JPH08197594A - 射出成形方法 - Google Patents
射出成形方法Info
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- JPH08197594A JPH08197594A JP1347495A JP1347495A JPH08197594A JP H08197594 A JPH08197594 A JP H08197594A JP 1347495 A JP1347495 A JP 1347495A JP 1347495 A JP1347495 A JP 1347495A JP H08197594 A JPH08197594 A JP H08197594A
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- resin
- cavity
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Abstract
(57)【要約】
【構成】成形金型内に圧力検出装置12,13を設置
し、圧力負荷時間という評価指数を導入し、キャビティ
6の圧力負荷時間が所定の値になるようにし、ランナ8
の圧力負荷時間をできるだけ短くするよう成形条件を制
御する。 【効果】圧力負荷時間を制御しキャビティ内に充填され
る樹脂の量を安定化することができ、またランナ部に不
必要な圧力をかけることを防止することができ、安定し
て高精度の成形品を得られる。
し、圧力負荷時間という評価指数を導入し、キャビティ
6の圧力負荷時間が所定の値になるようにし、ランナ8
の圧力負荷時間をできるだけ短くするよう成形条件を制
御する。 【効果】圧力負荷時間を制御しキャビティ内に充填され
る樹脂の量を安定化することができ、またランナ部に不
必要な圧力をかけることを防止することができ、安定し
て高精度の成形品を得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定金型と可動金型と
により構成されるキャビティ内へ樹脂を射出、注入して
成形品を得る射出成形に係り、特に高精度の精密射出成
形の成形方法に関する。
により構成されるキャビティ内へ樹脂を射出、注入して
成形品を得る射出成形に係り、特に高精度の精密射出成
形の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形では、従来より特開昭57−1
23031号公報に記載のように、スプル、ランナ、ゲ
ートを介してキャビティにプラスチック樹脂を充填して
いる。
23031号公報に記載のように、スプル、ランナ、ゲ
ートを介してキャビティにプラスチック樹脂を充填して
いる。
【0003】図9は、一般的な従来の成形金型の一例を
示す断面図である。同図において、1は固定型、2は可
動型、3はスペーサブロック、4は固定側取付板、5は
可動側取付板、6はキャビティ、7はゲート、8はラン
ナ、9はスプル、10は押出板、10aは押出棒、11
は空間である。
示す断面図である。同図において、1は固定型、2は可
動型、3はスペーサブロック、4は固定側取付板、5は
可動側取付板、6はキャビティ、7はゲート、8はラン
ナ、9はスプル、10は押出板、10aは押出棒、11
は空間である。
【0004】この金型に図示しない成形機から溶融樹脂
が射出,注入されるが、その際、溶融樹脂はスプル9、
ランナ8、ゲート7を通過してキャビティ6内に充填さ
れる。その後、固定型1と可動型2を分離し、押出板1
0を空間11内で上昇させると、それに伴って押出棒1
0aも上昇して、キャビティ6内に樹脂が充填されるこ
とによって形成された成形品をキャビティ6の外へ取り
出すことができる。
が射出,注入されるが、その際、溶融樹脂はスプル9、
ランナ8、ゲート7を通過してキャビティ6内に充填さ
れる。その後、固定型1と可動型2を分離し、押出板1
0を空間11内で上昇させると、それに伴って押出棒1
0aも上昇して、キャビティ6内に樹脂が充填されるこ
とによって形成された成形品をキャビティ6の外へ取り
出すことができる。
【0005】射出成形機で設定する成形条件として、射
出圧力、射出速度(もしくは射出率)、射出ストローク
(射出開始位置から保圧工程への切り換え位置までのス
クリューの移動距離)、保圧力(もしくは射出2次圧
力)、保圧時間、計量の背圧力などがある。
出圧力、射出速度(もしくは射出率)、射出ストローク
(射出開始位置から保圧工程への切り換え位置までのス
クリューの移動距離)、保圧力(もしくは射出2次圧
