JP3754687B2 - 熱退色性の改良された漂白クラフトパルプの製造方法 - Google Patents

熱退色性の改良された漂白クラフトパルプの製造方法 Download PDF

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本願発明は、リグノセルロース物質をクラフト法で蒸解し、次いでアルカリ酸素脱リグニンと洗浄精選を順次に行い、その後元素状塩素及び次亜塩素酸塩を含まれていない無塩素漂白シーケンスで処理してなる熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプの製造方法に関するものである。
リグノセルロース物質をクラフト法で蒸解して得られたパルプは、アルカリ酸素脱リグニンと洗浄精選を順次に行い、次いで漂白工程へ移行する。漂白工程は主に3方法があり、従来の塩素漂白法、無塩素漂白法(Elementary Chlorine Free : ECF)及び完全無塩素漂白法(Totally Chlorine Free : TCF)である。塩素漂白法では、元素状塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、酸素、過酸化水素、苛性ソーダ等の薬品の組み合わせによりパルプを漂白処理するが、この塩素漂白法からなる有機塩素化合物負荷が環境に悪影響する恐れがあり、近年の環境保護の高まりにより塩素の使用が避けられ、さらに、次亜塩素酸塩の使用により発生するクロロホルムが人体に悪影響する懸念もあり、国によっては(たとえば、米国、カナダ、ドイツ、スカンディナビア諸国等)有機塩素化合物負荷の規制が法的に行われ、また次亜塩素酸塩の使用を禁止する法令が成立した例も少なくないため、現在では、塩素と次亜塩素酸塩を含まないECF及びTCF漂白が主力方法になり、その場合、一般的な使用薬品としては、ECF漂白法で二酸化塩素、過酸化水素、オゾン、酸素、苛性ソーダ等、TCF漂白法でキレート剤、過酸化水素、オゾン、酸素、苛性ソーダ及び過酢酸であるが、ECFパルプはTCFパルプに比べ白色度が高く、コストも安価であるため、ECF漂白法が現在の主流となっている。
塩素漂白からECF漂白への転換に当たり、設備費用をおさえるため、塩素と次亜塩素酸塩の旧設備を使用することが一般的な手段であり、これにより、塩素段の代替段として初期二酸化塩素段(D0段と略)、次亜塩素酸塩段の変わり段は過酸化水素段(P段と略)または二酸化塩素段(D段と略)となっている。最近、オゾン段の導入例もあり、その設置位置は漂白シーケンスの最初または中間にある。
二酸化塩素によるECF漂白パルプは塩素漂白のものに比べ、物流・保管時等の退色性が激しく、その退色性は一般に光よりも熱によるものと考えられ、特開2002−266271、同2003−96680によれば、二酸化塩素をベースしたECF漂白パルプの熱退色性(80℃)を改善するためには、JIS P8206による過マンガン酸カリウム価が1.5以下、PC価が10.0以下、そしてヘキセンウロン酸(HexAと略)が10mmol/kgBD(BD:bone dry = 絶乾)パルプ以下になることが必要であるとされている。
さらに、特開2003−105684では、アルカリ酸素脱リグニン後のクラフトパルプの無塩素漂白において、D0段の代替として酸性側(pH:1.5〜4.5)で実施するP段を使用し、且つ酸性P段後のパルプのHexAが15mmol/kgBDパルプ以下の条件を満すと、漂白クラフトパルプの熱退色性が改善されることが示されている。
特開2002−266271 特開2003−96680 特開2003−105684
上記の公知特開公報に記載されている過マンガン酸カリウム価(1.5以下)、PC価(10.0以下)、HexA(10mmol/kgBDパルプ以下)を得るには、二酸化塩素によるECF漂白条件を選定することが必要であることが示されているが、これらの条件を満したパルプの品質についての考慮がなく、さらに、過マンガン酸カリウム価は、完成漂白パルプのリグニン指数としたことが適切なものかどうか、さらに、HexAは熱退色の原因であるのかどうかという課題がまだ残っている。
本願発明は、漂白クラフトパルプ(ECF漂白クラフトパルプ)における上記のような課題を改善しようとしてなされたもので、次のような手段からなっている。
