JPH08186424A - モジュール型展開アンテナ - Google Patents

モジュール型展開アンテナ

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JPH08186424A
JPH08186424A JP7249713A JP24971395A JPH08186424A JP H08186424 A JPH08186424 A JP H08186424A JP 7249713 A JP7249713 A JP 7249713A JP 24971395 A JP24971395 A JP 24971395A JP H08186424 A JPH08186424 A JP H08186424A
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Akira Meguro
在 目黒
Hitoshi Mitsugi
仁 三次
Kazuhide Ando
和秀 安藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モジュール型展開アンテナにおいて、大型で
あっても鏡面精度が十分確保されて高周波数の電波にも
対応でき、また、軽量化を保ちつつ又は促進しつつ展開
機構の高剛性化が実現でき、更に、展開収納動作が円滑
で信頼性があるようにする。 【解決手段】 リンク構造及び展開対角構造で構成され
た高剛性及び信頼性がある面収納型展開トラス及び線収
納型展開トラスを使用して精度よく球面に近似される面
/線収納トラス構造を構成し、その面/線収納トラス構
造に金属メッシュを張ることにより、最終的に大型でも
精度のよいモジュール型展開アンテナを構成する。ま
た、展開トラス同士を確実に連結するためのモジュール
結合構造と信頼性のある保持と解放を実現するための保
持解放機構とを開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モジュール型展開
アンテナに関し、特に、移動体通信用衛星に搭載の10
〜15m送受信アンテナ、資源探査衛星用アンテナ、静
止プラットフォーム、宇宙ステーション用太陽光集光パ
ネルに採用可能なモジュール型展開アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、通信や放送、更に地球観測,深宇
宙観測などの多様な用途において、その通信情報量の大
容量化を目的として、大型の展開アンテナの開発が急速
に進められている。この大型展開アンテナの設計におけ
る基本思想は、実用性,経済性,使用目的に応じてかな
り異なっている。すなわち、例えば、通信衛星や放送衛
星に使用されるアンテナにおいて大型展開鏡面を構成す
ることを主目的とするのであれば、打ち上げ機への収納
効率性,軽量性,展開機構の信頼性,展開後の精度等が
第一に要求される。また、かかるアンテナにおいて高精
度鏡面の実現を主目的とするのであれば、使用環境を適
切に考慮した材料の選択や鏡面成形技術が要求される。
また、軌道上で組み立てることを前提にしているのであ
ればかかる技術が第一に要求される。
【0003】ここで、大型展開鏡面の構成ということに
特に注目すると、現在のところ各種のものが開発されて
いる。そのようなものには、トラス構造の展開バックス
トラクチャ上に金属メッシュを張架した展開トラスメッ
シュ型、ガス圧で膨らませて所定の形状で固着させるイ
ンフレータブル型、中央支持構造に取り付けられて半径
方向外側に向けて伸展する伸展マストとそれにより中央
支持構造に張架される鏡面メッシュ等で構成されるテン
ショントラス型等がある。
【0004】このなかで特に、展開トラスメッシュ型に
おいては、そのバックストラクチャは三角柱や六角柱の
複数のモジュールを連続的に組み合わせることにより構
成されており、メッシュは個々のモジュールに備えられ
た個々に高さの異なるスタンドオフ(stand-off )に固
定されるようになっているのが一般的である。
【0005】展開トラスメッシュ型おいては、先ず、大
型化されても鏡面精度が十分確保されることが要求され
る。また、軽量化を保ちつつ又は促進しつつ全体構造の
高剛性化が要求される。更に、展開収納動作が円滑であ
り信頼性もなければならない。また、モジュール化を実
効あるものとするため、モジュール相互の結合,分離の
容易化も図られなければならない。
【0006】ところで、現状においては、5〜30m級
のアンテナの開発が世界各地で進められているが、いず
れの場合もその周波数帯域はLバンドとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の展開トラスとし
ては、図81(c)に示すような構造のものが知られて
いる。この展開トラスは、六角柱状に展開するように構
成されたものであり、上側水平部材201、下側水平部
材202、及び縦部材203によって、その外枠の部分
が構成されている。また、中心部には、図81(b)に
示すように、中心縦部材204が設けられており、この
中心縦部材204には、その軸方向に移動自在な中心ス
ライダ205が設けられている。また、縦部材203に
も1つおきにスライダ206が設けられている。
【0008】このように構成された展開トラスにおいて
は、中心スライダ205を軸方向に移動することによ
り、図81(a)から(b)を経て(c)の状態に展開
したり、またその反対に図81(c)から(b)を経て
(a)の状態に折り畳んだりすることができる。その
際、縦部材203は、隣り合うもの同士が互いに異なる
方向に移動するとともに、互いに離接する方向に移動す
るようになる。そして、図82に示すように、複数のも
のを組み合わせることによって、平面的な広がりを持つ
ものを得ることができる。
【0009】ところが、上記のような展開トラスにおい
ては、例えば縦部材203を介して基礎構造物等に取り
付けるような場合、隣に位置する縦部材203が互いに
異なる方向に移動するとともに、互いに離れる方向に移
動するため、実質的には一本の縦部材203でしか基礎
構造物に連結することができないという欠点がある。す
なわち、基礎構造物に確実に取り付けることが難しいと
いう問題がある。しかも、六角柱状に形成されているか
ら、平面的な広がりをもつものは容易に組み立てること
ができるが、曲面的な広がりをもつものは容易に組み立
てることができないという問題があった。
【0010】また、従来の展開トラスに採用されている
リンク構造としては、図83及び図84に示すものがあ
る。すなわち、これらの図に示すリンク構造211は、
対向する2本の第1の平行部材212と、同じく対向す
る2本の第2の平行部材213とをそれぞれヒンジ21
4を介して平行四辺形状に連結したものである。そし
て、展開状態において、対角方向に延在する補強部材2
15が設けられており、この補強部材215の一端部
は、一方の第2の平行部材213にスライダ216を介
して移動自在に連結されている。
【0011】このように構成されたリンク構造211に
おいては、図84(a)に示す展開状態から、例えばス
ライダ216を移動することにより、図84(b),
(c)のように平行四辺形を押しつぶしたような形状に
変形する。そして、図84(c)に示す折り畳んだ状態
では、一本の棒状に収束した状態になる。
【0012】また、上記リンク構造211を結合して、
展開状態において、曲率をもつ構造物、例えばアンテナ
構造や屋根構造を構成する場合には、図87に示すよう
に、各第2の平行部材213を連結するようにする。こ
の場合においては、展開状態における平行四辺形の形状
を少しずつせん断変形させたもの、つまり展開状態にお
いて平行四辺形の形状を少しずつ押しつぶした形状のも
のを結合することになる。
【0013】しかし、この場合には、1つ1つのリンク
構造211が異なる構造のものになるから、製造効率が
悪いという欠点がある。また、曲率が大きい場合には、
端部にいくほどリンク構造211のせん断変形が大きく
なり、この部分の強度が構造的に弱くなる傾向がある。
つまり、第1の平行部材212,212の間隔が狭くな
り、曲げモーメントに対する強度が低下することにな
る。
【0014】これに対して、図85及び図86に示すリ
ンク構造221は、左右対称の台形状に形成されてお
り、その対向する平行でない側辺部材222と、この側
辺部材222に対して対角方向に延びる対角部材223
とを有している。各側辺部材222の一端部と各対角部
材223の一端部とは、第1のヒンジ224を介して連
結されており、各側辺部材222の他端部側と各対角部
材223の他端部とは、第2のヒンジ225及びスライ
ダ226を介して連結されている。また、2本の対角部
材223は、その交差部で第3のヒンジ227を介して
連結されている。
【0015】このように構成されたリンク構造221に
おいては、図86(a)に示す台形状の展開状態から、
例えばスライダ226を移動することにより、図86
(b),(c)のように、対向する側辺部材222が近
接するように変形する。そして、図86(c)に示す折
り畳んだ状態では、一本の棒状に収束した状態になる。
【0016】また、上記リンク構造221を結合して、
展開状態において、曲率をもつ構造物を構成する場合に
は、図88に示すように、各側辺部材222を連結する
ことにより得られる。この場合には、各リンク構造22
1が台形状に形成されているから、円弧状の曲率を有す
るものを容易に構成することができる。
【0017】しかし、上記リンク構造221では、第3
のヒンジ227の部分が構造的に弱くなるという欠点が
ある。したがって、通常は図89及び図90に示す第1
の屈伸部材232及び第2の屈伸部材233を追加した
リンク構造231が用いられる。
【0018】すなわち、リンク構造231は、図89に
示すように、対向する第1のヒンジ224を連結する第
1の屈伸部材232と、同じく対向する第2のヒンジ2
25を連結する第2の屈伸部材233とを、図85に示
すものに追加した構造になっている。これらの屈伸部材
232,233は、その中心部が屈伸ヒンジ234によ
って連結されている。
【0019】このように構成されたリンク構造231に
おいては、図90(a)に示す台形状の展開状態から、
例えばスライダ226を移動することにより、図90
(b),(c)のように、対向する側辺部材222が近
接するように変形するとともに、屈伸部材232,23
3が屈伸ヒンジ234で折れ曲がるように変形する。そ
して、図90(c)に示す折り畳んだ状態では、一本の
棒状に収束した状態になる。
【0020】ところが、上記リンク構造231において
は、屈伸部材232,233を有しているから、単にス
ライダ226を移動しただけでは展開状態から収束状態
に変形させることができない。つまり、展開状態では屈
伸部材232,233が屈伸ヒンジ234を介して真っ
直ぐに延びているから、スライダ226を作動させて、
各屈伸部材232,233に圧縮方向の力を作用させて
も、屈伸ヒンジ234で曲がり始めることがない。この
ため、真っ直ぐに延びた状態から屈伸部材232が自ら
回転を始めるような装置を設ける必要があり、構造が複
雑になるという欠点がある。
【0021】更に、従来の展開トラスに採用されている
展開構造物としては、図91及び図92に示すものがあ
る。この展開構造物は、四角柱を基本構造とするもので
あり、上側水平部材241、下側水平部材242、及び
互いに対向する第1の縦部材243,244及び第2の
縦部材245,246によって、その外枠の部分が構成
されている。そして、これらの上側水平部材241、下
側水平部材242、第1の縦部材243,244及び第
2の縦部材245,246は、回転ヒンジ247を介し
て回転自在に連結されており、図92の収束途中の状態
を経て、1つの棒状に収束したり、四角柱状に展開した
りするようになっている。
【0022】そして、対向する第1の縦部材243,2
44には、展開対角構造248が設けられている。この
展開対角構造248は、2本の第1の縦部材243,2
44に対して対角方向に交差するように設けられた2本
の対角部材249によって構成されている。この対角部
材249は、ワイヤ状のもので構成されており、展開構
造物の収束あるいは展開途中における形状変更に支障を
来さないようになっている。ただし、展開完了時には、
対角部材249が2本の第1の縦部材243,244と
ハスカイとして張りわたされることになる。このため、
対角部材249は、せん断方向の力A(図91参照)を
保持する補強構造となる。
【0023】ところが、上記のような展開対角構造24
8においては、対角部材249がワイヤ状のもので構成
されているから、対向する第1の縦部材243,244
を互いに離接するように作用する力、例えば圧縮力Bに
対しては抗力を生じないという欠点がある。
【0024】次に、例えば開口面アンテナ構造や、球面
状の屋根構造のように、球面状の構造物を構築するのに
最適な球面近似構造に関してであるが、従来、正多角形
をもって球面を近似する場合には、図93に示すような
構造体を構成する方法がある。例えば正三角形を用いた
場合には、図93(a),(b),(c)に示すよう
に、正四面体、正八面体、正二十面体を構成することが
できる。また正方形を用いた場合には、図93(d)に
示すように、正六面体を構成することができる。さらに
正五角形を用いた場合には、図93(c)に示すよう
に、正十二面体を構成することができる。
【0025】しかし、上記以外の正多面体は発見されて
おらず、平面的な構成要素を用いて球面を構成する場合
には、同一形状の正多角形のみでは球面を構成すること
が困難である。このため、例えば三角形のみを用いた場
合でも、指定された球面に近似すべく各三角形の形状を
種々異なったものにしなければならず、設計及び製造に
おける効率が極めて悪いという欠点があった。
【0026】また、前述のように、従来の展開トラスメ
ッシュ型においては、メッシュが固定されるスタンドオ
フの高さを変えることにより曲面を形成するのが一般的
であったため、構造上高精度な形状(例えば、0.1m
mRMS以下)を実現するのが技術的に難しく、高い周
波数の電波(例えば、数十GHz以上)には対応できな
い欠点があった。
【0027】次に、展開トラス等の基本的なモジュール
を互いに結合して、複数のモジュールからなる構造体を
構成するためのモジュール結合機構に関してであるが、
従来、この種のモジュール結合機構としては、図94及
び図95に示すものがある。このモジュール結合機構2
51は、各モジュールM,Mをボルト252、ナット2
53で結合するようになっている。また、筒状のスペー
サ254を設けることによって、各モジュールM,Mの
間隔を所定の間隔に保持するようになっている。
【0028】ところが、上記のようなモジュール結合機
構251においては、ボルト252、ナット253で結
合しているから、各モジュールM,Mが入り組んだ構造
になってくると、結合したり分離したりすることが極め
て困難になるという問題がある。
【0029】最後に、可動体を主構造体に固定的に保持
したり、この可動体に対する保持力を解放したりする保
持解放機構に関してであるが、従来、この種の保持解放
機構としては、図96及び図97に示すものがある。こ
の保持解放機構261は、主構造体262に設けられた
展開構造物(可動体)263を折り畳んだ状態に保持し
たり、展開構造物263に対する保持力を解いて展開状
態にしたりするようになっている。
【0030】展開構造物263は、回転ヒンジ264を
介して、板状の展開部材265を互いに回転自在に連結
したものであり、収納時には各展開部材265が層状に
重なるようにして折り畳まれるようになっている。ま
た、展開構造物263は、自ら展開する力を有してお
り、外部からの保持力が解除されると、自然に展開して
各展開部材265が一平面状に伸びるようになってい
る。
【0031】保持解放機構261は、先端に位置する展
開部材265をワイヤ266及びバネ267によって主
構造体262側に引き寄せ、これによって展開部材26
5を層状に折り畳み、主構造体262に固定的に保持す
るようになっている。バネ267は主構造体262に固
定されており、展開構造物263を一定の力で保持する
ようになっている。また、ワイヤ266をカッタ268
で切断することによって、展開構造物263に対する保
持力を解除するようになっている。この保持力が解除さ
れた展開構造物263は、自らの展開力により自然に展
開する。
【0032】ところが、上記のように板状の展開部材2
65が回転ヒンジ264を介して層状に折り畳まれてい
る場合や、展開骨組構造の各骨組が回転ヒンジを介して
平行に折り畳まれている場合には、この回転ヒンジ26
4やその他の回転ヒンジの部分が幾何学上の特異点にな
っている場合が多い。すなわち、回転ヒンジ264を介
して一方の側にも他方の側にも回転を開始し得る状態に
なっており、単に拘束力を解除しただけでは展開構造物
263が正常な方向に展開しないことがある。しかも、
折り畳んだ状態を長く保持していた場合には、各回転ヒ
ンジ264等における静摩擦係数が大きくなり、展開構
造物263が自らの力で展開できなくなることもある。
さらに、ワイヤ266とバネ267で展開構造物263
を弾性的に保持しているので、振動しやすく、この振動
により展開構造物263が損傷する危険もある。そし
て、一定の張力で引っ張っているワイヤ266をカッタ
268で切断した場合には、このワイヤ266が急激に
跳ね返って展開構造物263に当たり、この展開構造物
263を損傷するおそれもある。
【0033】本発明は上述のような事情から成されたも
のであり、本発明の目的は、大型であっても鏡面精度が
十分確保されて高周波数の電波にも対応でき、また、軽
量化を保ちつつ又は促進しつつ展開機構の高剛性化が実
現でき、更に、展開収納動作が円滑で信頼性のあるモジ
ュール型展開アンテナを提供することにある。
【0034】本発明の別の目的は、全体として大きな面
的な広がりを持つと共に、特に基礎構造物に対して確実
に取り付けることができる面/線収納トラス構造を提供
することにある。
【0035】本発明の更に別の目的は、基礎構造物等に
確実に取り付けることができると共に、高剛性がありか
つ展開の信頼性があり、更に組み合わせることにより面
的な構成をなし得る面収納型展開トラスを提供すること
にある。
【0036】本発明の更に別の目的は、高剛性がありか
つ展開の信頼性があり、更に組み合わせることにより面
的な構成をなし得る線収納型展開トラスを提供すること
にある。
【0037】本発明の更に別の目的は、各モジュールが
どのように入り組んだ構造になっていても、これらのモ
ジュールの結合/分離を容易に行うことのできるモジュ
ール結合機構を提供することにある。
【0038】本発明の更に別の目的は、振動が生じない
ように可動体を一定の位置に確実に保持することがで
き、しかも可動体を本来の状態位置に確実に解放するこ
とができ、かつ解放時に可動体等に損傷を与える恐れの
ない保持解放機構を提供することにある。
【0039】本発明の更に別の目的は、曲率を有する構
造物を容易に構成することができ、しかも高剛性に優
れ、かつ構造が簡単なリンク構造を提供することにあ
る。
【0040】本発明の更に別の目的は、せん断力及びそ
れ以外の外力に対しても効力を発生し、十分に強度を向
上させることのできる展開対角構造を提供することにあ
る。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、対向する2本の平行部材
と、各平行部材にヒンジを介して連結されることにより
四角形を形成する対向する2本の非平行部材と、各平行
部材の中間部に、非平行部材のうち一方の非平行部材に
平行となるようにヒンジを介して連結された中間連結部
材と、を設け、他方の非平行部材のヒンジ間の間隔を変
更可能に構成したリンク構造を要旨とする。
【0042】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のリンク構造において、平行部材のうちの1つの一端
を、対応する非平行部材の一端に沿って移動可能に構成
することにより、ヒンジ間の間隔を変更可能に構成した
ことを要旨とする。
【0043】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のリンク構造において、他方の非平行部材を伸縮可能に
構成することにより、ヒンジ間の間隔を変更可能に構成
したことを要旨とする。
【0044】請求項4に記載の発明は、請求項1,2,
又は3に記載のリンク構造において、一端が前記他方の
非平行部材の角部に連結されると共に、他端が一方の非
平行部材にスライダを介して連結される対角部材を更に
備え、スライダは、一方の非平行部材の軸方向に沿って
移動自在に構成されていることを要旨とする。
【0045】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
のリンク構造において、一端が平行部材のうちの1つの
一端に連結されると共に、他端が前記一方の非平行部材
にスライダを介して連結される対角部材を更に備え、ス
ライダは、一方の非平行部材の軸方向に沿って移動自在
に構成されていることを要旨とする。
