JPH08189402A - エンジンの空燃比制御装置における自己診断装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置における自己診断装置

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JPH08189402A
JPH08189402A JP7002459A JP245995A JPH08189402A JP H08189402 A JPH08189402 A JP H08189402A JP 7002459 A JP7002459 A JP 7002459A JP 245995 A JP245995 A JP 245995A JP H08189402 A JPH08189402 A JP H08189402A
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air
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秀樹 楠
Masaki Fujii
正毅 藤井
Hideki Kobayashi
英樹 小林
Nobuaki Tabata
伸章 田端
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン始動時に、センサヒータの故障診断
に誤判定を生じさせることなく、センサヒータでリニア
2センサを早期に活性化温度まで昇温させてエミッシ
ョン性能を高めることができる有効な手段を提供する。 【構成】 エンジン始動時には、エンジン始動開始時点
以前に制御CPU29とパワートタンジスタ27とによ
ってセンサヒータ20が通電され、リニアO2センサ1
9が早期に活性化温度以上に昇温され、エミッション性
能が高められる。そして、制御CPU29によってセン
サヒータ20の故障診断が行われるが、バッテリ電圧の
低下等に起因して制御CPU29がリセットされ、これ
に伴ってECU12がフェイル状態となったときには、
該フェイル状態が終了するまでは故障診断禁止回路36
によって制御CPU29による故障診断が禁止され、故
障診断における誤判定が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの空燃比制御
装置における自己診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の燃料噴射式エンジン
においては、エミッション性能及び燃費性能を高めるた
めに、空燃比が所定の目標値(目標空燃比)に保持される
ようになっている。すなわち、基本的には、空燃比が目
標空燃比と一致するよう吸入空気量に応じて燃料噴射弁
から燃料が噴射されるようになっている。しかしなが
ら、燃料噴射弁の噴射量コントロールの精度には限度が
あり、また燃料噴射弁から噴射された燃料の一部は吸気
通路壁に付着するなどしてすぐには燃焼室に入らない。
また、燃料噴射弁の噴射特性は経時的に変化することが
ある。このため、単に吸入空気量に応じて燃料を噴射す
るだけでは、高精度で空燃比を目標空燃比に保持するこ
とはむずかしい。
【0003】そこで、通常、燃料噴射式エンジンにおい
ては、マイクロコンピュータを備えたエンジンコントロ
ールユニット(以下、これをECUという)を用いて、所
定の運転領域(フィードバック領域)では、リニアO2
ンサ(空燃比センサ)で排気ガス中のO2濃度を検出して
該O2濃度から空燃比を算出し、この空燃比の目標空燃
比に対する偏差(空燃比偏差)に応じて該空燃比偏差をな
くす方向に燃料噴射量を補正して空燃比を目標値に追従
させるといった空燃比制御、すなわち空燃比のフィード
バック制御を行うようにしている。
【0004】そして、かかる燃料噴射式エンジンにおい
て、リニアO2センサが所定の活性化温度(例えば、35
0℃)以上になっていないときには、O2濃度が正確には
検出されず、したがって精密な空燃比のフィードバック
制御を行うことができない。したがって、排気ガス温度
が高い通常運転時においてはリニアO2センサが十分に
高温となり何ら問題は生じないが、エンジン始動時(と
くに冷間始動時)においては排気ガス温度がすぐには高
まらないのでリニアO2センサはなかなか活性化温度に
達しない。このため、エンジン始動時にはしばらくの間
空燃比のフィードバック制御を行うことができないの
で、エミッション性能が悪くなるといった問題がある。
【0005】そこで、リニアO2センサに電気式のセン
サヒータを付設し、エンジン始動時(とくに冷間始動時)
には該センサヒータに通電することによって、リニアO
2センサを迅速に活性化温度まで昇温させるようにした
エンジンが提案されている(例えば、特開昭61−11
6043号公報参照)。さらに、かかるセンサヒータに
おいては断線等の故障が生じる場合があるので、センサ
ヒータの故障診断を自動的に行う故障診断装置を備えた
エンジンも提案されている(例えば、特開平4−191
440号公報参照)。
【0006】そして、このようなセンサヒータの故障診
断手法の1つとして、例えばECUを構成する1つの制
御CPUによってセンサヒータの故障診断を行うといっ
たものが知られている。具体的には、例えば、センサヒ
ータの一端を電源(バッテリ側)に接続し、他端をスイッ
チとして用いられるnpn型パワートランジスタのコレク
タに接続し、該パワートランジスタのエミッタをアース
し、さらにパワートランジスタのベースを制御CPUの
出力端子に接続した普通のセンサヒータ回路(図2参照)
においては、制御CPUからベースへ出力された制御信
号と、コレクタにかかる電圧(コレクタ電圧)とを比較す
ることによって、センサヒータの故障診断が行われる。
