JPH0818781A - 2値化装置及びこれを用いた装置 - Google Patents

2値化装置及びこれを用いた装置

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JPH0818781A
JPH0818781A JP6149519A JP14951994A JPH0818781A JP H0818781 A JPH0818781 A JP H0818781A JP 6149519 A JP6149519 A JP 6149519A JP 14951994 A JP14951994 A JP 14951994A JP H0818781 A JPH0818781 A JP H0818781A
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JP6149519A
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English (en)
Inventor
Tomoo Kobori
智生 小堀
Akihiro Asada
昭広 浅田
Toshiaki Nakamura
敏明 中村
Shinichi Shinoda
伸一 篠田
Shuichi Nakano
修一 中野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 読取原稿を読み取って得られる多値デ−タ
を、小規模の回路構成でもって、高画質,高階調な2値
画像を得る2値化処理方式を実現する。 【構成】 MTF補正部5からのN階調の多値データ5
aは、その値が奇数のとき、加算部6で出力制御部21
からのランダムデータ21aと加算され、階調数変換部
18で階調数が1/2倍のT階調に変換される。ここ
で、ランダムデータ21aは、例えば、−1と+1の値
がランダムに、かつ任意の領域での総計が0となるよう
に、配列されたものである。階調数変換部18で得られ
るT階調の多値データ18aでは、もとのN階調での奇
数値の多値データが2つの整数値にランダムに分配さ
れ、等価的にこれら2つの値の中間値をとることにな
り、もとの階調数が等価的に保持される。このT階調の
多値データが、加算部9以降の処理部で、2値量子化,
誤差拡散処理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像を走査して得られ
る画像信号を画素単位でサンプリングし、画像の濃淡階
調を多値画像デ−タで表わし、濃度レベルに応じて白あ
るいは黒で2値化を行ない、画像を表示する読取画像2
値化装置、及びこれを用いた装置、特に、コピ−装置、
ファクシミリ装置あるいはイメ−ジスキャナ装置などの
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来のファクシミリ装置では、
送信側の処理として、画像(読取原稿)をラインセンサ
(CCDセンサあるいは密着センサなど)によりライン
毎に走査して画像信号を得、これを画素単位に濃度レベ
ルのサンプリングして濃度レベルに応じた多値デ−タを
得るようにしている。かかる多値デ−タはγ補正処理や
MTF(Modulation Transfer Function)補正処理
などで補正処理され、しかる後、濃度レベルに応じて白
あるいは黒の2値化処理されて画像を表示するようにし
ている。さらに、2値化されたデ−タをファクシミリの
標準符号化方式であるMH(Modified Huffman)符
号化あるいはMR(Modified RelativeElement Add
ress Designate)符号化などによりデ−タ圧縮し、送
信するようにしている。
【0003】また、読取画像の性質に合わせて、例え
ば、2値画像領域(文字・線画など)と多値画像領域
(網点画・写真画など)とに対して夫々に特有の2値化
方式を使い分け、読取画像をより忠実に再現するような
機能を備えている。ここで、2値画像領域では、読取原
稿の濃度レベルと固定閾値との大小比較によって2値化
処理を行なうものであり、また、多値画像領域を表現す
る手法として、誤差拡散処理が挙げられる。これは、図
12に示すように、2値化時の2値化誤差を周辺画素に
拡散することにより、2値化前後での平均濃度を一致さ
せ、擬似的に中間調で表現することを可能とするもので
ある。
【0004】ここで、図12に示す従来の2値化装置に
ついて説明する。
【0005】図示しないラインセンサから読み取られた
画像の濃度レベルを表わす画像信号1aはA/D変換部
2に供給され、画素単位でサンプリングされて濃度レベ
ルを表わす多値のディジタルデータ(以下、多値データ
という)2aに変換される。この多値データ2aはγ補
正部4に供給されるとともに、少なくとも2ライン分を
記憶する記憶媒体3に供給され、A/D変換部2からの
多値データ2aよりも1ライン前の多値データ3aと2
ライン前の多値データ3bとが出力される。これら多値
データ3a,3bはγ補正部4に供給される。
【0006】γ補正部4では、これら多値データ2a,
3a,3bが夫々γ補正され、コントラストの調整がな
される。γ補正部4で補正されたこれら多値データ2
a,3a,3bはMTF補正部5に供給され、1ライン
前の多値データ3aを着目ラインの多値データ、多値デ
ータ2aを次ラインの多値データ、2ライン前の多値デ
ータ3bを前ラインの多値データとし、次ラインの多値
データ2aと前ラインの多値データ3bとの画素を用い
て着目ラインの画素の多値データを補正することによ
り、ラインセンサのMTF特性の補正がなされる。
【0007】MTF補正部5から出力される多値データ
5aは加算部9に供給され、各画素毎に(この場合の画
素を注目画素とという)に演算部11,12,13で得
られる注目画素の周りの周辺画素の2値量子化誤差のデ
ータ11a,12a,13aが加算される。即ち、誤差
拡散処理がなされることになる。加算部9から出力され
る多値データ9aは2値量子化部16に供給され、画素
毎に所定の閾値と大小比較されて2値化される。これに
よって得られた2値データ16aは出力端子20から出
力される。
【0008】一方、2値量子化誤差算出部17は、2値
データ16aに基づいて多値データ9aに対する2値量
子化誤差17aを算出する。この2値量子化誤差17a
は、遅延部14で遅延されて演算部11に供給されると
ともに、少なくとも1ライン分記憶する記憶媒体19に
供給され、1ライン前の2値量子化誤差19aが得られ
るようにする。この1ライン前の2値量子化誤差19a
は、演算部13に供給されるとともに、遅延部15で遅
延されて演算部12に供給される。
【0009】なお、かかる2値量子化誤差17aとして
は、例えば、2値量子化部16から出力される2値デー
タ16aが白を表わす場合には、2値量子化部16に入
力される多値データ9aとし、2値データ16aが黒を
表わす場合には、多値データ9aの値から所定の値を差
し引いた多値データとする。
【0010】ここで、記憶媒体19は(1ライン−1画
素)分の遅延を生じさせるものであり、遅延部14,1
5は1画素分の遅延時間を有している。従って、加算部
9に供給される多値データの画素(注目画素)について
みると、遅延部14からはこの注目画素の1つ前の画素
から得られた2値量子化誤差がこの注目画素のタイミン
グで得られ、記憶媒体19からは注目画素よりも(1ラ
イン−1画素)前の画素から得られた2値量子化誤差
が、遅延部15からは注目画素よりも1ライン前の画素
から得られた2値量子化誤差が注目画素のタイミングで
夫々得られる。つまり、注目画素の周辺の3つの画素か
ら得られた2値量子化誤差が注目画素のタイミングで得
られることになる。
【0011】これら2値量子化誤差は夫々演算部11,
12,13で拡散係数が乗算され、補正データ11a,
12a,13aが生成される。これら補正データ11
a,12a,13aが加算部9に供給される。
【0012】ところで、以上の従来技術では、2値化時
の2値量子化誤差を周辺画素に拡散する際に、隣接する
画素間で行なうため、2値量子化誤差を少なくとも1ラ
イン分記憶保持しておく必要がある。このために、図1
2において、記憶媒体19が用いられる。この場合、上
記の誤差拡散処理においては、元の多値データ2aと同
じ階調数でかかる処理が行なわれるため、表現できる階
調数を増して高画質化を図る場合には、その分各画素の
2値量子化誤差の階調数も非常に大きくなることから、
記憶保持するために必要となる記憶媒体19の容量も増
大化してしまい、結果的に回路規模が増大化してしまう
といった問題があった。
【0013】そこで、特開平4−47760号公報に記
載の技術では、2値量子化誤差を記憶保持するために使
用するメモリを、2値量子化誤差を記憶保持するために
のみ使用するのではなく、他の画像処理手段、例えばM
TF補正処理で用いる多値デ−タを記憶保持するために
使用する分とで切り分けて使用するようにし、これによ
り、読取画像信号の処理全体で使用するメモリ容量を小
さくするようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
誤差拡散処理を用い、多値画像の濃淡階調を、例えば黒
ドットの粗・密で疑似的に多階調で表わすようにした2
値化処理では、次のような問題があった。
【0015】即ち、N階調で表わされる画像の濃淡階調
を疑似的に多階調で表わすようにする2値化を行なう
際、各画素に対して、上記誤差拡散処理では疑似的にT
階調(但し、T<N)で表わすものとすると、例えば、
注目画素に対して誤差拡散処理を施す場合に、2値化処
理後の周辺画素の2値量子化誤差に対して注目画素の位
置関係から重付け演算を行ない、注目画素の濃度レベル
を表わす多値デ−タに加算した後、所定の閾値との大小
比較によって2値化処理(白・黒判定)を行なう。
【0016】一方、2値化処理前後のT階調で求める2
値量子化誤差を、ラインメモリに記憶させる処理を行な
う。ここで、T階調で表わされる2値化誤差をメモリに
記憶する場合、メモリ容量は1画素当たり少なくともT
階調分記憶できるだけのビット数が必要である。さらに
階調表現数を増加させると、必要となるメモリ容量も増
加してしまい、結果的に回路規模が増大化してしまうと
いう問題があった。
【0017】また、2値量子化誤差の記憶保持用の領域
を他の異なる処理と共用する方式とした場合には、機能
の拡張性が著しく損なわれてしまうという問題もある。
【0018】さらに、算出した2値量子化誤差を周辺の
画素に拡散する場合、読取原稿の濃度レベルと、拡散方
向あるいは2値量子化誤差の重付け係数の値とにより、
得られる2値画像のドットの粗・密が不均一あるいは特
定パタ−ン(テクスチャ)が発生して配列してしまう場
合がある。このため、誤差拡散処理により得られる2値
画像の画質は上記したドット配列により著しく劣化させ
る要因となってしまうといった問題があった。
【0019】本発明の目的は、上記した従来技術に鑑
み、誤差拡散処理によりN階調で表わされる画像の濃淡
階調を疑似的にT階調で表わすようにする誤差拡散処理
装置を用いた場合であっても、得られる2値画像はN階
調(但し、N,Tは整数であって、T<N)以上の階調
数を達成し、なおかつ、ドット並びのさらなる滑らかさ
を達成することによって高画質化を達成し、同時に、高
階調化に伴い、新たに必要とするメモリ容量も不要であ
ることから、回路規模のいたずらな増大化を抑えること
を可能とする2値化装置とそれを用いた装置を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、入力される各画素に対する濃度レベ
ルでN階調(但し、Nは正整数)で表わされる多値デ−
タを画素毎に2値化する際に、入力デ−タと相関のない
S階調(但し、Sは正整数)で表わされるランダムデ−
タを生成するランダムデ−タ発生手段と、N階調で表わ
される多値デ−タの値に応じて該ランダムデータを出力
制御する出力制御手段と、2値化を施す画素(注目画
素)の多値デ−タに、該出力制御手段によって出力制御
されるランダムデ−タを加算し、(N+S)階調で表わ
される多値デ−タを出力する第1の加算手段と、(N+
S)階調で表わされる多値デ−タをT階調に階調数を変
換する階調数変換手段と、このT階調の多値データを2
値化後の周辺画素からのT階調で表わされる2値量子化
誤差拡散値を加算し、L階調(但し、Lは正整数であっ
て、L≦2T)で表わされる多値データとする第2の加
算手段と、このL階調で表わされる多値データ所定の閾
値との大小比較により白・黒の判定を行なう2値量子化
手段と、2値化前後における2値量子化誤差をT階調で
算出する2値量子化誤差算出手段と、T階調で表わされ
る2値量子化誤差を記憶する記憶手段と、注目画素に対
する周辺画素でT階調で表わされる2値量子化誤差と、
記憶手段から読み出したT階調で表わされる2値量子化
誤差の各々について、注目画素と周辺画素の位置関係か
ら定める誤差拡散係数を乗算し、上記T階調で表わされ
る2値量子化誤差拡散値を生成する演算手段とを具備す
る。
【0021】
【作用】N階調で表わされる多値デ−タを画素毎に2値
化する際に、第1の加算手段では、N階調で表わされる
多値デ−タで、2値化を施す注目画素の多値デ−タに、
ランダムデ−タ発生手段によって生成されて出力制御手
段によって出力制御されるS階調のランダムデ−タが加
算される。この場合、出力制御回路で出力制御されるラ
ンダムデ−タの平均がゼロ値となるようにする。これに
より、ランダムデ−タが加算される前後での多値デ−タ
の濃度レベルの平均値は不変となる。
【0022】階調数変換手段により、第1の加算手段に
より得られた(N+S)階調で表わされる多値デ−タを
T階調に階調数が変換される。第2の加算手段では、2
値化を施す注目画素の多値デ−タに周辺画素からの2値
量子化誤差が加算されてL階調で表わされる。
【0023】周辺画素からの2値量子化誤差が加算され
た結果であるL階調で表わされる多値デ−タは、2値量
子化手段での所定の閾値と大小比較により、白・黒の判
定が行われる。2値量子化誤差算出手段では、注目画素
に対する2値化前後での2値量子化誤差がT階調で算出
される。記憶手段では、T階調の2値量子化誤差が画素
単位で画素単位で記憶される。演算手段では、T階調の
上記2値量子化誤差と記憶手段から読み出したT階調の
2値量子化誤差との夫々に、注目画素と周辺画素との位
置関係から定める誤差拡散係数が乗算され、2値量子化
誤差の補正値(2値量子化誤差拡散値)が算出される。
このように得られた周辺画素からの2値量子化誤差が、
上記したように、第2の加算手段により注目画素の多値
デ−タに加算される。
【0024】以上の処理により、擬似階調レベルとして
T階調を確保する誤差拡散処理装置を用いた場合であっ
ても、注目画素の多値デ−タに加算するランダムデ−タ
の値により、2値化により得られる擬似階調レベルとし
てN階調の階調数を確保すると同時に、ドット並びの滑
らかさを達成することが可能となる。これにより、2値
化により得られる階調数を向上させる場合であっても、
新たに追加するメモリ容量が必要ないことから、回路規
模をいたずらに増大化させることなく、得られる2値画
像の高画質化が図れる2値化装置を達成できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明による2値化装置の第1の実施例を示
すブロック図であって、1は入力端子、2はA/D(ア
ナログ/ディジタル)変換部、3は記憶媒体、4はγ
(ガンマ)補正部、5はMTF(Modulation Transfe
r Function)補正部、6は加算部、7は画素数計数
部、8はランダムデ−タ発生部、9は加算部、10はリ
ミッタ部、11〜13は演算部、14、15は遅延部、
16は2値量子化部、17は2値量子化誤差算出部、1
8は階調数変換部、19は記憶媒体、20は出力端子、
21は出力制御部である。
【0026】この実施例は、図1に示すように、基本構
成として、図12に示した従来の2値化装置に対し、加
算部6,画素数7,ランダムデータ発生部8,出力制御
部21及び階調数変換部18を追加したものである。こ
の実施例の基本動作としては、N階調を表わすMTF補
正部6の出力多値データ6aに、ランダムデータ発生部
8で発生され出力制御部21で出力制御されるランダム
データ21aを加算部6で加算し、この加算部6から出
力される多値データ6aを階調数変換部18に供給して
階調数を低減し、この階調数が低減された多値データに
対して2値量子化と誤差拡散処理とを行なうものであ
る。
【0027】ここで、階調数変換部18によって階調数
を低減することにより、誤差拡散処理のために使用する
記憶媒体の容量を小さくすることができる。
【0028】また、単に多値データの階調数を低減する
だけでは、もとの階調数Nに対する処理が行なわれない
ことになるが、この実施例では、上記のようにランダム
データを、N階調の多値データに加算した後、階調数の
低減を行ない、これによって等価的にもとのN階調の多
値データで誤差拡散処理を行なっているようにするもの
である。
【0029】次に、この実施例の動作を詳細に説明す
る。
【0030】図1において、図示しないラインセンサか
ら読み取られた画像の濃度レベルを表わす画像信号1a
を入力端子1から入力する。このラインセンサはCCD
センサや密着型センサなどであって、多階調の画像を1
次元的に横方向(主走査方向)に走査しながらこの主走
査方向とは直行する方向(副走査方向)に順次移動する
ことにより、この画像の多階調の濃度レベルを読み取
り、この濃度レベルに応じた電圧レベルを画像信号1a
として出力するものである。
【0031】この画像信号1aは、A/D変換部2によ
り、画素単位にサンプリングされて濃度レベルを表わす
多値のディジタルデ−タ(多値デ−タ)2aに変換され
る。この場合、多値デ−タ2aは濃度レベルをN階調
(ここでは、N=64、即ち、0〜63の階調)の分解
