JPH0819631B2 - リグノセルロース物質の漂白方法 - Google Patents

リグノセルロース物質の漂白方法

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JPH0819631B2 JP2330225A JP33022590A JPH0819631B2 JP H0819631 B2 JPH0819631 B2 JP H0819631B2 JP 2330225 A JP2330225 A JP 2330225A JP 33022590 A JP33022590 A JP 33022590A JP H0819631 B2 JPH0819631 B2 JP H0819631B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リグノセルロース物質の漂白方法に関す
る。さらに詳しく述べるならば、本発明は、パルプの退
色性の少ない改良された次亜塩素酸塩漂白工程を含むパ
ルプの多段漂白方法に関する。
〔従来の技術〕
リグノセルロース物質を多くの紙製品の用途に使用す
るためには、化学的或いは機械的作用により得られたパ
ルプを漂白する必要がある。
例えば、木材を原料としたクラフトパルプは、袋、粘
着テープなどの包装資材用を除いて、一般に塩素、次亜
塩素酸塩(ハイポ)、二酸化塩素、酸素、過酸化水素、
苛性ソーダなどの漂白薬品及び漂白助剤により漂白して
未晒パルプの着色原因であるリグニンが除去される。
パルプ強度を要求される化学パルプの漂白において
は、パルプ繊維自体の強度を高く保つため漂白の間の炭
水化物の分解が最小になるように、一般の漂白による過
激な漂白を避け、漂白条件を可能なかぎり温和に整えた
多段漂白シーケンスが採用されているのが普通である。
多段漂白工程においては、パルプは、最初に塩素で処
理され、パルプ中に含まれるリグニンが塩素化され、水
に可溶性とされる。次いでパルプが、苛性ソーダのよう
なアルカリで処理された時に、塩素化リグニンはパルプ
中から液側に溶出する。パルプはその後さらに、次亜塩
素酸塩、二酸化塩素、苛性ソーダなどの漂白薬品と漂白
助剤を交互に用いて処理され、パルプ中に残留する少量
のリグニンが分解除去され、最終的に除塵工程を経て白
色度の高いパルプが得られる。
この多段漂白における塩素処理をC、アルカリ処理を
E、次亜塩素酸塩処理をH、二酸化塩素処理をD、過酸
化水素処理をPとして示すと、一般的な漂白シーケンス
は、C−E−H−E−D、C−E−D−E−D、C−E
−H−P−Dなどで表される。
通常完全漂白パルプを得るには、5ないし6段の漂白
段数を必要としていたが、近年、塩素処理段に続くアル
カリ抽出段において、酸素(EO)、過酸化水素(EP)ま
たは次亜塩素酸塩(EH)あるいはこれらの幾つかを同時
に併用する技術(例えばEPO)が、開発されたことによ
って、漂白シーケンスを3ないし4段に短縮できるよう
になり、これは、一般的にショートシーケンスと称され
ている。
また漂白段に入るパルプ中の残留リグニン量を大幅に
減少させる方法として、蒸解工程と漂白工程との間で実
施される酸素漂白法(またはO2漂白法)がある。
この酸素漂白法は、蒸解済みのパルプにアルカリと酸
素を混合し、加圧下の反応容器内を通過させる間にパル
プ中のリグニンを酸化分解してアルカリに可溶化させ
て、脱リグニンを行う方法である。この方法では、廃液
に塩素イオンを実質的に含まないので、蒸解済みのパル
プの洗浄液として循環使用され、最終的には蒸解廃液と
一緒に回収され(特開昭47−5202号公報及び特開昭49−
7503号公報参照)、回収ボイラーにおいて有機物は燃料
として使用されるから、漂白排水からの汚濁負荷を大幅
に減少でき、排水処理コストの低減をもたらすので、現
在わが国を含め世界の紙パルプ工業の主要国において数
多く採用されている。
