JPH0758953A - 2値化装置及びこれを用いた装置 - Google Patents

2値化装置及びこれを用いた装置

Info

Publication number
JPH0758953A
JPH0758953A JP5161984A JP16198493A JPH0758953A JP H0758953 A JPH0758953 A JP H0758953A JP 5161984 A JP5161984 A JP 5161984A JP 16198493 A JP16198493 A JP 16198493A JP H0758953 A JPH0758953 A JP H0758953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
binary
quantization error
data
gradations
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5161984A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoo Kobori
智生 小堀
Akihiro Asada
昭広 浅田
Koji Imazawa
光二 今沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP5161984A priority Critical patent/JPH0758953A/ja
Publication of JPH0758953A publication Critical patent/JPH0758953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 読取原稿が多値画像領域であっても、小規模
の回路構成及び小容量のメモリ容量でもって高画質な中
間調画像を得る2値化処理を実現する。 【構成】 MTF補正部6からの注目画素の多値データ
に加算部7で加算部9からの2値量子化誤差が加算さ
れ、2値量子化部15で2値化される。2値量子化部1
5の入,出力データの2値量子化誤差が算出部16で求
められ、階調数変換部20で階調数(ビット数)が低減
されてメモリ部24に記憶される。この階調数低減に伴
う誤差は量子化誤差算出部22の量子化誤差で補償され
る。注目画素の1ライン前の周辺画素の2値量子化誤差
がメモリ部24から読み出され、また、注目画素と同じ
ラインの周辺画素の2値量子化誤差を算出部16の出力
2値量子化誤差とする。これら2値量子化誤差は演算部
10〜12と加算部9とで夫々の重みで加算され、加算
部7に供給される2値量子化誤差が生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像を走査して画素単
位にサンプリングを行ない、画像の濃淡階調を多値デ−
タで表わし、濃度レベルに応じて白あるいは黒で2値化
を行ない、画像を表示する読取画像の2値化装置及びこ
れを用いた装置に係り、特に、コピ−装置やファクシミ
リ装置,イメ−ジスキャナ装置等に適用して好適な2値
化装置及びこれを用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の、例えば、ファクシミリ装置で
は、送信側の処理として、画像(送信原稿)の濃度レベ
ルをラインセンサ(CCDセンサ、密着センサ等)によ
ってライン毎に走査し、画素単位に濃度レベルのサンプ
リングを行ない、多値デ−タで画像を表すようにしてい
る。その後、得られた多値デ−タをγ補正処理やMTF
(Modulation Transfer Function)補正処理等によって
補正処理し、しかる後、濃度レベルに応じて白あるいは
黒で2値化を行ない、画像を表示するようにしている。
さらに、2値化されたデ−タを、ファクシミリの標準符
号化方式であるMH(Modified Huffman)符号化ある
いはMR(Modified Relative ElementAddress De
signate)符号化等により、デ−タ圧縮して送信する構
成としている。
【0003】また、読取り画像の性質に合わせて、例え
ば2値画像領域(文字・線画等)と多値画像領域(網点
画・写真画等)夫々に対し、特有の2値化方式を使い分
け、読取り画像をより忠実に再現するような機能を備え
ている。ここで、多値画像領域を表現する手法として、
誤差拡散処理が挙げられる。これは、図16に示すよう
に、2値化時の2値量子化誤差を周辺画素に拡散するこ
とにより、2値化前後での画像の平均濃度を一致させ、
疑似的に中間調で表現することを可能とさせている。
【0004】しかしながら、2値化時の2値量子化誤差
を周辺画素に拡散する際に、隣接する画素間で行なうた
め、2値量子化誤差を少なくとも1ライン分記憶保持し
ておく必要がある。さらに、表現できる諧調数を増や
し、さらなる高画質化を図ろうとした場合、その分各画
素に対する2値量子化誤差の諧調数が増加してしまうこ
とから、記憶保持するために必要となる容量も増大化し
てしまい、結果的に回路規模が増大化してしまうといっ
た問題があった。
【0005】そこで、特開平4ー47760号公報に記
載の技術では、2値量子化誤差を記憶保持するために使
用するメモリを、2値量子化誤差を記憶保持するために
のみ使用するのではなく、他の画像処理手段、例えばM
TF補正処理で用いる多値データを記憶保持するために
使用する分とで切り分けて使用するようにし、これによ
り、読取り画像信号の処理全体で使用するメモリ容量を
小さくすることを可能とさせている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
誤差拡散処理により、多値画像の濃濃度レベルを、例え
ば黒ドットの粗・密で疑似的に多階調で表わすようにし
た2値化処理では、次のような問題があった。
【0007】即ち、M階調で表わされる画像の濃淡階調
を疑似的に多階調で表わすようにする2値化を行なう
際、各画素に対して、上記誤差拡散処理により、疑似的
にN階調(但し、N≦M)で表わすものとすると、例え
ば、注目画素に対して誤差拡散処理を施す場合に、2値
化後の周辺画素の2値量子化誤差に対して注目画素との
位置関係から重付け演算を行ない、注目画素の濃度レベ
ルを表わす多値デ−タに加算した後、所定の閾値との大
小比較によって2値化処理(白・黒判定)を行なう。
【0008】一方、2値化処理前後のN階調で求める2
値量子化誤差を、ラインメモリに記憶させる処理を行な
う。ここで、N階調で表わされる2値量子化誤差をライ
ンメモリに記憶する場合、ラインメモリの容量は1画素
当たり少なくともN階調分記憶できるだけのビット数が
必要である。さらに、階調表現数を増加させると、必要
となるメモリ容量もそれだけ増加してしまい、結果的に
回路規模が増大化してしまうという問題があった。ま
た、2値量子化誤差の記憶保持用の領域を他の異なる処
理と共用する方式とした場合、機能の拡張性が著しく損
なわれてしまうという問題もある。
【0009】本発明の目的は、かかる問題を解消し、誤
差拡散処理によりM階調で表わされる画像の濃淡階調を
疑似的にN階調で表わすようにする2値化処理におい
て、N階調で表わされる2値量子化誤差をメモリに記憶
する際、N階調よりも小さい階調数で記憶するようにし
た場合であっても、得られる2値画像の画質をほとんど
損なうことのない誤差拡散処理を行なうと同時に、メモ
リ容量及び回路規模の増大化を抑えることができるよう
にした2値化装置とこれを用いた装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、入力される各画素に対する濃度レベルで
M階調で表わされる多値デ−タを画素毎に2値化する際
に、2値化を施す画素(注目画素)の多値データに2値
化後の周辺画素からの2値量子化誤差拡散値を加算する
第1の加算手段と、所定の閾値との大小比較により白・
黒の判定を行なう2値量子化手段と、2値化前後におけ
る量子化誤差をN階調で算出する2値量子化誤差算出手
段と、 N階調で表わされる2値量子化誤差を1/T倍
し、K階調で算出する階調数変換手段と、階調数変換手
段の前後で量子化による誤差量を算出する量子化誤差算
出手段と、 得られた誤差量を上記2値量子化誤差に加
算する第3の加算手段と、階調数変換手段によって得ら
れるK階調で表わされる2値量子化誤差を記憶する記憶
手段と、注目画素に対する周辺画素でN階調で表わされ
る2値量子化誤差と、記憶手段から読み出したK階調で
表わされる2値量子化誤差の各々について、注目画素と
周辺画素との位置関係から定める誤差拡散係数を乗算す
る演算手段と、演算手段により得られた2値量子化誤差
の補正結果を加算し、周辺画素からの2値量子化誤差と
して算出する第2の加算手段とを具備する。
【0011】
【作用】M階調で表わされる多値デ−タを画素毎に2値
化する際に、第1の加算手段では、2値化を施す注目画
素の多値データと第2の加算手段により得られる周辺画
素からの2値量子化誤差とが加算される。この加算結果
が2値量子化手段で所定の閾値と大小比較され、白・黒
の判定が行なわれる。2値量子化誤差算出手段では、注
目画素に対する2値化前後での2値量子化誤差がN階調
で算出される。階調数変換手段では、2値量子化誤差算
