JPH08185638A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JPH08185638A
JPH08185638A JP6339720A JP33972094A JPH08185638A JP H08185638 A JPH08185638 A JP H08185638A JP 6339720 A JP6339720 A JP 6339720A JP 33972094 A JP33972094 A JP 33972094A JP H08185638 A JPH08185638 A JP H08185638A
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JP
Japan
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lens
bobbin
coils
optical
pickup device
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JP6339720A
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English (en)
Inventor
Kunihisa Matsuzaki
邦久 松崎
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成でありながらチルト動作の良い光
ピックアップ装置を提供する。 【構成】 アクチュエータ22は、凸レンズL2を保持
するレンズボビン22、これを支持するサスペンション
23、磁気回路を構成するヨーク兼外枠24、マグネッ
トM1〜M4で構成され、レンズボビン22には、凸レ
ンズL2の光軸を中心に周回されたコイル25A,25
Bの2つのコイルが設けられている。また、マグネット
M1〜M4は2つのコイル25A,25Bのそれぞれの
周回平面と平行な方向に磁界を発生すると共にそれぞれ
の磁界の向きが凸レンズの2つの回動軸と一致するよう
に2つのコイル25A,25Bのそれぞれの近傍に配置
してある。コイルに25A,25Bに所定方向の電流を
流すことで、レンズボビン22を360度任意の方向に
チルトさせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクに記録され
た記録マークを検出するために光ディスク上にレーザ光
を集光させて照射する光ピックアップ装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光ディスクの記録容量は、記録トラック
のピッチと記録波長によってきまる。そして、これらの
それぞれの限界値は読み出しに使われるレーザ光のスポ
ットの大きさDによってほぼ規定される。レーザ光のス
ポットの大きさDは、レーザ光の波長λと再生に用いら
れる光ピックアップの対物レンズの開口数NAにより決
まり、次の式で示される。 D=λ/NA この関係を読み出し専用型の光ディスクとして普及して
いるコンパクトディスク(CD)について見てみると、
λ=0.78μm、NA=0.45がその代表的な値で
あり、これらを上式に代入するとスポットの大きDは約
1.7μmとなる。そしてこの結果、CDシステムにお
けるトラックピッチは1.6μm、最短記録波長は1.
7μmとなっている。
【0003】従って、このような光ディスクを大容量化
するためには、 (1)読み出しレーザ光の波長λを短くする。 (2)対物レンズの開口数NAを大きくする。 かのいずれかの方法しかない。最近、短波長の半導体レ
ーザの開発も盛んに行なわれているが、(1)の方法で
は、現在のところ実用的にはλ=0.67μm程度のも
のが限界である。そこで、実用システムとして考える場
合には、対物レンズの開口数NAを大きくして記録密度
を上げることが必要になる。しかし、開口数NAを大き
くすると、システムが理想的な状態からズレた場合の許
容範囲(システムの余裕度)が非常に小さくなってしま
うという問題が発生する。システムの余裕度を決める様
々な要因の内で、性能に最も影響を与えるのは、ディス
クのチルト(傾き)である。中でも、CDのようにデジ
タル信号を扱う光ディスクに於ては、チルトの影響は、
それがラジアル方向に発生する場合に比べてタンジェン
シャル方向に発生する場合の方がより深刻な影響を与え
ることが知られている。
【0004】チルトが発生するとコマ収差が発生する
が、この時発生するコマ収差は、3次収差理論によれ
ば、開口数NAの3乗に比例して大きくなる。従って、
NAを大きくするとシステムでのチルト許容幅が狭くな
り、安定性が極端に悪くなる。一例として、前記したコ
ンパクトディスク(CD)の場合において、読み出しレ
ーザ光の波長λ(λ=0.78μm)を一定にして開口
数をNA=0.6とした場合について計算してみると、
記録容量は1.78倍に増加するが、同じ量の光ディス