このパルプの酸素漂白法は従来の塩素系薬品の用いる
漂白法との組合せで、完全漂白パルプのみならず、半晒
パルプの製造に応用されている。
例えば、O2−C/D−E(特公昭47−7202号公報)、C/D
−O2−D−E−D(特公昭47−10241号公報)、O2−Dc
−O2−E(特公昭47−44441号公報)、O2−D/C−E−D
(特公昭52−17605号公報)などの漂白シーケンスがよ
く知られている。
さらに、酸素漂白と塩素系薬品による漂白との組合せ
については、Paper Trade Jaurnal,August/5,49(196
8)及びTappi54(11):1893(1971)において各種の漂
白シーケンスが提案されている。
これらの漂白シーケンスで得られるハンター白色度計
による完全漂白パルプの白色度は、通常80〜95%の範囲
にあるが、パルプを熱あるいは光に一定時間暴露し、そ
の前後の白色度を測定してその差から求められる退色度
(TAPPI試験法 UM−200)は、漂白シーケンスあるいは
漂白条件により顕著に影響される。
例えば、ショートシーケンスでは、漂白段数が、通常
の多段漂白のものより少ないため、漂白条件を厳しくし
ないと、パルプ白色度の水準が、多段漂白シーケンスに
よるパルプのものと同一にならず、一方漂白条件を厳し
くすると、パルプ繊維の損傷が発生しパルプ粘度が低下
し、ひいてはパルプの機械的強度の損失を伴うので、そ
の結果ショートシーケンスからのパルプ、特に針葉樹パ
ルプの白色度は、パルプ品質、とりわけ強度とのバラン
スを配慮したものとせざるを得ないから、水準を高く保
持できず、退色性は大きなものとなる。
この理由により、BKP(晒クラプトパルプ)を製造
し、販売している工場では、通常の多段漂白シーケンス
が依然として用いられている。
退色性は、漂白薬品に二酸化塩素や過酸化水素を用い
たり、漂白助剤としてのアルカリにより抽出を強化する
と改善される。特に、漂白温度と薬品添加率を高くし、
漂白時間を長くするほどその改善効果は、大きい(The
Bleaching of Pulp,382,384,TAPPI PRESS(1978)及び
N.Hartler,TAPPI43(11)903(1960)参照)。
一方、次亜塩素酸塩(ハイポ)は、薬品コストが、二
酸化塩素や過酸化水素より安く、しかも薬品の取り扱い
性及びパルプに対する漂白性も優れているが、漂白パル
プの退色性に悪影響を及ぼすという欠点を有し、ハイポ
の添加率と漂白温度が高いほど、漂白時間が長いほどパ
ルプの退色性は悪化する(The Bleaching of Pulp,383,
TAPPI PRESS(1979))。
この理由は、ハイポ漂白により漂白パルプのセルロー
ス鎖の末端にカルボニル基が導入されるからといわれて
いる(W.H.Rapson,C.B.Anderson,G.F.King,TAPPI41
(8)442(1958))。
さらに、ハイポ段ではパルプ粘度の低下が、他の漂白
薬品により顕著にみられ、温度、漂白前後のpHの調整、
反応時間の短縮、尿素やスルファミン酸などの粘度低下
防止剤の使用に工夫が凝らされている。
通常のハイポ漂白段の条件は、次亜塩素酸塩として次
亜塩素酸塩カルシウム或いは次亜塩素酸塩ナトリウムを
用い、添加率、絶乾パルプ重量当たり0.1〜3%、パル
プ濃度8〜15%、反応温度50℃以下、反応時間120分前
後である。
ハイポ段でのパルプ粘度の損失を防ぐため、アルカリ
源として一般に苛性ソーダを使用して、ハイポ段の終期
pHを7〜8に調整することが行われ、そのための苛性ソ
ーダ添加率は、絶乾パルプ重量当たり0.5%以下である
(The Bleaching of Pulp,TAPPI PRESS101〜102(197
9)参照)。
近年、高温ハイポ漂白が、開発されており、この方法
は、60〜80℃の高温度下で、5〜20分間のように短い反
