JPH08195923A - プロジェクタ装置 - Google Patents

プロジェクタ装置

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JPH08195923A
JPH08195923A JP7112575A JP11257595A JPH08195923A JP H08195923 A JPH08195923 A JP H08195923A JP 7112575 A JP7112575 A JP 7112575A JP 11257595 A JP11257595 A JP 11257595A JP H08195923 A JPH08195923 A JP H08195923A
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JP
Japan
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adjusting
tilt angle
adjusting plate
plates
center
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JP7112575A
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English (en)
Inventor
Yukio Murai
幸生 村井
Takuji Okubo
琢二 大久保
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロジェクタ装置においてレンズブロックと
CRTのあおり角調整を容易にする。 【構成】 レンズブロックとCRTの間に調整板3、
4、5の3枚の板によるあおり角調整機構2を配置す
る。調整板3、4は、調整ねじN1 の締めつけ具合に応
じて球8、8を支点部材として垂直方向のあおり角を形
成する。調整板4、5は、調整ねじN2 の締めつけ具合
に応じて球11、11を支点部材として水平方向のあお
り角を形成する。あおり角は調整ねじN1 、N2 が貫通
する圧縮ばね7、10、及び引っ張りばね6、10によ
って保持する。また、支点部材の代りに、各調整板の間
に所定の点を原点とした円弧で形成された摺動部及び該
摺動部が嵌合される被嵌合部を形成し、前記摺動部が前
記被嵌合部を摺動することによってあおり角を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3枚の調整板によって
水平、垂直方向のあおり角を調整する調整機構を有する
プロジェクタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管を用いた投射型のプロジェク
タ装置は、R、G、B各色に対応した3個の陰極線管
(CRT・・・Cathode Ray Tube)の前方に結像光学系
を形成するレンズブロックが配置され、各色のCRTの
映像を拡大投影してスクリーン上で合成してするように
なされている。図14はこのようなプロジェクタ装置の
一例を摸式的に示す図であり、図14(a)は上面、図
14(b)は側面を示している。この図で63R、63
G、63Bはレンズブロックを示し、それぞれR光、G
光、B光に対応したCRT64R、64G、64Bの前
方に配置されている。各レンズブロック63(R、G、
B)の前方には、スクリーン65に投影される映像が実
線によって示されている。
【0003】図14(a)に図示されているように、レ
ンズブロック63(R、G、B)がCRT64(R、
G、B)に対して平行に配置されていると、レンズブロ
ック63R、及び63Bによって投影されるR画像とB
画像のフォーカス面FR、FBは、スクリーン65に対
して平行なものではなくなってしまう。また同様に、図
14(b)に示されているように、垂直方向においては
レンズブロック63(R、G、B)ともにフォーカス面
F(R、G、B)がスクリーン65に対して平行なもの
ではなくなってしまう。
【0004】このために、レンズの特性(光源からレン
ズまでの距離を短くするとレンズから結像面までの距
離、すなわち投射距離は長くなる、又その逆も成り立
つ)を考慮し、例えば図15(a)(b)に示されてい
るようにレンズブロック63(R、G、B)とCRT6
4(R、G、B)に必要に応じた所定のあおり角をあた
えることで、スクリーン65に対して平行な画像を映し
出すようにしている。
【0005】ところで、図16は光源からレンズまでの
距離及びレンズからフォーカス面までの距離を摸式的に
示す図であり、Rs は光源、Lはレンズ、Fはフォーカ
ス面、a1 、a2 は光源Rs からレンズLまでの距離、
1 、b2 は投射距離である。図示されているように光
源Rs の映像A−BはレンズLの投射面で逆転すること
となり、光源Rs とフォーカス面Fが平行である場合
は、例えば図16(a)に示されているようになる。こ
こに示されている距離a1 +b1 と距離a2 +b2 は一
定となるので、光源Rs が傾斜するとフォーカス面Fも
傾斜することとなる。すなわち図16(b)に示されて
いるように、距離a1 が短くなると距離b1 が長くな
り、距離a2 が長くなると距離b2 が短くなる。
【0006】つまり、このようなレンズ特性を利用して
図15(a)に示されているように、レンズブロック6
3RとCRT64R、レンズブロック63BとCRT6
4Bに水平方向のあおり角θ、また図15(b)に示さ
れてるように、レンズブロック63(R、G、B)とC
RT64(R、G、B)それぞれに垂直方向のあおり角
βをあたえることによって、R、G、B各色の画像のフ
ォーカス面F(R、G、B)をスクリーン65に対して
平行にして映し出すことができるようになる。
【0007】ところで、図15(a)(b)で示される
ようなあおり角は、例えば投影するスクリーン65の大
きさを変更する場合は、通常それにともないレンズ倍率
