JPH08187601A - 円筒状被加工材の外周面加工方法および補助装置 - Google Patents

円筒状被加工材の外周面加工方法および補助装置

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JPH08187601A
JPH08187601A JP32868094A JP32868094A JPH08187601A JP H08187601 A JPH08187601 A JP H08187601A JP 32868094 A JP32868094 A JP 32868094A JP 32868094 A JP32868094 A JP 32868094A JP H08187601 A JPH08187601 A JP H08187601A
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cylindrical
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JP32868094A
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Yoshiyuki Aono
野 好 之 青
Keiichiro Shima
圭一郎 嶋
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉の円筒状被加工材の外周面の機械加工に
おいて、加工中に発生するびびり振動を簡易に抑制し
て、薄肉化、長尺化、加工の高精度化および生産性の向
上を図るのに好適な円筒状被加工材の外周面加工方法お
よび補助装置を提供する。 【構成】 円筒状被加工材W内に円筒状被加工材Wの外
周面加工用補助部材1を挿入し、円筒状被加工材Wの両
端部をそれぞれコレット9,10で固定し、加減圧用弁
7から加圧して心棒本体2に巻き付けられた弾性体管8
を膨脹させて、弾性体管8が円筒状被加工材Wの内周面
を押圧した状態で、加減圧用弁7が設けられている心棒
端部部材5に把持用治具5を挿入固定して円筒状被加工
材Wを旋盤等の加工機械に搭載し、円筒状被加工材Wの
外周面を機械加工する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄肉の円筒状被加工材
の外周面加工方法およびこれに使用される補助装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、薄肉の円筒状被加工材の外周
面の機械加工においては、円筒状被加工材の薄肉化、長
尺化および加工の高精度化が要求されているのに加え、
生産性向上に対する要請も強い。
【0003】例えば、図5に示すように、両端をコレッ
ト100を介して心棒101で把持固定された円筒状被
加工材102の外周面を旋盤装置により旋削加工するよ
うな場合、円筒状被加工材102の内周面と心棒101
との間に空隙Sが存在するため、加工の際に円筒状被加
工材102にびびり振動が生じやすくなり、そのため加
工面にうねり模様が発生し、要求される加工精度を満す
ことができない。
【0004】また、円筒状被加工材102の肉厚をさら
に薄くしたり、あるいは円筒状被加工材102を長尺化
したりすると、円筒状被加工材102の剛性の低下によ
りびびり振動がより一層発生しやすくなり、さらに、切
削速度を増すと切削抵抗の増加により同様にびびり振動
が発生しやすくなるという問題があり、円筒状被加工材
102の薄肉化、長尺化、加工の高精度化および生産性
の向上を図ることが困難であった。
【0005】従来、このような薄肉の円筒状被加工材の
びびり振動を抑えて良好な加工面を得るには、例えば、
図6〜図8に示すような手段が提案されている。
【0006】図6に示す手段は、バイト106で旋削加
工する際のびびり振動を、チャック103に固定された
円筒状被加工材102の外周面の一部にゴム製のシート
104を巻き付け接着テープ105により固定すること
によって抑制するものである。
【0007】また、図7に示す手段は、薄肉部107a
を複数形成した中空状の心棒107を円筒状被加工材1
02内に挿入し、中空状の心棒107の中空部107b
に油圧を供給して中空状の心棒107の薄肉部107a
を弾性変形させることにより、中空状の心棒107の薄
肉部107aの外周面を円筒状被加工材102の内周面
に密着させてびびり振動の抑制を図るものである。
【0008】さらに、図8に示す手段は、まず、内部が
中空の心棒本体111の外周に円周方向に等間隔に3〜
4か所形成された凹部に当て金112が設けられてお
り、当て金112の底部にはピン113が心棒本体11