力)、保圧時間、計量の背圧力などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、成
形条件の設定要因が多いため適正条件の設定が難しく、
設定した条件が不適当であると不適当な圧力が金型に作
用して金型が変形して精度不良が発生したり、成形品の
重量,寸法の安定性が良くないという問題点が発生する
ことがあった。
形条件の設定要因が多いため適正条件の設定が難しく、
設定した条件が不適当であると不適当な圧力が金型に作
用して金型が変形して精度不良が発生したり、成形品の
重量,寸法の安定性が良くないという問題点が発生する
ことがあった。
【0007】これは、樹脂を充填する射出圧力が小さす
ぎると樹脂の収縮が大きく、寸法精度が悪く、安定性が
悪くなり、逆に射出圧力が不適当に大きくしてもキャビ
ティ内にはそれ以上充填されずにランナ部のみに樹脂が
充填されて、その樹脂圧力により金型が変形し、金型の
パーティング面が開き、成形品に厚さ分布が発生し、さ
らにその開き量が不安定になり成形品の重量および寸法
が不安定になるためである。
ぎると樹脂の収縮が大きく、寸法精度が悪く、安定性が
悪くなり、逆に射出圧力が不適当に大きくしてもキャビ
ティ内にはそれ以上充填されずにランナ部のみに樹脂が
充填されて、その樹脂圧力により金型が変形し、金型の
パーティング面が開き、成形品に厚さ分布が発生し、さ
らにその開き量が不安定になり成形品の重量および寸法
が不安定になるためである。
【0008】本発明の目的は、重量,寸法精度の安定し
た成形品を得ることができる高精度精密成形方法を提供
することにある。
た成形品を得ることができる高精度精密成形方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、まず本発明者ら
は、適正条件を見出すに当り、実際の成形における樹脂
の充填状態を検討した。金型キャビティ内とランナ部に
圧力センサを設置し、射出開始から充填完了を経て冷却
工程中の樹脂圧力を計測した。その結果、キャビティ部
とランナ部の樹脂圧力は、成形条件によって図5,図6
に示すような2種類の経時変化挙動を示した。図5で
は、充填完了後に若干キャビティ内の樹脂圧力が増加し
てから減少しているのに対し、図6では充填完了後すぐ
にキャビティ内の樹脂圧力が減少している。
は、適正条件を見出すに当り、実際の成形における樹脂
の充填状態を検討した。金型キャビティ内とランナ部に
圧力センサを設置し、射出開始から充填完了を経て冷却
工程中の樹脂圧力を計測した。その結果、キャビティ部
とランナ部の樹脂圧力は、成形条件によって図5,図6
に示すような2種類の経時変化挙動を示した。図5で
は、充填完了後に若干キャビティ内の樹脂圧力が増加し
てから減少しているのに対し、図6では充填完了後すぐ
にキャビティ内の樹脂圧力が減少している。
【0010】図5では、充填完了まではキャビティ内に
は樹脂圧力は負荷されておらず、スプルとランナ部にの
み樹脂圧力が負荷されている。その後、充填完了時点で
キャビティ内にも樹脂圧力が負荷される。この時点で、
キャビティ内とスプル、ランナ部の樹脂圧力は、ほぼ同
等である。
は樹脂圧力は負荷されておらず、スプルとランナ部にの
み樹脂圧力が負荷されている。その後、充填完了時点で
キャビティ内にも樹脂圧力が負荷される。この時点で、
キャビティ内とスプル、ランナ部の樹脂圧力は、ほぼ同
等である。
【0011】その後、キャビティ内の樹脂圧力は若干増
加し、その後減少し始める。一方、ランナ部は保圧時間
の間、樹脂圧力が若干増加している。したがって、保圧
時間終了時点では、キャビティ内の樹脂圧力はランナ部
より小さくなっている。
加し、その後減少し始める。一方、ランナ部は保圧時間
の間、樹脂圧力が若干増加している。したがって、保圧
時間終了時点では、キャビティ内の樹脂圧力はランナ部
より小さくなっている。
【0012】保圧工程終了後の冷却工程では、キャビテ
ィ内、ランナ部とも樹脂圧力が減少するが、その減少速
度はランナの方がキャビティ部より大きい。そして、冷
却工程中にキャビティ内の樹脂圧力がランナ部より大き
くなる。
ィ内、ランナ部とも樹脂圧力が減少するが、その減少速
度はランナの方がキャビティ部より大きい。そして、冷
却工程中にキャビティ内の樹脂圧力がランナ部より大き
くなる。
【0013】しかし、さらに冷却が進行するとランナ部
の樹脂圧力の減少速度が低下し、再度キャビティ内の樹
脂圧力がランナ部より小さくなる。
の樹脂圧力の減少速度が低下し、再度キャビティ内の樹