【0046】請求項6に記載の発明は、対向する2本の
縦部材と、2本の縦部材を連結するものであって、回動
自在な交差部を有する2本の対角部材と、を備え、2本
の対角部材は、離接するようにして展開,収束が可能で
ある展開対角構造を要旨とする。
【0047】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の展開対角構造において、2本の縦部材の端部のそれぞ
れは2本の対角部材のそれぞれの端部に連結されてお
り、2本の対角部材は交差部と縦部材との一方の連結部
との間に屈伸部をそれぞれ有することを要旨とする。
【0048】請求項8に記載の発明は、請求項6に記載
の展開対角構造において、2本の縦部材の一方の端部の
それぞれは2本の対角部材の一方の端部のそれぞれに連
結されており、2本の対角部材の他方の端部のそれぞれ
は2本の縦部材に対してその軸方向に移動自在に連結さ
れていることを要旨とする。
【0049】請求項9に記載の発明は、請求項6に記載
の展開対角構造において、2本の縦部材の一方の端部の
それぞれは2本の対角部材の一方の端部のそれぞれに連
結されており、2本の対角部材のうちの1本の対角部材
の他方の端部は2本の縦部材のうちの1本の縦部材の端
部に連結されてあって、その1本の対角部材は交差部と
その縦部材との連結部との間に屈伸部を有し、2本の対
角部材のうちの他方の対角部材の他方の端部は2本の縦
部材のうちの他方の縦部材に対してその軸方向に移動自
在に連結されていることを要旨とする。
【0050】請求項10に記載の発明は、請求項6,
7,8,又は9に記載の展開対角構造において、交差部
は交差回転ヒンジにより構成され、その交差回転ヒンジ
は対角部材に対して展開方向又は収束方向に回転力を与
える回転駆動手段を有することを要旨とする。
【0051】請求項11に記載の発明は、請求項7又は
9に記載の展開対角構造において、屈伸部は屈伸回転ヒ
ンジにより構成され、その屈伸回転ヒンジは対角部材に
対して展開方向又は収束方向に回転力を与える回転駆動
手段を有することを要旨とする。
【0052】請求項12に記載の発明は、請求項6,
7,8,又は9に記載の展開対角構造において、2本の
対角部材は、その交差部において、互いに他方の対角部
材に対して移動自在に構成されていることを要旨とす
る。
【0053】請求項13に記載の発明は、一方の側に六
角形を形成する6つの第1の水平部材と、他方の側に六
角形を形成する6つの第2の水平部材と、その一方の六
角形と他方の六角形とをその対応する各頂点で連結する
6つの縦部材とを備え、隣合う縦部材と第1,第2の水
平部材で形成される6つの側面を有する六角錐台状の展
開トラスであって、対向する一組の側面を固定枠で構成
すると共に、他の側面を隣接する2組の変形自在枠で構
成し、一組の固定枠が互いに離接動作を成すことにより
全体として展開/収納動作を成す面収納型展開トラスを
要旨とする。
【0054】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の面収納型展開トラスにおいて、一方及び他方の六
角形の中心を貫くように中心縦部材を設け、この中心縦
部材の一方の側と各固定枠に位置する各縦部材の一方の
側とを連結する第1の放射部材を設けると共に、中心縦
部材の他方の側と各固定枠に位置する各縦部材の他方の
側とを連結する第2の放射部材を設け、中心縦部材、一
対の第1及び第2の放射部材、及び対応する縦部材とで
変形自在枠を構成していることを要旨とする。
【0055】請求項15に記載の発明は、請求項13又
は14に記載の面収納型展開トラスにおいて、中心縦部
材の一方の側と隣接する変形自在枠の中央に位置する各
縦部材の一方の側とを連結する第1の屈伸部材を設ける
と共に、中心縦部材の他方の側と隣接する変形自在枠の
中央に位置する各縦部材の他方の側とを連結する第2の
屈伸部材を設け、第1及び第2の屈伸部材は展開時には
真っ直ぐ伸びて一方又は他方の六角形を保持するように
なっていることを要旨とする。
【0056】請求項16に記載の発明は、請求項13,
14,又は15に記載の面収納型展開トラスにおいて、
変形自在枠の対角線上にケーブルを配し、そのケーブル
の一端は捲取可能な構造になっていて他端はいずれかの
縦部材の上端又は下端に接続されており、その捲取りに
より変形自在枠を変形させて展開/収納動作を成すこと
を要旨とする。
【0057】請求項17に記載の発明は、請求項13,
14,15,又は16に記載の面収納型展開トラスにお
いて、変形自在枠は、請求項1,2,3,4,又は5に
記載のリンク構造で構成されていることを要旨とする。
【0058】請求項18に記載の発明は、請求項14,
15,16,又は17に記載の面収納型展開トラスにお
いて、変形自在枠の中央に位置する各縦部材と中心縦部
材を対向する2本の縦部材として構成した請求項6,
7,8,9,10,11,又は12に記載の展開対角構
造を少なくとも1つ含むことを要旨とする。
【0059】請求項19に記載の発明は、一方の側に偶
数角形を形成する偶数個の第1の水平部材と、他方の側
に偶数角形を形成する偶数個の第2の水平部材と、その
一方の偶数角形と他方の偶数角形とをその対応する各頂
点で連結する偶数個の縦部材とを備え、隣合う縦部材と
第1,第2の水平部材で形成される偶数個の側面を有す
る角錐台状の展開トラスであって、第1及び第2の水平
部材のそれぞれは各側面に沿って揺動自在になるように
縦部材のそれぞれに連結され、少なくとも1つおきの各
側面を変形自在枠で構成し、各縦部材が離接することに
より全体として展開/収納動作を成す線収納型展開トラ
スを要旨とする。
【0060】請求項20に記載の発明は、請求項19に
記載の線収納型展開トラスにおいて、変形自在枠とし
て、請求項1,2,3,4,又は5に記載のリンク構造
を採用したことを要旨とする。
【0061】請求項21に記載の発明は、請求項19又
は20に記載の線収納型展開トラスにおいて、一方及び
他方の偶数角形の中心を貫くように中心縦部材を設け、
この中心縦部材の一方の側と他方の非平行部材の一方の
側とを連結する第1の放射部材を設けると共に、中心縦
部材の他方の側と他方の非平行部材の他方の側とを連結
する第2の放射部材を設け、中心縦部材、一対の第1及
び第2の放射部材、及び対応する縦部材とで変形自在枠
を構成していることを要旨とする。
【0062】請求項22に記載の発明は、請求項19,
20,又は21に記載の線収納型展開トラスにおいて、
中心縦部材の一方の側と隣接する変形自在枠の中央に位
置する各縦部材の一方の側とを連結する第1の屈伸部材
を設けると共に、中心縦部材の他方の側と隣接する変形
自在枠の中央に位置する各縦部材の他方の側とを連結す
る第2の屈伸部材を設け、第1及び第2の屈伸部材は展
開時には真っ直ぐ伸びて一方又は他方の六角形を保持す
るようになっていることを要旨とする。
【0063】請求項23に記載の発明は、請求項21又
は22に記載の線収納型展開トラスにおいて、変形自在
枠の中央に位置する各縦部材と中心縦部材を対向する2
本の縦部材として構成した請求項6,7,8,9,1
0,11,又は12に記載の展開対角構造を少なくとも
1つ含むことを要旨とする。
【0064】請求項24に記載の発明は、請求項19,
20,21,22,又は23に記載の線収納型展開トラ
スにおいて、変形自在枠の対角線上にケーブルを配し、
そのケーブルの一端は捲取可能な構造になっていて他端
はいずれかの縦部材の上端又は下端に接続されており、
その捲取りにより変形自在枠を変形させて展開/収納動
作を成すことを要旨とする。
【0065】請求項25に記載の発明は、互いに対向す
る固定枠が互いに離接動作を成すことにより全体として
展開/収納動作を成す面収納型展開トラスと、収束部を
中心にして放射方向に全体として展開/収納動作を成す
線収納型展開トラスと、を備え、面収納型展開トラス及
び線収納型展開トラスを互いに占有不能な部分を補うよ
うに配置し、全体として面的な広がりを持つように展開
する面/線収納トラス構造を要旨する。
【0066】請求項26に記載の発明は、請求項25に
記載の面/線収納トラス構造において、基礎構造物を設
け、面収納型展開トラスを固定枠を介して基礎構造物に
連結すると共に、それぞれの固定枠を介して複数の面収
納型展開トラスを一列状に連結し、線収納型展開トラス
を面収納型展開トラスによる各列の間隙に配列させたこ
とを要旨とする。
【0067】請求項27に記載の発明は、請求項25に
記載の面/線収納トラス構造において、1つ又は複数の
固定トラスを設け、面収納型展開トラスを固定枠を介し
て固定トラスに連結すると共に、それぞれの固定枠を介
して複数の面収納型展開トラスを一列状に連結し、線収
納型展開トラスを面収納型展開トラスによる各列の間隙
に配列させたことを要旨とする。
【0068】請求項28に記載の発明は、請求項25,
請求項26,又は請求項27に記載の面/線収納トラス
構造において、面収納型展開トラス及び線収納型展開ト
ラスを偶数角形の角柱状のもので構成し、全体として平
面的な広がりを持つように展開するようにしたことを要
旨とする。
【0069】請求項29に記載の発明は、請求項25,
請求項26,又は請求項27に記載の面/線収納トラス
構造において、面収納型展開トラス及び線収納型展開ト
ラスを偶数角形の角錐台状のもので構成し、全体として
曲面的な広がりを持つように展開するようにしたことを
要旨とする。
【0070】請求項30に記載の発明は、請求項29に
記載の面/線収納トラス構造において、面収納型展開ト
ラスは請求項13,14,15,16,17,又は18
に記載の面収納型展開トラスで構成し、線収納型展開ト
ラスは請求項19,20,21,22,23,又は24
に記載の線収納型展開トラスで構成したことを要旨とす
る。
【0071】請求項31に記載の発明は、基本的なモジ
ュールを互いに結合して、複数のモジュールからなる構
造体を構成するためのモジュール結合機構であって、各
モジュールの互いに対向する位置に設けられ、先端が自
由端になっている被結合部材と、これらの被結合部材を
対向させて合わせた状態でその周りに自由端側から嵌合
する結合部材とを備えてなり、被結合部材には、結合部
材に対応する位置に連結孔を設け、結合部材には、連結
孔に嵌合する連結突起を有するロック部材を設けると共
に、連結突起が連結孔に嵌合した状態において被結合部
材の自由端に当接して、被結合部材と結合部材との相対
移動を止めるストッパ部材を設けたモジュール結合機構
を要旨とする。
【0072】請求項32に記載の発明は、請求項31に
記載のモジュール結合機構において、ロック部材及びス
トッパ部材は、結合部材に対して位置調整可能に設けら
れていることを要旨とする。
【0073】請求項33に記載の発明は、請求項29又
は30に記載の面/線収納トラス構造において、面収納
型展開トラス及び線収納型展開トラスの相互の連結に請
求項31又は32に記載のモジュール結合機構を使用し
たことを要旨とする。
【0074】請求項34に記載の発明は、可動体を主構
造体に固定的に保持したり、この可動体に対する保持力
を解放したりする保持解放機構であって、基端部を主構
造体に連結した支持アームと、この支持アームの先端部
に位置し、先端部を可動体に連結したプッシュロッド
と、基端部を前記支持アームの先端部に回転自在に連結
すると共に、先端部を前記プッシュロッドの基端部に回
転自在に連結した中間リンクを備えてなり、中間リンク
の先端部には、プッシュロッドとの連結,切断を行う連
結切断手段を有しており、この連結切断手段は、中間リ
ンクの先端部をその基端部を支点にして支持アームの基
端部側に回転した際にプッシュロッドを主構造体側に確
実に引き寄せて、可動体を主構造体に固定的に保持する
と共に、前記中間リンクの先端部をその基端部を支点に
して支持アームの先端部延長線側に回転した際にプッシ
ュロッドとの連結を解くように構成している保持解放機
構を要旨とする。
【0075】請求項35に記載の発明は、請求項34に
記載の保持解放機構において、連結切断手段は、中間リ
ンクの先端部延長線側に開口する凹部によって構成され
ていることを要旨とする。
【0076】請求項36に記載の発明は、請求項34又
は35に記載の保持解放機構において、中間リンクに、
その基端部を支点にして回転駆動する回転駆動手段を設
けたことを要旨とする。
【0077】請求項37に記載の発明は、請求項34,
35,又は36に記載の保持解放機構において、支持ア
ームの基端部を主構造体に固定的に連結し、プッシュロ
ッドの先端部を可動体に回転自在に連結していることを
要旨とする。
【0078】請求項38に記載の発明は、請求項34,
35,又は36に記載の保持解放機構において、支持ア
ームの基端部を主構造体に回転自在に連結し、プッシュ
ロッドの先端部を可動体に固定的に連結していることを
要旨とする。
【0079】請求項39に記載の発明は、請求項34,
35,36,37,又は38に記載の保持解放機構にお
いて、中間リンクの回転速度を制御するダンパーを設け
たことを要旨とする。
【0080】請求項40に記載の発明は、請求項29,
30,又は33に記載の面/線収納トラス構造におい
て、面収納型展開トラス及び線収納型展開トラスの展開
に請求項34,35,36,37,38,又は39に記
載の保持解放機構を使用したことを要旨とする。
【0081】請求項41に記載の発明は、六角錐台状の
複数の構造体を各側面で結合することによって各構造体
の上面側及び下面側のいずれか一方又は双方を球面に近
似するように構成した球面近似構造であって、前記構造
体のうち正六角錐台状に構成した基本構造体を1つ設
け、この基本構造体の各側面から放射状に連なる構造体
として、全体として同一の球面にされる放射位置構造体
を設けてなる球面近似構造を要旨とする。
【0082】請求項42に記載の発明は、請求項41に
記載の球面近似構造において、各構造体は、側面の部材
をそれぞれ独自に有し、この側面部材を介して結合され
ていることを要旨とする。
【0083】請求項43に記載の発明は、請求項41に
記載の球面近似構造において、各構造体は、側面の部材
を共有するように構成されていることを要旨とする。
【0084】請求項44に記載の発明は、請求項41に
記載の球面近似構造において、球面近似構造を、請求項
29,30,33,又は40に記載の面/線収納トラス
構造で構成したことを要旨とする。
【0085】請求項45に記載の発明は、請求項41,
42,43,又は44に記載の球面近似構造にメッシュ
を張ることにより構成したモジュール型展開アンテナを
要旨とする。
【0086】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について詳細に説明する。先ず、本発明のモジ
ュール型展開アンテナの構造的な基礎を成す2種類の展
開トラス、すなわち面収納型展開トラスと線収納型展開
トラスについて説明する。そこで、最初に面収納型展開
トラスについて説明する。図1乃至図9は、面収納型展
開トラスの第1実施形態を説明するための図である。
【0087】図1において、この面収納型展開トラス1
0は、六角錐台状に展開するようになっている。すなわ
ち、一方の側に設けた6つの第1の水平部材11によっ
て六角形が形成され、他方の側に設けた6つの第2の水
平部材12によってもう1つの六角形が形成されてお
り、縦部材13は一方及び他方の側の正六角形の各頂点
を結ぶように配置されている。そして、隣り合う縦部材
13,13及び第1、第2の水平部材11,12によっ
て台形状に形成された6つの側面を有している。
【0088】この面収納型展開トラス10における対向
する一組みの側面は、固定枠10aによって構成されて
いるとともに、他の側面は、隣接するように配置された
2組の変形自在枠10bによって構成されている。固定
枠10aは、第1及び第2の水平部材11,12を縦部
材13に固定的に連結することによって構成されてい
る。また、変形自在枠10bは、第1及び第2の水平部
材11,12をこれらが存在する各側面に沿って揺動自
在になるように各縦部材13に連結することによって構
成されている。
【0089】そして、各変形自在枠10bには、第1及
び第2の水平部材11,12を平行に保持しながら揺動
するための平行揺動部材19が設けられており、隣接す
る変形自在枠10bの中央に位置する縦部材13には軸
方向に移動自在にスライダ18が設けられている。
【0090】平行揺動部材19は、変形自在枠10bに
隣接する固定枠10aにあって最も近い位置の縦部材1
3に平行に配置されている。そして、この平行揺動部材
19は、変形自在枠10bを構成する各側面に沿って揺
動自在に、第1及び第2の水平部材11,12に連結さ
れている。また、変形自在枠10bにおける第2の水平
部材12は、その一端部がスライダ18に揺動自在に連
結されている。ただし、第2の水平部材12の揺動可能
な方向は、変形自在枠10bを構成する各側面に沿う方
向である。なお、このスライダ18を一方の側(図にお
いて上側)に設け、変形自在枠10bにおける第1の水
平部材11の方をスライダ18に揺動自在に設けてもよ
い。
【0091】次に、上記のように構成された面収納型展
開トラス10の動きを図2〜図7を参照して説明する。
【0092】まず、変形自在枠10bの動きについて、
図2及び図3を参照して説明する。図2は折り畳んだ状
態における変形自在枠10bであり、図3は展開状態に
おける変形自在枠10bである。すなわち、図3の展開
状態からスライダ18を縦部材13に沿って一方の側
(図において上側)に移動すると、平行揺動部材19に
よって、第1の水平部材11及び第2の水平部材12が
互いに平行に保たれながら接近するようになる。そうす
ると、変形自在枠10b側の縦部材13(スライダ18
を有する縦部材13)と固定枠10a側の縦部材13と
が上下に位置をずらしながら、互いに接近するようにな
り、図2に示すような折り畳んだ状態になる。この様子
を分解して示したのが図4(a)〜図4(f)である。
この際、第1及び第2の水平部材11,12の揺動角度
は、スライダ18の位置によって一意に定まる。したが
って、スライダ18を所定の位置にストッパ等で固定可
能にしておけば、例えば、折り畳んだ状態又は展開した
状態に固定することができる。
【0093】また、図2〜図4には示していないが、図
3の展開状態から、スライダ18を縦部材13に沿って
他方の側(図において下側)に移動した場合にも、第1
の水平部材11及び第2の水平部材12が互いに平行状
態を保ちながら接近し、これにより変形自在枠10bの
縦部材13と固定枠10aの縦部材13とが上下に位置
をずらしながら、互いに接近するようになる。ただし、
変形自在枠10bの縦部材13は固定枠10aの縦部材
13より下側に位置するようになる。
【0094】図5〜図7は、面収納型展開トラス10の
全体の動きを示した図である。この面収納型展開トラス
10は、図1の展開状態から、スライダ18を下側に移
動することにより、固定枠10a側の縦部材13と、変
形自在枠10b側の縦部材13とが接近し、図5及び図
6の折り畳み途中の状態を経て、図7のように完全に折
り畳んだ状態になる。この際、対向する固定枠10a
は、平面視において平行方向に移動しながら接近し、完
全に折り畳んだ状態ではほぼ密着した状態になる。
【0095】上記のように構成された面収納型展開トラ
ス10によれば、隣り合う縦部材13及び第1、第2の
水平部材11,12からなる固定枠10aを対向するよ
うに備えているから、この固定枠10aを介して例えば
基礎構造物への取り付けを容易かつ確実に行うことがで
きる。すなわち、基礎構造物等へ確実に取り付けること
が容易にできる。しかも、六角錐台状に形成されている
から、複数のものを連結することにより、曲面的な広が
りをもつものを容易に構成することができる。すなわ
ち、図8及び図9に示すように、固定枠10aを介して
連結することにより、円弧状の曲面を構成することがで
きる。
【0096】次に、図10を参照して、面収納型展開ト
ラスの第2実施形態を説明する。ただし、図1に示す第
1実施形態の構成要素と同一の要素には同一の符号を付
し、その説明を簡略化する。
【0097】図10に示すように、一方及び他方の六角
形の中心を貫くように、中心縦部材15が設けられてい
る。そして、中心縦部材15の一方の側と各固定枠10
aに位置する各縦部材13の一方の側とを連結するよう
にして第1の放射部材16aが設けられている。また、
中心縦部材15の他方の側と各固定枠10aに位置する
各縦部材13の他方の側とを連結するようにして第2の
放射部材16bが設けられている。さらに、中心縦部材
15には軸方向に移動自在に中心スライダ14が設けら
れている。
【0098】そして、上記各第1及び第2の放射部材1
6a,16bは、固定枠10aに位置する第1の水平部
材11の中央部と第2の水平部材12の中央部とを結ぶ
線分及び中心縦部材15を含む面に沿って揺動自在に縦
部材13及び中心縦部材15に連結されている。ただ
し、第2の放射部材16bの一端部は中心スライダ14
に揺動自在に連結され、この中心スライダ14を介して
中心縦部材15に連結されている。なお、中心スライダ
14を中心縦部材15の一方の側(図において上側)に