を変えるため投射距離が変わり、必要とされるあおり角
θ、βも変わってくる。そこで例えば図17(a)
(b)(c)に示されているような方法で、プロジェク
タ装置の設置状況等に応じてあおり角θ、βを任意に設
定することができるようにしている。
【0008】17図(a)に示した例は、例えば実公昭
62−47281号公報に示されているように、レンズ
ブロック63とCRT64の間に、リング状に形成され
必要とされるあおり角に対応した所定の傾斜を有してい
るスペーサ66を挟み込んであおり角をあたえる方法で
ある。図17(b)に示した例は、例えば実公昭60−
61881号公報に示されているように、レンズブロッ
ク63とCRT64をそれぞれ別々のプレート67a、
67bに固定して、調整ねじN5 、N6 によってあおり
角を調整する方法である。
【0009】また、図17(c)はその他の例を示して
いる。この図で68、69はレンズブロック63とCR
T64に固定され、CRT64の光線が通過する開孔を
有するプレート、70は球面70a、ねじ機構70bを
有して形成されている座金、71はプレート68、69
間に配置されている圧縮ばね、N7 は調整ねじを示す。
調整ねじN7 はプレート68の挿通孔68aに挿通され
プレート69のねじ孔69aにねじ込まれる。この例の
場合プレート68、69間に座金70がプレート68に
ねじ機構70bによって固定されて取付けられ、座金7
0の球面70aはプレート69の開孔に形成されている
球面69aに嵌合されるように構成されている。そして
調整ねじN7 の開閉によりプレート68、69間に配置
されている圧縮ばね71の反力によって、プレート69
が座金70の球面70aを滑りながら傾くこととなる。
つまりこの動作によって、プレート68、69の角度を
変更することができ、レンズブロック63とCRT64
に必要とされるあおり角をあたえることができるように
なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図17
(a)に示したあおり角調整機構では、スペーサ66の
角度は固定となるので、すべてのあおり角に対応するこ
とは不可能である。したがって、スクリーン65のサイ
ズを変える場合など、レンズの倍率を変更して投射距離
を変える必要がある場合は、その都度スペーサ66の交
換が必要となる。また図17(b)に示したあおり角調
整機構では、水平/垂直方向のあおり角を調整するため
に、各々2本づつの調整ねじが必要となり、計4本の調
整ねじによって行われる調整は非常に困難なる。さら
に、上記調整ねじによってレンズフォーカス(レンズと
CRTの距離)を調整した後にフォーカス面をスクリー
ン65に平行になるように調整しようとする場合、軸部
を有していないためにレンズブロック63の中央とCR
T64の中央の距離(バックフォーカス)が変わってし
まうので、レンズフォーカスの再調整などが必要とな
る。さらに、図17(c)に示したあおり角調整機構で
は、プレート68と座金70を取付けるねじ機構70b
の加工が必要となるが、ねじ機構70b自体が大きなも
のとなるので切削加工によるものとなり、コストが高く
なるという問題点があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解決するためになされたもので、3枚の調整板によ
って水平、垂直方向のあおり角を調整する調整機構を有
し、水平、垂直方向に対応した2本の調整ねじによっ
て、あおり角を調整することができるプロジェクタ装置
を実現するものである。
【0012】第一の発明として、あおり角を調整するた
めにCRTとレンズブロックの間に、中央部分にCRT
から出力される光線を通過する開孔が設けられている第
一、第二、第三の調整板を設け、上記第一、第二の調整
板間には上記開孔の中心を通過する水平線上に一対の支
点部材を配置し、上記開孔の中心を通過する垂直線上の
一方の端は引っ張りばねで係止するとともに、他方には
上記第一、第二の調整板を貫通するように配された第一
の調整ねじに貫通された圧縮ばねを配置し、上記第二、
第三の調整板間には上記開孔の中心を通過する垂直線上
に一対の支点部材を配置し、上記開孔の中心を通過する
水平線上の一方の端は引っ張りばねで係止するととも
に、他方には上記第二、第三の調整板を貫通するように
配された第二の調整ねじに貫通された圧縮ばねを配置
し、上記第一、第三の調整板のいずれか一方を上記レン
ズブロックに固定し、他方を上記CRTに固定してプロ
ジェクタ装置を構成する。また、上記第一、第二、第三
の調整板はそれぞれ同一形状で構成するようにする。
【0013】第二の発明として、あおり角を調整するた
めに陰極線管とレンズブロックの間に、中央部分に陰極
線管から出力される光線を通過する開孔が設けられてい
る第一、第二、第三の調整板を設け、上記第一の調整板
は、上記開孔の中心点を通過する水平線上又は垂直線上
のいずれか一方に頂点が位置するように、所定の点を原
点とした円弧として突設された摺動部と、上記開孔の中
心点を中心とした同心円周上に複数のピン孔が形成さ
れ、上記第二の調整板は上記第一の調整板の摺動部が嵌
合して摺動する被嵌合部と、該被嵌合部と直交する端面
に上記所定の点を原点とした円弧として突設された摺動
部が形成され、上記第三の調整板は上記第二の調整板の
摺動部が嵌合して摺動する被嵌合部と、上記第一の調整
板の複数のピン孔に対応して突設され、先端が上記ピン
孔に貫通されるとともに係止手段が形成されているピン
が形成され、上記第一、第三の調整板の間には上記開孔
の中心を通過する水平線上、及び垂直線上のいずれか一
方の端部に、上記第一、第三の調整板を貫通するように
配された第一、第二の調整ねじに貫通された第一、第二
の圧縮ばねが配され、上記ピンの係止手段と上記第一の
調整板の間には上記ピンの先端に貫通された圧縮ばねが
配され、上記第一、第三の調整板のいずれか一方が上記
レンズブロックに固定され、他方が上記陰極線管に固定