応時間で行うものであるが、この方法は、高温度下でも
反応時間を短くすれば、パルプ粘度の低下が、少ないこ
とに着目したものであるが、退色性に関しては依然とし
て通常のハイポ漂白法と同じ問題を抱えていた。
このようにハイポ漂白は、漂白コストが安いという利
点があるにもかかわらず、パルプの退色性に最大の難点
を有している。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者等は、かかる現状に鑑み、ハイポ漂白につい
て鋭意研究した結果、ハイポ漂白においてアルカリを通
常のハイポ漂白より過剰に添加し、かつ通常のハイポ漂
白温度より高い温度で漂白を行うことによって、パルプ
強度を一定の水準に維持しながらパルプ白色度を高くで
きるばかりでなく、退色性を大幅に改善できることを見
いだし本発明を完成するに到った。
従って、本発明は、ハイポ漂白の有する利点を生か
し、かつその欠点を解消するためになされたものであ
り、パルプの強度及び白色度を高い水準に維持しなが
ら、退色が著しく少ない安定したパルプ品質を得ること
ができるパルプの漂白方法を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、リグノセルロース物質より得られたパルプ
を塩素、アルカリ抽出に次いで次亜塩素酸塩で処理する
工程を含む多段の漂白方法において、該次亜塩素酸塩に
よる漂白段で、絶乾パルプ重量当たり1.0%以上のアル
カリを添加し、かつ60℃以上の温度下でパルプを処理す
ることを特徴とするリグノセルロース物質の漂白方法で
ある。
本発明の漂白法の塩素段(C)において用いられる塩
素系化合物は、公知の塩素及び二酸化塩素であり、これ
らは、単独で或いは任意の割合で混合して使用される。
塩素と二酸化塩素の添加方法は、両者を混合してもよ
く、二酸化塩素の添加後数秒以内に塩素を添加しても良
い。また、二酸化塩素の一部を先に添加し、その後残り
の二酸化塩素と塩素を混合して添加しても良い。
有効塩素量で示される塩素化合物の絶乾パルプ重量当
たりの添加率は、未晒パルプのリグニン含有量に比例
し、リグニンの1〜5%の範囲である。
C段における反応温度は、20〜60℃、反応時のパルプ
濃度は、1〜10%、反応時間は5〜60分、そして反応終
了時の液のpHは、2〜5の範囲である。
C段の漂白工程の後で、公知のパルプ洗浄或いは脱水
工程が、続いて行われる。
本発明方法のアルカリ段(E)で用いられるアルカリ
は、苛性ソーダに代表されるアルカリ性化合物のなかか
ら選ばれ、絶乾パルプ重量当たり0.5〜3%(NaOH換
算)、反応温度は、40〜70℃、反応時のパルプ濃度は、
5〜20%、反応時間は30〜120分、反応終了時の液のpH
は、8〜12の範囲である。E段の抽出工程後において
も、C段の場合と同様、パルプの洗浄あるいは脱水工程
が、続いて行われる。
本発明方法の次亜塩素酸塩漂白段(H)で用いられる
次亜塩素酸塩は、次亜塩素酸塩カルシウム或いは次亜塩
素酸塩ナトリウムであるが、カルシウム化合物の沈降分
離やスケールの発生防止というような作業性を配慮する
と、薬品コストは互いが、次亜塩素酸塩ナトリウムの方
が好ましい。
ハイポの絶乾パルプ重量当たりの添加率は、0.1〜3.0
%、好ましくは0.3〜1.0%、の範囲であり、補助薬品と
して用いられるアルカリは、苛性ソーダが最も代表的で
あるが、絶乾パルプ重量当たり1.0〜3.0%(NaOH換
算)、好ましくは1.5〜2.0%の範囲で添加できる。
アルカリ添加率が、1%未満ではアルカリ性が、不十
分なため退色性の改善は、不満足なものとなり、3.0%
以上では効果の頭打ちにより無駄な薬品の使用につなが
るので好ましくない。
H段の反応温度は、60〜90℃、好ましくは70〜75℃、
反応時のパルプ濃度は、5〜20%、反応時間は30〜150
分の範囲である。