出手段によって得られた2値量子化誤差が1/T倍さ
れ、K階調(但し、K<N)の2値量子化誤差にされて
出力される。
【0012】一方、量子化誤差算出手段では、階調数変
換手段での量子化による量子化誤差が算出される。第3
の加算手段では、この量子化誤差算出手段で得られた前
画素の量子化誤差と2値量子化誤差算出手段で算出され
た2値量子化誤差とが加算される。記憶手段では、階調
数変換手段により得られたK階調の2値量子化誤差が画
素単位で記憶される。演算手段では、N階調の上記2値
量子化誤差と記憶手段から読み出したK階調の2値量子
化誤差との夫々に、注目画素と周辺画素との位置関係か
ら定める誤差拡散係数が乗算され、2値量子化誤差の補
正値が算出される。第2の加算手段では、この演算手段
により得られた2値量子化誤差の補正結果が加算され、
周辺画素からの2値量子化誤差として算出される。
【0013】以上の処理により、2値量子化誤差がN階
調で算出される一方で、算出された誤差値が記憶される
際には、K階調に階調数が低減させる処理が行なわれて
も、階調数低減によって失なわれた階調分が量子化誤差
算出手段によって算出され、次画素の2値量子化誤差に
加算されるから、2値量子化誤差が切り捨てられること
がない誤差拡散処理が行なわれることになり、2値化に
より得られる疑似階調レベルとしてN階調を確保するこ
とが可能なる。これにより、メモリ手段の記憶容量を少
なくした場合であっても、得られる2値画像の画質を損
なうことがほとんどない誤差拡散処理を達成できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明による2値化処理装置の第1の
実施例を示すブロック図であって、1は入力端子、2は
A/D(アナログ/ディジタル)変換部、3はシェ−デ
ィング補正部、4はγ(ガンマ)補正部、5は記憶媒体
部、6はMTF(Modulation Transfer Function)
補正部、7はデ−タの加算部、8はデ−タの出力制御
部、9は加算部、10〜12は演算部、13,14はデ
−タの遅延部、15は2値量子化部、16は2値量子化
誤差算出部、17は量子化誤差加算部、18は加算部、
19はリミッタ部、20は階調数変換部、22は量子化
誤差算出部、21は遅延部、23は階調数復元部、24
はメモリ部、25は2値デ−タの出力部である。
【0015】図1において、図示しないラインセンサか
ら読み取られた画像の濃度レベルを表わす画像信号1a
が入力端子1から入力される。このラインセンサはCC
Dセンサや密着センサ等であって、多階調の画像を1次
元的に横方向(主走査方向)に走査しながらこの主走査
方向とは直交する方向(副走査方向)に順次移動するこ
とにより、この画像の多階調の濃度レベルを読み取り、
この濃度レベルに応じた電圧レベルの画像信号1aを出
力するものである。この画像信号1aは、A/D変換部
2により、画素単位にサンプリングされて濃度レベルを
表わす多値のディジタルデ−タ(多値デ−タ)2aに変
換される。この場合、この多値データ2aは濃度レベル
をM階調(ここでは、64階調、即ち、0〜63の階
調)の分解能を表わし、従って、6ビットのディジタル
データとする。また、濃度レベルの高い側が黒側に、低
い側が白側に夫々に割り当てられる。なお、画素とは、
図2に示すように画像をラインセンサの主走査方向,副
走査方向に均等に細分化した個々の領域として定義され
る。
【0016】この多値データ2aは、シェ−ディング補
正部3及びγ補正部4で補正された後、かかる多値デ−
タ4aを少なくとも1ライン分記憶する記憶媒体部5と
MTF補正部6とに供給される。また、記憶媒体部5か
ら読み出された多値データ5aはMTF補正部6に供給
される。
【0017】ここで、後の説明上必要なために、図2に
より、各画素に対する2値化処理を行なう順序の原理を
説明する。
【0018】同図において、各区分は画素を示してお
り、主走査方向(横方向)に配列される画素は同じ同じ
ラインの画素を表わしており、ここでは、各ライン5個
ずつ画素を示している。2値化処理は、主走査方向に位
置する画素毎に順次行なわれながら、副走査方向のライ
ン単位に順次行なわれるものとする。この場合、現在2
値化処理が行なわれるべき画素を注目画素P(0)、注
目画素P(0)を含むラインを着目ライン、着目ライン
中で注目画素P(0)を挾む前後の画素を夫々P(−
2),P(−1),P(1),P(2)とし、着目ライ
ンの直前(図面上上側)に位置するライン(2値化処理
済み)を前ラインとし、着目ラインの画素P(−2),
P(−1),P(0),P(1),P(2)に対向する
前ラインの画素を夫々L(−2),L(−1),L
(0),L(1),L(2)としている。また、着目ラ
インの直後(図面上下側)に位置するライン(2値化未
処理)を次ラインとし、着目ラインの画素P(−2),
P(−1),P(0),P(1),P(2)に対向する
画素を夫々V(−2),V(−1),V(0),V
(1),V(2)としている。
【0019】また、この実施例では、6ビット64階調
のA/D変換部2からの多値データ2aは、図3に示す
ように、階調0〜63を取り得るが、この実施例では、
この多値データ2aについてみると、下位の階調0〜3
1を取る多値データ2aは1に、上位の階調32〜63
を取る多値データ2aは0に夫々2値化されることにな
る。
【0020】シェ−ディング補正部3では、ラインセン
サの特性や歪(ディバイス特性)にあわせて、ラインセ
ンサでの各画素の感度が同一になるように補正処理ある
いは読取原稿の地濃度補正を行なう。これは、濃度レベ
ルの変動範囲の最適化処理及び濃度レベルの片寄り防止
処理を行なうものであり、予め白基準信号あるいは黒基
準信号を読み取って量子化された1ライン分の画像デ−
タ(これをシェ−ディング波形という)を記憶してお
き、このシェ−ディング波形をもとに、原稿のライン上
(主走査上)の位置に対応して、読取り画素の量子化値
(濃度レベル)を補正するものである。
【0021】また、γ補正部4では、シェ−ディング補
正部3によって補正処理された多値デ−タ3aを、図4
に示すように、γ補正処理することにより、コントラス
ト調整するものである。
【0022】記憶媒体部5では、γ補正部4からの6ビ
ットの多値デ−タ4aを画素単位に1ライン分記憶保持
する。この場合、各画素に対するビット数を少なくして
(例えば5ビット/画素として)記憶するようにしても
よい。また、ラインセンサからの読出し画素で2値化処
理を施す画素(図2の注目画素P(0))の位置に対応
する前ラインの画素に対する多値デ−タ5aを再生して
出力する。
【0023】MTF補正部5では、ラインセンサのMT
F特性の補正処理を行なう。この処理は、図5に示すよ
うに、画像上の5×2画素の領域を対象領域とし、γ補
正部4からの多値デ−タ4a(下の列の3個の多値デー
タ)と記憶媒体部5からの前ラインの画素の多値デ−タ
5a(上の列の5個の多値データ)とに夫々図示する補
正係数a,b,c,d,e,g,h,iを乗じ、かかる
補正係数を乗じた多値データを加算する演算を行なう。
これにより、注目画素P(0)のMTF補正処理が行な
われたことになる。また、補正係数を、例えば、 a=−1/2、b=−1/2、c=1、d=−1/2、
e=−1/2、g= 1/2、h=1、i= 1/2 とすることにより、多値画像領域(例えば、網点・写真
画等)において、画素毎の濃度レベルの変化が滑らかに
なるような平滑化処理が行なわれる。
【0024】MTF補正部6から出力される多値デ−タ
6a(階調0〜63)は加算部7に供給され、後述する
ように階調(=−31〜31)を表わす出力制御部8か
らの補正処理された周辺画素の2値量子化誤差のデ−タ
8aと加算され、階調(=−31〜94)の多値データ
7aが出力される。この多値データ7aは2値量子化部
15と2値量子化誤差算出部16とに供給される。
【0025】以下では、M階調(M=64)で表される
多値デ−タを上記のように2値デ−タに変換する2値化
処理に際して、この2値化処理での量子化誤差を2値量
子化誤差として算出し、これを周辺画素の多値デ−タに
分配することにより、平均濃度レベルが疑似的にN階調
(ここでは、N=64)となるように表わす誤差拡散処
理を行なうものである。
【0026】図1の各部の動作を説明する前に、まず、
かかる誤差拡散処理方式を図6により説明する。
【0027】同図において、2値化処理する注目画素を
画素P(0)として、図2での前ラインの画素L
(0),L(1)夫々の2値量子化誤差をE01,E0
2とし、また、図2での注目ラインの画素P(−1)の
2値量子化誤差をE10とする。この場合、図6(a)
に示すように、着目ラインの前画素P(−1)の2値量
子化誤差E10を補正係数αで補正し、2値化処理する
注目画素P(0)の濃度レベルに加算する。これと同時
に、前ラインの画素L(0),画素L(1)の2値量子
化誤差E01,E02を夫々補正係数β,γで補正し、
注目画素P(0)の濃度レベルに加算する。換言する
と、図6(b)に示すように、注目画素P(0)の2値
量子化誤差をE11とすると、この2値量子化誤差E1
1を補正係数α,β,γで補正したものが周辺の画素に
配分されることになる。これにより、2値量子化誤差は
周辺画素に拡散されていき、量子化前後での画像の平均
