JPH081952B2 - シリコン薄膜層バラスト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタ - Google Patents

シリコン薄膜層バラスト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタ

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JPH081952B2
JPH081952B2 JP20857691A JP20857691A JPH081952B2 JP H081952 B2 JPH081952 B2 JP H081952B2 JP 20857691 A JP20857691 A JP 20857691A JP 20857691 A JP20857691 A JP 20857691A JP H081952 B2 JPH081952 B2 JP H081952B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己消弧形電力用半導
体素子である表面ゲート形静電誘導サイリスタ(以下S
Iサイリスタと称す)の可制御オン電流耐量の向上と安
全動作領域の拡大をはかるためのシリコン薄膜層バラス
ト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタに関す
る。
【0002】可制御オン電流の耐量の向上と安全動作領
域の拡大は、電力変換装置に適用するSIサイリスタ素
子の利用効率を高め、かつ装置のシステムとしての高効
率化が達成されるので、本発明の利用価値は大きい。
【0003】
【従来の技術】先ず、本発明のSIサイリスタにつき説
明するに先立ち、従来提案されている表面ゲート構造を
有するSIサイリスタにつき、図5乃至図7を用いて説
明する。
【0004】図5は従来の表面ゲート構造を有するSI
サイリスタの模式的断面構造図及び対応するカソード側
表面パターン図を示し、図6は図5のSIサイリスタの
模式的等価回路図であって、トランジスタモデルを示
す。図5において、1はSIサイリスタを示し、これは
例えばn型の半導体層2の一側面3の側に設けた第1高
濃度層例えばn+ 層4と、他側面5の側に設けた第2高
濃度層例えばp+ 層6と、この半導体層2の一側面3に
設けられている表面ゲート領域8とを有している。
【0005】さらに第1高濃度層3上にカソード電極9
を設け、第2高濃度層5上にはアノード電極10を設
け、さらにゲート領域8上にはゲート電極11を設けて
いる。これらの各電極は例えばアルミニウムで形成し得
る。
【0006】SIサイリスタのゲート構造によって特徴
付けられる主要特性を、図6及び図7に示す2つのトラ
ンジスタモデルによる等価回路で説明する。
【0007】図6は2つのトランジスタモデルで、p+
-+ のバイポーラトランジスタQ2 とn- + +
接合のSIトランジスタQ1 から構成されている。
【0008】図7はその等価回路である。SIトランジ
スタ(以下SITと称す)Q1 の電流増幅率をαnpn
で、バイポーラトランジスタQ2の電流増幅率をαpn
pで示す。SITQ1 の電流増幅率は図6からわかるよ
うに、SITのソースであるn+ 層とドレインであるn
- 層がチャンネルを介して接合されている。この構成は
フック構造であり、SITの場合はソースからドレイン
へ多量の電子注入が行なわれるので、一般のトランジス
タに比較して非常に大きな電流増幅率αnpnとなる。
αnpnが非常に大きいことがSITの特徴である。
【0009】ターンオン動作は図7において(αpnp
+αnpn)≧1なる時にSITはターンオンする。S
Iサイリスタはαnpnが非常に大きいので、小さなゲ
ート電流で大きなアノード電流をターンオンさせること
ができる。即ち、ターンオン時の電流ゲイン(IA /I
G )は大きい。ターンオフ動作時の電流ゲインを図7の
モデルで説明する。
【0010】図7でSITQ1 のベース電流IB
(1)式となる。
【0011】
【数1】 IB =αpnp・IA −IG (1)
【0012】またSIサイリスタ全体では(2)式が成
立する。
【0013】
【数2】 IA =IK +IG (2)
【0014】またSITQ1 で再結合する電流IB ′は
(3)式となる。
【0015】
【数3】 IB ′=(1−αnpn)・IK (3)
【0016】(1)〜(3)式からゲート電流IG とア
ノード電流IA との関係は(4)式となる。
【0017】
【数4】 IG =(αnpn+αpnp−1)/αnpn・IA (4)
【0018】(4)式からIA =ITGQ をオフさせるに
必要な最小の負ゲート電流のピーク値をIGQとすると、
