JPH08192821A - 窒素ガス等のガス置換方法及びその装置 - Google Patents

窒素ガス等のガス置換方法及びその装置

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JPH08192821A
JPH08192821A JP7020930A JP2093095A JPH08192821A JP H08192821 A JPH08192821 A JP H08192821A JP 7020930 A JP7020930 A JP 7020930A JP 2093095 A JP2093095 A JP 2093095A JP H08192821 A JPH08192821 A JP H08192821A
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JP
Japan
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gas
nozzle
lid
container
replacement
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Application number
JP7020930A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Okamoto
保 岡本
Takeshi Tachibana
毅 橘
Hiroyuki Nakano
浩之 中野
Kaoru Shibata
馨 柴田
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Showa Marutsutsu Co Ltd
Original Assignee
Showa Marutsutsu Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス置換時の容器の変形を防止し、高いガス
置換率を得ると共に、ガスの利用効率を高め、ガス置換
の工程の省力化を図り、生産能率を向上させることがで
きる窒素ガス等のガス置換方法及びこれに用いられる装
置を提供せんとする。 【構成】 容器本体1と蓋体2との間のノズル挿入口3
からノズル104を挿入し、このノズル104から、窒
素ガス等の置換用ガスを容器1内に吐出する。これによ
り、容器1内に置換用ガスを導入すると共に、ノズル挿
入口3とノズル104との間等に出来た空気排出空間か
ら空気を外部に自然に排出させる。吐出後、ノズル10
4を抜き出して、蓋体2と容器本体1との間を密閉す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、窒素ガス等のガス置
換方法及びこれに用いられる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、容器や袋内の内容物の酸化や腐敗
を防止するために、容器や袋(以下、容器等という)の
内部の空気を窒素や二酸化炭素等の不活性ガスに置換す
るガス充填包装が行われている。このガス充填包装は、
一般に95%以上のガス置換率を達成することが必要と
され、その具体的な一つの方法としては、容器等を外部
から区画された置換室内へ搬入して、置換室内全体の空
気を吸引除去し、置換室内の全体を真空状態にした後、
不活性ガスを吐出することにより、置換室内のガスの置
換を行うことによって、搬入した容器等の内部のガスの
置換を行う方法が知られている。ところが、この方法
は、所謂連続式として、容器等を1個ずつ置換室内に搬
入して置換を行う場合もあるが、所謂バッチ式として、
多数の容器等を置換室内に搬入して置換を行うことが多
い。このバッチ式の場合には、容器等の大きさによっ
て、一度に置換室内に搬入できる容器等の数量が変化
し、生産性、経済性が変化する。また、置換室内全体の
ガスの置換を行うことにより、置換室内に搬入された容
器内のガスの置換を行うものであり、目的は容器内の置