1に形成されたピン113用の貫通穴を通して中空内部
に突出するように設けられている。そして、心金114
の端部に接続された一方の把持部材115の外周に設け
られたかぎスパナ用ナット116を矢印Aの方向に移動
するように回すと、心棒本体111は、他方の把持部材
117の外周に設けられたコイルばね118を圧縮しな
がら矢印A方向に移動する。このとき、ピン113と心
金114の外周に形成された傾斜溝114aとが係合し
て当て金112は円筒状被加工材102の内周面に向か
って押し上げられ、当て金114が円筒状被加工材10
2の内周面を押圧することによりびびり振動の抑制を図
るものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示した手段では、円筒状被加工材102の外周の全てを
加工するには、ゴム製のシート104の位置をずらすた
めに脱着しながら加工しなければならず、自動加工や無
人加工ができないという問題がある。
【0010】また、図7に示した手段では、中空状心棒
107の薄肉部107aの油圧による弾性変形量は僅か
な変形量しか見込めないため、嵌め合い公差を厳密にし
て中空状の心棒107を円筒状被加工材102内に挿入
する必要があるとともに、円筒状被加工材102の内径
精度に厳しい制約を受ける。さらに、びびり振動を完全
に抑制し、より長い円筒状被加工材102を加工するに
は、薄肉部107aを多数形成する必要があるが、中空
であるうえに薄肉部107aを多数形成すると心棒10
7自体の剛性が低下して、心棒107の真直度を維持で
きなくなるため、円筒状被加工材102の真直度の維持
が困難となり、また、心棒107の中空部107bに油
圧を供給する構成であるため、装置全体が高価となって
しまうという問題がある。
【0011】図8に示した手段では、機構が複雑にな
り、また、円筒状被加工材102の内径精度の影響を受
けて、円筒状被加工材102の内径が最小の場所で当て
金112の円筒状被加工材102に向けての押し上げが
止まるため、全ての当金112が円筒状被加工材102
に接触する保証がなく、びびり振動を十分に抑えられな
いという問題がある。
【0012】以上説明したように、薄肉の円筒状被加工
材の外周面の機械加工においては、上記した問題があ
り、これを解決することが課題であった。
【0013】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題に鑑み
てなされたもので、薄肉の円筒状被加工材の外周面の機
械加工において、加工中に発生するびびり振動を簡易に
抑制して、薄肉化、長尺化、加工の高精度化および生産
性の向上を図るのに好適な円筒状被加工材の外周面加工
方法および補助装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
円筒状被加工材の外周面加工方法は、薄肉の円筒状被加
工材の外周面の機械加工において、円筒の両端部をコレ
ットを介して内部に挿入された心棒で把持された円筒状
被加工材の外周面を加工するに際し、心棒と円筒内周と
の間の空隙に弾性体からなる弾性体管を介在させ、この
弾性体管内を加圧して膨脹させ、弾性体管が円筒内周を
押圧した状態で円筒状被加工材の外周面を機械加工する
ことを特徴としている。
【0015】また、本発明の請求項2に係る円筒状被加
工材の外周面加工用補助装置は、請求項1の方法によっ
て薄肉の円筒状被加工材の外周面を加工するのに使用さ
れる装置であって、両端部を除く外周に螺旋状の溝部が
形成され且つ溝部の両端部と一方端面とを通じる空気用
流路が内部に形成された心棒と、心棒の溝部に沿って巻
き付けられるとともに溝部の両端部に連結される弾性体
管と、心棒の両端部外周に設けられた円筒状被加工材の
両端部固定用コレットと、心棒の一方端面の空気用流路
の開口部に設けられた弾性体管内の圧力を加減する加減
圧用弁とを備えた構成のものとしている。
【0016】さらに、本発明の請求項2に係る円筒状被
加工材の外周面加工用補助装置の実施態様においては、
請求項3として、弾性体管内が加減圧用弁を通じて加圧
されて膨脹したときには、弾性体管の一部が心棒に形成
された溝部の外径から膨出し、弾性体管内が加減圧用弁
を通じて減圧されて収縮したときには、弾性体管は溝部
の外径内に収容される構成のものとすることができる。
【0017】さらにまた、本発明の請求項4に係る円筒
状被加工材の外周面加工方法は、請求項2または3に記
載の補助装置を使用して円筒状被加工材を加工する際
に、円筒状被加工材に補助装置を挿入して円筒状被加工
材の両端部を補助装置に設けられた両端部固定用コレッ