本願発明は、(ECF)漂白クラフトパルプの熱退色性を改良するにあたり、クラフト蒸解法でリグノセルロース物質を蒸解して得られたパルプ成分をアルカリ酸素脱リグニンと、洗浄精選を順次に行い、さらに酸性水溶液中で処理する(または処理しない)点までは従来の未晒クラフトパルプの製造法と同様である。ECF漂白工程ではオゾン漂白の場合、酸処理のあと洗浄段なしで高濃度オゾン漂白段に移行し、オゾン処理後にもパルプを洗浄せず、低pHと短滞留時間の弱アルカリ抽出段に移行し(特願2003−308517参照)、あるいは二酸化塩素漂白の場合、酸処理のあとにパルプを洗浄し、初段の二酸化塩素処理を行い、次いで従来の高pHアルカリ抽出段に移行するのが好ましい。いずれの場合にも、後段の二酸化塩素、過酸化水素の処理により最終白色度82〜90%ハンターの完成漂白パルプを製造し、且つ、これらのECF漂白パルプは、カッパー価が2.2以下、カルボキシル基が22.0meq/100gBDパルプ以下になるようにすると、熱風乾燥機で105℃と12時間の条件下で熱退色を行った前後の国際CIEシステムの色度b*値の差異(Δb*)が2.20以下になり、従来の塩素漂白パルプのΔb*=2.20と同等以下で熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプが得られる。
以下、本願発明をさらに詳しく説明する。
上記特許文献に記載した過マンガン酸カリウム価は、一般的に未晒及び半晒パルプの残存リグニンを測定する方法で、この値は測定パルプのサンプル量と過マンガン酸カリウム添加量により変動し、結果として完成漂白パルプ中の残存リグニン量の測定には適切な方法ではないため、本願発明では、カッパー価という方法を基に完成漂白パルプ中の残存リグニンの指数とし、これの公知相関式は:リグニン(%)= カッパー価×0.147となる。カッパー価の測定方法では、過マンガン酸カリウムの添加量の半分が消費されるように測定パルプのサンプル量を調整するため、過マンガン酸カリウム価の方法より精度が高く、世界中の様々な紙パルプ技術協会が標準法として使用している(Dence, C.W., In ”Methods in Lignin Chemistry”, Eds. Lin, S.Y., Dence, C.W., Springer-Verlag, Berlin, 1992, p. 48-52 )。
近年、HexAは過マンガン酸カリウムを消費することが分かり、過マンガン酸カリウム価、そしてカッパー価はパルプの残存リグニンだけの指数ではなく、HexAの指数も含まれていることとなり(Gellerstedt, G., Li, J., Carbohydrate Res., 194:41(1996);富村洋一、真柄謙吾、石原光郎、細谷修二、1997年紙パルプ研究発表会講演要旨集、p. 90;Jiang, Z-H, Van Lierop, B., Berry, R., Tappi J., 83(1):167(2000))、完成漂白パルプの熱退色性への過マンガン酸カリウム価またはカッパー価の影響は、パルプ中の残存リグニンとHexAの両方の影響を意味する。
リグノセルロース物質のヘミセルロースであるキシランの側鎖には、4−O−メチルグルクロン酸残基が存在しており、クラフトパルプの蒸解過程中で加水分解反応を受け、さらに脱メトキシー反応を行い、HexAを生成する(Buchert, J., Teleman, A., Harjunpaa, V., Tenkanen, M., Viikari, L., Vuorinen, T., Tappi J., 78(11):125(1995))。HexAはオゾンと反応し、蓚酸を生じてパルプ及び液中のカルシウムと反応し、設備のスケ−ル問題となる蓚酸カルシウムを生成する。一方、HexA構造には、エノ−ルエ−テル基が存在するため、HexAは単に硫酸で加水分解され、2−フランカルボキ−酸と5−フォルミル−2−フランカルボキ−酸を生じる。これらの分解物質を基に様々なHexAの定量方法が開発され、この加水分解反応を起きる薬品は、酵素(VTT法)、蟻酸ナトリウム(HUT法)、酢酸水銀(KTH法)((Tenkanen, M., Gellerstedt, G., Vuorinen, T., Teleman, A., Perttula, M., Li, J., Buchert, J., J. Pulp Paper Sci., 25(9):306(1999))、硫酸(Jiang, Z-H., Audet, A., Sullivan, J., Van Lierop B., Berry, R., J. Pulp Paper Sci., 27(3):92(2001))、塩化水銀及び酢酸ナトリウム・3水分(Chai, X-S., Zhu, J.Y., Li, J., J. Pulp Paper Sci., 27(5):165 (2001) )がある。