換であるにもかかわらず、置換室内の余分な空間につい
ても置換を行うことになり、多くの空気を吸引すること
になり、且つ、容器外にある置換室内の不活性ガスは、
1回毎、無駄に消失してしまうと言った経済的な欠点が
ある。従って、容器等の大きさによって、ガスの活用率
や経済性も変化し、活用率や経済性を高めるために、置
換室を容器の大きさに近づけて極力小さなものとする
と、置換室より大きな容器等の場合には、置換室内への
搬入が不可能となり、置換処理を行うことができず、汎
用性が損なわれる。また、余分な空間の置換を行うた
め、その分、置換処理に要する時間も多くなり、さら
に、置換室の設備や、置換室への搬出入のための設備
等、構造や設備が複雑なものとなる。
【0003】そのため、置換室を用いない方法として、
容器等の開口部から吸引用ノズルを挿入して内部の空気
を抜いた後、吐出用ノズルを挿入して不活性ガスを吐出
することにより、ガスの置換を行い、開口部を封するこ
とが行われている。また、吸引用ノズルと吐出用ノズル
との2本のノズルを用意せずに、1本のノズルを挿入し
て、弁の切り替えによって、空気の吸引とガスの吐出と
を行う方法も知られている。この方法では、ガスの無駄
な消失を防止し得るが、容器等の内部のみを脱気するた
め、大気圧で容器等が変形し易いと言った課題がある。
【0004】この課題は、合成樹脂製の袋の場合より
も、本体と蓋体とに分離される容器(より詳しくは、金
属、合成樹脂、紙管等を容器本体として、この容器本体
の開口部を気密状態に蓋した容器)について深刻な問題
を生ずる。合成樹脂製の袋の場合には、本質的に袋自体
が変形することを前提に、この変形を生じても問題のな
い内容物が収納され、また、袋の開口部の閉鎖について
も、柔軟性を前提とした封鎖方法が開発されているた
め、大きな問題は生じない。ところが、本体と蓋体とに
分離される容器の場合、容器本体は変形しないことを前
提に制作されているため、気圧の変化によって変形が生
じた場合、本体と蓋とが気密に合致しなかったり、或い
は、本体と蓋とを接着や溶着する場合にも、接着や溶着
の予定位置が設計より異なってしまい、気密性を維持し
得ず、ガス置換率自体は良好であっても、経時変化によ
って不活性ガスの量が低下してしまうと言った課題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願発明は、
容器内に直接ガスを充填しても、容器の変形が生ずるこ
となく、気密状態を良好に維持して、高いガス置換率を
得ると共に経時後も不活性ガスの量が低下する恐れのな
いガス置換方法を提供すると共に、ガス置換の工程の省
力化を図り、生産能率を向上させることができる窒素ガ
ス等のガス置換方法及びこれに用いられる装置を提供せ
んとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、容
器本体の開口部と、開口部に載置された蓋体との間に挿
入されたノズルから、窒素ガス等の置換用ガスを容器内
に吐出し、これにより、容器内に置換用ガスを導入する
と共に、容器本体と蓋体との間、容器本体、又は蓋体の
少なくとも何れかに形成された空気排出空間から空気を
外部に自然に排出させ、吐出後、ノズルを抜き出して、
蓋体と容器本体との間を密閉するようにした窒素ガス等
のガス置換方法を提供する。本願の第2の発明は、容器
本体の開口部に蓋体を載置し、蓋体に形成したノズル挿
入口から置換用ガスのノズルを挿入し、ノズルから窒素
ガス等の置換用ガスを容器内に吐出し、これにより、容
器内に置換用ガスを導入すると共に、容器本体と蓋体と
の間、容器本体、又は蓋体の少なくとも何れかに形成さ
れた空気排出空間から空気を外部に自然に排出させ、吐
出後、ノズルを抜き出して、蓋体のノズル挿入口及び空
気排出空間を封鎖するようにした窒素ガス等のガス置換
方法を提供する。本願の第3の発明は、容器本体の開口
部に蓋体を載置する蓋体の載置手段と、蓋体の載置手段
による載置の前或いは後に、窒素ガス等の置換用ガスの
ノズルを容器本体の上端から内部へ挿入するノズル挿入