トで固定し、外部に設置された加減圧装置により加減圧
用弁を通じて弾性体管内を加圧して膨脹させて弾性体管
が円筒内周を押圧する状態にした後、加減圧用弁が設け
られた一方端部に把持用治具を挿入して円筒状被加工材
を加工機械に搭載することを特徴としている。
【0018】
【発明の作用】本発明の請求項1に係る円筒状被加工材
の外周面加工方法では、心棒と円筒状被加工材の内周と
の間の空隙にゴムホース等の弾性体管を介在させ、弾性
体管内を加圧して膨脹させて弾性体管が円筒状被加工材
の内周面を押圧した状態にすることにより、円筒状被加
工材の内周面が拘束されるため、薄肉の円筒状被加工材
の外周面の機械加工におけるびびり振動が抑制されるこ
ととなる。また、心棒と円筒状被加工材の内周との間に
は空隙が存在し、かつ、弾性体管を用いているため、円
筒状被加工材の内径精度の影響を受けることがないう
え、弾性体管が円筒状被加工材の内周に確実に接触する
ため、振動が確実に抑えられることとなる。
【0019】さらに、びびり振動の発生状況にあわせ
て、弾性体管の介在の仕方を適宜変更すれば、びびり振
動が確実に抑制されるとともに、円筒状被加工材の全長
にわたってびびり振動が抑えられることとなる。
【0020】本発明の請求項2に係る円筒状被加工材の
外周面加工用補助装置では、円筒状被加工材の外周面加
工用補助装置を円筒状被加工材に挿入し、両端部固定用
コレットで円筒状被加工材の両端部を固定した後、加減
圧用弁から圧縮空気を注入して加圧すれば、心棒内部に
形成された空気用流路通じて心棒の外周の溝部に巻き付
けられた弾性体管が膨脹して円筒状被加工材の内周面を
押圧し、円筒状被加工材の内周面は全長にわたって拘束
されるため、びびり振動が円筒状被加工材の全長にわた
って確実に抑制されることとなる。
【0021】また、本補助装置は簡易な構成となってい
るため、円筒状被加工材の内径寸法上の制約や装置自体
の剛性の低下も大幅に低減され、より細長い円筒状被加
工材にも適用されることとなる。
【0022】本発明の請求項3に係る円筒状被加工材の
外周面加工用補助装置では、弾性体管が膨脹した際に
は、確実に弾性体管が円筒の内周面に密着して、びびり
振動が抑制されるとともに、減圧して弾性体管が収縮し
た際には、弾性体管が溝部の外径内に収容されるため、
円筒状被加工材から補助装置を抜き出すときに、弾性体
管が円筒の内周面と干渉せず、円筒状被加工材からの補
助装置の抜き出しが容易となり、このため、抜き出しに
際して変形が生じがたいとともに、加工の自動化および
無人化への対応が容易となる。
【0023】本発明の請求項4に係る円筒状被加工材の
外周面加工方法では、上記構成とすることにより、例え
ば、円筒状被加工材を旋盤で加工する場合には、補助装
置の両端部が旋盤の把持装置により把持されて、円筒状
被加工材の内周が弾性体管によって押圧された状態で、
かつ、円筒状被加工材は回転しながら外周面の加工がな
されることとなる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0025】図1は、本発明に係る円筒状被加工材の外
周面加工用補助装置の一実施例を示す断面説明図であっ
て、図1の円筒状被加工材の外周面加工用補助装置1
(以下、補助装置1とする。)において、心棒は、心棒
本体2と、心棒本体2の両端部に心棒継手部材3および
4を介して連結された心棒端部部材5および6とから構
成されている。
【0026】心棒継手部材3および4の外周には、コレ
ット9および10がそれぞれコレット拡張部材11およ
び12を介して設けられている。コレット9,10およ
びコレット拡張部材11,12は、円筒状被加工材内に
補助装置1を挿入した際に、円筒状被加工材の両端部の
内径面を固定するのに用いられるもので、コレット拡張
部材11,12と心棒端部部材5,6との間にはねじが
形成されており、コレット拡張部材11,12を回すこ
とにより、コレット拡張部材11,12が心棒端部部材
5,6に対して移動し、コレット拡張部材11,12の
外周に形成されたテーパ部11a,12aがコレット
9,10を拡張することにより、コレット9,10が円
筒状被加工材の両端部を固定するものである。
【0027】一方、心棒本体2,心棒継手部材3,4お
よび心棒端部部材5の中心にはそれぞれ空気用流路2
a,3a,4aおよび5aが形成されており、これらは
連通している。そして、心棒継手部材4の空気用流路4
aは一方端部において心棒端部部材6によって密封され
ており、一方、心棒端部部材5の空気用流路5aの端部
においては開口しており、この心棒端部部材5の開口部
5bには、加減圧用弁7が設けられている。
