JPH0819389A - 葉たばこ原料の香喫味改良方法および香喫味が改善された葉たばこ原料 - Google Patents

葉たばこ原料の香喫味改良方法および香喫味が改善された葉たばこ原料

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JPH0819389A
JPH0819389A JP15607794A JP15607794A JPH0819389A JP H0819389 A JPH0819389 A JP H0819389A JP 15607794 A JP15607794 A JP 15607794A JP 15607794 A JP15607794 A JP 15607794A JP H0819389 A JPH0819389 A JP H0819389A
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flavor
carbon dioxide
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taste
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JP15607794A
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Joji Ito
穣二 伊藤
Manabu Takeuchi
学 竹内
Yoshio Yonei
祥男 米井
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Japan Tobacco Inc
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】より簡単かつ経済的な葉たばこ原料の香喫味改
良方法および香喫味が改善された葉たばこ原料を提供す
る。 【構成】処理槽19に葉たばこ原料を封入する。次いでバ
ルブ22,26を閉鎖する。次に、タンク11よりポンプ16に
より熱交換器15,17を介して処理槽19に二酸化炭素を注
入する。二酸化炭素の温度は0〜50℃である。また、二
酸化炭素は、処理槽19内部が35〜100kg/cm2 に加圧され
るまで供給する。処理槽19内が所定の圧力に高められた
状態で、10〜60分間維持する。これにより、葉たばこ原
料20内部の細胞内に含有される香味成分が二酸化炭素中
に浸出される。この後、バルブ18を閉鎖し、バルブ22ま
たはバルブ26を開放し、処理槽19内の圧力を徐々に大気
圧まで下げる。これにより、二酸化炭素中に溶解する香
味成分が葉たばこ原料20の表面上に凝縮する。この結
果、葉たばこ原料20の香味成分が葉たばこ原料20の表面
に局在化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、葉たばこ原料の香喫味
改良方法およびこの方法により香喫味が改良された葉た
ばこ原料に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の製品たばこは、低ニコチン、低タ
ール化する傾向にあるため、たばこらしい香喫味が薄く
なっている。一方、原料葉たばこも土質および栽培方法
の変化等によって香喫味が低下している。従って、たば
こ製造工程における従来の加工方法では優れた香喫味を
呈する製品を製造することが困難になりつつあり、たば
こ原料のたばこらしい香喫味を増強することが重要であ
る。
【0003】例えば、葉たばこから、特公昭45−32917
号、55−51545 号、56−37280 号、57−7706号に記載の
アルコール、ヘキサン等の有機溶剤、特公昭61−61790
号に記載の二酸化炭素等の抽出溶媒を用いて抽出したた
ばこエキスや、特公昭60−45909 号に記載の水蒸気蒸
留、または、特公昭60−45910 号に記載の減圧蒸留によ
り得られた、たばこ精油をエタノールやプロピレングリ
コール等の溶剤で希釈し、たばこ原料に噴霧添加してそ
の香喫味を改善することが行われている。
【0004】特公昭51−9838号には、超臨界状態の二酸
化炭素を用いた2段抽出工程により、無水の二酸化炭素
によりたばこ中の香味成分を抽出した後、湿った二酸化