公知の特開2002−266271、特開2003−96680、特開2003−105684では、HexAの定量はHUT法を基に実行しているが、パルプの加水分解が110℃、5時間(HUT法:110℃、1時間)の条件下で行われ、ろ液中の2−フランカルボキ−酸と5−フォルミル−2−フランカルボキ−酸は、HUT法の245nm吸収法を使用せず、HPLC(High Performance Liquid Chromatography:高速液体クロマトグラフィ−)にて定量し、HexA量を求めた。HPLCの選定理由は、245nm吸収に不純物であるリグニンや他の糖類の吸収が影響し、その結果、HexA含量が高くなる(川村綾乃、浜口佳織、岩崎誠、山本真也、石井正、堀野政司、2001年紙パルプ研究発表会講演要旨集、p. 66)。一方、HUT法を開発した著者らによると(Tenkanen, M., Gellerstedt, G., Vuorinen, T., Teleman, A., Perttula, M., Li, J., Buchert, J., J. Pulp Paper Sci., 25(9):306(1999))、他の物質がHexA溶液のUV(紫外線)吸収を妨害せず、設定された加水分解条件下ではHexAの80〜90%しか分解されないため、HUT法によるHexA含量がKTH法による結果の75〜86%を占める。これらの理由により本願発明の実施例では、HexA含量を測定する方法としてKTH法を選定した(Gellerstedt, G., Li, J., Carbohydrate Res., 194:41(1996))。
熱退色試験方法において、最近のASTM(American Society for Testing and Materials)の推奨方法によると、温度100℃、滞留時間5日間、または温度90℃、滞留時間14日間及びグラス管で熱退色を行うと自然退色と同等の結果が得られるが(ASTM’s Paper Aging Research Program、2002、ASTM International、PA)、この方法が存在するまでは熱退色の標準試験方法がないため、公知の特開2002−266271、特開2003−96680、特開2003−105684では、温度80℃、相対湿度65%、滞留時間48時間の条件下で完成漂白パルプの退色性を測定しており、これに対して、本願発明では、熱風乾燥機の温度105℃、滞留時間12時間の条件下で熱退色試験を行った。
退色前後の白色度差異(ΔR457)またはPC(Post color)価は、退色性の一般的な公知指数であるが、紙において強度と白色度は重要な品質項目である一方、色度も紙の一つの大事な品質項目であり、さらに、晒パルプ及び上質紙は熱退色を行うと外見では黄色味が強く、漂白シーケンスの初段の薬品(例えば:二酸化塩素、オゾン、塩素等)と最終段の薬品(例えば:二酸化塩素、過酸化水素等)の使用により最終白色度が同等でありながら完成漂白パルプのb*値が変化する場合が多いため、本願発明では晒パルプの熱退色性の指数として熱退色前後色度b*差異(Δb*)を使用し、b*は国際CIEのL***システムのものである。なお、本願発明において、CIEの色度b*値とハンターの色度b値との相関は以下の通りとなる。
CIEの色度b*値 = ハンターの色度b値×0.9429 + 0.0541
相関係数R2 = 0.9997
公知の特開2002−266271、特開2003−96680によると、元素状塩素、次亜塩素酸を用いない多段無塩素漂白から得られた完成漂白パルプの退色性が改善される要求項目である過マンガン酸カリウム価(1.5以下)、PC価(10.0以下)、HexA(10mmol/kgBDパルプ以下)を満たすための手段は、(1) 初期の二酸化塩素段での二酸化塩素添加率0.5〜1.5%、好ましくは0.6〜1.0%(対BDパルプ)(特開2002−266271の段落[0021])および (2) 蒸解工程での未晒パルプのHexA含量35〜45mmol/kgBDパルプとカッパー価18〜23(特開2003−96680の段落[0055])という条件であるが、パルプ中のHexA含量は、チップ材種によって変動し、例えばポルトガル産ユーカリグロビュラスのHexA含量は45〜60mmol/kgBDパルプ、さらに、蒸解工程では脱リグニン反応が進むほどHexA生成量が増加するが、蒸解温度(150→170℃)、液比(4→8)等を増加するとHexA生成量が減少する調査結果が見出された(Pedroso, A. I., Carvalho, M. G., J. Pulp Paper Sci., 29(5):150(2003); Chai, X.-S, Luo, Q., Yoon, S.-H, Zhu, J. Y., J. Pulp Paper Sci., 27(12):403(2001); Daniel, A.I.D., Neto, C.L., Evtuguin, D.V., Silvestre, A.J.D., Tappi J., 2(5):3(2003))。