すなわち、かかるセンサヒータ回路において、正常時に
は、制御CPUからベースにオン信号が印加されればパ
ワートランジスタがスイッチオン状態となり、したがっ
てコレクタ電圧はグランド電圧(ほぼ0V)となる。他
方、制御CPUからベースにオフ信号が印加されればパ
ワートランジスタがスイッチオフ状態となり、したがっ
てコレクタ電圧はバッテリ電圧(ほぼ12V)となる。し
たがって、制御CPUから出力された制御信号がオンで
ありかつコレクタ電圧がバッテリ電圧である場合、又は
制御CPUから出力された制御信号がオフでありかつコ
レクタ電圧がグランド電圧である場合は、センサヒータ
が故障しているものと判定されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にEC
Uは、これを構成する制御CPUが電圧低下等に起因し
てリセットされたときには、レジスタセット、メモリチ
ェック等を行うために所定のフェイル期間(例えば、1
00ms)だけフェイル状態(LIMP−HOME状態)と
される。そして、このようにECUがフェイル状態にあ
るときには、そのバックアップ機構により制御CPUの
出力にかかわりなく被制御機器(センサヒータを含む)へ
の出力信号が設定(固定)されることになる。そして、一
般には、ECUのフェイル時には、センサヒータ用のパ
ワートランジスタのベースにはオフ信号が印加され、セ
ンサヒータへの通電は停止されるようになっている。
【0008】かくして、上記のような故障診断手法を用
いたエンジンにおいては、バッテリ起電力の低下あるい
は冷機による始動抵抗の増加等に起因してECUに供給
される電圧が大幅に低下し、このため制御CPUがリセ
ットされたときには、ECUがフェイル状態となり、し
たがってセンサヒータは通電されない。他方、制御CP
Uは、ECUのフェイル期間中であってもリセット後は
速やかにその機能を回復し、パワートランジスタのベー
スに対してオン信号を印加しはじめる。
【0009】しかしながら、前記したとおり、フェイル
期間中はバックアップ機構によってパワートランジスタ
のベースにはオフ信号が印加され、このためセンサヒー
タは通電されず、したがってコレクタ電圧はバッテリ電
圧となる。したがって、この場合、制御CPUから出力
された制御信号がオンでありかつコレクタ電圧がバッテ
リ電圧であるので、制御CPUによってセンサヒータが
故障しているものと誤判定されるといった問題が生じ
る。
【0010】かかる不具合を回避するため、エンジン始
動時において、電圧低下を起こしやすいクランキングが
終了してからセンサヒータへの通電を開始するといった
対応が考えられるが、このようにするとリニアO2セン
サを早期に活性化温度まで昇温させることができなくな
り、エミッション性能が悪くなるといった問題が生じ
る。
【0011】本発明は上記従来の問題を解決するために
なされたものであって、エンジン始動時(とくに冷間始
動時)等において、バッテリ電圧の低下等によって制御
CPUがリセットされたときに、センサヒータの故障診
断に誤判定を生じさせることなく、センサヒータでリニ
アO2センサ(空燃比センサ)を早期に活性化温度まで昇
温させてエミッション性能を高めることができる有効な
手段を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、本発明の第1の態様は、空燃比を検出する空燃比セ
ンサと、空燃比センサを活性化させるセンサヒータと、
センサヒータの故障診断を行う制御CPUとが設けられ
ているエンジンの空燃比制御装置における自己診断装置
において、制御CPUがリセットされたときには、この
後所定の診断禁止期間、制御CPUに対して故障診断の
実施を禁止する故障診断禁止手段が設けられていること
を特徴とするものである。
【0013】本発明の第2の態様は、空燃比を検出する
空燃比センサと、空燃比センサを活性化させる電気式の
センサヒータと、センサヒータへの通電を制御する通電
制御手段と、センサヒータの故障診断を行う制御CPU
とが設けられているエンジンの空燃比制御装置における
自己診断装置において、通電制御手段が、イグニッショ
ンスイッチがオンされた時点以降において遅くともエン
ジン始動開始時点にはセンサヒータに通電するようにな
っていて、イグニッションスイッチがオンされた時点以
降において、遅くともエンジン始動開始時点からスター
タへの電力供給開始後にわたって所定の診断禁止期間、
制御CPUに対して故障診断の実施を禁止する故障診断
禁止手段が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明の第3の態様は、本発明の第2の態
様にかかるエンジンの空燃比制御装置における自己診断
装置において、制御CPUが、該制御CPUからセンサ
ヒータ側に出力された制御信号とセンサヒータ出力との
間に不整合状態が生じたときに、センサヒータが故障し
ているものと診断するようになっていることを特徴とす
るものである。
【0015】本発明の第4の態様は、本発明の第2の態
様にかかるエンジンの空燃比制御装置における自己診断
装置において、制御CPUが、該制御CPUからセンサ
ヒータに出力された制御信号とセンサヒータ出力との間
の不整合状態が所定の故障判定期間以上に継続されたと
きに、センサヒータが故障しているものと診断するよう
になっていることを特徴とするものである。
【0016】本発明の第5の態様は、本発明の第2〜第
4の態様のいずれか1つにかかるエンジンの空燃比制御
装置における自己診断装置において、制御CPUがエン
ジンコントロールユニットの一部をなし、制御CPUが
リセットされたときにはエンジンコントロールユニット
が所定時間フェイル状態とされるようになっていて、故