脂圧力がランナ部より小さくなる。
【0014】また、図6では、充填完了後すぐにキャビ
ティ内の樹脂圧力が減少し、充填完了時点から最後近く
まで常にキャビティ内の樹脂圧力がランナ部より大き
い。
ティ内の樹脂圧力が減少し、充填完了時点から最後近く
まで常にキャビティ内の樹脂圧力がランナ部より大き
い。
【0015】このように、キャビティ内とランナ部との
樹脂圧力の大きさの関係は、成形条件や時間によって異
なる。
樹脂圧力の大きさの関係は、成形条件や時間によって異
なる。
【0016】ここで例えば成形条件の一つである保圧力
と成形品重量の関係を求めてみると図7のようになっ
た。保圧力の増加に伴って成形品重量が増加している
が、その関係は途中で変化している。さらに他の条件を
変化させるとこの関係はシフトされ、単一成形条件だけ
では成形品重量を評価することは困難である。そこで実
際の樹脂圧力と対比させたほうが望ましいと考え、樹脂
圧力測定によるキャビティ部の最大樹脂圧力と成形品重
量との関係を求めてみたが、図8のようになり、その関
係が急激に変化している。
と成形品重量の関係を求めてみると図7のようになっ
た。保圧力の増加に伴って成形品重量が増加している
が、その関係は途中で変化している。さらに他の条件を
変化させるとこの関係はシフトされ、単一成形条件だけ
では成形品重量を評価することは困難である。そこで実
際の樹脂圧力と対比させたほうが望ましいと考え、樹脂
圧力測定によるキャビティ部の最大樹脂圧力と成形品重
量との関係を求めてみたが、図8のようになり、その関
係が急激に変化している。
【0017】したがって、成形品重量を単一の成形条件
や、実際の状態の1点のみの値である最大樹脂圧力だけ
では評価,管理することはできないことが判った。この
原因は、図5,図6のように樹脂圧力の挙動が異なる状
態が含まれるためである。
や、実際の状態の1点のみの値である最大樹脂圧力だけ
では評価,管理することはできないことが判った。この
原因は、図5,図6のように樹脂圧力の挙動が異なる状
態が含まれるためである。
【0018】そのため、図5,図6のような樹脂圧力の
挙動が異なっても一つの評価指数で評価することのでき
るものとして図2に示す圧力負荷時間を考案した。
挙動が異なっても一つの評価指数で評価することのでき
るものとして図2に示す圧力負荷時間を考案した。
【0019】樹脂圧力は、キャビティ内に樹脂が充填完
了した後、冷却中に徐々に低下していくが、このときの
充填完了から特定の樹脂圧力まで低下するのに要する時
間を圧力負荷時間と称することにした。
了した後、冷却中に徐々に低下していくが、このときの
充填完了から特定の樹脂圧力まで低下するのに要する時
間を圧力負荷時間と称することにした。
【0020】この圧力負荷時間を用い、図5,図6の成
形品重量を評価すると、図3のようにほぼ直線的に表す
ことができた。これは、成形条件だけでなく、ゲート形
状を変化させても同一線上に位置した。したがって、成
形品の重量は、この圧力負荷時間で評価,管理すること
ができる。
形品重量を評価すると、図3のようにほぼ直線的に表す
ことができた。これは、成形条件だけでなく、ゲート形
状を変化させても同一線上に位置した。したがって、成
形品の重量は、この圧力負荷時間で評価,管理すること
ができる。
【0021】また同じ成形品重量を得ることができるな
らば、成形品とはならないランナ部には余計な圧力が負
荷されないことが望ましい。そこで、成形条件を変化さ
せた場合のキャビティ部の圧力負荷時間とランナ部の圧
力負荷時間の関係を求め、図4に示す。
らば、成形品とはならないランナ部には余計な圧力が負
荷されないことが望ましい。そこで、成形条件を変化さ
せた場合のキャビティ部の圧力負荷時間とランナ部の圧
力負荷時間の関係を求め、図4に示す。
【0022】保圧時間は、極端に短い場合を除くがキャ
ビティ部の圧力負荷時間には影響は小さく、ランナ部の
圧力負荷時間には影響が大きい。射出速度(もしくは射
出率)および射出ストローク(射出開始位置から保圧工
程への切り換え位置までのスクリューの移動距離)は、
キャビティ部の圧力負荷時間への影響は大きいが、ラン
ナ部の圧力負荷時間は小さい。したがって、成形品の肉
厚分布が発生したような場合には、キャビティ内は現状
を維持したままランナ部の余分な圧力を除去するために
保圧時間を制御し、キャビティの充填不足の場合にはラ
ンナ部の圧力を高くしないでキャビティ部の圧力負荷時
間を長くできる射出速度、射出ストロークを制御すれば
良い。