炭素によりたばこ中のニコチンを抽出する。その後、脱
ニコチンされたたばこに抽出した香味成分を還元して、
低ニコチンでかつ香喫味の優れたたばこを得ることが提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、葉たば
この香味成分をたばこエキスやたばこ精油として系外へ
取り出して再添加する場合には、これらを分離回収する
工程や添加する工程が必要である。また、たばこエキス
等を添加する場合にはエタノール等の溶剤で希釈する必
要があるため、溶剤が葉たばこ中に一部残存する可能性
があり、好ましくない。
【0006】また、上述の従来技術は、いずれも、たば
こエキス等を添加して葉たばこの香喫味を改善するため
に、被処理対象の葉たばこ以外のもの、例えば、他の香
喫味の強い葉たばこやたばこ屑から香味成分を抽出また
は分離して、この香味成分を被処理対象の葉たばこに付
与している。このため、エキスの抽出分離工程やエキス
の添加工程が必要となり、操作および装置が複雑であ
り、葉たばこの処理に要するランニングコストも高くな
る。
【0007】また、上述の特公昭51−9838号に開示され
る方法では、香味成分を分離する工程と香味成分を処理
原料へ再添加する工程が必要であるため、工程が複雑で
操作も繁雑である。この結果、葉たばこの処理に要する
ランニングコストも高くなる。本発明は、かかる点に鑑
みてなされたものであり、より簡単かつ経済的な葉たば
こ原料の香喫味改良方法および香喫味が改善された葉た
ばこ原料を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)葉たば
こ原料を処理槽内に封入し、前記処理槽内に高圧流体を
供給した後前記処理槽内を所定の圧力および温度で一定
時間保持し、前記葉たばこの香味成分を浸出させる工程
と、(b)その後に前記処理槽から前記高圧流体を排気
して前記処理槽内を減圧させて、前記浸出していた香味
成分を前記葉たばこ原料の表面に凝縮させる工程を具備
することを特徴とする葉たばこの香喫味改良方法を提供
する。
【0009】また、本発明は、(a)葉たばこ原料を処
理槽内に封入し、前記処理槽内に高圧流体を供給した後
前記処理槽内を所定の圧力および温度で一定時間保持
し、前記葉たばこの香味成分を浸出させる工程と、
(b)その後に前記処理槽から前記高圧流体を排気して
前記処理槽内を減圧させて、前記浸出していた香味成分
を前記葉たばこ原料の表面に凝縮させる工程を具備する
ことを特徴とする葉たばこの香喫味改良方法により処理
された葉たばこ原料を提供する。
【0010】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の葉たばこの香喫味改良方法は、葉たばこ中の香味
成分を高圧流体により浸出させた後、減圧して高圧流体
に溶解した香味成分を凝縮させて、葉たばこの表面に局
在化させることにより、葉たばこの香喫味を増強するこ
とを主題とする。葉たばこの香味成分とは、分子量50〜
300 、炭素数2〜20の揮発性成分である。香味成分は、
主に、葉部の柔組織の細胞内に存在し、葉部全体に分布
していると考えられている。一方、シガレットでは、喫
煙によりシガレット先端の燃焼部で生成した煙や水蒸気
が、未燃焼部のたばこ刻み層を通過する間に、たばこ刻
みが加熱される。これにより、未燃焼部のたばこ刻みの
表面から揮発性が高い香味成分が揮散して煙と合流して
喫煙者に吸入される。しかし、煙による加熱温度は比較
的低く、たばこ刻みの表面に存在する香気成分が煙中に
移行し易く、より内部の細胞内に存在する香気成分は移
行し難い。従って、香味成分の煙中への移行はたばこ刻
みの表面近傍に存在する香味成分の量に依存し、特に、
香味成分の含有量が少ないたばこ刻みでは、この未燃焼
部での香味成分の煙への移行が少ないために香喫味が著
しく低くなり影響が大きい。
【0011】本発明は、葉たばこの表面に香味成分を局
在化させることにより、葉たばこの香喫味の増強を図る
ものである。本発明の葉たばこの香喫味改良方法では、
まず、葉たばこ中の細胞内に含有されている香味成分を
高圧流体で浸出させる。本明細書において「浸出」と
は、香味成分の少なくとも一部が葉たばこ原料から浸み