能を表わし、従って、6ビットのディジタルデ−タとす
る。また、濃度レベルの高い側が黒側に、低い側が白側
に夫々に割り当てる。
【0032】なお、画素とは、図2に示すように、画像
をラインセンサの主走査方向、副走査方向に均等に細分
化した個々の領域として定義する。
【0033】多値デ−タ2aは、少なくとも2ライン分
記憶する記憶媒体3とγ補正部4に供給される。また、
記憶媒体3から読み出された1ライン前の多値デ−タ3
aと2ライン前の多値デ−タ3bとが読み出され、γ補
正部4に供給される。
【0034】ここで、後の説明上必要なために、図2を
用いて、各画素に対する2値化処理の処理順を説明す
る。
【0035】同図において、各区分は夫々画素を示して
おり、主走査方向(横方向)に配列される画素は同じラ
インの画素であって、ここでは、各ライン5個ずつ画素
を示している。2値化処理は、主走査方向に位置する画
素毎に順次行なわれながら、副走査方向のライン単位に
順次行なわれるものとする。
【0036】この場合、現在2値化処理が行なわれるべ
き画素を注目画素P(0)、注目画素P(0)を含むラ
インを着目ライン、着目ライン中で注目画素P(0)を
挟む前後の画素を夫々P(−2),P(−1),P
(1),P(2)とし、着目ラインの直前(図面上上
側)に位置するライン(これは2値化処理済みである)
を前ラインとし、着目ラインの画素P(−2),P(−
1),P(0),P(1),P(2)に対向する前ライ
ンの画素を夫々L(−2),L(−1),L(0),L
(1),L(2)としている。また、着目ラインの直後
(図面上下側)に位置するライン(これは2値化未処理
である)を次ラインとし、着目ラインの画素P(−
2),P(−1),P(0),P(1),P(2)に対
向する画素を夫々V(−2),V(−1),V(0),
V(1),V(2)としている。
【0037】記憶媒体3では、A/D変換部2からの6
ビットで表わされる多値デ−タ2aを画素単位で少なく
とも1ライン分(この実施例では、2ライン分)記憶保
持する。この場合、各画素に対するビット数を少なくし
て(例えば、各画素5ビットとして)記憶するようにし
てもよい。また、ラインセンサからの読出し画素に対し
て、1ライン前の多値データ3aを着目ラインの多値デ
−タとし、2ライン前の多値データ3bを着目ラインの
前ラインの多値デ−タとし、A/D変換部2からの多値
データ2aを次ラインの多値データとする。
【0038】γ補正部4では、A/D変換部2からの多
値デ−タ2aと記憶媒体3より供給される多値デ−タ3
a,3bとについて、夫々、例えば図3に示すようにγ
補正処理することにより、コントラスト調整を行なう。
【0039】MTF補正部5では、γ補正された多値デ
ータ2a,3a,3bを用いて、画素毎にラインセンサ
のMTF特性の補正処理を行ない、補正結果をN階調
(この実施例では、N=64)の多値画像デ−タ5aと
して出力する。ここで、特開平6−14191号公報に
記載のように、多値画像領域(例えば、網点・写真画な
ど)においては、注目画素P(0)とその周辺画素の濃
度レベルにより、画素間での濃度レベルの変化が滑らか
になるように平滑化処理を行ない、また、2値画像領域
(例えば線画・文字領域など)では、画像の輪郭部を強
調するすることにより、画像のツブレ、カスレ、ボケな
どの発生を防止するようにしてもよい。
【0040】画素数計数部7では、注目画素P(0)の
位置するライン数及びライン内における画素数の計数を
行ない計数結果を夫々出力7a(ライン数)、7b(画
素数)とする。
【0041】ランダムデ−タ発生部8では、画素数計数
部7によって得られる注目画素P(0)の位置するライ
ン数7aと画素数7bにより、S階調で表わされるラン
ダムデ−タ8aを発生する。ここで、発生するランダム
デ−タ8aの値としては、例えば、図4に示すように、
注目画素P(0)の位置が偶数ライン,奇数ラインのい
ずれに位置するか、また、偶数画素,奇数画素のいずれ
であるかによって定めるものとする。
【0042】ここで、ランダムデータ8aの階調数を2
(S=2)とすると、図4(a)に示す例は、順次の画
素毎に−1,+1,……と変化させ、ライン毎にこの−
1と+1の配列順序を逆転するものであり、着目ライン
が偶数ラインであって、この着目ラインでの奇数番目の
画素である現時点の注目画素P(0)に対しては、ラン
ダムデータ8aが−1になっている。なお、ランダムデ
−タ8aは、画像の任意に設定される領域内でのその値
の総和が零となるように発生する。このようにランダム
デ−タ8aは、上記のように、2階調(S=2)で表わ
される。
【0043】出力制御部22は、γ補正部4により注目
画素P(0)に対するN階調の多値データで表わされる
γ補正結果4bの値を参照し、ランダムデータ発生部8
により得られたS階調で表わされるランダムデータ8a
の出力制御を行なう。この場合、例えば、γ補正部4か
ら出力される多値データ4aの値が奇数のときのみ、生
成されたランダムデータ8aをランダムデータ21aと
して出力するものとする。
【0044】加算部6では、MTF補正部5により得ら
れる64階調(N=64)で表わされる注目画素P
(0)の多値デ−タ5aと、出力制御部21からの2階
調(S=2)で表わされる注目画素P(0)に対するラ
ンダムデ−タ21aとを加算し、66階調(=S+N)
で表わされる多値デ−タ6aを出力する。つまり、加算
部6では、多値データ4aの値が奇数のときのみ、MT
F補正部5からの多値データ5aにランダムデ−タ21
aが加算される。
【0045】階調数変換部18では、加算部6からの6
6階調(=S+N=−1〜+65)で表わされる多値デ
−タ6aの階調数がT/N倍(ここでは、T=32とす
る)に変換され、階調数が(S+N)・T/Nの多値デ
ータ18aが生成される。この実施例では、N=64、
T=32であることから、階調数が1/2倍され、33
階調(=0〜+32)で表わされる多値デ−タ18aが
得られる。
【0046】ところで、階調数を低減する場合、新たな
階調数での階調レベルは小数点以下が切り捨てられる。
上記のように階調数変換部18で階調数を1/2倍する
場合には、例えば多値データを最下位ビット側に1ビッ
ト分シフトすればよいが、このようなシフトにより、奇
数値の多値データは小数点以下が切り捨てられた値の階
調レベルとなる。
【0047】これを図5(a)で説明すると、階調レベ
ルが0〜63の64階調を1/2倍する場合、最大階調
レベルは31で0〜31の階調レベルが得られるが、も
との64階調での偶数値の階調レベルである30をみる
と、これは、階調数を1/2倍したことにより、階調レ
ベル15となる。これに対し、もとの64階調での奇数
値の階調レベルである31をみると、これも、階調数が
1/2倍になったことにより、同じく階調レベル15と
なる。このように、もとの64階調での偶数値の階調レ
ベルとこれより1つ高い階調レベルとは、階調数が1/
2倍になったとき、同じ階調レベルになってしまい、ま
さしく階調数は1/2倍となってもとの階調が失われて
しまう。
【0048】この実施例では、このように階調数を低減
しても、もとの階調が失われないように、上記のS階調
のランダムデータ21aを奇数値をとる多値データ5a
に加算するものである。
【0049】即ち、64階調の多値データ5aにS階調
のランダムデータ21aを加算して階調数を1/2倍す
る場合、図5(b)に示すように、偶数値の多値データ
5aにはランダムデータ21aが加算されないから、例
えば階調レベル30は階調数の1/2倍によって階調レ
ベル15となり、また、階調レベル32は階調数の1/
2倍によって階調レベル16となる。これに対し、階調
レベル30,32間にある奇数値である階調レベル31
は、−1か+1のランダムデータ21aがランダムに加
算されて1/2倍されるから、−1のランダムデータ2
1aがランダムに加算されたときには、階調数の1/2
倍により、階調レベルが(31−1)/2=15とな
り、また、+1のランダムデータ21aがランダムに加
算されたときには、階調数の1/2倍により、階調レベ
ルが(31+1)/2=16となる。即ち、もとの64
階調数での奇数値の階調レベルの多値データは、ランダ
ムデータ21aの加算により、もとの64階調数の1/
2倍の32階調数では、2つの階調レベルにランダムに
分配されることになる。このため、平均すると、等価的
にこれら2つの階調レベルの間の階調レベルが設定され
ていることになり、従って、もとの64階調が等価的に
保持されていることになる。
【0050】なお、階調数減算処理が小数点以下の切り
捨てを行なう場合、この切り捨ては−1を加算して1/
2倍したことと結果的には等しい。従って、実際には、
−1のランダムデータとして生成する必要がない。
【0051】以上のことから、T(但し、T<N)階調
に減算された濃度レベルを表わす多値データを、T階調
誤差拡散処理に基づく以下に説明する中間調処理を施し
た場合、T階調の多値データは、擬似的にN階調を保存
