JPH081901Y2 - ファイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は書類整理等に用いられるファイルに関する。

従来の技術 戸籍等の書類を整理し補間する際には、書類の傷みを
防止するため、合成樹脂透明板等からなるファイルに書
類を挟み、バインダーや整理用のキャビネット等にこれ
らのファイルを一括して大量に保管することが行われて
いる。

このようなファイルにおいては、書類の検索作業を容
易とするため、ファイルの一側に筒状の見出片を突出し
て形設し、この中に整理番号等を記録した紙片を入れる
ようにしたものがあるが、従来のものでは、単にファイ
ルの一側に重合して見出片を接着していたに過ぎず、こ
の部分がファイルの他部分に比べて厚くなるため、ファ
イルの保管に過剰なスペースが必要となり、また、ファ
イルを大量に重ね合わせた場合にはファイル各部の厚み
の累積的に増大し、ファイル自体に反りが生じて座りが
悪くなる等という不都合があった。

また、透明材料を二つ折りにして両側を接着し、表板
を裏板より低くし、裏板の突出部端縁に見出片の挿入部
を設けた戸籍簿のカバーが実開昭48-13116号として、見
出部を上部に突出した主板と、前記主板と重合時前記見
出部を露出させる見出し露出部を欠切した主板とを延展
折曲自在に連設した書類ホルダーが実開昭50-76924号と
してそれぞれ提案されている。

しかし、これらのものは、内部に収納したままの書類
に新たに書き込みをすることができず、２種類の書類を
区分して収納するための区画された２個のスペースを備
えていないものである。

さらに、２つ折りにして重合展開自在にした透明な可
撓性シートの片側に突出片を一体に連設し、２つ折りに
した可撓性シートの内面に中央に透孔を有する仕切板を
介在し、この仕切板の隣接する２辺に平行して形成され
た長孔を通して可撓性シートを融着し、上記突出片の部
分では、この突出片を折り曲げて該長孔部で重合融着
し、可撓性シートの開放する縁に位置する仕切板の縁に
切欠部を形成すると共に、２枚の可撓性シートの何れか
１枚の開放する縁に仕切板の切欠部と一部が重なる切欠
部を形成したファイルが実開平2-8981号として提案され
ている。

このものは、仕切板によって区分された２個の収納ス
ペースを有していますが、中仕切りが不透明なので、メ
モ類のような透孔に達しない小さい書類を収納した場合
は収納されていることを中仕切りの側から確認しにく
く、先の従来例のものと同様にファイル内部の書類に外
部から書き込みをすることができないものである。

考案が解決しようとする課題 本考案の目的は、前記従来の欠点を解消し、書類の検
索作業を容易に行え、しかも、最小の保管スペースに安
定よく整理することができ、内部に書類を収納したまま
で新たに書き込みを行うことが可能で、２個のスペース
に書類を区分して収納することができ、しかも内部の書
類を表裏両面から確認することができるファイルを提供
することにある。

課題を解決するための手段 本考案のファイルは、合成樹脂透明板より成る略同形
の表板と中板を重合し、該中板の一側に筒状の見出片を
突出して形成すると共に、表板の一側に前記見出片の形
成位置に対応して欠切部を形成し、前記表板に書込み孔
を穿設し、前記中板の前記表板と反対面に合成樹脂透明
板より成る板板を重合し、少なくともこれら表板及び裏
板の隣接する２側縁を閉止する。

実施例 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

第１図は一実施例のファイルを示す正面図、第２図は
同実施例のファイルを示す裏面図であり、該ファイル１
は、書込み孔２を有する表板３、一側に筒状の見出片４
を突出して形成した表板３と略同大の中板５、および表
板３の約半分の大きさの裏板６から成る。

表板3,中板5,裏板６は、第３図に示されるように、合
成樹脂透明板によって一体的に形成され、中板５の両側
縁下部にはヒートシール用切欠部7,8が設けられ、表板
３の上縁には中板５における見出片形設位置９に対応し
て欠切部10が設けられている。