配置し、第1の放射部材16aの方を中心スライダ14
に連結するようにしてもよい。
【0099】さらに、中心縦部材15の一方の側と各固
定枠10aに位置する第1の水平部材11の中央部とを
連結するようにして第1の中間放射部材17aが設けら
れている。また、中心縦部材15の他方の側と各固定枠
10aに位置する第2の水平部材12の中央部とを連結
するようにして第2の中間放射部材17bが設けられて
いる。
【0100】そして、上記各第1及び第2の中間放射部
材17a,17bは、各第1及び第2の中間放射部材1
7a,17b及び中心縦部材15を含む面に沿って揺動
自在に各第1及び第2の水平部材11,12、及び中心
縦部材15に連結されている。ただし、第2の中間放射
部材17bの一端部は、中心スライダ14に揺動自在に
連結され、この中心スライダ14を介して中心縦部材1
5に連結されている。なお、中心スライダ14を中心縦
部材15の一方の側(図において上側)に配置し、第1
の中間放射部材17aの方を中心スライダ14に連結す
るようにしてもよい。
【0101】また、第1及び第2の中間放射部材17
a,17bには、これらを連結するようにして平行揺動
部材19が設けられている。この場合の平行揺動部材1
9は、固定枠10aを形成する面に平行に配置され、か
つ第1及び第2の中間放射部材17a,17bと同一の
方向に揺動自在に設けられている。
【0102】上記のように構成された面収納型展開トラ
スにおいては、第1及び第2の中間放射部材17a,1
7b、平行揺動部材19及び中心縦部材15によって変
形自在枠10bが構成され、図2及び図3に示すよう
に、側面に位置する変形自在枠10bと同じように変化
する。
【0103】また、第1及び第2の放射部材16a,1
6b及び中心縦部材15によって、固定枠10aに位置
する六角形の各頂点部が補強されるから、外力が作用し
ても、展開、折り畳みを円滑に行うことができる。しか
も、展開時には対向する固定枠10aが第1及び第2の
放射部材16a,16b、第1及び第2の中間放射部材
17a,17b及び中心縦部材15によって連結された
状態になるから、固定枠10aの対向方向の強度を向上
することができる。したがって、多くのものを固定枠1
0aを介して連結することができる。
【0104】次に図11を参照して、面収納型展開トラ
スの第3実施形態を説明する。ただし、図10に示す構
成要素と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を
簡略化する。図11に示す第3実施形態の構成要素が図
10に示す構成要素と異なる点は、第1及び第2の屈伸
部材20a,20bを設けている点である。
【0105】すなわち、中心縦部材15の一方の側と、
隣接する変形自在枠10bの中央に位置する各縦部材1
3の一方の側とを連結するようにして、第1の屈伸部材
20aが設けられている。また、中心縦部材15の他方
の側と、隣接する変形自在枠10bの中央に位置する各
縦部材13の他方の側とを連結するようにして、第2の
屈伸部材20aが設けられている。第1及び第2の屈伸
部材20a,20bは、展開時には真っ直ぐに伸びて一
方及び他方の六角形を保持するようになっている。
【0106】上記のように構成された面収納型展開トラ
スにおいては、展開時における一方及び他方の六角形の
各頂点部の全てを補強することができるという利点があ
る。
【0107】なお、上記各実施形態において設けた、縦
部材13とスライダ18とを組み合わせたもの、及び中
心縦部材15と中心スライダ14を組み合わせたものに
代えて、図12及び図13に示すような、伸縮縦部材2
2及び伸縮中心縦部材23を設けるように構成してもよ
い。
【0108】伸縮縦部材22は、図12及び図13に示
すように、筒状部分22aと、この筒状部分22aに軸
方向に移動自在に嵌合する棒状部分22bと、この棒状
部分22bを押し出すように力を発する圧縮バネ22c
とを備えている。伸縮中心縦部材23も伸縮縦部材22
と同様に構成されている。
【0109】そして、第1の水平部材11等が筒状部分
22aに連結され、第2の水平部材12等が棒状部分2
2bに連結されている。なお、伸縮縦部材22及び伸縮
中心縦部材23を、図中の上下を逆にして設け、第2の
水平部材12等を筒状部分22aに連結し、第1の水平
部材11等を棒状部分22bに連結するように構成して
もよいことはいうまでもない。
【0110】上記のように構成された伸縮縦部材22及
び伸縮中心縦部材23を有する展開トラスにおいては、
図12に示す縮めた状態を図示しないストッパで保持す
ることにより、折り畳んだ状態を維持することができ
る。そして、人工衛星が宇宙空間に達した時点でストッ
パを外すことにより、圧縮バネ22cの力で自動的に展
開することができる。
【0111】また、上述した中心スライダ14やスライ
ダ18を有するものの場合にも、この中心スライダ14
やスライダ18をバネ等の力で移動し、自動的に展開す
るように構成することが好ましい。
【0112】図14は、面収納型展開トラスの第4実施
形態を示す図であり、図中18は下面部材の片方の端を
縦部材に沿ってスライド移動させるためのスライダであ
り展開用のバネを有し、13は縦部材、19は上下面部
材の同期をとるための平行揺動部材、25は収納用のケ
ーブルを巻き取るためのモータ、26は収納用のケーブ
ル、27はケーブル26が通過する滑車部分であり、縦
部材の一方の端に取り付けられる。図中28はケーブル
26の終端となる箇所、10aは対向する固定枠であ
る。
【0113】本面収納型展開トラスでは、自然の状態で
はスライダ部分18に併設されたバネの力によって展開
状態にある。図中の矢印の方向にケーブル26が巻き取
られることによって全体が折り畳まれる形で収納され
る。そして、収納状態から展開状態に移行するときに
は、モータ25を逆に回転させて巻き取られたケーブル
26を徐々に解除していく。
【0114】図15は、第4実施形態を改良したもの
で、収納用のケーブル26を2つに分割し、各々が別の
モータ25の駆動によって巻き取られる。こうすること
によって各々のケーブル26が通過する滑車27は2箇
所となり、滑車部分の摩擦の影響が低減される。
【0115】図16〜図18は、第4実施形態に示した
面収納型展開トラスの収納過程を示したもので、図1
6,図17,図18の順に折り畳みが進む様子を表す。
モータ25で収納用のケーブル26が矢印方向に巻き取
られるにつれて縦部材13は相対的に押し下げられ、対
向する固定枠10aはその形状を変えずに相対的に引き
上げられて互いに接近し、最終的に平行になって収納が
完了する。その際、スライダ18は展開用のバネの力に
逆らって縦部材13に沿って下降する。
【0116】図19は、面収納型展開トラスの第5実施
形態を示す図であり、前記第4実施形態の展開トラス構
造に、中心縦部材15と、放射部材16及び中間放射部
材17と、上下の中間放射部材17を結合するものであ
って固定枠10aと平行な平行揺動部材19とを追加し
たものである。
【0117】この面収納型展開トラスによれば、スライ
ド部分を含む六角錐台の側面に対角線上にケーブルを配
し、その一方はモータにつながれていて巻取り可能な構
造になっており、もう一方の端はいずれかの稜線部材の
上端または下端に取付けられた滑車を経由するようなケ
ーブルを有するので、縦部材を取り囲むようにケーブル
を配することにより、そのケーブルをモータ等で巻き取
ることによって収納性の高い折り畳み状態を得ることが
でき、さらに、ケーブルを周囲に配することによって収
納駆動力が分散される形になるため、各部材の同期のと
れた滑らかな収納動作が可能になるという効果を得るこ
とができる。
【0118】図20は、面収納型展開トラスの第6実施
形態を示す図であり、六角錐台状に展開するように構成
されたものであり、その角部には第1の水平部材11、
第2の水平部材12及び縦部材13が配置されている。
すなわち、第1の水平部材11によって上側の六角形が
形成され、第2の水平部材12によって下側の六角形が
形成されており、縦部材13は上下の六角形の各頂点を
結ぶように配置されている。
【0119】この面収納型展開トラス10の対向する一
組みの側面は、第1の水平部材11、第2の水平部材1
2、縦部材13及び筋交い部材34によって、形が固定
された固定枠10aになっている。一方、固定枠10a
に挟まれた側面は、互いに揺動自在な第1の水平部材1
1、第2の水平部材12及び縦部材13によって変形自
在枠10bになっている。
【0120】また、上下の六角形の中心部を貫くよう
に、中心縦部材15が設けられている。そして、この中
心縦部材15の両端部と、各固定枠10aに位置する縦
部材13の両端部とを連結するように、放射部材16が
設けられている。さらに、中心縦部材15の両端部と、
各固定枠10aに位置する第1の水平部材11及び第2
の水平部材12の各中央部とを連結するように、中間放
射部材17が設けられている。
【0121】そして、変形自在枠10bに位置する第1
の水平部材11及び第2の水平部材12は、変形自在枠
10bを構成する面に沿って揺動可能なように縦部材1
3に連結されている。また、放射部材16は、上下の中
間放射部材17と、中心縦部材15とで構成される面に
沿って揺動可能なように縦部材13及び中心縦部材15
に連結されている。さらに、中間放射部材17は、上下
の中間放射部材17と、中心縦部材15とで構成される
面に沿って揺動可能なように第1及び第2の水平部材1
1、12及び中心縦部材15に連結されている。
【0122】また、中心縦部材15及び隣接する変形自
在枠10bの中央に位置する縦部材13には、その軸方
向に移動自在にスライダ18が設けられている。これら
の各スライダ18は第2の水平部材12の一端部、第2
のに位置する放射部材16及び中間放射部材17の一端
部を揺動自在に支持している。
【0123】さらに、第1の水平部材11と第2の水平
部材12とを連結するように平行揺動部材19が設けら
れている。この平行揺動部材19は、固定枠10aに位
置する縦部材13に平行に配置され、かつ第1の水平部
材11及び第2の水平部材12に揺動自在に連結されて
いる。また、平行揺動部材19は、上下の中間放射部材
17を連結するようにも設けられている。この場合、平
行揺動部材19は、固定枠10aを形成する面に平行に
配置され、かつ上下の中間放射部材17に揺動自在に連
結されている。また、図20において、Wはスライダ1
8を移動するためのワイヤである。尚、変形自在枠10
bの動き及び面収納型展開トラス10の動きは、図2〜
図7に示した第1実施形態の場合と同様である。
【0124】次に、線収納型展開トラスについて説明す
る。図21乃至図25は、線収納型展開トラスの第1実
施形態を説明するための図である。
【0125】図21において、この線収納型展開トラス
40は、六角錐台状に展開するように構成されており、
その一方の側(図において上側)には、六角形(偶数角
形)の各辺を形成する6つの第1の水平部材11が設け
られ、他方の側(図において下側)にも、六角形(一方
の側と同数の偶数角形)の各辺を形成する6つの第2の
水平部材12が設けられている。そして、これらの一方
及び他方の正六角形の各頂点を連結するように縦部材1
3が設けられており、隣り合う縦部材13と第1、第2
の水平部材11,12とで形成されるそれぞれ3つの変
形自在枠10b及び変形自在枠10cを有している。
【0126】また、上記各第1及び第2の水平部材1
1,12は、各変形自在枠10b,10cに沿って揺動
自在になるように各縦部材13の一方及び他方の端部に
それぞれ連結されている。縦部材13は、第1及び第2
の水平部材11,12の間隔を固定的に維持する固定縦
部材21と、第1及び第2の水平部材11,12の間隔
を変更可能にする伸縮縦部材22とによって構成されて
おり、これらの固定縦部材21と伸縮縦部材22とが周
方向に交互に配置されている。
【0127】伸縮縦部材22は、図12及び図13に示
したものと同様、図22及び図23に示すように、筒状
部分22aと、この筒状部分22aに軸方向に移動自在
に嵌合する棒状部分22bと、この棒状部分22bを押
し出すように力を発する圧縮バネ22cとを備えてい
る。
【0128】さらに、伸縮縦部材22の一方の側(図に
おいて左側)には、平行揺動部材19が設けられてい
る。この平行揺動部材19は、変形自在枠10bの面内
で揺動自在になるように第1及び第2の水平部材11,
12に連結され、かつ固定縦部材21に平行に配置され
ている。尚、この線収納型展開トラス40においても、
変形自在枠10bは、伸縮部材22によらず、図2及び
図3に示す態様によって構成してもよい。
【0129】上記のように構成された線収納型展開トラ
ス40の動きを図21〜図25を参照して説明する。ま
ず、変形自在枠10bの動きについて説明する。図22
は、折り畳んだ状態における変形自在枠10bであり、
図23は、展開状態における変形自在枠10bである。
すなわち、図23の展開状態から伸縮部材22を縮める
と、平行揺動部材19によって、第1の水平部材11及
び第2の水平部材12が互いに平行に保たれながら接近
するようになる。そうすると、固定縦部材21と伸縮縦
部材22とが上下に位置をずらしながら、接近するよう
になり、図22に示すような折り畳んだ状態になる。こ
の際、第1及び第2の水平部材11,12の揺動角度
は、伸縮縦部材22の軸方向の長さによって一意に定ま
る。
【0130】そして、伸縮縦部材22を縮めた状態をス
トッパ(図示せず)で保持することにより、折り畳んだ
状態が維持され、また、このストッパをワイヤ(図示せ
ず)等で外すことにより、各伸縮縦部材22が圧縮バネ
22cの力で伸び、展開した状態になる。さらに、展開
状態において、伸縮縦部材22の長さをストッパ等によ
り固定可能にしておけば、展開した状態に固定すること
ができる。
【0131】また、図には示していないが、図23の展
開状態から、伸縮縦部材22をさらに伸ばした場合に
も、第1の水平部材11及び第2の水平部材12が互い
に平行状態を保ちながら接近し、これにより固定縦部材
21と伸縮縦部材22が上下に位置をずらしながら、接
近するようになる。ただし、伸縮縦部材22は固定縦部
材21より図において下側に位置するようになる。
【0132】次に、線収納型展開トラス40の全体で
は、伸縮縦部材22と固定縦部材21が交互に配置され
ているから、各伸縮縦部材22が縮むことにより、伸縮
縦部材22と固定縦部材21とが一方及び他方の側に交
互にずれながら接近することになり、この結果、第1及
び第2の水平部材11,12、伸縮縦部材22及び固定
縦部材21の全部材が六角形の中心に収束するようにな
る。すなわち、図24に示すような展開途中の状態を経
て、図25に示すような一本の棒状に折り畳まれた状態
になる。また、上記図示しないストッパを外せば、伸縮
縦部材22が自然に伸び、図24のように放射方向に徐
々に広がり、図21に示すように六角錐台状に展開した
状態になる。
【0133】上記のように構成された線収納型展開トラ
スによれば、第1及び第2の水平部材11,12、固定
縦部材21、伸縮縦部材22等の全ての部材について、
その中間部に屈伸部を有していないから、各屈伸部にお
ける同期不良等により展開が不安定になるということが
有り得ず、よって折り畳み及び展開を円滑に行うことが
できる。しかも、屈伸部がないから、この屈伸部にあり
がちな強度低下も存在することがなく、強度的にも優れ
たものを得ることができる。
【0134】次に、線収納型展開トラスの第2実施形態
を図26及び図27を参照して説明する。ただし、図2
1から図25に示す第1実施形態の構成要素と共通する
要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0135】この実施の形態においては、図26に示す
ように、一方及び他方の六角形の中心部を貫くように、
中心縦部材15が設けられている。そして、中心縦部材
15の一方の側と各伸縮縦部材22の一方の側とを連結
するように第1の放射部材16aが設けられているとと
もに、中心縦部材15の他方の側と各伸縮縦部材22の
他方の側とを連結するように第2の放射部材16bが設
けられている。また、これらの第1及び第2の放射部材
16a,16bには、中心縦部材15に平行に配置され
た平行揺動部材19が連結されている。これらの第1、
第2の放射部材16a,16b及び平行揺動部材19
は、少なくともこれらを含む面に沿って揺動自在になる
ように連結されている。
【0136】上記のように構成された線収納型展開トラ
ス40においては、第1及び第2の放射部材16a,1
6bを含む面が図22及び図23に示すようになる。た
だし、固定縦部材21の代わりに中心縦部材15が配置
され、第1及び第2の水平部材11,12の代わりに第
1及び第2の放射部材16a,16bが配置された状態
になる。したがって、伸縮縦部材22の長さによって、
中心縦部材15に対する第1及び第2の放射部材16
a,16bの揺動角度が一意に定まることになる。そし
て、伸縮縦部材22が縮むことにより、第1及び第2の
放射部材16a,16bも、六角形の中心部に収束する
ことになる。ただし、この実施形態の場合には中心部に
中心縦部材15が設けられているから、折り畳んだ際に
は中心縦部材15を中心にして、図25に示すように一
本の棒状に折り畳まれた状態になる。ただし、図27
は、展開あるいは折り畳まれるまでの中間状態を示して
いる。
【0137】また、展開した状態においては、図26に
示すように、第1及び第2の放射部材16a,16b及
び中心縦部材15によって、六角形の放射方向の剛性が
高まり、全体的な強度を向上させることができる。
【0138】次に、線収納型展開トラスの第3実施形態
を図28及び図29を参照して説明する。ただし、図2
6及び図27に示す第2実施形態の構成要素と共通する
要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。こ
の第3実施形態が第2実施形態と異なる点は、伸縮縦部
材22の両側に平行揺動部材19を設けている点であ
る。
【0139】すなわち、平行揺動部材19は、伸縮縦部
材22の一方の側(図において左側)のみならず、伸縮
縦部材22の他方の側(図において右側)にも設けられ
ている。したがって、伸縮縦部材22の他方の側の変形
自在枠10bも、図22及び図23のように構成されて
いる。
【0140】このように構成された線収納型展開トラス
においては、伸縮縦部材22の伸縮によって、図29に
示す展開途中の状態を経て、図25に示すような折り畳
まれた状態になったり、図28のような展開した状態に
なったりする。また、伸縮縦部材22の伸縮によって、
全ての第1及び第2の水平部材11,12に揺動起動力
が発生するようになるから、折り畳み及び展開を円滑に
行うことができる。そして、全ての変形自在枠10bが
各伸縮縦部材22の長さによって一意に定まることにな
る。なお、図21に示す第1実施形態の線収納型展開ト
ラス40においても、平行揺動部材19を伸縮縦部材2
2の両側に設けるように構成してもよい。
【0141】次に、線収納型展開トラスの第4実施形態
を図30〜図32を参照して説明する。ただし、図28
及び図29に示す第3実施形態の構成要素と共通する要
素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0142】この実施の形態においては、各変形自在枠
10b及び第1、第2の放射部材16a,16bを含む
各面に対角部材41が設けられている。この対角部材4
1は、変形自在枠10bにおいては一端部が同変形自在
枠10bの伸縮縦部材22側の角部に連結され、他端部
が固定縦部材21にスライダを介して連結されている。
また、第1、第2の放射部材16a,16bを含む各面
においては一端部が同面の伸縮縦部材22側の角部に連
結され、他端部が中心縦部材15にスライダ18を介し
て連結されている。
【0143】そして、各対角部材41は、少なくとも各
変形自在枠10bや第1、第2の放射部材16a,16
bを含む各面に沿って揺動自在になるように連結されて
おり、展開時には各変形自在枠10b及び上記各面の対
角方向に延在するようになっている。また、スライダ1
8は、固定縦部材21又は中心縦部材15の軸方向に沿
って移動自在に構成されている。
【0144】上記のように構成された線収納型展開トラ
ス40においては、各変形自在枠10b及び第1及び第
2の放射部材16a,16bを含む各面が図31及び図
32のようになる。すなわち、伸縮縦部材22が縮むこ
とによって、図31のように折り畳まれる。この際、ス
ライダ18は、固定縦部材21又は中心縦部材15に沿
って図において上側に移動する。この状態から伸縮縦部
材22が伸びると、図32に示すように、展開した状態
になり、スライダ18が固定縦部材21又は中心縦部材
15の図における下側端部に移動する。
【0145】したがって、上記のように構成された線収
納型展開トラス40によれば、対角部材41が各変形自
在枠10b及び第1、第2の放射部材16a,16bを
含む各面において筋交いのようになるので、展開時にお
ける強度を向上させることができる。
【0146】なお、上記各実施の形態においては、伸縮