していることから、中間調処理により得られる階調数は
擬似的にN階調(面積階調)を得ることが容易に可能と
なる。
【0052】加算部9では、階調数変換部18から出力
される33階調(=0〜+32)の多値デ−タ18a
と、後述するように、総和の階調数が−15〜+15と
なる階調を表わす演算部11〜13により得られる補正
処理された周辺画素の2値量子化誤差のデ−タ11a〜
13aとが加算され、階調(=−15〜+47)の多値
デ−タ9aが得られる。
【0053】リミッタ部10では、加算部9により得ら
れた多値デ−タ9aの階調(=−15〜+47)で、出
力階調の上限値として階調(=46)と下限値として階
調(=−15)とが設けられ、多値デ−タ9aのこの上
限値を超えた値はこの上限値とし、また、多値デ−タ9
aのこの下限値を下回る値はこの下限値とすることによ
り、値の範囲が−15〜+46に制限された多値データ
10aが得られる。このようにして得られた多値デ−タ
10aが2値量子化部16と2値量子化誤差算出部17
とに供給される。
【0054】以下では、T階調(T=32)で表わされ
る多値デ−タを上記のように2値デ−タに変換する2値
化処理に際して、この2値化処理での量子化誤差を2値
量子化誤差としてT階調(=32)で算出し、これを周
辺画素の多値デ−タに分割することにより、2値化によ
って得られる平均濃度レベルが擬似的にT階調(=3
2)となるように表わすT階調誤差拡散処理を行なうも
のである。
【0055】図1の各部の動作を説明する前に、まず、
かかるT階調誤差拡散処理方式を図6により説明する。
【0056】同図において、2値化処理する注目画素を
画素P(0)として、図2での前ラインの画素L
(0)、L(1)の夫々のT階調(=32)で表わされ
る2値量子化誤差をE01、E02とし、また、図2で
の着目ラインの画素P(−1)のT階調(=32)で表
わされる2値量子化誤差をE10とする。
【0057】この場合、図6(a)に示すように、着目
ラインの前画素P(−1)の2値量子化誤差E10を補
正係数αで補正し、2値化処理する注目画素P(0)の
濃度レベルに加算する。これと同時に、前ラインの画素
L(0)、画素L(1)の2値量子化誤差E01、E0
2を夫々補正係数β、γで補正し、注目画素P(0)の
濃度レベルに加算する。換言すると、図6(b)に示す
ように、注目画素P(0)の2値量子化誤差をE11と
すると、この2値量子化誤差E11を補正係数α,β,
γで補正したものが周辺画素に分配されることになる。
これにより、2値量子化誤差は周辺画素に拡散され、量
子化前後での画像の平均濃度を一致させることができ
る。演算部11〜13により、かかる2値量子化誤差E
10、E01、E02を補正係数α、β、γで補正処理
を行ない、加算部9に供給する。
【0058】2値量子化部16では、リミッタ部10に
より出力制限された注目画素P(0)に対する多値デ−
タ10a(階調=−15〜47)が、その濃度レベルに
応じて、最小濃度レベル(白)か、最大濃度レベル
(黒)かの2値デ−タ16aに変換されて出力される。
つまり、所定の閾値th(階調=16)を設けて、多値
デ−タ10aの濃度レベルとこの閾値thとの大小比較
を行なう。ここで、濃度レベルが閾値thに等しいか大
きい場合に黒と判定して値1とし、また、閾値thより
小さい場合には白と判定して値0とする2値デ−タ16
aを出力する。
【0059】また、2値量子化誤差算出部17では、2
値量子化部16からの2値デ−タ16aに基づいて、多
値デ−タ10aに対する2値量子化誤差がT階調で算出
される。この算出法としては、2値量子化部16からの
2値デ−タ16aが白であるならば、リミッタ部10か
らの多値デ−タ10aの値を2値量子化誤差17aと
し、黒であるならば、多値デ−タ10aの値から最大濃
度レベル(=31)を差し引いた値を2値量子化誤差1
7aとする。この場合、2値量子化誤差17aの取り得
る値の範囲は−15〜+15であり、従って、2値量子
化誤差17aは正負の符号も含めて5ビットで表わされ
る。このことから、上記のように、T=32と規定され
る。
【0060】記憶媒体19では、2値量子化誤差算出部
17により各画素に対して得られたT階調(=32)で
表わされる2値量子化誤差17aを、少なくとも1ライ
ン分記憶保持する。また、2値化を施すべき注目画素P
(0)の次の画素P(1)に対向する前ラインの画素L
(1)について、その2値量子化誤差17aを記憶媒体
19より読み出して出力E02する。
【0061】以上のようにして、図6(a)での2値量
子化誤差E02が得られるが、次に、他の2値量子化誤
差E01、E10とこれらの誤差拡散処理について説明
する。
【0062】図2に示す着目ラインでの画素P(−1)
が注目画素であるときには、上記の処理によって求めら
れた前ラインの画素L(0)のT階調(=32)で表わ
される2値量子化誤差が記憶媒体19から読み出され、
この画素P(−1)のために使用されるのであるが、次
に、画素P(0)が注目画素になると、この前ラインの
画素L(0)の2値量子化誤差が2値量子化誤差E01
として記憶媒体19から読み出され、遅延部15で1画
素分遅延されてから演算部12に供給される。また、こ
れに続いて、先の前ラインの画素L(1)の2値量子化
誤差が記憶媒体19より2値量子化誤差E02として読
み出され、演算部13に供給される。また、着目ライン
の画素P(−1)が注目画素であったときに、2値量子
化誤差算出部17から得られた2値量子化誤差17a
は、遅延部14で1画素分遅延されてから演算部11に
供給される。これら遅延部14、15により、2値量子
化誤差E10、E01、E02は同じタイミングにな
る。
【0063】演算部11は2値量子化誤差E10に拡散
係数αを乗じ、演算部12は2値量子化誤差E01に拡
散係数βを乗じ、演算部13は2値量子化誤差E02に
拡散係数γを乗ずる。但し、α+β+γ≦1である。こ
のように処理されて演算部11,12,13から得られ
る補正デ−タ11a,12a,13aは加算部9に供給
され、注目画素P(0)に対する多値デ−タ18aに加
算される。即ち、注目画素P(0)が周辺画素(L
(0),L(1),P(−1))からの2値量子化誤差
によって補正された多値デ−タ9aが得られる。
【0064】2値量子化部16で得られた注目画素P
(0)に対する2値デ−タ16aは出力端子20から出
力される。このような2値デ−タ16aが各ラインの画
素毎に順次得られる。
【0065】以上のことから、この実施例においては、
次のような効果が得られる。
【0066】N階調で表わされる多値デ−タ2aをT階
調(=32)誤差拡散処理に基づいて2値化処理を行な
う場合、T階調に精度が落とされた状態で2値量子化誤
差が拡散されることから、得られる階調数は最大でもT
階調である。しかしながら、上記のように、画素位置に
従うランダムデ−タ21aを発生させ、N(=64)階
調で表わされる多値デ−タ5aに加算することにより、
例えば、読取原稿で同一濃度の領域を読み取った場合で
あっても、中間調処理ブロックに入力される多値デ−タ
の値は加算したランダムデ−タのS(=2)階調分変動
し、誤差拡散処理により表現階調数の増大化が可能にな
る。
【0067】また、本来、階調数変換部18で切り捨て
られる多値デ−タの成分は、ランダムデ−タ21aの加
算処理により、切り上げあるいは切り下げ処理がなさ
れ、誤差拡散処理での有効成分として機能させることが
可能となる。これにより、擬似的にN階調の2値量子化
誤差を拡散することができることから、T階調誤差拡散
処理に基づく中間調処理を施したとしても、表現できる
階調数は擬似的にN階調を得ることができる。一方、画
像内の任意の領域内で加算するランダムデ−タの総和は
零となるように発生させるため、読取原稿の読取濃度レ
ベルはそのまま保存される。
【0068】さらに、T階調の誤差拡散処理を行なうこ
とから、演算処理系や、前ライン画素の2値量子化誤差
を記憶保持するために必要な記憶媒体の容量も、1画素
あたりT階調分で済むことから、その分回路規模を小さ
くすることが可能となる。
【0069】さらに、T階調誤差拡散処理のみでは、2
値量子化誤差を拡散する際に拡散方向あるいは拡散係数
を固定させると、読取原稿の特定濃度に対し、誤差拡散
処理の周期性が発生することによってテクスチャ(特定
模様)を発生させてしまい、画質劣化の要因となってし
まう問題があるが、上記のように、ランダムデ−タを多
値デ−タに加算させることにより、誤差拡散処理の周期
性の発生を押さえることが容易となり、この結果、テク
スチャの発生を防止し、得られる2値画像の高画質化が
容易に可能となる。
【0070】なお、この実施例では、ランダムデ−タの
発生例として図4(a)を用いて示したが、勿論これに
限るものではなく、他の発生方法、例えば図4(b)に
示すように、発生するランダムデ−タの値を+1と−1
とをライン単位で切り替える(勿論、所定領域内でのラ
ンダムデ−タの総和は零)ようにしてもよいし、あるい
