JPH08187758A - キーパッドの製造方法 - Google Patents

キーパッドの製造方法

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JPH08187758A
JPH08187758A JP395795A JP395795A JPH08187758A JP H08187758 A JPH08187758 A JP H08187758A JP 395795 A JP395795 A JP 395795A JP 395795 A JP395795 A JP 395795A JP H08187758 A JPH08187758 A JP H08187758A
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keypad
molding
polyethylene resin
thermoplastic elastomer
measured
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JP395795A
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Inventor
Akihiro Niki
章博 仁木
Takeharu Morita
健晴 森田
Mitsuharu Yonezawa
光治 米澤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2209/00Layers
    • H01H2209/002Materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2215/00Tactile feedback
    • H01H2215/004Collapsible dome or bubble
    • H01H2215/008Part of substrate or membrane
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2229/00Manufacturing
    • H01H2229/044Injection moulding

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  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔軟性、耐クリープ性に優れ、肉薄のスカー
ト部の厚み偏差が少なく、品質の安定したキーパッドを
製造する方法を提供する。 【構成】 熱可塑性エラストマーを、射出圧縮成形によ
り中空メーサ型に成形するキーパッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、品質が安定したキーパ
ッドを、高い生産効率で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、加硫ゴム成形品は、電子機器分
野、自動車分野、工業分野等において、ゴム弾性、柔軟
性、耐クリープ性、可とう性等の優れた特性を活かして
種々の用途に用いられている。しかし、加硫ゴムは、加
硫工程が必要である点、生産効率が低い点等の欠点を有
している。
【0003】一方、熱可塑性エラストマーは、一般の樹
脂のように、高温での押出成形、射出成形等の熱成形が
可能であり、加硫工程を必要としないので、生産性、省
エネルギー性、リサイクル性等に優れており、常温では
ゴム材料として良好な物性を示すので注目されている。
しかし、一般に、熱可塑性エラストマーを成形して得ら
れた成形体は、加硫ゴム成形体に比べて柔軟性、耐クリ
ープ性、高温での機械的強度に劣る等の欠点を有してい
る。
【0004】ところで、加硫ゴム成形体の一つとして、
押し釦用キーパッドが汎用されており、例えば、テレ
ビ、ビデオ等のリモートコントロール装置、電話機、フ
ァクシミリ、電卓等の入力操作キー;パーソナルコンピ
ューターのキーボード操作キー;小型電子機器、小型電
子式卓上計算機等のキーボタンとして押し釦のスプリン
グ部等に用いられている。
【0005】押し釦用キーパッドの成形体の構造を図1
に示す。キーパッドの成形体は、キートップ3、スカー
ト部2及びキーパッド周辺部1からなる中空メーサ型弾
性体である。キーパッドの押し圧感覚及びクリック感覚
は、動作荷重による肉薄な構造を有するスカート部2の
変形、座屈現象により発現される。
【0006】キーパッド成形体の動作荷重測定から、図
2に示す応力−歪曲線が得られる。図中の各ピーク値を
それぞれP1 点、P2 点、P3 点、P4 点とすると、P
1 点は動作荷重の極大値である。エラストマーの素材特
性と動作荷重曲線の相関を見るためにキーパッド成形体
の形状を揃えたと仮定すると、この極大荷重P1 点は、
キーパッド素材の主に柔軟性を反映するものであると考
えることができ、この場合、一般に素材が柔軟であれば
1 点値は小さくなり、硬ければP1 点値は大きくな
る。
【0007】図2において、(P1 −P2 )÷P1 ×1