手段と、この蓋体と容器本体とをノズルの挿入箇所を残
して接着等により封鎖する第1シール手段と、ノズルか
ら窒素ガス等の置換用ガスを容器内に吐出するガス吐出
手段と、吐出後に、蓋体と容器本体との間の未封鎖のノ
ズル挿入口を封鎖する第2シール手段とを備えた窒素ガ
ス等のガス置換装置を提供する。本願の第4の発明は、
容器本体の開口部に蓋体を載置する蓋体の載置手段と、
この蓋体と容器本体とをノズル挿入口を残して接着等に
より封鎖する第1シール手段と、このシール手段による
封鎖の後に、ノズル挿入口から窒素ガス等の置換用ガス
のノズルを挿入するノズル挿入手段と、ノズルから窒素
ガス等の置換用ガスを容器内に吐出するガス吐出手段
と、吐出後に、蓋体と容器本体との間の未封鎖のノズル
挿入口を封鎖する第2シール手段とを備えた窒素ガス等
のガス置換装置を提供する。本願の第5の発明は、容器
本体の開口部に蓋体を載置する蓋体の載置手段と、この
蓋体と容器本体との全周を接着等により封鎖するシール
手段と、容器本体内へ窒素ガス等の置換用ガスのノズル
を挿入するノズル挿入手段と、ノズルから窒素ガス等の
置換用ガスを容器内に吐出するガス吐出手段と、吐出
後、蓋体のノズル挿入口を閉鎖用部材にて封鎖する挿入
口閉鎖手段とを備えた窒素ガス等のガス置換装置を提供
する。
【0007】
【作用】本願の発明にあっては、容器本体の開口部分を
蓋体で閉ざした状態で、容器内に挿入されたノズルから
置換用ガスを吐出することによって、ガスの置換が行わ
れる。このとき、容器内の空気は、ノズル挿入口とノズ
ルとの間や、容器本体と蓋体との間の僅かな隙間等の空
気排出空間を通って、比重等の関係で自然と排出され
る。このように、ガスの置換がなされ得るが、ガスの吐
出に先立って、空気を吸引しないため、吸気に要する時
間が節約されることは勿論、容器内が負圧になることが
なく、容器本体或いは蓋体が変形してしまうこともな
い。よって、蓋体のずれ等が生ずることがなく、高いガ
スの置換率を長期に渡って維持し得る。また、置換室を
用いずとも置換を行うことができ、ガスの無駄な消失も
ない。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づき本願発明の実施例を説明
する。図1乃至図5は一実施例の窒素ガス等のガス置換
方法の各工程を示すものであり、図6は同実施例の窒素
ガス等のガス置換装置の配置説明図である。
【0009】図1から図5を順次参照して、その工程を
説明すると、まず、図1の容器本体1に対して、図2に
示すように蓋体2が載置される。容器本体1は、金属
製、合成樹脂製、紙管等、その主たる材質は適宜変更し
得るが、何れの場合にも、気密性を維持し得る容器本体
を採用する。即ち、紙管製の場合には、その内周面等に
合成樹脂や金属箔等からなる単体又は複合体のガスバリ
ヤ性の高い素材を配位して、容器本体自体に気密性を付
与しておく必要がある。また、容器本体を筒状の胴部と
底体とから構成する場合にも、両者の接合を気密性の維
持し得る手段を採る必要がある。この気密性の維持の手
段としては、例えば、巻き締め加工や接着加工等の周知
の手段等を利用することができる。尚、図中nは、容器
本体に収納された内容物を示す。
【0010】蓋体2は、容器本体1の開口部11に対し
て封をすることができると共に、その気密性を維持し得
るものを採用する。具体的には、合成樹脂、金属等の単
体や複合体等の適宜素材を採用し得るものであり、その
形状は特に限定されない。但し、図1乃至図5の例で
は、図4に示すように、蓋体2を捲り上げるようにして
ノズルを挿入するため、蓋体2の材質として、平板状や
皿形状等の形状をなすメンブラン等のシート状体等の可
撓性或いは柔軟性或いは弾性を有するものが適し、合成
樹脂、金属等の単体や複合体、例えばアルミ箔とポリエ
チレン等の合成樹脂による積層体、紙とアルミ箔とポリ
エチレンやポリプロピレンによる合成樹脂の積層体等々
が好ましいが、容器と蓋体との間からノズルを挿入し抜
き出し得ることを条件に適当な素材を選択すればよい。