だし、高圧流体中に移行することを意味する。この工程
では、高圧流体として、例えば、二酸化炭素、亜硝酸窒
素、プロパン、ブタン、エチレン等の低級炭化水素、C
Cl3 F等のフルオロカーボン類があり、亜酸化窒素は
安定性、溶解性および臨界温度が高い点で好ましい。ま
た、低級炭化水素は、液化ガスであり、揮発性、溶解性
が高い点で好ましい。、さらにフロカーボン類は安定性
が高い点で好ましい。特に、二酸化炭素は、実用的に不
活性であり処理の過程で溶質や原料等を変質させること
がなく、揮発性が非常に高いので高揮発性の芳香成分の
分離も可能であり、処理品への残留も少なく、不燃性で
安全性が高く多量に供給できる点で好ましい。
【0012】葉たばこ中の香味成分の浸出は、高圧流体
を用い、葉たばこ中、特に葉たばこ内部の細胞内に存在
する香味成分が抽出される圧力および温度の条件下で行
われる。高圧流体に二酸化炭素を用いる場合を例に挙げ
て説明すると、葉たばこの香味成分の抽出は、二酸化炭
素の分子の密度と関係している。気体状態の二酸化炭素
は密度が低いので溶解度が低いが、粘性が低く拡散性に
富んでいる。一方、液体状態の二酸化炭素は密度が高く
溶解度が高いが、粘性が高く拡散性に劣っている。そし
て、臨界点(31.1℃、 75.3kg/cm2 ) を越えた超臨界状
態の二酸化炭素は圧力上昇と共に密度が増加し、その
上、粘性、拡散性は気体に近い性質を持っている。従っ
て、圧力35〜100kg /cm2 、温度0 〜50℃の臨界点近傍
の領域では、二酸化炭素分子の密度変化が大きいため、
溶解度が高い液体状態と拡散性に優れた気体状態と、さ
らにこれらの中間の性質を持つ超臨界二酸化炭素が存在
し、葉たばこの香味成分の浸出・凝縮を行なうのに適し
ている。
【0013】このような高圧流体による葉たばこ中の香
味成分の浸出は、香味成分を十分に高圧流体に移行させ
るために十分な時間をかけて行われる。圧力35〜100kg
/cm2 、温度0 〜50℃の臨界点近傍の領域の二酸化炭素
の場合には、10〜60分の間、かかる圧力および温度条件
下に処理層内を維持することが好ましい。
【0014】香味成分の浸出が終了した後、高圧流体の
圧力を低下させる。圧力が低下すると、高圧流体の密度
が低下し、溶解度が低下する。これにより、高圧流体中
に溶解していた香味成分が、葉たばこの表面上に凝縮す
る。高圧流体の圧力は、例えば、処理槽の排気口を解放
することにより、大気圧の近傍まで減圧される。この結
果、葉たばこ中に含有されていた香味成分は葉たばこの
表面に局在化し、処理された葉たばこを用いてシガレッ
トを製造した場合、このシガレットでは未燃焼部での煙
への香味成分の移行が多くなり、香喫味が増強される。
【0015】
【作用】本発明の葉たばこ原料の香喫味改良方法は、葉
たばこ原料を処理槽内に封入し、処理槽内に高圧流体を
供給した後、処理槽内を所定の圧力および温度で一定時
間保持し、葉たばこの香味成分を浸出させる。これによ
り、葉たばこ内部の細胞内に含有されている香味成分が
高圧流体に移行する。次いで、処理槽から高圧流体を排
気して処理槽内を減圧させて、浸出していた香味成分を
葉たばこ原料の表面に凝縮させる。これにより、香味成
分が葉たばこ原料の表面上に局在化する。
【0016】また、本発明の香喫味が改善された葉たば
こ原料は、葉たばこ内部の細胞内に含有されている香味
成分が所定圧力および温度の高圧流体により浸出された
後、高圧流体の圧力を減圧させて高圧流体中に溶解した
香味成分を凝縮させて、葉たばこ原料の表面上に局在化
せれている。これにより、喫煙時に、未燃焼部の葉たば
こ表面での香味成分の煙中への移行が多い。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の葉たばこ原料の香喫味改善方法
の一例に用いる処理装置を示す概略図である。
【0018】図中11は、二酸化炭素12を収容するタンク
である。タンク11は、周面上に温度調節用のジャケット
11a を備えている。タンク11の塔頂部には、熱交換器13
およびバルブ14を介して二酸化炭素供給源(図示せず)
が接続されている。一方、タンク11の塔底部には、熱交
換器15、ポンプ1 6 、熱交換器17、バルブ18を介して、