縦部材22を筒状部分22aと、棒状部分22bとによ
り伸縮自在に構成したが、この伸縮縦部材22として
は、図2及び図3に示すように、構成したものであって
もよい。
【0147】また、上記各実施の形態においては、第1
及び第2の放射部材16a,16bを中心縦部材15と
伸縮縦部材22とを連結するように配置したが、同時に
中心縦部材15と固定縦部材21とを連結するように配
置してもよい。ただし、中心縦部材15と固定縦部材2
1とを連結する第1及び第2の放射部材16a,16b
には、平行揺動部材19を取り付けることはできない。
すなわち、平行揺動部材19を設ける場合には、縦部材
13及び中心縦部材15のいずれか一方を伸縮自在に構
成し、この平行揺動部材19は伸縮不能の部材に平行に
なるように配置する必要がある。
【0148】さらに、第1及び第2の放射部材16a,
16bを中心縦部材15と伸縮縦部材22とを連結する
ように配置したのに代えて、中心縦部材15と固定縦部
材21とを連結するように構成してもよい。この場合、
中心縦部材15を伸縮自在に構成することにより、第1
及び第2の放射部材16a,16bに平行揺動部材19
を連結することができる。
【0149】図33は、線収納型展開トラスの第5実施
形態を示す図であり、18は下面部材のどちらか一方の
端を縦部材に沿ってスライド移動させるためのスライダ
であり、縦部材が伸展する方向に付勢するバネを有す
る。図中13は縦部材、19は上下面部材の挙動の同期
を取るための平行揺動部材、25は収納用のケーブルを
巻き取るためのモータ、26は収納用のケーブル、27
はケーブル26が通過する滑車部分であり、縦部材の一
方の端に取り付けられる。また、図中28はケーブル2
6の終端となる箇所である。本展開トラス構造は、自然
の状態ではスライダ部分18に併設されたバネの力によ
って展開状態にある。図中の矢印の方向にケーブル26
が巻き取られることによって全体が折り畳まれる形で収
納される。収納状態から展開状態に移行するときには、
モータを逆に回転させて巻き取られたケーブル26を徐
々に解除していく。展開駆動力としてスライダ18にバ
ネを設けた場合、回転挙動が急激に進行するおそれがあ
るが、巻き取ったケーブルを徐々に解除することにより
展開挙動を制御することができる。
【0150】図34は、第5実施形態の線収納型展開ト
ラスを改良したもので、収納用のケーブル26を2つに
分割し、それぞれ単一のモータ25で同一方向に巻き取
られる。こうすることによって各々のケーブル26が通
過する滑車部分27は2箇所となり、滑車部分27の摩
擦の影響が低減されることになり、巻き取り用のモータ
25の部分を中心として左右のトラス部材の展開収納挙
動の同期性が向上する。
【0151】図35〜図38は、図33に示した第5実
施形態に示した展開トラス構造の収納過程を示したもの
で、図35,図36,図37,図38の順に折り畳みが
進む様子を表す。すなわち、モータ25で収納用ケーブ
ル26が矢印方向に巻き取られるにつれて縦部材13は
相対的に押し下げられ、その隣の縦部材は相対的に引き
上げられる形で全体が折り畳まれる。その際、スライダ
18は展開バネの力に逆らって縦部材13に沿って下降
する。
【0152】図39(a)〜39(e)は、上記展開ト
ラスの1つの変形自在枠部分の収納過程を示したもの
で、図39(a),39(b),39(c),39
(d),39(e)の順に折り畳みが進む様子を示す。
すなわち、スライダ18が下降して側面が線状に畳まれ
る過程で、平行揺動部材19が常にスライダ18を有し
ない方の縦部材に対して平行関係を保つことにより、結
果として側面の上辺と下辺にあたる上面部材と下面部材
が平行になり、収納挙動をスムーズにするとともに、収
納途中の剛性も高められる。
【0153】図40は、線収納型展開トラスの第6実施
形態を示す図であり、上記第5実施形態に、中心縦部材
15と放射部材16と、スライダを有しない縦部材13
に平行に設けられた平行揺動部材19とを追加したもの
である。
【0154】次に、上述した面収納型展開トラス及び線
収納型展開トラスの変形自在枠に使用されるリンク構造
についてまとめて説明する。図41及び図42(a)〜
42(c)は、リンク構造の第1実施形態を示す図であ
る。
【0155】図41に示すリンク構造51は、平行に対
向する2本の平行部材52,53と、同じく対向する平
行でない2本の非平行部材54,55とを、ヒンジ56
を介して四角形状に連結したものであって、前記各平行
部材52,53の中間部にヒンジ56を介して連結さ
れ、かつ前記非平行部材54,55のうち一方の非平行
部材54に平行に配された中間連結部材57を設けてな
り、他方の非平行部材55のヒンジ56,56間の間隔
を変更可能に構成したことを特徴としている。そして、
他方の非平行部材55は、伸縮可能に構成することによ
り、ヒンジ56,56間の間隔を変更可能に構成されて
いる。
【0156】上記平行部材52,53、非平行部材5
4,55、及び中間連結部材57は、一つの平面に沿う
ように配置されており、上記各ヒンジ56は、その平面
に直角な方向の軸回りに回転するようになっている。ま
た、他方の非平行部材55は、棒状体55aと、この棒
状体55aに嵌合する筒状体55bとによって、伸縮自
在になっている。
【0157】このように構成されたリンク構造51にお
いては、中間連結部材57を一方の非平行部材54に平
行に設けているから、2本の平行部材52,53が常に
平行に保たれる。このため、2本の平行部材52,53
及び2本の非平行部材54,55で構成される台形状の
四角形は、図42(a)に示すように、左右対称の台形
状になったり、図42(b),42(c)に示すよう
に、左右対称でない台形状になったりする。
【0158】また、2本の非平行部材54,55が平行
でないことから、2本の平行部材52,53はそれぞれ
長さの異なるものとなる。そこで、例えば図42(a)
に示すように、左右対称の台形状になった状態を展開状
態とし、この展開状態から2本の平行部材52,53を
一方の非平行部材54の各ヒンジ56を支点にして回転
させる。この際、図42(b),42(c)に示すよう
に、長い平行部材53側から短い平行部材52側に向け
て、この両者の平行部材52,53を回転させると、長
い平行部材53の先端部は短い平行部材52の先端部よ
り周方向の速度が速いから、長い平行部材53の先端部
が短い平行部材52の先端部に徐々に近付くようにな
る。すなわち、他方の非平行部材55のヒンジ56,5
6間の間隔が短くなる。
【0159】一方、上記とは反対に、短い平行部材52
側から長い平行部材53側に向けて、この両者の平行部
材52,53を回転させると、上述した理由と同じ理由
により、長い平行部材53の先端部が短い平行部材52
の先端部から徐々に離れるようになる。すなわち、他方
の非平行部材55のヒンジ56,56間の間隔が長くな
る。
【0160】したがって、他方の非平行部材55のヒン
ジ56,56間の間隔を変更することにより、2本の平
行部材52,53の回転方向及び回転位置を制御するこ
とができる。また、最もヒンジ56,56間の間隔を短
くした状態、あるいは長くした状態においては、2本の
平行部材52,53が最も近接した状態になり、この際
には2本の非平行部材54,55も近接した状態になる
ので、全体として1本の棒状に折り畳まれた状態にな
る。図42(c)は、他方の非平行部材55のヒンジ5
6,56間の間隔を最も短くすることによって、全体を
1本の棒状に収束させた状態を示している。
【0161】また、曲率を有する構造物を構成するに
は、各リンク構造51の非平行部材54,55を連結す
ることにより行う。この場合、2本の非平行部材54,
55が平行ではないから、各平行部材52,53によっ
て、円弧に近似するような構造物を容易に構成すること
ができる。この際、各リンク構造物51としては同一の
構造のもので済むから、製造効率を向上させることがで
きる。そして、左右対称の台形状になった状態を展開状
態としておけば、各リンク構造51が台形状の安定した
形状になっており、しかも2本の平行部材52,53の
間隔も十分に広くなっているから、構造的に強固なもの
を構成することができる。なお、2本の平行部材52,
53の間隔は、これらの2本の平行部材52,53が一
方の非平行部材54に直交するようになったときに最大
となる。したがって、このように2本の平行部材52,
53の間隔が最大となった状態を展開状態とすることに
より、曲率を有する構造物の強化を図るようにしてもよ
い。
【0162】さらに、従来例で示した屈伸部材のよう
に、途中で折れ曲がるような部材を有していないから、
製造が簡単であり、平行部材52,53、非平行部材5
4,55及び中間連結部材57を円滑に作動させること
ができる。
【0163】また、上記リンク構造51を四角形状に配
置して、四角錐台状の展開構造物を構成したり、六角形
状に配置して六角錐台状の展開構造物を構成することが
できる。このような四角錐台、六角錐台状の展開構造物
においても、各側面が一本の棒状に折り畳まれた状態に
なるから、全体としても一本の棒状に折り畳まれた状態
に収束させることができる。しかも、これらの四角錐
台、六角錐台状の展開構造物をそれぞれ連結することに
より、筒状の曲面に近似させたものや、球面状の曲面に
近似させたものを容易に構成することができる。
【0164】次に、図43及び図44(a)〜44
(c)を参照してリンク構造の第2実施形態を説明す
る。ただし、図41及び図42(a)〜42(c)に示
す第1実施形態の構成要素と共通する要素には同一の符
号を付し、その説明を簡略化する。この第2実施形態が
第1実施形態と異なる点は、対角部材58が設けられて
いる点である。
【0165】すなわち、対角部材58は、一端部がヒン
ジ56及びスライダ59を介して一方の非平行部材54
に移動自在に連結され、他端部が棒状体55a側の角部
51aにヒンジ56を介して連結されている。そして、
この対角部材58は、展開状態において、スライダ59
を有する一端部が上記角部51aに対向する角部51b
に位置するように、その長さが設定されている。なお、
この実施形態では、左右対称の台形状になったときを展
開状態としている。また、対角部材58は、中間連結部
材57等が沿う平面に平行に配置されており、中間連結
部材57とは接触を避けるような構造になっている。
【0166】上記のように構成されたリンク構造51に
おいては、図44(a)に示す展開状態から、他方の非
平行部材55を縮めて、そのヒンジ56,56間の間隔
を短くすると、図44(b),44(c)のように変形
して、一本の棒状に折り畳まれた状態に収束する。ま
た、展開状態においては、スライダ59が角部51bに
移動し、対角部材58が台形の対角方向に延在するよう
になる。したがって、展開時における強度を向上するこ
とができる。その他、第1実施形態と同様の作用効果を
奏する。
【0167】次に、図45及び図46(a)〜46
(c)を参照してこの発明の第3実施形態を説明する。
ただし、図41〜図44(a)〜44(c)に示す第1
及び第2実施形態の構成要素と共通する要素には同一の
符号を付し、その説明を簡略化する。この第3実施形態
が第1及び第2実施形態と異なる主な点は、図面に示し
た一方の非平行部材54と他方の非平行部材55とが左
右逆の位置に配置されている点と、他方の非平行部材5
5が伸縮自在となっておらず、スライダ50によって他
方の非平行部材55側のヒンジ56,56間の間隔が変
更可能になっている点である。
【0168】すなわち、他方の非平行部材55は長さの
固定されたもので構成されており、この他方の非平行部
材55にスライダ60が移動自在に設けられている。ス
ライダ60には、ヒンジ56を介して長い方の平行部材
53が連結されているとともに、ヒンジ56を介して対
角部材58が連結されている。
【0169】対角部材58は、一端部がスライダ59に
ヒンジ56を介して連結されており、他端部が上記のよ
うにスライダ60に連結されている。スライダ59は、
一方の非平行部材54に沿って移動するよう設けられて
いる。また、対角部材58は、展開状態において、スラ
イダ60の位置する角部51cから、この角部51cに
対向する角部51dに延在するように、その長さが設定
されている。このため、この第3実施形態では、スライ
ダ59は角部51dから一方の非平行部材54に沿って
移動するようになっている。
【0170】上記のように構成されたリンク構造51に
おいては、スライダ60が移動することによって他方の
非平行部材55側のヒンジ56,56間の間隔が変化
し、これにより展開、収束を行う。例えば、スライダ6
0を図46(a)の展開状態から下方に移動すると、他
方の非平行部材55のヒンジ56,56間の間隔が長く
なり、図46(b),46(c)のように変形し、一本
の棒状に変形することになる。この際、スライダ60の
移動に伴い、スライダ59も一方の非平行部材54に沿
って移動する。
【0171】また、展開状態においては、図45に示す
ように、全体が左右対称の台形状になり、その対角方向
に対角部材58が延在することになるから、上記第2実
施形態と同様に強度の向上を図ることができる。その他
は第1実施形態及び第2実施形態と同様の作用効果を奏
する。
【0172】なお、第3実施形態においては、対角部材
58及びスライダ59を設けた例を示したが、これらの
対角部材58及びスライダ59は設けなくてもよいこと
はいうまでもない。ただし、強度の向上を図るためには
設けることが好ましい。
【0173】次に、面収納型展開トラス及び線収納型展
開トラスの対向する2本の縦部材を連結する対角構造に
採用可能な展開対角構造について説明する。
【0174】図47乃至図54は、展開対角構造の第1
実施形態を示す図である。図47において、80は展開
構造物に設けられた展開対角構造であり、この展開対角
構造80は、4つの各点73a,73b,74a,74
bを対角方向に結ぶ2本の対角部材81,82を有して
なり、前記各点73a,73b,74a,74bのうち
隣り合う一方の2点73a,73bの間隔を一定に保つ
とともに、この2点73a,73bに対向する他方の2
点74a,74bの間隔を一定に保ちながら、前記一方
の2点73a,73b部分に対して他方の2点74a,
74b部分を相対的に離接する方向に移動することによ
って展開、収束が可能になっている。そして、2本の対
角部材81,82をその交差部83で回転自在に連結
し、前記各対角部材81,82は、前記交差部83の少
なくとも一方の側にそれぞれ屈伸部84,85を有して
いることを特徴としている。
【0175】すなわち、一方の対角部材81は、回転ヒ
ンジ77を介して、一方の第1の縦部材73の端部であ
る点73aと、他方の第1の縦部材74の端部である点
74bに回転自在に連結されており、他方の対角部材8
2は、回転ヒンジ77を介して、一方の第1の縦部材7
3の端部である点73bと、他方の第1の縦部材74の
端部である点74aに回転自在に連結されている。
【0176】交差部83においては、交差回転ヒンジ8
3aにより2本の対角部材81,82が回転自在に連結
されている。この交差回転ヒンジ83aは、交差する2
本の対角部材81,82を含む面に沿って回転自在にな
っている。各屈伸部84,85は、それぞれ屈伸回転ヒ
ンジ84a,85aにより回転自在になっている。そし
て、これらの屈伸回転ヒンジ84a,85aは、交差す
る2本の対角部材81,82を含む面に沿って回転自在
になっている。
【0177】また、各対角部材81,82は下記(1)
式及び(2)式の展開条件を満たすような寸法になって
いる。ただし、一方の対角部材81においては、図50
に示すように、点73aから交差部83までの長さをL
1、交差部83から一方の屈伸部84までの長さをL
2、一方の屈伸部84から点74bまでの長さをL3と
する。また、他方の対角部材82においては、点74a
から交差部83までの長さをL4、交差部83から他方
の屈伸部85までの長さをL5、他方の屈伸部85から
点73bまでの長さをL6とする。そして、一方の第1
の縦部材73の両端部である各点73a,73b間の長
さをL7、他方の第1の縦部材74の両端部である各点
74a,74b間の長さをL8とする。 L7=L1+L5−L6 …(1) L8=L4+L2−L3 …(2)
【0178】上記のように構成された展開構造物におい
ては、図47に示す展開状態から、図48に示す展開途
中の状態を経て、図49に示す一本の棒状に折り畳まれ
た状態、すなわち収束状態に変化するとともに、この収
束状態から展開状態へ自由に変化する。そして、展開状
態においては、各屈伸部84,85が真っ直ぐに伸びた
状態になっており、一方の第1の縦部材73と、点73
aと交差部83間の一方の対角部材81と、交差部83
と点73b間の他方の対角部材82とによって、三角形
が構成される。また、他方の第1の縦部材74と、点7
4aと交差部83間の他方の対角部材82と、交差部8
3と点74b間の一方の対角部材81とによって、三角
形が構成される。このため、一方又は他方の第1の縦部
材73,74に、せん断力A、圧縮力Bその他の方向の
力が作用しても、上述した三角形の形状が変化すること
がなく、展開構造物を確実に強化することができる。
【0179】また、上側水平部材71で構成される上面
部と、一方の対角部材81と、他方の第1の縦部材74
とで三角形が構成されること、また上記上面部と、他方
の対角部材82と、一方の第1の縦部材73とで三角形
が構成されること、さらに上記上面部と、交差部83よ
り上側に位置する一方及び他方の対角部材81,82と
で三角形が構成されることになる。そして、下側水平部
材72で構成される下面部を含む三角形も上記と同様に
構成されることになる。したがって、展開状態において
は、展開構造物は極めて剛性の高い、強度的に優れたも
のとなる。
【0180】次に、展開状態から折り畳む場合には、屈
伸部84,85をわずかに折り曲げ、例えば圧縮力B方
向の力を作用させる。そうすると、交差部83と点73
bとの間、及び交差部83と点74bとの間に作用する
圧縮方向の力により、各屈伸部84,85に曲げモーメ
ントが発生することになる。このため各対角部材81,
82は、それぞれの屈伸部84,85で折れ曲がるよう
になる。そして、一方の2点73a,73bの間隔、及
び他方の2点74a,74bの間隔が一定になっている
から、各対角部材81,82は、各屈伸部84,85で
折り返されるように折り曲げられ、対向する第1の縦部
材73,74が接近して、1本の棒状に束ねた状態にな
る(図49参照)。
【0181】次に、上記各屈伸回転ヒンジ84a,85
aの他の例を説明する。すなわち、展開状態において、
各屈伸部84,85が真っ直ぐになっていれば、交差部
83と点73bとの間、及び交差部83と点74bとの
間に圧縮方向の力が作用しても、各屈伸部84,85に
曲げモーメントが作用することがなく、よって各屈伸部
84,85は真っ直ぐに保持されたままとなる。つま
り、各屈伸部84,85が真っ直ぐになっていれば、展
開状態を維持することができる。しかし、展開状態にお
ける安定性を確保する上では、各屈伸部84,85にス
トッパを設け、振動等が生じても、各屈伸部84,85
に折れ曲がりが生じないようにすることが好ましい。す
なわち、各屈伸部84,85には、上記に示した通常の
回転型のヒンジ84a,85aに代えて、図51に示す
ようなストッパ付きの屈伸回転ヒンジ86を設けること
が好ましい。
【0182】ここでは、屈伸回転ヒンジ86を、一方の
屈伸部84に設けたものに基づいて説明する。そして、
一方の対角部材81のうち、交差部83を含む側を長対
角部材81aとし、屈伸部84の先端側を短対角部材8
1bとする。
【0183】屈伸回転ヒンジ86は、ヒンジ軸87、ラ
ッチ円盤88、ラッチレバー89、固定ピン90、ラッ
チバネ91を備えている。ヒンジ軸87は、長対角部材
81aに固定されており、ヒンジ軸87には、短対角部
材81bが回転自在に連結されている。ラッチ円盤88
は、短対角部材81bがヒンジ軸87から抜けるのを防
止するように、同ヒンジ軸87に固定されている。ラッ
チレバー89は、ラッチ円盤88の周囲に沿うように円
弧状に形成されており、その基端部が固定ピン90を介
して短対角部材81bに回転自在に取り付けられてい
る。
【0184】そして、ラッチレバー89の先端部には、
係止突起89aが設けられ、ラッチ円盤88には、係止
突起89aが嵌まる係止凹部88aが形成されている。
これらの係止突起89a及び係止凹部88aは、長対角
部材81aと短対角部材81bとが真っ直ぐになったと
きに嵌まるように、その位置が設定されている。また、
ラッチバネ91は、ラッチレバー89の先端部を常時ラ
ッチ円盤88側に引き寄せるように設けられている。し
たがって、係止突起89aは、常時ラッチ円盤88の周
面に押し付けられた状態になっており、長対角部材81
aと短対角部材81bとが真っ直ぐになったときに、係
止凹部88aに自動的に嵌まるようになっている。
【0185】このように構成された屈伸回転ヒンジ86
においては、ラッチレバー89とラッチ円盤88とによ
って、屈伸部84を真っ直ぐに保持するストッパが構成
されているから、展開状態を確実に保持することができ