障診断禁止手段によって故障診断の実施が禁止される診
断禁止期間が、電圧低下により制御CPUがリセットさ
れた時点からエンジンコントロールユニットのフェイル
状態が終了するまでの所定時間とされていることを特徴
とするものである。
【0017】本発明の第6の態様は、本発明の第2〜第
4の態様のいずれか1つにかかるエンジンの空燃比制御
装置における自己診断装置において、故障診断禁止手段
によって故障診断の実施が禁止される診断禁止期間が、
エンジン回転数が、クランキング回転数からアイドリン
グ回転数までの間の所定の回転数に上昇するまでの期間
とされていることを特徴とするものである。
【0018】本発明の第7の態様は、空燃比を検出する
空燃比センサと、空燃比センサを活性化させる電気式の
センサヒータと、センサヒータへの通電を制御する通電
制御手段と、センサヒータの故障診断を行う制御CPU
とが設けられているエンジンの空燃比制御装置における
自己診断装置において、制御CPUがエンジンコントロ
ールユニットの一部をなし、制御CPUがリセットされ
たときにはエンジンコントロールユニットが所定時間フ
ェイル状態とされるようになっており、かつ、制御CP
Uが、該制御CPUからセンサヒータ側に出力された制
御信号とセンサヒータ出力との間の不整合状態が所定の
故障判定期間以上に継続されたときに、センサヒータが
故障しているものと診断するようになっていて、上記故
障判定期間が、電圧低下により制御CPUがリセットさ
れた時点からエンジンコントロールユニットのフェイル
状態が終了するまでに要する時間よりも長く設定されて
いることを特徴とするものである。
【0019】
【作用】本発明の第1の態様によれば、制御CPUがリ
セットされたときには、この後所定の診断禁止期間、制
御CPUによる故障診断の実施が禁止される。したがっ
て、イグニッションスイッチがオンされた後においてエ
ンジン始動開始以前にセンサヒータを作動させた場合、
この後のクランキングによって電圧が低下して制御CP
Uがリセットされてもセンサヒータが故障しているとの
誤判定が生じない。
【0020】本発明の第2の態様によれば、イグニッシ
ョンスイッチがオンされた後遅くともエンジン始動開始
時点にはセンサヒータに通電されるので、空燃比センサ
が早期に活性化温度まで昇温される。さらに、遅くとも
エンジン始動開始時点からスタータへの電力供給開始後
にわたって所定の診断禁止期間は制御CPUによる故障
診断の実施が禁止されるので、クランキングにより電圧
が低下して制御CPUがリセットされた場合にセンサヒ
ータの故障診断に誤判定が生じない。
【0021】本発明の第3の態様によれば、基本的に
は、本発明の第2の態様の場合と同様の作用が生じる。
さらに、制御CPUからセンサヒータ側に出力された制
御信号とセンサヒータ出力との間に不整合状態が生じた
ときにセンサヒータが故障しているものと診断するよう
にしているので、故障診断が容易かつ迅速に行われる。
【0022】本発明の第4の態様によれば、基本的に
は、本発明の第2の態様の場合と同様の作用が生じる。
さらに、制御CPUからセンサヒータに出力された制御
信号とセンサヒータ出力との間の不整合状態が所定の故
障判定期間以上に継続されたときにセンサヒータが故障
しているものと診断するようにしているので、ノイズの
発生等による瞬間的な異常によってセンサヒータの故障
診断に誤判定が生じることが防止される。
【0023】本発明の第5の態様によれば、基本的に
は、本発明の第2〜第4の態様のいずれか1つの場合と
同様の作用が生じる。さらに、センサヒータの故障診断
の診断禁止期間が、電圧低下により制御CPUがリセッ
トされた時点からエンジンコントロールユニットのフェ
イル状態が終了するまでの所定時間とされているので、
制御CPUのリセットに伴ってエンジンコントロールユ
ニットがフェイルした場合、制御CPUによってセンサ
ヒータが故障していると誤判定されるのが確実に防止さ
れる。
【0024】本発明の第6の態様によれば、基本的に
は、本発明の第2〜第4の態様のいずれか1つの場合と
同様の作用が生じる。さらに、故障診断の診断禁止期間
が、エンジン回転数が、クランキング回転数からアイド
リング回転数までの間の所定の回転数に上昇するまでの
期間とされているので、エンジン始動に一度失敗して再
度エンジンを始動させる場合でも、制御CPUによって
センサヒータが故障していると誤判定されるのが防止さ
れる。
【0025】本発明の第7の態様によれば、故障判定期
間が、電圧低下により制御CPUがリセットされた時点
からエンジンコントロールユニットのフェイル状態が終
了するまでに要する時間よりも長く設定されているの
で、クランキング時においてバッテリ電圧が低下してエ
ンジンコントロールユニットがフェイルした場合、エン
ジンコントロールユニットのフェイルが回復されるまで
に故障診断が実施されず、したがって制御CPUによっ
てセンサヒータが故障していると誤判定されるのが防止
される。このため、イグニッションスイッチがオンされ
た後においてエンジン始動開始以前にセンサヒータを作
動させた場合、この後のクランキングによりバッテリ電
圧が低下して制御CPUがリセットされてもセンサヒー
タが故障しているとの誤判定が生じない。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1に示すように、燃料噴射式のガソリンエンジンCE
は、吸気弁1が開かれたときに吸気ポート2から燃焼室
3内に混合気を吸入し、この混合気をピストン4で圧縮
して点火プラグ5で着火・燃焼させ、排気弁6が開かれ
たときに燃焼ガス(排気ガス)を排気ポート7を介して排
気通路8に排出するようになっている。排気通路8に