【0011】また、図1乃至図5の例では、蓋体2は平
板状をなし、容器本体1の上端に単に載置しているに止
めているが、筒状等の立体的な形状とした蓋体2を用
い、これを、容器本体1の上端に被せたり、或いは、一
部を容器本体1内に挿入した状態で載置するようにして
もよい。
【0012】次に、図3に示すように、蓋体と容器本体
との間を、ノズル挿入口3を残して封鎖する。この実施
例では、円形の蓋体2に把手21が突出形成されてお
り、この把手21の近辺がノズル挿入口3となり、それ
以外の部分が、熱金型103によってヒートシールによ
り接着される。図中の4は、このヒートシールの接着部
を示す。このように、ヒートシールによる接着を行う場
合には、蓋体と容器本体との各接着部分に、熱可塑性合
成樹脂層を配位しておく。又、蓋体内側にホットメルト
接着剤を薄く付与してもよい。勿論ヒートシール以外、
接着剤による接着を行う場合には、蓋体及び容器本体の
素材は自由である。
【0013】次に、図4に示すように、蓋体と容器本体
との間のノズル挿入口3から、置換用ガスのノズル10
4を挿入する。この挿入の方法は自由であるが、例え
ば、ノズル104をエアシリンダ等のピストンロッド等
の可動部材104aに固定して、ノズル挿入口3に挿入
すればよい。さらに、この実施例では、蓋体2に把手2
1が突出形成されているため、ノズル104を把手21
の下方に配位して、上昇させつつノズル挿入口3方向に
前進させることによって、自動的に蓋体が捲れ上がり、
ノズル挿入口3内にノズル104を挿入できる。また、
把手21を設けない構造、例えば皿状体のような構造の
場合等では、ノズル挿入口3上の蓋体2を吸引手段で吸
着して、上方に引き上げるようにしてもよい。尚、図で
は、1箇所からノズル104を挿入しているが、複数箇
所から挿入するようにしてもよい。また、ノズルの形状
は、容器の大きさ、形状、充填内容物等によって、種々
設計することにより、経済性の有る生産が図れる。さら
に、ノズルを設ける位置を、調整可能なものとすること
により、容器の大きさ等が変更となっても、ノズルの位
置を現場で変更するだけで、使用が可能となり、装置の
汎用性を高めることができる。
【0014】挿入完了後は、ノズル104から、窒素
(N2 )ガス等の置換用ガスを容器内に吐出する。この
吐出によって、比重等の関係によって、内部の空気が自
然とノズル挿入口3から外部に流出して、ガスの置換
(20個ずつ3回のテストで98%以上の置換率が実現
された)が行われる。即ち、ノズル挿入口3の内周とノ
ズル104の外周との間には若干の隙間が残り、この隙
間が空気排出空間となり、この空気排出空間から空気が
自然に排出される。尚、ノズル挿入口3とは別個に、蓋
体と容器本体との間に隙間を形成した状態で接着し、こ
の隙間を空気排出空間としてもよい。また、蓋体或いは
容器本体の少なくとも何れか一方に、小孔を形成し、こ
の小孔を空気排出空間として利用してもよい。
【0015】尚、図では、接着を行った後にノズル10
4を挿入したが、接着を行う前にノズル104を挿入
し、その後、この挿入部分を残して接着を行うようにし
てもよい。また、蓋体を載置するに先立って、ノズル1
04を予め配位しておき、配位後に、蓋体の載置と接着
を行うようにしてもよい。また上記の何れの場合でも、
接着を行わずに、蓋体を載置するに止めた状態で、置換
用ガスを容器内に吐出してもよい。その場合、作業中の
蓋のずれを防止するために、蓋体を上方から弾性部材を
介して押さえたり、蓋体と容器本体との間を挟持したり
する等の適当な仮固定手段を施しておいてもよい。
【0016】置換完了後には、ノズル104を抜き出
し、図5に示すように、ノズル挿入口3の部分を、熱金
型105によってヒートシールにより接着する。図中の
5は、このヒートシールの接着部を示す。このヒートシ
ールに代えて、他の接着手段を採用し得ることは、図3
のヒートシールの場合と同様である。尚、上記のよう
に、ガスの置換迄に接着を行っていない場合には、この
