JPH08191661A - 生鮮山芋の保存方法及び生鮮山芋冷凍品の製造方法 - Google Patents

生鮮山芋の保存方法及び生鮮山芋冷凍品の製造方法

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JPH08191661A
JPH08191661A JP2113695A JP2113695A JPH08191661A JP H08191661 A JPH08191661 A JP H08191661A JP 2113695 A JP2113695 A JP 2113695A JP 2113695 A JP2113695 A JP 2113695A JP H08191661 A JPH08191661 A JP H08191661A
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Yasushi Kato
康 加藤
Keisuke Kato
啓介 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 褐変の防止を目的とした生鮮山芋の保存方法
及び生鮮山芋冷凍品の製造方法を提供する。 【構成】 表面から深さ2〜8mmまでの表皮を含む表
面部を切削除去して得た生鮮山芋の表面部切削品を、0
℃より低い温度に保持することを特徴とする生鮮山芋の
保存方法。表面から深さ2〜8mmまでの表皮を含む表
面部を切削除去して得られた生鮮山芋の表面部切削品を
冷凍することを特徴とする山芋冷凍品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生鮮山芋の保存方法及
び生鮮山芋冷凍品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、山芋の多くは、生鮮物の形態で食
されている。山芋を生鮮物の形態に流通させたり、保存
する場合に直面する問題の1つは、褐変の問題であり、
生鮮山芋の商品価値はこの褐変により著しく低下する。
この生鮮山芋は、その表皮を剥くと、褐変を生じやすく
なるため、表皮を剥かない状態で流通させたり、低温保
存するのが一般的である。しかし、表皮を剥かない状態
の生鮮山芋であっても、その流通や低温保存を行ってい
るうちに、褐変を生じてしまう場合がある。そして、こ
のような褐変は、外観からは判別することができず、皮
を剥いて初めて知ることができるものである。従って、
生鮮山芋に関しては、この褐変が取引上の大きなトラブ
ルの原因となる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、褐変の防止
を目的とした生鮮山芋の保存方法及び生鮮山芋冷凍品の
製造方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、表面から深さ2〜8
mmまでの表皮を含む表面部を切削除去して得た生鮮山
芋の表面部切削品を、0℃より低い温度に保持すること
を特徴とする生鮮山芋の保存方法が提供される。また、
本発明によれば、表面から深さ2〜8mmまでの表皮を
含む表面部を切削除去して得られた生鮮山芋の表面部切
削品を冷凍することを特徴とする山芋冷凍品の製造方法
が提供される。
【0005】本明細書で言う山芋には、つくねいも、や
まといも(いちょういも)、ながいも等のヤマノイモ科
に属する芋類が包含される。
【0006】本発明により生鮮山芋冷凍物を製造するに
は、先ず、生鮮山芋(以下、単に山芋とも言う)の表皮
を含む表面部を切削除去する。この場合、切削除去する
表面部は、表面から深さ2〜8mmまでの部分、好まし
くは表面から深さ3〜5mmmまでの部分である。換言
すれば、切削片の厚さが2〜8mm、好ましくは3〜5
mmとなるように表面部を切削除去する。本発明者らの
研究によれば、山芋の褐変を生じさせる物質(褐変原因
物質)は、表面部に偏在し、この表面部を切削除去し
て、表面部に偏在する褐変原因物質をあらかじめ除去し
た後、冷凍するときには、生鮮山芋の褐変を効果的に防
止し得ることが見出された。
【0007】次に、前記のようにして得られた山芋の表
面部切削品は、これを冷凍する。冷凍方法としては従来
公知の方法を採用することができる。このような冷凍方
法としては、例えば、冷凍庫に入れて冷凍する方法の
他、液体窒素や液化炭酸を表面にスプレーさせる方法、
凝固点が0℃より低い温度に調整された水溶液を0℃よ
り低い温度に冷却し、この冷却水溶液に浸漬する方法等
を挙げることができる。本発明の場合には、山芋の表面
部切削品は、0.3〜10時間、好ましくは0.3〜2
時間で全体を凍結させるのが好ましい。冷凍温度は、0
℃より低い温度であるが、好ましくは−5〜−30℃、
より好ましくは−15〜−30℃である。
【0008】本発明において山芋の表面部切削品を冷凍
する場合、その冷凍に先立ち、その山芋の表面部切削品
の表面には、あらかじめ有機カルボン酸及び/又はその
水溶性塩を付着させるのが好ましい。この有機カルボン
酸及び/又はその水溶性塩の付着により、山芋の褐変を
より効果的に防止することができる。有機カルボン酸と
しては、水溶性のものであれば任意のものを用いること
ができるが、不快臭を生じないものの使用が好ましい。
好ましい有機カルボン酸としては、アスコルビン酸、エ
リソルビン酸、エデト酸(EDTA)等の他、クエン
酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸、乳酸、サリチル