本発明によるH段におけるパルプの退色性の改善には
温度の効果が顕著である。温度が、60℃以下では改善効
果が少なく、90℃以上では効果は、頭打ちとなり、熱エ
ネルギーの損失につながるので、90℃以上に温度を上げ
ないほうがよい。
本発明のH段でパルプの退色性が改善される理由は、
高アルカリ及び高温度のもとで末端のカルボニル基が、
十分酸化を受け着色性を消失するためと考えられる。
H段も他の段と同様に、反応が終了したパルプは、洗
浄或いは脱水処理が、続いて行われる。
二酸化塩素段(D)で使用されるClO2は、公知の二酸
化塩素発生法から得られるものが、使用される。
絶乾パルプ重量当たりの二酸化塩素の添加率は、ClO2
換算で0.2〜3%の範囲、反応温度は40〜90℃の範囲、
パルプ濃度は、5〜15%の範囲、反応時間は、15〜300
分の範囲、反応終了時のpHは、2〜6の範囲である。
本発明は、C(C/D或いはD/C)−E−H−D−E−
D、C−E−H−D、C−E−H−P−Dなどのように
H段を組み入れた多段漂白に用いられ、酸素漂白法と組
み合わせてもよい。
即ち、本発明は、通常のクラフトパルプ、修正クラフ
トパルプ、アルカリパルプ、サルファイトパルプなどの
化学パルプ及びこれらのパルプの酸素漂白処理されたパ
ルプ並びにその他の木材パルプ及び非木材パルプの漂白
に単独で或いは従来の漂白シーケンスの一部として代替
して使用することができる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、本発明は、勿論これらに限定されるものではない。
以下に示す実施例及び比較例において、リグノセルロ
ース物質の漂白条件及び得られたパルプの物理的性質の
測定は、特に示さないかぎり次の操作によった。
酸素漂白(0段) 広葉樹未晒クラフトパルプ(国内産広葉樹の混合材、
カッパー価16.6)の絶乾50gを1容量の電熱加熱式オ
ートクレーブに採り、カッパー価に比例した所定量のNa
OHを加え(カッパー価×0.1%)、さらにパルプ濃度が1
5%になるように所定量の水を加えた後、撹拌機で撹拌
しながら昇温し、100℃に到達後酸素ガス(純度99.99
%)をゲージ圧力で5kg/cm2になる迄添加し、その後60
分間保持した。
反応終了後、オートクレーブから試料を取り出し、水
洗して遠心脱水した。
塩素漂白(C段) 広葉樹未晒クラフトパルプ(国内産広葉樹の混合材、
カッパー価16.6)或いは前記で得られた酸素漂白パルプ
(カッパー価10.4)の絶乾50gをプラスチック袋に採
り、カッパー価に比例した所定量の塩素水を加え(カッ
パー価×0.2%)、さらにパルプ濃度が5%になるよう
所定量の水を加え、手もみ撹拌によって十分に混合し、
50℃の恒温槽に浸漬し、30分間保持した。
反応終了後、袋から試料を取り出し、水洗して遠心脱
水した。
アルカリ抽出(E段) 遠心脱水したC段処理パルプをプラスチック袋に採
り、カッパー価に比例した所定量のアルカリ(苛性ソー
ダ)を加え(カッパー価×0.1%)、さらにパルプ濃度
が10%になるよう所定量の水を加え、手もみ撹拌によっ
て十分に混合し、60℃の恒温槽に浸漬し、60分間保持し
た。
反応終了後、袋から試料を取り出し、水洗して遠心脱
水した。
ハイポ漂白(H段) 遠心脱水したE段処理パルプをプラスチック袋に採
り、所定量のアルカリとハイポ(次亜塩素酸ソーダ)を
加え、さらにパルプ濃度が10%になるよう所定量の水を
加え、手もみ撹拌によって十分に混合して所望の温度の
恒温槽に浸漬し、90分間保持した。
反応終了後、袋から試料を取り出し、水洗して遠心脱
水した。
二酸化塩素漂白(D段) 遠心脱水したH段処理パルプをプラスチック袋に採
り、所定量の二酸化塩素を加え(絶乾パルプ重量当たり
ClO2換算で0.5%)、さらにパルプ濃度が10%になるよ
う所定量の水を加え、手もみ撹拌によって十分に混合し
