JPH08187234A - 磁気共鳴イメージング装置用磁場発生コイル及びその製造方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置用磁場発生コイル及びその製造方法

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JPH08187234A
JPH08187234A JP7001184A JP118495A JPH08187234A JP H08187234 A JPH08187234 A JP H08187234A JP 7001184 A JP7001184 A JP 7001184A JP 118495 A JP118495 A JP 118495A JP H08187234 A JPH08187234 A JP H08187234A
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cancel
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MRI装置に用いるアクティブシールド形傾
斜磁場コイルにおいて、メインコイルとキャンセルコイ
ルの偏心を防ぎ、互いに高い位置精度を容易に得られる
構造を提供する。 【構成】 ボビン1は内周面8と外周面9を旋盤により
一体加工して、真円度が高く偏心率の低い円筒形状とす
る。このボビンの内周面8にX、Y、Z3軸方向の傾斜
磁場を発生する3つのメインコイル2〜4を組合せて固
定する。また外周面にはメインコイルにより発生する磁
界をボビンの外側の空間で打消すような磁界を発生する
X、Y、Z3軸方向のキャンセルコイル5〜7を組合せ
て固定する。 【効果】 メインコイルとキャンセルコイルの位置精度
をボビンの加工精度で決る高い精度とすることができ、
これにより渦電流の発生を効果的に抑制し、精度の高い
傾斜磁場を発生させ、高画質の画像やスペクトルを得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気共鳴イメージング装
置(以下、MRI装置という)に用いる磁場発生コイル
に関し、特にコイルをパルス状の電流で駆動したとき、
印加した電流強度とコイルで発生する磁場強度が正確に
対応するように構成された傾斜磁場発生コイルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、核磁気共鳴(以下、NM
Rという)現象を利用して被検体である人体の内部組織
の断層像や局所的なスペクトルを測定し、被検体を無侵
襲的に検査する装置である。一般に、水素等、奇数個の
陽子または中性子を持つ原子核は磁気モーメントを有
し、このような原子核スピンが均質な磁場界(静磁場)
の中に配置されたときに、ラーモア周波数ωで歳差運動
を行う。そしてラーモア周波数ωに一致する高周波磁界
を印加すると原子核スピンは共鳴吸収を行い、高周波磁
界の印加を止めたときに熱平衡状態に戻る。この原子核
の振る舞い、すなわち、磁化Mの変化は周辺に配置され
たコイルに電磁気誘導により起電力を発生し、NMR信
号として検出される。MRI装置では、この電気信号を
検出して診断のための画像化処理を行う。この際NMR
信号が人体のどの位置から得られた信号であるかを識別
するために、空間によって強度の異なる傾斜磁場を静磁
場に重畳している。傾斜磁場は通常互いに直交する3方
向の軸(xyz、通常z軸は静磁場の方向と一致させ
る)の座標位置によって強度の異なる磁場を発生させ
る。このような磁場を核スピンに印加することで核スピ
ンを選択的に共鳴励起したり共鳴励起後の信号に位置情
報をエンコードする。そしてエンコードされた信号をフ
ーリエ変換処理することにより、傾斜磁場の値に対応し
たNMR信号を得ることができる。
【0003】MRI装置を用いた撮影手法には二次元フ
ーリエ変換法や三次元フーリエ変換法などがあるが(例
えば米国特許4,654,594号、米国特許4,431,968号)、こ