段階で、容器本体と蓋体との間を密閉状態とする。ノズ
ル挿入口3とは別個に、空気排出空間を設けた場合に
は、この段階で、空気排出空間をヒートシールや他の接
着手段によって接着したり、或いは他の部材を接着し
て、密閉状態とする。
【0017】以上の要領で、ガスの置換が完了するが、
ガスの吐出に先立って、空気を吸引しないため、容器内
が負圧になることがなく、容器本体或いは蓋体が変形し
てしまうこともない。よって、蓋体のずれ等が生ずるこ
とがなく、98%以上のガスの置換率を長期に渡って維
持し得る。
【0018】次に、図6を参照して、上記実施例に用い
ることのできる装置を説明する。この装置は、間欠的に
容器本体1を送るコンベア等の移動手段101を有す
る。図では、容器本体1は、左から右へ順次送られる。
そして、移動手段101の移送方向に向けて、蓋体2の
載置手段102、第1シール手段103、ノズル10
4、第2シール手段105が配置されている。
【0019】この移動手段101を横切るように、蓋体
2の載置手段102が配位されている。この載置手段1
02は、蓋体を容器本体1上に移送すると共に、容器本
体1の上において、蓋体2を開放して載置する。移送手
段は、具体的には、コンベアや、移動アームに吸着手段
を取り付けて蓋体2を吸着した状態で移送して、容器本
体1の上において蓋体2を開放するものとしてもよい。
また、帯状体を連続して送り、蓋体2の形状に打ち抜い
て、容器本体1上に置くようにしてもよい。
【0020】載置手段102の次には、蓋体と容器本体
とをノズル挿入口を残して接着等により封鎖する第1シ
ール手段が配位されている。この第1シール手段には、
前述の熱金型103が用いられ、これを上下動させて、
蓋体2と容器本体1との間をヒートシールする。
【0021】第1シール手段(熱金型103)の次に
は、ノズル104及びこれを移動させる可動部材104
a、即ちノズル挿入手段が配位され、前述の要領で、ノ
ズル104の挿入とガス置換を行う。尚、図示しない
が、ノズル104には、窒素ガスのボンベ等のガス吐出
手段が接続されている。
【0022】ノズル104の次には、ノズル挿入口3を
接着等により封鎖する第2シール手段が配位されてい
る。この第2シール手段には、前述の第1シール手段と
同様、熱金型105が用いられ、これを上下動させて、
蓋体2と容器本体1との間をヒートシールする。
【0023】次に、図7(A)に基づいて装置の他の実
施例を説明する。この装置は、図6の装置と基本的に同
じであり、図6との比較においてその相違点のみを説明
する。この装置は、第1シール手段による接着の前にノ
ズル104を予め挿入しておくものであり、蓋体2の載
置手段102と第1シール手段(熱金型103)との間
にノズル104を配位する。図では、第1シール手段
(熱金型103)と同一位置にノズル104が配位さ
れ、蓋体2の載置手段102によって蓋体が載置された
後に、ノズル104の可動部材104aによって、ノズ
ル104を移動させ蓋体2と容器本体1との間にノズル
104を挿入する。その後、第1シール手段(熱金型1
03)によって、蓋体と容器本体とをノズルの挿入箇所
を残してシールする。その後、ガスの置換と、第2シー
ル手段105によるシールがなされるものである。
【0024】図7(B)は、装置のさらに他の実施例を
示すものである。この装置も、図6の装置と基本的に同
じであり、図6との比較においてその相違点のみを説明
する。この装置は、蓋体2の載置の前にノズル104を
予め容器本体1へ挿入しておくものであり、蓋体2の載
置手段102より前或いは同位置に、ノズル104を配
位する。載置手段102の次に、第1シール手段10
3、第2シール手段105が配置されている。尚、ノズ
ル104によって置換を行うのは、第1シール手段10
3によるシールの後であり、ノズル104の挿入後、第
1シール手段103以降まで、ノズル104を容器本体
と平行移動させる平行移動手段104bを併設する。
尚、図6乃至図7の各装置は、容器本体を移動させた