は図4(c)に示すように、2画素毎に発生(勿論、所
定領域内でのランダムデ−タの総和は零)させるように
してもよく、さらには、ランダムデ−タの発生方法ある
いはランダムデ−タの階調数を切り替えるようにしても
よく、同様な処理により同様な効果を得られることはい
うまでもない。
【0071】また、この実施例では、階調数を1/2倍
に変換し、また、生成されるランダムデータの値を+
1,−1としたが、勿論これのみに限るものではなく、
階調数の減算数に従うランダムデータを生成し、N階調
で表わされる多値データに加算することにより、階調数
減算処理後に得られる多値データが、擬似的にN階調を
保存させることにより、同様な処理により同様の効果が
得られることはいうまでもない。
【0072】さらに、多値デ−タにランダムデ−タを加
算する位置として、一手法のみ示したが、勿論、他の多
値デ−タ領域、あるいはセンサにより読み取られた濃度
レベルを表わす電圧レベルにアナログ的にランダムデ−
タ成分を加算するようにしてもよく、同様な処理により
同様な効果を得られることはいうまでもない。
【0073】さらに、この実施例では、階調数を限定し
て示したが、勿論これに限るものではなく、他の階調数
であっても全く問題はなく、同様な処理により同様な効
果を得られることはいうまでもない。
【0074】さらに、誤差拡散処理を行なう際に対象と
する領域及び誤差拡散方向として、一手法のみ示した
が、勿論この限りではなく、他の対象領域あるいは拡散
方向とした場合であっても、同様な処理により同様な効
果を得られることはいうまでもない。
【0075】さらに、多階調で表わされる読取原稿の濃
度レベルを擬似的に表現する手法として、誤差拡散処理
を用いた場合について示したが、勿論これに限らず、他
の手法、例えば、T階調のディザ方式を用いた場合であ
っても、同様な処理により同様な効果を得られることは
いうまでもない。
【0076】さらに、この実施例では、ハ−ドウエア構
成による処理方式を用いて達成する場合について一例を
示したが、構成方式あるいは構成要素をこれに限るもの
ではない。
【0077】さらに、本発明に基づく処理方式をソフト
ウエア処理を用いた構成により同様な効果を得られるこ
とはいうまでもない。
【0078】図7は本発明による2値化装置の第2の実
施例を示すブロック図であって、100は原稿読取セン
サ、101はシェ−ディング補正部、102は周辺画素
の濃度レベルをもとにして、注目画素が文字・線画等の
2値画像領域の画素か、文字・線画等の輪郭部に位置す
る画素か、あるいは写真等の多値画像領域の画素かを判
別し、同時に、多値画像領域である場合には多値画像領
域性の度合いを求める像域判定部、103,104はγ
補正部、105は注目画素と周辺画素の濃度レベルをも
とに線画のエッジ部を強調するエッジ強調部、106は
注目画素と周辺画素の濃度レベルをもとに注目画素の濃
度レベルを平滑化する平滑化処理部、107は平滑化部
106とエッジ強調部105との濃度レベルを像域判定
部102の判定結果に応じた所定の割合で混合する混合
部、108は多値デ−タを濃度レベルに応じて2値デ−
タ(例えば、白,黒)に変換する2値量子化部、109
は選択部であり、図1に対応する部分には同一符号を付
けている。
【0079】図7において、原稿読取センサ100は読
み取る読取原稿の濃度レベルを表わす画像信号100a
を出力する。この原稿読取センサ100はCCDセンサ
や密着型センサ等であって、多階調の画像を1次元的に
横方向(主走査方向)に走査しながらこの主走査方向と
は直行する方向(副走査方向)に順次移動することによ
り、この画像の多階調の濃度レベルを読み取り、この濃
度レベルに応じた電圧レベルの信号を画像信号100a
として出力する。
【0080】この画像信号100aは、A/D変換部2
により、画素単位にサンプリングされて濃度レベルを表
わす多値のディジタルデ−タ(多値デ−タ)2aに変換
される。この場合、多値デ−タ2aは濃度レベルをN階
調(ここでは、64階調、即ちレベル0〜63の階調)
の分解能を表わし、従って、6ビットのディジタルデ−
タとする。また、濃度レベルの高い側が黒側に、低い側
が白側に夫々に割り当てられる。
【0081】なお、画素とは、図2に示したように、画
像をラインセンサの主走査方向、副走査方向に均等に細
分化した個々の領域として定義する。
【0082】ここで、各画素に対する2値化処理の処理
順として、図1に示した実施例での処理順と同様に行な
うものとする。
【0083】次に、この実施例の2値化処理動作を説明
する。
【0084】まず、シェ−ディング補正部101では、
原稿読取センサ100の画素の感度バラツキや原稿を照
射する光源のムラを補正する。このため、シェ−ディン
グ補正部101では、予め原稿読取センサ100で白基
準原稿を読み取って、量子化された1ライン分の画像デ
−タ(シェ−ディング波形という)を記憶しておき、こ
のシェ−ディング波形をもとに、原稿のライン上(主走
査上)の位置に対応して、読取画素の量子化値(濃度レ
ベル)を補正する。
【0085】記憶媒体3では、シェ−ディング補正部1
01からの補正されたN(=64)階調、つまり、6ビ
ットで表わされる多値デ−タ101aが画素単位で少な
くとも2ライン分記憶保持される。この場合、原稿読取
センサ100からの読出し画素位置に相当する前2ライ
ンの画素の多値デ−タとして、夫々前ラインの多値デ−
タ3aと前々ラインの多値デ−タ3bを出力する。ここ
で、この実施例では、図8(a)に示すように、多値デ
−タ3bのラインを着目ラインとし、多値デ−タ3aの
ラインを着目ラインに対する前ラインとし、多値デ−タ
101aのラインを着目ラインに対する次ラインとす
る。
【0086】γ補正部103では、シェ−ディング補正
部101により補正処理されたN(=64)階調の多値
デ−タ101aと記憶媒体3より読み出された前2ライ
ンの多値デ−タ3a,3bの夫々について、入力の濃度
レベルに応じてγ補正処理を行ない、6ビット精度の多
値デ−タ103a〜103c(図7では指示せず)を出
力する。
【0087】このγ補正処理方法としては、例えば、6
ビットで表わされる入力多値デ−タで、各々の値に対応
する6ビットの多値デ−タで表わされるγ補正結果をテ
−ブルデ−タとし、このテ−ブルデ−タを例えばROM
に予め記憶しておき、γ補正処理時、ピ−ク補正された
6ビットで表わされる多値デ−タをROMのアドレスと
して入力させることにより、入力値に対応するγ補正処
理結果を出力するようにしたROMテ−ブル方式により
実現できる。その変換テ−ブルの一例を図3に示す。
【0088】図3において、横軸に入力多値デ−タをと
り、縦軸に入力に対応するγ補正結果をとっている。入
力デ−タに対するγ補正結果としては、例えば、リニア
特性を有する変換処理を行なうテ−ブルデ−タ1と、読
取原稿の濃度レベルが高い側の領域では、センサ出力特
性である暗出力歪特性あるいはラインセンサの光源によ
る迷光成分を無視できず、正しく濃度レベルを反映でき
ないことから、入力の濃度レベルが高い側の特定領域に
ついて、そのγ補正処理として黒ベタにするようにし、
また、濃度レベルの低い側の特定領域については、地濃
度成分とみなして白ベタとなるようにしたテ−ブルデ−
タ2とを用意する。
【0089】また、センサ出力特性は、濃度レベルに対
して必ずしもリニア出力特性とはならない。このことか
ら、センサ出力の濃度レベルに対する出力特性を予め調
べ、センサ出力の非リニア特性を補正するテ−ブルデ−
タを用意し、γ補正処理を行なうことにより、γ補正の
結果として、濃度レベルに対し、リニア出力特性を得ら
れるようにしてもよい。
【0090】γ補正部104では、記憶媒体3から読み
出された前2ラインの多値デ−タ3a,3b及び多値デ
−タ101aの夫々について、入力の濃度レベルに応じ
てコントラスト調整を行なう。これは、多値画像の濃度
特性や2値化により得られる画像のメリハリなどを考慮
してγ補正特性をγ補正部103で述べたのと同様な処
理方式により実現する。γ補正部104による補正結果
は、平滑化部106へ供給される。
【0091】ここでは、γ補正テ−ブルをROMを用い
て行なうものとしたが、勿論これに限らず、他の記憶手
段、例えばRAMなどを用いることにより、テ−ブルデ
−タを適応的に書き換え、より細かなγ補正処理を行な
うようにしてもよい。
【0092】エッジ強調部105では、γ補正部103
により得られる多値デ−タ103c(次ライン)、多値
デ−タ103b(着目ライン)及び103a(前ライ
ン)に対し、図8(c)に示すように、ハッチを施した
注目画素とその周辺画素の濃度レベルに対して、重み係
数a,b,c,d,e,f,g,h,iを定め、各々対
応する多値デ−タとの積和演算により注目画素P(0)
の濃度レベルを決定し、N(=64)階調で表わされる
多値デ−タ105aを出力する。
【0093】ここで、上記重み係数は、注目画素P
(0)に対して正の値eを与え、周辺画素に対しては負