このため、本願発明においてリグノセルロース物質の種類、クラフトパルプの蒸解方法と条件、未晒パルプのカッパー価、ECF漂白シーケンス等に拘らず、完成漂白パルプの熱退色のΔb* が2.2以下、カッパーが2.2以下、さらに、カルボキシル基が22.0meq/100gBDパルプ以下になるとECF漂白パルプの熱退色性が従来の塩素漂白パルプと同等以下になることが知見される。
本願発明での熱退色Δb* の比較値は、塩素(Cと略)と次亜塩素酸ナトリウム(Hと略)を含む従来塩素漂白パルプの値(2.20)で、ECF漂白パルプのΔb* 値は、この比較値と比較することになる。
以下の本願発明の実施例では、ECF漂白方法として初段はオゾン(Zと略)または二酸化塩素、最終段は二酸化塩素または過酸化水素を使用した。完成漂白パルプの白色度82〜90%ハンターの範囲では、従来塩素漂白パルプのΔb* 値2.20より低く、すなわち、熱退色性が改良されたECF漂白パルプは、主に初段でのオゾン及び酸処理後の二酸化塩素を使用したシーケンスが採用される。結果を表1に示す。なお、漂白条件の詳細は下記に記載するが、ここでは横棒(−)が洗浄段を表し、aがパルプのpH調整及び金属イオン除去の処理、Aが高温酸処理段、Eがアルカリ抽出段であり(特願2003−308517参照)、a段処理の条件は、パルプ濃度:10%;pH:2.7(4N希硫酸で調整);温度:50℃;滞留時間:10分、A段処理の条件は、パルプ濃度:10%;pH:3.1(4N希硫酸で調整);温度:90℃;滞留時間:150分となっていた。
Figure 0003754687
本願発明の実施例に対する比較対象となる従来の塩素漂白パルプ(表2の比較例1)のカッパー価1.28に対して、同パルプのΔb* 値2.20と同等になるECF漂白パルプ(表2の実施例8)はカッパー価が2.18であるため、カッパー価2.20以下のECF漂白パルプであれば熱退色性が改善されることが知見される。結果を表2に示す。
Figure 0003754687
上記の表2において、ECF漂白パルプのHexA含量とΔb*の相関係数(R2)は0.7469とやや高いが、Δb* 値2.20以下のECF漂白パルプのHexA含量が17.1mmol/kgBDパルプ(実施例8)に対し、Δb* 値2.20以上のECF漂白パルプのHexA含量も17.1mmol/kgBDパルプ以下(比較例2と3)にあるため、HexA含量が熱退色性に影響するかどうかは疑問に思われる。
上記に記載したようにカッパー価はパルプの残存リグニンの指数だけではなく、HexA含量も含まれており、また、カッパー価は低いほどカッパー価中のHexAの割合が大きくなり(Chai, X.-S, Luo, Q., Yoon, S.-H, Zhu, J. Y., J. Pulp Paper Sci., 27(12):403(2001))、一方、カッパ−価とΔb*の相関係数(R2)0.9689はHexA含量とΔb*の相関係数(R2=0.7469)に比べ高いため、残存リグニン量とΔb*の相関係数が、HexA含量とΔb*の相関係数より高いことが見出された。すなわち、HexAよりも残存リグニンの方が熱退色に大きく影響することが知見される。
HexAは熱退色に影響するかどうかの問題があるため、本願発明では完成漂白パルプのカルボキシル基を測定し、熱退色性との関係を調査した。カルボキシル基には、HexA、4−O−メチルグルクロン酸、4−O−メチルアイデュロン酸、ガラクトウロン酸、グルクロン酸等が含まれており、下記の表3に示すように、Δb* 値2.20以下のECF漂白パルプのカルボキシル基が22.0meq/100gBDパルプ以下で、逆に、Δb* 値2.20以上のECF漂白パルプのカルボキシル基も22.0meq/100gBDパルプ以上になり、結果としてECF漂白パルプの熱退色性を従来塩素漂白パルプと同等以下(Δb* ≦2.20)とするためには、完成漂白パルプのカルボキシル基が22.0meq/100gBDパルプ以下であればよいことが知見される。
Figure 0003754687
本願発明で使用するリグノセルロース物質としては、木材物質(広葉樹,針葉樹等)のほか、非木材物質(たとえば、ケナフト、バガス、竹、藁等)も使用することができる。そして、蒸解法は従来のコンベンショナルまたは改良クラフト蒸解法があるが、蒸解液は白液(主成分:苛性ソーダと硫化ソーダ)またはオレンジ液(ポリサルファイド液)単独、または蒸解初段でオレンジ液、蒸解後段で白液の使用でも良い。
