流構造 |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP15493094A patent/JPH0819839A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002028760A (ja) * | 2000-07-14 | 2002-01-29 | Toshiba Ceramics Co Ltd | 偏流防止型スライドゲート |
JP2006000895A (ja) * | 2004-06-17 | 2006-01-05 | Kobe Steel Ltd | 連続鋳造方法 |
JP4549112B2 (ja) * | 2004-06-17 | 2010-09-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 連続鋳造方法 |
JP2011020164A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Kobe Steel Ltd | スライドプレートの開閉に起因する偏流を抑制する整流構造 |
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