JPH0819192B2 - 撥水撥油剤 - Google Patents

撥水撥油剤

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JPH0819192B2
JPH0819192B2 JP29343188A JP29343188A JPH0819192B2 JP H0819192 B2 JPH0819192 B2 JP H0819192B2 JP 29343188 A JP29343188 A JP 29343188A JP 29343188 A JP29343188 A JP 29343188A JP H0819192 B2 JPH0819192 B2 JP H0819192B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、撥水撥油剤に関し、更に詳しくはパーフル
オロアルキルビニル重合体から成る撥水撥油剤に関す
る。
本発明の目的は、新規なパーフルオロアルキルビニル
の重合体から成る撥水撥油剤を提供することにある。
本発明の前記目的は、(a)一般式: -CHRfCH2- (I) [式中、Rfは炭素数5〜21のパーフルオロアルキル基
を表す。] で示される構成単位(a)および(b)一般式: [式中、YはOR1、OCOR1またはCOOR1で示される基、
Zは水素またはCOOR2(ここで、R1およびR2は、同一ま
たは異なって、炭素数1〜18のアルキル基を表す。)で
示される基、Rは炭素数1〜18のアルキル基を表す。た
だし、YがOR1またはOCOR1である時、Zは水素であ
る。] で示される構成単位(b)を含んで成るパーフルオロア
ルキルビニル重合体から成る撥水撥油剤により達成され
る。
本発明の共重合体は、通常少なくとも5重量%、好ま
しくは20重量%の構成単位(a)と少なくとも5重量
%、好ましくは20重量%の構成単位(b)を含み、かつ
(a)と(b)を合計で少なくとも50重量%、好ましく
は70重量%含むポリビニルである。構成単位(a)は非
粘着性、撥水撥油性等を与え、構成単位(b)は生産
性、溶解性等を与える。構成単位(b)は製造上、上記
の通り含有される。本発明の重合体の分子量は、通常70
0〜50000、好ましくは700〜10000の範囲にある。分子量
が10000より高ければ溶解性が次第に低下する。
Rfの炭素数は、通常5〜21であり、好ましくは8〜16
である。
本発明の重合体は、パーフルオロアルキル基の側鎖を
有するポリビニルもしくは、ビニルオリゴマーであっ
て、種々の固体物質表面への被膜形成用材料として有用
な物質である。また、この被膜はパーフルオロアルキル
側鎖の故に低い表面活性を有し、主鎖および側鎖に極性
をもたないため、他の化合物との親和性が小さい。従っ
て、撥水撥油剤として有用なのである。
本発明の重合体の製造は、一般式: RfCH=CH2 (I′) [式中、Rfは前記と同意義] で示されるビニル化合物と、一般式: [式中、R、YおよびZは前記と同意義。] で示されるアルキルビニルエーテル、有機酸ビニル、マ
レイン酸エステル、アクリル酸エステルまたはメタクリ
ル酸エステルとを重合条件下に反応させて行うことがで
きる。
出発物質であるビニル化合物(I′)は、一般式: RfX [式中、Rfは前記と同意義。Xはハロゲンを表す。] で示されるパーフルオロアルキルハライドをエチレン
(CH2=CH2)に付加し、さらにアルカリにより脱ハロゲ
ン化水素することによって製造することができる。
この製造法では、エチレン付加反応とビニル化反応と
を同一バッチで行うことが可能である点、および両工程
の収率が極めて高い(Xがヨウ素の場合、いずれも95%
以上に達し得る。)点などを考慮すると最適である。Rf
Iとエチレンとを出発原料とする場合について反応式を
示すならば、次の通りである。即ち RfI+CH2=CH2→RfCH2CH2I (I) RfCH2CH2I+KOH →RfCH=CH2+KI+H2O (II) (1)の付加反応は、過酸化物、アゾ化合物、放射
線、光、熱などによるラジカル作用によって、有利に進
行し得る。該反応は、過酸化物やアゾ化合物などのラジ
カル開始剤の存在下で行わせるのが好ましい。反応温度
として、例えば200℃程度の高温度を採用するならば、
ラジカル開始剤を使用しなくても反応は進行するが、高
温ではカップリング反応の如き副反応が増大する。ま
た、紫外線を使用する事によって、室温程度で実施する
ことも可能であるが、反応に長時間を要するため、工業
的には不利である。チジカル開始剤の存在下に、付加反
応を行わせる場合には、反応温度は50〜150℃が適当で
あり、特に80〜110℃が好ましい。CH2=CH2のRfIに対す
る仕込みモル比は1〜10、好ましくは2〜5が採用され
る。ラジカル開始剤としては、t−ブチルパーオキシプ
ロピルカーボネートの如き過酸化物が特に良好な結果を
与える。