【0028】心棒本体2の外周には、弾性体管を配設す
るための溝部2cが螺旋状に形成されているとともに、
溝部2cに沿って弾性体管8が巻き付けられている。な
お、弾性体管8にはゴム製のホース等を用いることがで
きる。溝部2cの両端部分は平面加工(平面加工部2f
−A,2f−B)されているとともに、その終端におい
て空気用流路2aと連通するように穴加工(図示してい
ない)されており、これに弾性体管8の両端部が連結さ
れて連結部2g−Aおよび2g−Bをなしている。溝部
2cの両端部分を平面加工することにより、連結部2g
−Aおよび2g−Bを心棒本体2の外径内に収めること
ができる。
【0029】このように、弾性体管8は、連結部2g−
A,2g−Bを通じて空気用流路2aに連通しているた
め、上記した加減圧用弁7から心棒内を加圧または減圧
することにより、弾性体管8は膨脹または収縮すること
となる。このとき、加減圧用弁7から心棒内を加減圧す
るには、例えば、図2に示すような、外部に設置された
加減圧装置21により行なうことができる。
【0030】加減圧装置21の差し込みプラグ27を加
減圧用弁7の受け口7aに挿入すると加減圧用弁7の弁
が開き、そして、加減圧装置21により加圧するときに
は、バルブ23を開き、かつバルブ25を閉じることに
よって、圧縮空気供給管22から供給された圧縮空気F
が、減圧弁24により最適な圧力に調整された圧縮空気
が加減圧用弁7を通じて心棒内に供給され、また、減圧
するときには、バルブ25を開き、かつバルブ23を閉
じることによって、圧縮空気供給管22から供給された
圧縮空気は真空発生器26に導入され、この圧縮空気が
排気口26aから排気されることにより、負圧を発生さ
せて、心棒内は減圧される。
【0031】差し込みプラグ27を、加減圧用弁7の受
け口7aから抜き去ると、加減圧用弁7の弁が閉じるこ
とにより、心棒内の圧力は一定に保持される。
【0032】次に、上記のように構成される補助装置1
を用いて円筒状被加工材の外周面を加工するには、図3
に示すように、まず、円筒状被加工材W内に補助装置1
を挿入し、補助装置1のコレット拡張部材11,12を
回してコレット9,10により円筒状被加工材Wの両端
部を固定する。
【0033】次に、差し込みプラグ27を、加減圧用弁
7の受け口7aに差し込んで加圧する。加圧すると、図
4の(a)に示すように、弾性体管8が膨脹して、円筒
状被加工材Wの内周面を押圧する状態となり、この状態
で、差し込みプラグ27を加減圧用弁7の受け口7aか
ら抜き去る。
【0034】そして、この状態の円筒状被加工材Wの外
周面を加工機械により加工するのであるが、例えば、円
筒状被加工材Wの外周面を旋盤により機械加工する場合
には、補助装置1の両端部を把持固定しなければならな
い。しかし、補助装置1の心棒端部部材5の開口部5b
には加減圧用弁7が設けられているため把持固定するこ
とが困難である。そこで、図3に示すように、把持用治
具31を心棒端部部材5に挿入する。
【0035】心棒端部部材5の外周にはキー5cが設け
られており、このキー5cと把持用治具31の内周に形
成されたキー溝31cとが嵌まり合って回転方向の固定
がなされる。
【0036】また、円筒状被加工材Wを旋盤に搭載する
際には、把持用治具31が旋盤のテールストック側に位
置してライブセンターによりセンタリングされ、心棒端
部部材6がヘッドストック側に位置し、回転力は、チャ
ッキングによらず、心棒端部部材6に形成された溝6a
に旋盤側に設けられている突起部が嵌まり込むことによ
り伝達されるものとすることができる。
【0037】こうすることにより、油圧チャック機構を
持たない汎用旋盤にも適用することができる。
【0038】このようにして弾性体管が円筒状被加工材
Wの内周面を押圧した状態で円筒状被加工材Wの外周面
は加工されるため、加工時のびびり振動を確実に抑える
ことが可能となるとともに、円筒状被加工材Wの全長に
わたってびびり振動をおさえることができる。また、円
筒状被加工材Wの内周面を押圧しているため、加工を中
断して円筒状被加工材Wの段取りをしなおす必要がな
く、加工の自動化および無人化が可能となる。
【0039】なお、本実施例における補助装置1を、例
えば、材質Alの調質が焼なまし,長さ寸法940m
m,内径59.9mm,肉厚1.0mmの円筒状被加工
物Wに実際に適用した場合、びびり振動が発生すること
なく、良好な加工面が得られた。
【0040】次に、円筒状被加工材Wの外周面の加工が
終了した後は、旋盤(加工機械)から円筒状被加工材W
を取り外し、さらに把持用治具31を抜き去り、加減圧
装置21の差し込みプラグ27を加減圧用弁7の受け口
