JPH08186070A - 荷電粒子線転写装置 - Google Patents

荷電粒子線転写装置

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JPH08186070A
JPH08186070A JP6329094A JP32909494A JPH08186070A JP H08186070 A JPH08186070 A JP H08186070A JP 6329094 A JP6329094 A JP 6329094A JP 32909494 A JP32909494 A JP 32909494A JP H08186070 A JPH08186070 A JP H08186070A
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスクやターゲットに対する電子線の垂直入
射条件と、電子線の主光線がクロスオーバを通過する条
件とを同時に満たすことができる荷電粒子線転写装置を
提供する。 【構成】 荷電粒子線を用いてマスク4のパターン像を
ターゲット10に転写する荷電粒子線転写装置におい
て、偏向器11a,11bによってマスク4にほぼ垂直
に入射させた荷電粒子線の主光線が荷電粒子線光学系の
クロスオーバCOを通過するよう荷電粒子線を偏向する
角度調整用偏向器12a,12bと、ターゲット10に
対する荷電粒子線の入射角度を調整する角度調整用偏向
器13a,13bとを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷電粒子線を用いてマ
スクのパターン像をターゲットに転写する荷電粒子線転
写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハに集積回路パターンを焼き
付けるリソグラフィー装置の一種として、所定のパター
ンを備えたマスクに電子線を照射し、その照射範囲のパ
ターンの像を二段の投影レンズによりウエハに縮小転写
する電子線縮小転写装置が知られている(例えば特開平
5−160012号参照)。この種の装置では、マスク
の全範囲に一括して電子線を照射することができないの
で、光学系の視野を多数の小領域に分割し、小領域毎に
分割してパターン像を転写する(例えば米国特許第52
60151号参照)。なお、本明細書では、視野分割を
行なうときの分割前の視野を主視野、分割された一つ一
つの小領域を副視野と呼ぶ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置で
は、マスクとターゲット(上記例ではウエハに相当す
る)との間を縮小率比で内分する点をクロスオーバと仮
定したとき、理論上はマスクに垂直に入射し電子線の主
光線がクロスオーバを通過する。ところが、投影レンズ
には球面収差があるため、各副視野で正焦点条件を満た
すようにレンズ条件を定めると、マスクに垂直に入射し
た電子線の主光線が必ずしもクロスオーバを通らず歪が
発生する。この歪を抑えるには、マスクに対する電子線
の垂直入射を諦め、電子線の主光線がクロスオーバを通
過するようにレンズ条件を設定する必要がある。クロス
オーバ〜ターゲット間も同様であって、ターゲットに対
する電子線の垂直性を満たすレンズ条件と、電子線がク
ロスオーバを通過するときのレンズ条件とは一致しな
い。従ってパターンの歪を小さくするには、ターゲット
に対する電子線の垂直入射を諦めざるを得ない。しかし
ながら、電子線の入射方向がターゲットの転写面と垂直
な方向から傾いていると、ターゲットの反り等で転写面
が光学系の光軸方向にずれたときパターンの転写位置が
ずれてパターン誤差となる。
【0004】本発明の目的は、マスクやターゲットに対
する電子線の垂直入射条件と、電子線の主光線がクロス
オーバを通過する条件とを同時に満たすことができる荷
電粒子線転写装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1、図
3および図5に対応付けて説明すると、請求項1の発明
は、荷電粒子線を用いてマスク4のパターン像をターゲ
ット10に転写する荷電粒子線転写装置に適用され、マ
スク4にほぼ垂直に入射した荷電粒子線の主光線が荷電