処理槽19の底部と接続されている。処理槽19の周面上に
は温度調節用のジャケット19a が備えられている。処理
槽19の内部には、被処理対象の葉たばこ原料20が封入さ
れる。処理槽19の上部には、排気パイプ21が接続され、
その途中にはバルブ22が設けられている。
【0019】二酸化炭素供給源とタンク11の間に設けら
れた熱交換器13とバルブ14の間から分岐して分岐パイプ
23が接続されている。分岐パイプ23の他端部は、ポンプ
16および熱交換器17の間に接続されている。分岐パイプ
23の途中には圧力調節バルブ24が取り付けれている。
【0020】また、バルブ18および処理槽19との間に
は、減圧用の排気パイプ25が分岐して接続され、その途
中にはバルブ26が設けられている。上述のような構成か
らなる処理装置10を用いて、葉たばこ原料の香喫味改良
を次のようにして行う。まず、処理槽19に葉たばこ原料
を封入する。次いで、バルブ22,26を閉鎖する。次に、
タンク11よりポンプ16により熱交換器15,17を介して処
理槽19に二酸化炭素を注入する。二酸化炭素の温度は、
0〜50℃、好ましくは、5 〜40℃、さらに好ましくは8
〜15℃である。また、二酸化炭素は、処理槽19内部が35
〜100kg/cm2 、好ましくは40〜80kg/cm2 、さらに好ま
しくは、42〜75kg/cm2 に加圧されるまで供給する。圧
力調節弁24は所定の圧力に設定され、処理槽19の圧力が
設定値まで高められると圧力調節弁24が開き、二酸化炭
素はタンク11に戻されるので、処理槽19には流入しな
い。このように処理槽19内が所定の圧力に高められた状
態で、10〜60分間維持する。これにより、葉たばこ原料
20内部の細胞内に含有される香味成分が二酸化炭素中に
浸出される。
【0021】この後、バルブ18を閉鎖し、バルブ22また
はバルブ26を開放し、処理槽19内の圧力を徐々に大気圧
まで下げる。これにより、二酸化炭素中に溶解する香味
成分が葉たばこ原料20の表面上に凝縮する。この結果、
葉たばこ原料20の香味成分が葉たばこ原料20の表面に局
在化する。処理された葉たばこ原料を用いてシガレット
を製造した場合、このシガレットでは未燃焼部での煙へ
の香味成分の移行が多くなり、香喫味が増強される。
【0022】なお、排気パイプ21を介して排気された二
酸化炭素は、常法により回収して再利用することが可能
である。次に、二酸化炭素の超臨界領域での処理圧力お
よび温度と、葉たばこ原料の香喫味改善効果との関係に
ついて評価した。
【0023】試料用原料として、ブラジル産黄色種中葉
系[200g/W.M.(バッチ)、水分12%W.B.] を用いた。試
料用原料について、表1に示す実施例1〜5の処理圧力
および温度で夫々30分間、二酸化炭素による浸出を行っ
た。次いで、処理槽19の内部を大気圧まで減圧して、被
処理検体を得た。実施例1 〜5の被処理検体を用いて常
法に従って巻き上げて紙巻きたばことし、10人の特に訓
練された専門パネルによる未処理原料との比較による香
喫味評価試験を行った。この評価は、2点比較法により
未処理の葉たばこを被処理検体と同様に作成したシガレ
ットを対照品として行った。すなわち、未処理品を対照
品と比較して差がない場合を0点、やや差がある場合を
1点、かなり差がある場合を3点とし、未処理品を対照
品と比較して香喫味がよい場合を(+)、悪い場合を
(−)として採点した(吉川誠次著「食品の品質測定
法」44頁、光琳書院、1963年発行)。この結果を表1に
併記する。
【0024】
【表1】
【0025】この結果から明らかなように、実施例3の
処理圧力75kg/cm2 、処理温度35℃の場合の葉たばこ原
料が最も優れた香喫味を示した。処理圧力が低いほど生
いやみが浮き出し、一方、高くなると刺激が増える傾向
を示した。しかし、圧力が60〜100kg/cm2 の範囲内では
何れも香喫味が改善されていた。処理品の香喫味は、香
りだちが明るくなり、生地のくさみを抑える効果がある
と判断された。しかし、香味の量は全体にやや減少し
た。
【0026】次に、液体の二酸化炭素による葉たばこ原
料の処理について評価した。試料用原料として、ブラ
ジル産黄色種中葉系[200g/W.M.(バッチ)、水分12%W.