れらの撮影法でマトリクスデータを得るために傾斜磁場
の印加量を変化させて例えば64回、128回の繰返し
で信号計測が行われる。このため傾斜磁場コイルは約数
m秒の繰返し時間で、その立上がり、立ち下がり時間は
数百マイクロ秒の高速スイッチングで駆動される。
【0004】このようなMRI装置において、傾斜磁場
コイルは例えば図5に示すようにZ方向(図面に平行な
方向)に均一な磁界を発生する磁石50内の空間に設置
される。静磁場発生装置としては永久磁石方式、常電導
磁石方式、超伝導磁石方式があるが、図示するMRI装
置では超伝導磁石方式の静磁場発生装置が示されてい
る。超伝導磁石50はコイル状51のものが液体ヘリウ
ムが充填されたクライオ容器56内に収納され、このク
ライオ容器56の周囲にはAl、Cu等の良導体から成
る40゜Kの熱シールド板52及び同じ材料から成る8
0゜K熱シールド板53が設けられ、外界(約300゜
K)とコイル51の空間(4゜K)とを熱遮蔽してい
る。
【0005】傾斜磁場コイル55は3軸方向のコイル導
体を組合せたものが円筒状のボビン(図示せず)に固定
されており、検査対象である被検体57は傾斜磁場コイ
ルのボビン内の測定空間に置かれる。図ではY軸方向の
コイル導体のみが示されている。尚、58は被検体57
の組織を構成する原子核の核スピンを励起するための照
射コイルである。
【0006】このような構成において、傾斜磁場コイル
55は、装置をコンパクトに設計するため、また被検体
の置かれる空間を確保するため、超伝導磁石50の構造
体に接近して組込まれているので、傾斜磁場が変化する
際に超伝導磁石50の熱シールド板52、53やSUS
から成る外壁54の導体内に渦電流を発生する。一度、
渦電流が発生するとその減衰過程は制御することができ
ず、傾斜磁場の空間的、時間的な値を変化させることに
なる。この渦電流は、それによる磁束が、被検体の配置
される空間において、傾斜磁場コイルが発生する磁束に
対して逆の作用をするため、画像の質や局所的なスペク
トルの性能を劣化させる。即ち、図6に示すように本来
印加しようとする磁場パルスの形状(a)は、立上がり
及び立ち下がりの部分においてなまるという現象が生じ
る(b)。また渦電流が発生する特定の時定数により、
渦電流による磁束は時間的変化をするので、本来必要と
する傾斜磁場の強度を乱すことになり、正確に核スピン
に位置情報をエンコードすることができなくなる。これ
は画像歪となって現れる。
【0007】この対策として、図6(c)に示すような
渦電流成分を予め補償した電流波形を用い図6(d)に
示すような希望パルス形状(a)と同じ形状の傾斜磁場
パルスを得るようにしてきたが、この電流波形で補償す
る位置、即ち傾斜磁場コイルの設置位置と渦電流の発生
する位置(超伝導磁石の熱シールド板など)とが異なる
ことにより、ある一点では補償することができるが、比
較的広い空間では補償することができないという問題が
あった。さらに渦電流発生が複数の材料に及ぶ場合は単
純な減衰波形として扱うことができず電子回路による補
償波形では完全に一致させることができないなどの問題
が解決されなかった。
【0008】また近年益々高速で画像を得る手法が開発
され、傾斜磁場の時間変化率は増加する方向であり、こ
の傾斜磁場の渦電流の発生が高速化と画質向上の大きな
障害となっていた。この渦電流による問題の根本的な対
策として、アクティブシールド形の傾斜磁場コイルが開
発されている(米国特許第4,737,716号等)。これは図
7に示すように、傾斜磁場コイル55の周囲に傾斜磁場
コイル(メインコイル)自身が発生する磁界をその外側
でキャンセルするためのキャンセルコイル56を配置す
る。このキャンセルコイル56は、メインコイルと類似
した3軸方向のコイル導体を組合せたものをボビンに固
定したもので、渦電流が発生する超伝導磁石51の熱シ
ールド板(通常、良導体から成る内側の熱シールド板5
3)の存在する位置で、メインコイルとキャンセルコイ