粒子線光学系のクロスオーバCOを通過するよう荷電粒
子線を偏向する角度調整用偏向器12a,12bが設け
られて上述した目的を達成する。請求項2の発明は、荷
電粒子線を用いてマスク4のパターン像をターゲット1
0に転写する荷電粒子線転写装置に適用され、マスク4
あるいはターゲット10に対する荷電粒子線の入射角度
を調整する角度調整用偏向器11a,11bあるいは1
3a,13bが設けられて上述した目的を達成する。請
求項3の発明は、荷電粒子線光学系の主視野を複数の副
視野(マスク側で4a,ターゲット側で10b)に分割
し、マスク4のパターン像を副視野毎に分割してターゲ
ット10に転写する荷電粒子線転写装置に適用され、マ
スク4と荷電粒子線光学系のクロスオーバCOとの間に
角度調整用偏向器12a,12bが配設され、複数の副
視野のそれぞれで荷電粒子線の主光線がマスク4にほぼ
垂直に入射してクロスオーバCOを通過するように角度
調整用偏向器12a,12bの偏向感度が副視野毎に調
整されて上述した目的が達成される。請求項4の発明は
請求項3の荷電粒子線転写装置に適用され、マスク4と
クロスオーバCOとの間に角度調整用偏向器が二段(1
2aと12b)配設され、荷電粒子線の主光線の偏向中
心P1がマスクの位置と一致するように二段の角度調整
用偏向器12a,12bの偏向感度が調整される。請求
項5の発明は荷電粒子線光学系の主視野を複数の副視野
(マスク側で4a,ターゲット側で10b)に分割し、
マスク4のパターン像を副視野毎に分割してターゲット
10に転写する荷電粒子線転写装置に適用され、荷電粒
子線光学系のクロスオーバCOとターゲット10との間
に角度調整用偏向器13a,13bが配設され、複数の
副視野のそれぞれで荷電粒子線の主光線がターゲット1
0に対してほぼ垂直に入射するように、角度調整用偏向
器13a,13bの偏向感度が副視野毎に調整される。
請求項6の発明は請求項5の荷電粒子線転写装置に適用
され、クロスオーバCOとターゲット10との間に角度
調整用偏向器が二段(13aと13b)配設され、荷電
粒子線の主光線の偏向中心がターゲット10の位置と一
致するように二段の角度調整用偏向器13a,13bの
偏向感度が調整される。請求項6の発明は請求項3〜6
のいずれかの荷電粒子線転写装置に適用され、荷電粒子
線光学系の光軸AXと直交する面内で互いに異なる第1
方向(x軸方向)および第2方向(y軸方向)のそれぞ
れに荷電粒子線を偏向可能な第1方向偏向器(図示略)
および第2方向偏向器12が上記角度調整用偏向器とし
て配設され、荷電粒子線の主光線の回転方向に関する垂
直性および放射方向に関する垂直性の双方が第1方向偏
向器および第2方向偏向器で調整される。
【0006】
【作用】請求項1の発明では、マスク4に対して荷電粒
子線をほぼ垂直に入射させても、その後、主光線がクロ
スオーバCOを通過するように角度調整用偏向器12
a,12bによりビーム軌道を調整できる。請求項2の
発明では、主光線がクロスオーバCOを通過するようビ
ーム軌道を設定しても、その後、ターゲット10に対し
てほぼ垂直に荷電粒子線が入射するようにビーム軌道を
角度調整用偏向器13a,13bで調整できる。請求項
3の発明では、マスク4にほぼ垂直に入射した荷電粒子
線の主光線がクロスオーバCOを通過するように、すべ
ての副視野でビーム軌道を調整できる。請求項4の発明
では、偏向中心がマスク4上にあるので、角度調整前と
角度調整後とでマスク4に対する荷電粒子線の入射位置
が変化しない。請求項5の発明では、荷電粒子線の主光
線がクロスオーバCOを通過するようビーム軌道を設定
しても、その後、ターゲット10に対して荷電粒子線が
ほぼ垂直に入射するように、すべての副視野でビーム軌
道を調整できる。請求項6の発明では、偏向中心がター
ゲット10上にあるので、角度調整前と角度調整後とで
ターゲット10に対する荷電粒子線の入射位置が変化し
ない。請求項7の発明では、二方向の偏向器により、荷
電粒子線の放射方向の垂直性と方位角方向の垂直性の双
方を同時に満たすことができる。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0008】