ターンオフ電流ゲインGGQは(5)式となる。
【0019】
【数5】 GGQ=ITGQ /IGQ=αnpn/(αnpn+αpnp−1) (5)
【0020】(5)式は(6)式のように表わされる。
【0021】
【数6】
【0022】(6)式からわかるようにSIサイリスタ
のαnpnは非常に大きいので、ターンオフ電流ゲイン
も原理的に大きくなる。自己消弧形サイリスタでは電流
ゲインは大きいことが望ましい。このため(αnpn+
αpnp)ができるだけ1に近く、かつαnpn≫αp
npとなるようなデバイス構造が望ましい。SIサイリ
スタはこの条件を満たすに最も適したデバイスである。
【0023】ターンオフ時の再印加オフ電圧上昇率を比
較的緩やかにした場合の実験では、ターンオフ電流ゲイ
ンは約10が得られている。このターンオフゲインの値
についてはJ. Nishizawa, らによる文献、" Low-Loss H
igh-Speed Switching Devices, 2300V・150A SI Thyris
tor ", IEEE Trans., Electron Devices, ED-32, 822(1
985) において開示されている通りである。
【0024】自己消弧形サイリスタの応用に際しては、
テイル損失(テイル電流によるテイル時間内における電
力損失)を低減化することが重要な課題である。この課
題に対しては、図7でターンオン条件が成立(αnpn
+αpnp≧1)する範囲で、αpnpを小さくするこ
とが一つの解決手段である。SIサイリスタのαnpn
はGTOに比較して非常に大きいので、αpnpを小さ
くしてもターンオン条件が成立し易い。このためSIサ
イリスタは原理的にテイル損失を低減化できるデバイス
構造である。
【0025】SIサイリスタ特有の特性として、順方向
阻止電圧とゲート逆電圧との比で表わされる電圧ゲイン
がある。SIサイリスタの電圧ゲインμは(7)式で示
される。
【0026】
【数7】
【0027】 ただし、VGK:ゲート・カソード間逆電圧 VAK:アノード・カソード間阻止電圧 d :チャンネル幅 L :チャンネル長 LGA:ゲート・アノード間空乏層幅
【0028】電圧ゲインはチャンネル幅を小さく、また
第2ベースの不純物濃度を低くする程高くなる。埋め込
みゲート形SIサイリスタの電圧ゲインは、10程度か
ら無限大の広範囲で製作できることが報告されている。
この点については例えば J.Nishizawa,らによる文献、"
Semiconductor Technologies ", Japan Annual Review
s in Electronics, Computers & Telecommunications,
Vol.13, OHMSHA, LTD, and NORTH-HOLLAND PUBLISHING
COMPANY において開示されている通りである。電圧ゲ
インについては表面ゲート形SIサイリスタであっても
埋め込みゲート形SIサイリスタと原理的に同じであ
る。
【0029】前述のように、表面ゲート形SIサイリス
タは原理的にターンオフ電流ゲイン、電圧ゲインとも大
きな素子である。しかしながら、素子の電流容量が30
A以上と比較的大きくなると、(5)式のターンオフ電
流ゲインに表示されるITGQ の大きさ、即ち可制御オン
電流の耐量はあまり大きくなく、安全動作領域にばらつ
きがある。よってこの改善が必要であった。本出願はこ
の問題点を解決するための発明である。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】図5の構成のSIサイ
リスタでは、可制御オン電流の耐量の向上と均一化が困
難であった。その理由は次のように推察される。
【0031】 製作面からみると、単位セルが数万個
から成る素子(数十A級)では(7)式のdのチャンネ
ル幅、即ち図5のp+ 層8に挟まれたn層の幅を数μm
に整えてその電圧ゲインを均一にすることが難しい。
【0032】 電圧ゲインに不均一が生じている場合
は、ターンオフ動作の過程で電圧ゲインの一番低い(チ
ャンネル幅の最も広い)単位セルに電流が集中する。
【0033】 ノーマリ・オン形SIサイリスタはα
npnが非常に大きいので、電流集中が生じた単位セル
ではαnpn+αpnp≧1なるターンオン条件が成立
し易いため、ターンオン動作が生じて素子としてはター
ンオフ失敗して破損にいたる。
【0034】 上記の原因によって、可制御オン電流
の耐量の低下により安全動作領域のばらつきが大きくな
る。この現象が前記問題点を引き起こす主な理由と考え
られる。これを解決するためには、数万個から成る単位
セルの電圧ゲインを完全に整えることは困難なので、単
位セルに電流集中が発生してもターンオン条件を成立さ