濃度を一致させることができる。出力制御部8から加算
部7には、かかる2値量子化誤差E10,E01,E0
2を補正係数α,β,γで補正したものが供給されるの
である。
【0028】2値量子化部15では、加算部7から出力
される注目画素P(0)に対する多値デ−タ7a(階調
=−31〜94)を、その濃度レベルに応じて、最小濃
度レベル(白)かあるいは最大濃度レベル(黒)かの2
値デ−タ15aに変換して出力する。この2値量子化処
理を図6に示す。図7において、2値量子化部15で
は、所定の閾値th(=階調32)が設定されており、
加算部7からの多値デ−タ7aの濃度レベル(階調)と
この閾値th(=32)との大小比較が行なわれる。そ
して、多値デ−タ7aの濃度レベルが閾値thに等しい
かあるいは大きい場合には黒と判定されて値1の、ま
た、閾値thより小さい場合には白と判定されて値0の
2値データ15aが出力される。
【0029】また、2値量子化誤差算出部16では、2
値量子化部15からの2値デ−タ15aに基づいて多値
デ−タ7aに対する2値量子化誤差をN階調で算出す
る。この算出として、2値量子化部15からの2値デー
タ15aが白ならば多値デ−タ7aの値を2値量子化誤
差16aとし、黒ならば多値デ−タ7aの値から最大濃
度レベル(=63)を差し引いた値を2値量子化誤差1
6aとする。この場合、2値量子化誤差16aの値の範
囲は−31〜31であり、従って、2値量子化誤差16
aは正負の符号も含めて6ビットで表わされる。このこ
とから、上記のように、N=64と規定される。
【0030】量子化誤差加算部17では、2値量子化誤
差算出部16よって得られる所定個数Rの画素の2値量
子化誤差16aが加算される。ここでは、説明の便宜
上、R=1としているが、この場合には、量子化誤差加
算部17からの出力17aは2値量子化誤差算出部16
からの2値量子化誤差16aと等しい値(=−31〜3
1)をもっている。
【0031】量子化誤差加算部17からの出力データ1
7aは、加算部18において、遅延部21の出力データ
21aと加算される。遅延部21の出力データ21a
は、後述するように、−3〜3の範囲の値を有し、従っ
て、加算部18の出力データ18aは−34〜34の範
囲の値を有する。
【0032】リミッタ部19では、加算部18の出力デ
ータ18aの値に対して上限値及び下限値が設定されて
おり、加算部18の出力データ18aの値がこの上限値
を超える場合にはこの上限値とし、また、下限値を下回
る場合にはこの下限値とし、加算部18の出力データ1
8aの値がこの下限値以上,この上限値以下のときには
この加算部18の出力データ18aの値とするデータ1
9aを出力する。ここで、量子化誤差加算部17の出力
データ17aが取り得る値の範囲(=−31〜31)で
の最大値31と最小値−31を、夫々上記の上限値と下
限値に割り当てるものとする。このことから、上記の上
限値は31、下限値は−31となる。これにより、図8
に示すように、リミッタ部19の出力データ19aの値
の範囲は−31〜31となる。
【0033】階調数変換部20では、リミッタ部19の
出力データである2値量子化誤差19aの階調数低減処
理が行なわれる。即ち、まず、所定個数Rの画素分の2
値量子化誤差19aの平均化を行ない、N階調にする。
ここでは、R=1であることから、平均化により得られ
る階調数は−31〜31(6ビット)である。しかる
後、階調数Nを1/T倍して所定階調数K(但し、K<
N)に低減する処理が行なわれる。ここでは、階調数N
(=64)を1/4(T=4、K=15)に減少させる
ものとするが、図8に示すように、階調数変換部20の
出力データ20aの値の範囲は−7〜7となる。従っ
て、階調数を表わすのに必要なビット数は、相対的に6
ビットから4ビットに変化する。
【0034】階調数復元部23では、階調数が低減処理
された階調数変換部20の出力デ−タ20aが階調数変
換部20で処理される前の階調数Nに復元される。つま
り、階調数変換部20で階調数が1/4に低減処理され
たことから、この階調数変換部20の出力デ−タ20a
を4倍する処理が行なわれ、かつ、平均化が行なわれた
所定数Rの画素分(ここでは、R=1)の倍化処理が行
なわれる。この場合、図8に示すように、階調数復元部
23の出力データ23aの値の範囲は−28〜28とな
る。
【0035】量子化誤差算出部22では、階調数変換部
20における量子化誤差が求められる。これは、階調数
低減処理前のデータであるリミッタ部19の出力データ
19aと階調数復元部23の出力データ23aとの差分
を量子化誤差として求めるものである。ここでは、R=
1,K=15であることから、図8に示すように、量子
化誤差算出部22の出力データ22aの取り得る値の範
囲は−3〜3となる。
【0036】量子化誤差算出部22の出力データ22a
は遅延部21によって1画素の処理分の遅延され、量子
化誤差21aとして上記の加算部18に供給される。こ
の量子化誤差21aの取り得る値の範囲が、上記したよ
うに、−3〜3であることから、加算部18の出力デー
タ18aの取り得る値の範囲は−34〜34となる。
【0037】メモリ部24では、階調数変換部20によ
って各画素に対して求められた2値量子化誤差20aが
少なくとも1ライン分記憶保持される。また、2値化を
施すべき注目画素P(0)の次の画素P(1)に対向す
る前ラインの画素L(1)について(図2を参照)、そ
の2値量子化誤差20aをメモリ部24から読み出して
出力データE02する。
【0038】ここで、この実施例では、上記したよう
に、階調数変換部20からの量子化誤差20aの値の範
囲は−7〜7であって、その階調数を表わすのに必要な
ビット数が4ビットであることから、メモリ部24で
は、各画素に対する2値量子化誤差を記録保持するため
に必要なビット数は最低4ビットとなる。
【0039】以上のようにして図6(a)での2値量子
化誤差E02が得られるが、次に、他の2値量子化誤差
E01,E10とこれらの誤差拡散処理について説明す
る。
【0040】図2の着目ラインでの画素P(−1)が注
目画素であるときには、上記の処理によって求められた
前ラインの画素L(0)の2値量子化誤差がメモリ部2
4から読み出され、この画素P(−1)のために使用さ
れるのであるが、次に、画素P(0)が注目画素になる
と、この前ラインの画素L(0)の2値量子化誤差が2
値量子化誤差E01としてメモリ部24から読み出さ
れ、遅延部14で一端保持されて演算部11に供給され
る。また、これに続いて、先の前ラインの画素L(1)
の2値量子化誤差がメモリ部24から2値量子化誤差E
02として読み出され、演算部12に供給される。
【0041】また、着目ラインの画素P(−1)が注目
画素であったときに2値量子化誤差算出部16から得ら
れた2値量子化誤差16aは遅延部13で一旦保持さ
れ、2値量子化誤差E10として演算部10に供給され
る。これら遅延部13,14により、2値量子化誤差E
10,E01,E02は同じタイミングとなる。
【0042】演算部10は2値量子化誤差E10に係数
αを乗じ、演算部11は2値量子化誤差E01に係数β
を乗じ、演算部12は2値量子化誤差E02に係数γを
乗ずる。但し、α+β+γ≦1である。このように処理
された演算部10,11,12からの補正データ10
a,11a,12aは加算部9に供給され、これらが加
算される。即ち、注目画素P(0)に対する周辺画素
(L(0)、L(1)、P(−1))からの2値量子化
誤差による補正データ9aが得られる。
【0043】出力制御部8は、MTF補正部6からの注
目画素P(0)の多値データ6aの値に応じて、この加
算部9からの補正データ9aの出力制御を行ない、その
出力データ8aを加算部7に供給する。この出力制御
は、入力される注目画素P(0)の多値データ6aの濃
度レベルが最大濃度レベル63あるいは最小濃度レベル
0である場合、加算部9からの補正データ9aを加算部
7に供給しないようにするものである。つまり、この加
算部7では、入力される注目画素P(0)の多値データ
の濃度レベルが最大あるいは最小濃度レベル以外の範囲
(=62〜1)の場合にのみ、その周辺画素P(−
1),L(0),L(1)からの2値量子化誤差を収束
(加算)する動作を行なう。これにより、図7に示すよ
うに、加算部7から出力される多値データ7aの濃度レ
ベルの範囲は−30〜93であり、上記のように、2値
量子化部15で固定閾値th(=32)との大小比較に
よる2値化処理が行なわれる。
【0044】2値量子化部15で得られた注目画素P
(0)に対する2値データ15aは出力端子25から出
力され、このような2値デ−タ15aが各ラインの画素
毎に順次得られる。
【0045】以上のように、この実施例においては、次
のような効果が得られる。M階調で表わされる多値デ−
タをN階調誤差拡散処理に基づいて2値化処理を行なう
場合、必要となる周辺画素の2値量子化誤差の内、記憶
保持が一時必要な前ラインの画素に対する2値量子化誤
差が、メモリ部に記憶させる前に、N階調で表わされる
かかる2値量子化誤差の階調レベルをK階調(K<N)
に低減させるものであるから、このメモリ部の記憶容量
をこの階調レベルを低減させた分だけ小さくすることが
できる。この実施例の説明では、M=N=64及びK=