クのチルトで生じるコマ収差の量は2.37倍にもなっ
てしまう。前記したNA=0.45のコンパクトディス
クシステムでは、0.6度のディスクの傾きが許容され
ているが、NA=0.6とした場合には、0.2度程度
の許容幅しかないことが分かる。このような精度の要求
を、一般市場での様々な状況下で行なわれているような
プラスチック成形ディスクで満足することは極めて困難
である。従って、開口数NAを大きくして記録密度の高
密度化を図る場合には、なんらかの方法でこの問題を解
決することが必要である。
【0005】このチルトを補正する従来の方法として
は、例えば、いわゆるレーザディスクに用いられている
ラジアルチルトサーボが知られている。この方法は、デ
ィスクのラジアル方向の傾きをセンサで検出して、検出
されたディスクの傾きに応じてピックアップ光学系全体
を機構的に傾けて、チルトを補正するものである。アナ
ログ信号を扱うレーザディスクでは、信号がFM変調さ
れているためタンジェンシャル方向のチルトは問題にな
らないが、ラジアル方向のチルトは、これによって発生
するコマ収差により隣接トラックからのクロストークが
再生画面の品質に重大な影響を与える。このためレーザ
ディスクシステムではラジアル方向のチルト補正がなさ
れている。しかし、ピックアップ全体を動かすために、
その応答性が悪く、ピックアップをディスク半径方向に
動かしながら、ディスクの半径方向のそりに対して緩や
かにチルト補正することに、その効果が限定された。
【0006】そこで考え出された方法が、ピックアップ
光学系の一部の素子を利用して対物レンズ後の出射光の
コマ収差補正をする方法である。例えば、特開昭60−
121546号公報で開示される方法では、レーザ光を
平行光にするコリメートレンズと対物レンズとの間にチ
ルト可能な平行平板を設け、更にこの平行平板を挟むよ
うに2つの集光レンズを配置し、対物レンズ光軸と光デ
ィスクとのスキューが発生したときには、光ディスク上
で発生するコマ収差を補正するような収差を発生するよ
う平行平板を任意の角度チルトさせることにより、光デ
ィスク上で良好なスポットを得るものである。また、特
開平4−366429号公報で開示されている例では、
対物レンズアクチュエ−タに、対物レンズ中心線に対し
て対称に独立した複数の駆動コイルを配置して、各コイ
ルの駆動電圧のかけ方によって、レンズボビンのチルト
動作をさせるものである。この場合対物レンズの光軸は
光ディスク垂直方向に向けられるようになり、また光学
的な部品点数の増加も無いという利点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の特開昭
60−121546号公報で開示されるような方法では
ピックアップ光学系を構成する部品数が増えピックアッ
プのコスト、形状等で問題となる。また、ピックアップ
内で2つの対物レンズ相当のレンズとディスク相当の平
行平板によりディスク上の収差発生システムを再現する
ため、2つの対物レンズや平行平板を取り付ける際の調
整が複雑になってしまうという問題があった。また、上
述の特開平4−366429号公報で開示されるような
方法では、アクチュエ−タの振動特性を考えた場合、本
来フォ−カス方向、トラッキング方向に対して動作させ
るよう支持するサスペンションに、チルト動作による無
理な変形を与えることになるため、悪影響を与えやすく
不要共振のもとに成りやすいという欠点を有していた。
【0008】そこで、本発明は上記の点に着目してなさ
れたものであり、簡単な構成でありながらチルト動作特
性の良い光ピックアップ装置を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は
「レーザ光源と、レーザ光源から放射された光束を平行
光に変換するコリメート光学系と、光ディスクの透明層
を透過して光束を集光する対物レンズとを備え、前記コ
リメート光学系ユニットが、複数のレンズ群から成り、
この複数のレンズ群のうち対物レンズに隣接した第1の
レンズが、正弦条件を所定程度不満足に設定されると共
に対物レンズ光軸に対して傾斜可能に設けられている光
ピックアップ装置であって、前記第1のレンズを保持す
るレンズボビンと、前記第1のレンズの光軸方向におけ
る前記レンズボビンの両端付近に、第1のレンズの光軸
を中心にレンズボビンに周回される2つのコイルと、前
記2つのコイルの中間位置に設けられると共に、前記第
1のレンズが直行する2つの軸回りに回動するように前
記レンズボビンを支持する保持部材と、前記2つのコイ
ルのそれぞれの周回平面と平行な方向に磁界を発生する
と共にそれぞれの磁界の向きが前記第1のレンズの2つ
の回動軸と一致するように2つのコイルのそれぞれの近
傍に配置した二対の永久磁石とから成るアクチュエータ
を備え、このアクチュエータの前記2つのコイルに電流
を流すことで前記第1のレンズを傾斜させることを特徴
とする光ピックアップ装置」を提供しようとするもので