は、排気ガスを浄化する触媒コンバータ9が設けられて
いる。
【0027】点火プラグ5へは、ディストリビュータ1
0と点火制御装置11とによって、エンジンコントロー
ルユニット12(以下、これをECU12という)により
設定される所定のタイミングで高電圧の点火用電力が供
給されるようになっている。なお、ディストリビュータ
10ではクランク角(エンジン回転数)を検出できるよう
になっている。
【0028】そして、エンジンCE(燃焼室3)に燃料燃
焼用の空気を供給するために、上流端が大気に開放され
下流端が吸気ポート2と連通する吸気通路14が設けら
れ、この吸気通路14には、上流側から順に、吸入空気
中のダストを除去するエアクリーナ(図示せず)と、吸入
空気量を検出するエアフローセンサ15と、アクセルペ
ダル(図示せず)と連動して開閉されるスロットル弁16
と、吸入空気の流れを安定させるサージタンク17とが
設けられている。また、吸気ポート2近傍において、吸
気通路14(吸気ポート2)内に燃料を噴射する燃料噴射
弁18が、噴射口が吸気ポート2方向に向くようにして
設けられている。ここで、燃料噴射弁18の燃料噴射量
及び噴射タイミングはECU12によって制御されるよ
うになっている。
【0029】排気ガス流れ方向にみて、触媒コンバータ
9のやや上流の排気通路8には、排気ガス中のO2濃度
(空燃比)を検出するリニアO2センサ19(空燃比セン
サ)が設けられ、このリニアO2センサ19には、これを
加熱して活性化させる電気式のセンサヒータ20が付設
されている。また、触媒コンバータ9のやや下流の排気
通路8には、センサヒータを備えていない第2のリニア
2センサ21が設けられている。なお、リニアO2セン
サ19によって検出される排気ガス中のO2濃度からは
一義的にかつ容易に混合気の空燃比が求められるので、
該O2濃度は実質的には空燃比と同義である。かくし
て、リニアO2センサ19は実質的には空燃比を検出す
るセンサであり、したがって特許請求の範囲に記載され
た「空燃比センサ」に相当する。
【0030】図2に示すように、リニアO2センサ19
を活性化させるためのセンサヒータ20の一端は、バッ
テリ電圧(12V)がかけられているメイン導線23から
分岐する分岐導線24に接続され、他端はECU12の
1つの出力端子25に接続されている。そして、センサ
ヒータ20は通電されたときには発熱してリニアO2
ンサ19を加熱し、該リニアO2センサ19を迅速に活
性化温度以上に昇温させることができるようになってい
る。
【0031】ECU12には、スイッチとして機能する
npn型のパワートランジスタ27が設けられ、このパワ
ートランジスタ27のコレクタは第1導線26を介して
出力端子25に接続されている。また、パワートランジ
スタ27のベースは第2導線28を介してマイクロコン
ピュータからなる制御CPU29に接続され、パワート
ランジスタ27のエミッタは第3導線30を介してアー
ス部31(車体)に接続されている。このパワートランジ
スタ27は、そのベースに第2導線28を介してオン信
号(正電圧)が印加されたときにはコレクタとエミッタと
を電気的に導通させ(スイッチオン状態)、センサヒータ
20に通電させるようになっている。他方、パワートラ
ンジスタ27のベースにオフ信号(無電圧ないしは負電
圧)が印加されたときには、コレクタとエミッタとを電
気的に遮断し(スイッチオフ状態)、センサヒータ20へ
の通電を停止させるようになっている。なお、パワート
ランジスタ27は、特許請求の範囲に記載された「通電
制御手段」の一部をなす。また、制御CPU29も特許
請求の範囲に記載された「通電制御手段」の一部をなす。
【0032】そして、第1導線26から分岐する第4導
線32が設けられ、この第4導線32の他端は制御CP
U29に接続されている。なお、この第4導線32には
バッファアンプ33が介設されている。したがって、制
御CPU29には、パワートランジスタ27のコレクタ
電圧(センサヒータ出力)が入力されることになる。
【0033】制御CPU29は、運転状態に応じて、パ
ワートランジスタ27のベースにオン信号又はオフ信号
を印加して、パワートランジスタ27をスイッチオン状
態又はスイッチオフ状態にする(通電制御を行う)ように
なっている。さらに、制御CPU29は、センサヒータ
20の故障診断を行うようになっている。すなわち、制
御CPU29は、該制御CPU29からパワートランジ
スタ27のベースに(センサヒータ側に)出力された制御
信号と、パワートランジスタ27のコレクタ電圧(セン
サヒータ出力)との間に不整合状態が生じたときには、
センサヒータ20が故障しているものと診断するように
なっている。
【0034】具体的には、制御CPU29は、該制御C
PU29からパワートランジスタ27のべースにオン信
号が出力されかつパワートランジスタ27のコレクタ電
圧がバッテリ電圧(ほぼ12V)である場合(不整合)、又
は該制御CPU29からパワートランジスタ27のベー
スにオフ信号が出力されかつパワートランジスタ27の
コレクタ電圧がグランド電圧(ほぼ0V)である場合(不
整合)には、前記の段落番号[0006]で説明したのと
同様の理由により、センサヒータ20が故障しているも
のと診断するようになっている。
【0035】また、ECU12には、バッテリ(図示せ
ず)から該ECU12に供給される電圧(バッテリ電圧)
が所定の保証電圧(例えば、6V)より低下したときに
は、制御CPU29をリセットさせるリセット回路34
が設けられている。ここで、リセット回路34によって
制御CPU29がリセットさせられたときには、ECU
12はレジスタセット、メモリチェック等を行うために
所定のフェイル期間だけフェイル状態(LIMP−HO