る。なお、屈伸回転ヒンジ86を他方の屈伸部85に設
けた場合には、図51において、長対角部材81aが長
対角部材82aとなり、短対角部材81bが短対角部材
82bとなる。
【0186】次に、上記屈伸回転ヒンジ84a,85a
及び交差回転ヒンジ83aの他の例を説明する。すなわ
ち、屈伸回転ヒンジ84a,85a及び交差回転ヒンジ
83aには、図52及び図53に示すように、展開方向
に回転力を与えるうず巻きバネ(回転駆動手段)92が
設けられている。このうず巻きバネ92は、折り畳んだ
際に弾性エネルギを蓄えておき、この蓄えたエネルギに
よって、各対角部材81,82等を完全な展開状態まで
展開させるようになっている。
【0187】なお、うず巻きバネ92は、折り畳む方向
に回転力が生ずるように設けてもよい。また、うず巻き
バネ92に代えて、モータ等の回転駆動手段によって各
対角部材81,82等を展開又は収束するように構成し
てもよい。さらに、図51で示したストッパを有する屈
伸回転ヒンジ86に、うず巻きバネ92やモータ等の回
転駆動手段を設けるように構成してもよい。
【0188】次に、上記交差回転ヒンジ83aの他の例
を説明する。すなわち、図54に示す交差回転ヒンジ9
3について説明する。この交差回転ヒンジ93は、一方
の対角部材81に長孔94が空けられており、この長孔
94に沿ってヒンジ軸95が移動自在になっている。長
孔94は、一方の対角部材81の長手方向に沿って長く
形成されており、ヒンジ軸95は、他方の対角部材82
に固定されている。また、ヒンジ軸95を長孔94の長
手方向に沿って常時引っ張るように引張バネ96が設け
られている。引張バネ96は、一端部がヒンジ軸95に
固定され、他端部が一方の対角部材81に固定ピン97
を介して固定されている。
【0189】このように構成された交差回転ヒンジ93
においては、対角部材81,82やその他の部材の寸法
公差の影響で、屈伸回転ヒンジ84a,85a等のヒン
ジ部に無理な力がかかるような場合でも、ヒンジ軸95
が長孔94に沿って移動することにより上記寸法公差分
を吸収することができる。したがって、屈伸回転ヒンジ
84a,85a等に無理な力がかかることがなく、展開
及び収束を円滑に行うことができる。なお、展開状態に
おいては、ヒンジ軸95の位置が長孔94の長手方向の
ほぼ中央に位置するように設計することが、種々の寸法
公差を吸収する上で好ましい。
【0190】さらにまた、屈伸部84,85は共に交差
部83より図47において下側に配置した例を示してい
るが、これらの屈伸部84,85は共に交差部83より
上側に配置するように構成してもよく、また一方の屈伸
部84は交差部83の下側に配置し、他方の屈伸部85
は交差部83の上側に配置したり、その反対に配置する
ように構成してもよい。さらに、屈伸部84,85を交
差部83の両側に配置するように構成してもよい。
【0191】図55乃至図58は、展開対角構造の第2
実施形態を示す図である。図55において、80は展開
構造物に設けられた展開対角構造であり、この展開対角
構造80は、対向する2本の第1の縦部材73,74
と、これらの第1の縦部材73,74に交差するように
連結する2本の対角部材81,82とを備えてなり、前
記2本の第1の縦部材73,74を離接するようにして
展開、収束が可能な展開対角構造であって、前記各対角
部材81,82と各第1の縦部材73,74とを回転自
在に連結するとともに、2本の対角部材81,82をそ
の交差部83で回転自在に連結してなり、一方の対角部
材81は一方の第1の縦部材73から交差部83を経て
他方の第1の縦部材74にわたされ、その交差部83と
他方の第1の縦部材74との間に屈伸部84を有してお
り、他方の対角部材82は他方の第1の縦部材74から
交差部83を経て一方の第1の縦部材73にわたされ、
その一方の第1の縦部材73に軸方向に移動自在に連結
されていることを特徴としている。
【0192】すなわち、一方の対角部材81は、回転ヒ
ンジ77を介して、一方の第1の縦部材73の上側連結
部73aと、他方の第1の縦部材74の下側連結部74
bに回転自在に連結されている。また、他方の対角部材
82は、回転ヒンジ77を介して、他方の第1の縦部材
74の上側連結部74aと、一方の第1の縦部材73の
下側端部73bより下側に移動するスライダ98に回転
自在に連結されている。これらの上側連結部73aと下
側連結部73bとの間隔は、上側連結部74aと下側連
結部74bとの間隔に等しく構成されている。また、こ
れらの連結部73a,73b,74a,74bに上側水
平部材71や下側水平部材72が連結されている。
【0193】また、一方の第1の縦部材73は、下側連
結部73bの下側にさらに長く延在する摺動部73cを
有しており、この摺動部73cには軸方向に移動自在に
スライダ98が設けられている。そして、このスライダ
98には、回転ヒンジ77を介して第2の対角部材82
が連結されている。また、スライダ98は、図55に示
す展開完了状態で、下側連結部73bに当接し、この位
置で摺動部73cに固定するストッパ(図示せず)を有
している。
【0194】各対角部材81,82が交差する交差部8
3には、交差展開ヒンジ83aが設けられている。この
交差回転ヒンジ83aは、交差する2本の対角部材8
1,82を含む面に沿って、同対角部材81,82を回
転自在に連結するようになっている。
【0195】屈伸部84は、屈伸回転ヒンジ84aによ
り回転自在になっている。そして、この屈伸回転ヒンジ
84aは、交差する2本の対角部材81,82を含む面
に沿って回転自在になっている。
【0196】また、各対角部材81,82は下記(3)
式の展開条件を満たすような寸法に構成されている。た
だし、図58に示すように、上側連結部74aから交差
部83までの長さをL11、交差部83から屈伸部84
までの長さをL12、屈伸部84から下側連結部74b
までの長さをL13、上側連結部74aから下側連結部
74bまでの長さをL14とする。 L14=L11+L12−L13 …(3)
【0197】上記のように構成された展開構造物におい
ては、図55に示す展開状態から、図56に示す展開途
中の状態を経て、図57に示す一本の棒状に折り畳まれ
た状態、すなわち収束状態に変化するとともに、この収
束状態から展開状態へ自由に変化する。そして、展開状
態においては、屈伸部84が真っ直ぐに伸びた状態にな
るとともに、スライダ98が下側連結部73bの位置ま
で移動して、図示しないストッパにより、一方の第1の
縦部材73に固定された状態になる。このため、展開状
態においては、一方の第1の縦部材73と、上側連結部
73aと交差部83間の一方の対角部材81と、交差部
83とスライダ98間の他方の対角部材82とによっ
て、三角形が構成される。また、他方の第1の縦部材7
4と、上側連結部74aと交差部83間の他方の対角部
材82と、交差部83と下側連結部74b間の一方の対
角部材81とによって、三角形が構成される。このた
め、一方又は他方の第1の縦部材73,74に、せん断
力A、圧縮力Bその他の方向の力が作用しても、上述し
た三角形の形状が変化することがなく、展開構造物を確
実に強化することができる。
【0198】また、上側水平部材71で構成される上面
部と、一方の対角部材81と、他方の第1の縦部材74
とで三角形が構成されること、また上記上面部と、他方
の対角部材82と、一方の第1の縦部材73とで三角形
が構成されること、さらに上記上面部と、交差部83よ
り上側に位置する一方及び他方の対角部材81,82、
とで三角形が構成されることになる。そして、下側水平
部材72で構成される下面部を含む三角形も上記と同様
に構成されることになる。したがって、展開状態におい
ては、展開構造物は極めて剛性の高い、強度的に優れた
ものとなる。
【0199】次に、展開状態から折り畳む場合には、ス
ライダ98のストッパ(図示せず)を外すとともに、屈
伸部84をわずかに折り曲げた後、例えば圧縮力B方向
の力を作用させる。そうすると、上側連結部74aとス
ライダ98との間に作用する圧縮力により、同スライダ
98が下側連結部73bから離れる方向に移動するとと
もに、交差部83と下側連結部74bとの間に作用する
圧縮力により、屈伸部84に曲げモーメントが作用し、
同屈伸部84が折れ曲がるようになる。そして、一方の
対角部材81は、屈伸部84で折り返されるように折り
曲げられ、他方の対角部材81は、スライダ98の移動
に伴って第1の縦部材73に接近し、この結果、一方及
び他方の第1の縦部材73,74も接近して、全体とし
て1本の棒状に束ねた状態になる(図57参照)。
【0200】尚、この実施の形態においても第1実施形
態と同様、屈伸回転ヒンジとして、図51及び図52に
示すものが採用できる。また、交差回転ヒンジとして図
53及び図54に示すものが採用できる。
【0201】また、スライダ98には、展開完了時に一
方の縦部材73に固定するためのストッパを設けた。し
かし、このストッパを設けなくても、交差部83、上側
連結部74a、下側連結部74bを頂点とする三角形を
構成することができ、圧縮力B等の力を保持することが
できる。ただし、ストッパを設けることによって、交差
部83、上側連結部73a、下側連結部73bを頂点と
する三角形が構成されるから、強度を向上させる上で
は、ストッパを設けることが好ましい。
【0202】尚、上述の第1実施形態及び第2実施形態
からすれば、2本の対角部材のそれぞれの一端が2本の
縦部材のそれぞれに対してその軸方向に移動自在に連結
されている実施の形態も容易に考え得る。以上が展開ト
ラスについての説明である。
【0203】次に、この展開トラスを基本モジュールと
して構成されるモジュール型展開アンテナについて説明
する。そこで、先ず、アンテナの曲面を精度よく形成す
るための概念である球面近似構造について説明する。
【0204】図59は、球面近似構造の第1実施形態を
示す図である。図59に示す球面近似構造100は、複
数の六角錐台状の構造体110を各側面111で結合す
ることによって、各構造体110の上面112側及び下
面113側のいずれか一方又は双方で球面を近似するよ
うに構成したものであって、前記構造体110のうち正
六角錐台状に構成した基本構造体110Aを一つ設け、
この基本構造体110Aの各側面111から放射状に連
なる構造体110として、同一の球面に近似する同一形
状の放射位置構造体110Bを設けてなることを特徴と
している。ただし、この実施の形態では上面112側で
球面を近似するようになっており、図59は各構造体1
10の上面112側から平面的に見た図を示している。
また、この実施の形態の場合には、各構造体110がモ
ジュール化した状態で個々に構成されており、各側面1
11の部材を介して結合されている。
【0205】すなわち、構造体110は、図60に示す
ように、骨組み構造により六角錐台状に構成されてお
り、上面水平部材112aによって六角形状の上面11
2が構成され、下面水平部材113aによって六角形状
の下面113が構成されている。これらの上面112及
び下面113の各頂点部は縦部材111aによって連結
されており、対向する2本の縦部材111aとこの間に
位置する上面水平部材112a及び下面水平部材113
aによって各側面111が構成されている。
【0206】基本構造体110Aは、縦部材111a、
上面水平部材112a及び下面水平部材113aによっ
て正六角錐台状に構成したものであり、上面112及び
下面113が正六角形状に形成され、各側面111が同
一形状の台形状に形成されている。また、各放射位置構
造体110Bは、縦部材111a、上面水平部材112
a及び下面水平部材113aによって六角錐台状に形成
されており、基本構造体110Aの各側面111に連結
された状態において、上面112の各頂点部が同一の球
面上に位置するように構成されている。そして、各放射
位置構造体110Bにおける上面水平部材112a及び
下面水平部材113aの長さは、基本構造体110Aの
ものと同じ長さになっている。また、各放射位置構造体
110Bにおける縦部材111aの長さは、基本構造体
110Aの縦部材111aに対応するものが同基本構造
体110Aの縦部材111aと同じ長さになっている。
【0207】上記のように構成された球面近似構造10
0においては、基本構造体110Aと放射位置構造体1
10Bとの二種類の構造パターンのもので、球面を近似
することができるから、設計及び製造における効率の向
上を図ることができる。
【0208】次に、球面近似構造の第2実施形態を図6
1を参照して説明する。ただし、図59及び図60に示
す第1実施形態の構成要素と共通する要素には同一の符
号を付し、その説明を簡略化する。この第2実施形態が
第1実施形態と異なる点は、放射位置構造体110Bを
二層分多く設け、この放射位置構造体110Bで挟むよ
うにして第1及び第2の他の構造体110C,110D
を設けた点である。ただし、図61は各構造体110の
上面112側から平面的に見た図を示しており、この図
において、無印の構造体110は基本構造体110Aを
示し、丸に斜線印は放射位置構造体110Bを示し、丸
印は第1の他の構造体110C、四角印は第2の他の構
造体110Dを示している。
【0209】放射位置構造体110Bは、図61に示す
ように、基本構造体110Aの各側面111から放射方
向にそれぞれ3つずつ結合されている。すなわち、基本
構造体110Aの回りには、3層の放射位置構造体11
0Bが結合されている。そして、各放射位置構造体11
0Bは、基本構造体110Aの中心から同基本構造体1
10Aの各側面111の中心を通って放射方向に延びる
線に対して左右対称に形成されている。また、二層目の
放射位置構造体110Bに挟まれる位置には、第1の他
の構造体110Cが1つ設けられており、三層面の放射
位置構造体110Bに挟まれる位置には、第2の他の構
造体110Dが2つ設けられている。
【0210】第1の他の構造体110Cは、図60及び
図61に示すように、4つの側面111が左右に位置す
る放射位置構造体110Bの各側面111と同じ形状に
なっており、かつ上面112の各頂点が球面上に位置す
るように構成されている。このため、第1の他の構造体
110Cは、基本構造体110Aの中心から放射方向に
延びる線に対して左右対称になっており、全て同一の構
造に構成されている。また、第2の他の構造体110D
は、図60及び図61に示すように、放射位置構造体1
10Bに挟まれた状態で隣接して設けられており、その
接する側面111が基本構造体110Aの中心から延び
る放射線上に位置している。したがって、これらの第2
の他の構造体110Dは、その隣接する側面111にお
いて左右対称であり、この対称性を含めて同一とみれ
ば、全て同一のもので構成されている。
【0211】上記のように構成された球面近似構造10
0においては、放射位置構造体110Bを全て同一の構
造のもので構成することができ、この放射位置構造体1
10Bが二層以上になった場合でも、一層増すごとに、
新たに設計すべき構造体110のパターンが一つ増すだ
けである。したがって、構造体110の設計及び製造に
おける効率の向上を図ることができる。
【0212】なお、上記実施の形態においては、図60
に示すような構造体110をまず製造しておいて、この
構造体110を側面111の部分で結合することにより
構成したが、側面111に位置する部材、例えば縦部材
111a、上面水平部材112a、下面水平部材113
aを共有するように構成することにより、各構造体11
0を結合するように構成してもよい。
【0213】また、構造体110としては、その各側面
111を一本の棒状に折り畳むことが可能なように構成
し、これにより構造体110全体を一本の棒状に束ねる
ように折り畳むように構成したものであってもよい。こ
の場合には、各構造体110を折り畳むことにより、球
面近似構造100を複数の棒状部材を束ねた状態に折り
畳むことができる。また、球面近似構造100は、折り
畳んだ状態から球面状に展開することもできる。
【0214】さらに、各構造体110の上面112側
で、球面を近似するように構成したが、各構造体110
の下面113側で球面を近似するように構成してもよ
く、また上面112側及び下面113側の両方で球面を
近似するように構成してもよい。
【0215】次に、上記球面近似構造の概念を採用した
具体的なモジュール型展開アンテナについて説明する。
図62乃至図65は、モジュール型展開アンテナにおけ
る面/線収納トラス構造を示す図である。
【0216】図62において、Fは面/線収納トラス構
造を保持するための基礎構造物であり、この基礎構造物
Fには面/線収納トラス構造を設けるための3つの取付
面F1,F2,F3が設けられている。これらの取付面
F1,F2,F3は正六角錐体の各側面に相当するよう
に形成されており、隣接するもの同士が120度の角度
で交わっている。
【0217】面/線収納トラス構造は、面収納型展開ト
ラス10と、線収納型展開トラス40とによって構成さ
れており、面収納型展開トラス10が各取付面F1,F
2,F3に固定枠10aを介して連結されている。ま
た、線収納型展開トラス40は、面収納型展開トラス1
0に連結されている。そして、面収納型展開トラス10
及び線収納型展開トラス40は、平面視において互いに
占有不能な部分を補うように配置されている。尚、図6
3は、かかる面/線収納トラス構造の正面図である。
【0218】次に、上記のように面収納型展開トラス1
0及び線収納型展開トラス40によって構成された展開
骨組み構造の作用を説明する。
【0219】図64及び図65は、面/線収納トラス構
造を人工衛星としての基礎構造物Fの周囲に収納した状
態を示している。すなわち、各面収納型展開トラス10
は、固定枠10aを密着させるようにして折り畳まれ、
また各線収納型展開トラス40は、一本の軸に集中する
ようにして棒状に折り畳まれ、これにより狭いスペース
に収納された状態になっている。そして、人工衛星が宇
宙空間に達した時点で、面収納型展開トラス10及び線
収納型展開トラス40が展開して、図62及び図63の
状態になる。この際、各面収納型展開トラス10及び線
収納型展開トラス40が六角錐台状に形成されるから、
六角形を連なる面が球面状の面を構成するようになる。
なお、図63において99は、電波を反射する金属メッ
シュである。これが付加されてモジュ−ル型展開アンテ
ナが構成される。
【0220】上記のように構成された面/線収納トラス
構造によれば、面収納型展開トラス10を固定枠10a
の部分を介して基礎構造物Fに、安定的かつ十分な強度
を持って連結することができる。したがって、この面収
納型展開トラス10に連なるようにして、他の面収納型
展開トラス10及び線収納型展開トラス40を複数配置
することができ、広大な面積を持つ曲面を構成すること
ができる。しかも、線収納型展開トラス40が面収納型
展開トラス10のみでは補いきれないスペースに配置さ
れているから、全体として緻密な曲面を構成することが
できる。特に、各面収納型展開トラス10及び線収納型
展開トラス40は、六角形状の上面を及び下面を有して
いるから、各面収納型展開トラス10及び線収納型展開
トラス40を隙間なく配置することができる。
【0221】尚、各面収納型展開トラス10及び線収納
型展開トラス40を六角錐台状に構成したものを示した
が、これらは六角柱状に構成したものであってもよい。
ただし、六角柱状に構成した場合には、これらを組み合
わせても平面的な広がりのものしか得られない。
【0222】さらに、各面収納型展開トラス10及び線
収納型展開トラス40にいては、六角以外の偶数の多角
錐台状あるいは、多角柱状に構成してもよい。この場
合、面収納型展開トラスについては、その対向する一組
の枠体を固定枠で構成する必要がある。尚、展開トラス
としては、前述のすべての態様の面収納型展開トラス及
び線収納型展開トラスが採用し得る。
【0223】次に、基礎構造物ではなく固定構造のトラ
スを採用したモジュール型展開アンテナについて図66
(a)及び66(b)に基づいて説明する。図66
(a)及び66(b)に示すように、このモジュール型
展開アンテナにおける面/線収納トラス構造は、3種類
のアンテナ鏡面構成体からなる。1つは固定構造のトラ
スを有するもの、他の1つは面収納型展開スラスを有す
るもの、残りは線収納型展開トラスを有するものであ
る。なお、図66(a)ではアンテナ鏡面のうち主にト
ラス部分のみを表している。
【0224】図中符号1で示す固定トラスを備えた固定
鏡面の回りには面収納型展開トラス10と線収納型展開
トラス40が配置されている。図66(a)は面/線収
納トラス構造が展開された状態、図66(b)は面/線
収納トラス構造が収納された状態をそれぞれ示してお
り、固定鏡面1に隣接して面収納型展開トラス10が面
状に収納され、それら収納された面収納型展開トラス1
0の間に線収納型展開トラス40が線状に収納されてい
る。
【0225】固定鏡面1は、折り畳むような構造にする
必要はなく、したがってトラスには固定構造のものが用
いられる。固定構造のトラスは、アンテナ鏡面全体を支
えることができるよう強固に作られる。この固定構造の
トラスに金属メッシュが固定的に張架されてアンテナ鏡
面部分が構成される。