酸、オキシ安息香酸、没食子酸等のオキシカルボン酸を
挙げることができる。また、有機カルボン酸塩として
は、水溶性塩であれば任意のものを用いることができ
る。このような塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩
等のアルカリ金属塩や、カルシウム塩やマグネシウム塩
等のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
【0009】山芋の表面部切削品表面に対する有機カル
ボン酸及び/又はその水溶性塩を付着させるには、その
山芋の表面部切削品の表面に、有機カルボン酸及び/又
はその水溶性液を含む水溶液(以下、単に水溶液とも言
う)をスプレーする方法や、山芋の表面部切削品を水溶
液中に浸漬させる方法等を採用することができる。水溶
液中の有機カルボン酸及び/又はその水溶性塩の濃度
は、300〜10,000wtppm、好ましくは50
0〜3,000wtppm、より好ましくは1000
〜,2000wtppmである。水溶液の温度は、通
常、常温であるが、常温より低い又は高い温度であるこ
とができ、好ましくは10℃以下、より好ましくは0〜
5℃である。山芋の表面部切削品表面に付着させる有機
カルボン酸及び/又はその水溶性塩の付着量は、山芋表
面部切削品表面100cm2当り、0.4〜20mg、
好ましくは0.6〜5mgであり、これより少ないと褐
変防止効果が不十分になり、これより多くなっても褐変
防止効果は格別向上せず、逆にその有機カルボン酸及び
/又はその水溶性塩により山芋の食味が損なわれる場合
が生じる。また、前記水溶液には、増粘剤として、水溶
性高分子物質を添加溶解させるのが好ましい。この場合
の水溶性高分子物質としては、従来公知のものが用いら
れる。このような水溶性高分子物質としては、例えば、
でんぷん、でんぷんグリコール酸ナトリウム、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセエルロース、
アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコー
ルエステル、カゼイン、グルテン、キトサン、ポリアク
リル酸ナトリウム等各種のものを挙げることができる。
このような水溶性高分子物質の水溶液中濃度は特に制約
されないが、一般的には、5,000〜30,000w
wtppm、好ましくは10,000〜20,000w
tppmの濃度である。山芋の表面部切削品表面に、有
機カルボン酸及び/又はその水溶性塩とともに水溶性高
分子物質を含む水溶液を付着させるときには、その水溶
性高分子物質の増粘効果により、山芋の表面部切削品表
面に対する水溶液の付着が容易になるとともに、山芋の
表面部切削品の表面にはその水溶性高分子物質が被膜状
で存在し、空気との接触を遮断することから、山芋の表
面部切削品の褐変防止効果が向上する。さらに、前記水
溶液には、次亜塩素酸ナトリウム等の殺菌剤を適量添加
することもできる。
【0010】山芋の表面部切削品を冷凍する場合、この
ものは、これをプラスチック袋に入れて密封包装し、こ
の包装状態のまま冷凍することもできる。この場合の密
封包装は、真空包装であることができるし、脱酸素剤を
同封した脱酸素包装であることもできる。このような真
空包装や脱酸素包装においては、山芋の表面部切削品の
酸化を防止することができ、山芋の鮮度を高度に保持す
ることができるとともに、その褐変を効果的に防止する
こともできる。
【0011】また、山芋の表面部切削品を冷凍する場
合、このものは、これを0℃より低い温度に冷却された
前記水溶液中に直接浸漬することにより、冷凍すること
ができる。この場合、水溶液の凝固点は、食品等の電解
質や糖等を添加することにより、0℃より低い温度に調
整される。また、この冷凍により得られる冷凍品は、水
溶液から取り出し、前記水溶液より低い温度の冷凍庫に
入れ、表面に付着する水溶液を凍結させる。
【0012】
【発明の効果】山芋を前記のようにして冷凍し、この冷
凍状態で保存及び流通することにより、その褐変を長期
間、たとえば、6ヵ月以上にわたって防止することがで
きるとともに、その鮮度の劣化を効果的に防止すること
ができる。本発明の山芋冷凍品は、必要に応じて解凍さ
れ、すりつぶしや切断等の加工処理を施して食される。
また、解凍し、乾燥した後、粉砕することにより、白色
粉体とすることもできる。
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 褐変を生じていない中国産の生鮮山芋(長いも)を切断
して、長さ5cmの切断片を4個作り、そのうちの3個
をそれぞれ、切断片の厚さが約1mm、2mm及び4m
mとなるように表面部を切削除去した。このようにして
得られた3個の山芋の表面部切削品と、表面部を切削除
去していない表皮を有する山芋のそれぞれを、プラスチ
ックトレーに入れて、−25℃の冷凍庫に入れて急速冷
凍し、そのまま冷凍保存した。次に、このようにして冷
凍保存された山芋冷凍品を、冷凍後、3日目に冷凍庫か
ら取出し、水洗により解凍し、その表面部の状態を調べ
た。その結果を以下に示す。 (1)試料〔I〕(表面部を切削除去していないもの) このものを長さ方向に対して垂直に切断してその切断面
を観察すると、表面付近の部分は茶褐色に強く褐変して
いることが観察された。 (2)試料〔II〕(厚さ1mmの切削片が得られるよう