の値a,b,c,d,f,g,h,iの値を与え、これ
ら重み係数の和が1となるように配分する。これによ
り、周辺画素と注目画素P(0)の濃度レベルの差が大
きいときには、その差をより強調し、結果として線画な
どの画像境界部が強調される。
【0094】平滑化部106は、γ補正部104で補正
処理された多値デ−タ104c(次ライン),多値デ−
タ104b(着目ライン)及び104a(前ライン)を
用いて、図8(b)に示すように、ハッチを施した注目
画素P(0)とその周辺画素の濃度レベルに対し、重み
係数a,b,c,d,e,f,g,h,iを定め、多値
デ−タの積和演算により注目画素P(0)の濃度レベル
を決定し、N階調(=64)で表わされる多値デ−タ1
06aを出力する。
【0095】ここで、これら重み係数は注目画素P
(0)及び周辺画素に対して正の値であり、重み係数の
和が1となるように配分する。これにより、画素単位の
濃度レベルの変化が滑らかになるように平滑化する。こ
の平滑化の度合いは重み係数の与え方によって異なる。
【0096】なお、平滑化のフィルタの周辺画素の領域
は、図8(b)に限定されるものではなく、網点により
なる多値画像の場合には、その網点の周期をカバ−する
周辺画素領域を用いて、網点周期内の平均濃度を検出す
るように平滑化する必要がある。ここでは、便宜上、原
理を示すため、図8(b)のような3×3画素領域とし
た。
【0097】像域判定部102での処理として、例え
ば、図9に示すように、注目画素P(0)に対する周辺
画素で、注目画素P(0)の上部に位置する前ラインで
の画素L(0)を挾む2画素L(−1),L(1)と、
注目画素P(0)の下部に位置する後ラインでの画素V
(0)を挾む2画素V(−1),V(1)の4画素の濃
度レベルに着目し、注目画素P(0)との濃度レベルの
差分値を以下のように求める。
【0098】次式のように、主走査方向に位置する2画
素L(−1),L(1)の濃度レベルの平均値と注目画
素P(0)の濃度レベルの差分値Δ1(絶対値)を求め
る。 Δ1=|(L(−1)+L(1))/2−P(0)| また、次式のように、主走査方向に位置する2画素V
(−1),V(1)の濃度レベルの平均値と注目画素P
(0)の濃度レベルの差分値Δ2(絶対値)を求める。 Δ2=|(V(−1)+V(1))/2−P(0)| また、次式のように、副走査方向に位置する2画素L
(−1),V(−1)の濃度レベルの平均値と注目画素
P(0)の濃度レベルの差分値Δ3(絶対値)を求め
る。 Δ3=|(L(−1)+V(−1))/2−P(0)| また、次式のように、副走査方向に位置する2画素L
(1),V(1)の濃度レベルの平均値と注目画素P
(0)との濃度レベルの差分値Δ4(絶対値)を求め
る。 Δ4=|(L(1)+V(1))/2−P(0)|。
【0099】読取り原稿の濃度レベルは文字・線画の境
界部で変化が大きいことを利用し、注目画素と周辺画素
間との差分値により、画像の輪郭部の検出を行なうこと
が可能である。そこで、全画素を対象として求めた画素
間の差分値の分布などから、輪郭部とそれ以外の部分と
を分離する最適な値を統計的に決定し、これを所定値d
thとして定める。この後、画素間の差分値と所定値d
thとの比較により画像の輪郭部であるか否かの判定を
行なうものとする。この結果、上記差分値Δ1〜Δ4の
うち、上記所定値dthより大となる差分値が存在する
場合には、注目画素P(0)は画像の輪郭部に位置して
いると判定し、像域判定結果を出力102aする。
【0100】ここで、2画素間の濃度レベルの平均値と
注目画素との濃度レベル差により領域判定を行なうの
は、網点画像の網点の黒と網点間の白の濃度レベル変化
を2値画像領域と誤判定するのを避けるためである。
【0101】また、多値画像領域部に属すると判定する
場合、濃度レベル差の度合いから、多値画像領域性の度
合い(2値画領域と多値画像領域との遷移部分処理)1
02b〜102dを同時に定める。
【0102】ここで、濃度レベルの差分値を算出するた
めの多値デ−タとして、シェ−ディング補正部101に
よるシェ−ディング補正処理後の多値デ−タを用いた
が、平滑化処理、あるいはエッジ強調処理後の多値デ−
タ、例えば、上記網点周期を考慮した平滑化処理後の多
値デ−タを用いることにより、像域判別精度を高めるよ
うにしてもよい。
【0103】なお、像域判定は、上記の方法に限られる
ものではなく、各種の判定方法を用いることができる。
例えば、特開平2−292956号公報や特公平3−6
2355号公報に記載のように、網点周期性に着目し
て、まず、網点領域を検出し、その後、特開昭58−1
15975号公報に記載のように、文字・線画と写真画
(網点画像を除く)の濃度レベルの変化量と変化の頻度
の差を利用して文字・線画と写真画とを判別し、結果と
して、文字・線画の2値画像領域と写真(網点画像を含
む)などの多値画像領域とを判別するようにしてもよ
い。
【0104】混合部107では、平滑化部106で平滑
化された多値デ−タ106aと、エッジ強調部105に
より文字・線画などの画像境界部が強調された多値デ−
タ105aとに対し、像域判定部102からの多値画像
領域性の度合いを表わす出力102cにより定める重み
係数として、多値デ−タ106aに対する重み係数を
t、多値デ−タ105aに対する重み係数をu(但し、
t+u=1、t≧0、u≧0)で加重平均を行ない、N
(=64)階調で表わされる多値デ−タ107aを注目
画素P(0)に対する濃度レベルとして出力する。
【0105】ここで、2値画領域ではエッジ強調された
値を、多値領域では平滑化された値を夫々出力し、さら
に、2値画領域と多値画領域との中間部領域では、上記
の求めた多値画像領域性の度合い出力102cに応じ
て、2値画領域に近い場合には重み係数をt≦uに、ま
た、多値画像領域に近い場合にはt>uに夫々定めるよ
うにして、注目画素P(0)に対する多値データ107
aの濃度レベルを決定する。
【0106】一方、2値量子化部108では、エッジ強
調部105からのN(=64)階調の多値デ−タ105
aを所定の閾値thとして、例えばth=32を与え、
閾値thとの大小比較を行ない、多値デ−タ105aが
閾値thに等しいか、大なる場合に黒(1)とし、それ
以外の場合に白(0)とする2値化処理を行ない、2値
化結果を2値データ108aとして出力する。
【0107】以上の処理により、得られたN(=64)
階調で表わされる多値デ−タ107aに対し、加算部6
〜記憶媒体19で上記第1の実施例と同様の処理がなさ
れ、2値量子化部16からT階調の誤差拡散処理に基づ
く中間調処理による2値化データ16aが得られる。
【0108】ここで、γ補正部104でγ補正された着
目ライン104bの着目画素P(0)の値が奇数のとき
のみ、上記第1の実施例のように、出力制御部21を動
作させてランダムデータ発生部8からのランダムデータ
8aを加算部6に供給する。
【0109】なお、ランダムデ−タ発生部8では、図1
に示した実施例と同様にして、ランダムデ−タを発生す
るようにしてもよいが、像域判定部102により多値画
像領域性の度合いを表わす出力102dにより、発生さ
せるランダムデ−タの値を可変させるようにしてもよ
い。例えば、階調が変化する領域(境界部)に注目画素
P(0)が位置する場合、ランダムデ−タを発生させな
いようにし、過度の中間調表現により、画像の境界部が
“ボケ”てしまうことを防止するようにしてもよい。ま
た、像域にあわせてランダムデ−タの発生パタ−ンを変
化させるようにしてもよい。もっとも、ランダムデ−タ
発生部8では、ランダムデ−タを常時発生させるように
し、像域判定部102からの多値画像領域性の度合いを
表わす出力102dにより、加算部6において、ランダ
ムデ−タの加算を行なうか否かの制御を行なうようにし
てもよい。
【0110】また、周辺画素からの2値量子化誤差値の
収束を行なう場合、上記のように、周辺3画素の2値量
子化誤差を対象とし、夫々に固定の補正係数α,β,γ
を乗算演算を行なうことで補正処理する場合についての
み示したが、乗算演算の代わりに、ルックアップテ−ブ
ル方式により同様の処理を達成することは容易に可能で
あり、補正係数を固定する場合に比べ、補正処理をより
細かく制御することが可能である。例えば図10に示す
ように設定することにより、誤差収束条件を適応的に設
定することが可能となる。例えば、2値量子化誤差値の
絶対値が小さい場合、変換時に多少なりとも値が出力す
るようにテ−ブルデ−タを設定することにより、2値量
子化誤差値が累積されないことを防止し、誤差拡散処理
の立上りや収束を制御することが容易に可能となる。ま
た、テ−ブルデ−タを最適化することにより、疑似的に
中間調で表される出力2値画像中に、テクスチャ(特定
模様)などの弊害の発生を少なくすることが可能とな
る。
【0111】一方、入力信号の濃度レベルに従い、最大
濃度レベル63あるいは最小濃度レベル0ならば、周辺
画素からの2値量子化誤差値を収束させないように補正
係数α,β,γを夫々設定することにより、最大濃度レ