15としたが、この場合、6ビット/画素のディジタル
デ−タで得られる2値量子化誤差を4ビット/画素に低
減させることから、1画素当り2ビット分ずつメモリ部
の記憶容量を小さくすることができる。これにより、回
路規模を小さくしかつ低コスト化を図ることが容易とな
る。
【0046】ところで、N階調で求められる2値量子化
誤差をK階調に低減した場合、誤差拡散処理に基づく2
値化処理を行なうと、階調数低減処理で低減化した分、
階調数を切り捨ててしまうこととなり、結果的に表現で
きる階調数がN階調以下になってしまう。このことが得
られる2値画像の画質劣化の直接的な原因となってしま
った。
【0047】しかし、この実施例では、2値量子化誤差
をN階調からK階調に低減処理を施した場合の階調数低
減処理による量子化誤差を算出し、得られた量子化誤差
を階調数変換処理を行なう前に、次に処理される画素の
2値量子化誤差に順次加算する。これにより、階調数の
低減処理によって生じた量子化誤差を切り捨てることな
く保持することが可能となり、得られる2値量子化誤差
のほとんどを誤差拡散処理で網羅することができる。そ
の結果、誤差拡散処理に基づく2値化処理によって得ら
れる画像は疑似的にN階調を表現することとなり、高画
質な2値画像を得ることができる。
【0048】また、誤差拡散処理によって得られる2値
画像では、不自然に階調表現される濃度パターン(特定
模様,テクスチャ)の発生が認められる。その原因は、
2値量子化誤差をN階調からK階調に低減処理した場合
の量子化誤差を順次加算する際、過度に加算されている
ことにより、誤差の収束が機能しないことによるもので
ある。そこで、この実施例では、加算部18の出力デー
タ18aの値の範囲をリミッタ部19によって制限する
ことにより、量子化誤差の過度な加算を防止するように
しており、その結果、上記の不自然に階調表現される濃
度パターン(特定模様,テクスチャ)がほとんど発生す
ることのない高画質な2値画像を得ることができるので
ある。
【0049】さらに、量子化誤差加算部17において、
所定数Rの画素の2値量子化誤差を加算する際に、例え
ばR=2とした場合、後段の処理は次のようにする。
【0050】まず、R=2であることから、量子化誤差
加算部17からの出力データ17aの値の範囲は、入力
データ16aの2倍(即ち、−62〜62)となる。次
の加算部18では、量子化誤差加算部17からの所定数
Rの画素分の2値量子化誤差17a(値の範囲=−62
〜62)と遅延部21の出力データ21a(値の範囲=
−7〜7)との加算出力データ18aが得られ、その値
の範囲は−69〜69である。この場合、上記のことか
ら、リミッタ部19での上限値は62、下限値は−62
となるから、図8に示すように、リミッタ部19の出力
データ19aの値の範囲は−62〜62となる。
【0051】階調数変換部20では、まず、リミッタ部
19からの所定数Rの画素分の2値量子化誤差19aが
平均化され、R=2であるから、1/2倍の処理が行な
われる。この平均化により得られる階調数は−31〜3
1(6ビット)である。しかる後、所定階調数を1/4
(K=15)に減少させることにより、階調数変換部2
0の出力データ20aの値の範囲は−7〜7となる。
【0052】階調数復元部23では、階調数が低減処理
された階調数変換部20の出力デ−タ20aを階調数変
換部20の入力データ19aの階調数に復元する処理を
行なう。つまり、階調数変換部20で階調数が1/4に
低減処理されたことから、階調数変換部20の出力デ−
タ20aの階調数を4倍する処理を行ない、かつ、平均
化を行なった所定数Rの画素分である2倍化処理を行な
う。この場合、図8に示すように、階調数復元部23の
出力データ23aの値の範囲は−56〜56となる。こ
の結果、量子化誤差算出部22の出力データ22aの取
り得る値の範囲は−7〜7となる。
【0053】また、R>2の場合でも、上記と同様の処
理が行なわれることはいうまでもない。
【0054】以上、複数個の画素の2値量子化誤差を加
算し、それにあわせて、上記したように、リミッタ部1
9や階調数変換部20,階調数復元部23での処理を施
すことにより、メモリ部24での2値量子化誤差を記憶
保持するために必要となる容量はR=1の場合の1/R
倍(R≧2)となる。従って、メモリ部24の記憶容量
をさらに小さくすることができ、これにより、回路規模
をさらに小さくし、かつさらに低コスト化を図ることが
可能となる。
【0055】なお、上記実施例では、周辺画素からの2
値量子化誤差の加算を行なう場合、上記したように、周
辺3画素の2値量子化誤差を対象とし、夫々に固定の補
正係数α,β,γを乗算演算を行なうことで補正処理す
るものであったが、かかる乗算演算の代わりに、ルック
アップテ−ブル方式によって同様の処理を行なうことも
容易に可能である。例えば、補正係数α=0.6、β=
0.3、γ=0.1である場合、図9に示すような変換
テ−ブルの値を定めることができる。ここでは、2値量
子化誤差の階調数を低減する処理を行なったことから、
この変換テ−ブルの値を元の階調数に換算し、正の値に
ついてのみ示している(正負で同値とするため)。
【0056】さらに、ルックアップテ−ブル方式によれ
ば、補正係数を固定する場合に比べて、補正処理をより
細かく制御することが可能である。例えば図10に示す
ように設定することにより、誤差加算条件を適応的に設
定することが可能となる。例えば2値量子化誤差の絶対
値が小さい場合、誤差拡散を速めるようにテ−ブルデ−
タを設定することにより、2値量子化誤差が蓄積されな
いことを防止し、誤差拡散処理の立上り(濃度レベルの
変化に対する階調表現の追従能力)を制御することが容
易に可能となる。また、テ−ブルデ−タを最適化するこ
とにより、疑似的に中間調で表わされる2値出力画像中
に特定模様(テクスチャ)等の弊害が発生するのを少な
くすることができる。
【0057】一方、例えば、2値画領域位置すると判定
できる最大濃度レベル領域あるいは最小濃度レベル領
域、特に、文字・線画領域の輪郭部で誤差拡散処理を行
なった場合、そこに周辺画素の2値量子化誤差が加算さ
れることから、階調表現されてしまって輪郭ボケとな
る。この結果、画質が劣化する。上記実施例では、出力
制御部8により、MTF補正部6からの多値データ6a
が最大濃度レベル63あるいは最小濃度レベル0のと
き、加算部7でこの多値データ6aに周辺画素からの2
値量子化誤差8aを加算しないようにしているため、2
値化により得られる画像の文字・線画の境界部における
“ボケ”を防止することができる。
【0058】また、上記実施例では示していないが、誤
差拡散処理によって得られる2値画像での固定の模様
(テクスチャ)の発生を防止するために、加算部9で加
算される周辺画素の2値量子化誤差に、この2値量子化
誤差とは独立した値を適応的に加算するようにしてもよ
い。この加算する独立した値としては、例えばー1ある
いは1(但し、これに限らない)を適応的に加算し、ま
た、加算による画像の平均濃度レベルへの影響を及ぼさ
ないように、加算結果の合計値が0となるように制御す
る。これにより、固定の模様の発生が少ない高画質な2
値画像を得ることができる。
【0059】γ補正された画素の6ビットの多値デ−タ
4aを記憶媒体部5に記憶する際、6ビットデ−タのま
まで記憶する場合には、MTF補正部6の出力データ6
aが64階調を表わすことはいうまでもないが、この多
値データ4aを例えば5ビット,32階調と上記の半分
にして記憶するようにしても、MTF補正部5での演算
処理方式を考慮することにより、MTF補正された多値
データ6aを64階調で表わすようにすることができ
る。例えば、上記の補正係数a〜iを、上記のように、 a=−1/2、b=−1/2、c=1、d=−1/2、
e=−1/2、g= 1/2、h=1、i= 1/2 として、平滑化処理を行なうMTF補正としての演算処
理を、 P(0)=P(0)+P(−1)/2+P(1)/2+(L(0)/2)×2 −(L(−2)/2+L(2)/2+L(−1)/2+L(1)/2) 但し、端数切り捨て演算処理 P(0)>63ならばP(0)=63 P(0)< 0ならばP(0)= 0 とすることにより、端数切り捨て演算を行なう場合であ
っても、個々の演算結果(偶数・奇数結果)の組み合わ
せにより、補正結果を64階調で表わすことができる。
これにより、前ラインの多値デ−タを記憶ビット数を1
ビット削減しても、MTF補正結果として64階調を得
ることが可能である。このことから、記憶媒体部5で多
値デ−タを記憶するために必要とする容量を1ビット/
画素分小さくすることが可能となる。
【0060】以上に示したように、上記実施例では、回
路構成規模を小さくでき、かつ、誤差拡散処理により高
画質な2値画像で再現することが可能である。
【0061】なお、上記実施例では、2値量子化誤差を
記憶する際、階調数を低減する処理として、階調数を1
/4(T=4)に減らして記憶する処理に付いてのみ示
したが、もちろんこの限りではなく、他の階調数に低減
処理を行なうようにしても同様の効果を得られることは
いうまでもない。
【0062】また、誤差拡散処理を行なう際に対象とす
る領域及び誤差拡散方向として、一手法のみ示したが、
勿論、これのみに限るものではなく、他の対象領域ある
いは拡散方向とした場合であっても、同様な処理によ
