JPH08197220A - ダイカストマシン用スリーブ - Google Patents

ダイカストマシン用スリーブ

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Publication number
JPH08197220A
JPH08197220A JP7008035A JP803595A JPH08197220A JP H08197220 A JPH08197220 A JP H08197220A JP 7008035 A JP7008035 A JP 7008035A JP 803595 A JP803595 A JP 803595A JP H08197220 A JPH08197220 A JP H08197220A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
ceramics
die casting
casting machine
inner cylinder
Prior art date
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Pending
Application number
JP7008035A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomomi Soeda
知美 副田
Sadakazu Takayama
定和 高山
Shoji Agawa
昌次 阿川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TYK Corp
Original Assignee
TYK Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by TYK Corp filed Critical TYK Corp
Priority to JP7008035A priority Critical patent/JPH08197220A/ja
Publication of JPH08197220A publication Critical patent/JPH08197220A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐溶損性、耐衝撃性及び耐摩耗性が優れてい
ると共に、潤滑材を使用せずに鋳造することができる自
己潤滑性を有するダイカストマシン用スリーブを提供す
る。 【構成】 ダイカストマシン用スリーブは、鋼製の外筒
と、この外筒の内側に嵌入されたモリブデン又はモリブ
デン合金とセラミックスとの複合材料からなる内筒とか
ら構成されている。このセラミックスの体積含有率は5
乃至50%、セラミックスの平均粒径は500μm以下
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム、亜鉛、
錫及び鉛等の非鉄金属又はその合金の鋳造に好適のダイ
カストマシン用スリーブに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、アルミニウム等の非鉄金属を高精
度かつ高速で鋳造できるダイカスト技術は、自動車、産
業機器及び家電機器等の分野において各種部品の重要な
生産手段となっている。
【0003】従来、ダイカストマシン用スリーブ(以
下、スリーブという)には、主にJIS規格SKD61
合金等のダイス鋼が使用されている。また、スリーブの
長寿命化及び製造歩留りの向上を図ると共に、鋳造品の
大型化に対応するために、鋼製の外筒の内側にセラミッ
クスからなる内筒を焼きばめにより設けたスリーブが提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のスリーブには以下に示す問題点がある。先ず、
JIS規格SKD61合金等のダイス鋼からなるスリー
ブにおいては、一般的に非鉄金属合金と鉄とは反応しや
すいという性質があるため、非鉄金属の溶湯がスリーブ
に注入される際に溶湯が最初に接触する部分が著しく溶
損すると共に、スリーブの内壁にも溶損及び摩耗が生じ
てしまう。従って、スリーブを比較的頻繁に交換する必
要があり、スリーブの寿命が短い。また、鋼は熱伝導率
が良好であるため、スリーブ内に溶湯が注入されるとき
に、溶湯温度が低下しやすい。この溶湯温度の低下が鋳
造品の製造歩留りの低下を招来する。
【0005】一方、セラミックスからなる内筒を鋼製の
外筒に焼きばめたスリーブは、耐溶損性は優れているも
のの、ダイカストマシンが溶湯を射出する瞬間にスリー
ブに極めて大きな衝撃力が加えられるため、本来脆い性
質を有するセラミックスからなる内筒が破壊されてしま
うことがある。そうすると、作業を中断せざるを得なく
なり、作業性が悪い。
【0006】また、ダイス鋼からなるスリーブ及びセラ
ミックスからなる内筒を鋼製の外筒の内側に焼きばめた
スリーブを使用する場合は、通常、各鋳造作業ごとにプ
ランジャチップとスリーブのかじりを防止するために、
スリーブ内面に、油性又はエマルジョンの潤滑材が吹き
付けられる。しかし、この潤滑材はアルミニウム等の溶
湯中に混入すると、溶湯からの熱により、ガス化するこ
とがある。このガス化した潤滑材が溶湯と共に射出され
ると、その鋳造物は鋳造巣等の欠陥を有するものとな
り、製造不良が増大する。なお、潤滑材の使用は、作業
場の汚れの原因の一つとなっており、作業環境の低下に
もつながる。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、耐溶損性、耐衝撃性及び耐摩耗性が優れて
いると共に、潤滑材を使用せずに鋳造することができる
自己潤滑性を有し、長寿命であって作業性が良好なスリ
ーブを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイカスト
マシン用スリーブは、鋼製の外筒と、この外筒の内側に
嵌入されたモリブデン又はモリブデン合金とセラミック
スとの複合材料からなる内筒とを有することを特徴とす
る。
【0009】この場合に、セラミックスの体積含有率は
5乃至50%であることが好ましい。
【0010】更に、セラミックスの平均粒径は500μ
m以下であることが望ましい。
【0011】
【作用】本発明において、鋼製の外筒の内側に嵌入され
た内筒はモリブデン又はモリブデン合金とセラミックス
との複合材料からなるため、溶湯に対する耐溶損性、耐
衝撃性及び耐摩耗性が優れている。また、この内筒は、
自己潤滑性を有し、潤滑材を使用しないで鋳造すること
が可能である。更に、本発明のスリーブは、長寿命であ
ると共に、良好な作業性が得られる。
【0012】次に、セラミックスの体積含有率の限定理
由について説明する。セラミックスは本来的に高い硬度
を有し、この高硬度ののセラミックスを含むことにより