せないように、電流集中の増長を抑えるような負帰還作
用の機能を各々のセルに対して備えた素子の基本構成が
必要である。
【0035】従って、本発明の目的は、電流集中抑制機
能を備え、可制御オン電流の耐量を向上させ安全動作領
域を拡大したシリコン薄膜層バラスト抵抗を有する表面
ゲート形静電誘導サイリスタを提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】電流集中抑制機能を備え
たSIサイリスタの基本構造を実現する技術的手段につ
いて説明する。
【0037】図5に示す従来構造の素子では、アノード
電流の通路であるチャンネル真上にn+ 層4が全面に配
置されているので、チャンネルからn+ 層4に至る距離
が短かすぎてバラスト抵抗の効果を生じ難い。このため
バラスト抵抗の効果を出し易くするためには、n+ 層4
とカソード電極9との間に抵抗成分を構成するシリコン
薄膜層を挿入した素子構造が必要である。これを実現す
るための素子構造を図1に示す。図1の構成記号はシリ
コン薄膜層9′の他は図5と同一である。シリコン薄膜
層としては所望のバラスト抵抗値を与えるものであれば
よく単結晶シリコン薄膜層の他にアモルファスシリコン
層もしくは多結晶(ポリ)シリコン層等、もしくはこれ
らの複合層を適用することができる。ここではアモルフ
ァスシリコン層を用いた場合について説明する。なお、
ポリシリコン薄膜層、或いは単結晶シリコン薄膜層でも
同様の効果が得られることは、当業者ならば容易に推察
できるであろうことは明らかである。
【0038】図1の特徴は、先ず、カソード電極9が図
5のようにn+ 層4に直接接合されているのではなく、
カソード電極9とn+ 層4との間にバラスト抵抗を構成
するシリコン薄膜層であるアモルファスシリコン膜が挿
入されていることである。次に、n+ 層4が図5のよう
に全面に存在するのではなく、微細化して選択的に配置
していることである。
【0039】図1のバラスト抵抗を備えたSIサイリス
タのトランジスタモデルを図2に、その等価回路を図3
に示す。図2及び図3においてバラスト抵抗は12で表
わされている。
【0040】従って、本発明の構成は下記に示す通りで
ある。即ち、本発明は半導体層(2)の一側面(3)側
に設けた第1高濃度層(4)と、他側面(5)側に設け
た第2高濃度層(6)と、前記半導体層(2)の一側面
(3)側近傍に設けた表面ゲート領域(8)と、前記一
側面(3)に設けたカソード電極(9)と、前記他側面
(5)に設けたアノード電極(10)とを有する静電誘
導サイリスタにおいて、前記第1高濃度層(4)と前記
カソード電極(9)との間にシリコン薄膜層(9′)を
挿入し、かつ第1高濃度層(4)を微細にして、かつ選
択的に設けて成ることを特徴とするシリコン薄膜層バラ
スト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタとし
ての構成を有するものである。或いはまた、
【0041】半導体層(2)の一側面(3)側に設けた
第1高濃度層(4)と、他側面(5)側に設けた第2高
濃度層(6)と、前記半導体層(2)の一側面(3)側
近傍に設けた表面ゲート領域(8)と、前記一側面
(3)に設けたカソード電極(9)と、前記他側面
(5)に設けたアノード電極(10)とを有する静電誘
導サイリスタにおいて、前記第1高濃度層(4)と前記
カソード電極(9)との間にシリコン薄膜層(9′)を
挿入し、かつ第1高濃度層(4)を微細にして、かつ選
択的に設け前記シリコン薄膜層(9′)との間に絶縁層
(7)を設けて成ることを特徴とするシリコン薄膜層バ
ラスト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタと
しての構成を有するものである。或いはまた、
【0042】前記シリコン薄膜層バラスト抵抗を形成す
るシリコン薄膜層(9′)がポリシリコン層であること
を特徴とするシリコン薄膜層バラスト抵抗を有する表面
ゲート形静電誘導サイリスタとしての構成を有するもの
である。或いはまた、
【0043】前記シリコン薄膜層バラスト抵抗を形成す
るシリコン薄膜層(9′)がアモルファスシリコン層で
あることを特徴とするシリコン薄膜層バラスト抵抗を有
する表面ゲート形静電誘導サイリスタとしての構成を有
するものである。
【0044】
【作用】電圧ゲインの高い単位セルと低い単位セルが並
列にターンオフ動作する過程を考えると、電圧ゲインの
高い方の単位セルが先にピンチオフするので、アノード
電流は遅れてピンチオフする電圧ゲインの低い方の単位
セル(オン状態にある)に横流する。このため、遅れて
ピンチオフする電圧ゲインの低い単位セルの電流密度は
倍増して、ピンチオフ時にチャンネル領域に電流集中が