されてプロジェクタ装置を構成する。さらに、上記所定
の点は、上記レンズブロックを構成するレンズの主点、
又は上記CRTの蛍光面中心とする。
【0014】
【作用】本発明によれば、水平/垂直方向のあおり角の
調整が容易になるとともに、あおり角の調整後にバック
フォーカスの再調整を行う必要がなくなる。また、第一
の発明によれば、あおり角調整機構を構成する調整板を
同一形状として共通化することにより、コストダウンを
図ることができるようになる。さらに、第二の発明によ
れば、おあり角の調整は摺動部、及び摺動部が嵌合する
被嵌合部が摺動することによって行われるので、調整動
作、及び形成されたあおり角が安定するようになる。
【0015】
【実施例】以下、まず図1乃至図6にしたがい本発明の
第一の実施例を説明する。この第一の実施例は第一、第
二、第三の調整板を設け、第一、第二の調整板の間、及
び第二、第三の調整板の間に支点部材を配置し、この支
点部材を支点として第一、第二、第三の調整板を傾斜さ
せあおり角をあたえる例である。
【0016】図1は第一の実施例のプロジェクタ装置の
一部外観を示す斜視図である。この図で1はプロジェク
タ装置を示す。このプロジェクタ装置1は図7、図8に
示した従来例と同様のレンズブロック13及びCRT1
4により構成され、このレンズブロック13とCRT1
4の間に3枚の調整板3、4、5からなるあおり角調整
機構2が設けられている。これらの調整板3、4、5は
後述するようにその間に配置されている球等の支点部材
によって所定の間隔で支持され、各種ばねによってその
間隔が維持されている。なお、このあおり角調整機構2
については図2(a)(b)に示されている分解斜視図
で詳しく説明する。
【0017】N1 は調整板3の孔を貫通して調整板4の
ねじ孔にねじ込まれあおり角βを調整する調整ねじ、3
bは調整板3に形成されている切り欠きを示し、後述す
るあおり角θの調整ねじN2 の頭部が臨むようになされ
ている。つまり、あおり角θ及びあおり角βは例えばあ
おり角調整機構2の前方からドライバなどを使用して行
われることとなる。この場合最前列にある調整板3を図
示されていない基板に固定することによってCRT14
の配置方向が変更されることとなる。7はその中心を調
整ねじN1 が貫通している圧縮ばねを示し、後述する引
っ張りばね6と対になるように配置されている。9は調
整板4と5の一端を引っ張る引っ張りばねを示し、後述
する調整ねじN2 、圧縮ばね10と対になるように配さ
れている。
【0018】次に図2(a)(b)にしたがいあおり角
調整機構2を構成する調整板3、4、5について説明す
る。図2(a)は調整板3及び4を、また図2(b)は
図2(a)に示されているようにして組立てられた調整
板3、4と調整板5を示している。
【0019】まず図2(a)にしたがいあおり角βを調
整する調整盤3、4について説明する。調整板3におい
て、3aはCRT14から出力された光線が通過する開
孔、3bは図2(b)に示す調整ねじN2 の頭部が臨む
切り欠き、3cは調整ねじN1が貫通する孔を示し、開
孔3aの中心を通過する垂直線上に形成されている。調
整板4において、4aは開孔3aと同様にCRT14か
ら出力された光線が通過する開孔、4bは調整ねじN2
が貫通する孔、4cは調整ねじN1 がねじ込まれるねじ
穴、4d、4dは開孔4aの中心を通過する水平線上に
形成されている一対の球座を示す。なお、後述するよう
に調整板3においても球座4d、4dに対向する位置に
球座3d、3dが形成されている。
【0020】6は破線で示されているように調整板3及
び4の例えば下端に係止さる引っ張りばね、7は調整板
3、4間に配置され、その中心部分を調整ねじN1 が貫
通する圧縮ばねを示す。引っ張りばね6、及び圧縮ばね
7、調整ねじN1 は開孔3a、4aの中心を通過する垂
直線上に配置されることとなる。8、8は球を示し、破
線で示されているように球座4d、4d、及びここでは
図示されていない球座3d、3dに挟持されるようにな
る。すなわち、調整板3、4は球8を支点部材として垂
直方向のあおり角βを形成することとなる。
【0021】調整板5はこのようにして組立てられた調
整板3、4にたいして、図2(b)に示されているよう
に取付けられることとなる。調整板5において5aは開
孔3a、4aと同様にCRT14から出力された光線が
通過する開孔、5bは調整ねじN2 がねじ込まれるねじ
穴を示し、調整板4の孔4bに対向する位置に形成され
ている。5c、5cは開孔5aの中心を通過する垂直線
上に形成されている一対の球座を示す。なお後述するよ
うに調整板4においても球座5c、5cに対向する位置
に球座4e、4eが形成されている。
【0022】9は図1にも示した引っ張りばねを示し、
調整板4、5の側端に係止されている。10は調整板
4、5間に配置され、その中心部分を調整ねじN2 が貫
通する圧縮ばねを示す。引っ張りばね9、及び圧縮ばね
10、調整ねじN2 は、開孔4a、5aの中心を通過す
る水平線上に配置されることとなる。11、11は球を
示し、上記した球8と同一のものとされる。この球1
1、11は破線で示されているように球座5c、5c、
及び図示されていない球座4e、4eに挟持されること
となる。すなわち調整板4、5は球11を支点部材とし
て水平方向のあおり角θを形成することとなる。
【0023】以上、図2(a)(b)に示したように3
枚の調整板3、4、5によってあおり角調整機構2を構
成することにより2本の調整ねじN1 、N2 によってあ
おり角θ、βを調整することができるようになる。
【0024】次に図3、図4にしたがいあおり角θ、β
を調整する動作を説明する。図3(a)(b)(c)は
あおり角調整機構2を構成する調整板3、4を上方から
示す図であり、垂直方向のあおり角βをあたえる動作を
示している。上記したように、調整板3、4は球座3
d、4dに挟持されている球8を支点部材として動作す
ることとなる。なお、調整板3の前方に配置されている