り、同様な効果を得られることはいうまでもない。
【0063】また、この実施例では、ハ−ドウエア構成
による処理方式を用いて達成する場合について一例示し
たが、構成方式あるいは構成要素をこれに限るものでは
ない。さらに、本発明に基づく処理方式をソフトウエア
処理を用いた構成により同様な効果を得られることは言
うまでもない。
【0064】図11は本発明による2値化処理装置の第
2の実施例を示すブロック図であって、26は1次元の
読取センサ、27は記憶媒体部、28は像域判定部、2
9,30はγ補正部、32は平滑化部、31はエッジ強
調部、33は混合部、34は2値量子化部、35は選択
部、36はサイズ変換部、37は符号化部、38はモデ
ム、39は回線であり、図1に対応する部分には同一符
号をつけて重複する説明を省略する。
【0065】この実施例は、文字・線画や写真等の送信
原稿から読み取った多値データを2値データとし、この
2値データをMH符号化あるいはMR符号化等によりデ
−タ圧縮を行なう符号化を施した後、蓄積あるいは伝送
する画像伝送装置(例えばG3規格ファクシミリ装置な
ど)に適用されるものである。
【0066】図11において、読取センサ26は文字・
線画や写真等の送信原稿を主走査,副走査して濃度レベ
ルをライン単位で読み取り、画素単位にその読取濃度レ
ベル(アナログ値)の画像信号26aを出力する。この
画像信号26aはA/D変換部2とシェ−ディング補正
部3で図1に示した実施例と同様の処理がなされ、図3
に示したのと同様の階調64,6ビットの多値データ3
aが得られる。この多値データ3aは記憶媒体部27、
γ補正部29,30及び像域判定部28に供給される。
【0067】記憶媒体部27は多値データ3aを少なく
とも2ライン分記憶し、読取センサ26からの読出し画
素位置に対応する前2ラインの画素の多値データ、即
ち、前ラインの多値データ27aと前々ラインの多値デ
ータ27bとを出力する。
【0068】なお、ここでは、図12(a)において、
多値データ27aの前ラインを着目ラインとし、多値デ
ータ27bの前々ラインをこの着目ラインに対する前ラ
インとし、シェーディング補正部3から出力される多値
データ3aの現ラインをこの着目ラインに対する次ライ
ンとする。
【0069】記憶媒体部27から読み出される前2ライ
ンの多値データ27a,27bとシェ−ディング補正部
3から出力される現ラインの多値データ3aとは、とも
にγ補正部29,30に供給される。これらγ補正部2
9,30では、図4に示すように、入力の濃度レベルに
応じて濃度レベルのコントラスト調整が行なわれる。図
4では、3種類の補正特性が示されている。これは、多
値画像の濃度特性を記録特性や記録後の画像のメリハリ
を考慮して行なうためである。γ補正部29の出力多値
データ29a,29b,29cエッジ強調部31に供給
され、γ補正部30の出力多値データ30a,30b,
30cは平滑化部32に供給される。
【0070】図12(a)に示すように、着目ラインで
の注目画素P(0)の前後の画素をP(−1),P
(1)とし、これら画素P(−1),P(0),P
(1)に対向した前ラインの画素を夫々L(−1),L
(0),L(1)、次ラインの画素を夫々V(−1),
V(0),V(1)とすると、エッジ強調部31では、
これら画素L(−1),L(0),L(1),P(−
1),P(0),P(1),V(−1),V(0),V
(1)の多値データに夫々図10(c)に示す重み係数
−a、−b、−c、−d、e、−f、−g、−h、−i
が乗じられ、しかる後、これらが加算される。ここで、
重み係数−a、−b、−c、−d、−f、−g、−h、
−iは全て負値であり、重み係数eは正値である。ま
た、 e−a−b−c−d−f−g−h−i=1 である。
【0071】これにより、注目画素P(0)の濃度レベ
ルが決定されるが、周辺画素と注目画素P(0)との濃
度レベルの差が大きいときには、その差がより強調さ
れ、その結果、線画等の画像境界部が強調される。
【0072】平滑化部32では、図12(a)に示され
る各画素の多値データに対し、図10(b)に示す重み
係数a、b、c、d、e、f、g、h、iが乗ぜられ、
しかる後、これらが加算される。これにより、注目画素
P(0)の濃度レベルが決定されるが、注目画素P
(0)と周辺画素との濃度レベルの差が小さくなり、画
素単位の濃度レベルの変化が滑らかになるように平滑化
される。平滑化の度合いは重み係数の与え方によって異
なる。なお、平滑化のための周辺画素の領域は図12
(b)にのみ限定されるものではなく、網点によりなる
多値画像の場合には、その網点の周期をカバ−する周辺
画素領域を用いて、網点周期内の平均濃度を検出するよ
うに平滑化する必要がある。ここでは、便宜上、図12
(b)に示すように3×3画素領域とした。
【0073】次に、像域判定部28の処理動作について
説明する。図13に示すように、注目画素P(0)に対
向する前ラインの画素L(0)の左右の画素L(ー
1),L(1)と、注目画素P(0)に対向する後ライ
ンの画素V(0)の左右の画素V(ー1),V(1)と
の4つの画素の濃度レベルに着目し、注目画素P(0)
との濃度レベルの差分値を以下のように求める。
【0074】図13(a)に示すように、主走査方向に
位置する2つの画素L(ー1),L(1)の濃度レベル
の平均値と注目画素P(0)との濃度レベルの差分値Δ
1(絶対値)を Δ1=|{(L(ー1)+L(1))/2}−P(0)| で求め、主走査方向に位置する2つの画素V(ー1),
V(1)の濃度レベルの平均値と注目画素P(0)との
濃度レベルの差分値Δ2(絶対値)を Δ2=|{(V(ー1)+V(1))/2}−P(0)| で求める。
【0075】また、図13(b)に示すように、副走査
方向に位置する2画素L(ー1),V(ー1)の濃度レ
ベルの平均値と注目画素P(0)との濃度レベルの差分
値Δ3(絶対値)を Δ3=|{(L(ー1)+V(ー1))/2}−P(0)| で求め、副走査方向に位置する2つの画素L(1),V
(1)の濃度レベルの平均値と注目画素P(0)との濃
度レベルの差分値Δ4(絶対値)を Δ4=|{(L(1)+V(1))/2}−P(0)| で求める。
【0076】画素毎の濃度レベルの変化が比較的急峻な
箇所は画像の輪郭部であると特定できるから、画素間の
差分値によって画像の輪郭部を検出することができる。
そこで、全画素を対象として求めた画素間の差分値の分
布等から輪郭部とそれ以外とを分離する最適な値を統計
的に決定し、これを所定値dthとする。そして、画素
間の差分値とこの所定値dthとの比較により、画像の
輪郭部であるか否かの判定を行なう。この結果、上記の
差分値Δ1〜4の内、上記所定値dthより大となる差
分値が存在する場合には、注目画素Pは画像の輪郭部に
位置していると判定することができる。
【0077】図14はかかる判定処理を行なう図11に
おける像域判定部28の一具体例を示すブロック図であ
って、40〜44は遅延部、46〜49は2画素の濃度
レベルの平均濃度レベルを求める平均化部、50〜53
は注目画素P(0)の濃度レベルと上記2画素の平均濃
度レベルとの差分値を求める差分値算出部、45は画像
の輪郭部であるか否かの判定を行なう際に判断の基準と
する上記所定値dthを付加する付加部、54〜57は
所定値dthと差分値算出部50〜53により求めた差
分値との大小比較を行なう比較部、58は該比較部54
〜57の結果に従い注目画素P(0)が画像の輪郭部に
位置するか否かの決定を行なう判定部である。
【0078】次に、この具体例の動作を説明する。但
し、図13での着目ラインの画素の多値データは記憶媒
体部27(図11)から供給される多値データ27aで
あり、図13での前ラインの画素の多値データは記憶媒
体部27から供給される多値データ27bであり、図1
3での後ラインの画素の多値データは図11のシェーデ
ィング補正部3から供給される多値データ3aである。
【0079】図14において、前ライン(図13)の多
値データ27bは夫々が1画素処理分遅延する遅延部4
0,41によって2画素の処理分遅延される。従って、
入力される多値データ27bが画素L(−1)のものと
すると、遅延部41から出力される多値データ41aは
画素L(1)の多値データである。また、次ライン(図
13)の多値データ3aが夫々が1画素処理分遅延する
遅延部42,43によって2画素の処理分遅延される。
従って、入力される多値データ3aが画素V(ー1)の
ものとすると、遅延分43から出力される多値データ4
3aは画素V(1)の多値データである。さらに、着目
ライン(図13)の多値データ27aは遅延部44によ
って1画素処理分遅延され、注目画素P(0)の多値デ
ータ44aが得られる。
【0080】前ラインの主走査方向に位置する2画素L
(ー1),L(1)の多値データ27b,41aの平均
値が平均化部46で求められ、後ラインの主走査方向に
位置する2画素V(ー1),V(1)の多値データ3
a,43aの平均値が平均化部49で求められる。これ
は、図13(a)でのハッチングして示す2つの画素の
平均値を求める処理である。
【0081】また、副走査方向に位置する2画素L(ー
1),V(ー1)の多値データ27b,3aの平均値が
平均化部47で求められ、副走査方向に位置する2画素