【0226】しかして、上記構成のモジュール型展開ア
ンテナでは、固定鏡面1は、面収納型展開トラス10及
び線収納型展開トラス40が展開状態であれ収納状態で
あれ、常に一定の曲率の鏡面状態を維持している。その
ため、展開動作が不完全であっても最低固定部分のスペ
ースがアンテナ鏡面として確保される。
【0227】また、固定鏡面1、面収納型展開トラス1
0、線収納型展開トラス40を合わせた全体の曲面は同
一のパラボラ面を形成しているため、固定鏡面1の部分
と、その他の鏡面部分に異なる周波数の電波を照射して
も同一の方向に反射される。したがって、例えば固定鏡
面1の固定部分をソリッド鏡面で構成して精度を稼ぐこ
とによって、その他の部分よりも高い周波数に対応する
ことができるようにすると、この鏡面部分を回線制御用
の電波に割り当てることもできる。
【0228】最後に、前述の各種展開トラスを相互に結
合するための機構であるモジュール結合機構と展開トラ
スにおいて収納から展開への動作をスムーズに行わせる
ための保持解放機構について説明する。
【0229】先ず、モジュール結合機構について説明す
る。図67乃至図71は、モジュール結合機構の第1実
施形態を示す図である。
【0230】モジュール結合機構120は、図67〜図
71に示すように、基本的なモジュールMを互いに結合
して、複数のモジュールMからなる構造体を構成するた
めのものである。そして、このモジュール結合機構12
0は、各モジュールM,Mの互いに対向する位置に設け
られ、先端が自由端130aになっている被結合部材1
30と、これらの被結合部材130を対向させて合わせ
た状態でその回りに自由端130a側から嵌合する結合
部材140とを備えてる。被結合部材130には、結合
部材140に対応する位置に連結孔130bを設け、結
合部材140には、連結孔130bに嵌合する連結突起
142を有するロック部材141を設けるとともに、連
結突起142が連結孔130bに嵌合した状態において
被結合部材130の自由端130aに当接して、被結合
部材130と結合部材140との相対移動を止めるスト
ッパ部材143を設けたことを特徴としている。上記モ
ジュールMは例えばアンテナの支持構造物を建造する際
の、基本的な構成要素となるものであり、トラス構造な
どによって構成されている。
【0231】被結合部材130は、図67及び図68に
示すように、板状の部材をL字状に形成したものであ
り、その基端部がモジュールMに固定され、その先端部
が自由端130aになっている。これらの被結合部材1
30は、対向する各モジュールM,Mの同一位置に同一
方向を向けて設けられている。このため、各モジュール
M,Mを対向させた状態においては、各被結合部材13
0の自由端130a側の部分が重なり合うように一致す
るようになっている。また、連結孔130bは、図68
及び図69に示すように、各被結合部材130を四角形
状に貫通するように形成されている。
【0232】結合部材140は、図67〜図70に示す
ように、四角形の枠状に形成されたものであり、重なり
合う被結合部材130の外側に自由端130a側から嵌
合して、これら被結合部材130を結合するようになっ
ている。そして、結合部材140には被結合部材130
の連結孔130bに対応する位置に、この連結孔130
bと同じ形状の貫通孔140aが形成されている。
【0233】この結合部材140の貫通孔140aを有
する側面には、ロック部材141及びストッパ部材14
3が設けられている。これらのロック部材141及びス
トッパ部材143は、図68〜図70に示すように、長
方形状の板状の部材で形成されており、基端部をネジ1
44で結合部材140に固定するようにして、平行に設
けられている。そして、各ロック部材141及びストッ
パ部材143は、結合部材140を挟んで向かい合った
状態において、ロック部材141に対してはストッパ部
材143が対向するように互い違いに配置されている。
また、これらのロック部材141及びストッパ部材14
3は、そのネジ144で固定された基端部を支点にして
弾性的にたわむようになっている。
【0234】対向する一方のロック部材141には、貫
通孔140bから一方の被結合部材130の連結孔13
0bに達し、この連結孔130bに嵌合する連結突起1
42が設けられている。また、他方のロック部材141
には、貫通孔140bから他方の被結合部材130の連
結孔130bに達し、この連結孔130bに嵌合する連
結突起142が設けられている。連結突起142は、図
68に示すように、板状のロック部材141からプレス
により形成されたものであり、一方の側面が導入面14
2a、他方の面がロック面142bになっている。すな
わち、導入面142aは、被結合部材130が結合部材
140内に入りやすいように斜めに形成され、ロック面
142bは連結孔130bに平行に当たって、この連結
孔130bから連結突起142が外れるのを阻止するよ
うになっている。
【0235】また、対向する一方及び他方のストッパ部
材143には、その先端部に被結合部材130の自由端
130aに当接するストッパ143aが設けられてい
る。このストッパ143aは、連結突起142のロック
面142bが被結合部材130の連結孔130bに当接
した状態を維持するように、被結合部材130の自由端
130aに当接するようになっている。
【0236】上記のように構成されたモジュール結合機
構120においては、結合すべき各モジュールM,Mを
対向させると、各モジュールM,Mにおける被結合部材
130の自由端130a側の部分が重なるように一致し
た状態になる。そこで、図71(a)に示すように、こ
の対向する被結合部材130にその自由端130a側か
ら結合部材140を嵌合する。そうすると、図71
(b)に示すように、連結突起142が被結合部材13
0の自由端130aの部分によって結合部材140内か
ら押し出されるようになり、自由端130a側の部分が
ストッパ143aに向けて相対的に移動する。そして、
図71(c)に示すように、連結孔130bが連結突起
142の位置に達すると、ロック部材141が弾性的に
復帰して、連結突起142が連結孔130bに嵌合す
る。この状態から被結合部材130がさらに移動を続け
ようとすると、自由端130aがストッパ143aにあ
たり、連結孔130bが連結突起142のロック面14
2bに当たる位置まで押し戻される。すなわち、図71
(d)の状態になる。そしてこの状態においては、ロッ
ク面142bとストッパ143aで自由端130aと連
結孔130bとを挟みつけて固定した状態になる。
【0237】次に、各モジュールM,Mを分離する場合
には、図71(b)に示すように、結合部材140をた
わませることにより連結突起142を連結孔130bか
ら抜きながら、結合部材140を各被結合部材130か
ら引く抜く。
【0238】したがって、上記のように構成されたモジ
ュール結合機構120によれば、各モジュールM,Mに
設けた被結合部材130に結合部材140を嵌合するだ
けで、これらのモジュールM,Mを結合することができ
る。また、被結合部材130から結合部材140を引き
抜くだけで、これらのモジュールM,Mを分離すること
ができる。したがって、モジュールMが入り組んだ構造
のものであっても、各モジュールM,Mの結合及び分離
を極めて容易に行うことができる。しかも、結合状態に
おいては、ロック部材141とストッパ部材143とに
よって、被結合部材130に結合部材140を確実に固
定することができるから、各モジュールM,Mの結合状
態を極めて安全に維持することができる。
【0239】次に、この発明の第2実施形態を図72を
参照して説明する。ただし、図67〜図71に示す第1
実施形態の構成要素と共通する要素には同一の符号を付
し、その説明を簡略化する。この第2実施形態が第1実
施形態と異なる点は、ロック部材141及びストッパ部
材143の位置が調整可能なっている点である。
【0240】すなわち、ロック部材141は、長孔14
1aを介して、ネジ144により結合部材140に固定
されている。長孔141aは、被結合部材130が結合
部材140に対して相対的に移動する方向に長く形成さ
れている。また、ストッパ部材143も、上記長孔14
1aと同様に延在する長孔143bを有しており、この
長孔143bを介してネジ144によって結合部材14
0に固定されている。上記のように構成されたモジュー
ル結合機構120においては、ロック部材141及びス
トッパ部材143の位置を調整することにより、例えば
図68において、ロック面142b及びストッパ143
aの位置を左右で変えることができる。したがって、こ
のモジュール結合機構120によれば各モジュールM,
Mの相対位置を調整することができるという利点があ
る。
【0241】なお、上記実施の形態においては、結合部
材140を被結合部材130の下側から嵌合するように
構成したが、被結合部材130の自由端130a側の部
分を上側や横側等に向けることにより、上側や横側等か
ら嵌合するように構成してもよい。
【0242】保持解放機構の実施の形態を、図73〜図
80を参照して説明する。この実施の形態は、アンテナ
支持用の展開構造物を人工衛星に保持し、あるいは解放
して人工衛星上に所定の形状の展開構造物を設置するた
めの保持解放機構を示している。
【0243】まず、図73〜図75を参照してこの保持
解放機構の第1実施形態を説明する。図73において、
150は保持解放機構であり、この保持解放機構150
は、展開構造物(可動体)170を主構造体200に固
定的に保持したり、この展開構造物170に対する保持
力を解放したりするようになっている。そして、この保
持解放機構150は、基端部151aを主構造体200
に連結した支持アーム151と、この支持アーム151
の先端側に位置し、先端部152bを展開構造物170
に連結したプッシュロッド152と、基端部153aを
支持アーム151の先端部151bに回転自在に連結す
るとともに、先端部153bをプッシュロッド152の
基端部152aに回転自在に連結した中間リンク153
とを備えている。中間リンク153の先端部153bに
は、プッシュロッド152との連結、切断を行う連結切
断手段154を有しており、この連結切断手段154
は、中間リンク153の先端部153bを支持アーム1
51の基端部151a側に回転した際にプッシュロッド
152を主構造体200側に確実に引き寄せて、展開構
造物170を主構造体200に固定的に保持するととも
に、中間リンク153の先端部153bを支持アーム1
51の先端部151bの延長線側に回転した際にプッシ
ュロッド152との連結を解くように構成している。
【0244】展開構造物170は、四角柱状に展開する
骨組み構造のものであって、四角形状に配置された水平
部材171と、四角形の四隅部に回転ヒンジ172を介
して連結された縦部材173とを備えている。また、展
開構造物170の先端中央部には、保持用水平部材17
4が設けられており、この保持用水平部材174にプッ
シュロッド152が回転自在に連結されている。そし
て、この展開構造物170は、水平部材171、縦部材
173及び保持用水平部材174を層状に折り畳むこと
により、主構造体200に収納されるようになってい
る。また、展開構造物170は、自ら展開する力を有し
ており、外部からの保持力が解除されると、自然に展開
して各縦部材173が一直線状に伸びるようになってい
る。
【0245】支持アーム151は、その基端部151a
が主構造体200に固定的に連結されており、その先端
部151bには回転ヒンジ155を介して中間リンク1
53が回転自在に連結されている。回転ヒンジ155に
は、中間リンク153を回転駆動する回転駆動手段15
6が設けられている。この回転駆動手段156は渦巻き
ねじによって構成されたものであり、中間リンク153
の先端部153bを支持アーム151の基端部151a
側から同アーム151の先端部151bの延長線側に回
転駆動力を発生するようになっている。
【0246】また、中間リンク153の先端部153b
には、連結切断手段154が設けられいる。この連結切
断手段154は、U字状に形成されたものであり、中間
リンク153の先端部153bの延長線側に開口するU
字状の凹部154aを有している。
【0247】プッシュロッド152は、その基端部15
2aに上記凹部154aに嵌まるボス部157を有して
いる。このボス部157は、断面が円形状に形成されて
いて、凹部154aに円滑に回転するとともに、この凹
部154aの開口部から円滑に抜け出るようになってい
る。また、プッシュロッド152の先端部152bは、
回転ヒンジ158を介して保持用水平部材174に回転
自在に連結されている。
【0248】また、中間リンク153の先端部153
b、すなわち連結切断手段154には、中間リンク15
3を支持アーム151の基端部151a側に最大限に回
転した状態において、その位置に中間リンク153を保
持するためのワイヤ159及びバネ20が設けられてい
る。これらのワイヤ159とバネ160は、一直線状に
連結されていて、ワイヤ159が連結切断手段154に
連結され、バネ160が主構造体200に固定されてい
る。バネ160は、連結切断手段154が支持アーム1
51の基端部151aに所定の力で当接するように、ワ
イヤ159に一定の張力を作用させるようになってい
る。
【0249】そして、ワイヤ159の張力の発生してい
る部分には、このワイヤ159を切断するためのカッタ
161が設けられている。このカッタ161は、火薬の
爆発によって作動し、ワイヤ159を確実に切断するよ
うになっている。
【0250】上記のように構成された保持解放機構15
0においては、中間リンク153を支持アーム151の
基端部151a側に回転することにより、プッシュロッ
ド152を主構造体200側に確実に引き寄せることが
できる。そして、連結切断手段154を支持アーム15
1の基端部151aに当接させた状態において、展開構
造物170の各水平部材171、縦部材173及び保持
用水平部材174が層状に確実に折り畳まれた状態にな
る。しかも、この折り畳まれた展開構造物170は、支
持アーム151、プッシュロッド152及び中間リンク
153によるリンク機構により、主構造体200に対す
る位置が確実に固定され、かつ主構造体200側に所定
量圧迫された状態になっている。したがって、展開構造
物170が主構造体200に対して振動したりずれたり
することがなく、この振動やずれによる展開構造物17
0等の損傷を確実に防止することができる。
【0251】次に、図74及び図75に示すように、カ
ッタ161によってワイヤ159を切断すると、中間リ
ンク153が回転駆動手段156によって回転を開始す
る。そして、この回転により、中間リンク153の先端
部153bが円弧を描くようにして展開構造物170側
に移動し、プッシュロッド152が主構造体200から
離れる方向に移動する。すなわち、プッシュロッド15
2は、展開構造物170を展開する方向に移動する。こ
のため、展開構造物170は、自らの展開力とともに、
プッシュロッド152からの助けを受けて展開を開始す
ることになる。したがって、展開構造物170が層状に
折り畳まれた状態になっていて、各回転ヒンジ172の
部分が幾何学的な特異点の状態になっていたり、静摩擦
係数が増大した状態になっていたりしたとしても、この
展開構造物170を本来の形状に確実に展開することが
できる。
【0252】しかも、中間リンク153の先端部153
bが基端部153aを中心として円を描くように移動す
るから、その先端部153bのプッシュロッド152方
向への速度成分は支持アーム151の基端部151a及
び先端部151b延長線位置において最も小さくなる。
このため、中間リンク153が最初から一定の速度で回
転していたとしても、展開構造物170が主構造体20
0から離れる速度はほぼ0の状態から徐々に早くなるこ
とになる。このため、展開構造物170に対する保持力
を解放する際に、この展開構造物170に衝撃が加わっ
たり、その反動で人工衛星側の主構造体200に衝撃が
加わったりすることがない。したがって、展開構造物1
70等に損傷を生ずる恐れがなく、また人工衛星の軌道
に狂いを生じさせるようなこともない。しかも、中間リ
ンク153の先端部153bが支持アーム151の基端
部151a側にある場合には、中間リンク153を駆動
するトルクが一定であっても、上述した速度成分が小さ
いことと同じ理由により、プッシュロッド152には増
大された大きな力が作用することになる。したがって、
例えば摩擦係数が増大していて展開構造物170が初期
的に展開しにくい状態になっていても、同展開構造物1
70の展開を確実に開始することができる。
【0253】また、連結切断手段154は、U字状の凹
部154aでプッシュロッド152のボス部157を保
持しているから、中間リンク153の先端部153bが
支持アーム151の基端部151a側に移動した際には
プッシュロッド152を主構造体200側に確実に引き
寄せることができ、展開構造物170を主構造体200
に確実に固定することができる。また、中間リンク15
3の先端部153bが支持アーム151の先端部151
bの延長線側に移動した際には凹部154aからボス部
157が自動的に抜けるので、展開構造物170を確実
に展開することができる。
【0254】さらに、プッシュロッド152の先端部1
52bが回転ヒンジ158により保持用水平部材174
に回転自在に連結されているから、中間リンク153の
回転に際して、プッシュロッド12がその先端部152
bを支点にして揺動することができる。したがって、プ
ッシュロッド152を介して展開構造物170に無理な
力が作用することがない。
【0255】次に、この保持解放機構の第2実施形態を
図76〜図79を参照して説明する。ただし、図73〜
図75に示す第1実施形態の構成要素と共通する要素に
は同一の符号を付し、その説明を簡略化する。この第2
実施形態が第1実施形態と異なる点は、支持アーム15
1の基端部151aが回転ヒンジ162を介して主構造
体200に連結されており、プッシュロッド152の先
端部152bが保持用水平部材174に固定的に連結さ
れている点である。
【0256】すなわち、支持アーム151は、中間リン
ク153が回転することによって、その基端部151a
における回転ヒンジ162を支点にして揺動するように
なっている。
【0257】このように構成された保持解放機構150
においては、中間リンク153の回転に際して、支持ア
ーム151がその基端部151aを支点にして揺動し、
プッシュロッド152が展開構造物170に対して相対
的に動くようなことがない。したがって、展開構造物1
70を解放する際に、プッシュロッド152が展開構造
物170に当たることがなく、展開構造物170に対す
る損傷を防止することができる。
【0258】次に、この保持解放機構の第3実施形態を
図80を参照して説明する。この第3実施形態が上記第
1実施形態及び第2実施形態と異なる点は、支持アーム
151と中間リンク153の連結部分のみであるから、
この連結部分のみについて説明する。ただし、上記各実
施形態と共通する構成要素には同一の符号を付し、その
説明を簡略化する。
【0259】すなわち、回転ヒンジ155には、中間リ
ンク153の回転速度を制御するダンパー163が設け
られている。このダンパー163は、粘性体中を回転す
る羽根車によって構成されており、中間リンク153の
回転速度を低下させるようになっている。
【0260】上記のようなダンパー163を備えた保持
解放機構150においては、中間リンク153の回転速
度が過度にならないように調整することができ、展開構
造物170の展開速度を適正なものにすることができ
る。したがって、より円滑に展開構造物170を解放す
ることができる。
【0261】なお、上記各実施形態においては、ワイヤ
159で引っ張った状態において、連結切断手段154
を支持アーム151の基端部151aに当接させて止め
るように構成した。すなわち、支持アーム151を中間
リンク153のストッパとして用いているが、この支持
アーム151の代わりに他のストッパ手段を別に設ける
ように構成してもよい。特に、第2実施形態において
は、このストッパ手段を設けることが好ましい。
【0262】また、上記各実施形態においては、回転駆
動手段156を渦巻きばねによって構成した例を示した
が、この回転駆動手段156はモータ等により駆動する
ように構成したものであってもよい。しかも、回転駆動
手段156は、解放する方向ばかりでなく、固定する方
向にも中間リンク153を回転駆動するように構成して
もよい。この場合には、展開構造物170を主構造体2
00に折り畳んで固定することが容易にできるようにな
る。
【0263】また、上記各実施形態においては、保持解
放機構を、人工衛星における展開構造物170に適用し
た例を示したが、この保持解放機構は、人工衛星に限ら
ず地上等においても適用することができ、また展開構造
物に限らず変形や移動が可能な他の可動体を保持、解放
するものとして用いてもよいことはいうまでもない。
【0264】
【発明の効果】上述した本発明の面収納型展開トラスに
よれば、互いに対向する固定枠を有し、この固定枠が隣
り合う縦部材及び第1、第2の水平部材で構成されてい