また(II)のビニル化反応は、RfCH2CH2Xを水酸化ア
ルカリによる脱HXによって有利に進行し得る。例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの如きアルカリによ
る処理によって、良好な収率を達成し得る。脱HX反応を
行わせる場合には、反応温度20〜110℃が適当であり、
特に50〜80℃が好ましい。
以上の様にして、パーフルオロアルキルビニル単量体
(I′)が得られる。ビニル単量体(I′)代表的な例
を示せば、次の通りである。
n-C5F11CH=CH2 n-C6F13CH=CH2 n-C7F15CH=CH2 n-C8F17CH=CH2 n-C9F19CH=CH2 C12F25CH=CH2 C13F27CH=CH2 なお、出発物質としてパーフルオロアルキル基の炭素
数の異なる2種以上のビニルの混合物を使用することも
できる。
(I′)で示されるビニル化合物と共重合しうる化合
物には、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレー
ト、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、脂肪酸の
ビニルエステル、スチレン、アルキル置換スチレン、ハ
ロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、脂肪酸のアリ
ルエステル、ビニルアルキルケトン、ビニルアルキルエ
ーテル、共役1,3−ジエンがある。例示するとメチルア
クリレート、メチルメタクリレート、プロピルアクリレ
ート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、
ブチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、イソ
アミルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレ
ート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、オクチル
アクリレート、オクチルメタクリレート、オクタデシル
アクリレート、オクタデシルメタクリレート、ラウリル
アクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルアクリ
レート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、ビニルアセテート、ビ
ニルプロピオネート、ビニルカプリレート、ビニルラウ
レート、ビニルステアリン酸、スチレン、α−メチルス
チレン、β−メチルスチレン、フッ化ビニル、塩化ビニ
ル、シュウ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデ
ン、アリルヘプタノエート、アリルアセテート、アリル
カプリレート、アリルカプロエート、ビニルメチルケト
ン、ビニルエチルケトン、1,3−ブタジエン、2−クロ
ロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエ
ン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,
3−ブタジエン、イソプレン、ビニルメチルエーテル、
ビニルブチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
デシルエーテル、ビニルステアリルエーテルなどであ
る。
これらのうちで特に好ましいアルキルビニルエーテ
ル、有機酸ビニル、マレイン酸エステル、アクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステル(II′)は、 R1OCH=CH2 の時、アルキルビニルエーテルであり、具体的にはメチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシル
ビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、クロロメ
チルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテ
ル、クロロプロピルビニルエーテル、などが例示でき
る。
としては、酢酸ビニル、カプリル酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、ブチル酸ビニル、カプロン酸ビニル、クロロ
酢酸ビニル、などが例示できる。
としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、
マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−2−エチル
ヘキシル、マレイン酸ジノニルなどが例示できる。