ある。
【0010】請求項2に係る発明は「請求項1記載の光
ピックアップ装置において、前記保持部材は、中央部が
前記レンズボビンの外形よりも大きく開口されている環
状部と、この環状部の外側に形成されて前記第1のレン
ズの一方の回動軸となる第1のヒンジ部と、環状部の内
側に形成されて前記第1のレンズの他方の回動軸となる
第2のヒンジ部とを有し、前記環状部よりも前記ヒンジ
部の方を変形しやすく構成した板状弾性部材であること
を特徴とする光ピックアップ装置」を提供しようとする
ものである。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の一実施例
を説明する。図1は、本発明の光ピックアップ装置の一
実施例の概略構成図である。同図に示す光ピックアップ
装置1は、レーザ光Lを出力するレーザダイオード2
と、レーザダイオード2から出力されたレーザ光Lを平
行光にするコリメート光学系3と、平行光にされたレー
ザ光Lを光ディスク10の記録マーク上に集光させる対
物レンズ4と、フォーカス及びトラッキングのために対
物レンズ4を可動させるアクチュエータ5と、レーザダ
イオード2から出力される照射レーザ光と光ディスクか
らの反射レーザ光とを分離するビームズプリッタ6と、
コリメート光学系3からの照射レーザ光及び対物レンズ
4からの反射レーザ光の光路を直角方向に変える反射鏡
7と、ビームスプリッタ6で分離された反射レーザ光の
断面形状をかえるシリンドリカルレンズ8と、反射レー
ザ光を受光する光検出器9と、光ディスク10のチルト
量を検出するために対物レンズ4近傍に設けられたチル
ト検出器11とで概略構成される。更に、チルト検出器
11の検出結果に応じてコリメート光学系3のアクチュ
エータ21を駆動させる制御装置12が、光ピックアッ
プ装置1と別に設けられている。
【0012】なお、上記光ディスク10には情報に応じ
た記録マークが同心円状又はスパイラル状に記録されて
いるため、この光ピックアップ装置1は、光ディスク1
0上に集光させる光スポットを光ディスク10の回転と
共に光ディスク10の半径方向に移動させるよう構成さ
れている。このように光スポットを光ディスク10の半
径方向に移動させる構成は、従来より周知の機構(例え
ば、ラックとピニオンによる機構や、リニアモータによ
る機構)が用いられるため、同図では図示を省略してい
る。
【0013】上記光ピックアップ装置1において、レー
ザダイオード2から出射されたレーザ光Lは、ビームス
プリッタ6を透過して、コリメート光学系3により平行
光となり、反射鏡7により直角方向に光路を変えられて
対物レンズ4を通り光ディスク10上に集光される。光
ディスク10からの反射レーザ光は、再び対物レンズ4
を通ってコリメート光学系3により収束光となってビー
ムスプリッタ6で反射され、シリンドリカルレンズ8を
通って光検出器9で検出される。この光検出器9で検出
された光は、再生信号検出の他、フォーカスサーボやト
ラッキングサーボにも使用される。
【0014】上記光ピックアップ装置1のコリメート光
学系3は、複数のレンズ群で構成されおり、このレンズ
群のうち、対物レンズ4に隣接した凸レンズL2(第1
のレンズ)が、対物レンズ4の光軸Oに対してチルト可
能(傾斜可能)に設けられている。ここで、このコリメ
ート光学系3によるチルト補正の原理について図8乃至
図10を用いて説明する。図8は図1における対物レン
ズ4やビームスプリッタ6等を省略してコリメート光学
系のみを示す図であり、同図(a)は、凸レンズ系L2
の光軸が対物レンズ4の光軸と一致している場合、同図
(b)は、凸レンズ系L2の光軸が対物レンズ4の光軸
に対してチルトした場合をそれぞれ示す。これらの図に
示すように本実施例におけるコリメート光学系3は、凸
レンズ系L1,L2によって構成されており、各諸元は
以下の通りである。 合成焦点距離 f=35mm 凸レンズ系L1 焦点距離 f1=60mm 正弦条件 共役比S1/S2=1/2において正弦条
件満足 凸レンズ系L2 焦点距離 f2=70mm 正弦条件 無限共役比で正弦条件不満足(不満足量:
−0.6) レンズ間距離 d=10mm
【0015】このように、凸レンズ系L1は、球面収差
が除去された上で正弦条件を満足するように設計されて
おり、軸外物点に対する収差の増加が緩やかであるため
レーザ光源2と凸レンズL1との間の相対位置精度に対
する要求は緩やかなものとなっている。また、凸レンズ
系L2は、図9にその収差図を示すように、球面収差を
極力抑える一方で、無限共役比における正弦条件を少し
満足しないように設計したレンズである。なお、同図に
示す曲線aは正弦状件を示し、曲線bは、球面収差を示
している。また、図10は、波面収差(rms)と画角
の関係を示すグラフであり、同図中曲線Aは凸レンズ系
L2の波面収差を示し、曲線Bは、比較のため凸レンズ
系L2とほぼ同一諸元で正弦条件を満足するように設計