レンズブロック13及び調整板5は図示されていない。
【0025】図3(a)は、あおり角βをあたえていな
い状態を示している。この状態から調整ねじN1 を締め
つけると、図3(b)に示されているようにその締めつ
け具合に応じて、球8を支点として調整ねじN1 側の間
隔が狭くなるように調整板4が傾斜して、あおり角β1
をあたえることができるようになる。このとき、調整ね
じN1 の反対側では引っ張りばね6が調整板3、4を引
っ張っているので、調整ねじN1 と引っ張りばね6の引
力によってあおり角β1 が保持されることとなる。また
調整ねじN1 側に何らかの力が加わったときでも、圧縮
ばね7の反力によってあおり角β1 が保持される。
【0026】また図3(a)に示されている状態から調
整ねじN1 を緩めると、図3(c)に示されているよう
に球8を支点として調整ねじN1 側の間隔が広くなるよ
うに調整板4が傾斜して、上記した場合と逆方向のあお
り角β2 をあたえることができるようになる。この場合
も引っ張りばね6と圧縮ばね7によってあおり角β2
持されるようになる。このように、調整ねじN1 の締め
つけ/緩め具合により例えばβ1 〜β2 の範囲であおり
角をあたえることが可能となり、そのあおり角β1 〜β
2 は引っ張りばね6と圧縮ばね7によって保持されるこ
ととなる。この場合、調整板3の中心と調整板4の中心
との距離Sa はほとんど変化しないので、レンズブロッ
ク13とCRT14の中央の距離も変化しないこととな
る。
【0027】図4(a)(b)(c)は図3と同様にし
て調整板4、5を側方から示す図であり、水平方向のあ
おり角θをあたえる動作を示している。上記したよう
に、調整板4、5は球座4e、5cに挟持されている球
11を支点部材として動作することとなる。なお、この
図には調整板3及び調整板5の後段に配置されているC
RT14は示されていない。
【0028】図4(a)は、あおり角θをあたえていな
い状態を示している。この状態から調整ねじN2 を締め
つけると、図4(b)に示されているようにその締めつ
け具合に応じて、球11を支点として調整ねじN2 側の
間隔が狭くなるように調整板5が傾斜するようになり、
あおり角θ1 をあたえることができるようになる。この
とき、調整ねじN2 の反対側では引っ張りばね9が調整
板4、5を引っ張っているので、調整ねじN2 と引っ張
りばね9の引力によってあおり角θ1 が保持されること
となる。また調整ねじN2 側に何らかの力が加わったと
きでも、圧縮ばね10の反力によってあおり角θ1 が保
持される。
【0029】また図4(a)に示されている状態から調
整ねじN2 を緩めると、図4(c)に示されているよう
に球11を支点として調整ねじN2 側の間隔が広くなる
ように調整板5が傾斜して、上記した場合と逆方向のあ
おり角θ2 をあたえることができるようになる。この場
合も引っ張りばね9と圧縮ばね10によってあおり角θ
2 が保持されるようになる。このように、調整ねじN2
の締めつけ/緩め具合により例えばθ1 〜θ2 の範囲で
あおり角をあたえることが可能となり、そのあおり角θ
1 〜θ2 は引っ張りばね9と圧縮ばね10によって保持
されることとなる。この場合も調整板4の中心と調整板
5の中心との距離Sb はほとんど変化しないので、レン
ズブロック13とCRT14の中央の距離も変化しない
こととなる。
【0030】第一の実施例では、レンズブロック13、
CRT14の間に上記したあおり角調整機構2を備える
ことにより、2本の調整ねじN1 、N2 で水平/垂直方
向のあおり角θ、βを調整することが可能である。そし
て、このあおり角調整機構2はR、G、B各色のレンズ
ブロック13とCRT14間に配置される。あおり角の
調整を行う際は、まずスクリーンに映像を投影し、CR
T14の中央部分の映像ポイントがスクリーン上で最良
の映像となるように投射距離におけるレンズフォーカス
(倍率調整)を行う。そしてその後、スクリーンに映し
出される映像をモニタしながら調整ねじN1 、N2 によ
ってあおり角θ、βを調整し、スクリーン全面でフォー
カスを合わせるようにする。この調整をR、G、B各色
において行うことによってスクリーン上にカラー映像を
得ることができるようになる。
【0031】このように本実施例におけるあおり角調整
機構2によってあおり角θ、βを調整しても、レンズブ
ロック13とCRT14の中央の距離、すなわちバック
フォーカス(SQR(Sa2+Sb2))がほとんど変化し
ないので、レンズフォーカスを再調整する必要がなくな
る。
【0032】上記した図2乃至図4においては支点部材
として球8、11を使用したが、例えば図5に示されて
いるように芯棒12を用いることも可能である。この場
合芯棒12の受け座4fはその形状に合わせて構成する
ようにする。また、図6に示されているように、例えば
調整板3の所定部位に先端部分が半球状とされる凸部3
eを形成し、調整板4に凸部3eの先端が嵌合される凹
部4gを形成してもよい。なお、図5、図6では調整板
3、4の間について示したが、調整板4、5の間にも同
様の支点部材が構成されるようにする。
【0033】また、レンズブロック13の後段に垂直方
向のあおり角βを調整する機構(調整板3、4)を配置
し、さらにその後断に水平方向のあおり角θを調整する
機構(調整板4、5)を配置するように説明したが、レ
ンズブロック13の後段に水平方向のあおり角θを調整
する機構を配置するようにしても、同様の調整を行うこ
とが可能である。さらに、あおり角調整機構2を構成す
る調整板3、4、5は同一の形状で構成して共通化する
ことが可能であり、R、G、B各色で計9枚の調整板を
同一部品で構成することができるので、コストダウンを
実現することができる。
【0034】次に、図7乃至図15にしたがい本発明の
第二の実施例を説明する。この第二の実施例は例えばア
ルミダイカストなどで金型成形された第一、第二、第三
の調整板を摺動可能に配置し、第一の調整板の摺動部と
第二の調整板の被嵌合部、及び第二の調整板の摺動部と