が、容器本体を移動させずに、各手段を容器本体に対し
て接近離反させるようにしてもよい。
【0025】次に、図8は、接着を行わずに、容器開口
部内に落とし込み仕様の蓋体を載置するに止めた状態
で、置換用ガスを容器内に吐出するようにした例を示す
もので、蓋体2として、有底筒状の胴部202と、その
上端から外方向に張り出した鍔部203を有するものを
用いる。そして、容器本体1の上端に、鍔部203を掛
けた状態で半閉鎖状に蓋をすると共に、ノズル104を
挿入しておく。そして、上記と同様の要領でガスの置換
を行った後、ノズル104を抜いて、蓋体2を完全に閉
じるものである。
【0026】次に、図9乃至図12は、他の実施例の方
法を示すものであるが、蓋体2を容器本体1に載置する
までの工程は、先の図1及び図2と同様であり省略す
る。また、先の図3乃至図5のものとの比較において説
明し、実質的に同様の箇所については、その説明を省略
する。
【0027】先の実施例(図3)では、蓋体と容器本体
との間をノズル挿入口3を残して封鎖したが、この例で
は、図9に示すように、蓋体2と容器本体1との間の全
周を接着する。接着方法は、ヒートシールや接着剤等、
先の例と同様である。また、この段階では封鎖を行わ
ず、ガスの置換後に行うようにしてもよい事も、先の実
施例と同様である。図9において、301は、接着部分
を示す。
【0028】次に、図10に示すように、蓋体にノズル
挿入口302を形成して、このノズル挿入口302から
置換用ガスのノズル104を挿入する。ノズル挿入口3
02の形成方法は、ノズル104の先を鋭利にしてお
く、ノズル104の先にナイフを形成しておく等して、
ノズルの前進と同時に、蓋体2を切り開くようにすれば
よい。また、ノズル104の挿入に先立って、ナイフ等
の刃物を蓋体2に対して前進させてノズル挿入口302
を形成し、その後に、ノズル104を挿入してもよい。
また、蓋体に予め、ノズル挿入口302を開口させてお
いてもよい。この方法は、合成樹脂の成形品や金属蓋の
場合等、挿入口の形成が困難な蓋体に対しては特に有効
である。さらにまた、蓋体に予めノズル挿入口302を
開口させておく共に、ノズル104を挿入し、この挿入
した状態で、蓋体2を容器本体1に載置してもよい。
【0029】次に、ガスの置換を行った後、ノズル10
4を抜き出すが、これは先の実施例と同様である。図1
1は、このガス置換後にノズル104を抜き出した状態
を示す。またガス置換の際、内部の空気が排出される空
気排出空間についても先の実施例と同様であり、即ち、
ノズル挿入口302の内周とノズル104の外周との間
の若干の隙間が空気排出空間となり、この空気排出空間
から空気が自然に排出される。尚、ノズル挿入口302
とは別個に、容器(蓋体及び容器本体)の適宜位置に空
気排出空間を形成してもよい。
【0030】ノズル104を抜き出した後、図12に示
すように、蓋体のノズル挿入口302及び空気排出空間
を閉鎖用部材303にて封鎖する。この閉鎖用部材30
3は、ガスバリヤ性の有るシート状体を接着剤やヒート
シールで接着する等、密閉状態でノズル挿入口302を
封鎖できることを条件に適宜選択して採用することがで
きる。
【0031】次に、図13を参照して、上記実施例に用
いることのできる装置を説明するが、先の図6のものと
の比較において説明し、実質的に同様の箇所について
は、その説明を省略する。
【0032】この装置においても、容器本体の移動手段
101及び蓋体2の載置手段102を備えることは、先
の実施例と同様である。また、載置手段102の次に熱
金型401が配位されていることも同様であるが、この
熱金型401は、蓋体2と容器本体1との間を全てヒー
トシールする点が相違する。
【0033】シール手段(熱金型401)の次には、ノ
ズル104及びこれを移動させる可動部材104a、即
ちノズル挿入手段が配位され、前述の要領で、ノズル1
04の挿入とガス置換を行う。ノズル104には、窒素
ガスのボンベ等のガス吐出手段(図示せず)が接続され
ている点も先の実施例と同様である。尚、ノズルとは別