また、 の時、ステアリルアクリレート、オクタデシルアクリレ
ートなどが例示できる。
また、CH2=C(CH3)COORの時、ステアリルメタクリ
レート、オクタデシルメタクリレートなどが例示でき
る。
本発明における前記ビニル化合物(I′)と化合物
(II′)の少なくとも1種および必要に応じてその他の
化合物との重合は、これら単量体を開始剤の存在下に反
応させて行うことができる。本発明共重合体の製造で
は、必要に応じて(I′)で示されるビニル化合物と共
重合しうる化合物のうち(II′)以外のものを第3単量
体として加えることができる。
重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイル、t−ブチルパーベンゾエート、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルヒドロ過酸化物、3−カルボキシプロピ
オニル過酸化物、過酸化アセチル、アゾビスイソブチル
アミジン・2塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、過
酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等が使用できる。なお、重合反応開始をγ−線の如き電
離性放射線の照射によって行わせる事も可能である。
本発明の重合体を得るためには、種々の重合方式や条
件が任意に選択でき、塊状重合、溶液重合、懸濁重合。
乳化重合、放射線重合、光重合など各種の重合方式のい
ずれをも採用できる。
重合温度は特に限定されるものではなく、各単量体の
反応性に応じて適当な温度を選択すればよい。通常60〜
130℃が採用される。
本発明の重合体は、前記の構成単位を主鎖に持つ構造
を有し、白い外観を有する熱可塑性重合体である。ガラ
ス転移点は、使用する単量体の種類および割合によって
異なるが、通常−90〜100℃、多くは0〜60℃の範囲に
ある。
本発明の共重合体は、アセトン、酢酸エチル、クロロ
ホルム、トリクロロトリフルオロエタン、ヘキサン、ト
ルエンなどの溶媒に可溶である。共重合体の溶解性は主
として単量体の種類および割合によって定まる。
本発明の重合体の大きな特徴は、これら溶液または水
性乳濁液を固体物質に塗布することによって、その表面
に撥水撥油性や非粘着性を付与することができることで
ある。また、この溶液または水性乳濁液から自立性キャ
ストフィルムを調製することも可能である。このフィル
ムは、同様に特異な撥水撥油性を有している。さらに、
各種の溶媒およびエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂など
の液状樹脂に対して、それらの表面張力を低下させる能
力があって、塗料のレベリング剤に用いることができ
る。
本発明の重合体はそのままの形で、または有機溶剤溶
液あるいは水性乳濁液の形で各種の用途に利用できる
が、パーフルオロアルキル基を側鎖として有するため、
その低い表面エネルギーを利用して特に撥水撥油剤およ
び非粘着剤として有用である。
撥水撥油剤とは対象とする固体物品表面の臨界表面張
力を低下させて水性および油性の物質を撥く性質を付与
するもので、水性物質には水やアルコールの如き水溶性
物質またはその水溶液、油性物質としては灯油、重油、
ガソリン、流動パラフィン、ピツチ、アスファルト、綿
実油、菜種油、鯨油等の動植鉱物油脂類が包含される。
このような撥水撥油剤は、たとえば対象物品が繊維や織
物の場合、インキ、ソース等の水性汚れや天プラ油、鉱
油等の油性汚れを撥くことにより、それらの汚染物質よ
り繊維や織物が汚染されるのを保護することができる作
用を有する。また、この撥水撥油剤を用いて紙やシート
を処理することにより、アスファルトや油類を浸透させ
ないための包装などとして用いることができる。
本発明の重合体を撥水撥油剤として実用に供するため
には、重合体をアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エ
チル、ジメチルホルムアミド、メチルクロロホルム、ト
リクロロエチレン、トリクロロトリフルオロエタン、テ
トラジフルオロエタン、ヘキサン、トルエンなどの有機
溶剤の1種または2種以上の混合物中に溶解させるか、
溶媒中で重合させた重合体を前記のような溶剤で稀釈す
ることにより製剤する。このような溶剤溶液にジクロロ
ジフルオロメタン、モノフルオロトリクロロメタン、ジ
メチルエーテルなどの噴射剤を添加して適当な容器に充
填すればエアゾール型のものも調製可能である。また、
本発明の重合体を各種の添加剤と共に適当な界面活性剤
を用いて水性媒体中に乳化分散させることにより、水性
乳濁液としても調製されうる。乳化分散に用いられる界
面活性剤としては陰イオン型、非イオン型、陽イオン型
のいずれも採用可能で、特に限定されることはない。ま
た、場合によっては本発明の重合体をそのままの形で対