ベル領域あるいは最小濃度レベル領域への変化点境界部
(輪郭部)において、2値化後得られる画像の境界部の
“ボケ”を防止することが容易に可能となる。もっと
も、補正係数α,β,γで制御せず、加算部9におい
て、周辺画素からの2値量子化誤差値を加算するか否か
の制御を行なうようにしてもよい。
【0112】選択部109は、像域判定部102の像域
判定結果102aに応じて、注目画素P(0)が明らか
に文字・線画領域に位置すると判定された場合には、2
値化結果として2値化デ−タ108aを選択し、また、
注目画素P(0)が明らかに網点・写真画領域に位置す
ると判定された場合には、2値化結果として2値化デ−
タ16aを選択し、2値データ109aとして出力端子
20から出力する。
【0113】以上のようにして、この実施例では、注目
画素P(0)の位置する領域を周辺画素との関係から像
域判定し、像域判定結果に従って2値化処理を行なうこ
とにより、ランダムデ−タの発生方式や、2値量子化誤
差拡散方法を適応的に制御することが可能となり、より
高画質な2値画像を得ることが容易に可能となる。ま
た、読取原稿が文字・線画領域である場合には、中間調
処理を施さない2値化結果を得ることから、画像の輪郭
部を保存した高画質な2値画像を得ることが可能であ
る。
【0114】ここで、図7に示した実施例に基づく2値
化処理装置を画像読取装置の読取部に適用することによ
り、小規模な回路構成でもって、高画質・高階調な読取
画像を得ることができるし、また、複写装置(例えばコ
ピー装置)の読取部に適用することにより、小規模な回
路構成でもって、高画質・高階調な出力画像を得ること
ができる。
【0115】図11は送信原稿を読み取る図7に示した
実施例を読取画像信号処理部とし、これに符号化部11
0,モデム111,NCU(Network Control Uni
t)112及び回線113を付加したものであり、文字
・線画や写真画などの送信原稿から読み取った多値デ−
タを2値デ−タとし、この2値デ−タをMH符号化ある
いはMR符号化等によりデ−タ圧縮を行なう符号化を施
した後、蓄積あるいは伝送する画像伝送装置(例えば、
G3規格ファクシミリ装置など)に適用したものであ
る。
【0116】符号化部110では、選択部109により
処理された2値化デ−タをG3規格ファクシミリの1次
元符号化の国際標準方式として採用されているMH符号
化あるいはMR符号化によりデ−タ圧縮する。この符号
化方式は、2値デ−タのラン・レングスの発生頻度に従
って、発生頻度の高いラン・レングスには短い符号語
を、また、発生頻度の低いラン・レングスには長い符号
語を割り当てることにより、デ−タ圧縮を行なうもので
ある。
【0117】圧縮された符号化デ−タはモデム122に
より変調され、NCU112を介して回線113に出力
する。
【0118】かかる構成によれば、注目画素P(0)の
位置する領域を周辺画素との関係から像域判定し、像域
判定結果に従って2値化処理を行なうことにより、ラン
ダムデ−タの発生方式や2値量子化誤差拡散方法を適応
的に制御することが可能となり、より高画質な2値画像
を得ることが容易に可能となる。
【0119】また、読取原稿が文字・線画領域である場
合には、中間調処理を施さない2値化結果が得られるこ
とから、画像の輪郭部を保存した高画質な2値画像を得
ることが可能である。このため、文字・線画領域では、
所定の閾値thとの大小比較によって2値化されること
から、得られる2値化デ−タはほとんどが連続的な値と
なり、符号化部110での符号化方式に適してデ−タの
圧縮率が向上し、さらには、伝送デ−タ量がいたずらに
増大化することを防止することが可能となる。
【0120】またファクシミリ装置の送信側で高画質化
処理を行なうため、上記実施例に基づく高画質化処理を
有さない他のファクシミリ装置で受信した場合であって
も、高画質な2値画像を得ることが可能である。
【0121】さらにまた、この実施例では、ハ−ドウエ
ア構成による処理方式を用いたものであるが、構成方法
あるいは構成要素はこれに限るものではないし、処理方
式をソフトウエア処理を用いた構成にすることもでき、
上記と同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
読取原稿が多値画像領域であった場合に、T階調誤差拡
散処理回路を用いても、表現できる階調数はN階調(T
<N)以上となる中間調表現を可能とし、さらに、画質
劣化を引き起こす要因であるドット列びの固定パタ−ン
化を防止することを可能せしめることから、テクスチャ
などの弊害の発生が少ない高画質・高階調な2値画像を
小規模の回路構成及びメモリ容量で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による2値化装置の一実施例を示すブロ
ック図である。
【図2】図1に示した実施例での処理しようとする注目
画素とこの処理に必要な他の画素との領域を示す図であ
る。
【図3】図1におけるγ補正部の特性図である。
【図4】図1におけるランダムデ−タ発生部が発生する
ランダムデータの具体例を示す図である。
【図5】図1に示した実施例でのランダムデータを用い
たことによる効果を説明するための図である。
【図6】図1に示した実施例の誤差拡散処理を説明する
ための図である。
【図7】本発明による2値化装置の他の実施例を示すブ
ロック図である。
【図8】図7における平滑化部及びエッジ強調部の動作
を説明するための図である。
【図9】図7における像域判定部の動作を説明するため
の図である。
【図10】図7における演算部と加算部の処理と等価な
ルックアップテ−ブル方式による変換テ−ブルの一具体
例を示す図である。
【図11】図7に示した実施例を適用した装置の一実施
例を示すブロック図である。
【図12】従来の2値化装置の一例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 入力端子 2 A/D変換部 3 記憶媒体 4 γ補正部 5 MTF補正部 6 加算部 7 画素数計数部 8 ランダムデ−タ発生部 9 加算部 10 リミッタ部 11〜13 の演算部 14,15 遅延部 16 2値量子化部 17 2値量子化誤差算出部 18 階調数変換部 19 記憶媒体 20 出力端子 100 原稿読取センサ 101 シェ−ディング補正部 102 像域判定部 103,104 γ補正部 105 エッジ強調部 106 平滑化処理部 107 混合部 108 2値量子化部 109 選択部 110 符号化部 111 モデム 112 NCU 113 回線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠田 伸一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中野 修一 茨城県勝田市稲田1410番地 株式会社日立 製作所情報映像メディア事業部内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を読み取って得られる画像信号を画
    素単位でサンプリングしてN階調(但し、Nは正整数)
    の濃度レベルを表わす多値デ−タとし、該多値デ−タを
    2値デ−タに量子化する2値化装置において、 符号を有するS階調(但し、Sは正整数)で表わされる
    ランダムデ−タを生成するランダムデ−タ発生手段と、 N階調で表わされる濃度レベルの多値データの値に応じ
    て、ランダムデータの出力を制御する出力制御手段と、 該多値デ−タに、該出力制御手段によって出力制御され
    る該ランダムデ−タを加算し、(N+S)階調で表わさ
    れる多値デ−タを生成する第1の加算手段と、 (N+S)階調で表わされる該多値デ−タの階調数をT
    階調(但し、Tは正整数であって、T<N)に変換する
    階調数変換手段と、 2値化処理によって得られるドットの並びで、その疎・
    密により擬似的にT階調を表現するようにした中間調処
    理手段と、 を有することを特徴とする2値化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記出力制御手段は、N階調で表わされる濃度レベルの
    前記多値データの値が奇数あるいは偶数であるかに従っ
    て、前記ランダムデータの出力を制御することを特徴と
    する2値化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 読取り順に画素数を計数する画素数計数手段を具備した
    ことを特徴とする2値化装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記ランダムデ−タ発生手段は、前記画素数計数手段に
    よって検出される画素位置に応じた前記ランダムデ−タ