複合材料からなる内筒の耐摩耗性が向上する。セラミッ
クスの体積含有率が5%未満では、内筒の耐摩耗性が不
十分であり、プランジャチップより内径が拡大して長時
間の使用に供し得ない。一方、セラミックスの体積含有
率が50%を超えると、モリブデン又はモリブデン合金
とセラミックスとの複合材料からなる内筒が脆性化する
ことにより、耐衝撃性が劣化してしまう。従って、セラ
ミックスの体積含有率は5%〜50%であることが好ま
しい。
【0013】次に、セラミックスの平均粒径の限定理由
について説明する。セラミックスの平均粒径が500μ
mを超えると、モリブデン又はモリブデン合金とセラミ
ックスとの界面接合性が低下する。即ち、スリーブのダ
イカスト工程における使用時に、スリーブに対し引張応
力が印加されるとセラミックスとモリブデン又はモリブ
デン合金の界面が分離し、スリーブが破壊される虞があ
る。従って、セラミックスの平均粒径は500μm以下
が望ましい。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、本発明の特
許請求の範囲から外れる比較例及び従来例と比較して説
明する。
【0015】先ず、平均粒径が5μmのモリブデンの粉
末と平均粒径が3μmのジルコニアの粉末とを下記表1
(実施例1〜4及び比較例5〜7)に示すように配合
し、これらを均一に混合して複合材料の原料とした。こ
れをゴム型に密封して加圧力が1トン/cm2 の条件で
冷間静水圧プレス(CIP)加工を実施し、筒状の圧粉
体を得た。次に、この圧粉体をアルゴン雰囲気中、温度
が1850℃の炉内で焼結させた後に、この焼結体を旋
盤加工してスリーブ内筒を製作した。これを鋼の外筒に
焼きばめすることにより、本実施例及び比較例に係るス
リーブを製作した。
【0016】なお、従来例8及び従来例9は、夫々、従
来から使用されているダイス鋼(JIS SKD61)
製のスリーブ及びセラミックス(窒化けい素)からなる
内筒を鋼の外筒の内側に焼きばめしたスリーブである。
【0017】
【表1】
【0018】次に、スリーブの内筒の硬さ試験及び引張
試験を行った。硬さ試験では、マイクロビッカース硬さ
機によりスリーブの内筒の内面部の硬度を測定した。ま
た、引張試験では、スリーブの内筒の伸びを測定した。
【0019】これらの結果を下記表2に示す。硬さ試験
において、実施例1〜4及び比較例6、7は、従来例8
のダイス鋼よりも高く、従来例9の窒化けい素よりも低
い硬さを示した。なお、比較例5の硬度は、ダイス鋼よ
りやや低い値を示した。また、引張試験では、実施例1
〜4及び比較例5〜7は、従来例8のダイス鋼より短
く、従来例9の窒化けい素より長い伸びを示した。これ
は、上記スリーブの内筒が、従来例と比較し、耐摩耗性
及び耐衝撃性を兼ね備えていることを示している。
【0020】
【表2】
【0021】最後に、実施例、比較例及び従来例の各ス
リーブに対し実用試験を実施して、その特性を調べた。
この実用試験はコールドチャンバー用ダイカストマシン
(能力250トン)にスリーブを取り付けて実際にアル
ミニウム合金(ADC12)の溶湯から自動車用エンジ
ンカバーを潤滑材を使用せずに鋳造した。そして、10
000回ショットまで繰り返して鋳造した後、スリーブ
の状況を観察した。
【0022】これらの結果を下記表3に示す。この表3
から明らかなように本発明の実施例に係るスリーブは1
0000回ショットした後もスリーブの状況は良好であ
った。また、比較例5はスリーブとプランジャーチップ
との摩耗により内筒の内径が拡大した。比較例6及び7
はスリーブの割れが発生し、作業が中断した。従来例8
及び9はスリーブとプランジャチップとの間が焼き付
き、作業が中断した。
【0023】
【表3】
【0024】なお、上述の実施例において使用可能なセ
ラミックスは上述のジルコニア(ZrO2 )に限定され
るものではなく、Cr23、TiO2 、MgO及びY2
3等の酸化物、Si34、TiN、BN及びAlN等
の窒化物、TiC、B4C 及びCrC2 等の炭化物、M
oB、ZrB2 及びTiB2 等のホウ化物並びにサイア
ロン等のセラミックスのうちから選択された1種又は2
種以上の混合物を使用しても良い。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、非
鉄金属又はその合金のダイカストマシンによる鋳造にお
いて、溶湯に対する耐溶損性、耐衝撃性及び耐摩耗性が
優れており、これにより、本発明は、スリーブの長寿命
化と共に、潤滑材を使用しないで鋳造することができる
ことによる良好な作業性を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製の外筒と、この外筒の内側に嵌入さ
    れたモリブデン又はモリブデン合金とセラミックスとの
    複合材料からなる内筒とを有することを特徴とするダイ
    カストマシン用スリーブ。
  2. 【請求項2】 前記複合材料においてセラミックスの体
    積含有率が5乃至50%であることを特徴とする請求項
    1に記載のダイカストマシン用スリーブ。
  3. 【請求項3】 前記セラミックスの平均粒径が500μ
    m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ダイカストマシン用スリーブ。
JP7008035A 1995-01-23 1995-01-23 ダイカストマシン用スリーブ Pending JPH08197220A (ja)

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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52139608A (en) * 1976-05-18 1977-11-21 Toho Kinzoku Kk Molybdenummzirconia composite alloy and protecting tube for temperatureemeasuring device
JPH02280953A (ja) * 1989-04-21 1990-11-16 Tokyo Yogyo Co Ltd ダイカストマシン用射出部品
JPH04247804A (ja) * 1991-01-24 1992-09-03 Tokyo Yogyo Co Ltd ダイカストマシン用射出部品
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JPH0671406A (ja) * 1992-07-08 1994-03-15 Asahi Glass Co Ltd ダイカスト用射出スリーブとアルミニウムまたはアルミニウム合金部材の鋳造方法

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