00(%)は一般的にクリック率(A)と呼ばれる数値
である。押し釦の明確な押し感覚及び良好なクリック感
の発現には、クリック率(A)は大きい方が好ましい。
また、(P1 −P4 )÷P1 ×100(%)は一般的に
クリック率(B)と呼ばれる数値である。押し釦の復元
で適度な弾力性を伴うためには、クリック率(B)は小
さい方が好ましい。
【0008】良好なクリック感を得るには、スカート部
の座屈変形が急激に起こることが必要になり、良好なク
リック感は、キーパッド成形体としてより柔軟な素材を
用いること、及び、キーパッドのスカート部と呼ばれる
肉薄部分の肉厚をより薄い設計とすることの少なくとも
一種の方法を採用することで得られる。
【0009】現在、押し釦用キーパッドの素材には、シ
リコーンゴム、天然ゴム、合成ゴム等が使われており、
特に、加硫ゴムの一種であるシリコーンゴムは、寸法安
定性、耐熱性等に優れている点、安価である点等に利点
を有するので、最も広く採用されている。しかし、シリ
コーンゴムは、押出成形、射出成形等の高温の熱溶融成
形が不可能であるために、押し釦用キーパッド製造過程
ではプレス成形にて加熱硬化を施す方法が採られてお
り、その結果、成形に要する時間が長くなる等の生産性
の点に問題がある。
【0010】一方、熱可塑性エラストマーは、押出成
形、射出成形等の高温の熱溶融成形が可能である点、加
硫工程を必要としないため生産性等に優れている点等の
理由から、押し釦用キーパッドの素材としては有望であ
り、近年、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が、
テレビ、ビデオ等のリモートコントロール、電話機、フ
ァクシミリ等の操作部の押し釦用キーパッドに、シリコ
ーンゴムの代替として用いられるようになっている。
【0011】しかし、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マーは、例えば、市販材料で最も柔軟なものでもJIS
−A硬度75〜80であり、その柔軟性には限界があ
る。これらの比較的硬い材料を用いて軽い押し圧感を満
たすキーパッドを製造する場合には、スカート部が有す
る厚みを100〜150μm以下にする必要があるが、
通常の射出成形ではスカート部の厚み偏差が非常に大き
くなるので、成形されたキーパッド間で厚みのばらつき
が大きくなり、押し圧感、クリック率等の面で、品質の
安定したキーパッドを製造することは困難であった。
【0012】従って、より小さい動作荷重が要求される
用途、例えば、リモートコントロール装置、電話機等の
押し釦の中でも比較的軽いタッチが求められるもの、電
卓用の入力操作キー、パーソナルコンピューターのキー
ボードの操作キー等のより軽いタッチが求められるもの
に従来のポリエステル系熱可塑性エラストマーを採用す
るには、素材の柔軟性が不足していた。
【0013】特開平4−351813号公報には、ポリ
エステル系熱可塑性エラストマーを素材にしたキーパッ
ド成形品に電子線照射を行うことで耐熱性に優れたキー
パッドを製造する技術が開示されているが、この方法に
おいても素材の柔軟性が不足しているために軽いタッチ
感を実現することは困難であった。また、単に柔軟であ
るという条件を満たすだけの熱可塑性エラストマーで
は、キーパッドとしての良好なクリック感を達成するこ
とができていなかった。
【0014】JIS−A硬度40〜70である柔軟な熱
可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系熱可
塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー
等が知られている。特開平4−83619号公報及び特
開平1−3930号公報には、スチレン系熱可塑性エラ
ストマーを成形して押し釦用キーパッドを製造する技術
が開示されているが、いずれもシリコーンゴムを用いた
キーパッドに比べてクリック感が劣る点等に問題があっ
た。
【0015】また、このような柔軟な熱可塑性エラスト
マーを用いた場合でも、軽い押し圧を発現させるために
は、スカート部の厚みを300μm程度にまで薄くする
必要があり、この場合においても通常の射出成形では、
スカート部の厚み偏差が大きくなり、品質の安定したキ
ーパッドの製造は困難である。また、このような柔軟な
熱可塑性エラストマーを通常の射出成形によってキーパ
ッドに成形した場合、材料の弾力性が低いので、材料の
金型充填が均一にならず、肉薄の成形品には歪みが生じ
るという問題が残されている。
【0016】現在、生産性に優れ、押し圧感やクリック
感が良好であるとともに、品質が安定したキーパッドの
製造方法が強く求められている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、柔軟性、耐クリープ性に優れ、肉薄のスカート部の
厚み偏差が少なく、品質の安定したキーパッドを製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、熱可塑
性エラストマーを、射出圧縮成形により中空メーサ型に
