JPH0818996A - 自動ホワイトバランス回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低照度時の白バランス調整特性を改善した自
動ホワイトバランス回路を得る。 【構成】 撮像素子１で撮像した映像信号に、ホワイト
バランス調整を含む各種の信号処理を施しビデオ信号と
して出力するプロセス回路２およびエンコーダ回路３
と、自動ホワイトバランス回路４、停止回路５、比較器
６および論理回路７とにより自動ホワイトバランス回路
が閉ループで構成される。このホワイトバランス調整の
実行制御において、停止回路５が輝度・輝度変化量等の
条件において実行の停止を制御する。これに対し比較回
路６は、輝度が所定の基準値ＹREF以下となった場合、
論理回路７を介し停止解除信号Ｓ4を出力し、ホワイト
バランス調整を実行させる。この実行により、低輝度お
よび低輝度変化等の自動調整での捕捉が難しい条件下に
おけるホワイトバランス調整を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動ホワイトバランス
回路に関し、例えば、撮像装置のカラーカメラにおいて
用いられる自動ホワイトバランス回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カラーカメラ等の撮像装置におい
て、撮像素子により撮像された映像信号は、周知の様に
光源の状態により色の分布状態が変わる。これはＲ
（赤）、Ｂ（青）、Ｇ（緑）の三原色の信号比率に基づ
くホワイトバランスが変化することに起因する。このホ
ワイトバランスを補正するために、従来、白板を撮影し
た再現画像が白色になるように三原色の信号の比率を調
整していた。

【０００３】しかし、撮影の度にホワイトバランスの調
整を行うことは面倒であり、自動ホワイトバランス機能
が求められる。特に一般家庭で用いられることの多い、
市販のビデオテープレコーダ（ＶＴＲ）においてはなお
さらである。

【０００４】この様な要求に対し自動ホワイトバランス
回路がある。しかし、単純な自動化では弊害の生じる場
合がある。例えば、状態変化の緩慢な被写体映像に対し
過敏な調整を加えた場合、再現画像にチラツキが発生し
易くなる。この弊害の発生を防止するために、一般的
に、次の防止策がとられている。所定の輝度の得られる
範囲内で白バランスを引き込み自動ホワイトバランス調
整を続け、予め規定した輝度以下の場合であり且つ輝度
の変化が緩慢な場合には、自動ホワイトバランス調整を
停止させる。この停止状態は、輝度および輝度変化量が
所定の値以上になるまで継続される。

【０００５】上記の弊害防止策を撮影場面を想定して述
べると下記となる。例えば屋外での撮影において、昼〜
夕方〜夜と時間が経過した場合を想定する。特に夕方前
後の照度変化が緩慢だったとすると、「夕方」の時点で
実行した白バランス調整を最後に、所定の輝度以下とな
ったその後の白バランス調整の実行を停止する。

【０００６】従来提案されている自動ホワイトバランス
回路に関する公報例を、開示技術の要点と共に以下に列
挙する。

【０００７】特開平４−２９６１９２号公報は、撮像映
像信号中の輝度信号レベルか、もしくはこの輝度信号が
最適レベルとなるように絞り機構の絞り量を制御する絞
り制御信号から、屋内撮影状態か屋外撮影状態かを判別
し、その結果に応じて白バランス調整動作の特性を変更
することとしている。また、実開昭６４−２５２７８号
公報は、色差信号の平均値レベルと基準レベルとの差に
応じて、ホワイトバランス調整の補正の手順を変えてい
る。その他、自動ホワイトバランス回路に関する従来例
として、特開昭６１−２３６２８９号公報、特開昭６１
−１８４０７５号公報、特開昭６０−１２４１９１号公
報等がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動ホワイトバランス回路では、照度の低い被写体
を撮像した際、厳密に白バランスが取れない問題点を有
する。上記従来例の記載において、発生する問題点を指
摘する。白バランス調整の実行を停止したその後も撮影
を継続し、夜になり更に照度が下がった場合、白バラン
ス調整の停止状態はそのまま継続される。よって、「夕
方」の白バランス状態を保ち続け、更に照度が低下した
撮像において、不適性な状態での白バランス補正が継続
される問題点を伴う。

【０００９】本発明は、低照度時の白バランス調整特性
を改善した自動ホワイトバランス回路を提供することを
目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の自動ホワイトバランス回路は、撮像された
映像信号にホワイトバランス調整を含む映像信号処理を
行い処理後の映像信号および輝度信号を出力するプロセ
ス手段と、映像信号および輝度信号の所定の信号条件に
おいてホワイトバランス調整の実行を否とする停止制御
信号を出力する停止手段と、輝度信号のレベルを所定の
値と比較しホワイトバランス調整の実行を可とする実行
制御信号を出力する比較手段とを有し、停止制御信号に
よりホワイトバランス調整の実行が停止された状態にお
いて、輝度信号が所定のレベル以下となった場合、ホワ
イトバランス調整の実行を開始することを特徴としてい
る。また、所定の信号条件は、輝度信号の変化量を含む
とよい。