第三の調整板の被嵌合部を、例えばレンズブロックを構
成するレンズの主点又はCRTの蛍光面中心を原点とし
た垂直、水平方向の円弧で形成し、この前記被嵌合部を
摺動部が摺動することによって所定のあおり角をあたえ
る例である。
【0035】図7は第二の実施例のあおり角調整機構の
構成を前方から示す分解斜視図である。本実施例のあお
り角調整機構は3枚の調整板20、30、40によって
構成されており、例えば調整板20の前方には先程図1
に示したレンズブロック13が、また調整板40の後方
には同じくCRT14が取付けられる。そして、調整板
20、30、40の開孔28、35、48の中心部分が
同一線上となるように、調整板20、40によって調整
板30を挟み込むように構成される。なお、ここではあ
おり角調整機構全体の構成を説明し、調整板20、3
0、40の詳細については後で図8乃至図9で詳しく説
明する。
【0036】調整板20の図示されていない背面側に
は、後で図8で詳しく説明する一対の摺動部が例えば垂
直方向に突設され、調整板30の前面に形成されている
被嵌合部31、32に摺動可能に嵌合される。そして、
前記摺動部及び被嵌合部31、32は例えばレンズブロ
ック13を構成するレンズの主点を原点とした円弧で形
成されており、前記摺動部と被嵌合部31、32が摺動
することによって例えば垂直方向のあおり角βの調整が
行われる。
【0037】調整板30の背面上下端部には摺動部3
3、34が突設されており、調整板40に形成されてい
る被嵌合部46、47に嵌合される。この摺動部33、
34及び被嵌合部46、47も例えば前記レンズの主点
を原点とした円弧で形成されており、嵌合した状態で摺
動することによって水平方向のあおり角θの調整が行わ
れる。
【0038】調整板40の各コーナ部分には前方に向か
ってピン45a、45b、45c、45dが突設され、
それぞれ一点鎖線で示されているように調整板20のピ
ン孔25a、25b、25c、25dに貫通するように
なされ、さらにピン45(a、b、c、d)の先端部分
には例えばねじ山Pが形成されている。そしてピン孔2
5(a、b、c、d)を貫通した先端には圧縮ばね50
a、50b、50c、50dが挿通されるとともにナッ
トNu、Nu、Nu、Nuがねじ込まれ、ピン孔25
(a、b、c、d)の周辺部分とナットNuの間に配さ
れることとなる。
【0039】調整ねじN3 は二点鎖線で示されているよ
うに調整板20の例えば上端に形成されている貫通孔2
2に貫通され、その頭部がねじ受け部21に係止され
る。さらに調整ねじN3 は圧縮ばね51に挿通されて調
整板40のねじ孔42にねじ込まれることとなる。そし
て、この調整ねじN3 を開閉することによって、調整板
20の摺動部と調整板30の被嵌合部31、32が摺動
して垂直方向の配置角度が変化するようになり、垂直方
向のあおり角βをあたえることができるようになる。
【0040】調整ねじN4 も調整ねじN3 と同様に、二
点鎖線で示されているように調整板20の例えば側端に
形成されている貫通孔24に貫通され、その頭部がねじ
受け部23に係止される。さらに、調整ねじN4 は圧縮
ばね52に挿通されて調整板40のねじ孔44にねじ込
まれる。そして、この調整ねじN4 を開閉することによ
って、調整板30の摺動部33、34と調整板40の被
嵌合部46、47が摺動して水平方向の配置角度が変化
するようになり、水平方向のあおり角θをあたえること
ができるようになる。なお、調整ねじN3 、N4 の開閉
によって行われる水平/垂直のあおり角調整動作につい
ては後で図12乃至図15で詳しく説明する。
【0041】次に調整板20、30、40の詳細を説明
する。図8は調整板20を示す斜視図であり、図8
(a)は前面、図8(b)は背面を示している。ねじ受
け部21は、例えば調整板20の上端に形成され図7に
示した垂直方向のあおり角βを調整する調整ねじN3
貫通される貫通孔22が形成されるとともに、調整ねじ
3 が貫通される圧縮ばね51の一端が当接する。この
貫通孔22は調整板20のほぼ中央に形成され、CRT
14から出力された光線が通過する開孔28の中心を通
過する垂直線上に形成されている。
【0042】ねじ受け部23は、調整板20の例えば側
端に形成され調整ねじN4 が貫通される貫通孔24が形
成されるとともに、調整ねじN4 が挿通される圧縮ばね
52の一端が当接する。さらに貫通孔24は開孔28の
中心を通過する水平線上に形成されている。つまり、貫
通孔22、24は開孔28を通過する水平/垂直線上に
形成されていれば良く、図示されている反対側の端面側
に形成されるようにしてもよい。
【0043】ピン孔25a、b、c、dは開孔28の中
心部を中心とした同心円周上に形成されており、後で図
10で説明する調整板40のピン45(a、b、c、
d)の先端部が貫通する孔である。摺動部26、27は
図8(b)に示されているように、調整板20の背面側
に例えば垂直方向に突設されている一対の突起であり、
調整板30の被嵌合部31、32に嵌合される。これら
の摺動部26、27は上記したように例えば調整板20
の前方に配されるレンズブロックのレンズの主点を原点
とした円弧の突起で形成され、開孔28の中心を通過す
る水平線と直交する部分が頂点となるようになされてい
る。なお、例えば調整板20の前方にCRT14が配置
される場合は、摺動部26、27はCRT14の蛍光面
中心を原点とした円弧で形成される。
【0044】図9は調整板30を示す斜視図であり、図
9(a)は前面、図9(b)は背面を示している。被嵌
合部31、32は調整板30の前面側端に形成され、調
整板20の摺動部26、27が嵌合して摺動する凹部で
あり、摺動部26、27と同様に例えばレンズブロック
13のレンズの主点を原点とした円弧で形成されてい
る。そして、開孔35の中心を通過する水平線と直交す
る位置が底部とされている。したがって、摺動部26、
27と被嵌合部31、32の主点からの距離はほぼ同等