成形してキーパッドを製造するところに存する。
【0019】上記射出圧縮成形は、予め圧縮ストローク
分だけ大きくした金型空間に溶融熱可塑性エラストマー
を充填した後、上記溶融熱可塑性エラストマーを、例え
ば、型締力、金型内のコアの移動等により加圧する射出
成形である。上記射出圧縮成形の方法としては特に限定
されず、例えば、マイクロモーダル法、射出プレス法等
が挙げられる。
【0020】上記マイクロモーダル法は、型締力により
金型の分割面を閉じて所定量の熱可塑性エラストマーを
キャビティ内に射出した後、独立した加圧装置である可
動コアを圧縮ストローク分だけ移動させることにより熱
可塑性エラストマーに圧縮力を加える方法である。上記
射出プレス法は、予め圧縮ストローク分だけ大きくした
金型空間に溶融熱可塑性エラストマーを射出し、充填中
又は充填完了した時点で金型を閉じ、型締力で圧縮を行
う方法である。
【0021】上記圧縮ストロークは、0.5〜3.0m
mが好ましい。0.5mm未満であると、金型内の溶融
熱可塑性エラストマーの流動状態が悪化し、肉薄部の厚
み精度が劣る。3.0mmを超えると、金型内の溶融熱
可塑性エラストマーの表面層と内部層との間に温度差が
できるので成形品の外観が不良となる。本発明のキーパ
ッドの製造方法では、最終製品の必要に応じて2色成形
法等の成形方法を採用してもよい。
【0022】上記熱可塑性エラストマー(以下「TP
E」という)としては特に限定されず、例えば、オレフ
ィン系TPE、スチレン系TPE、塩化ビニル系TP
E、ウレタン系TPE、エステル系TPE、ポリ1,2
−ブタンジエン等が挙げられる。
【0023】上記オレフィン系TPEとしては、例え
ば、動的架橋タイプ、ブレンドタイプ、α−オレフィン
共重合タイプ等が挙げられる。軽い押し圧感、明確なク
リック感に優れたキーパッドが得られるので、αオレフ
ィン共重合タイプであるポリエチレン系樹脂が、特に好
ましい。
【0024】上記ポリエチレン系樹脂としては、エチレ
ンとエチレン以外のα−オレフィンとを4価の遷移金属
を含むメタロセン化合物を触媒に用いて共重合させてな
るものが好ましい。
【0025】上記エチレン以外のα−オレフィンとして
は特に限定されず、例えば、プロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0026】上記4価の遷移金属としては特に限定され
ず、例えば、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジ
ウム、ハフニウム、白金等が挙げられる。上記メタロセ
ン化合物としては、上記4価の遷移金属に、例えば、1
つ以上のシクロペンタジエン環、その類縁体等がリガン
ドとして存在する化合物が挙げられる。
【0027】上記リガンドとしては特に限定されず、例
えば、シクロペンタジエニル環;炭化水素基、置換炭化
水素基、炭化水素−置換メタロイド基等により置換され
たシクロペンタジエニル環;シクロペンタジエニルオリ
ゴマー環;インデニル環;炭化水素基、置換炭化水素
基、炭化水素−置換メタロイド基等により置換されたイ
ンデニル環等が挙げられる。
【0028】上記シクロペンタジエニル環及び上記類縁
体以外のリガンドとしては、例えば、塩素、臭素等の一
価のアニオンリガンド;二価のアニオンキレートリガン
ド;炭化水素基;アルコキシド;アリールアミド;アリ
ールオキシド;アミド;アリールアミド;ホスフィド;
アリールホスフィド等が挙げられる。上記炭化水素基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、イソブ
チル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、セチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基等が
挙げられる。
【0029】上記リガンドが配位したメタロセン化合物
としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリル
テトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチル
アミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラ
メチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミド
ハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシ
クロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジ
ルコニウムクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチ
ルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフ
ニウムジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメ
チルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチル
アミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロ
ピルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブ
チルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)等が挙げられ
る。
【0030】上記共重合は、上記メタロセン化合物に、
例えば、メチルアルミノキサン、ほう素系化合物等の共
触媒を加えた触媒系で行ってもよい。上記共触媒の添加
量は、上記メタロセン化合物に対して、10〜100万
モル倍が好ましい。より好ましくは、50〜5千モル倍
である。
【0031】上記共重合の方法としては特に限定され
ず、例えば、不活性触媒を用いる溶液重合法、実質的に
不活性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法等が挙
げられる。重合温度は、−100〜300℃が好まし
く、重合圧力は、常圧から100kg/cm2 が好まし
い。
【0032】上記メタロセン化合物を触媒に用いて重合
されたポリエチレン系樹脂は、分子量分布が狭く、特に
共重合体ではどの分子量成分にも共重合体成分がほぼ等
しい割合で導入されている。このようなポリエチレン系
樹脂としては、例えば、ダウ・ケミカル社製「AFFI
NITY」、「ENGAGE」、エクソン・ケミカル社
製「EXACT」等が市販されている。
【0033】本発明で使用されるポリエチレン系樹脂の
密度は、0.840〜0.925g/cm3 が好まし
い。0.840g/cm3 未満であると、上記ポリエチ
レン系樹脂の結晶性が低下し、成形して得られるキーパ
ッドの機械的強度が低下し、0.925g/cm3 を超
えると成形して得られるキーパッドの柔軟性及び伸びが
不足する。より好ましくは、0.860〜0.910g
/cm3 である。
【0034】上記ポリエチレン系樹脂は、示差走査熱量
計で測定した結晶融解ピークが1つであり、融解ピーク
温度から全結晶が融解し終わるまでの温度幅が0〜30
℃であり、クロス分析法で測定した場合に、数平均分子
量に対する重量平均分子量の値が、1.5〜3.5であ
り、クロス分析法で測定した場合に、10重量%溶出し
たときの温度から100重量%溶出し終わるまでの温度
幅が、0〜40℃であるものが好ましい。
【0035】示差走査熱量計による測定は、例えば、1
0mg程度のポリエチレン系樹脂サンプルを白金パンに
入れ、サンプルを一度溶融させた後、5℃/分の速度で
−50℃まで冷却し、その後5℃/分の速度で昇温しな
がら測定を行う。測定には、示差走査熱量計(セイコー
電子工業社製、SSC5200型)等が用いられる。
【0036】上記ポリエチレン系樹脂の結晶融解ピーク
は、1つが好ましい。結晶融解ピークが複数個存在する
場合には、結晶性の異なる成分が複数個存在し、成形時
に溶融ポリエチレン系樹脂の粘度にむらが生じ、均一な
キーパッドが得られない。
【0037】上記ポリエチレン系樹脂は、結晶溶解ピー
ク温度(T3 )から、全結晶が融解し終わるまでの温度
(T4 )の幅が0〜30℃が好ましい。30℃を超える
と、ポリエチレン分子の結晶性の差が大きくなり、成形
時に溶融ポリエチレン系樹脂の粘度にむらが生じ、均一
なキーパッドが得られない。より好ましくは、0〜25
℃である。
【0038】クロス分析法は、温度上昇溶離分別を行
い、同時に高温型ゲル透過クロマトグラフィーにより溶
出した各成分の分子量、分子量分布及び結晶性分布を測
定する。温度上昇溶離分別では、ポリエチレン系樹脂を
140℃又はポリエチレン系樹脂が完全に溶解する温度
のo−ジクロロベンゼンに溶解し、一定速度で冷却した
後、予め用意した不活性担体表面に薄いポリマー層とし
て結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成させ、次
いで、温度を連続又は段階状に昇温し、順次溶出した成
分の濃度を検出し、分子量、分子量分布及び結晶性分布
を測定する。分析には、上記温度上昇溶離分別及び上記
高温型ゲル透過クロマトグラフィーをシステムに備えて
いるクロス分別クロマトグラフ装置(三菱油化社製、C
FC−T150A型)等が用いられる。
【0039】上記ポリエチレン系樹脂は、クロス分析法
で測定した場合に、数平均分子量に対する重量平均分子
量の値が1.5〜3.5であることが好ましい。1.5
未満であると、キーパッドの強度は向上するが、溶融時
に上記ポリエチレン系樹脂が流れにくくなり、成形が困
難になる。3.5を超えると、分子量の低い分子の存在
比率、分子量の高い分子の存在比率が高くなり、成形時
に溶融ポリエチレン系樹脂の粘度にむらが生じ、均一な
キーパッドが得られず、さらに、分子量の低い分子の存
在比率が高くなる場合には、結晶の中で架橋点として有
効に働かないものの比率が高くなり、柔軟性に優れたキ
ーパッドが得られない。より好ましくは、1.7〜3.