個に、ナイフ等の刃物を配位する場合には、シール手段
(熱金型401)と載置手段102との間に配位すれば
よい。
【0034】ノズル104の次には、蓋体のノズル挿入
口302を閉鎖用部材303にて封鎖する挿入口閉鎖手
段402が配位されている。挿入口閉鎖手段402とし
ては、例えば、閉鎖用部材303用のシート状体を搬送
して、ノズル挿入口302上に載置して、接着する手段
を用いることができるものである。
【0035】以上、本願発明では、何れの実施形態を採
っても、容器本体の開口部分を蓋体で閉ざした状態で、
容器内に挿入されたノズルから置換用ガスを吐出するこ
とによって、ガスの置換が行われる。このとき、容器内
の空気は、ノズル挿入口とノズルとの間や、容器本体と
蓋体との間の僅かな隙間を通って、自然と排出される。
そして、この状態を維持したまま、容器を密閉状態とす
ることによって、高い置換率を維持したガス充填が可能
となるものである。
【0036】尚、機械化や連続化の容易な実施の形態と
しては、図1乃至図5に示した実施例のように、容器本
体の上部開口部をメンブラン等の可撓性を有する蓋体に
て蓋を載置する第1工程と、この蓋体と容器本体とをノ
ズル挿入口を残して接着等により封鎖すると共にこのノ
ズル挿入口に窒素ガス等の置換用ガスのノズルを挿入す
る第2工程と、ノズルから窒素ガス等の置換用ガスを容
器内に吐出する第3工程と、吐出後、蓋体と容器本体と
の間の未封鎖のノズル挿入口を封鎖する第4固定とを備
えた窒素ガス等のガス置換方法を挙げることができる。
また、図9乃至図12に示した実施例のように、容器本
体の上部開口部をメンブラン等の可撓性を有する蓋体に
て蓋を載置する第1工程と、この蓋体と容器本体との全
周を接着等により封鎖すると共に蓋体にノズル挿入口を
形成して窒素ガス等の置換用ガスのノズルを挿入する第
2工程と、ノズルから窒素ガス等の置換用ガスを容器内
に吐出する第3工程と、吐出後、蓋体のノズル挿入口を
閉鎖用部材にて封鎖する第4固定とを備えた窒素ガス等
のガス置換方法を採ることもできる。
【0037】
【発明の効果】以上、本願の第1及び第2の発明に係る
窒素ガス等のガス置換方法は、置換室を用いないため、
従来の置換室を用いる方法における欠点、即ち、ガスの
活用効率が低いと言った問題や、経済性、生産性、汎用
性が低く或いは不安定であると言った問題、置換処理時
間の遅さや構造や設備の複雑化と言った種々の問題を一
掃し得る。しかも、従来の容器内に直接ガスを充填する
方法における欠点をも解決したものであり、容器の変形
が生ずることなく、気密状態を良好に維持して、高いガ
ス置換率を得ると共に経時後も不活性ガスの量が低下す
る恐れのないガス置換方法を提供すると共に、ガス置換
の工程を少なくして生産能率を向上させることができる
窒素ガス等のガス置換方法を提供することができたもの
である。また、本願の第3乃至第5の発明は、上記のガ
ス置換を、良好に実施し得る装置を提供することができ
たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の窒素ガス等のガス置換方法の工程を
示す概略図であり、(A)は容器の平面、(B)は同容
器の断面を示す。
【図2】同ガス置換方法の工程を示す概略図であり、
(A)は蓋体を載置した容器の平面、(B)は同容器の
断面を示す。
【図3】同ガス置換方法の工程を示す概略図であり、
(A)は蓋体を一部接着した容器の平面、(B)は同容
器の断面を示す。
【図4】同ガス置換方法の工程を示す概略図であり、
(A)はノズルを挿入した容器の平面、(B)は同容器
の断面を示す。
【図5】同ガス置換方法の工程を示す概略図であり、
(A)は置換完了後の容器の平面、(B)は同容器の断
面を示す。
【図6】同ガス置換方法を実施する装置の一実施例の概
略図である。
【図7】(A)は同ガス置換方法を実施する装置の他の
実施例の概略図であり、(B)は同ガス置換方法を実施
する装置のさらに他の実施例の概略図である。
【図8】他の実施例の窒素ガス等のガス置換方法の工程