ビティ部の圧力負荷時間には影響は小さく、ランナ部の
圧力負荷時間には影響が大きい。射出速度(もしくは射
出率)および射出ストローク(射出開始位置から保圧工
程への切り換え位置までのスクリューの移動距離)は、
キャビティ部の圧力負荷時間への影響は大きいが、ラン
ナ部の圧力負荷時間は小さい。したがって、成形品の肉
厚分布が発生したような場合には、キャビティ内は現状
を維持したままランナ部の余分な圧力を除去するために
保圧時間を制御し、キャビティの充填不足の場合にはラ
ンナ部の圧力を高くしないでキャビティ部の圧力負荷時
間を長くできる射出速度、射出ストロークを制御すれば
良い。
【0023】上記の目的を達成するため、本発明では、
上記の圧力負荷時間という評価指数を導入し、キャビテ
ィ内に充填される樹脂状態を検知するようにし、この圧
力負荷時間が所定の値になるように成形条件を制御する
ようにした。
上記の圧力負荷時間という評価指数を導入し、キャビテ
ィ内に充填される樹脂状態を検知するようにし、この圧
力負荷時間が所定の値になるように成形条件を制御する
ようにした。
【0024】また、ランナ部の圧力負荷時間を検知し、
キャビティ部の圧力負荷時間を所定の値に保ちながら、
ランナ部の圧力負荷時間をできるだけ短くするようにし
た。
キャビティ部の圧力負荷時間を所定の値に保ちながら、
ランナ部の圧力負荷時間をできるだけ短くするようにし
た。
【0025】
【作用】圧力負荷時間を検知し、キャビティ部の圧力負
荷時間がキャビティ内の樹脂には高精度成形品を得るた
めに十分な樹脂が充填できる所定の時間になるようし、
かつランナ部の圧力負荷時間を十分に短くするように成
形条件を制御するため、キャビティ内の樹脂の充填量の
過不足がなく、また金型の変形を低減することができ
る。これにより、高精度の成形品を安定して成形するこ
とができる。
荷時間がキャビティ内の樹脂には高精度成形品を得るた
めに十分な樹脂が充填できる所定の時間になるようし、
かつランナ部の圧力負荷時間を十分に短くするように成
形条件を制御するため、キャビティ内の樹脂の充填量の
過不足がなく、また金型の変形を低減することができ
る。これにより、高精度の成形品を安定して成形するこ
とができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の射出成形方法の一実施例を図
により説明する。
により説明する。
【0027】図1は、本発明の射出成形方法を行なうた
めの射出成形金型および射出成形機の一実施例の断面図
である。同図で、1は固定型、2は可動型、3はスペー
サブロック、4は固定側取付板、5は可動側取付板、6
はキャビティ、7はゲート、8はランナ、9はスプル、
10は押出板、10aは押出棒、11は空間、12はキ
ャビティ部圧力検出装置、13はランナ部圧力検出装
置、14はキャビティ部圧力演算装置、15はランナ部
圧力演算装置、16は射出制御装置、17は射出成形機
である。
めの射出成形金型および射出成形機の一実施例の断面図
である。同図で、1は固定型、2は可動型、3はスペー
サブロック、4は固定側取付板、5は可動側取付板、6
はキャビティ、7はゲート、8はランナ、9はスプル、
10は押出板、10aは押出棒、11は空間、12はキ
ャビティ部圧力検出装置、13はランナ部圧力検出装
置、14はキャビティ部圧力演算装置、15はランナ部
圧力演算装置、16は射出制御装置、17は射出成形機
である。
【0028】ここで、キャビティ部圧力検出装置12、
ランナ部圧力検出装置13は可動型2に組み込まれてお
り、各々キャビティ6、ランナ8に充填される樹脂の圧
力を測定するものである。キャビティ部圧力演算装置1
4、ランナ部圧力演算装置15は、各々キャビティ部圧
力検出装置12、ランナ部圧力検出装置13に接続され
ており、各々の圧力検出装置で検出された樹脂圧力の経
時変化を求め、圧力負荷時間を算出するものである。射
出制御装置16は、キャビティ部圧力演算装置14、ラ
ンナ部圧力演算装置15と接続されており、各々の演算
装置で算出された圧力負荷時間から次ショットの成形条
件を決定し、射出成形機17に制御信号を送信する。
ランナ部圧力検出装置13は可動型2に組み込まれてお
り、各々キャビティ6、ランナ8に充填される樹脂の圧
力を測定するものである。キャビティ部圧力演算装置1
4、ランナ部圧力演算装置15は、各々キャビティ部圧
力検出装置12、ランナ部圧力検出装置13に接続され
ており、各々の圧力検出装置で検出された樹脂圧力の経
時変化を求め、圧力負荷時間を算出するものである。射