7aに差し込み、減圧を行なう。減圧した際には、図4
の(b)に示すように、弾性体管8は凹んだ状態となっ
て、溝部2aの外径内に収容されるため、円筒状被加工
材Wから補助装置1を抜き出すときに、弾性体管8と円
筒状被加工材Wの内周面とが干渉を起こさないため首尾
よく抜き出すことができる。このことは、円筒状被加工
材Wに補助装置1を挿入するときも全く同じである。
【0041】また、円筒状被加工材Wから補助装置1を
首尾よく抜き出すことができるため、加工の自動化およ
び無人化がさらに容易となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に係る円筒状被加工材の外周面加工方法によれば、
心棒と円筒状被加工材の内周との間の空隙にゴムホース
等の弾性体管を介在させ、弾性体管内を加圧して膨脹さ
せて弾性体管が円筒状被加工材の内周面を押圧した状態
にすることにより、円筒状被加工材の内周面を拘束する
ことができ、円筒状被加工材の外周面加工におけるびび
り振動を抑制することができ、また、心棒と円筒状被加
工材の内周との間には空隙が存在し、かつ、弾性体管を
用いているため、円筒状被加工材の内径精度の影響を受
けることがないうえ、弾性体管が円筒状被加工材の内周
に確実に接触するため、確実に振動を抑えることがで
き、さらに、びびり振動の発生状況にあわせて、弾性体
管の介在の仕方を適宜変更すれば、びびり振動を確実に
抑制することができるとともに、円筒状被加工材の全長
にわたってびびり振動を抑えることができるという優れ
た効果がもたらされる。
【0043】本発明の請求項2に係る円筒状被加工材の
外周面加工用補助装置によれば、円筒状被加工材の外周
面加工用補助装置を円筒状被加工材に挿入し、両端部固
定用コレットで円筒状被加工材の両端部を固定した後、
加減圧用弁から圧縮空気を注入して加圧すれば、心棒内
部に形成された空気用流路を通じて心棒の外周の溝部に
螺旋状に巻き付けられた弾性体管が膨脹して円筒状被加
工材の内周面を押圧し、円筒状被加工材の内周面は全長
にわたって拘束されるため、びびり振動を円筒状被加工
材の全長にわたって確実に抑制することができ、また、
本補助装置は簡易な構成となっているため、円筒状被加
工材の内径寸法上の制約や装置自体の剛性が低下する問
題も大幅に改善することができて、より細長い円筒状被
加工材に適用することができるとともに、従来に比べて
安価に装置を製作することができるという優れた効果が
もたらされる。
【0044】これに加えて、円筒状被加工材の内側から
防振する構成としているため、加工中に中断して段取り
しなおす必要がなく、自動化および無人化加工が可能と
なり、さらに、びびり振動が発生しないため切削速度を
高めることができて生産性を向上させることができる。
【0045】本発明の請求項3に係る円筒状被加工材の
外周面加工用補助装置では、弾性体管が膨脹した際に
は、確実に弾性体管が円筒の内周面に密着して、びびり
振動が抑制されるとともに、減圧して弾性体管が収縮し
た際には、弾性体管が溝部の外径内に収容されるため、
円筒状被加工材から補助装置を抜き出すときに、弾性体
管が円筒の内周面と干渉せず、円筒状被加工材から補助
装置を容易に抜き出すことができるとともに、加工の自
動化および無人化が容易にできるという効果がもたらさ
れる。
【0046】本発明の請求項4に係る円筒状被加工材の
外周面加工方法では、上記構成とすることにより、例え
ば、円筒状被加工材を旋盤で加工する場合には、補助装
置の両端部が旋盤の把持装置により把持されて、円筒状
被加工材の内周が弾性体管により押圧された状態で、か
つ、円筒状被加工材を回転させながら外周面の加工を行
なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円筒状被加工材の外周面加工用補
助装置の一実施例を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る円筒状被加工材の外周面加工用補
助装置の弾性体管の加減圧に用いる加減圧装置の一例を
示す説明図である。
【図3】本発明に係る円筒状被加工材の外周面加工用補
助装置を円筒状被加工材の加工時に用いた様子を示す断
面説明図である。
【図4】弾性体管が膨脹したときの円筒状被加工材との
関係を示す説明図(図4の(a))および弾性体管が収
縮したときの円筒状被加工材との関係を示す説明図(図
4の(b))である。
【図5】従来の円筒状被加工材の外周面の加工方法の一
例を示す説明図である。
【図6】従来の円筒状被加工材の外周面の加工方法の他
の例を示す説明図である。
【図7】従来の円筒状被加工材の外周面の加工方法のさ