るから、この固定枠を介して例えば基礎構造物に容易か
つ確実に取り付けることができる。すなわち、基礎構造
物等に確実に取り付けることが容易にできる。しかも、
六角錐台状に形成されているから、複数のものを連結す
ることにより、曲面的な広がりをもつものを容易に構成
することができる。
【0265】上述した本発明の線収納型展開トラスによ
れば、第1及び第2の水平部材、縦部材等の中間に屈伸
部を設けることなく展開が可能であるから、各屈伸部に
おける同期がずれて屈伸が不安定になるということが起
こり得ず、折り畳み及び展開を円滑に行うことができ
る。しかも、屈伸部がないから、この屈伸部にありがち
な強度低下も存在することがなく、強度的にも優れたも
のを得ることができる。さらに、角錐台状に展開するよ
うに構成されているから、その側面の部分を介して連結
することにより、全体として曲面的な広がりを有するも
のを容易に得ることができる。
【0266】また、第1及び第2の放射部材を有するも
のにあっては、展開状態における放射方向の強度を向上
させることができる。すなわち、一方及び他方の側の偶
数角形の剛性が高まり、全体的に強度を向上させること
ができる。
【0267】さらに、対角部材を有するものにあって
は、この対角部材が第1及び第2の放射部材を含む面
や、各側面において、筋交いとして作用するので、展開
状態における強度を向上させることができる。
【0268】上述した本発明のリンク構造によれば、他
方の非平行部材のヒンジ間の間隔を変更することによ
り、左右対称の台形状のものや、その他の台形状のもの
に変形することができる。また、上記ヒンジ間の間隔を
最も短くした状態、あるいは長くした状態においては、
2本の平行部材が最も近接した状態になり、この際には
2本の非平行部材も近接した状態になるので、全体とし
て1本の棒状に折り畳むことができる。
【0269】また、各リンク構造を、非平行部材の部分
で連結することにより、曲率を有するような構造物を容
易に構成することができる。この際、各リンク構造とし
ては同一の構造のもので済むから、製造効率を向上させ
ることができる。そして、左右対称の台形状態を展開状
態とし、この状態で曲率を有する構造物を構成するよう
にすれば、各リンク構造が台形状の安定した形状になっ
ており、しかも2本の平行部材の間隔も十分に広い状態
になっているから、構造的に強固なものを構成すること
ができる。なお、2本の平行部材の間隔は、これらの2
本の平行部材が一方の非平行部材に直交するようになっ
たときに最大となる。したがって、このように2本の平
行部材の間隔が最大となった状態を展開状態とし、この
状態で曲率を有する構造物を構成するようにしてもよ
い。
【0270】さらに、従来例で示した屈伸部材のよう
に、途中で折れ曲がるような部材を有していないから、
構造が簡単であり、平行部材、非平行部材及び中間連結
部材を円滑に作動させて、展開、収束を行うことができ
る。
【0271】上述した本発明の展開対角構造によれば、
対角部材の屈伸部が折り曲がることにより、1本の棒状
に折り畳むことができる。また、展開完了時には屈伸部
が真っ直ぐに伸びるから、交差部と一方の各2点とを結
ぶ対角部材によって三角形を構成することができ、交差
部と他方の各2点とを結ぶ対角部材によって三角形を構
成することができる。したがって、せん断力及びそれ以
外の方向からの外力が作用しても、その外力に対して上
記各三角形で抗力を発生することができ、強度の向上を
図ることができる。
【0272】交差回転ヒンジにより交差部を回転自在に
構成し、屈伸回転ヒンジにより屈伸部を回転自在に構成
し、これらの交差回転ヒンジ及び屈伸回転ヒンジのいず
れか一方又は双方には対角部材に対して展開方向又は収
束方向に回転力を与える回転駆動手段を有するように構
成したものにあっては、回転駆動手段の回転駆動力によ
り、展開又は収束を自動的に行うことができる。
【0273】また、交差部を、一方の対角部材に沿って
移動自在に構成したものにおいては、例えば対角部材の
長さに誤差等があって展開、収束が円滑にいかない場合
でも、この誤差等を交差部で吸収することができ、展開
及び収束を円滑に行うことができる。
【0274】上述した本発明の他の展開対角構造によれ
ば、一方の対角部材が屈伸部で折れ曲がり、他方の対角
部材が一方の縦部材に沿って移動することにより、1本
の棒状に折り畳むことができる。また、展開完了時には
屈伸部が真っ直ぐに伸びるから、他方の縦部材と、この
他方の縦部材から交差部までの一方の対角部材と、他方
の縦部材から交差部までの他方の対角部材とによって三
角形が構成される。したがって、せん断力及びそれ以外
の方向からの外力が作用しても、その外力に対して上記
三角形で抗力を発生することができ、強度の向上を図る
ことができる。
【0275】交差回転ヒンジにより交差部を回転自在に
構成し、屈伸回転ヒンジにより屈伸部を回転自在に構成
し、これらの交差回転ヒンジ及び屈伸回転ヒンジのいず
れか一方又は双方には対角部材に対して展開方向又は収
束方向に回転力を与える回転駆動手段を有するように構
成したものにあっては、回転駆動手段の回転駆動力によ
り、展開または収束を自動的に行うことができる。
【0276】また、交差部を、一方の対角部材に沿って
移動自在に構成したものにおいては、例えば対角部材の
長さに誤差等があって展開、収束が円滑にいかない場合
でも、この誤差等を交差部で吸収することができ、展開
及び収束を円滑に行うことができる。
【0277】上述した本発明の球面近似構造によれば、
基本構造体から6方向に延びる放射位置構造体が全て同
一のもので構成され、かつ基本構造体及び放射位置構造
体と構造の異なる他の構造体の種類が少なくて済むか
ら、設計及び製造における効率の向上を図ることができ
る。
【0278】上述した本発明の面/線収納トラス構造に
よれば、互いに対向する固定枠を離隔する方向に展開可
能な面収納型展開トラスを備えているから、固定枠を介
して面収納型展開トラスを例えば基礎構造物の周面に確
実に固定することができる。すなわち、一本の棒状体で
はなく、枠状に構成された固定枠で基礎構造物に取り付
けることができるから、面収納型展開トラスを基礎構造
物に安定的にかつ十分の強度を持って取り付けることが
できる。このため、基礎構造物に取り付けた面収納型展
開トラスに、他の面収納型展開トラスを連結することに
より、大きな広がりを持つものを容易に構成することが
できる。しかし、例えば図62に示すように、隣接する
面収納型展開トラスの間隔が基礎構造物から離れるにし
たがって開くような場合がある。すなわち、面収納型展
開トラスのみでは平面的に占有不能な部分が生じるの
で、この部分に線収納型展開トラスを配置することによ
り、面的な広がりを持つ面を満遍なく構成することがで
きる。
【0279】また、面収納型展開トラス及び線収納型展
開トラスを角柱状に形成したものにあっては、これらを
組み合わせることにより、1つの平面的な広がりを持つ
面を構成することができ、また角錐台状に形成したもの
にあっては、1つの曲面的な広がりを持つ面を構成する
ことができる。
【0280】さらに、面収納型展開トラス及び線収納型
展開トラスを六角形角柱状又は六角錐台状に形成したも
のにあっては、平面的に隙間なく組み合わせることがで
き、最も緻密な平面的な広がり又は曲面的な広がりをも
つものを得ることができる。
【0281】上述した本発明のモジュール型展開アンテ
ナによれば、展開トラスの複数結合による大型アンテナ
鏡面を支える支持構造部分である固定部分は展開収納の
必要がないため、展開アンテナ鏡面部分よりも構造的に
精密な形状を有するアンテナ鏡面を構築することが可能
であり、その結果、より高い周波数の電波も合わせて利
用が可能となる。
【0282】また、アンテナ鏡面全体が展開プロセスに
おいて、その一部分だけは常に鏡面としての形状が保た
れるため、万一展開が不完全な状態で終了してしまった
場合にもアンテナ鏡面としての機能がゼロになることは
ないという点で信頼性の向上につながる。
【0283】更に、このモジュール型展開アンテナによ
れば、面収納型トラスと線収納型トラスの2種類の展開
トラスを用いているので収納状態のときに、互いのトラ
スどうしの間に隙間を生じさせることがなくコンパクト
な収納が実現できる。
【0284】上述した本発明のモジュール結合機構によ
れば、結合すべき各モジュールの被結合部材を一致させ
て、この被結合部材に結合部材を嵌合するだけで、各モ
ジュールを結合することができる。また、被結合部材か
ら結合部材を引き抜くだけで、各モジュールを分離する
ことができる。したがって、モジュールが入り組んだ構
造になっていても、各モジュールの結合及び分離を極め
て容易に行うことができる。しかも、連結突起が連結孔
に嵌合した状態においては、ストッパ部材が被結合部材
の自由端に当接することになるから、連結突起が連結孔
から抜けるのを確実に阻止することができる。すなわ
ち、各モジュールの結合状態を確実に維持することがで
きる。
【0285】また、ロック部材及びストッパ部材を、結
合部材に対して位置調整可能に設けたものにあっては、
連結孔に対する連結突起やストッパ部材の位置を変更す
ることができる。したがって、結合状態にある各被結合
部材の相対位置を変えることができ、各モジュールの相
対位置を調整することができる。
【0286】上述した本発明の保持解放機構によれば、
支持アーム、中間リンク及びプッシュロッドのリンク機
構により、主構造体に対する可動体の位置を確実に拘束
することによって、この可動体を主構造体に固定するこ
とができる。このため、可動体が主構造体に対して振動
したりずれたりすることがない。したがって、振動やず
れによる可動体等の損傷を確実に防止することができ
る。
【0287】また、可動体を保持状態から解放する際に
は、中間リンクの回転によりプッシュロッドが移動し、
このプッシュロッドの移動により、可動体が本来の状態
位置へ移動を開始することができる。したがって、可動
体が保持状態において幾何学的な特異点の状態になって
いたり、静摩擦係数が増大した状態になっていたりした
としても、この可動体を本来の状態位置へ確実に移動す
ることができる。
【0288】しかも、中間リンクにおいては、先端部が
基端部を中心として円を描くように移動するから、その
先端部におけるプッシュロッド方向への速度成分は支持
アームの基端部側及び同アームの先端部延長線側におい
て最も小さくなる。このため、中間リンクが最初から一
定の速度で回転していたとしても、可動体が主構造体か
ら離れる速度は徐々に増加することになる。また連結切
断手段から離れる時も急激に離れることがない。したが
って、解放時に可動体等に衝撃が加わるようなことを防
止することができ、衝撃により可動体等に損傷を生ずる
のを防止することができる。しかも、中間リンクの先端
部が支持アームの基端部側にある場合には、中間リンク
を駆動するトルクが一定であっても、上述した速度成分
が小さくなる理由と同じ理由により、プッシュアームに
は増大された大きな力が作用することになる。したがっ
て、例えば摩擦係数が増大していて可動体が初期的に動
きにくい状態になっていても、同可動体の移動を確実に
開始することができる。
【0289】また、連結切断手段を、中間リンクの先端
部延長線側に開口する凹部によって構成したものにあっ
ては、中間リンクの先端部が支持アームの基端部側に回
転することにより、プッシュロッドを主構造体側に確実
に引き寄せ、可動体を主構造体に確実に固定することが
できる。しかも、中間リンクの先端部が支持アームの先
端部延長線側に移動した際には、凹部からプッシュロッ
ドが自動的に抜けることになり、可動体を確実に解放す
ることができる。
【0290】また、中間リンクに回転駆動手段を設けた
ものにあっては、可動体を主構造体に固定的に保持した
り、また解放したりすることを容易に行うことができ
る。特に、解放する方向に回転駆動手段を設けておけ
ば、例えば人工衛星におけるような直接人力が及ばない
位置においても、可動体を自動的に解放することができ
る。
【0291】さらに、支持アームの基端部を主構造体に
固定的に連結し、プッシュロッドの先端部を可動体に回
転自在に連結したものにあっては、中間リンクの回転に
伴って、プッシュロッドがその先端部を支点にして揺動
することができる。したがって、中間リンクの回転によ
って、可動体に無理な力が作用することがない。
【0292】さらにまた、支持アームの基端部を主構造
体に回転自在に連結し、プッシュロッドの先端部を可動
体に固定的に連結したものにあっては、中間リンクの回
転に伴って、支持アームがその基端部を中心にして揺動
することになる。したがって、プッシュロッドが可動体
に固定的に連結されていても、プッシュロッドと可動体
との間に無理な力が作用することがない。しかも、プッ
シュロッドが可動体に固定的に連結されているから、解
放時に、プッシュロッドが可動体に当たるようなことも
ない。
【0293】また、中間リンクに回転速度を制御するダ
ンパーを設けたものにあっては、中間リンクの回転速度
を適度な大きさに低減することができる。したがって、
より円滑に可動体を解放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における面収納型展開トラスの第1実施
形態の斜視図である。
【図2】変形自在枠の折り畳んだ状態における図であ
る。
【図3】変形自在枠の展開状態における図である。
【図4】変形自在枠の詳細な動きを説明するための図で
ある。
【図5】面収納型トラスの収納過程を示す図である。
【図6】面収納型トラスの収納過程を示す図である。
【図7】面収納型トラスの収納過程を示す図である。
【図8】面収納型トラスを複数連結した構成を示す図で
ある。
【図9】面収納型トラスを複数連結した構成を示す図で
ある。
【図10】本発明における面収納型展開トラスの第2実
施形態の斜視図である。
【図11】本発明における面収納型展開トラスの第3実
施形態の斜視図である。
【図12】他の変形自在枠の折り畳んだ状態における図
である。
【図13】他の変形自在枠の展開状態における図であ
る。
【図14】本発明における面収納型展開トラスの第4実
施形態の斜視図である。
【図15】第4実施形態を改良した面収納型展開トラス
の斜視図である。
【図16】第4実施形態における面収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図17】第4実施形態における面収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図18】第4実施形態における面収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図19】本発明における面収納型展開トラスの第5実
施形態の斜視図である。
【図20】本発明における面収納型展開トラスの第6実
施形態の斜視図である。
【図21】本発明における線収納型展開トラスの第1実
施形態の斜視図である。
【図22】変形自在枠の折り畳んだ状態における図であ
る。
【図23】変形自在枠の展開状態における図である。
【図24】第1実施形態における線収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図25】第1実施形態における線収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図26】本発明における線収納型展開トラスの第2実
施形態の斜視図である。
【図27】第2実施形態における線収納型トラスの収納
過程の一態様を示す図である。
【図28】本発明における線収納型展開トラスの第3実
施形態の斜視図である。
【図29】第3実施形態における線収納型トラスの収納
過程の一態様を示す図である。
【図30】本発明における線収納型展開トラスの第4実
施形態の斜視図である。
【図31】第4実施形態における変形自在枠の折り畳ん
だ状態における図である。
【図32】第4実施形態における変形自在枠の展開状態
における図である。
【図33】本発明における線収納型展開トラスの第5実
施形態の斜視図である。
【図34】第5実施形態を改良した線収納型展開トラス
の斜視図である。
【図35】第5実施形態における線収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図36】第5実施形態における線収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図37】第5実施形態における線収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図38】第5実施形態における線収納型トラスの収納
過程を示す図である。
【図39】変形自在枠の詳細な動きを説明するための図
である。
【図40】本発明における線収納型展開トラスの第6実
施形態の斜視図である。
【図41】本発明におけるリンク構造の第1実施形態を
示す図である。
【図42】第1実施形態におけるリンク構造の収納過程
を示す図である。
【図43】本発明におけるリンク構造の第2実施形態を
示す図である。
【図44】第2実施形態におけるリンク構造の収納過程
を示す図である。
【図45】本発明におけるリンク構造の第3実施形態を
示す図である。
【図46】第3実施形態におけるリンク構造の収納過程
を示す図である。
【図47】本発明における展開対角構造の第1実施形態
を示す図である。
【図48】第1実施形態における展開対角構造の収納過
程を示す図である。
【図49】第1実施形態における展開対角構造の収納過
程を示す図である。
【図50】第1実施形態における展開対角構造の展開条
件を説明するための図である。
【図51】展開対角構造の屈伸回転ヒンジの一例を示す
図である。
【図52】展開対角構造の屈伸回転ヒンジの他の例を示
す図である。
【図53】展開対角構造の交差回転ヒンジの一例を示す
図である。
【図54】展開対角構造の交差回転ヒンジの他の例を示
す図である。
【図55】本発明における展開対角構造の第2実施形態
を示す図である。
【図56】第2実施形態における展開対角構造の収納過
程を示す図である。
【図57】第2実施形態における展開対角構造の収納過
程を示す図である。
【図58】第2実施形態における展開対角構造の展開条
件を説明するための図である。
【図59】本発明における球面近似構造の第1実施形態
を示す図である。
【図60】球面近似構造の一モジュールである構造体の
斜視図である。
【図61】本発明における球面近似構造の第2実施形態
を示す図である。
【図62】本発明における面/線収納トラス構造の一実
施形態の平面図である。
【図63】面/線収納トラス構造の正面図である。
【図64】面/線収納トラス構造の収納状態を示す図で
ある。
【図65】面/線収納トラス構造の収納状態を示す図で
ある。
【図66】固定構造のトラスを採用した本発明に置ける
モジュール型展開アンテナの平面図である。
【図67】本発明におけるモジュール結合機構の第1実
施形態の斜視図である。
【図68】第1実施形態におけるモジュール結合機構の
被結合部材を説明するための図である。
【図69】第1実施形態におけるモジュール結合機構の
結合部材を説明するための図である。
【図70】第1実施形態におけるモジュール結合機構の
結合部材を説明するための図である。
【図71】第1実施形態におけるモジュール結合機構の
結合の過程を示す図である。
【図72】本発明におけるモジュール結合機構の第2実
施形態の斜視図である。
【図73】本発明における保持解放機構の第1実施形態
の平面図である。
【図74】第1実施形態における保持解放機構の展開の
過程を示す図である。
【図75】第1実施形態における保持解放機構の展開の
過程を示す図である。
【図76】本発明における保持解放機構の第2実施形態
の平面図である。
【図77】第2実施形態における保持解放機構の展開の
過程を示す図である。
【図78】第2実施形態における保持解放機構の展開の
過程を示す図である。
【図79】第2実施形態における保持解放機構の展開の
過程を示す図である。
【図80】本発明における保持解放機構の第3実施形態
を説明するための図である。
【図81】従来における展開トラスを示す図である。
【図82】従来の展開トラスを複数組み合わせた図であ
る。
【図83】従来の展開トラスに採用されている従来のリ
ンク構造を示す図である。
【図84】従来の展開トラスに採用されている従来のリ
ンク構造の展開の過程を示す図である。
【図85】従来の他のリンク構造を示す図である。
【図86】従来の他のリンク構造の展開の過程を示す図
である。
【図87】従来のリンク構造を結合してアンテナ構造を
構成する場合を示す図である。
【図88】従来のリンク構造を結合してアンテナ構造を
構成する場合の基本を示す図である。
【図89】構造的に強化した従来のリンク構造を示す図
である。
【図90】構造的に強化した従来のリンク構造の展開の
過程を示す図である。
【図91】従来の展開トラスに採用されている従来の展
開対角構造を示す図である。
【図92】従来の展開対角構造の収納過程を示す図であ
る。
【図93】正多角形により球面を近似する場合を示す図
である。
【図94】展開トラス等の基本的なモジュ−ルを結合す