ルの各々が発生する磁束がほぼゼロになるように組合せ
て配置され、これにより渦電流の原因を排除する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのようなア
クティブシールド形傾斜磁場コイルにおいて、画像の質
に影響しない程度に渦電流の発生を抑制するには、メイ
ンコイルに対するキャンセルコイルの位置精度が高いこ
とが要求され、例えばメインコイルの径70cmに対して
キャンセルコイルの半径方向の位置偏位が1mm以下であ
ることが必要である。このため、アクティブシールド形
傾斜磁場コイルの組み立てには多くの調整作業と時間を
要していた。そしてこのように調整して超伝導磁石内に
組込んでも、メインコイルとキャンセルコイルが各々の
自重で、また駆動による電磁力でたわむことにより互い
のコイル位置がずれる問題があった。
【0010】本発明の目的はアクティブシールド形傾斜
磁場コイルにおいてメインコイルとキャンセルコイルの
偏心を防ぎ、高い位置精度を維持する構造を提供するこ
とである。本発明の他の目的は組み立て時の調整作業を
不要とし、製造工程の短縮と製造原価の低減を図ること
にある。
【0011】
【課題を解決するため手段】これら目的を達成する本発
明のMRI装置用磁場発生コイルは、内周面と外周面と
が同心円筒面上に形成された環状構造体の内周面と外周
面に、それぞれメインコイルとキャンセルコイルと固定
したものである。即ち本発明の磁場発生用コイルは、第
1の円筒面上にあって互に直交する三軸の方向に第1の
傾斜磁界を発生する第1のコイル導体と、第1の円筒と
同心で径の異なる第2の円筒面上にあって第1の傾斜磁
界を前記第2の円筒の外側の空間において打ち消すよう
に作用する第2の傾斜磁界を発生する第2のコイル導体
とを備えた磁気共鳴イメージング装置用磁場発生コイル
において、第1の円筒面と第2の円筒面は単一の管状構
造体の内周面と外周面とを用いたものであり、本発明の
好適な態様において、構造体は、第1のコイルと前記第
2のコイルとの間に空洞を有するものである。
【0012】また本発明の磁気共鳴イメージング装置用
磁場発生コイルの製造方法は、絶縁体からなる管状構造
体の内面及び外面を切削加工して、内周面と外周面とが
同心円筒となるボビンを形成し、該ボビンの内周面に、
互に直交する三軸の方向に第1の傾斜磁界を発生する第
1のコイル導体を固定し、外周面に、第1の傾斜磁界を
前記ボビンの外側の空間において打消すように作用する
第2の傾斜磁界を発生する第2のコイル導体を固定する
ものである。
【0013】
【作用】ボビンは外周面と内周面を同一の切削加工の工
程で行うことにより、真円度の高い、且つ偏心率の低い
同心円筒を有することができる。このようなボビンの内
周面を基準に第1のコイル導体を組合せ、ボビンの外周
面を基準に第2のコイル導体を組合せることにより、ボ
イビンの寸法精度で第1及び第2のコイル導体の相互位
置精度が決められる。尚、2つのコイルの周方向の位置
合せについては、ボビンに位置合せのためのガイドピ
ン、切り欠け或いはマーク等を設けておくことにより、
容易に行うことができる。
【0014】また第1及び第2のコイルはそれぞれ単一
のボビンに固定されているので、自重或いはコイル駆動
に伴う振動によりボビンが撓むことがあっても、コイル
導体間に位置ずれを生じるおそれがない。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例を図面を参照
して説明する。図1は、本発明によるアクティブシール
ド形傾斜磁場コイル10の1実施例の右側面を示す図
で、図2は図1の傾斜磁場コイルのA−A線に沿った断
面を示す。
【0016】この傾斜磁場コイル10は、管状構造体で
あるボビン1と、このボビン1の内周面8に固定された
第1のコイル導体であるメインコイル2、3、4及び外
周面9に固定されたキャンセルコイル5、6、7とから
成り、ボビン1はFRP(繊維強化プラスチック)材等