【実施例】図1〜図7を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は本発明の実施例の電子線縮小転写装置の
概略を示し、1は電子銃、2は電子銃1から射出された
電子線を平行ビーム化するコンデンサレンズ、3a,3
bはコンデンサレンズ2を通過した電子線EBをマスク
4の所定位置へ導くための二段の視野選択偏向器、5は
マスク4を保持するマスクステージ、6a,6bはマス
ク4を通過した電子線を所定量偏向させる二段の転写位
置補正用偏向器、7は第1投影レンズ、8は第2投影レ
ンズ、9はウエハ10が載置されるウエハステージであ
る。マスク4の詳細は後述する。マスクステージ5は図
のx軸(図1で紙面と直交する方向)およびy軸方向に
移動可能である。ウエハステージ9はx軸およびy軸方
向への水平移動に加え、z軸方向にも昇降可能である。
なお、z軸方向は第1投影レンズ7および第2投影レン
ズ8の光軸AXの方向に一致し、x軸、y軸方向はz軸
に垂直な面内で互いに直交する。図2以降のx軸、y
軸、z軸はすべて図1と同じ取り方である。
【0009】上記の構成は従来の転写装置も備えるもの
であり、本実施例の装置は以下の構成に特徴を有する。
すなわち、本実施例ではマスク4の上方および下方にそ
れぞれ二段の角度調整偏向器11a,11b、12a,
12bが設けられ、ウエハステージ5の直前にも二段の
角度調整偏向器13a,13bが設けられている。これ
らの偏向器11a,11b,12a,12b,13a,
13bは、電子線をx軸方向へ偏向するものと、y軸方
向へ偏向するものの合計2組が設けられる。図ではy軸
方向に偏向するもののみを示している。2組設ける理由
は後述する。上記の偏向器11a,11b,12a,1
2b,13a,13bにより、マスク4およびウエハ1
0に対する電子線の垂直入射と、第1投影レンズ7を通
過した電子線の主光線のクロスオーバCOの通過とが同
時に満たされるよう電子線の角度が調整される。詳細は
後述する。
【0010】偏向器11a,11b,12a,12b,
13a,13bの偏向感度は、制御装置20によりイン
タフェース21,22,23を介してそれぞれ個別に制
御される。制御装置20は転写装置全体の動作を制御す
るもので、上記の偏向感度の他にも、電子銃1、コンデ
ンサレンズ2、第1投影レンズ7および第2投影レンズ
8の設定状態を制御し、偏向器3a,3bおよび偏向器
6a,6bをそれぞれインターフェース24,25を介
して制御し、マスクステージ5およびウエハステージ9
のアクチュエータ26,27の動作を制御する。マスク
ステージ5のx軸およびy軸方向の位置と、ウエハステ
ージ9のx軸、y軸およびz軸方向の位置はそれぞれ位
置検出器28,29で検出され、検出された情報が制御
装置20に与えられる。30は転写条件等の各種情報を
制御装置20に入力するための入力装置、31はメモリ
である。
【0011】図2は、マスク4〜ウエハ10間の光学系
の概略を示す。但し、図1の偏向器6a,6bを図2で
は省略している。角度補正用偏向器12a,12bのコ
イルは第1投影レンズ7のマスク側磁極7aの内周に配
置され、角度補正用偏向器13a,13bのコイルは第
2投影レンズ8のウエハ側磁極8aの内周に配置されて
いる。ここで、マスク4〜ウエハ10の距離をL、マス
ク4からウエハ10へのパターンの縮小率を1/nとす
れば、マスク4から第1投影レンズ7によるクロスオー
バCOまでの距離La=L・n/(n+1)、クロスオ
ーバCOからウエハ10までの距離Lb=L/(n+
1)である。
【0012】ここで、第1投影レンズ7の磁極7a,7
b間の距離をLc、磁極7aとマスク4の距離をLdと
したとき、距離Lcが大きいほどパターン転写時の歪が
小さくなり、距離Ldが大きいほどマスク4側に漏れる
レンズ磁場が小さくなって電子線の垂直性が改善され
る。すなわち、マスク4に電子線を垂直に入射させしか
も偏向器12a,12bによる後述の角度調整をしない
場合、第1投影レンズ7を通過した電子線の主光線が光
軸AXを横切る位置とクロスオーバCOとのずれ量は距
離Ldが大きくなるほど減少する。しかし、距離Lが光
学鏡筒の大きさの制約から自ずと制限され、マスク4か
らクロスオーバCOまでの距離Laも制限されるので、
距離Ldを大きくすればそれだけ距離Lcが減少し、歪