出制御装置16は、キャビティ部圧力演算装置14、ラ
ンナ部圧力演算装置15と接続されており、各々の演算
装置で算出された圧力負荷時間から次ショットの成形条
件を決定し、射出成形機17に制御信号を送信する。
【0029】射出制御装置16で予め成形条件と所定の
圧力負荷時間を設定し、キャビティ部圧力演算装置1
4、ランナ部圧力演算装置15に圧力負荷時間を算出す
るための特定の圧力値を入力しておく。成形が開始され
ると、射出制御装置16で設定された成形条件に基づい
て射出成形機17から射出成形金型溶融樹脂が射出,注
入される。溶融樹脂はスプル9、ランナ8、ゲート7を
通過してキャビティ6内に充填される。
圧力負荷時間を設定し、キャビティ部圧力演算装置1
4、ランナ部圧力演算装置15に圧力負荷時間を算出す
るための特定の圧力値を入力しておく。成形が開始され
ると、射出制御装置16で設定された成形条件に基づい
て射出成形機17から射出成形金型溶融樹脂が射出,注
入される。溶融樹脂はスプル9、ランナ8、ゲート7を
通過してキャビティ6内に充填される。
【0030】ここで、充填された樹脂は射出成形機17
から圧力を加えられて充填されており、キャビティ6内
に充填された樹脂の圧力がキャビティ部圧力検出装置1
2で検出され、ランナ8に充填された樹脂の圧力がラン
ナ部圧力検出装置13によって検出される。この樹脂の
圧力は、冷却工程中も検出される。この間、樹脂の圧力
は、図5や図6に示すような変化を示しながら徐々に低
下していく。
から圧力を加えられて充填されており、キャビティ6内
に充填された樹脂の圧力がキャビティ部圧力検出装置1
2で検出され、ランナ8に充填された樹脂の圧力がラン
ナ部圧力検出装置13によって検出される。この樹脂の
圧力は、冷却工程中も検出される。この間、樹脂の圧力
は、図5や図6に示すような変化を示しながら徐々に低
下していく。
【0031】樹脂の圧力が、キャビティ部圧力演算装置
14、ランナ部圧力演算装置15に入力された特定の圧
力以下になった時点で、充填されてからの時間を圧力負
荷時間として求め、射出制御装置16にデータを送信す
る。
14、ランナ部圧力演算装置15に入力された特定の圧
力以下になった時点で、充填されてからの時間を圧力負
荷時間として求め、射出制御装置16にデータを送信す
る。
【0032】射出制御装置16では、送られてきた圧力
負荷時間を設定された所定の圧力負荷時間と比較し、そ
の結果に基づいて次ショットの成形条件を決定する。
負荷時間を設定された所定の圧力負荷時間と比較し、そ
の結果に基づいて次ショットの成形条件を決定する。
【0033】成形金型はその後、固定型1と可動型2を
分離し、押出板10を空間11内で上昇させると、それ
に伴って押出棒10aも上昇して、キャビティ6内に樹
脂が充填されることによって形成された成形品をキャビ
ティ6の外へ取り出す。
分離し、押出板10を空間11内で上昇させると、それ
に伴って押出棒10aも上昇して、キャビティ6内に樹
脂が充填されることによって形成された成形品をキャビ
ティ6の外へ取り出す。
【0034】キャビティ部の圧力負荷時間が所定の値よ
り小さい場合には、次の成形で、射出速度(もしくは射
出率)あるいはおよび射出ストローク(射出開始位置か
ら保圧工程への切り換え位置までのスクリューの移動距
離)を大きくし、キャビティだけの充填量を増加させ
る。
り小さい場合には、次の成形で、射出速度(もしくは射
出率)あるいはおよび射出ストローク(射出開始位置か
ら保圧工程への切り換え位置までのスクリューの移動距
離)を大きくし、キャビティだけの充填量を増加させ
る。
【0035】キャビティ部の圧力負荷時間が所定の値で
あれば、次の成形で、保圧時間(もしくは射出2次圧力
時間)を短くし、ランナ部の充填量のみを減らして型の
変形を低減する。
あれば、次の成形で、保圧時間(もしくは射出2次圧力
時間)を短くし、ランナ部の充填量のみを減らして型の
変形を低減する。
【0036】キャビティ部の圧力負荷時間が所定の値よ
り大きい場合には、保圧力を小さくし、キャビティ,ラ
ンナ部の充填量を減らす。
り大きい場合には、保圧力を小さくし、キャビティ,ラ
ンナ部の充填量を減らす。
【0037】成形状態が不安定であれば、この制御を繰
り返すことになる。
り返すことになる。
【0038】本実施例では、成形材料をポリメチルメタ
クリレートとし、直径約100mm、最大厚さ約10m
mの概略円盤形状の成形品を成形した。圧力負荷時間の
求めるための特定の樹脂圧力を5MPaとした。所定の