の耐熱性及び機械的強度の優れた絶縁性材料から成る。
【0017】ボビンの大きさ及び厚さは、それが置かれ
る静磁場発生磁石内の空間における他の要素、即ちクラ
イオ容器、熱シールド板及び傾斜磁場コイル内に置かれ
る被検体との位置関係により決り、被検体の置かれる空
間に撮影に必要な傾斜磁場を形成でき、しかも渦電流が
発生する熱シールド板の存在する位置で、メインコイル
とキャンセルコイルの各々が発生する磁束がほぼゼロと
なる位置関係に配置されるような厚さを有している。典
型的には長さ140cm、外径86cm、内径70cmの大き
さを有し、8cmの厚さを有している。
【0018】メインコイルはX、Y、Zの3軸方向に傾
斜磁場を発生する3つのコイルから成り、Xメインコイ
ル2及びYメインコイル3はそれぞれ図3に示すように
平面状に渦巻きに巻かれた4つの部分から構成されてい
る。このようなコイル導体は、Cu等の薄板をウォータ
ジェット等の切削器で渦巻き状に切削することにより形
成することができる。尚、図中、θは円周方向を、Lは
長さ方向を示す。Xメインコイル2は、ボビン1の内周
面に密着して固定されており、Yメインコイル3は、X
メインコイル2に対し円周方向に90度に回転して配置
される。またZメインコイル4は、図示しないがソレノ
イド形で2つの部分より構成され、Yメインコイル3の
内側に固定されている。これら3組のコイル間は絶縁シ
ートが挟み込まれており、かつエポキシ樹脂接着剤で完
全に固定されている。これらメインコイルのコイル導体
に電流を流すことにより、ボビン内の計測空間にX方
向、Y方向及びZ方向の磁場勾配を形成する。
【0019】キャンセルコイルは、メインコイルの発生
する傾斜磁界を傾斜磁場コイル10の外側の空間におい
て打ち消すように作用する傾斜磁界を発生するもので、
メインコイルと同様にX、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場
を発生する3つのコイルから成る。Xキャンセルコイル
5及びYキャンセルコイル6は、図3に示すコイル導体
パターンと類似した4つの渦巻き部分から構成されてお
り、Xキャンセルコイル5はボビン1の外周面に密着し
て固定され、その外側の90度回転した位置にYキャン
セルコイル6が固定されている。Zキャンセルコイル7
はソレノイド形で2つの部分より構成され、Yキャンセ
ルコイル6の外側に固定されている。これら3組のコイ
ル間は絶縁シートが挟み込まれており、かつエポキシ樹
脂接着剤で完全に固定されている。
【0020】次に、以上のように構成される傾斜磁場コ
イル10の製造方法を典型的な大きさのコイルについて
説明する。まずマンデレルと称する直径68cm、長さ1
50cmの金属円柱に加熱して半硬化の状態にしたシート
状のFRP材(プリプレグ)を肉厚10cmになるまで巻
きつけた後、FRPの樹脂を熱硬化させる。FRP材の
固化後、マンデレルを引抜き内径68cm、外径88cm、
長さ150cmのFRPの管状構造体(パイプ)をボビン
素材として形成する。
【0021】次の工程で、このボビン素材の中心がスラ
イス旋盤の主軸と一致するように固定し、内周面8と外
周面9をそれぞれ切削加工して、内径70cm、外径86
cmとする。このときの切削加工は、旋盤にボビン素材を
一度セットすると、セットし直すことなく内周面8と外
周面9を加工している。これにより表面がなめらかにな
るだけでなく、内筒と外筒の真円度が飛躍的に高まる。
更に内筒と外筒の軸が旋盤の回転中心軸に完全に一致す
ることにより、ボビン4の肉厚が全周にわたって均一な
8cmとすることができる。このような切削加工のための
旋盤装置としては公知のNCスライス旋盤を採用するこ
とができる。
【0022】このようにボビン1を製造した後、ボビン
1に各メインコイル及び各キャンセルコイルの取り付け
位置をマークするか、ガイドピンを取り付け、このマー
ク或いはガイドピンに合せて、メインコイル及びキャン