0である。
【0040】上記ポリエチレン系樹脂は、クロス分析法
で測定した場合に、10重量%溶出したときの温度(T
1 )から100重量%溶出終了したときまでの温度(T
2 )の幅が0〜40℃であることが好ましい。40℃を
超えると、上記ポリエチレン系樹脂の中に結晶性が高い
成分と低い成分とが同時に存在し、成形時に溶融ポリエ
チレン系樹脂の粘度にむらが生じ、均一なキーパッドが
得られない。より好ましくは、0〜30℃である。
【0041】本発明のキーパッドの製造方法では、上記
ポリエチレン系樹脂に、多官能モノマーを架橋補助剤と
して添加してもよい。上記架橋補助剤としては特に限定
されず、例えば、(イソ)シアヌール酸のジ又はトリア
リルエステル、カルボン酸のポリアリルエステル、アク
リロイルオキシ基又はメタクリロイルキシ基を3個以上
有する化合物、プロパギル基を2個以上有する化合物等
か挙げられる。
【0042】上記(イソ)シアヌール酸のジ又はトリア
リルエステルとしては、例えば、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等の(イソ)シアヌレ
ートと(イソ)シアヌール酸とのジ又はトリアリルエス
テル等が挙げられる。
【0043】上記カルボン酸のポリアリルエステルとし
ては、例えば、トリメリット酸トリアリルエステル、ト
リメシン酸トリアリルエステル、ピロメリット酸トリア
リルエステル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸トリア
リルエステル、しゅう酸ジアリル、こはく酸ジアリル、
アジピン酸ジアリル等が挙げられる。
【0044】上記アクリロイルオキシ基又はメタクリロ
イルキシ基を3個以上有する化合物としては、例えば、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタン
テトラアクリレート、1,2,3−プロパントリオール
トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルオキ
シベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト等が挙げられる。
【0045】上記プロパギル基を2個以上有する化合物
としては、例えば、フタル酸ジプロパルギル、イソフタ
ル酸ジプロパルギル、テレフタル酸ジプロパルギル、ト
リメジン酸トリプロパルギル、イタコン酸ジプロパルギ
ル、マレイン酸ジプロパルギル等が挙げられる。
【0046】上述のほかに、過酸化ベンゾイル等のラジ
カル発生剤、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオ
ール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ
(メタ)アクリレート等を用いてもよい。
【0047】上記架橋補助剤の種類及び添加量は、適宜
選択できる。上記架橋補助剤の添加量は、上記ポリエチ
レン系樹脂100重量部に対して0.3〜5重量部が好
ましい。0.3重量部未満であると、架橋補助剤の効果
が見られず、5重量部を超えると、架橋補助剤のブリー
ドが起こる。
【0048】本発明のキーパッドの製造方法では、より
軽い押し圧感と、より良好なクリック感とが得られるの
で、上記ポリエチレン系樹脂を成形して得られるキーパ
ッドに放射線を照射してもよい。上記放射線としては特
に限定されず、例えば、ガンマ線、電子線等が挙げられ
る。好ましくは、電子線である。上記放射線の照射量
は、成形体の形状にもよるが、0.1〜50Mradが
好ましい。0.1Mrad未満であると、ポリエチレン
系樹脂の架橋度が上がらないので、耐クリープ性等の力
学的特性が不充分となり、50Mradを超えると、架
橋度が高くなりすぎるので、柔軟性が損なわれ、ゴム弾
性が劣る。
【0049】本発明のキーパッドの製造方法では、各種
物性を改善するために、溶融成形ができる範囲で各種ゴ
ム成分を併用してもよい。上記ゴム成分としては特に限
定されず、例えば、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ア
クリルゴム、ふっ素ゴム、エチレン−プロピレン−ジエ
ン三元共重合ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、天然ゴム等
が挙げられる。
【0050】上記ゴム成分の添加量は、上記ポリエチレ
ン系樹脂100重量部に対して20〜75重量部が好ま
しい。20重量部未満であると、ゴム成分の添加効果が
見られず、75重量部を超えると、成形が困難になる。
【0051】
【作用】本発明で採用される射出圧縮成形では、予め圧
縮ストローク分だけ大きくした金型内に溶融熱可塑性エ
ラストマーを射出するので、肉薄部の流動抵抗が緩和
し、成形品の歪みが低減し、厚み精度が増大する。
【0052】本発明により製造されたキーパッドは、放
射線照射を行うことで、より軽い押し圧感と、より良好
なクリック感とが発現する。これは、放射線照射によ
り、ポリエチレン系樹脂中の非晶相であるソフトセグメ
ントが架橋されて、同時に、ポリエチレン系樹脂中の結
晶相であるハードセグメントの一部の架橋により結晶化