象物品に塗布する等の方法により使用することもでき
る。
撥水撥油剤として使用する場合、本発明共重合体の構
成単位の組成について特に限定はなく、種々の種類のも
のが利用できるが、前記(a)単位は性能上少なくとも
5重量%、好ましくは20重量%含有される。
本発明の重合体を有効成分とする撥水撥油剤で処理可
能な物品としては特に限定なく、種々の例を挙げること
ができる。たとえば、繊維織物、紙などに特に有用であ
る他、木、皮革、毛皮、フエルト、石綿、レンガなどの
多孔性物品や、金属、タイル、プラスチック、各種塗装
面などのように平滑性表面を有する物品が挙げられる。
繊維織物としては、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天
然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアセタ
ール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプ
ロピレンの如き種々の合成繊維、レーヨン、アセテート
の如き半合成繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維の如き
無機繊維、あるいはこれらの混合繊維の織物が挙げられ
る。
撥水撥油剤中の重合体濃度について特に限定はない
が、通常は0.01〜30重量%程度、特に好ましくは0.1〜
2.0重量%程度が採用される。余りに低濃度の溶液では
撥水撥油性能の付与が不十分であり、また、余りに高濃
度では経済的に不利である。
本発明の重合体を有効成分とする撥水撥油剤の適用方
法は、被処理物の種類や使用目的、撥水撥油剤および非
粘着剤の調製形態などに応じて、もっとも適切なものを
選択すればよい。水性乳濁液や溶剤溶液型の場合、噴
霧、浸漬、塗布などの既知の方法で被処理物の表面に付
着させ乾燥させればよく、必要ならばキュアリングを行
う。また、エアゾール型の場合は被処理物に噴射吹き付
けして乾燥させるだけでもよい。
さらに、本発明の撥水撥油剤には、必要に応じて、帯
電防止剤、難燃剤、防シワ剤、サイズ剤などや、他の重
合体ブレンダーとしてアクリル樹脂、酢ビ樹脂などの被
膜形成樹脂や酸化珪素、ポリテトラフルオロエチレンな
どの微粉末を添加してもよい。
次に本発明を実施例により説明する。なお、実施例
中、「部」および「%」は特に断わらない限り「重量
部」および「重量%」である。
なお、実施例中に示される撥水撥油性は、次の尺度で
示される。すなわち、撥水性はJIS L-1005のスプレー法
による撥水性No.(下記第1表参照)をもって表わし、
撥油性はn−ヘプタンとヌジョールの各混合比の組成物
(下記第2表参照)を被試験物に滴下して、その液滴を
3分間以上保持するか否かをもって撥油性No.として表
す。
実施例1 (A)CF3CF2(CF2CF23CH2CH2I(以下、〔I〕と表示
する。)260gおよびメタノール95gを、還流冷却器およ
び撹拌装置を取り付けた1000mlフラスコ中に仕込み、撹
拌した。フラスコの内温を65℃にし、メタノールをフラ
ックスし、あらかじめメタノール150g中にKOH33g溶かし
た溶液を滴下ロートから20分間で滴下し、さらに4時間
反応させた。なお、ガスクロマトブラフ一分析によれ
ば、〔I〕からCF3-CF2(CF2CF23CH=CH2(以下、〔I
I〕と表示する。)への転化率は100%であった。
反応終了後、撹拌を停止して2相分離した後、上層部
のメタノールを回収した。その後、純水400gをフラスコ
に仕込み、水洗し、分液ロートによりKIを溶解した水を
回収した。このようにして透明な液体である〔II〕195g
を得た。回収率97.5%。
(B)次に単量体〔II〕100gを、還流冷却器および撹拌
装置を取り付けた4lフラスコに窒素雰囲気下で仕込み、
撹拌した。フラスコ内温度を110℃一定にしてからt−
ブチルパーオキシプロピルカーボネート5mlを仕込み、1
10℃で10時間反応させた。ガスクロマトグラフ一分析に
よれば、転化率は〔II〕99.7%であった。
この内容物をメタノール中に投ずると白い沈殿物が生
成した。得られた沈殿物をトリクロロトリフルオロエタ
ンに溶解し、メタノール中に投じて再沈殿した。このよ
うにして精製することにより、白い固体の生成物76.2g
を得た。収率76.2%。ガラス転移点(Tg)21.6℃ 1H‐NMRスペクトル分析により下記構造式に対応する
シグナルを解析したところ、※Aのプロトン(5.7〜6.1
ppm)が消失し、※Bのプロトン(1.4〜3.0)が生成し
て、重合体であることが確認された。
また、液体クロマトグラフィ分析により数平均分子量
を測定したところ、2700となり、x=約6.0であった。
元素分析値、実験値:C,27.1%;F,71.2%;H,1.0%、計
算値:C,26.9%;F,72.4%;H,0.7%。