L(1),V(1)の多値データ46a,43aの平均
値が平均化部48で求められる。これは、図13(b)
でのハッチングして示す2つの画素の平均値を求める処
理である。
【0082】平均化部46〜49から出力される平均値
46a,47a,48a,49aは夫々差分値算出部5
0〜53に供給され、遅延部44からの注目画素P
(0)の多値データ44aとの差分値(絶対値)Δ1,
Δ3,Δ4,Δ2が求められる。これら差分値Δ1,Δ
3,Δ4,Δ2は夫々比較部54〜57に供給され、付
加部45に予め設定されている上記所定値dthと大小
比較される。これらの判定結果は像域判定部58に供給
される。
【0083】像域判定部58では、比較部54〜57の
比較結果に応じて、差分値Δ1〜Δ4のうちの少なくと
も1つが所定値dthより大きいとき、図13の注目画
素P(0)は画像の輪郭部に位置すると判定し、いずれ
の差分値Δ1〜Δ4も所定値dthよりも大きくないと
き、この注目画素P(0)は、画像の輪郭部に位置せ
ず、多値画像領域部に属すると判定する。そして、像域
判定部58はかかる像域判定結果を示すデータ28aを
出力する。ここで、読取り原稿の濃度レベルは文字・線
画の境界部で変化が大きいことを利用するものである。
また、2画素間の濃度レベルの平均値と注目画素との濃
度レベル差とによって領域判定を行なうのは、網点画像
の網点の黒と網点間の白の濃度レベル変化を2値画像領
域と誤判定するのを避けるためである。
【0084】また、像域判定部58は、注目画素P
(0)多値画像領域部に属すると判定した場合には、濃
度レベル差の度合いから多値画像領域性の度合い(2値
画領域と多値画像領域との遷移部分処理)を示すデータ
28bを同時に定める。
【0085】なお、濃度レベルを算出するための多値デ
ータとして、シェ−ディング補正処理後の多値データを
用いた場合について示したが、平滑化処理あるいはエッ
ジ強調処理後の多値データを用いて行なうことにより、
例えば、上記網点周期を考慮した平滑化処理後の多値デ
ータを用いることにより、像域判別精度を高めるように
してもよい。
【0086】また、像域判定は、上記の方法に限定され
るものではなく、各種の判定方法を用いることができ
る。例えば、特開平2−292956号公報や特公平3
−62355号公報に記載のように、網点周期性に着目
して、まず、網点領域を検出し、その後、特開昭58−
115975号公報に記載のように、線画と写真画(網
点画像を除く)の濃度レベル変化量と変化の頻度の差を
利用して線画と写真画に判別し、結果として、文字・線
画の2値画像領域と写真(網点画像を含む)等の多値画
像領域とを判別するようにしてもよい。
【0087】次に、図11において、平滑化部32で平
滑化された多値データ32aと、エッジ強調部31で線
画等の画像境界部が強調された多値データ31aと、像
域判定部28からの多値画像領域性の度合いデータ28
bとが混合部33に供給される。この混合部33では、
この度合いデータ28bに応じた重み係数tが多値デー
タ32aに乗算され、度合いデータ28bに応じた重み
係数uが多値データ31aに乗算されて、これらが加算
され、その総和として注目画素P(0)の多値データの
濃度レベルが決定される。但し、t+u=1、t≧0、
u≧0である。
【0088】これにより、2値画領域ではエッジ強調さ
れた値を、また、中間調領域では平滑化された値が夫々
出力され、さらに、2値画領域と多値画領域の中間部領
域では、上記の多値画像領域性の度合い12bに応じ
て、2値画領域に近い場合には重み係数をt≦uとし、
また、多値画像領域に近い場合にはt>uとして、注目
画素P(0)の出力多値データ33aの濃度レベルを決
定する。この多値データ33aは加算部7〜メモリ部2
4からなる中間調処理部7〜24に供給される。
【0089】この中間調処理部7〜24は、図1におけ
る加算部7〜メモリ部24からなる処理部と同様の処理
を行ない、画素毎に順次2値化を行なう。ここでの中間
調処理は、混合部33から得られるM階調で表わされる
多値データをN階調(但し、Nは整数であり、N≦M)
に再量子化し、その際の量子化誤差を周辺画素に拡散し
て量子化前後の平均濃度レベルを一致させるN値誤差拡
散処理を行なう。
【0090】また、ここでは示していないが、像域判定
部28で得られた多値画像領域性の度合いデータ28b
に応じて、量子化誤差の周辺画素への拡散の度合いを定
めるようにしてもよい。
【0091】さらに、像域判定部28により、多値画像
領域での濃度レベルが変化する輪郭部において、輪郭の
方向性(主走査方向に発生する輪郭かあるいは幅走査方
向に発生する輪郭)の検出を行ない、多値データが2値
化される注目画素が濃度レベルが変化する輪郭部の近辺
に位置する場合、周辺画素からの2値量子化誤差を加算
する際に、この注目画素の多値データにこの輪郭部を越
えた箇所に位置する周辺画素の2値量子化誤差を加算せ
ず、注目画素と同一領域内に存在する周辺画素の2値量
子化誤差のみを加算するようにしてもよい。このように
すると、各々の濃度レベル領域内で誤差拡散処理を完結
させることが可能となり、多値画像領域における輪郭部
のボケを防止することができる。
【0092】なお、多値画像領域を2値デ−タで表示す
る中間調処理として、誤差拡散処理の代わりに、ディザ
手法によって表わすようにしてもよい。
【0093】一方、エッジ強調部31でエッジ強調補正
された注目画素P(0)の多値データ31aは、2値量
子化部34において、所定の閾値thと大小比較され、
所定の閾値thより大きい場合には黒と、それ以外では
白と夫々判定され、その判定結果を表わす1ビットの2
値デ−タ34aが生成される。
【0094】注目画素P(0)に対する2値デ−タ34
aと誤差拡散処理によって中間調処理された中間調処理
部7〜24の出力2値データ15aとは選択部35に供
給され、像域判定部28からの像域判定結果データ28
aに応じて、注目画素P(0)が多値画像領域に位置す
る場合には2値データ15aが、2値画領域に位置する
場合には2値データ34aが選択される。
【0095】選択部35で選択された2値デ−タ35a
はサイズ変換部36で補間処理,間引処理,あるいは論
理演算処理等がなされて、読取原稿のサイズを拡大・縮
小処理,移動処理(回転移動,並行移動,反転移動
等),2スム−ジング処理等がなされる。サイズ変換部
36の出力データ36aは、CODEC部37により、
G3ファクシミリ装置の1次元符号化の国際標準方式と
して採用されているMH符号化あるいはMR符号化によ
ってデ−タ圧縮される。この符号化方式は、2値デ−タ
のランレングスの発生頻度に応じて、発生頻度の高いラ
ンレングスには短い符号語を、また、発生頻度の低いラ
ンレングスには長い符号語を割り当てることにより、デ
−タ圧縮を行なうものである。圧縮された符号化デ−タ
はモデム部38によって変調され、伝送部39より出力
される。
【0096】以上説明した図11の実施例によれば、次
のような効果が得られる。
【0097】M階調で表される多値データを2値化する
場合に、像域分離により、読み取り原稿の特徴として文
字・線画領域とその画像の輪郭部及び網点・写真画領域
を効果的に抽出し、夫々の特徴に合わせた2値化処理を
行なうことにより、得られる2値画像のさらなる高画質
化を図ることが可能となる。つまり、原稿が写真画・網
点画の多値画像領域にある場合には、図1に示した実施
例で説明した誤差拡散処理により、疑似的に中間調で表
わすようにし、なおかつ、網点画像のような中間調的画
像であって、MTF特性と網点画像の網点周期との関係
から、読取センサから読み取られる濃度レベルが不均一
である場合であっても、誤差拡散処理によって周辺画素
との濃度レベルの平均化処理が行なわれることから、出
力される2値画像中にテクスチャ(特定模様)等の弊害
が発生するのが少なくなり、高画質化が可能となる。
【0098】一方、原稿が文字・線画の2値画領域にあ
る場合には、閾値と濃度レベルの大小比較によって2値
化する単純2値化処理を施す。しかしながら、文字・線
画領域における画像の輪郭部においては、単純2値化処
理のみでは、濃度レベルが急峻且つ不安定に変化するこ
とから、得られる輪郭部での2値データが不連続(ノッ
チ)となり、画質劣化の要因となる。このため、像域分
離処理により、単純2値化処理ではノッチ発生によって
画質劣化を避けられない文字・線画領域における画像の
輪郭部を抽出し、濃度レベルに合わせた閾値を適応的に
定める処理を行なったり、あるいは輪郭部で隣接画素の
2値データの連続性を保つために、同一輪郭部に属する
隣接画素の2値データに応じた最適な閾値を適応的に定
めるヒステリシス2値化処理を行なう平滑化処理によ
り、線画・文字領域での細線切れや輪郭部におけるノッ
チの発生を極力抑えることが可能となる。この結果、2
値画領域において、得られる2値画像のさらなる高画質
化を達成することが可能となる。さらには、このような
平滑化処理を行なうことにより、得られた2値データを
ランレングスに基づくMH符号化等によって圧縮符号化
を行なう符号化時に、ノッチの発生が減少した分圧縮符
号化効率の低下を防止でき、伝送デ−タ量がいたずらに
増大することを防止することが可能となる。
【0099】また、ファクシミリ装置の送信側で高画質
化処理を行なうため、上記実施例に基づく高画質化処理