圧力負荷時間を80sとし、上記の制御を行なった結
果、重量の安定性0.1%以内、寸法精度10μmの成
形品を安定して得ることができた。
クリレートとし、直径約100mm、最大厚さ約10m
mの概略円盤形状の成形品を成形した。圧力負荷時間の
求めるための特定の樹脂圧力を5MPaとした。所定の
圧力負荷時間を80sとし、上記の制御を行なった結
果、重量の安定性0.1%以内、寸法精度10μmの成
形品を安定して得ることができた。
【0039】ここで、圧力負荷時間を求めるための特定
の樹脂圧力は、成形終了時の樹脂圧力が望ましく、3〜
10MPaの範囲であれば、図3に示したように、キャ
ビティ部の圧力負荷時間と成形品重量の関係が得られ
る。これ範囲以上の圧力を用いた場合、圧力負荷時間と
成形品重量の関係はこのような直線的な関係が得られな
いので不適当である。
の樹脂圧力は、成形終了時の樹脂圧力が望ましく、3〜
10MPaの範囲であれば、図3に示したように、キャ
ビティ部の圧力負荷時間と成形品重量の関係が得られ
る。これ範囲以上の圧力を用いた場合、圧力負荷時間と
成形品重量の関係はこのような直線的な関係が得られな
いので不適当である。
【0040】所定の圧力負荷時間は、成形品の形状に左
右されるものである。
右されるものである。
【0041】なお、本実施例では、キャビティ部圧力検
出装置12、ランナ部圧力検出装置13を可動型2に組
み込んだが、固定型1に組み込んでもよい。またキャビ
ティ部圧力検出装置12、ランナ部圧力検出装置13の
両方を使用しているが、安定性の向上はキャビティ部圧
力検出装置12のみでもよい。
出装置12、ランナ部圧力検出装置13を可動型2に組
み込んだが、固定型1に組み込んでもよい。またキャビ
ティ部圧力検出装置12、ランナ部圧力検出装置13の
両方を使用しているが、安定性の向上はキャビティ部圧
力検出装置12のみでもよい。
【0042】また、実施例の成形品の形状,材質は本発
明の本質を左右するものではない。
明の本質を左右するものではない。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、圧力負荷時間を制御す
ることによりキャビティ内に充填される樹脂の量を安定
化することができ、またランナ部に不必要な圧力をかけ
ることを防止することができるので、安定して高精度の
成形品を得ることができる。
ることによりキャビティ内に充填される樹脂の量を安定
化することができ、またランナ部に不必要な圧力をかけ
ることを防止することができるので、安定して高精度の
成形品を得ることができる。
【図1】本発明による射出成形方法を行なうための射出
成形金型および射出成形機の一実施例を示す説明図。
成形金型および射出成形機の一実施例を示す説明図。
【図2】本発明で射出成形状態の評価指数として用いた
圧力負荷時間の定義を示す特性図。
圧力負荷時間の定義を示す特性図。
【図3】図2で定義した圧力負荷時間と成形品重量との
関係の一例を示す特性図。
関係の一例を示す特性図。
【図4】図2で定義した圧力負荷時間を用い、キャビテ
ィ部の圧力負荷時間とランナ部の圧力負荷時間との関係
の一例を示す特性図。
ィ部の圧力負荷時間とランナ部の圧力負荷時間との関係
の一例を示す特性図。
【図5】射出成形中の樹脂圧力の経時変化の一例を示す
特性図。
特性図。
【図6】射出成形中の樹脂圧力の経時変化の一例を示す
特性図。
特性図。
【図7】成形条件の一つである保圧力と成形品重量との
関係の一例を示す特性図。
関係の一例を示す特性図。
【図8】成形中の樹脂の充填状態を表す一つの要因であ
る最大樹脂圧力と成形品重量との関係の一例を示す特性
図。
る最大樹脂圧力と成形品重量との関係の一例を示す特性
図。
【図9】従来の射出成形金型の一実施例を示す断面図。
1…固定型、2…可動型、3…スペーサブロック、4…
固定側取付板、5…可動側取付板、6…キャビティ、7
…ゲート、8…ランナ、9…スプル、10…押出板、1
0a…押出棒、11…空間、12…キャビティ部圧力検
出装置、13…ランナ部圧力検出装置、14…キャビテ
ィ部圧力演算装置、15…ランナ部圧力演算装置、16
…射出制御装置、17…射出成形機。
固定側取付板、5…可動側取付板、6…キャビティ、7
…ゲート、8…ランナ、9…スプル、10…押出板、1
0a…押出棒、11…空間、12…キャビティ部圧力検
出装置、13…ランナ部圧力検出装置、14…キャビテ
ィ部圧力演算装置、15…ランナ部圧力演算装置、16
…射出制御装置、17…射出成形機。
Claims (4)
- 【請求項1】固定金型と可動金型とにより構成される成