は改善されない。第2投影レンズ8側に関してもマスク
4をウエハ10に置き換えれば全く同じことが言える。
そこで、本実施例では上述した偏向器11a,11b,
12a,12b,13a,13bにより図3の原理で電
子線の角度を調整する。
【0013】図3において破線PR1は偏向器11a,
11b,12a,12bによる角度調整をしないときの
電子線の主光線、実線PR2は偏向器11a,11b,
12a,12bにて角度調整したときの電子線の主光線
をそれぞれ示す。マスク4から偏向器11b,12aま
での距離は等しくa、偏向器11bから11a、偏向器
12aから12bまでの距離は等しくbに設定されてい
る。偏向器12bの光軸方向の中心位置P2から下側で
は主光線PR1とPR2が同一軌道を描いてクロスオー
バCOを通過する。
【0014】図3から明らかなように、本実施例の角度
調整をしない場合、図1の視野選択器3a,3bを通過
した主光線PR1はz軸方向(光軸AXと平行な方向)
に対して光軸AXから離れる方向へθだけ傾いてマスク
4に入射する。これに対して本実施例では、最上段の偏
向器11aでまず主光線PR2をθ2だけ外側へ曲げ、
次段の偏向器11bでθ1だけ内側へ曲げてマスク4に
垂直に主光線PR2を入射させている。このとき、マス
ク4に対する主光線PR2の入射位置を主光線PR1の
入射位置P1と一致させている。次に、マスク4を通過
した主光線PR2を偏向器12aによりθ1だけ外側へ
曲げて偏向器12bの中心位置P2で主光線PR1の軌
道と一致させ、この後、最下段の偏向器12bで主光線
PR2を内側へθ2だけ曲げて主光線PR1と同一軌道
に乗せている。このとき、偏向器12a,12bによる
主光線PR2の偏向中心はマスク4上の点P1である。
【0015】ウエハ10側については、図3を上下に反
転し、第1投影レンズ7を第2投影レンズ8に、マスク
4をウエハ10にそれぞれ置換した場合を考えればよ
い。置換した場合の対応符号を図3に括弧書で示す。ウ
エハ10側では、第2投影レンズ8から射出された主光
線がz軸方向に対して光軸AXに近付く方向へθだけ傾
くので、まず主光線を偏向器13aでθ2だけ内側へ曲
げ、その後θ1だけ主光線を外側へ曲げればウエハ10
に対する入射角度を90゜に設定できる。このとき、ウ
エハ10への主光線の入射位置を、角度調整しない場合
の入射位置と一致させることができる。
【0016】次に、上記の角度調整を行なう場合の偏向
感度の設定方法について説明する。図3から明らかなよ
うに、
【数1】θ1=θ2+θ ……(1) (a+b)・θ=θ1・b ……(2) (1)式、(2)式を連立してθを消去すると、
【数2】(a+b)・(θ1−θ2)=θ1・b ∴θ2/θ1=a/(a+b) ……(3) 以上から、偏向器11aと11b,12aと12bの感
度比をそれぞれ(3)式で与えられる比に設定すればよ
い。ただし、θ1,θ2は図から明らかなように逆符号で
ある。
【0017】(3)式ではθ,θ1,θ2が未知数なので
これらの求め方を次に説明する。まず、(2)式から、
【数3】θ1=((a+b)/b)・θ ……(4) (4)式を(3)式に代入すると、
【数4】 θ2=((a+b)/b)・(a/(a+b))・θ=a・θ/b ……(5) 以上から明らかなように、θ1,θ2はθが判れば計算で
求められる。
【0018】角度θはウエハ面での主光線の入射角度を
実測する。その計測は例えば図4のように行なう。ま
ず、十字マーカCMを設けた試料TPをウエハステージ
9(図1)に載置する。次に、電子線の軌道を一定に保
った上で試料TPをz軸方向にΔzだけ離れた二つの位
置でx軸方向およびy軸方向に移動させ、試料TPから
発生する反射電子を検出して十字マークCMの中心O
1,O2が主光線PRと一致する位置を検出する。中心
O1,O2の座標(x1,y1,z1)、(x2,y
2,z2)はステージ9の位置から求められ、これらの
x座標、y座標、z座標の差Δx,Δy,Δzから主光
線PRの傾きθが算出できる。なお、図に二点鎖線で示
す十字マークCM´は主光線PRの傾きθ=0の場合を
示す。主光線PRが図3の主光線PR1のようにクロス
オーバCOを通過していれば、得られた傾きθは主光線