ME状態)とされるようになっている。
【0036】そして、第2導線28にはバックアップI
C35が介設され、このバックアップIC35は、EC
U12がフェイル状態にあるときには、制御CPU29
からパワートランジスタ側に出力される制御信号のいか
んにかかわらず、パワートランジスタ27のベースにオ
フ信号を印加してパワートランジスタ27をスイッチオ
フ状態にし、センサヒータ20への通電を強制的に停止
させるようになっている。なお、バックアップIC35
は、ECU12がフェイル状態でないときにはとくには
作用を及ぼさず、したがってこの場合は制御CPU29
から出力された制御信号がそのままパワートランジスタ
27のベースに印加される。
【0037】さらに、ECU12には、制御CPU29
に対して故障診断の実施を任意に禁止することができる
故障診断禁止回路36が設けられている。この故障診断
禁止回路36が、いかなる場合に制御CPU29による
故障診断の実施を禁止するかは後で説明するとおりであ
る。なお、故障診断禁止回路36は、特許請求の範囲に
記載された「故障診断禁止手段」に相当する。
【0038】ECU12はエンジンCEの総合的な制御
装置であって、リニアO2センサ19、21によって検
出される排気ガス中のO2濃度(空燃比)、ディストリビ
ュータ10から出力されるクランク角信号(エンジン回
転数)、エアフローセンサ15によって検出される吸入
空気量等を制御情報としてエンジンCEの空燃比制御等
の各種制御を行うようになっている。しかしながら、エ
ンジンCEの一般的な空燃比制御等はよく知られた普通
の制御手法で行われ、またかかる一般的な空燃比制御等
は本願発明の要旨とするところでもないのでその説明を
省略する。
【0039】そして、ECU12は、制御CPU29及
びパワートランジスタ27によりセンサヒータ20への
通電制御を行うようになっているとともに、制御CPU
29によりセンサヒータ20の故障診断を行うようにな
っている。さらに、ECU12は、故障診断禁止回路3
6により、制御CPU29によるセンサヒータ20の故
障診断に誤判定が生じるおそれがある場合には制御CP
U29に対して故障診断を禁止するといった故障診断禁
止制御を行うようになっている。以下、ECU12によ
る通電制御、故障診断及び故障診断禁止制御の具体的な
手法について説明する。
【0040】通電制御においては、制御CPU29及び
パワートランジスタ27は、エンジン始動時にイグニッ
ションスイッチ(図示せず)がオンされた時点以降におい
て遅くともエンジン始動開始時点ではセンサヒータ20
に通電するようになっている。具体的には、例えばエン
ジン始動時(とくに冷間始動時)において、イグニッショ
ンスイッチがオンされた時点でセンサヒータ20に通電
を開始してもよく、あるいはエンジン始動開始時点以前
の任意の時期に通電を開始してもよい。このように、エ
ンジン始動時において早期にセンサヒータ20に通電す
るようにしているので、リニアO2センサ19が早期に
活性化温度以上に昇温されてエミッション性能が高めら
れる。
【0041】故障診断においては、前記したとおり、制
御CPU29からパワートランジスタ27のべースにオ
ン信号が出力されかつパワートランジスタ27のコレク
タ電圧がバッテリ電圧である場合、又は該制御CPU2
9からパワートランジスタ27のベースにオフ信号が出
力されかつパワートランジスタ27のコレクタ電圧がグ
ランド電圧である場合にセンサヒータ20が故障してい
るものと診断される。このように、ECU12の一部を
構成する制御CPU29を用いてセンサヒータ20の故
障診断を容易にかつ迅速に行うようにしているので、格
別のセンサヒータ用故障診断装置を設ける必要がなく、
空燃比制御機構ないしは故障診断機構が簡素化される。
【0042】なお、制御CPU29からパワートランジ
スタ27のベースに出力された制御信号と、パワートラ
ンジスタ27のコレクタ電圧との間の上記不整合状態が
所定の故障判定期間以上に継続されたときにセンサヒー
タ20が故障しているものと診断するようにしてもよ
い。このようにすれば、ノイズの発生等による瞬間的な
異常によってセンサヒータの故障診断に誤判定が生じる
ことが防止される。
【0043】故障診断禁止制御においては、エンジン始
動時にイグニッションスイッチがオンされた時点以降に
おいて、遅くともエンジン始動開始時点からスタータ
(図示せず)への電力供給開始後(クランキング開始後)に
わたって所定の診断禁止期間は、制御CPU29による
故障診断が禁止される。より好ましくは、上記診断禁止
期間は、クランキングによる電圧低下により制御CPU
29がリセットされ、これに伴ってECU12がフェイ
ル状態となった場合において、制御CPU29がリセッ
トされた時点からECU12のフェイル状態が終了する
までの時間、あるいはこれよりもやや長い時間とされ
る。
【0044】以下、図3に示すフローチャートに従っ
て、かかる故障診断禁止制御の具体的な制御手法の一例
について説明する。図3に示すように、この故障診断禁
止制御は、エンジン始動時(とくに冷間始動時)において
イグニッションスイッチがオンされたときに制御が開始
される。そして、制御が開始されるとまずステップS1
で、制御CPU29がリセットされたか否かが判定され
る。ここで、制御CPU29がリセットされていないと
判定された場合は(NO)、ステップS5にスキップして
故障診断が実施される。すなわち、この場合は、ECU
12はフェイル状態(LIMP−HOME状態)にはな
く、制御CPU29から出力された制御信号がそのまま
(バックアップIC35によって変更されずに)パワート
ランジスタ27のベースに印加されるので、センサヒー