本願発明の明細書に記載されるアルカリ酸素脱リグニンと洗浄・精選の工程においては、設備及び操業方法は、従来公知のものを使用することができる。アルカリ酸素脱リグニンは、従来公知の一段方式または二段方式(たとえば、Dualox、OxyTracの二段方式等)でも良い。
上記記載の本願発明の熱退色性が改良されたECF漂白クラフトパルプにおいては、次のような効果がある。
(1) 本願発明の熱退色性が改良された漂白クラフトパルプの製造方法において、完成白色度82〜90%ハンターの範囲では熱風乾燥機の温度105℃と滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後の色度b*値の差異(Δb*)が2.20以下になると、従来の塩素漂白パルプと同等以下であり、物流・倉庫保存等によるパルプの黄色化が起きず、パルプの再漂白は行わなくても良く、次の抄紙工程での紙品質を保護でき、コスト削減が図れる。
(2) また、漂白クラフトパルプのカッパー価が2.20以下になると、これらのパルプの熱退色性(Δb*≦2.20)が改善され、長期の物流・倉庫保存等が可能になり、ランニング費用が低減できる効果がある。
(3) さらに、ECF漂白クラフトパルプのカルボキシル基含量が22.0meq/100gBDパルプ以下の場合、これらのパルプの熱退色性(Δb*≦2.20)が改善され、パルプは使用可能なので、天然原材料であるリグノセルロース物質(例えば、広葉樹、針葉樹と非木材のチップ)の使用量を削減でき、地球環境を保護する効果がある。
上記記載のECF漂白クラフトパルプは熱退色性が改良されるが、これらのパルプはその他の品質(たとえば、強度等)の面で従来の塩素漂白パルプと比べてどうなるのかが問題となる。そこでパルプ強度等を測定し、以下に結果を示す。
下記の各漂白シーケンスにおける薬品添加率は、対BDパルプ当たりの重量%であり、各段間の横棒(−)は洗浄段を示す。高濃度Z段以外、他の漂白段は、ポリエチレン袋にて行った。
(実施例1〜3,7)
(AZE)−D1−D2、(AZE)−D−P、(AZE)−P−D、A−D0−E−D1−D2のシーケンスについての漂白温度、パルプ濃度、反応時間、薬品添加率等の詳細は、次の通りである。
(実施例1)
(AZE)−D1−D2シーケンスによる漂白
(1) 使用パルプ:アルカリ性酸素脱リグニンと洗浄を行った実生産ラインのカッパー価11.7の混合ユーカリ広葉樹クラフトパルプ(LUKPと略)をサンプリングし、使用しながら5℃の場所で保管した。
(2) A段(酸処理段):パルプ濃度10.5%のLUKPを作成し、次いで4N硫酸溶液にてパルプスラリーのpHを約3.1にし、最終パルプ濃度10.0%を調整した。(硫酸添加率:1.10%、pH:3.10)このパルプは、90℃の恒温槽において時間150分で処理した後、洗浄せずに遠心分離機にてパルプ濃度38.7%までに脱水した。(カッパー価:8.0)
(3) Z段(高濃度オゾン処理段):A段後の濃度38.7%のパルプは、60gBD/バッチで2リットル容量の茄形フラスコに入れ、ラボ用エバポレーターに取付けた後、濃度約10%のオゾンガスをフラスコに注入し、オゾンとパルプを反応させた(オゾン添加率:0.46%)。なお、高濃度オゾン処理は、50℃の恒温槽にて行った。オゾン漂白したパルプは洗浄せずに集めて混ぜた。
(4) E段(弱アルカリ性抽出段):Z段後の濃度38.7%のパルプに苛性ソーダを0.9%添加し、パルプ濃度14%、70℃で30分保持した。抽出したパルプは、水道水(2リットル/200gBDパルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水濃縮した。
(5) D1段(二酸化塩素漂白段):E段後のパルプに二酸化塩素を0.2%添加し、パルプ濃度14%、75℃で117分間二酸化塩素処理を行った。反応後のパルプろ液pHは5.5であった。得られたパルプは、水道水(2リットル/200gBDパルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。
(6) D2段(二酸化塩素漂白段):D2段のパルプ濃度、処理温度、反応時間、反応後のろ液pH、パルプの洗浄方法は全てD1段と同様であるが、二酸化塩素の添加率のみは低く0.1%とした。以上により、(AZE)−D1−D2シーケンスによる完成パルプを得た。
(実施例2)
(AZE)−D−Pシーケンスによる漂白
(1) (AZE)段:上記に記載された(AZE)−D1−D2シーケンスの(AZE)段のパルプを使用した。
(2) D段(二酸化塩素漂白段):上記の(AZE)−D1−D2シーケンスのD1段後のパルプを用いた。