に表面部を切削除去したもの) このものは、表面が褐変していたが、その褐変の程度は
試料〔I〕よりも低いものであった。 (3)試料〔III〕(厚さ2mmの切削片が得られるよ
うに表面部を切削除去したもの) このものの表面部の褐変の程度は、前記試料〔II〕の場
合よりも低いものであった。 (4)試料〔IV〕(厚さ4mmの切削片が得られるよう
に表面部を切削除去したもの) このものには、表面部の褐変は殆ど見られなかった。
【0014】実施例2 実施例1に示した褐変を生じていない中国産の生鮮山芋
を切断して、長さ5cmの切断片を4個作り、それぞれ
を切削片の厚さが約3mmとなるように表面部を切削除
去した。このようにして得られた4個の山芋の表面部切
削品を、それぞれ、水、水溶液A、水溶液B及び水溶液
Cに10分間浸漬した後、プラスチックトレーに入れ、
−25℃の冷凍庫に入れて急速冷凍し、そのまま冷凍保
存した。なお、前記水溶液A、B、Cは、L−アスコル
ビン酸をそれぞれ300wtppm、1000wtpp
m及び3000wtppm含むものである。前記のよう
にして山芋を冷凍後30日目に冷凍庫から取出し、水洗
解凍した後、その表面の状態を調べた。その結果を以下
に示す。 (1)試料〔w〕(山芋の表面部切削品を水中に浸漬し
たもの) このものの表面には弱い褐変が生じていた。 (2)試料〔A〕(山芋の表面部切削品を水溶液Aに浸
漬したもの) このものの表面にはわずかな褐変が見られたが、その褐
変状態は試料〔W〕よりも明らかに弱いものであった。 (3)試料〔B〕(山芋の表面部切削品を水溶液Bに浸
漬したもの) このものの表面には褐変状態は殆んど見られなかった。 (4)試料〔C〕(山芋の表面部切削品を水溶液Cに浸
漬したもの) このものの表面には褐変状態は殆んど見られなかった。
【0015】実施例3 実施例1に示した褐変を生じていない中国産の生鮮山芋
を切断し、長さ5cmの切断片を4個作った。これらの
切断片を、切削片の厚さが約3mmになるように切削除
去した後、得られた山芋の表面部切削品を、それぞれ、
クエン酸を2000wtppm含む水溶液D、エデト酸
2000wtppmを含む水溶液E、L−アスコルビン
酸2000wtppmとカルボキシメチルセルロース1
0000wtppm含む水溶液Fに10分間浸漬した
後、実施例1と同様にして冷凍し、冷凍保存し、冷凍後
30日目に冷凍庫から取出し、水洗解凍し、その表面状
態を調べた。その結果、各製品の表面には褐変状態は殆
んど見られなかった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面から深さ2〜8mmまでの表皮を含
    む表面部を切削除去して得た生鮮山芋の表面部切削品
    を、0℃より低い温度に保持することを特徴とする生鮮
    山芋の保存方法。
  2. 【請求項2】 生鮮山芋の表面部切削品の表面に有機カ
    ルボン酸及び/又はその水溶性塩が付着されている請求
    項1の方法。
  3. 【請求項3】 生鮮山芋の表面部切削品の表面に水溶性
    高分子物質が付着されている請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 表面から深さ2〜8mmまでの表皮を含
    む表面部を切削除去して得られた生鮮山芋の表面部切削
    品を冷凍することを特徴とする山芋冷凍品の製造方法。
  5. 【請求項5】 生鮮山芋の表面部切削品の表面に有機カ
    ルボン酸及び/又はその水溶性塩を含む水溶液を付着さ
    せた後、冷凍する請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 水溶液が水溶性高分子物質を含有する請
    求項5の方法。
  7. 【請求項7】 凝固点が0℃より低い温度に調節された
    水溶液を0℃より低い温度に冷却し、この冷却水溶液中
    に生鮮山芋を浸漬して冷凍する請求項4の冷凍方法。
  8. 【請求項8】 水溶液が有機カルボン酸及び/又はその
    水溶性塩を含む請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 水溶液が水溶性高分子物質を含む請求項
    8の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8194087B2 (en) 2001-05-15 2012-06-05 Rambus Inc. Scalable unified memory architecture
US9053778B2 (en) 2001-04-24 2015-06-09 Rambus Inc. Memory controller that enforces strobe-to-strobe timing offset
CN109619171A (zh) * 2018-12-11 2019-04-16 天津科技大学 一种鲜切山药的保鲜液及其制备方法和保鲜方法

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US10236051B2 (en) 2001-04-24 2019-03-19 Rambus Inc. Memory controller
US10706910B2 (en) 2001-04-24 2020-07-07 Rambus Inc. Memory controller
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