実施例2 (A)CF3CF2(CF2CF2)mCH2CH2I混合物(m=3,61.17
モル%;m=4,24.90モル%;m=5,9.24モル%;m=6,3.24
モル%;m=7,1.09モル%;m=8,0.37モル%)(以下、
〔III〕と表示する。)1.25kgを、還流冷却器および撹
拌装置を取り付けた3lフラスコに仕込み、フラスコ内温
度を65℃一定にしてから撹拌した。
あらかじめメタノール625g中にKOH140gを溶かした溶
液を滴下ロートから20分間で滴下し、6時間反応させ
た。なお、ガスクロマトグラフィ分析によれば、〔II
I〕の転化率100%であった。
反応終了後、撹拌を停止して2相分離した後、下層部
の透明液体964gを回収した。その液体を1フラスコに
仕込み、フラスコ内温度150℃、トップ温度100℃、真空
度200mmHgから5mmHgにして単蒸留を行った。このように
して透明な液体であるCF3CF2(CF2CF2)nCH=CH2混合物
(n=3,61.94モル%;n=4,27.89モル%;n=5,8.89モル
%;n=6,1.20モル%;n=7,0.08モル%)(以下、〔IV〕
と表示する。)892gを得た。収率89.2%。
(B)次に、単量体〔IV〕100gおよび酢酸ビニル17.4g
を、還流冷却器および撹拌装置を取り付けた200mlフラ
スコに窒素雰囲気下で仕込み、撹拌した。フラスコ内温
度を110℃一定にしてからt−ブチルパーオキシプロピ
ルカーボネートを7ml仕込み、110℃で2時間反応させ
た。ガスクロマトグラフィ分析によれば、転化率は〔I
V〕および酢酸ビニルのいずれも100%であった。
その後、70℃に加熱し、溶媒を除去して粘性液体であ
る内容物を取り出した。室温まで放置、冷却して透明な
グリス状物質114.8gを得た。収率97.8%。ガラス転移点
(Tg)12.5℃。
1H‐NMRスペクトル分析により下記構造式に対応する
シグナルを解析した。その結果、※Aのプロトン(2.06
ppm)1個当たりのシグナル強度と※Bのプロトン(5.1
5ppm)1個当たりのシグナル強度から計算して求める
と、x=1、y=2.06の二元共重合体であることが確認
された。
また、液体クロマトグラフィ分析により数平均分子量
を測定したところ、Mn=2150であり、z=約3.2であっ
た。
元素分析値、実験値:C,34.8%;H,2.6%;F,52.9%、計
算値:C,34.1%;H,2.3%;F,54.0%。
実施例3〜13 実施例1または2と同様の手順に従い、第3表に示す
ように単量体の種類および仕込比ならびに重合条件を変
更して重合を行った。
結果を第3表に示す。
次に、本発明の重合体の応用例を示す。
1.繊維用撥水撥油剤 実施例4〜14において調製された重合体の各々をアセ
トン20wt%,トリクロロトリフルオロエタン80wt%の溶
剤に固形分濃度1%となるように溶解させた。この溶液
にポリエステルアムンゼン繊物を浸漬し、マングルで液
の付着率100%に絞り、100℃で3分乾燥させた。この処
理物について、撥水性および撥油性を測定した。結果を
第4表に示す。
2.接触角 各基板に1%上記溶液を塗布し、水またはn−ヘキサ
デカンの接触角を測定した。結果を第5表に示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/256 (72)発明者 遠上 尚徳 大阪府吹田市垂水町1―32―4 (72)発明者 林 和則 大阪府摂津市一津屋2―21―21 (56)参考文献 特開 昭61−281112(JP,A) 特公 平1−26601(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式: -CHRfCH2- (I) [式中、Rfは炭素数5〜21のパーフルオロアルキル基を
    表す。] で示される構成単位(a)5〜95重量%および (b)一般式: [式中、YはOR1、OCOR1またはCOOR1で示される基、Z
    は水素またはCOOR2(ここで、R1およびR2は、同一また
    は異なって、炭素数1〜18のアルキル基を表す。)で示
    される基、Rは炭素数1〜18のアルキル基を表す。ただ
    し、YがOR1またはOCOR1である時、Zは水素である。] で示される構成単位(b)95〜5重量%を含んで成る、
    分子量700〜50000のパーフルオロアルキルビニル共重合
    体から成る撥水撥油剤。
JP29343188A 1984-11-22 1988-11-18 撥水撥油剤 Expired - Lifetime JPH0819192B2 (ja)

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JPH01158092A (ja) 1989-06-21

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