B.]および米国産バーレー種[150g/W.M.( バッチ) 、
水分12%W.B.] を用いた。これらの試料用原料について
表2に示す処理圧力および温度で香味成分の浸出を行っ
た。次いで、処理槽19の内部を大気圧まで減圧して被処
理検体を得た。実施例6 ,7の被処理検体を用いて実施
例1〜5の被処理検体と同じ方法でシガレットを作製
し、上述と同様に香喫味評価試験を行った。この結果を
表2に併記する。
【0027】
【表2】
【0028】表2から明らかなように、実施例6,7の
いずれも香喫味の改善効果が認められた。香喫味品質の
特徴として、甘臭味が付与され、香質が明るく、香味が
濃くなる傾向にあり、香喫味改善効果が大きいことが確
認された。この理由としては、液体二酸化炭素による抽
出エキスは超臨界二酸化炭素による抽出エキスに比べて
処理圧力および温度が低いこと、従って、減圧時の気相
の溶解力が非常に低くなるために系外への抽出エキスの
ロスが少ないことが考えられる。
【0029】次に、本発明の葉たばこ原料の香喫味改良
方法の他の実施例について説明する。図2は、本発明の
葉たばこ原料の香喫味改良方法を実施するための処理装
置の変形例を示す概略図である。この処理装置30は、2
つの処理槽31,32 を具備していること以外は、図1に示
す処理装置10と同様の構成からなる。第1の処理槽31,
および第2の処理槽32には、葉たばこ原料33が積層状に
封入される。2つの処理槽31,32 には、入口側のバルブ
34,35 と、出口側のバルブ36,37 が取り付けられてい
る。
【0030】処理装置30では、次のようにして葉たばこ
原料の香喫味改良処理が行われる。まず、バルブ35、バ
ルブ36およびバルブ37を閉鎖した状態で第1の処理槽31
に二酸化炭素を供給して香味成分の浸出を行う。次い
で、バルブ34を閉鎖した後にバルブ36およびバルブ22を
解放して、第1の処理槽31内の圧力を減圧して、香味成
分の凝縮を行う。各操作の詳細については、上述の処理
装置10の場合と同様であり、同一の部材については同一
の符号を付してある。
【0031】そして、バルブ34、バルブ36およびバルブ
37を閉鎖した状態でバルブ35を開放し、第2の処理層32
に二酸化炭素を供給して香味成分の浸出を行う。次い
で、バルブ35を閉鎖し、バルブ34およびバルブ22を開放
して、第2の処理層32内の圧力を減圧し、香味成分の凝
縮を行う。一方、第2の処理層32での葉たばこ原料33の
処理が終了する間に、第1の処理層31を開蓋して、処理
済の葉たばこ原料を系外に取り出し、次いで、新たな葉
たばこ原料33を第1の処理層31に充填する。そして、第
2の処理層32での葉たばこ原料33の処理が終了した後、
上記操作を繰り返す。
【0032】以上説明した第2の実施例では、2つの処
理層31および32を交互に使用して葉たばこ原料33の処理
を半連続的に行うことができるため、操作効率を向上さ
せることができる。
【0033】次に、本発明の葉たばこ原料の香喫味改良
方法の第3の実施例について説明する。第2の実施例と
同様に、図2に示す処理装置30において、第1の処理層
31での葉たばこ原料33の処理が終了した後、第1の処理
層31のバルブ34を閉鎖した状態で第2の処理槽32のバル
ブ35および排気パイプ21のバルブ22を閉鎖し、バルブ3
6,37 を徐々に開放する。
【0034】これにより、第2の処理槽32に第1の処理
槽31から二酸化炭素が導入される。第1の処理槽31およ
び第2の処理槽32の圧力がほぼ均一になった段階で、第
2の処理槽32の出口側のバルブ37を閉鎖し、入口側のバ
ルブ35を開放する。 これにより、タンク11から二酸化
炭素が第2の処理槽32へ供給され、内部圧力が上昇す
る。
【0035】以降、上述と同様の操作により、第2の処
理槽32において香味成分の浸出および凝縮を行う。一
方、第2の処理槽32での葉たばこ原料33の処理が終了す
る間に、バルブ36およびバルブ22を開放し、大気圧近傍
まで減圧し、第1の処理槽31を開蓋して、処理済の葉た
ばこ原料を系外に取り出し、次いで新たな葉たばこ原料
33を第1の処理槽31に充填する。そして、第2の処理槽
32での葉たばこ原料33の処理が終了した後、上記操作を