セルコイルを固定する。またボビンの外周面と内周面に
それぞれコイルをセットするための浅い凹部を形成して
もよい。このような凹部が内周面と外周面の切削加工時
に形成することができる。
【0023】これらコイルの固定方法は予め3軸方向の
コイルを所定の位置関係の組合せたものをボビン1の内
周面にエポキシ樹脂系接着剤で固定してもよいし、Xメ
インコイル2、Yメインコイル3、Zメインコイル4を
順次絶縁シートを介して固定し、最後に樹脂モールドす
るようにしてもよい。本実施例によればこのように高真
円度且つ低偏心率で内面及び外面が形成された管状のボ
ビンにメインコイルとキャンセルコイルを固定すればよ
いので、コイル間の間隔が精度高く組立ることができ
る。しかもこの精度はボビンの加工寸法精度に関連する
ので、アクティブシールド形傾斜磁場コイルの品質管理
を容易に行うことができる。
【0024】次に本発明のアクティブシールド形傾斜磁
場コイルの他の実施例について説明する。図4はこのア
クティブシールド形傾斜磁場コイルの右側面図で、この
傾斜磁場コイルが図1に示す実施例と異なるところは、
ボビン1’の内部に空洞11を設けたことである。ボビ
ン1’の内側に配置されるX、Y、Z軸方向のメインコ
イル及び外側に配置されるX、Y、Z軸方向のキャンセ
ルコイルの構成は図1の実施例と全く同様であるので説
明を省略する。
【0025】この実施例において空洞11は、冷気等の
冷媒を送風することによりコイルの放熱効果を高めるこ
とができ、またコイルの軽量化を図ることができる。冷
媒としては冷却された空気、窒素等を用いてもよいが、
静磁場発生用の超伝導コイルの冷却用に用いた後の排出
ヘリウムを利用することができる。クライオ容器のヘリ
ウムの排出口とこの空洞の端部とを連結することによ
り、冷却気体の供給源を新たに設けることなく、傾斜磁
場コイルの放熱を図ることができる。
【0026】図4の傾斜磁場コイルを製造する方法を典
型的な大きさのコイルについて説明する。直径68cm、
長さ150cmのマンデレルにボビン材料である半硬化の
シート状FRP材を肉厚4cmになるまで巻きつける。こ
のFRP材の上に、空洞11用の直径3cmの細長いパイ
プを全周に均等に配置する。本実施例では24本のパイ
プを配置しているが、パイプの数がこれに限定されな
い。空洞用のパイプの材料としてはFRPのマトリック
ス樹脂であるエポキシ樹脂や、塩ビ系樹脂など耐熱性に
優れた樹脂を適宜用いることができる。パイプを配置し
た後、更にシート状FRP材を巻きつけ全体の肉厚が1
0cmになるように仕上げ、マトリックス樹脂を熱硬化さ
せる。樹脂が固化した後マンデレルを引抜き、内径68
cm、外径88cm、長さ150cmのFRPの管状構造体を
形成する。
【0027】次の工程では、図1の実施例と同様にこの
ボビン素材をスライス旋盤に取り付けて内周面8と外周
面9をそれぞれ切削加工して、内径70cm、外径86cm
とする。これにより、内筒と外筒の真円度が高く、全周
にわたって均一な8cmの肉厚とすることができる。更に
第1の実施例と同様にメインコイル2、3、4及びキャ
ンセルコイル5、6、7を旋盤後のボビンの内周面8及
び外周面9に固定し、傾斜磁場コイルを製造する。
【0028】尚、以上の説明ではボビン素材の製造工程
中で、半硬化FRPの周囲に直線状のパイプを複数本配
置して空洞11を形成する構成としたが、1本或いは数
本のパイプをスパイラル状に巻きつけて空洞を形成して
もよく、この場合にも図4の実施例と同様の効果が得ら
れる。また以上の説明において例示したボビンの寸法は
単なる例示であって、本発明の磁場発生用コイルは静磁
場発生磁石のボア径や熱シールド板の位置等のMRI装
置の他の要素との関係で最適に決められる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
の磁場発生コイルによれば、メインコイルと、このメイ
ンコイルの発生する磁場をコイルの外側において打消す