    を発生することを特徴とする2値化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4において、 中間調処理手段は、 2値化後の周辺画素からの2値量子化誤差拡散値を加算
    し、L階調(但し、Lは正整数であって、L≦2T)で
    表わされる多値デ−タを出力する第2の加算手段と、 該第2の加算手段によって得られるL階調の多値デ−タ
    を所定の閾値との大小比較により、白・黒の判定を行な
    う2値量子化手段と、 該2値量子化手段による2値化時に発生した量子化誤差
    をT階調で算出する2値量子化誤差算出手段と、 T階調で表わされる該2値量子化誤差を所定量記憶保持
    する記憶手段と、 該2値量子化誤差算出手段からのT階調で表わされる2
    値量子化誤差と、該記憶手段から読み出されたT階調で
    表わされる2値量子化誤差の各々について、注目画素と
    周辺画素の位置関係から定める誤差拡散係数を乗算する
    ことにより、2値量子化誤差拡散値を生成して該第2の
    加算手段に供給する該演算手段とから構成されたことを
    特徴とする2値化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5の構成に
    より、N階調の多値デ−タの2値量子化時、2値量子化
    誤差をT階調で表わすような中間調処理手段を用いた場
    合であっても、2値画像をN階調以上の階調数で表わす
    ことを特徴とする2値化装置。
  7. 【請求項7】 請求項5において、 前記演算手段は、前記2値量子化誤差算出手段からのT
    階調で表わされる前記2値量子化誤差と前記記憶手段か
    ら読み出されたT階調で表わされる前記2値量子化誤差
    とに夫々毎の重付け係数を乗算し、前記周辺画素の2値
    量子化誤差拡散値を算出することを特徴とする2値化装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項5において、 前記演算手段は、前記2値量子化誤差算出手段からのT
    階調で表わされる前記2値量子化誤差と前記記憶手段か
    ら読み出されたT階調で表わされる前記2値量子化誤差
    との取り得る値に対し、夫々毎の重付け係数を用いて演
    算処理した結果を予め保持し、前記2値化誤差算出手段
    からの前記T階調で表わされる前記2値量子化誤差と前
    記記憶手段から読み出されたT階調で表わされる前記2
    値量子化誤差夫々に対応した演算処理結果を前記周辺画
    素の前記2値量子化誤差拡散値として出力することを特
    徴とする2値化装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、 前記演算手段での前記重付け係数が適応的に可変するこ
    とを特徴とする2値化装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1つにおい
    て、 N階調の前記多値デ−タに前記ランダムデ−タを加算す
    る前記第1の加算手段は、前記多値デ−タの値に応じ
    て、前記ランダムデ−タを加算するか否かを制御するこ
    とを特徴とする2値化装置。
  11. 【請求項11】 画像を読み取って得られる画像信号を
    画素単位でサンプリングしてN階調(但し、Nは正整
    数)の濃度レベルを表わす多値デ−タとし、該多値デ−
    タを2値デ−タに量子化する2値化装置において、 注目画素の該多値デ−タに対して、周辺画素の多値デ−
    タから画像の特徴を検出する像域判定手段と、 注目画素の該多値デ−タと周辺画素の該多値デ−タとの
    値をもとに、注目画素の濃度レベルを平滑化したN階調
    の多値デ−タを生成する平滑化手段と、 注目画素の該多値デ−タと周辺画素の該多値デ−タとの
    値をもとに、線画のエッジ部を強調したN階調の多値デ
    −タを生成するエッジ強調手段と、 該平滑化手段と該エッジ強調手段とによって得られた濃
    度レベルをN階調で表わされる夫々の多値デ−タを、該
    像域判定手段の判定結果に応じて、所定の割合で混合
    し、N階調の多値デ−タを生成する混合手段と、 該エッジ強調手段によって得られた多値デ−タの濃度レ
    ベルと所定の閾値thとの大小比較により、該多値デ−
    タを2値量子化する2値量子化手段と、 該混合手段からのN階調の多値データをT階調(但し、
    Tは正整数であって、T<N)の多値デ−タとし、該T
    階調の多値データを誤差拡散処理に基づいて2値量子化
    する誤差拡散処理手段と、 該像域判定手段の判定結果に応じて、該誤差拡散処理手
    段による2値デ−タと該誤差拡散処理手段による2値デ
    −タとのいずれかを選択する選択手段と、 を有することを特徴とする2値化装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記誤差拡散処理手段は、 2値化後の周辺画素からの2値量子化誤差拡散値を加算
    し、L階調(但し、Lは正整数であって、L≦2T)で
    表わされる多値デ−タを出力する加算手段と、 該第2の加算手段によって得られるL階調の多値デ−タ
    を所定の閾値との大小比較により、白・黒の判定を行な
    う2値量子化手段と、 該2値量子化手段による2値化時に発生した量子化誤差
    をT階調で算出する2値量子化誤差算出手段と、 T階調で表わされる該2値量子化誤差を所定量記憶保持
    する記憶手段と、 該2値量子化誤差算出手段からのT階調で表わされる2
    値量子化誤差と、該記憶手段から読み出されたT階調で
    表わされる2値量子化誤差の各々について、注目画素と
    周辺画素の位置関係から定める誤差拡散係数を乗算する
    ことにより、該2値量子化誤差拡散値を生成して該加算
    手段に供給する演算手段とを有することを特徴とする2
    値化装置。
  13. 【請求項13】 請求項11または12において、 符号を有するS階調(但し、Sは正整数)で表わされる
    ランダムデ−タを生成するランダムデ−タ発生手段と、 N階調で表わされる濃度レベルの前記多値データの値に
    応じて、該ランダムデータの出力を制御する出力制御手
    段と、 前記混合手段からのN階調の多値デ−タに、該出力制御
    手段によって出力制御される該ランダムデ−タを加算
    し、(N+S)階調で表わされる多値デ−タを生成する
    第1の加算手段とを設け、 前記誤差拡散処理手段は、該加算手段からの(N+S)
    階調で表わされる該多値デ−タの階調数をT階調(但
    し、Tは正整数であって、T<N)に変換する階調数変
    換手段とを有することを特徴とする2値化装置。
  14. 【請求項14】 請求項11,12または13におい
    て、 前記像域判定手段は、画像の輪郭部を抽出することを特
    徴とする2値化装置。
  15. 【請求項15】 請求項11〜14において、 前記像域判定手段の判定結果に応じて、前記ランダムデ
    −タ発生手段で生成するランダムデ−タの値を制御する
    ことを特徴とする2値化装置。
  16. 【請求項16】 請求項11〜15において、 前記像域判定手段の判定結果に応じて、前記誤差拡散処
    理手段における2値量子化誤差の拡散方向を定めること
    を特徴とする2値化装置。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか1つに記載
    の2値化装置を、読取画像信号処理部とすることを特徴
    とする画像読取装置。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16のいずれか1つに記載
    の2値化装置を、送信原稿の読取画像信号処理部とする
    ことを特徴とするファクシミリ装置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜16のいずれか1つに記載
    の2値化装置を、読取画像信号処理部とすることを特徴
    とする複写装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005316766A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Sanyo Electric Co Ltd 携帯電話機、並びに、画像変換装置、方法、及びプログラム
US8326032B2 (en) 2008-09-16 2012-12-04 Ricoh Company, Limited Image processing apparatus, image processing method, and computer program product

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