になるので、これらはほぼ同一半径の円弧で形成される
こととなる。
【0045】摺動部33、34は、調整板30の背面上
下端部に水平方向に突設されている一対の突起であり、
調整板40の被嵌合部46、47に嵌合される。これら
の摺動部33、34は、調整板20の摺動部26、27
と同様に、例えば調整板20の前方に配されるレンズブ
ロック13のレンズの主点を原点とした円弧で形成さ
れ、開孔35の中心を通過する垂直線と直交する部分が
頂点となるようになされている。この摺動部33、34
は、摺動部26、27よりも後方に形成されることとな
るので、摺動部26、27よりやや長い半径の円弧とな
る。なお、例えば調整板20の前方にCRT14が配置
される場合は、被嵌合部31、32及び摺動部33、3
4はCRT14の蛍光面中心を原点とした円弧で形成さ
れることとなる。
【0046】図10は調整板40を示す斜視図であり、
図10(a)は前面、図10(b)は背面を示してい
る。ねじ受け部41は調整板20のねじ受け部21に対
応するように調整板40の例えば上端に形成され、調整
ねじN3 がねじ込まれるねじ孔42が形成されている。
同様にねじ受け部43は調整板20のねじ受け部23に
対応するように調整板40の側端に形成され、調整ねじ
4 がねじ込まれるねじ孔44が形成されている。そし
てねじ受け部41、43には調整ねじN3 、N4 が挿通
される圧縮ばね51、52の他端が当接するようになさ
れている。
【0047】ピン45a、45b、45c、45dは調
整板20のピン孔25(a、b、c、d)に対応して、
開孔48の中心部を中心とした同心円周上に突設され、
その先端部分はねじ山Pが形成されている。このピン4
5(a、b、c、d)の先端は、それぞれ調整板20の
ピン孔25(a、b、c、d)に貫通され、さらにピン
孔25(a、b、c、d)から突出した先端部分は図7
に示したように圧縮ばね50に挿通され、ねじ山Pに係
止手段としてナットNuがねじ込まれることとなる。
【0048】なお、ピン45(a、b、c、d)を例え
ば調整板40と別体で構成することも可能である。この
場合ねじ部Pが構成されている端にフランジ等を形成し
て、このフランジに圧縮ばね50を係止した状態で調整
板20の孔25(a、b、c、d)の前面側から挿入し
て調整板40に対して固定する。
【0049】被嵌合部46、47は調整板30の摺動部
33、34が嵌合して摺動する凹部であり、摺動部3
3、34と同様に例えばレンズブロック13のレンズの
主点を原点とした円弧で形成されている。そして、被嵌
合部46、47も開孔48の中心を通過する垂直線と直
交する位置が底部とされている。つまり、摺動部33、
34と被嵌合部46、47の主点からの距離はほぼ同等
になるので、これらはほぼ同一半径の円弧で形成される
こととなる。そして、調整ねじN4 の開閉によって摺動
部33、34と被嵌合部46、47が摺動することによ
り水平方向のあおり角θをあたえることができるように
なる。
【0050】なお、図8乃至図9では調整板20の摺動
部26、27を垂直方向、調整板30の摺動部33、3
4を水平方向に形成する例を説明したが、摺動部26、
27を水平方向、また例えば摺動部33、34を垂直方
向に形成してもよい。この場合、被嵌合部31、32を
水平方向に、また被嵌合部46、47を垂直方向に形成
することはいうまでもない。
【0051】次に、圧縮ばね50、及び圧縮ばね51に
よって調整したあおり角を保持する場合について説明す
る。図11は例えば調整ねじ4 によって水平方向のあお
り角を調整する場合の圧縮ばね50の伸縮状態を摸式的
に示す図であり、図11(a)はあおり角をあたえてい
ない状態、図11(b)は図11(a)に示した状態に
対して調整ねじN4締めつけた状態、図11(c)は図
11(a)に示した状態に対して調整ねじN4 を緩めた
状態を示している。
【0052】図11(a)に示されているようにあおり
角をあたえていない通常の状態でも、この図に示されて
いないものを含め、計4個の圧縮ばね50(a、b、
c、d)の反力によって調整板20が調整板40側に押
し付けられている。つまり、4個の圧縮ばね50(a、
b、c、d)の反力によって調整板20が調整板40の
四隅がほぼ均等に保持され、その間で調整板30が挟持
されている。
【0053】この状態から、あおり角をあたえるために
調整ねじN4 を締めつけると、摺動部33と被嵌合部4
6が摺動して、調整板40が調整ねじN4 側に傾斜する
ようになる。このとき、図示されているように、ピン4
5a(45c)が調整板40側に引き込まれ、またその
逆にピン45b(d)は調整板20側に押し出されるよ
うになる。これにともない、圧縮ばね50a(50c)
が縮んで圧縮ばね50b(50b)が伸び、さらに、調
整ねじN4 が挿通されている圧縮ばね52も縮むことと
なる。この場合も、圧縮ばね50(a、b、c、d)及
び圧縮ばね52の反力によって、調整板20、40が調
整板30を挟持してあおり角が保持されることとなる。
【0054】また、図11(c)に示されているように
調整ねじN4 を緩めた場合は、図11(b)に示した場
合と反対の方向に調整板40が傾斜するようになる。こ
の場合、ピン45a(45c)が調整板20側に押し出
され、またその逆にピン45b(45d)は調整板40
側に引き込まれることとなる。ここでは先程とは逆に、
圧縮ばね50a(50c)が伸びて圧縮ばね50b(5
0d)が縮むようになる。そして圧縮ばね50(a、
b、c、d)及び圧縮ばね52の反力によって、調整板
20、40が調整板30が挟持してあおり角が保持され
る。
【0055】、調整ねじN3 によって垂直方向のあおり
角を調整する場合、及び調整ねじN34 の両方を用い
て、水平/垂直を複合したあおり角を調整した場合も圧
縮ばね50(a、b、c、d)、圧縮ばね51、52の
反力によってあおり角が保持されることとなる。
【0056】以下、調整ねじN3 、N4 によってあおり