PRのウエハ10に対する入射位置が座標O1またはO
2にあるときに収差が最も小さくなる条件を示す。
【0019】ここで、図4の例では主光線PRがx軸方
向から角度φだけ傾いている。その一方、偏向器による
角度調整方向は上述した通りx軸方向、y軸方向にそれ
ぞれ限定されている。このため、実際の偏向感度を求め
るには、上記のθをそれぞれx軸方向の傾き(Δx/Δ
z)とy軸方向の傾き(Δy/Δz)に置き換え、それ
ぞれの軸毎に得られたθを上記(4)式および(5)式
に代入する。これにより、電子線の方位角方向の垂直性
と放射方向の垂直性の双方を同時に満たすことができ
る。
【0020】以上のようにしてマスク4およびウエハ1
0に対する電子線の垂直入射条件と、主光線がクロスオ
ーバCOを通過する条件とを同時に満たすときの偏向器
11a,11b,12a,12b,13a,13bのそ
れぞれの偏向感度が、ウエハ10への電子線の入射位置
と対応付けて決定される。得られた偏向感度と入射位置
との関係は図1のメモリ31に予め記憶される。なお、
偏向感度の最適値はウエハ10に対する電子線の入射位
置に応じて変化するので、実際の転写時の入射位置のす
べてについて予め偏向感度が求められる。
【0021】次に本実施例の転写装置による転写手順を
説明する。図5は転写時のマスク4とウエハ10との関
係を模式的に示したものである。レンズや偏向器は図示
を省略した。図5(a)から明らかなように、マスク4
は、複数の矩形状の小領域4aとこれらを格子状に区切
る境界領域4bとを有する。小領域4aには、ウエハ1
0の1チップ(1個の半導体)分の領域(以下、チップ
領域と呼ぶ)10aに転写すべきパターン(詳細は図示
略)が分割して形成される。なお、電子線転写用のマス
クには、図6(a)に示すように電子線の透過率が高い
薄膜MB上に、電子線の散乱角の大きい散乱体SCを配
置してパターンを形成するものと、図6(b)に示すよ
うに電子線を遮断する基板BPにパターンに応じた開口
OPを設けるものとが存在するが、本実施例ではいずれ
を用いてもよい。いずれの場合でも、境界領域4bは電
子線を遮断しあるいは大きく散乱させる材料により一様
に構成される。また、ウエハ10の外観形状は図5
(b)に示した通りであり、図5(a)ではウエハ10
の一部(図5(b)のVa部)を拡大して示している。
【0022】図1の電子銃1から射出された電子線EB
は小領域4aよりも僅かに大きい断面正方形状に成形さ
れ、視野選択偏向器3a,3bにより所定量偏向されて
マスク4の小領域4aの一つに導かれる。小領域4aに
形成されたパターンの像が図1の投影レンズ7,8によ
りウエハ10のチップ領域10a内の単位領域10bに
縮小転写される。すなわち、本実施例では小領域4aが
マスク側の副視野、単位領域10bがウエハ側の副視野
に相当する。ここで小領域4aの選択は以下の順で行な
われる。
【0023】すなわち、転写時にはマスク4およびウエ
ハ10が矢印Fm,Fwで示すようにx軸方向へ互いに
逆向きに連続移動せしめられる。この連続移動によりy
軸方向に並ぶ小領域4aの特定の列が所定の転写開始位
置に達すると、電子線EBがy軸方向へ小領域4aの並
びピッチずつステップ的に走査されてy軸方向に並ぶ小
領域4aに電子線EBが順次照射される。電子線の走査
に同期して、図1の偏向器6a,6bによりマスク4の
境界領域4aのy軸方向の幅に相当する量だけ電子線E
Bがy軸方向に偏向され、y軸方向に並ぶ一列の小領域
4aのパターンの像がウエハ10でy軸方向に連続して
転写される。一列の小領域4aのパターンの転写が終了
し、y軸方向に隣接する次の小領域4aの列が上述した
転写開始位置に達するとその列の転写が開始され、以下
同様にして1枚のマスク4に形成されたすべての小領域
4aに対応するパターン像がウエハ10のチップ領域1
0aに転写される。
【0024】図7は上記の手順でウエハ1枚分の転写を
行なうときの制御装置20の制御手順を示すフローチャ
ートである。ウエハ10がウエハステージ9に装着され
て転写開始が指示されると、制御装置20はステップS
1で転写対象のチップ領域10aを選択し、その領域1
0aが所定の転写位置にくるようウエハステージ9を駆
動する。次いでステップS2でマスクステージ5および