を示す要部断面図である。
【図9】さらに他の実施例の窒素ガス等のガス置換方法
の工程を示す概略図であり、(A)は蓋体を接着した容
器の平面、(B)は同容器の断面を示す。
【図10】同ガス置換方法の工程を示す概略図であり、
(A)はノズルを挿入した容器の平面、(B)は同容器
の断面を示す。
【図11】同ガス置換方法の工程を示す概略図であり、
(A)はノズルを抜き出した容器の平面、(B)は同容
器の断面を示す。
【図12】同ガス置換方法の工程を示す概略図であり、
(A)は置換完了時の容器の平面、(B)は同容器の断
面を示す。
【図13】同ガス置換方法を実施する装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 容器本体 2 蓋体 3 ノズル挿入口 104 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 馨 大阪府大阪市中央区竜造寺町8番14号 株 式会社昭和丸筒内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体の開口部と、開口部に載置され
    た蓋体との間に挿入されたノズルから、窒素ガス等の置
    換用ガスを容器内に吐出し、これにより、容器内に置換
    用ガスを導入すると共に、容器本体と蓋体との間、容器
    本体、又は蓋体の少なくとも何れかに形成された空気排
    出空間から空気を外部に自然に排出させ、 吐出後、ノズルを抜き出して、蓋体と容器本体との間を
    密閉するようにした窒素ガス等のガス置換方法。
  2. 【請求項2】 容器本体の開口部に蓋体を載置すると共
    に蓋体に形成したノズル挿入口から置換用ガスのノズル
    を挿入し、 ノズルから窒素ガス等の置換用ガスを容器内に吐出し、
    これにより、容器内に置換用ガスを導入すると共に、容
    器本体と蓋体との間、容器本体、又は蓋体の少なくとも
    何れかに形成された空気排出空間から空気を外部に自然
    に排出させ、 吐出後、ノズルを抜き出して、蓋体のノズル挿入口及び
    空気排出空間を封鎖するようにした窒素ガス等のガス置
    換方法。
  3. 【請求項3】 容器本体の開口部に蓋体を載置する蓋体
    の載置手段と、 蓋体の載置手段による載置の前或いは後に、窒素ガス等
    の置換用ガスのノズルを容器本体の上端から内部へ挿入
    するノズル挿入手段と、 この蓋体と容器本体とをノズルの挿入箇所を残して接着
    等により封鎖する第1シール手段と、 ノズルから窒素ガス等の置換用ガスを容器内に吐出する
    ガス吐出手段と、 吐出後に、蓋体と容器本体との間の未封鎖のノズル挿入
    口を封鎖する第2シール手段とを備えた窒素ガス等のガ
    ス置換装置。
  4. 【請求項4】 容器本体の開口部に蓋体を載置する蓋体
    の載置手段と、 この蓋体と容器本体とをノズル挿入口を残して接着等に
    より封鎖する第1シール手段と、 このシール手段による封鎖の後に、ノズル挿入口から窒
    素ガス等の置換用ガスのノズルを挿入するノズル挿入手
    段と、 ノズルから窒素ガス等の置換用ガスを容器内に吐出する
    ガス吐出手段と、 吐出後に、蓋体と容器本体との間の未封鎖のノズル挿入
    口を封鎖する第2シール手段とを備えた窒素ガス等のガ
    ス置換装置。
  5. 【請求項5】 容器本体の開口部に蓋体を載置する蓋体
    の載置手段と、 この蓋体と容器本体との全周を接着等により封鎖するシ
    ール手段と、 容器本体内へ、窒素ガス等の置換用ガスのノズルを挿入
    するノズル挿入手段と、 ノズルから窒素ガス等の置換用ガスを容器内に吐出する
    ガス吐出手段と、 吐出後、蓋体のノズル挿入口を閉鎖用部材にて封鎖する
    挿入口閉鎖手段とを備えた窒素ガス等のガス置換装置。
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