らに他の例を示す説明図である。
【図8】従来の円筒状被加工材の外周面の加工方法のさ
らに他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 円筒状被加工材の外周面加工用補助部材 2 心棒本体 2a 空気用流路 2c 溝部 2f−A,2f−B 平面加工部 2g−A,2g−B 連結部 3 心棒継手部材 3a 空気用流路 4 心棒継手部材 4a 空気用流路 5 心棒端部部材 5a 空気用流路 5b 開口部 5c キー 6 心棒端部部材 6a 空気用流路 7 加減圧用弁 7a 受け口 8 弾性体管 9,10 コレット 11,12 コレット拡張部材 21 加減圧装置 22 圧縮空気供給管 23 バルブ(減圧弁側) 24 減圧弁 25 バルブ(真空発生器側) 26 真空発生器 26a 排気口 27 差し込みプラグ 31 把持用治具 31c キー溝 W 円筒状被加工材 F 圧縮空気

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉の円筒状被加工材の外周面の機械加
    工において、円筒の両端部をコレットを介して内部に挿
    入された心棒で把持された円筒状被加工材の外周面を加
    工するに際し、心棒と円筒内周との間の空隙に弾性体か
    らなる弾性体管を介在させ、この弾性体管内を加圧して
    膨脹させ、弾性体管が円筒内周を押圧した状態で円筒状
    被加工材の外周面を機械加工することを特徴とする円筒
    状被加工材の外周面加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法によって薄肉の円筒状被
    加工材の外周面を加工するのに使用される装置であっ
    て、両端部を除く外周に螺旋状の溝部が形成され且つ溝
    部の両端部と一方端面とを通じる空気用流路が内部に形
    成された心棒と、心棒の溝部に沿って巻き付けられると
    ともに溝部の両端部に連結される弾性体管と、心棒の両
    端部外周に設けられた円筒状被加工材の両端部固定用コ
    レットと、心棒の一方端面の空気用流路の開口部に設け
    られた弾性体管内の圧力を加減する加減圧用弁を備えた
    ことを特徴とする円筒状被加工材の外周面加工用補助装
    置。
  3. 【請求項3】 弾性体管内が加減圧用弁を通じて加圧さ
    れて膨脹したときには、弾性体管の一部が心棒に形成さ
    れた溝部の外径から膨出し、弾性体管内が加減圧用弁を
    通じて減圧されて収縮したときには、弾性体管は溝部の
    外径内に収容される構造を有していることを特徴とする
    請求項2に記載の円筒状被加工材の外周面加工用補助装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の補助装置を使
    用して円筒状被加工材を加工する際に、円筒状被加工材
    に補助装置を挿入して円筒状被加工材の両端部を補助装
    置に設けられた両端部固定用コレットで固定し、外部に
    設置された加減圧装置により加減圧用弁を通じて弾性体
    管内を加圧して膨脹させて弾性体管が円筒内周を押圧す
    る状態にした後、加減圧用弁が設けられた一方端部に把
    持用治具を挿入固定して円筒状被加工材を加工機械に搭
    載することを特徴とする請求項1に記載の円筒状被加工
    材の外周面加工方法。
JP32868094A 1994-12-28 1994-12-28 円筒状被加工材の外周面加工方法および補助装置 Pending JPH08187601A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112008603A (zh) * 2020-08-29 2020-12-01 中国航发南方工业有限公司 一种盲孔细长轴内支撑装置
CN112025356A (zh) * 2020-08-29 2020-12-04 中国航发南方工业有限公司 一种用于薄壁通孔零件加工的装置

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CN112008603B (zh) * 2020-08-29 2021-08-06 中国航发南方工业有限公司 一种盲孔细长轴内支撑装置
CN112025356B (zh) * 2020-08-29 2022-06-07 中国航发南方工业有限公司 一种用于薄壁通孔零件加工的装置

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