を特に有さない他のファクシミリ装置で受信側した場合
であっても、高画質な2値画像を得ることが可能であ
る。
【0100】さらに、図1に示した実施例と同様に、N
階調誤差拡散処理を行なうに際し、周辺画素の2値量子
化誤差を記憶保持するとき、N階調で表わされる2値量
子化誤差の階調レベルがK階調(K<N)に低減される
から、メモリ部24の記憶容量を階調レベルを低減させ
た分だけ小さくすることができ、これにより、回路規模
を小さくして、かつ低コスト化を図ることができる。
【0101】さらにまた、誤差拡散処理を行なう際に対
象とする領域及び誤差拡散方向として、一手法のみ示し
たが、勿論この限りではなく、他の対象領域あるいは拡
散方向とした場合であっても、同様な処理によって同様
な効果を得られることはいうまでもない。
【0102】さらにまた、図15に示すように、選択部
35から出力される2値デ−タ35aを出力端子25よ
り出力するようにして、この実施例を画像読取装置(イ
メ−ジスキャナ装置)として用いることも可能であり、
得られる2値デ−タ35aを他のデ−タ処理装置(例え
ば画像生成装置,デ−タ記録再生装置あるいはデ−タ送
受信装置)で利用するようにしてもよい。
【0103】さらにまた、この実施例では、ハ−ドウエ
ア構成による処理方式を用いて用いたものであるが、構
成方式あるいは構成要素はこれに限るものではないし、
処理方式をソフトウエア処理を用いた構成にすることも
でき、上記と同様の効果が得られることはいうまでもな
い。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ファクシミリ装置等の原稿読取り画像の2値化処理にお
いて、読取原稿が多値画像領域であった場合でも、小規
模の回路構成でかつ小容量のメモリでもって、誤差拡散
処理による中間調表現を可能とし、なおかつテクスチャ
等の弊害の発生が少ない高画質な2値画像を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による2値化装置の一実施例を示すブロ
ック図である。
【図2】図1に示した実施例での処理しようとする注目
画素とこの処理に必要な他の画素との領域を示す図であ
る。
【図3】図1に示した実施例での多値データの階調レベ
ルとこれを2値化した2値データとの関係を示す図であ
る。
【図4】図1におけるγ補正部の特性図である。
【図5】図1におけるMTF補正部の処理動作を説明す
るための図である。
【図6】図1に示す実施例の誤差拡散処理を説明するた
めの図である。
【図7】図1での加算部からの多値データの階調レベル
と2値データとの対応関係を示す図である。
【図8】図1に示した実施例の誤差拡散処理での量子化
誤差を示す図である。
【図9】図1での2値量子化誤差E10,E01,E0
2を演算処理する演算部,加算部の処理と等価なルック
アップテーブル方式による変換テーブルの一具体例を示
す図である。
【図10】図1での2値量子化誤差E10,E01,E
02を演算処理する演算部,加算部の処理と等価なルッ
クアップテーブル方式による変換テーブルの他の具体例
を示す図である。
【図11】ファクシミリ装置の読取り画像信号処理系に
適用可能な本発明による2値化装置の他の実施例を示す
ブロック図である。
【図12】図11における平滑化部及びエッジ強調部の
動作を説明するための図である。
【図13】図11における像域判定部の動作を説明する
ための図である。
【図14】図11における像域判定部の一具体例を示す
ブロック図である。
【図15】画像読取装置の読取り画像信号処理系に適用
可能な本発明による2値化装置のさらに他の実施例を示
すブロック図である。
【図16】従来の2値化装置の一例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 入力端子 2 A/D変換部 3 シェ−ディング補正部 4 γ補正部 5 記憶媒体部 6 MTF補正部 7 加算部 15 2値量子化部 16 2値量子化誤差算出部 8 出力制御部 9 加算部 10〜12 演算部 13,14 遅延部 17 量子化誤差加算部 18 加算部 19 リミッタ部 20 階調数変換部 23 階調数復元部 22 量子化誤差算出部 21 遅延部 24 メモリ部 25 出力部 26 1次元読取センサ 27 記憶媒体部 28 像域判定部 29,30 γ補正部 32 平滑化部 31 エッジ強調部 33 混合部 34 2値量子化部 35 選択部 36 サイズ変換部 37 符号化部 38 モデム 39 回線 40〜44 遅延部 46〜49 平均化部 50〜53 差分値算出部 45 付加部 54〜57 比較部 58 判定部

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を読み取って得られる画像信号を画
    素単位でサンプリングしてM階調(Mは整数)の濃度レ
    ベルを表わす多値デ−タとし、該多値データを2値デ−
    タに量子化する2値化装置において、 該多値デ−タに周辺画素の2値量子化誤差拡散値を加算
    する加算手段と、 該加算手段からの多値データを所定の閾値と大小比較し
    て白・黒判定し、該2値データを生成する2値量子化手
    段と、 該2値量子化手段の入出力データの2値量子化誤差をN
    階調(Nは整数、N≦M)で算出する2値量子化誤差算
    出手段と、 N階調の該2値量子化誤差を1/T倍(Tは整数)し、
    K階調(Kは整数)の2値量子化誤差を算出する階調数
    変換手段と、 K階調の該2値量子化誤差を記憶する記憶手段と、 N階調の該2値量子化誤差と該記憶手段から読み出され
    たK階調の該2値量子化誤差とを夫々誤差拡散の重み付
    け係数に従って演算処理し、上記周辺画素の2値量子化
    誤差拡散値とする演算手段とを有することを特徴とする
    2値化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記階調数変換手段の入出力2値量子化誤差の誤差量を
    算出する量子化誤差算出手段と、 得られた該誤差量を前記N階調の2値量子化誤差に加算
    する加算手段とを具備したことを特徴とする2値化装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記加算手段から出力されるN階調を越えた2値量子化
    誤差を所定の範囲内に収めるリミッタ手段を具備したこ
    とを特徴とする2値化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、 前記2値量子化誤差算出手段から出力される前記N階調
    の2値量子化誤差をR個(但し、Rは1以上の整数)の
    画素ずつ加算する加算手段を具備し、 前記階調数変換手段は、R個の画素の2値量子化誤差の
    加算値を1画素分に平均化処理し、平均化された該2値
    量子化誤差をK階調の2値量子化誤差に変換することを
    特徴とする2値化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4の構成によ
    り、M階調の多値デ−タの2値量子化時、N階調で表わ
    される2値量子化誤差をK階調に変換して前記記憶手段
    に記憶した場合であっても、2値画像をN階調で表わす
    ことを特徴とする2値化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5におい
    て、 前記演算手段は、前記2値量子化誤差算出手段からの前
    記N階調の2値量子化誤差と前記記憶手段から読み出さ
    れた前記K階調の2値量子化誤差とに夫々毎の重み付け
    係数を乗算し、前記周辺画素の2値量子化誤差拡散値を
    算出することを特徴とする2値化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4または5におい
    て、 前記演算手段は、前記2値量子化誤差算出手段からの前
    記N階調の2値量子化誤差と前記記憶手段から読み出さ
    れた前記K階調の2値量子化誤差との取り得る値に対
    し、夫々毎の重み付け係数を用いて演算処理した結果を
    予め保持し、前記2値量子化誤差算出手段からの前記N
    階調の2値量子化誤差と前記記憶手段から読み出された
    前記K階調の2値量子化誤差夫々に対応した演算処理結
    果を前記周辺画素の2値量子化誤差拡散値として出力す
    ることを特徴とする2値化装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、 前記演算手段での前記重み付け係数が適応的に可変とす
    ることを特徴とする2値化装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1つにおいて、 M階調の前記多値デ−タと周辺画素の2値量子化誤差拡
    散値とを加算する加算手段は、前記多値デ−タの値に応
    じて、前記周辺画素の2値量子化誤差拡散値を前記多値
    デ−タに加算するか否かを制御することを特徴とする2