る従来のモジュ−ル結合機構を示す図である。
【図95】従来のモジュ−ル結合機構の詳細な結合機構
を示す図である。
【図96】可動体を主構造体に保持したり解放したりす
るための従来の保持解放機構を示す図である。
【図97】従来の保持解放機構の展開の過程を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 固定鏡面 10 面収納型展開トラス 10a 固定枠 10b,10c 変形自在枠 11 第1の水平部材 12 第2の水平部材 13 縦部材 14 中心スライダ 15 中心縦部材 16a 第1の放射部材 16b 第2の放射部材 17 中間放射部材 18 スライダ 19 平行揺動部材 20a 第1の屈伸部材 20b 第2の屈伸部材 22 伸縮縦部材 23 伸縮中心縦部材 25 モ−タ 26 ケ−ブル 40 線収納型展開トラス 51 リンク構造 52,53 平行部材 54,55 非平行部材 56 ヒンジ 57 中間連結部材 58 対角部材 59,60 スライダ 73,74 第1の縦部材 81,82 対角部材 83 交差部 84,85 屈伸部 86 屈伸回転ヒンジ 87 ヒンジ軸 88 ラッチ円盤 89 ラッチレバ− 90 固定ピン 91 ラッチバネ 92 うず巻きバネ 93 交差回転ヒンジ 94 長孔 95 ヒンジ軸 98 スライダ 100 球面近似構造 110 構造体 111 側面 112 上面 113 下面 A 基礎構造物 120 モジュ−ル結合機構 130 被結合部材 140 結合部材 141 ロック部材 142 連結突起 143 ストッパ部材 144 ネジ 150 保持解放機構 151 支持ア−ム 152 プッシュロッド 153 中間リンク 154 連結切断手段 155,158,162,172 回転ヒンジ 156 回転駆動手段 157 ボス部 159 ワイヤ 160 バネ 161 カッタ 163 ダンパ− 170 展開構造物 171 水平部材 173 縦部材 174 保持用水平部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−252099 (32)優先日 平6(1994)10月18日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−252111 (32)優先日 平6(1994)10月18日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−252240 (32)優先日 平6(1994)10月18日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−252246 (32)優先日 平6(1994)10月18日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−263922 (32)優先日 平6(1994)10月27日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−263930 (32)優先日 平6(1994)10月27日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−269091 (32)優先日 平6(1994)11月1日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−269092 (32)優先日 平6(1994)11月1日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する2本の平行部材と、前記各平行
    部材にヒンジを介して連結されることにより四角形を形
    成する対向する2本の非平行部材と、前記各平行部材の
    中間部に、前記非平行部材のうち一方の非平行部材に平
    行となるようにヒンジを介して連結された中間連結部材
    と、を設け、他方の非平行部材のヒンジ間の間隔を変更
    可能に構成したことを特徴とするリンク構造。
  2. 【請求項2】 前記平行部材のうちの1つの一端を、対
    応する非平行部材の一端に沿って移動可能に構成するこ
    とにより、ヒンジ間の間隔を変更可能に構成したことを
    特徴する請求項1に記載のリンク構造。
  3. 【請求項3】 他方の非平行部材を伸縮可能に構成する
    ことにより、ヒンジ間の間隔を変更可能に構成したこと
    を特徴する請求項1に記載のリンク構造。
  4. 【請求項4】 一端が前記他方の非平行部材の角部に連
    結されると共に、他端が前記一方の非平行部材にスライ
    ダを介して連結される対角部材を更に備え、前記スライ
    ダは、前記一方の非平行部材の軸方向に沿って移動自在
    に構成されていることを特徴する請求項1,2,又は3
    に記載のリンク構造。
  5. 【請求項5】 一端が前記平行部材のうちの1つの一端
    に連結されると共に、他端が前記一方の非平行部材にス
    ライダを介して連結される対角部材を更に備え、前記ス
    ライダは、前記一方の非平行部材の軸方向に沿って移動
    自在に構成されていることを特徴する請求項2に記載の
    リンク構造。
  6. 【請求項6】 対向する2本の縦部材と、前記2本の縦
    部材を連結するものであって、回動自在な交差部を有す
    る2本の対角部材と、を備え、前記2本の対角部材は、
    離接するようにして展開,収束が可能であることを特徴
    とする展開対角構造。
  7. 【請求項7】 前記2本の縦部材の端部のそれぞれは前
    記2本の対角部材のそれぞれの端部に連結されており、
    前記2本の対角部材は前記交差部と前記縦部材との一方
    の連結部との間に屈伸部をそれぞれ有することを特徴と
    する請求項6に記載の展開対角構造。
  8. 【請求項8】 前記2本の縦部材の一方の端部のそれぞ
    れは前記2本の対角部材の一方の端部のそれぞれに連結
    されており、前記2本の対角部材の他方の端部のそれぞ
    れは前記2本の縦部材に対してその軸方向に移動自在に
    連結されていることを特徴とする請求項6に記載の展開
    対角構造。
  9. 【請求項9】 前記2本の縦部材の一方の端部のそれぞ
    れは前記2本の対角部材の一方の端部のそれぞれに連結
    されており、前記2本の対角部材のうちの1本の対角部
    材の他方の端部は前記2本の縦部材のうちの1本の縦部
    材の端部に連結されてあって、その1本の対角部材は前
    記交差部とその縦部材との連結部との間に屈伸部を有
    し、前記2本の対角部材のうちの他方の対角部材の他方
    の端部は前記2本の縦部材のうちの他方の縦部材に対し
    てその軸方向に移動自在に連結されていることを特徴と
    する請求項6に記載の展開対角構造。
  10. 【請求項10】 前記交差部は交差回転ヒンジにより構
    成され、その交差回転ヒンジは前記対角部材に対して展
    開方向又は収束方向に回転力を与える回転駆動手段を有
    することを特徴とする請求項6,7,8,又は9に記載
    の展開対角構造。
  11. 【請求項11】 前記屈伸部は屈伸回転ヒンジにより構
    成され、その屈伸回転ヒンジは前記対角部材に対して展
    開方向又は収束方向に回転力を与える回転駆動手段を有
    することを特徴とする請求項7又は9に記載の展開対角
    構造。
  12. 【請求項12】 前記2本の対角部材は、その交差部に
    おいて、互いに他方の対角部材に対して移動自在に構成
    されていることを特徴とする請求項6,7,8,又は9
    に記載の展開対角構造。
  13. 【請求項13】 一方の側に六角形を形成する6つの第
    1の水平部材と、他方の側に六角形を形成する6つの第
    2の水平部材と、その一方の六角形と他方の六角形とを
    その対応する各頂点で連結する6つの縦部材とを備え、
    隣合う縦部材と第1,第2の水平部材で形成される6つ
    の側面を有する六角錐台状の展開トラスであって、対向
    する一組の側面を固定枠で構成すると共に、他の側面を
    隣接する2組の変形自在枠で構成し、前記一組の固定枠
    が互いに離接動作を成すことにより全体として展開/収
    納動作を成すことを特徴とする面収納型展開トラス。
  14. 【請求項14】 一方及び他方の六角形の中心を貫くよ
    うに中心縦部材を設け、この中心縦部材の一方の側と各
    固定枠に位置する各縦部材の一方の側とを連結する第1
    の放射部材を設けると共に、中心縦部材の他方の側と各
    固定枠に位置する各縦部材の他方の側とを連結する第2
    の放射部材を設け、中心縦部材、一対の第1及び第2の
    放射部材、及び対応する縦部材とで前記変形自在枠を構
    成していることを特徴とする請求項13に記載の面収納
    型展開トラス。
  15. 【請求項15】 中心縦部材の一方の側と隣接する変形
    自在枠の中央に位置する各縦部材の一方の側とを連結す
    る第1の屈伸部材を設けると共に、中心縦部材の他方の
    側と隣接する変形自在枠の中央に位置する各縦部材の他
    方の側とを連結する第2の屈伸部材を設け、第1及び第
    2の屈伸部材は展開時には真っ直ぐ伸びて一方又は他方
    の六角形を保持するようになっていることを特徴とする
    請求項13又は14に記載の面収納型展開トラス。
  16. 【請求項16】 前記変形自在枠の対角線上にケーブル
    を配し、そのケーブルの一端は捲取可能な構造になって
    いて他端はいずれかの縦部材の上端又は下端に接続され
    ており、その捲取りにより前記変形自在枠を変形させて
    前記展開/収納動作を成すことを特徴とする請求項1
    3,14,又は15に記載の面収納型展開トラス。
  17. 【請求項17】 前記変形自在枠は、請求項1,2,
    3,4,又は5に記載のリンク構造で構成されているこ
    とを特徴とする請求項13,14,15,又は16に記
    載の面収納型展開トラス。
  18. 【請求項18】 前記変形自在枠の中央に位置する各縦
    部材と中心縦部材を対向する2本の縦部材として構成し
    た請求項6,7,8,9,10,11,又は12に記載
    の展開対角構造を少なくとも1つ含むことを特徴とする
    請求項14,15,16,又は17に記載の面収納型展
    開トラス。
  19. 【請求項19】 一方の側に偶数角形を形成する偶数個
    の第1の水平部材と、他方の側に偶数角形を形成する偶
    数個の第2の水平部材と、その一方の偶数角形と他方の
    偶数角形とをその対応する各頂点で連結する偶数個の縦
    部材とを備え、隣合う縦部材と第1,第2の水平部材で
    形成される偶数個の側面を有する角錐台状の展開トラス
    であって、前記第1及び第2の水平部材のそれぞれは各
    側面に沿って揺動自在になるように前記縦部材のそれぞ
    れに連結され、少なくとも1つおきの各側面を変形自在
    枠で構成し、各縦部材が離接することにより全体として
    展開/収納動作を成すことを特徴とする線収納型展開ト
    ラス。
  20. 【請求項20】 前記変形自在枠として、請求項1,
    2,3,4,又は5に記載のリンク構造を採用したこと
    を特徴とする請求項19に記載の線収納型展開トラス。
  21. 【請求項21】 一方及び他方の偶数角形の中心を貫く
    ように中心縦部材を設け、この中心縦部材の一方の側と
    前記他方の非平行部材の一方の側とを連結する第1の放
    射部材を設けると共に、中心縦部材の他方の側と前記他
    方の非平行部材の他方の側とを連結する第2の放射部材
    を設け、中心縦部材、一対の第1及び第2の放射部材、
    及び対応する縦部材とで前記変形自在枠を構成している
    ことを特徴とする請求項19又は20に記載の線収納型
    展開トラス。
  22. 【請求項22】 中心縦部材の一方の側と隣接する変形
    自在枠の中央に位置する各縦部材の一方の側とを連結す
    る第1の屈伸部材を設けると共に、中心縦部材の他方の
    側と隣接する変形自在枠の中央に位置する各縦部材の他
    方の側とを連結する第2の屈伸部材を設け、第1及び第
    2の屈伸部材は展開時には真っ直ぐ伸びて一方又は他方
    の偶数角形を保持するようになっていることを特徴とす
    る請求項19,20,又は21に記載の線収納型展開ト
    ラス。
  23. 【請求項23】 前記変形自在枠の中央に位置する各縦
    部材と中心縦部材を対向する2本の縦部材として構成し
    た請求項6,7,8,9,10,11,又は12に記載
    の展開対角構造を少なくとも1つ含むことを特徴とする
    請求項21又は22に記載の線収納型展開トラス。
  24. 【請求項24】 前記変形自在枠の対角線上にケーブル
    を配し、そのケーブルの一端は捲取可能な構造になって
    いて他端はいずれかの縦部材の上端又は下端に接続され
    ており、その捲取りにより前記変形自在枠を変形させて
    前記展開/収納動作を成すことを特徴とする請求項1
    9,20,21,22,又は23に記載の線収納型展開
    トラス。
  25. 【請求項25】 互いに対向する固定枠が互いに離接動
    作を成すことにより全体として展開/収納動作を成す面
    収納型展開トラスと、収束部を中心にして放射方向に全
    体として展開/収納動作を成す線収納型展開トラスと、
    を備え、前記面収納型展開トラス及び線収納型展開トラ
    スを互いに占有不能な部分を補うように配置し、全体と
    して面的な広がりを持つように展開することを特徴とす
    る面/線収納トラス構造。
  26. 【請求項26】 基礎構造物を設け、前記面収納型展開
    トラスを前記固定枠を介して前記基礎構造物に連結する
    と共に、それぞれの固定枠を介して複数の面収納型展開
    トラスを一列状に連結し、前記線収納型展開トラスを前
    記面収納型展開トラスによる各列の間隙に配列させたこ
    とを特徴とする請求項25に記載の面/線収納トラス構
    造。
  27. 【請求項27】 1つ又は複数の固定トラスを設け、前
    記面収納型展開トラスを前記固定枠を介して前記固定ト
    ラスに連結すると共に、それぞれの固定枠を介して複数
    の面収納型展開トラスを一列状に連結し、前記線収納型
    展開トラスを前記面収納型展開トラスによる各列の間隙
    に配列させたことを特徴とする請求項25に記載の面/
    線収納トラス構造。
  28. 【請求項28】 前記面収納型展開トラス及び前記線収
    納型展開トラスを偶数角形の角柱状のもので構成し、全
    体として平面的な広がりを持つように展開するようにし
    たことを特徴とする請求項25,26,又は27に記載
    の面/線収納トラス構造。
  29. 【請求項29】 前記面収納型展開トラス及び前記線収
    納型展開トラスを偶数角形の角錐台状のもので構成し、
    全体として曲面的な広がりを持つように展開するように
    したことを特徴とする請求項25,26,又は27に記
    載の面/線収納トラス構造。
  30. 【請求項30】 前記面収納型展開トラスは請求項1
    3,14,15,16,17,又は18に記載の面収納
    型展開トラスで構成し、前記線収納型展開トラスは請求
    項19,20,21,22,23,又は24に記載の線
    収納型展開トラスで構成したことを特徴とする請求項2
    9に記載の面/線収納トラス構造。
  31. 【請求項31】 基本的なモジュールを互いに結合し
    て、複数のモジュールからなる構造体を構成するための
    モジュール結合機構であって、各モジュールの互いに対
    向する位置に設けられ、先端が自由端になっている被結
    合部材と、これらの被結合部材を対向させて合わせた状
    態でその周りに前記自由端側から嵌合する結合部材とを
    備えてなり、前記被結合部材には、結合部材に対応する
    位置に連結孔を設け、前記結合部材には、前記連結孔に
    嵌合する連結突起を有するロック部材を設けると共に、
    前記連結突起が連結孔に嵌合した状態において前記被結
    合部材の自由端に当接して、被結合部材と結合部材との
    相対移動を止めるストッパ部材を設けたことを特徴とす
    るモジュール結合機構。
  32. 【請求項32】 前記ロック部材及び前記ストッパ部材
    は、前記結合部材に対して位置調整可能に設けられてい
    ることを特徴とする請求項31に記載のモジュール結合
    機構。
  33. 【請求項33】 前記面収納型展開トラス及び前記線収
    納型展開トラスの相互の連結に請求項31又は32に記
    載のモジュール結合機構を使用したことを特徴とする請
    求項29又は30に記載の面/線収納トラス構造。
  34. 【請求項34】 可動体を主構造体に固定的に保持した
    り、この可動体に対する保持力を解放したりする保持解
    放機構であって、基端部を主構造体に連結した支持アー
    ムと、この支持アームの先端部に位置し、先端部を可動
    体に連結したプッシュロッドと、基端部を前記支持アー
    ムの先端部に回転自在に連結すると共に、先端部を前記
    プッシュロッドの基端部に回転自在に連結した中間リン
    クを備えてなり、前記中間リンクの先端部には、プッシ
    ュロッドとの連結,切断を行う連結切断手段を有してお
    り、この連結切断手段は、前記中間リンクの先端部をそ
    の基端部を支点にして支持アームの基端部側に回転した
    際にプッシュロッドを主構造体側に確実に引き寄せて、
    可動体を主構造体に固定的に保持すると共に、前記中間
    リンクの先端部をその基端部を支点にして支持アームの
    先端部延長線側に回転した際にプッシュロッドとの連結
    を解くように構成していることを特徴とする保持解放機
    構。
  35. 【請求項35】 前記連結切断手段は、前記中間リンク
    の先端部延長線側に開口する凹部によって構成されてい
    ることを特徴とする請求項34に記載の保持解放機構。
  36. 【請求項36】 前記中間リンクに、その基端部を支点
    にして回転駆動する回転駆動手段を設けたことを特徴と
    する請求項34又は35に記載の保持解放機構。
  37. 【請求項37】 前記支持アームの基端部を主構造体に
    固定的に連結し、プッシュロッドの先端部を可動体に回
    転自在に連結していることを特徴とする請求項34,3
    5,又は36に記載の保持解放機構。
  38. 【請求項38】 前記支持アームの基端部を主構造体に
    回転自在に連結し、プッシュロッドの先端部を可動体に
    固定的に連結していることを特徴とする請求項34,3
    5,又は36に記載の保持解放機構。
  39. 【請求項39】 前記中間リンクの回転速度を制御する
    ダンパーを設けたことを特徴とする請求項34,35,
    36,37,又は38に記載の保持解放機構。
  40. 【請求項40】 前記面収納型展開トラス及び前記線収
    納型展開トラスの展開に請求項34,35,36,3
    7,38,又は39に記載の保持解放機構を使用したこ
    とを特徴とする請求項29,30,又は33に記載の面
    /線収納トラス構造。
  41. 【請求項41】 六角錐台状の複数の構造体を各側面で
    結合することによって各構造体の上面側及び下面側のい
    ずれか一方又は双方を球面に近似するように構成した球
    面近似構造であって、前記構造体のうち正六角錐台状に
    構成した基本構造体を1つ設け、この基本構造体の各側
    面から放射状に連なる構造体として、全体として同一の
    球面にされる放射位置構造体を設けてなることを特徴と
    する球面近似構造。
  42. 【請求項42】 各構造体は、側面の部材をそれぞれ独
    自に有し、この側面部材を介して結合されていることを
    特徴とする請求項41に記載の球面近似構造。
  43. 【請求項43】 各構造体は、側面の部材を共有するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項41に記載
    の球面近似構造。
  44. 【請求項44】 前記球面近似構造を、請求項29,3
    0,33,又は40に記載の面/線収納トラス構造で構
    成したことを特徴とする請求項41に記載の球面近似構
    造。
  45. 【請求項45】 請求項41,42,43,又は44に
    記載の球面近似構造にメッシュを張ることにより構成し
    たことを特徴とするモジュール型展開アンテナ。
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