【００１１】

【作用】したがって、本発明の自動ホワイトバランス回
路によれば、撮像された映像信号にホワイトバランス調
整を含む映像信号処理を行い処理後の映像信号および輝
度信号を出力し、映像信号および輝度信号の所定の信号
条件においてホワイトバランス調整の実行を否とする停
止制御信号を出力し、輝度信号のレベルを所定の値と比
較しホワイトバランス調整の実行を可とする実行制御信
号を出力する。故に、停止制御信号によりホワイトバラ
ンス調整の実行が停止されても、輝度信号が所定のレベ
ル以下となった場合には、実行制御信号を用いてホワイ
トバランス調整を行うことができる。

【００１２】

【実施例】次に添付図面を参照して本発明による自動ホ
ワイトバランス回路の実施例を詳細に説明する。図１〜
図３を参照すると本発明の自動ホワイトバランス回路の
実施例が示されている。図１は回路構成例、図２は輝度
対水平分布の２形態例、図３は動作信号の形態例を示す
図である。

【００１３】図１の自動ホワイトバランス回路の回路構
成例において、本実施例は、被写体を撮像した撮像信号
に各種の信号処理を施しビデオ（VIDEO）信号として出
力する撮像素子１、プロセス回路２およびエンコーダ回
路３と、ホワイトバランスの自動補正の実行を制御する
ための自動ホワイトバランス回路（以降ＡＷＢとも言
う）４、停止回路５、比較器６および論理回路７とによ
り構成される。

【００１４】上記の各構成部において、撮像素子１は、
この撮像素子上に結像された映像を電気信号に変換する
素子である。本実施例では、ＣＣＤを用いている。

【００１５】プロセス回路２は、撮像素子から出力され
る撮像信号を増幅その他信号処理の後、Ｒ、Ｂ、Ｇの三
原色の映像信号からＹ、Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙの色差信号に変
換して出力する映像信号の処理回路部である。

【００１６】エンコーダ回路３は、プロセス回路２の色
差信号を入力信号とし、この入力信号を再現するための
フレーム映像信号に変換し、ビデオ信号として出力する
回路部である。

【００１７】自動ホワイトバランス回路（ＡＷＢ）４
は、プロセス回路２から出力される色差信号のホワイト
バランスを調整する、ホワイトバランス調整信号を出力
する回路部である。出力信号であるホワイトバランス調
整信号は、プロセス回路２へ出力される。論理回路７か
ら出力される制御信号Ｓ4に基づき、ホワイトバランス
調整の実行が制御される。

【００１８】停止回路５は、ＡＷＢ４におけるホワイト
バランスの補正の状態をチェックし、補正の実行を制御
する制御信号Ｓ2を出力する回路部である。停止回路５
は、過剰補正の防止や補正により再現画像にチラツキの
発生を防止するために補正の実行に制限を加えることを
主目的としている。例えば、ホワイトバランスの補正比
率の大きさをチェックし、補正比率が予め定めた所定の
大きさに達した場合、補正停止信号を出力する。また輝
度信号Ｓ1の変化が所定値Ｙkより小さい場合に補正を停
止させる出力信号Ｓ2を出力する。

【００１９】上記の様に停止回路５はＡＷＢ４およびプ
ロセス回路２からの２系統の出力信号を入力信号とし、
制御信号Ｓ2を出力する。但し、本実施例では、プロセ
ス回路から出力される輝度信号Ｙを基にして制御信号Ｓ
1を出力する。

【００２０】図２は、制御信号Ｓ1に対して出力される
制御信号Sの動作を説明するための図である。図２
（Ａ）および図２（Ｂ）は、横軸を１のフレーム画像デ
ータにおける水平位置、縦軸を輝度信号Ｙの輝度の大き
さを表している。図２（Ａ）は、所定の基準輝度ＹREF
に対して超過する地点があり、図２（Ｂ）は超過する地
点がない。これらの条件の相違する輝度Ｙの形態に対し
て、停止回路５の出力する制御信号Ｓ2は、図２（Ａ）
の場合「Ｈ」、図２（Ｂ）の場合「Ｌ」を出力する。

【００２１】比較器６は、コンパレータであり、プロセ
ス回路２から出力される輝度信号Ｓ1の大きさを所定の
基準輝度ＹREFと大小比較し、比較の結果の制御信号Ｓ3
を出力する回路部である。

【００２２】論理回路７は、停止回路５から出力される
制御信号Ｓ2と比較器６から出力される制御信号Ｓ3とに
基づき、制御信号Ｓ4を出力する回路部である。

【００２３】図３は、上記の構成に成る自動ホワイトバ
ランス回路の動作例を、タイミングチャートとして示し
ている。同図の４個の波形Ｓ1〜Ｓ4は、図１の同一記号
を付した制御信号の形態例である。波形Ｓ1〜Ｓ4の横軸
は時間を表し、縦軸は信号のレベルを表している。縦軸
の信号のレベルの内容は、Ｓ1が輝度、Ｓ2〜Ｓ4が
「Ｈ」、「Ｌ」である。ちなみに、信号Ｓ4の「Ｈ」は
ホワイトバランス補正の実行を、また「Ｌ」は不実行を
意味する。