ような磁場を発生するキャンセルコイルとを組合せたア
クティブシールド形傾斜磁場コイルにおいて、メインコ
イルとキャンセルコイルとを、単一の真円度が高く偏心
率の極めて低い管状構造体に固定するようにしたので、
メインコイルとキャンセルコイルの位置精度を高めるこ
とができ、渦電流の発生を効果的に抑え、精度の高い傾
斜磁場を発生することが可能となる。これにより空間分
解能の高い画像や質の高い局所スペクトルが得られる。
【0030】また本発明の磁場発生コイルによれば、メ
インコイルとキャンセルコイルを固定する管状構造体に
冷媒を通す空洞を設けたことにより、コイルの放熱効果
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例によるアクティブシー
ルド形傾斜磁場コイルの軸断面図。
【図2】 図1の傾斜磁場コイルのA−A断面図。
【図3】 メインコイルのパターンの1実施例を示す
図。
【図4】 本発明の第2の実施例によるアクティブシー
ルド形傾斜磁場コイルの軸断面図。
【図5】 従来のMRI装置用磁場発生コイルの全体構
成図。
【図6】 渦電流の発生とその抑制を示す図で、(a)
は希望するパルス磁場、(b)は渦電流がある場合のパ
ルス磁場、(c)は渦電流を補償する電流波形、(d)
は(c)により形成されるパルス磁場を示す。
【図7】 従来のMRI装置用磁場発生コイルの全体構
成図。
【符号の説明】
1、1’・・・・・・ボビン(管状構造体) 2・・・・・・Xメインコイル(第1のコイル導体) 3・・・・・・Yメインコイル(第1のコイル導体) 4・・・・・・Zメインコイル(第1のコイル導体) 5・・・・・・Xメインコイル(第2のコイル導体) 6・・・・・・Yメインコイル(第2のコイル導体) 7・・・・・・Zメインコイル(第2のコイル導体) 8・・・・・・内周面 9・・・・・・外周面 10・・・・・・傾斜磁場コイル 11・・・・・・空洞

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の円筒面上にあって互に直交する三軸
    の方向に第1の傾斜磁界を発生する第1のコイル導体
    と、前記第1の円筒と同心で径の異なる第2の円筒面上
    にあって前記第1の傾斜磁界を前記第2の円筒の外側の
    空間において打ち消すように作用する第2の傾斜磁界を
    発生する第2のコイル導体とを備えた磁気共鳴イメージ
    ング装置用磁場発生コイルにおいて、前記第1の円筒面
    と前記第2の円筒面は単一の管状構造体の内周面と外周
    面とを用いたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置用磁場発生コイル。
  2. 【請求項2】前記構造体は、前記第1のコイルと前記第
    2のコイルとの間に空洞を有することを特徴とする請求
    項1記載の磁気共鳴イメージング装置用磁場発生コイ
    ル。
  3. 【請求項3】絶縁体からなる管状構造体の内面及び外面
    を切削加工して、内周面と外周面とが同心円筒となるボ
    ビンを形成し、該ボビンの内周面に、互に直交する三軸
    の方向に第1の傾斜磁界を発生する第1のコイル導体を
    固定し、前記外周面に、前記第1の傾斜磁界を前記ボビ
    ンの外側の空間において打消すように作用する第2の傾
    斜磁界を発生する第2のコイル導体を固定することを特
    徴とする磁気共鳴イメージング装置用磁場発生コイルの
    製造方法。
JP00118495A 1995-01-09 1995-01-09 磁気共鳴イメージング装置用磁場発生コイル及びこれを用いた磁気共鳴イメージング装置 Expired - Lifetime JP3524607B2 (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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