発生する。
【0045】バラスト抵抗がない時は、ここで破損が生
じる。バラスト抵抗が存在する場合には、電圧ゲインの
高い単位セルから電圧ゲインの低い単位セルヘアノード
電流が横流しても電流が制限され、余剰電流は電圧ゲイ
ンの高い単位セルへと逆横流する。この繰り返しによっ
て、両セルの電流分担はバランスしながらターンオフす
る。この作用によって電流集中は緩和されるため、可制
御オン電流耐量は向上する。一般に可制御オン電流耐量
は素子の定格電流の2〜3倍の値で評価されるので、こ
の時の電流密度においてバラスト抵抗として作用するも
のであればよい。
【0046】
【実施例】以下、図面につき本発明の実施例を詳述す
る。尚、各図面において同一の構成成分については、同
一符号を附して示す。又、これら構成成分の寸法、幾何
学的形状・配置は正確なものではなく、概略的なもので
ある。
【0047】図1は本発明の第1実施例を示す。この実
施例では、第1高濃度層例えばn+ 層4とカソード電極
9との間にアモルファスシリコン層(9′)が設けられ
ている。第1高濃度層(n+ 層)4は第1図のカソード
側表面パターン図に示すように微細化して選択的に設け
る。
【0048】図1の実施例のSIサイリスタは、下記の
手順で製作することができる。尚、以下に示す工程は2
段LOCOSを使用する工程であるが、本発明の素子を
製作する工程はこれに限るものではなく、埋め込みゲー
ト構造を作成するプロセスと同様のエピタキシャル成長
層をゲートとカソードとの間に介在させ、表面ゲート形
状に近い埋め込みゲート構造を作成するプロセス工程を
採用することもできることは明らかである。この場合の
エピタキシャル層の厚さは通常の埋め込みゲート拡散後
のエピタキシャル層の厚さに比べ極めて薄い(〜5μm
以下)ものである。
【0049】1)Si基板を準備する工程:キャリア密
1×1014cm-3,厚さ300μmのn- 基板を
準備する。
【0050】2)基板裏面アノード拡散工程:アノード
のp+ 層(6)を形成する。表面キャリア密度は1×1
18cm-3,不純物をボロン(B)として約10μm程
度拡散する。
【0051】3)第1LOCOS工程:ゲート形成部分
を選択酸化する。酸化温度1100℃,酸化膜厚2μm
とする。
【0052】4)酸化膜エッチング工程:酸化膜をSi
2 エッチング液で除去する。Si表面に1μm程度の
凹凸を形成する。ゲート領域はカソード領域より1μm
低い。
【0053】5)ゲートp+ デポジション拡散工程:L
OCOSにより掘り込まれたゲート部にボロン(B)を
デポジション拡散する。温度は1100℃,表面キャリ
ア密度は1×1020cm-3とする。
【0054】6)第2LOCOS工程:p+ 層の押し込
み拡散とゲート領域の再選択酸化を行なう。温度は11
00℃,膜厚は1μmとする。p+ 層の厚さは約5μm
となる。
【0055】7)カソード領域窓開け工程:LOCOS
のSi3 4 膜及びバッファ用SiO2 膜をエッチング
液で除去する。
【0056】8)カソード面へのn+ デポジション拡散
工程:リン(P)を用いてn+ 層を形成する。n+ 層の
厚さは約0.6μm,表面キャリア密度は1×1020
-3とする。
【0057】9)カソード面にシリコン薄膜層を堆積す
る工程:原料ガスとしてモノシランSiH4 ,ドーピン
グガスとしてホスフィンPH3 を使用してプラズマCV
Dによりn形アモルファスシリコン層をカソード面に形
成する。
【0058】10)ゲートコンタクトホールエッチング
工程:第2LOCOSで形成した酸化膜にゲート電極取
り出し用の窓を形成する。
【0059】11)アルミ蒸着工程:Si基板の両面に
アルミ蒸着膜を形成する。ゲートとカソード電極はエッ
チングにより分離する。
【0060】12)基板分割工程:基板を所定の大きさ
に分割してパッケージに組み入れる。
【0061】上記手順で製作した素子の(7)式に関係
する設計寸法は、次のようである。d=1.5μm、L
=5μm、LGA=285μmであり、平均的な電圧ゲイ
ンμ=600である。この時のp+ 層8の厚みは5μ
m、n+ 層4の厚みは0.6μmに設計した。
【0062】図1の実施例の素子でアモルファスシリコ
ン層9′はプラズマCVD装置で原料ガスにSiH
4 (モノシラン)を用い、ドーピングガスにPH3 (ホ
スフィン)を用いてn形で、比抵抗1.3×105 Ωc
m,厚み1μmの層を形成した。この構成によるバラス
ト抵抗の効果を、10000個の単位セルから成る実効
電流30A定格の3倍の電流90Aでオン電圧の差から
評価した。図5の従来例の素子のオン電圧は1.8Vで
あり、図1の本発明の素子のオン電圧は2.0Vであっ
た。両素子のオン電圧の差から、バラスト抵抗値は0.