タ20が本当に故障していない限り、上記制御信号とコ
レクタ電圧との間に不整合が生じることはなく、したが
って制御CPU29が故障診断において誤判定を行うお
それはないからである。なお、エンジン始動時におい
て、バッテリ起電力が低下している場合、あるいはエン
ジンCEが冷機状態にあって始動抵抗が大きい場合に
は、クランキングによるバッテリ電圧の低下が大きくな
り、このようなときにバッテリ電圧が所定の保証電圧
(例えば、6V)よりも低下したときにはリセット回路3
4によって制御CPU29がリセットされる。そして、
前記したとおり、制御CPU29がリセットされたとき
には、ECU12は所定のフェイル期間フェイル状態と
される。
【0045】他方、ステップS1で制御CPU29がリ
セットされたと判定された場合は、制御CPU29が故
障診断において誤判定を行うおそれがあるので、ステッ
プS2〜ステップS4が実行され、所定の診断禁止期間
だけ制御CPU29にる故障診断が禁止される。具体的
には、ステップS2でカウンタに0がセットされ、次に
ステップS3でカウンタが所定の増分でインクリメント
され、続いてステップS4でカウンタがカウントアップ
したか否か、すなわちカウンタのカウント値が上記診断
禁止期間に相応する比較値に達したか否かが判定され
る。そして、ステップS4でカウンタがカウントアップ
していないと判定された場合は(NO)、ステップS3〜
ステップS4が繰り返し実行され、カウンタがカウント
アップした場合(YES)、すなわち診断禁止期間を経過
したときには、ステップS5で制御CPU29による故
障診断が実施される。ここで、診断禁止期間は、制御C
PU29がリセットされた時点からECU12のフェイ
ル状態が終了するまでの時間よりもやや長い所定の時間
とされている。
【0046】このように、エンジン始動時において、バ
ッテリ起電力の低下あるいは冷機による抵抗増等に起因
してECU12に供給される電圧が保証電圧以下に低下
し、制御CPU29がリセットされたときに、制御CP
U29によるセンサヒータ20の故障診断に誤判定が生
じる理由はおよそ次のとおりである。図4は、エンジン
始動時(とくに冷間始動時)における、クランク角センサ
信号(グラフG1)、スタータ信号(グラフG2)、バッテリ
電圧(グラフG3)、制御CPU29へのリセット信号(グ
ラフG4)、ECU12のフェイル信号(グラフG5)、制
御CPU29からパワートランジスタ側に出力される制
御信号(グラフG6)及びバックアップIC35からパワ
ートランジスタ側に出力される制御信号(グラフG7)の
経時変化の一例を示している。なお、図4中において、
グラフG8とグラフG9とは、夫々、従来の故障診断にお
ける故障判定タイマのカウント値と故障判定結果とを示
している。
【0047】図4に示す例では、時刻t1でスタータがオ
ンされ、時刻t2でスタータへの電力供給が開始されてい
る(クランキング開始されている)。そして、時刻t2にお
いては、スタータで消費される電力が非常に大きいの
で、バッテリ電圧が大幅に低下し、保証電圧E1よりも
低くなっている。このため、時刻t2〜時刻t3でリセット
回路34から制御CPU29にリセット信号が印加さ
れ、制御CPU29がリセットされている。これに伴っ
て、時刻t3でECU12がフェイル状態となり、このフ
ェイル状態は所定のフェイル期間A1(例えば、100m
s)が経過するまで(時刻t5まで)継続される。
【0048】したがって、時刻t3〜時刻t5では、バック
アップIC35からパワートランジスタ27のベースに
オフ信号が印加され、パワートランジスタ27はスイッ
チオフ状態となって、センサヒータ20への通電は停止
される。他方、制御CPU29はリセット中はパワート
ランジスタ側にオフ信号を出力しているが、リセット終
了後は速やかに正常状態に復帰し、図4に示す例ではリ
セットの終了とほぼ同時にすなわち時刻t3で正常状態に
復帰してパワートランジスタ側にオン信号を出力しはじ
めている。
【0049】このため、時刻t3〜時刻t5では、制御CP
U29からパワートランジスタ側にオン信号が出力され
るものの、バックアップIC35によってパワートラン
ジスタ27がスイッチオフ状態とされる(センサヒータ
20への通電が停止される)のでコレクタ電圧がバッテ
リ電圧となり、したがって制御CPU29から出力され
た制御信号とコレクタ電圧とが不整合状態となる。した
がって、この間に制御CPU29が故障診断を行った場
合はセンサヒータ20が故障していると診断されること
になる。
【0050】かくして、従来の故障診断においては、上
記不整合状態が発生した時刻t3の後、若干の時間遅れd
を伴って時刻t4で故障診断が実施され、センサヒータ2
0が故障しているものと誤判定されてしまうことにな
る。
【0051】これに対して、本発明にかかる故障診断禁
止制御においては、エンジン始動時に制御CPU29が
リセットされた場合は、ステップS2〜ステップS4が
実行され、少なくとも時刻t5までは制御CPU29によ
る故障診断が禁止されるので、制御CPU29による故
障診断の誤判定が生じない。
【0052】かかる故障診断禁止制御により、クランキ
ングによる電圧低下に起因して制御CPU29がリセッ
トされ、これに伴ってECU12がフェイル状態となっ
た場合でも、制御CPU29によってセンサヒータ20
が故障していると誤判定されるのが確実に防止される。
【0053】なお、上記の故障診断禁止制御のほか、次
のような故障診断禁止制御を行うようにしてもよい。す
なわち、故障診断禁止回路36によって故障診断の実施
が禁止される診断禁止期間を、エンジン回転数がクラン
キング回転数からアイドリング回転数までの間の所定の
回転数に上昇するまでの期間としてもよい。このように