【００２４】図３（Ｓ1）は撮像素子１が撮像する映像
信号において、時間経過と共に輝度Ｙが低下する様を表
している。時点ｔ1において、停止回路５がホワイトバ
ランス補正の一の停止条件とする輝度Ｙkに達してい
る。また、時点ｔ2において、比較器６がホワイトバラ
ンス補正の可動条件とする基準輝度ＹREFに達してい
る。

【００２５】上記の輝度Ｙに対し、停止回路５は時点ｔ
1以前は「Ｈ」の信号を、また以後は「Ｌ」の信号Ｓ2を
出力する。比較器６は、時点ｔ2以前は「Ｈ」の信号
を、また以後は「Ｌ」の信号Ｓ3を出力する。そして、
論理回路７は上記の制御信号Ｓ2およびＳ3を入力信号と
し、時点ｔ1以前は「Ｈ」、時点ｔ1〜時点ｔ2の間は
「Ｌ」、時点ｔ2以後は「Ｈ」の信号を出力する。この
制御信号Ｓ4を入力しＡＷＢ４が行うホワイトバランス
調整の制御は、時点ｔ1までが実行、時点ｔ1〜時点ｔ2
の間が不実行、時点ｔ2以降が実行、となる。

【００２６】以上説明したように本発明は、標準撮像状
態では、多少の色変化による自動ホワイトバランスの過
剰動作が無い上に、設置するビデオカメラの環境変化等
に起因する低照度の撮像状態においても正常に白バラン
スを合わせ込むことが可能となる。

【００２７】尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の
一例ではあるが、本発明はこれに限定されるものではな
く本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施
可能である。例えば、上記の実施例では説明を単純化す
るために、自動ホワイトバランス調整の実行可否の条件
を停止回路５および比較器６共に輝度信号の大きさを基
準にした。本発明の趣旨は、既述の様に、自動ホワイト
バランス調整によって生じる弊害を防止し、より精度の
高いホワイトバランス調整の実行を目的としている。こ
の目的に沿えば、停止回路のホワイトバランス調整の停
止条件は、輝度信号量の変化量、調整量の上限等、輝度
の大きさのみに限定されない。

【００２８】停止回路によるホワイトバランス調整の実
行停止と、比較回路による停止解除は、必ずしも同一パ
ラメータを基準としない。よって、両者の実行停止と停
止解除の発生のタイミングは、一義的に限定されない。
また、停止解除は、ホワイトバランス調整の実行のタイ
ミング間隔を拡大させる等の付加条件を加えることも有
効である。

【００２９】

【発明の効果】以上の説明より明かなように、本発明の
自動ホワイトバランス回路は、撮像された映像信号にホ
ワイトバランス調整を含む映像信号処理を行い、処理後
の映像信号および輝度信号を出力し、映像信号および輝
度信号の所定の信号条件においてホワイトバランス調整
の実行を否とする停止制御信号を出力する。また一方で
は、輝度信号のレベルを所定の値と比較しホワイトバラ
ンス調整の実行を可とする実行制御信号を出力する。故
に、停止制御信号によりホワイトバランス調整の実行が
停止されても、輝度信号が所定のレベル以下となった場
合には、実行制御信号を用いてホワイトバランス調整を
行うことができる。輝度信号が所定以下でのホワイトバ
ランス調整を可能とすることにより、低い輝度レベルに
おけるホワイトバランスのより正確な調整を可能とす
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動ホワイトバランス回路の実施例を
示す回路構成ブロック図である。

【図２】図１の自動ホワイトバランス回路の映像信号の
輝度と基準輝度ＹREFとの、動作の関係を説明するため
の概念図であり、（Ａ）が高照度時、（Ｂ）が低照度時
である。

【図３】図１の自動ホワイトバランス回路の動作を説明
するための、主要部の動作のタイミングを示したタイミ
ングチャートである。

【符号の説明】

１ 撮像素子 ２ プロセス回路 ３ エンコーダ回路 ４ 自動ホワイトバランス回路 ５ 停止回路 ６ 比較器 ７ 論理回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮像された映像信号にホワイトバランス
   調整を含む映像信号処理を行い処理後の映像信号および
   輝度信号を出力するプロセス手段と、 前記映像信号および輝度信号の所定の信号条件において
   前記ホワイトバランス調整の実行を否とする停止制御信
   号を出力する停止手段と、 前記輝度信号のレベルを所定の値と比較し前記ホワイト
   バランス調整の実行を可とする実行制御信号を出力する
   比較手段とを有し、 前記停止制御信号により前記ホワイトバランス調整の実
   行が停止された状態において、前記輝度信号が前記所定
   のレベル以下となった場合、前記ホワイトバランス調整
   の実行を開始することを特徴とする自動ホワイトバラン
   ス回路。
2. 【請求項２】 前記所定の信号条件は、前記輝度信号の
   変化量を含むことを特徴とする請求項１記載の自動ホワ
   イトバランス回路。