2V/90Aで2.2mΩであった。
【0063】尚、図1には表現していないが、n+ 層4
の奥行方向の配置は、n+ 層内の電流分布を均一化して
電流集中を避けるために、両極性キャリヤの平均拡散長
約60μm以下のピッチで選択的に設けてある。
【0064】
【発明の効果】次に、本実施例の効果を説明する。素子
の耐圧が1200V、実効電流が30A級の図5の従来
形素子と図1の本実施例の素子に対して、スナバーレス
の場合の可制御オン電流と直流印加電圧との関係、即
ち、安全動作領域を比較した。測定はゲート引き抜き電
流dig/dtが−100A/μs、接合温度が125
℃の条件である。図4に比較の結果を示す。図中の曲線
Aは本実施例の安全動作領域を示し、曲線Bは従来形素
子の安全動作領域を示す。安全動作領域の比較では、従
来形素子では30A,550V程度で破壊するのに対
し、本実施例では30A,800V程度と高い値であ
る。本実施例の素子は、従来形の素子に対して安全動作
領域が1.5倍程度に増大している。この評価より、本
実施例の効果の大きいことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例としてのシリコン薄膜層バ
ラスト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタの
模式的断面構造図及び対応するカソード側表面パターン
図を示す。
【図2】本発明の実施例におけるシリコン薄膜層バラス
ト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタのトラ
ンジスタモデルを示す。
【図3】図2に示した本発明のシリコン薄膜層バラスト
抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタの等価回
路を示す。
【図4】本発明の実施例におけるシリコン薄膜層バラス
ト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタの可制
御オン電流と直流印加電圧との関係を示す(安全動作領
域の比較)。
【図5】従来の表面ゲート構造を有する静電誘導サイリ
スタの模式的断面構造図及び対応するカソード側表面パ
ターン図を示す。
【図6】従来例としての静電誘導サイリスタのトランジ
スタモデルを示す。
【図7】図6に示した従来の静電誘導サイリスタの等価
回路を示す。
【符号の説明】 1 SIサイリスタ 2 半導体層(又はn層) 3 (半導体層の)一側面 4 第1高濃度層(又はn+ 層) 5 (半導体層の)他側面 6 第2高濃度層(又はp+ 層) 7 絶縁層(酸化膜) 8 ゲート領域(p+ 層) 9 カソード電極 9′ シリコン薄膜層 10 アノード電極 11 ゲート電極 12 シリコン薄膜層バラスト抵抗

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体層の一側面側に設けた第1高濃度
    層と、他側面側に設けた第2高濃度層と、前記半導体層
    の一側面側近傍に設けた表面ゲート領域と、前記一側面
    に設けたカソード電極と、前記他側面に設けたアノード
    電極とを有する静電誘導サイリスタにおいて、前記第1
    高濃度層と前記カソード電極との間にシリコン薄膜層を
    挿入し、かつ第1高濃度層を微細にして、選択的に設け
    て成ることを特徴とするシリコン薄膜層バラスト抵抗を
    有する表面ゲート形静電誘導サイリスタ。
  2. 【請求項2】 半導体層の一側面側に設けた第1高濃度
    層と、他側面側に設けた第2高濃度層と、前記半導体層
    の一側面側近傍に設けた表面ゲート領域と、前記一側面
    に設けたカソード電極と、前記他側面に設けたアノード
    電極とを有する静電誘導サイリスタにおいて、前記第1
    高濃度層と前記カソード電極との間にシリコン薄膜層を
    挿入し、かつ第1高濃度層を微細にして、選択的に設け
    前記シリコン薄膜層との間に絶縁層を設けて成ることを
    特徴とするシリコン薄膜層バラスト抵抗を有する表面ゲ
    ート形静電誘導サイリスタ。
  3. 【請求項3】 前記シリコン薄膜層バラスト抵抗を形成
    するシリコン薄膜層がポリシリコン層であることを特徴
    とする前記請求項1乃至2の内、いずれか一項記載のシ
    リコン薄膜層バラスト抵抗を有する表面ゲート形静電誘
    導サイリスタ。
  4. 【請求項4】 前記シリコン薄膜層バラスト抵抗を形成
    するシリコン薄膜層がアモルファスシリコン層であるこ
    とを特徴とする前記請求項1乃至2の内、いずれか一項
    記載のシリコン薄膜層バラスト抵抗を有する表面ゲート
    形静電誘導サイリスタ。
JP20857691A 1991-07-25 1991-07-25 シリコン薄膜層バラスト抵抗を有する表面ゲート形静電誘導サイリスタ Expired - Lifetime JPH081952B2 (ja)

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