見出片４は、第４図に示されるように、合成樹脂透明
板からなる板状体であり、折返し線11に沿って略二直角
屈曲された後、中板５における見出片形設位置９の表裏
を跨ぐようにして該中板５の上縁に筒状に融着もしくは
接着される。

中板５は第３図に示されるように表板３との連結部の
側部の折返し線12に沿って略二直角山折り状に屈曲され
て表板３に重合する一方、裏板６は表板３との連結部の
前記折返し線12に隣接する折返し線13に沿って略二直角
山折り状に屈曲されて前記中板５に重合される。そし
て、表板３と裏板６とが中板５のヒートシール用欠切部
7,8を挟んで表板３の両側縁下部の融着部14a,14bおよび
裏板６の両側縁全長の融着部15a,15bで融着されること
により、第１図に示されるように、ファイル１の右側縁
および底縁ならびに左側縁下部が閉止され、中板５が表
板３および裏板６に対して固定され、表板３と中板５お
よび中板５と裏板６とにより各々袋状の書類挿入部16,1
7が形成される。また、ファイル１の左側縁にはその全
長に亘り、バインダー等に対応する綴じ孔18が適宜間隔
毎に穿設されている。

第５図は上述のように形成されたファイル１を第１図
の矢視Ａ−Ａに沿って示す断面図であり、中板５の上縁
に筒状に装着された見出片４の厚さが表板3,中板5,裏板
６によって形成されるファイル１全体の厚さに比べて厚
くなることがないので、ファイルの保管スペースを最小
とすることができ、しかもファイル各部の厚さが一定と
なるので、大量に重ね合わせて保管するような場合でも
ファイルに反りが生じることがない。

本実施例においては裏板６が中板５の見出片形設位置
９に干渉することがないので、裏板６に欠切部を設ける
必要はないが、裏板６を中板５の寸法と略同一とする際
には、表板３と同様、中板５における見出片形設位置９
に対応する欠切部を設けるようにする。

また、第６図に示されるように、見出片４を中板５の
上縁に一体的に延設して折返し線11に沿って折返し、そ
の端部を中板５の上縁に融着することもできる。

考案の効果 本考案のファイルによれば、見出片を用いて書類の検
索作業を容易に行うことができ、しかも、見出片を設け
ることによってファイルが厚くなることがないので、フ
ァイルの保管スペースは最小のものでよく、ファイル各
部の厚みも一定となるためファイルに反り等を生じるこ
となく、大量のファイルを安定して保管することができ
る。

また、表板に形成された書込み孔を介してファイル内
部に収納したままの書類に新たに書き込みを行うことが
できる。

さらに、表板，中板及び裏板を重合したので、表板と
中板との間に書類を収納する外に、中板と裏板との間に
も他の書類を区分して収納することが可能である。

また、表板，中板及び裏板はすべて透明板を素材とす
るため、中板と裏板の間及び中板と表板の間に収納され
た書類を、一方の書類を抜いた時に中板の側からも書類
の大きさに拘らず、確認することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるファイルを示す正面
図、第２図は同実施例のファイルの裏面図、第３図は同
実施例のファイルの展開図、第４図は同ファイルの見出
片を示す平面図、第５図は第１図の矢視Ａ−Ａを示す断
面図、第６図は別の実施例の要部を示す展開図である。 １……ファイル、２……書込み孔、３……表板、４……
見出片、５……中板、６……裏板、7,8……ヒートシー
ル用欠切部、９……見出片形設位置、10……欠切部、1
1,12,13……折返し線、14a,14b,15a,15b……融着部、1
6,17……書類挿入部、18……綴じ孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂透明板より成る略同形の表板と中
   板を重合し、該中板の一側に筒状の見出片を突出して形
   成すると共に、表板の一側に前記見出片の形成位置に対
   応して欠切部を形成し、前記表板に書込み孔を穿設し、
   前記中板の前記表板と反対面に合成樹脂透明板より成る
   裏板を重合し、少なくともこれら表板及び裏板の隣接す
   る２側縁を閉止したことを特徴とするファイル。