繰り返し行う。
【0036】以上説明した第3の実施例では、第2の実
施例と同様に、2つの処理槽3132を交互に使用して葉
たばこ原料33の処理を半連続的に行うことができるた
め、操作効率を向上することができる。また、一方の処
理層で用いた二酸化炭素を再利用できると共に、この二
酸化炭素は香味成分を僅かに含んでいるので、香味成分
のロスを少なくすることができる。この結果、葉たばこ
原料の香喫味改良処理をより効率よく、かつ、経済的に
行うことができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の葉たばこ原
料の香喫味改良方法によれば、葉たばこの香味成分を、
所定圧力および温度で高圧流体中に浸出させ、次いで、
処理槽から高圧流体を排気して処理槽内を減圧させて、
浸出していた香味成分を葉たばこ原料の表面に凝縮させ
る。これにより、香味成分を葉たばこ原料の表面上に局
在化させる。この結果、この葉たばこ原料を用いて、例
えば、シガレットを製造した場合、未燃焼部の葉たばこ
表面での香味成分の煙中への移行が多くなるので、葉た
ばこ原料の香喫味が増強される。また、葉たばこ原料中
の香味成分は抽出分離して系外に取り出す必要がない。
しかも、抽出エキスを添加する必要もないので、設備お
よび操作が簡単ですみ、ランニングコストも軽減でき
る。
【0038】また、本発明の香喫味が改善された葉たば
こ原料は、葉たばこ内部の細胞内に含有されている香味
成分が所定圧力および温度の高圧流体により浸出された
後、高圧流体の圧力を減圧させて高圧流体中に溶解した
香味成分を凝縮させて、葉たばこ原料の表面上に局在化
せれている。この結果、この葉たばこ原料を用いて、例
えば、シガレットを製造した場合、未燃焼部の葉たばこ
表面での香味成分の煙中への移行が多くなるので、葉た
ばこ原料の香喫味が増強される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の葉たばこ原料の香喫味改善方法の一例
に用いる処理装置を示す概略図。
【図2】本発明の葉たばこ原料の香喫味改善方法に用い
る処理装置の他の実施例を示す概略図。
【符号の説明】
10…処理装置、11…タンク、12…二酸化炭素、13,15,
17…熱交換器、14,18,22,26…バルブ、16…ポンプ、
19…処理槽、20…葉たばこ原料、21,25…排気パイプ、
23…分岐パイプ、24…圧力調節弁。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)葉たばこ原料を処理槽内に封入
    し、前記処理槽内に高圧流体を供給した後前記処理槽内
    を所定の圧力および温度で一定時間保持し、前記葉たば
    この香味成分を浸出させる工程と、 (b)その後に前記処理槽から前記高圧流体を排気して
    前記処理槽内を減圧させて、前記浸出していた香味成分
    を前記葉たばこ原料の表面に凝縮させる工程を具備する
    ことを特徴とする葉たばこの香喫味改良方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)において、高圧流体が、二酸
    化炭素、亜酸化窒素、低級炭化水素およびフルオロカー
    ボン類からなる群から選択される請求項1記載の葉たば
    この香喫味改良方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)において、高圧流体が二酸化
    炭素であって、前記処理槽内を35〜100Kg /cm2 の圧力
    および0〜50℃の前記二酸化炭素の臨界点近傍の条件に
    設定する請求項1記載の葉たばこの香喫味改良方法。
  4. 【請求項4】 工程(a)において、処理槽内を所定の
    圧力および温度に維持する時間が10分〜60分間である請
    求項1記載の葉たばこの香喫味改良方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の葉たばこの香喫味改良方
    法により処理された葉たばこ原料。
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