角を調整する場合について説明する。図12(a)
(b)(c)は調整ねじN3 によって垂直方向のあおり
角βを調整する場合を摸式的に示す図である。なお、こ
の図に調整板40に突設されているピン45(a、b、
c、d)は示されていない。図12(a)に示されてい
る点jは例えばレンズブロック13を構成するレンズの
主点、またはCRT14の蛍光面中心とされ、摺動部3
3、被嵌合部46はこの点jを中心とした円弧で形成さ
れている。
【0057】図12(a)は、あおり角βをあたえてい
ない状態を示している。この状態から調整ねじN3 を締
めつけるとその締めつけ具合に応じて、図12(b)に
示されているように摺動部26と被嵌合部32が摺動す
る。これにより調整ねじN3側の間隔が狭くなるように
調整板40が傾斜して、あおり角β3 をあたえることが
できるようになる。そして、先程図11で説明したよう
に、圧縮ばね50(a、b、c、d)と圧縮ばね51に
よってあおり角β3 が保持されることとなる。
【0058】また図12(a)に示されている状態から
調整ねじN3 を緩めると、図12(c)に示されている
ようになる。つまり、その締めつけ具合に応じて摺動部
26と被嵌合部32が摺動して調整ねじN3 側の間隔が
広くなるように傾斜して、上記した場合と逆方向のあお
り角β4 をあたえることができるようになる。この場合
もここでは図示されていない圧縮ばね50(a、b、
c、d)、圧縮ばね51によってあおり角β4 が保持さ
れるようになる。このように、調整ねじN3 の締めつけ
/緩め具合により例えばβ3 〜β4 の範囲であおり角を
あたえることが可能となり、そのあおり角β3 〜β4
圧縮ばね50(a、b、c、d)、圧縮ばね51によっ
て保持されることとなる。この場合、調整板20の中心
と調整板40の中心との距離Sd はほとんど変化しない
ので、レンズブロック13とCRT14の中央の距離も
変化しないこととなる。
【0059】図13(a)(b)(c)は調整ねじN4
によって水平方向のあおり角θを調整する場合を摸式的
に示す図である。なお、図12と同様にピン45(a、
b、c、d)は示されていない。また、摺動部26、被
嵌合部32も図13(a)に示されている点jを中心と
した円弧で形成されている。
【0060】図13(a)は、あおり角θをあたえてい
ない状態を示している。この状態から調整ねじN4 を締
めつけると、その締めつけ具合に応じて図13(b)に
示されているように摺動部33と被嵌合部46が摺動す
る。これにより調整ねじN4側の間隔が広くなるように
調整板40が傾斜して、あおり角θ3 をあたえることが
できるようになる。この場合も、図11で説明した場合
と同様に圧縮ばね50(a、b、c、d)と圧縮ばね5
2の反力によってあおり角θ3 が保持されることとな
る。
【0061】また図13(a)に示されている状態から
調整ねじN4 を緩めると、図13(c)に示されている
ようになる。つまりその締めつけ具合に応じて摺動部3
3と被嵌合部46が摺動して調整ねじN4 側の間隔が狭
くなるように傾斜して、図13(b)に示した場合と逆
方向のあおり角θ4 をあたえることができるようにな
る。この場合も圧縮ばね50(a、b、c、d)、圧縮
ばね52によってあおり角θ4 保持されるようになる。
このように、調整ねじN4 の締めつけ/緩め具合により
例えばθ3 〜θ4 の範囲であおり角をあたえることが可
能となり、そのあおり角θ3 〜θ4 は圧縮ばね50
(a、b、c、d)、圧縮ばね52によって保持される
こととなる。この場合、調整板20の中心と調整板40
の中心との距離Sc はほとんど変化しないので、レンズ
ブロック13とCRT14の中央の距離も変化しないこ
ととなる。
【0062】以上説明した第二の実施例の場合も、第一
の実施例のあおり角調整機構2と同様に、レンズブロッ
ク13とCRT14の間に調整板20、30、40等か
らなるあおり角調整機構を備えることにより、2本の調
整ねじN3 、N4 によって水平/垂直のあおり角θ、β
を調整することが可能である。
【0063】このように本実施例におけるあおり角調整
機構によってあおり角θ、βを調整した場合も、レンズ
ブロック13とCRT14の中央の距離、すなわちバッ
クフォーカス(SQR(Sc2+Sd2))がほとんど変化
しないので、レンズフォーカスを再調整する必要がなく
なる。
【0064】
【発明の効果】以上、説明したように本発明のプロジェ
クタ装置は、複数の調整板からなるあおり角調整機構を
有し、垂直方向のあおり角β、水平方向のあおり角θの
各方向に対応した2本の調整ねじによって、容易に調整
することができるようになる。またレンズフォーカスを
調整した後に、本発明におけるあおり角調整機構によっ
てスクリーン全体のフォーカスを調整した場合でも、レ
ンズの中央とCRTの中央との距離(バックフォーカス
量)がほとんど変化することがないので、レンズフォー
カスの再調整を行う必要がなくなる。また、水平方向/
垂直方向の調整機構は分離されているので、あおり角の
調整は垂直/水平に応じた調整ねじをそれぞれ締める/
緩めることによって独立して行うことが可能である。
【0065】さらに、第一の発明では各調整板は同一の
形状で構成することも可能なので、構成部品を共通化す
ることができ、コストダウンを図ることができる。ま
た、第二の発明では、垂直、水平方向の調整機構は、例
えばレンズの主点やCRT蛍光面中心を原点とした円弧
で形成された摺動部、及び被嵌入部で構成され、あおり
角の調整は常にこれらが嵌合して当接した状態で行われ
るので、調整動作及び調整したあおり角が安定するよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例のプロジェクタ装置の外
観斜視図である。
【図2】第一の実施例のあおり角調整機構の分解斜視図
である。
【図3】第一の実施例のあおり角調整機構の垂直方向の
動作を説明する図である。
【図4】第一の実施例のあおり角調整機構の水平方向の