(3) P段(過酸化水素漂白段):D段後のパルプに過酸化水素を0.15%添加し、パルプ濃度14%、70℃で120分間過酸化水素処理を行った後、水道水(2リットル/200gBDパルプ)でパルプを洗浄脱水し、完成漂白パルプを得た。なお、P段後のパルプろ液pHは9.5であった。
(実施例3)
(AZE)−P−Dシーケンスによる漂白
(1) (AZE)段:上記に記載された(AZE)−D1−D2シーケンスの(AZE)段のパルプを使用した。
(2) P段:上記の(AZE)−D−PシーケンスのP段の条件で実施し、過酸化水素添加率は、0.55%であった。
(3) D段:この漂白段の条件は、上記の(AZE)−D1−D2シーケンスのD2段と同様であるが、二酸化塩素添加率は0.18%で、得られたパルプは水道水にて洗浄脱水を行い、完成漂白パルプとした。
(実施例7)
A−D0−E−D1−D2シーケンスによる漂白
(1) A段:上記に記載した(AZE)−D1−D2シーケンスのA段後のパルプを取り、水道水で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。
(2) D0段:A段後のパルプに二酸化塩素を0.366%添加し、パルプ濃度4%、4N希硫酸にてpHを3.5に調整し、温度58℃、時間25分の処理を行った後、水道水(2リットル/200gBDパルプ)でパルプを洗浄脱水した。
(3) E段(アルカリ抽出段):D0段後のパルプに苛性ソーダを0.72%添加し、パルプ濃度14%、70℃で66分保持した。抽出したパルプは水道水で洗浄し、パルプ濃度18%までに濃縮した。
(4) D1段及びD2段(二酸化塩素漂白段):E段後のパルプは、上記に記載した(AZE)−D1−D2シーケンスのD1段及びD2段の条件と同様に実施したが、それぞれの二酸化塩素添加率は0.06%(D1段)と0.15%(D2段)であった。得られたパルプは水道水にて洗浄脱水を行い、完成漂白パルプとした。
(実施例4〜6)
(aZE)−D1−D2、(aZE)−D−P、(aZE)−P−Dのシーケンスの漂白温度、パルプ濃度、反応時間は上記記載実施例1〜3と同様で、さらに、a処理段は上記段落[0020]に記載した。実施例1〜6の薬品添加率を下表4に示す。
Figure 0003754687
(実施例8)
A−D0−E−D1−Pシーケンスによる漂白
(1) A段(酸処理段):パルプ濃度10.5%のLUKPを作成し、次いで4N硫酸溶液でパルプスラリーのpHを約3.1にし、最終パルプ濃度10.0%に調整した(硫酸添加率:1.10%、pH:3.2)。このパルプは、90℃の恒温槽にて反応時間150分で処理した後、水道水で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。(カッパー価:8.1;もとのパルプのカッパー価:11.3)。
(2) D0段:A段後のパルプに二酸化塩素を0.335%添加し、パルプ濃度4.5%、4N希硫酸にてpHを3.5に調整し、温度58℃、時間25分の処理を行った後、水道水(2リットル/200gBDパルプ)でパルプを洗浄脱水した。
(3) E段:D0段後の濃度18%のパルプに苛性ソーダを0.741%添加し、パルプ濃度14%、70℃で65分保持した。抽出したパルプは、水道水(2リットル/200gBDパルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水濃縮した。
(4) D1段:E段後のパルプに二酸化塩素を0.07%添加し、パルプ濃度14%、75℃で65分間二酸化塩素処理を行った。反応後のパルプろ液pHは5.5であった。得られたパルプは、水道水(2リットル/200gBDパルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。
(5) P段:D1段後のパルプに過酸化水素を0.25%添加し、パルプ濃度14%、初期pH10.6になるように苛性ソーダで調整した後、75℃の恒温槽にて60分間過酸化水素処理を行った。反応後のろ液pHは9.3であり、処理後のパルプは水道水で洗浄を行い、濃縮した。以上により、A−D0−E−D1−Pシーケンスによる完成パルプを得た。
(比較例1)
C−E−H−Dシーケンスによる従来塩素漂白
C段、E段、D段の処理温度、反応時間及びパルプ濃度は、上記実施例8のA−D0−E−D1−PシーケンスのD0段(C段に対応)、E段、D1段(D段に対応)と同等であるが、薬品添加率は次の通りになる。C段での塩素:1.13%;E段での苛性ソーダ:0.865%;D段での二酸化塩素:0.35%。H段については、処理温度:75℃;反応時間:35分;パルプ濃度:14%;ハイポ添加率:0.25%の条件下でハイポ処理を行った。各処理段後のパルプは水道水で洗浄した。