ウエハステージ9によるマスク4およびウエハ10の連
続移動を開始する。続くステップS3では副視野選択、
すなわち電子線を照射すべき小領域4aを選択する。な
お、上述した領域10aや小領域4aの選択順序は予め
入力装置30から制御装置20に与えられている。
【0025】副視野選択後はステップS4へ進み、副視
野に応じて光学条件を設定する。この光学条件にはレン
ズ7,8や偏向器3a,3b、6a,6bの励磁条件の
他、上述した角度調整用偏向器11a,11b,12
a,12b,13a,13bの励磁条件の設定も含まれ
る。すなわち、転写対象の小領域4aが判れば、それに
対応するウエハ10の被転写領域10bの位置が判るの
で、その位置に対応する偏向感度をメモリ31から読み
込んでそれらの値に偏向感度を設定する。光学条件の設
定後はステップS5へ進んで転写を開始する。一つの小
領域4aの転写が終了するとステップS6へ進み、1つ
のチップ領域10aの転写が終了したか否か判断する。
終了していないときはステップS3へ戻ってチップ領域
10a内の未転写領域から次に転写すべき領域を特定す
る。1チップ分の転写が終了した後はステップS7へ進
み、ウエハ10のチップ領域10aのすべてについて転
写が終了したか否か判断する。終了していなければステ
ップS1へ戻り、未転写のチップ領域を次の転写領域に
選ぶ。全てのチップ領域の転写が終了したとき図示の処
理を終える。
【0026】以上説明したように、本実施例では、マス
ク4およびウエハ10に対する電子線の垂直入射条件
と、主光線がクロスオーバCOを通過する条件とがすべ
ての副視野について両立するので、マスク4やウエハ1
0が反り等でz軸方向に変動してもパターン誤差が生じ
ず、常に最小の歪でパターンを転写できる。投影レンズ
7,8の磁極7a,8aをマスク4およびウエハ10に
十分に近付けても垂直入射を実現できるので、レンズ
7,8自身を低収差に設計できる。マスク4側の二段の
偏向器12a,12bとウエハ10側の二段の偏向器1
3a,13bによりマスク4およびウエハ10の位置を
偏向中心として角度調整を行なうので、角度調整前と角
度調整後とで電子線の入射位置が変化しない。すなわ
ち、図8に示すように、マスク4に垂直に入射した電子
線を一段の偏向器12bのみでクロスオーバCOを通過
するよう偏向させたときは、マスク4に対する電子線の
角度調整前の入射位置P1と角度調整後の入射位置P1
´とがαだけずれるので、マスク4を偏向方向にαだけ
移動させて入射位置を補正する必要があり、その分スル
ープットが低下するおそれがある。ただし、入射位置の
ずれαを短時間で補正できれば一段の偏向器でも十分で
ある。
【0027】なお、図6(a)に示す薄膜支持構造のマ
スクを使用し、その薄膜MBを単結晶材料で構成し、か
つ単結晶材料の平均自由行路が最も大きくなる結晶方位
と光軸AXの方向とを一致させた場合には、本実施例と
の組合せにより薄膜MBを通過する荷電粒子線の散乱を
最小限に抑えることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
角度調整用偏向器にて荷電粒子線を偏向することで、荷
電粒子線の主光線がクロスオーバを通過する条件を維持
しつつマスクやターゲット側でビーム軌道を所望の状態
に調整できるので、マスクやターゲットに対する荷電粒
子線の垂直入射と、荷電粒子線の主光線のクロスオーバ
の通過とを両立させて高精度に転写を行なえる。特に請
求項3,5の発明ではすべての副視野において上記の二
つの条件を両立させることができ、請求項4,6の発明
ではビーム軌道の調整前と調整後でマスクやターゲット
に対する荷電粒子線の入射位置を一定の保つことがで
き、請求項7の発明ではマスクやターゲットに入射する
荷電粒子線の放射方向の垂直性および方位角方向の垂直
性の双方を、すべての副視野において調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る転写装置の概略を示す
図。
【図2】図1の投影レンズの周囲を拡大して示す図。
【図3】実施例の装置における角度調整の原理を示す
図。
【図4】ビームの傾きθを求める手順を説明するための
図。
【図5】図1の装置における転写時のマスクとウエハと