度が低下するため、柔軟性とゴム弾性がバランスするこ
とに起因している。
【0053】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0054】実施例1 重合触媒としてメタロセン化合物を用いて重合した密度
0.868g/cm3、重量平均分子量/数平均分子量
(分子量分布)2.0で、クロス分別法の測定結果及び
示差走査熱量計(DSC)の測定結果が表1の通りであ
るポリエチレン系樹脂(ダウケミカル社製ENGAGE
8150)を、射出圧縮成形マイクロモールダー法によ
って、射出後、肉薄部であるスカート部を可動コアによ
って圧縮することによって、図1に示すようなキーパッ
ド成形品とした。このときの成形品20個のスカート部
の平均の厚み(A)と厚みの標準偏差(B)を表2に示
した。なお、表1中、「T1 」は、クロス分析法で測定
した場合に、10重量%溶出したときの温度を示し、
「T2 」は、クロス分析法で測定した場合に、100重
量%溶出したときの温度を示し、「T3 」は、示差走査
熱量分析で測定した場合の結晶溶解ピーク温度を示し、
「T4 」は、示差走査熱量分析で測定した場合の全結晶
が融解し終わるときの温度を示す。
【0055】射出圧縮成形条件は、次の通りである。射
出成形機には東芝機械社製EPN−IS30(30t)
を用い、成形温度は、シリンダー(170℃)、ノズル
(170℃)、金型(25℃)とし、圧縮ストローク
は、1.5mmとした。成形したキーパッド成形品を、
アイコーエンジニアリング社製微小荷重測定機(MOD
EL1305D)を用いて動作荷重の測定を行った。結
果を表2に示した。
【0056】実施例2 ポリエステル系TPE(デュポン社製HYTREL35
48)を射出圧縮成形マイクロモールダー法によって、
射出後、肉薄部であるスカート部を可動コアによって圧
縮することによって、図1に示すようなキーパッド成形
品とした。このときの成形品20個のスカート部の平均
の厚み(A)と厚みの標準偏差(B)を表2に示した。
【0057】射出圧縮成形条件は、次の通りである。射
出成形機には東芝機械社製EPN−IS30(30t)
を用い、成形温度は、シリンダー(230℃)、ノズル
(230℃)、金型(25℃)とし、圧縮ストローク
は、1.5mmとした。成形したキーパッド成形品を、
アイコーエンジニアリング社製微小荷重測定機(MOD
EL1305D)を用いて動作荷重の測定を行った。結
果を表2に示した。
【0058】比較例1 ポリエステル系TPE(デュポン社製HYTREL35
48)を、通常の射出成形によって、図1に示すような
キーパッド成形品とした。このときの成形品20個のス
カート部の平均の厚み(A)と厚みの標準偏差(B)を
表2に示した。
【0059】射出成形条件は、次の通りである。射出成
形機には東芝機械社製EPN−IS30(30t)を用
い、成形温度は、シリンダー(230℃)、ノズル(2
30℃)、金型(25℃)とした。成形したキーパッド
成形品を、アイコーエンジニアリング社製微小荷重測定
機(MODEL1305D)を用いて動作荷重の測定を
行った。結果を表2に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明のキーパッドの製造方法は上述の
構成よりなるので、生産性に優れ、押し圧感やクリック
感が良好であり、品質が安定したキーパッドを容易に製
造でき、電子機器等の分野において好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】キーパッドの断面図。
【図2】キーパッドの動作荷重の変化を示す図。縦軸
は、動作荷重を表し、横軸は、ストロークを表す。
【符号の説明】
1 キーパッド周辺部 2 スカート部 3 キートップ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマーを、射出圧縮成形
    により中空メーサ型に成形することを特徴とするキーパ
    ッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーが、エチレンとエ
    チレン以外のα−オレフィンとを4価の遷移金属を含む
    メタロセン化合物を触媒に用いて共重合させてなるポリ
    エチレン系樹脂であり、前記ポリエチレン系樹脂の密度
    が、0.840〜0.925g/cm3 である請求項1
    記載のキーパッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリエチレン系樹脂が、示差走査熱量計
    で測定した結晶融解ピークが1つであり、融解ピーク温
    度から全結晶が融解し終わるまでの温度幅が0〜30℃
    であり、クロス分析法で測定した場合に、数平均分子量
    に対する重量平均分子量の値が、1.5〜3.5であ
    り、クロス分析法で測定した場合に、10重量%溶出し
    たときの温度から100重量%溶出し終わるまでの温度
    幅が、0〜40℃であるものである請求項2記載のキー
    パッドの製造方法。
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