て70℃の恒温槽に浸漬し、180分間保持した。
反応終了後、袋から試料を取り出し、水洗して遠心脱
水した。
パルプの物理的性質の測定 (1) 白色度 遠心脱水したパルプを離解後、Tappi試験法T205os−7
1(JIS P8209)に従って秤量60g/m2のシートを作成し、
JIS P8123に従って測定した。
(2) パルプ粘度 遠心脱水したパルプを手で細かくもみほぐした後、Ta
ppi試験法、T230os−82に従って測定した。
(3) 裂断長及び比引裂き強さ 遠心脱水したパルプを解離してパルプ濃度10%におい
てPFIミルで400ml C.S.F.(カナダ標準フリーネス)ま
で叩解し、JIS P8209に従い秤量60g/m2のシートを作成
し、JIS P8113及びP8116に従い測定した。
(4) 退色 漂白剤の遠心脱水パルプを解離して秤量60g/m2のシー
トを作成し、105℃の熱風循環式恒温槽で4時間退色処
理を行い、JIS P8123に従って白色度を測定した。
実施例1及び比較例1 広葉樹未晒クラフトパルプ(国内産の混合材、カッパ
ー価16.6)を用い、C−E−H−Dシーケンスで漂白し
た。
実施例1ではH段での温度は70℃、アルカリ(苛性ソ
ーダ)添加率は絶乾パルプ重量当たり2.0%、ハイポ
(次亜塩素酸ソーダ)添加率は絶乾パルプ重量当たり0.
8%、比較例1ではH段での温度は45℃、アルカリ(苛
性ソーダ)添加率は絶乾パルプ重量当たり0.2%、ハイ
ポ(次亜塩素酸ソーダ)添加率は0.8%である。
得られた結果を第1表に示す。
実施例2及び比較例2 広葉樹未晒クラフトパルプ(国内産の混合材、カッパ
ー価16.6)を用い、O2−C−E−H−Dシーケンスで漂
白した。
実施例2ではH段での温度は70℃、アルカリ(苛性ソ
ーダ)添加率は絶乾パルプ重量当たり1.5%、ハイポ
(次亜塩素酸ソーダ)添加率は絶乾パルプ重量当たり0.
6%、比較例2ではH段での温度は45℃、アルカリ(苛
性ソーダ)添加率は絶乾パルプ重量当たり0.2%、ハイ
ポ(次亜塩素酸ソーダ)添加率は絶乾パルプ重量当たり
0.6%である。
得られた結果を第2表に示す。
第1表及び第2表から分かるように、H段で通常のハ
イポ漂白よりも高温度及び高アルカリ添加率で漂白した
本発明方法によるパルプは、裂断長及び比引裂き強さな
どの強度は殆ど変わらないが、白色度が高く、退色性が
著しく改善されている。
パルプが退色しにくいことは、白色度の目標を低下さ
せることができ、従来法のパルプと同一水準の白色度と
すると薬品添加率を減少させることができ、汚濁負荷量
がそれだけ減少するので排水処理費がすくなくなる。
〔発明の効果〕
本発明は、従来法と比較して白色度が高く、退色しに
くいパルプを製造することができるという効果を有す
る。
従来法と同一水準の白色度のパルプを製造する場合に
は、大幅な設備の変更を伴わないで、高価な薬品の添加
率を大きく減少できるので、漂白薬品費の低減が期待で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−112389(JP,A) 特開 平2−68378(JP,A) 特開 昭53−143705(JP,A) 特公 昭62−14678(JP,B2) 特許87360(JP,C2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リグノセルロース物質より得られたパルプ
    を塩素、アルカリ抽出に次いで次亜塩素酸塩で処理する
    工程を含む多段の漂白方法において、該次亜塩素酸塩に
    よる漂白段で、絶乾パルプ重量当たり1.0%以上のアル
    カリを添加し、かつ60℃以上の温度下でパルプを処理す
    ることを特徴とするリグノセルロース物質の漂白方法。
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