(比較例2)
a−D0−E−D1−D2シーケンスによる漂白
a処理段は上記段落[0020]に記載した。D0段、E段、D1段、D2段のパルプ濃度、反応温度、反応時間は、上記記載実施例7のA−D0−E−D1−D2シーケンスの相当段の条件と同様で薬品添加率は次の通りになる。D0段での二酸化塩素:0.961%;E段での苛性ソーダ:1.52%:D1段での二酸化塩素:0.06%;D2段での二酸化塩素:0.15%。各処理段後のパルプは水道水で洗浄濃縮した。
(比較例3)
A−D0−E−P−D1シーケンスによる漂白
A処理段は上記段落[0020]に記載した。他のD0段、E段、P段、D1段のパルプ濃度、反応温度、反応時間は、上記記載実施例8のA−D0−E−D1−Pシーケンスの相当段の条件と同様で薬品添加率は次の通りになる。D0段での二酸化塩素:0.335%;E段での苛性ソーダ:0.741%:P段での過酸化水素:0.45%;D1段での二酸化塩素:0.238%。なお、P段の初期pHと最終pHは、各々10.8と10.4であった。各処理段後のパルプは水道水で洗浄濃縮した。
(比較例4)
0−E−D1−D2シーケンスによる漂白
(1) 使用パルプ:アルカリ酸素脱リグニンと洗浄を行った実生産ラインのカッパー価12.5のユーカリ及びオークチップの混合広葉樹クラフトパルプ(LUKPと略)をサンプリングし、使用した。
(2) D0段:LUKPに二酸化塩素を0.57%添加し、パルプ濃度4.5%、4N希硫酸にてpHを3.5に調整し、温度58℃、時間25分の処理を行った後水道水(2リットル/200gBDパルプ)でパルプを洗浄脱水した。
(3) E段:D0段後の濃度18%のパルプに苛性ソーダを1.13%添加し、パルプ濃度14%、70℃で65分保持した。抽出したパルプは、水道水(2リットル/200gBDパルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水濃縮した。
(4) D1段:E段後のパルプに二酸化塩素を0.06%添加し、パルプ濃度14%、75℃で117分間二酸化塩素処理を行った。反応後のパルプろ液pHは5.4であり、得られたパルプは、水道水(2リットル/200gBDパルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。
(5) D2段:D2段のパルプ濃度、反応温度と反応時間は、D1段と同様で二酸化塩素添加率は0.15%となり、漂白後パルプを洗浄してD0−E−D1−D2シーケンスによる完成パルプを得た。
(比較例5)
0−E−P−D1シーケンスによる漂白
使用パルプ:比較例4と同じ。
0段、E段、D1段のパルプ濃度、反応温度と反応時間は、上記比較例4のD0−E−D1−D2シーケンスのD0段、E段、D1段と同様で、P段についてはパルプ濃度14%、反応温度70℃、滞留時間120分の条件下で処理を行った。薬品添加率は以下の通りである。D0段での二酸化塩素:0.57%;E段での苛性ソーダ:1.13%;P段での過酸化水素:1.33%;D1段での二酸化塩素:0.20%。なお、各漂白段後のパルプは水道水で洗浄(2リットル/200gBDパルプ)を行った。
(比較例6)
0−E−D1−Pシーケンスによる漂白
使用パルプ:比較例4と同じ。
0段、E段、D1段及びP段のパルプ濃度、反応温度と反応時間は、上記比較例5のD0−E−P−D1シーケンスと同様で、薬品添加率は次の通りである。D0段での二酸化塩素:0.57%;E段での苛性ソーダ:1.13%;D1段での二酸化塩素:0.08%;P段での過酸化水素:1.25%。各漂白段後のパルプは水道水で洗浄(2リットル/200gBDパルプ)を行ってD0−E−D1−Pシーケンスによる完成パルプを得た。
(比較例7)
0−E−P1−P2シーケンスによる漂白
使用パルプ:比較例4と同じ。
0段、E段、P1段及びP2段のパルプ濃度、反応温度と反応時間は、上記比較例6のD0−E−P−D1シーケンスのD0段、E段、P段と同様で、薬品添加率は以下の通りである。D0段での二酸化塩素:0.57%;E段での苛性ソーダ:1.13%;P1段での過酸化水素:1.33%;P2段での過酸化水素:2.00%。各漂白段後のパルプは水道水で洗浄(2リットル/200gBDパルプ)を行ってD0−E−P1−P2シーケンスによる完成パルプを得た。
<パルプ品質の測定方法>