した場合は、エンジン始動に一度失敗して再度エンジン
を始動させる場合でも、制御CPU29によってセンサ
ヒータ20が故障していると誤判定されるのが防止さ
れ、エンジンCEの信頼性が高められる。
【0054】また、制御CPU29からパワートタンジ
スタ側に出力された制御信号とコレクタ電圧との間の不
整合状態が所定の故障判定期間以上に継続されたとき
に、センサヒータ20が故障しているものと診断するよ
うにした上で、上記故障判定期間を、電圧低下により制
御CPU29がリセットされた時点からECU12のフ
ェイル状態が終了するまでに要する時間よりもやや長い
所定の時間に設定するようにしてもよい。このようにす
れば、クランキング時においてバッテリ電圧が低下して
ECU12がフェイル状態となった場合、ECU12の
フェイル状態が回復されるまでは制御CPU29による
故障診断が実施されず、したがって制御CPU29によ
ってセンサヒータ20が故障していると誤判定されるの
が防止される。
【0055】
【発明の効果】本発明の第1の態様によれば、制御CP
Uがリセットされたときには、この後所定の診断禁止期
間、制御CPUによる故障診断の実施が禁止される。し
たがって、イグニッションスイッチがオンされた後にお
いてエンジン始動開始以前にセンサヒータを作動させた
場合、この後のクランキングによって電圧が低下して制
御CPUがリセットされてもセンサヒータが故障してい
るとの誤判定が生じない。したがって、エンジン始動時
(とくに冷間始動時)において、センサヒータの故障診断
に誤判定を生じさせることなく、空燃比センサを早期に
活性化温度まで昇温させてエミッション性能を高めるこ
とができる。
【0056】本発明の第2の態様によれば、イグニッシ
ョンスイッチがオンされた後遅くともエンジン始動開始
時点にはセンサヒータに通電されるので、空燃比センサ
が早期に活性化温度まで昇温され、エミッション性能が
高められる。さらに、遅くともエンジン始動開始時点か
らスタータへの電力供給開始後にわたって所定の診断禁
止期間は制御CPUによる故障診断の実施が禁止される
ので、クランキングにより電圧が低下して制御CPUが
リセットされた場合にセンサヒータの故障診断に誤判定
が生じない。したがって、エンジン始動時(とくに冷間
始動時)において、センサヒータの故障診断に誤判定を
生じさせることなく、空燃比センサを早期に活性化温度
まで昇温させてエミッション性能を高めることができ
る。
【0057】本発明の第3の態様によれば、基本的に
は、本発明の第2の態様の場合と同様の効果が得られ
る。さらに、制御CPUからセンサヒータ側に出力され
た制御信号とセンサヒータ出力との間に不整合状態が生
じたときにセンサヒータが故障しているものと診断する
ようにしているので、故障診断が容易となり、空燃比制
御装置の構造が簡素化される。
【0058】本発明の第4の態様によれば、基本的に
は、本発明の第2の態様の場合と同様の効果が得られ
る。さらに、制御CPUからセンサヒータに出力された
制御信号とセンサヒータ出力との間の不整合状態が所定
の故障判定期間以上に継続されたときにセンサヒータが
故障しているものと診断するようにしているので、ノイ
ズの発生等による瞬間的な異常によってセンサヒータの
故障診断に誤判定が生じることが防止される。また、故
障診断が容易となり空燃比制御装置の構造が簡素化され
る。
【0059】本発明の第5の態様によれば、基本的に
は、本発明の第2〜第4の態様のいずれか1つの場合と
同様の効果が得られる。さらに、センサヒータの故障診
断の診断禁止期間が、電圧低下により制御CPUがリセ
ットされた時点からエンジンコントロールユニットのフ
ェイル状態が終了するまでの所定時間とされているの
で、制御CPUのリセットに伴ってエンジンコントロー
ルユニットがフェイルした場合、制御CPUによってセ
ンサヒータが故障していると誤判定されるのが確実に防
止され、エンジンの信頼性が高められる。
【0060】本発明の第6の態様によれば、基本的に
は、本発明の第2〜第4の態様のいずれか1つの場合と
同様の効果が得られる。さらに、故障診断の診断禁止期
間が、エンジン回転数が、クランキング回転数からアイ
ドリング回転数までの間の所定の回転数に上昇するまで
の期間とされているので、エンジン始動に一度失敗して
再度エンジンを始動させる場合でも、制御CPUによっ
てセンサヒータが故障していると誤判定されるのが防止
され、エンジンの信頼性が高められる。
【0061】本発明の第7の態様によれば、故障判定期
間が、電圧低下により制御CPUがリセットされた時点
からエンジンコントロールユニットのフェイル状態が終
了するまでに要する時間よりも長く設定されているの
で、クランキング時においてバッテリ電圧が低下してエ
ンジンコントロールユニットがフェイルした場合、エン
ジンコントロールユニットのフェイルが回復されるまで
に故障診断が実施されず、したがって制御CPUによっ
てセンサヒータが故障していると誤判定されるのが防止
される。このため、イグニッションスイッチがオンされ
た後においてエンジン始動開始以前にセンサヒータを作
動させた場合、この後のクランキングによりバッテリ電
圧が低下して制御CPUがリセットされてもセンサヒー
タが故障しているとの誤判定が生じない。したがって、
エンジンの冷間始動時において、センサヒータの故障診
断に誤判定を生じさせることなく、空燃比センサを早期
に活性化温度まで昇温させてエミッション性能を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる空燃比制御装置における自己
診断装置を備えたエンジンのシステム構成図である。
【図2】 図1に示すエンジンのECU及びセンサヒー