の関係を模式的に示す図。
【図6】マスクの種類を示す図。
【図7】図5に示す要領で転写を行なうときの制御装置
の制御手順を示すフローチャート。
【図8】一段の偏向器で入射角度を調整する例を示す
図。
【符号の説明】
4 マスク 10 ウエハ(ターゲット) 11a,11b,12a,12b,13a,13b 角
度調整用偏向器 CO クロスオーバ PR,PR1,PR2 主光線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 541 L 541 V

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線を用いてマスクのパターン像
    をターゲットに転写する荷電粒子線転写装置において、 前記マスクにほぼ垂直に入射した荷電粒子線の主光線が
    荷電粒子線光学系のクロスオーバを通過するよう荷電粒
    子線を偏向する角度調整用偏向器が設けられていること
    を特徴とする荷電粒子線転写装置。
  2. 【請求項2】 荷電粒子線を用いてマスクのパターン像
    をターゲットに転写する荷電粒子線転写装置において、 前記マスクあるいは前記ターゲットに対する荷電粒子線
    の入射角度を調整する角度調整用偏向器が設けられてい
    ることを特徴とする荷電粒子線転写装置。
  3. 【請求項3】 荷電粒子線光学系の主視野を複数の副視
    野に分割し、マスクのパターン像を前記副視野毎に分割
    してターゲットに転写する荷電粒子線転写装置におい
    て、 前記マスクと前記荷電粒子線光学系のクロスオーバとの
    間に角度調整用偏向器が配設され、 前記複数の副視野のそれぞれで前記荷電粒子線の主光線
    が前記マスクにほぼ垂直に入射して前記クロスオーバを
    通過するように、前記角度調整用偏向器の偏向感度が前
    記副視野毎に調整されることを特徴とする荷電粒子線転
    写装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の荷電粒子線転写装置にお
    いて、 前記マスクと前記クロスオーバとの間に前記角度調整用
    偏向器が二段配設され、 前記荷電粒子線の主光線の偏向中心が前記マスクの位置
    と一致するように前記二段の前記角度調整用偏向器の偏
    向感度が調整されることを特徴とする荷電粒子線転写装
    置。
  5. 【請求項5】 荷電粒子線光学系の主視野を複数の副視
    野に分割し、マスクのパターン像を前記副視野毎に分割
    してターゲットに転写する荷電粒子線転写装置におい
    て、 前記荷電粒子線光学系のクロスオーバと前記ターゲット
    との間に角度調整用偏向器が配設され、 前記複数の副視野のそれぞれで前記荷電粒子線の主光線
    が前記ターゲットに対してほぼ垂直に入射するように、
    前記角度調整用偏向器の偏向感度が前記副視野毎に調整
    されることを特徴とする荷電粒子線転写装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の荷電粒子線転写装置にお
    いて、 前記クロスオーバと前記ターゲットとの間に前記角度調
    整用偏向器が二段配設され、 前記荷電粒子線の主光線の偏向中心が前記ターゲットの
    位置と一致するように前記二段の角度調整用偏向器の偏
    向感度が調整されることを特徴とする荷電粒子線転写装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載の荷電粒
    子線転写装置において、 荷電粒子線光学系の光軸と直交する面内で互いに異なる
    第1方向および第2方向のそれぞれに前記荷電粒子線を
    偏向可能な第1方向偏向器および第2方向偏向器が前記
    角度調整用偏向器として配設され、 前記荷電粒子線の主光線の回転方向に関する垂直性およ
    び放射方向に関する垂直性の双方が、前記第1方向偏向
    器および前記第2方向偏向器で調整されることを特徴と
    する荷電粒子線転写装置。
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