各完成パルプは、「JIS P8221−2」記載のPFIミルにより叩解を行い、「JIS P8121」記載のカナダ標準濾水度(フリーネス)でフリーネスを測定した後、「JIS P8222」及び「JIS P8223」記載の方法にて各フリーネス水準での手抄シートを作成した後、紙質試験に供した。測定品質項目は、カッパー価、裂断長、比破裂度、比引裂度、耐折度、白色度及び粘度であった。各強度項目において、測定値とフリーネスの相関図を作成し、フリーネス500mlでの品質値を求めた。
カッパー価:「JIS P8211」記載の方法にてカッパー価を測定した。
裂断長 :「JIS P8113」記載の方法を基に裂断長を求めた。
比破裂度 :「JIS P8112」記載の方法を用いて比破裂度として示した。
比引裂度 :「JIS P8116」記載の方法で比引裂度を測定した。
耐折強度 :「JIS P8115」記載の方法を用いて耐折度を求めた。
白色度 :「JIS P8123」記載の方法を基にハンター白色度を求めた。
粘度 :「Tappi Standards T230 om−89」記載の方法に伴いパルプ粘度を測定した。
<その他のパルプ品質測定方法>
表1〜3に示すb*、HexA、カルボキシル基の測定は、以下の方法にて行った。
熱退色性用手抄シート:「JIS P8123」にて白色度測定用手抄シートを使用した。
熱退色試験 :各手抄シートは、市販熱風乾燥機の中に縦方向で立って105℃と処理時間12時間の条件下で熱退色試験を行った。
*の測定 : Macbeth Color−eye 試験機にてCIEシステムのb*を測定した。
カルボキシル基の測定 :「Tappi Standards T237 om−93」記載の方法を基に完成漂白パルプ中のカルボキシル基を測定した。
HexAの測定 :次の文献に詳細に記載した方法にて完成漂白パルプ中のHexAの測定を行った。Gellerstedt, G., Li, J., ”A HLPC Method for the Quantitative Determination of Hexeneuronic Acid Groups in Chemical Pulps”, Carbohydrate Res., 194:41(1996)。島津製作所製紫外線スペックトロフォトメーターUV−265FSにてHexAを測定した。
Figure 0003754687
本願発明において完成白色度82〜90%ハンターの範囲の実施例1〜8は比較例1の従来塩素漂白パルプに比べ、オゾンの使用によりパルプ粘度が劣るものの、裂断長、比破裂度、比引裂度、耐折度等がほぼ同等の結果であるため、これらの完成漂白パルプは物理特性の面で問題なく、且つ、カッパー価が2.20以下、カルボキシル基含量が22.0meq/100gBDパルプ以下、そして熱風乾燥機の温度105℃と滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後の色度b*値の差異(Δb*)が2.20以下であり、従来塩素漂白パルプのΔb*と同等以下であることはECF漂白クラフトパルプの熱退色性が改善されたことが知見された。

Claims (4)

  1. クラフト蒸解法でリグノセルロース物質を蒸解して得られたパルプ成分をアルカリ酸素脱リグニンと洗浄精選を順次にし、さらに酸性水溶液中で未晒パルプを処理する酸処理段を行い又は行わず、元素状塩素及び次亜塩素酸を含まない無塩素漂白法において、カルボキシル基含量を22.0meq/100gBDパルプ以下とすることにより、最終白色度が82〜90%ハンターの範囲で且つ熱風乾燥機の温度105℃及び滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後の国際CIEシステムの色度b * 値の差異(Δb * )が2.20以下の無塩素漂白クラフトパルプを得ることを特徴とする熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプの製造方法
  2. 前記漂白パルプのカッパー価が2.20以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプの製造方法
  3. 前記無塩素漂白法は多段無塩素漂白シーケンスであり、その初段がオゾンまたは 二酸化塩素、そして最終段は二酸化塩素または過酸化水素であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプの製造方法
  4. リグノセルロース物質が広葉樹チップ、針葉樹チップ又は非木材からなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプの製造方法
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