タの回路構成を示す模式図である。
【図3】 故障診断禁止制御の制御方法を示すフローチ
ャートである。
【図4】 エンジン始動時における各種運転特性の経時
変化を示す図である。
【符号の説明】
CE…エンジン 8…排気通路 12…エンジンコントロールユニット(ECU) 18…燃料噴射弁 19…リニアO2センサ 20…センサヒータ 27…パワートタンジスタ 29…制御CPU 34…リセット回路 35…バックアップIC 36…故障診断禁止回路
フロントページの続き (72)発明者 田端 伸章 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空燃比を検出する空燃比センサと、 空燃比センサを活性化させるセンサヒータと、 センサヒータの故障診断を行う制御CPUとが設けられ
    ているエンジンの空燃比制御装置における自己診断装置
    において、 制御CPUがリセットされたときには、この後所定の診
    断禁止期間、制御CPUに対して故障診断の実施を禁止
    する故障診断禁止手段が設けられていることを特徴とす
    るエンジンの空燃比制御装置における自己診断装置。
  2. 【請求項2】 空燃比を検出する空燃比センサと、 空燃比センサを活性化させる電気式のセンサヒータと、 センサヒータへの通電を制御する通電制御手段と、 センサヒータの故障診断を行う制御CPUとが設けられ
    ているエンジンの空燃比制御装置における自己診断装置
    において、 通電制御手段が、イグニッションスイッチがオンされた
    時点以降において遅くともエンジン始動開始時点にはセ
    ンサヒータに通電するようになっていて、 イグニッションスイッチがオンされた時点以降におい
    て、遅くともエンジン始動開始時点からスタータへの電
    力供給開始後にわたって所定の診断禁止期間、制御CP
    Uに対して故障診断の実施を禁止する故障診断禁止手段
    が設けられていることを特徴とするエンジンの空燃比制
    御装置における自己診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたエンジンの空燃比
    制御装置における自己診断装置において、 制御CPUが、該制御CPUからセンサヒータ側に出力
    された制御信号とセンサヒータ出力との間に不整合状態
    が生じたときに、センサヒータが故障しているものと診
    断するようになっていることを特徴とするエンジンの空
    燃比制御装置における自己診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載されたエンジンの空燃比
    制御装置における自己診断装置において、 制御CPUが、該制御CPUからセンサヒータに出力さ
    れた制御信号とセンサヒータ出力との間の不整合状態が
    所定の故障判定期間以上に継続されたときに、センサヒ
    ータが故障しているものと診断するようになっているこ
    とを特徴とするエンジンの空燃比制御装置における自己
    診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜請求項4のいずれか1つに記
    載されたエンジンの空燃比制御装置における自己診断装
    置において、 制御CPUがエンジンコントロールユニットの一部をな
    し、制御CPUがリセットされたときにはエンジンコン
    トロールユニットが所定時間フェイル状態とされるよう
    になっていて、 故障診断禁止手段によって故障診断の実施が禁止される
    診断禁止期間が、電圧低下により制御CPUがリセット
    された時点からエンジンコントロールユニットのフェイ
    ル状態が終了するまでの所定時間とされていることを特
    徴とするエンジンの空燃比制御装置における自己診断装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項2〜請求項4のいずれか1つに記
    載されたエンジンの空燃比制御装置における自己診断装
    置において、 故障診断禁止手段によって故障診断の実施が禁止される
    診断禁止期間が、エンジン回転数が、クランキング回転
    数からアイドリング回転数までの間の所定の回転数に上
    昇するまでの期間とされていることを特徴とするエンジ
    ンの空燃比制御装置における自己診断装置。
  7. 【請求項7】 空燃比を検出する空燃比センサと、 空燃比センサを活性化させる電気式のセンサヒータと、 センサヒータへの通電を制御する通電制御手段と、 センサヒータの故障診断を行う制御CPUとが設けられ
    ているエンジンの空燃比制御装置における自己診断装置
    において、 制御CPUがエンジンコントロールユニットの一部をな
    し、制御CPUがリセットされたときにはエンジンコン
    トロールユニットが所定時間フェイル状態とされるよう
    になっており、 かつ、制御CPUが、該制御CPUからセンサヒータ側
    に出力された制御信号とセンサヒータ出力との間の不整
    合状態が所定の故障判定期間以上に継続されたときに、
    センサヒータが故障しているものと診断するようになっ
    ていて、 上記故障判定期間が、電圧低下により制御CPUがリセ
    ットされた時点からエンジンコントロールユニットのフ
    ェイル状態が終了するまでに要する時間よりも長く設定
    されていることを特徴とするエンジンの空燃比制御装置
    における自己診断装置。
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