    値化装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1つにおい
    て、 M階調の前記多値デ−タと周辺画素の2値量子化誤差拡
    散値とを加算する加算手段は、前記周辺画素の2値量子
    化誤差拡散値に応じて、前記周辺画素の2値量子化誤差
    拡散値に所定の値を適応的に加算することを特徴とする
    2値化装置。
  11. 【請求項11】 画像を読み取って得られる画像信号を
    画素単位でサンプリングしてM階調(Mは整数)の濃度
    レベルを表わす多値デ−タとし、該多値データを2値デ
    −タに量子化する2値化装置において、 注目画素の該多値デ−タに対して、周辺画素の多値デ−
    タから画像の特徴を検出する像域判定手段と、 注目画素の該多値データと周辺画素の該多値データとの
    値をもとに、注目画素の濃度レベルを平滑化する平滑化
    手段と、 注目画素の該多値データと周辺画素の該多値データとの
    値をもとに、線画のエッジ部を強調するエッジ強調手段
    と、 該平滑化手段と該エッジ強調手段とによって得られた濃
    度レベルを表わす多値データを、該像域判定手段の判定
    結果に応じて、所定の割合で混合し、M階調の多値デー
    タを生成する混合手段と、 該エッジ強調手段によって得られた多値データの濃度レ
    ベルと所定の閾値thとの大小比較により、該多値デー
    タを2値量子化する2値量子化手段と、 該混合手段によって得られるM階調の多値データを誤差
    拡散処理に基づいて2値量子化する誤差拡散処理手段
    と、 該像域判定手段の判定結果に応じて、該誤差拡散処理手
    段による2値デ−タと該2値量子化手段による2値デ−
    タとのいずれかを選択する選択手段とを有することを特
    徴とする2値化装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記誤差拡散処理手段は、請求項1に記載の前記加算手
    段と前記2値量子化手段と前記2値量子化誤差算出手段
    と前記階調数変換手段と前記記憶手段と前記演算手段と
    からなることを特徴とする2値化装置。
  13. 【請求項13】 請求項11において、 前記像域判定手段は、画像の輪郭部を抽出することを特
    徴とする2値化装置。
  14. 【請求項14】 請求項11または13において、 前記像域判定手段は、特定の方向にのみ発生する画像の
    輪郭部を抽出することを特徴とする2値化装置。
  15. 【請求項15】 請求項13または14において、 前記像域判定手段は、 前記周辺画素と前記注目画素との濃度レベル差Δを求め
    る濃度差算出手段と、 該濃度レベル差Δと所定の閾値tdhとの比較を行なう
    比較手段とを有することを特徴とする2値化装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記像域判定手段は、所定方向に位置する所定数qの画
    素の濃度レベルの平均値を求める平均濃度レベル算出手
    段をもつことを特徴とする2値化装置。
  17. 【請求項17】 請求項15において、 前記像域判定手段は、前記比較手段の比較判定によって
    前記濃度レベル差Δが 前記所定の閾値tdhよりも大きい場合、画像の輪郭で
    あるとする判定を行なうことを特徴とする2値化装置。
  18. 【請求項18】 請求項15において、 前記像域判定手段は、所定方向に位置する所定数pの画
    素の濃度レベルの平均値と前記注目画素との濃度レベル
    の差Δnと、所定閾値tdhとの比較により、画像の輪
    郭の判定を行なうことを特徴とする2値化装置。
  19. 【請求項19】 請求項11,15または16におい
    て、 前記像域判定手段の判定結果に応じて、前記誤差拡散処
    理手段における2値量子化誤差の拡散方向を定めること
    を特徴とする2値化装置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれか1つに記載
    の2値化装置を読取画像信号処理部とすることを特徴と
    する画像読取装置。
  21. 【請求項21】 請求項1〜19のいずれか1つに記載
    の2値化装置を送信原稿の読取画像信号処理部とするこ
    とを特徴とするファクシミリ装置。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載の画像読取装置を有
    することを特徴とするファクシミリ装置。
JP5161984A 1993-06-30 1993-06-30 2値化装置及びこれを用いた装置 Pending JPH0758953A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5161984A JPH0758953A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 2値化装置及びこれを用いた装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5161984A JPH0758953A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 2値化装置及びこれを用いた装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0758953A true JPH0758953A (ja) 1995-03-03

Family

ID=15745826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5161984A Pending JPH0758953A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 2値化装置及びこれを用いた装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0758953A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8326032B2 (en) 2008-09-16 2012-12-04 Ricoh Company, Limited Image processing apparatus, image processing method, and computer program product

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8326032B2 (en) 2008-09-16 2012-12-04 Ricoh Company, Limited Image processing apparatus, image processing method, and computer program product

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0356225A2 (en) Image processing apparatus
US6373990B1 (en) Image processing utilizing luminance-density conversion
JPH1127517A (ja) 画像処理装置
US5805738A (en) Image processing apparatus and method
JPH07123248A (ja) 画像処理方法及び装置
JPH03286680A (ja) 画像処理装置
JP3700357B2 (ja) 画像処理装置
US6233360B1 (en) Method and system for hybrid error diffusion processing of image information using adaptive white and black reference values
JP2756371B2 (ja) 画像処理装置
US5825940A (en) Image processing method and apparatus for binary-coding multivalue image data
JP2801195B2 (ja) 画像処理装置
JP4148443B2 (ja) 画像形成装置
JPH0758953A (ja) 2値化装置及びこれを用いた装置
US5200839A (en) Image processing apparatus
JPH0818781A (ja) 2値化装置及びこれを用いた装置
JPH07302190A (ja) 除算器並びにこれを用いた画像信号読取装置
JP2900907B2 (ja) 画像処理装置
JP2851662B2 (ja) 画像処理装置
JP3679522B2 (ja) 画像処理方法及びその装置
JPH0457274B2 (ja)
JP3178077B2 (ja) 2値化処理方法
KR930007980B1 (ko) 오차확산 방식의 중간조 화상 표현방법
JP2644491B2 (ja) 画像処理装置
JP3167676B2 (ja) 画像処理装置
JP2644492B2 (ja) 画像処理装置