形金型のキャビティ内へスプル、ランナ、ゲートを介し
て樹脂を注入して成形品を得る射出成形方法において、 前記キャビティ内に充填される前記樹脂の圧力を測定す
る圧力検出装置を具備し、 前記圧力検出装置により、前記キャビティ内に樹脂が充
填されてから、充填された樹脂の圧力が特定の圧力以上
である圧力負荷時間を検知し、圧力負荷時間が所定の時
間となるように成形条件を制御することを特徴とする射
出成形方法。 - 【請求項2】固定金型と可動金型とにより構成される成
形金型のキャビティ内へスプル、ランナ、ゲートを介し
て樹脂を注入して成形品を得る射出成形方法において、 前記キャビティ内に充填される前記樹脂の圧力を測定す
る圧力検出装置と、前記ランナ内に充填される樹脂の圧
力を測定する圧力検出装置を具備し、前記キャビティ内
の前記圧力検出装置により、前記キャビティ内に樹脂が
充填されてから、前記キャビティ内に充填された樹脂の
圧力が特定の圧力以上であるキャビティ部の圧力負荷時
間を検知し、前記ランナ内の前記圧力検出装置により、
前記キャビティ内に樹脂が充填されてから、前記ランナ
内に充填された樹脂の圧力が特定の圧力以上である前記
ランナ部の圧力負荷時間を検知し、前記キャビティ部の
圧力負荷時間が所定の時間となるようにし、かつ前記ラ
ンナ部の圧力負荷時間を短くするように成形条件を制御
することを特徴とする射出成形方法。 - 【請求項3】請求項1または2において、 前記制御する成形条件を、射出ストロークもしくは射出
工程から保圧工程への切り換え位置もしくは射出速度も
しくは射出率もしくは保圧時間である射出成形方法。 - 【請求項4】請求項1,請求項2または請求項3におい
て、 前記充填された樹脂の圧力負荷時間を規定する特定の圧
力を、3〜10MPaの範囲内で定める射出成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1347495A JPH08197594A (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 射出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1347495A JPH08197594A (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 射出成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08197594A true JPH08197594A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11834134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1347495A Pending JPH08197594A (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 射出成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08197594A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6414661B1 (en) | 2000-02-22 | 2002-07-02 | Sarnoff Corporation | Method and apparatus for calibrating display devices and automatically compensating for loss in their efficiency over time |
-
1995
- 1995-01-31 JP JP1347495A patent/JPH08197594A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6414661B1 (en) | 2000-02-22 | 2002-07-02 | Sarnoff Corporation | Method and apparatus for calibrating display devices and automatically compensating for loss in their efficiency over time |
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