動作を説明する図である。
【図5】第一の実施例のあおり角調整機構の支点部材の
変形例を示す図である。
【図6】第一の実施例のあおり角調整機構の支点部材の
変形例を示す図である。
【図7】本発明の第二の実施例のあおり角調整機構の分
解斜視図である。
【図8】第二の実施例のあおり角調整機構を構成する調
整板の斜視図である。
【図9】第二の実施例のあおり角調整機構を構成する調
整板の斜視図である。
【図10】第二の実施例のあおり角調整機構を構成する
調整板の斜視図である。
【図11】第二の実施例のあおり角調整機構によるあお
り角の保持について説明する図である。
【図12】第二の実施例のあおり角調整機構の垂直方向
の動作を説明する図である。
【図13】第二の実施例のあおり角調整機構の水平方向
の動作を説明する図である。
【図14】投射型プロジェクタ装置のスクリーン上のフ
ォーカスを摸式的に示す図である。
【図15】投射型プロジェクタ装置のあおり角を説明す
る図である。
【図16】レンズの特性による光源とフォーカス面の距
離を摸式的に示す図である。
【図17】従来のあおり角調整機構を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 プロジェクタ装置 2 あおり角調整機構 3、4、5、20、30、40 調整板 3b 切り欠き 3c、4b 孔 4c、5b ねじ孔 3d、4d、4e、5c 球座 6、9 引っ張りばね 7、10 圧縮ばね 8、11 球 N1 、N2 、N3 、N4 調整ねじ 摺動部 26、27、33、34 被嵌合部 31、32、46、47 ピン 45a、45b、45c、45d

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あおり角を調整するために陰極線管とレ
    ンズブロックの間に、中央部分に陰極線管から出力され
    る光線を通過する開孔が設けられている第一、第二、第
    三の調整板を設け、 上記第一、第二の調整板間には上記開孔の中心を通過す
    る水平線上に一対の支点部材を配置し、上記開孔の中心
    を通過する垂直線上の一方の端は引っ張りばねで係止す
    るとともに、他方には上記第一、第二の調整板を貫通す
    るように配された第一の調整ねじに貫通された圧縮ばね
    を配置し、 上記第二、第三の調整板間には上記開孔の中心を通過す
    る垂直線上に一対の支点部材を配置し、上記開孔の中心
    を通過する水平線上の一方の端は引っ張りばねで係止す
    るとともに、他方には上記第二、第三の調整板を貫通す
    るように配された第二の調整ねじに貫通された圧縮ばね
    を配置し、 上記第一、第三の調整板のいずれか一方が上記レンズブ
    ロックに固定され、他方が上記陰極線管に固定されてい
    ることを特徴とするプロジェクタ装置。
  2. 【請求項2】 上記支点部材は球又は芯棒で構成され、
    上記第一、第二、第三の調整板に形成されている受け座
    に嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載のプ
    ロジェクタ装置。
  3. 【請求項3】 上記支点部材は第一、又は第二、又は第
    三の調整板のいずれかに一体成型され、これに対向する
    位置に形成された凹部に嵌合されていることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載のプロジェクタ装置。
  4. 【請求項4】 上記第一、第二、第三の調整板は同一形
    状で構成されているいることを特徴とする請求項1又は
    請求項2又は請求項3に記載のプロジェクタ装置。
  5. 【請求項5】 あおり角を調整するために陰極線管とレ
    ンズブロックの間に、中央部分に陰極線管から出力され
    る光線を通過する開孔が設けられている第一、第二、第
    三の調整板を設け、 上記第一の調整板は、上記開孔の中心点を通過する水平
    線上又は垂直線上のいずれか一方に頂点が位置するよう
    に、所定の点を原点とした円弧として突設された摺動部
    と、上記開孔の中心点を中心とした同心円周上に複数の
    ピン孔が形成され、 上記第二の調整板は上記第一の調整板の摺動部が嵌合し
    て摺動する被嵌合部と、該被嵌合部と直交する端面に上
    記所定の点を原点とした円弧として突設された摺動部が
    形成され、 上記第三の調整板は上記第二の調整板の摺動部が嵌合し
    て摺動する被嵌合部と、上記第一の調整板の複数のピン
    孔に対応して突設され、先端が上記ピン孔に貫通される
    とともに係止手段が形成されているピンが形成され、 上記第一、第三の調整板の間には上記開孔の中心を通過
    する水平線上、及び垂直線上のいずれか一方の端部に、
    上記第一、第三の調整板を貫通するように配された第
    一、第二の調整ねじに貫通された第一、第二の圧縮ばね
    が配され、 上記ピンの係止手段と上記第一の調整板の間には上記ピ
    ンの先端に貫通された圧縮ばねが配され、 上記第一、第三の調整板のいずれか一方が上記レンズブ
    ロックに固定され、他方が上記陰極線管に固定されてい
    ることを特徴とするプロジェクタ装置。
  6. 【請求項6】 上記所定の点は、上記レンズブロックを
    構成するレンズの主点、又は上記陰極線管の蛍光面中心
    であることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ
    装置。
  7. 【請求項7】 上記ピンは第三の調整板と別体とされ、
    上記第一の調整板側から上記ピン孔に挿通されて第三の
    調整板に取付けられるようになされていることを特徴と
    する請求項5に記載のプロジェクタ装置。
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