した凸レンズ系の波面収差を示す。
【0016】実験による収差分析によれば、曲線Aと曲
線Bとの差は概ね凸レンズ系L2によって発生したコマ
収差であり、非点収差はほとんど寄与していない。この
ように、コマ収差のみを発生させ、非点収差の発生を抑
制するためには、コリメート光学系3を複数の凸レンズ
系L1,L2で構成してパワーを分散することにより凸
レンズ系2の焦点距離(f2)を長くすることが設計上
有利である。以上の説明から明らかなように、この凸レ
ンズ系L2は画角が大きくなるに従って、コマ収差が単
調に増加する特性を有している。従って、図8(b)に
示すように、凸レンズ系L2の光軸を全系の光軸に対し
てθだけチルトさせると傾斜角度θに応じて所望のコマ
収差を発生させることができる。
【0017】即ち、光ディスク10のチルトによって発
生するコマ収差の量と方向によって凸レンズ系L2の傾
斜角度θとこの方向を制御して、光ディスク10のチル
トによって発生するコマ収差を打ち消すようにすればよ
いのである。即ち、図1に示すように、光ピックアップ
装置1の近傍に設けたチルト検出器11により光ディス
ク10の傾斜を検出し、このチルト検出器11の検出結
果に応じて傾斜角度θを制御するように制御装置12を
用いてアクチュエータ21を制御してやればよい。
【0018】ところで、上記光ディスク10のチルトに
よるコマ収差は、特にタンジェンシャル方向の変動周波
数が高く、更に、光ディスク10のチルトはタンジェン
シャル方向だけでなくラジアル方向にも発生するので、
実際に発生するコマ収差はこれらのチルトが複合されて
いることになる。したがって、上記凸レンズL2をチル
トさせるアクチュエータは、このチルト動作に追従でき
る応答特性と、複雑なチルト動作に対応できる構造が必
要である。以下、上記アクチュエータ21の構成をコリ
メート光学系3の実施例と共に説明する。
【0019】上記コリメート光学系は図2に示すコリメ
ータレンズユニット13により構成されている。図2
は、図1におけるコリメート光学系の一実施例の斜視図
である。上述のように、コリメート光学系3は、凸レン
ズL1,L2を有しており、図2に示すコリメータレン
ズユニット13では、上記ビームスプリッタ6側に正弦
条件を満足した上記凸レンズL1がユニット内に固定さ
れており、対物レンズ4側に正弦条件を所定程度不満足
に設定された上記凸レンズL2がアクチュエ−タ21に
よりチルト可能に装着れている。この凸レンズL2は、
上述のように球面収差を極力抑え、軸外におけるコマ収
差量を所定量発生させる設計となっているため、アクチ
ュエ−タ21により凸レンズL2をチルトすることによ
り任意のコマ収差を発生することができ、凸レンズL1
と凸レンズL2の組み合わせにより、任意のコマ収差を
持った平行光を作ることができる。この凸レンズL1と
凸レンズL2とを用いて発生させるコマ収差を、光ディ
スク10のチルトにより発生するコマ収差を打ち消すよ
うに設定すれば、光ディスク10上で良好なスポットを
得ることができるのである。
【0020】ここで、上記凸レンズL2をチルトさせる
アクチュエ−タ23について図3乃至図5も用いて説明
する。図3は、図2におけるコリメータレンズユニット
の正面図、図4は、コリメータレンズユニットの要部の
図3中のy軸を通る断面図である。同図に示すように、
アクチュエ−タ21は、凸レンズL2を保持するレンズ
ボビン22と、これを支持するサスペンション23、磁
気回路を構成するヨーク兼外枠24とマグネット(永久
磁石)M1〜M4とで構成されている。また、上記レン
ズボビン22には、凸レンズL2の光軸を中心に周回さ
れた2つのコイル25A,25Bが設けられており、そ
れぞれの周回平面は、凸レンズL2の光軸の方向と直行
している。また、これらのコイル25A,25Bは、他
方が発生する磁界の影響を最小限にするためとチルト動
作の際のトルクを大きくするために、凸レンズL2の光
軸方向のレンズボビン22の両側端付近に設けられる。
即ち、図4に示すように、コイル25Aは、レンズボビ
ン22の対物レンズ5側の側端に設けられ、コイル25
Bは、レンズボビン22の凸レンズL1側の側端に設け
られ、サスペンション23はこれらコイル25A,25
Bの中間位置でレンズボビン22を支持している。
【0021】また、図2及び図3に示すように、上記マ
グネットM1,M2は、レンズボビン22を挟んで上下
方向の上記コイル25A近傍に配置され、上記マグネッ
トM3,M4は、レンズボビン22を挟んで左右方向の
上記コイル25B近傍に配置される。このため、マグネ
ット対M1,M2による磁界の方向は、凸レンズL2の
y軸の回動軸方向と一致し、マグネット対M3,M4に
よる磁界の方向は、凸レンズL2のx軸の回動軸方向と
一致することになる。更に、図4で示すように、上記マ
グネット対M1,M2及びM3,M4のそれぞれは、互
いに異極が向き合うようにそれぞれ配置される。このた
め、それぞれのマグネット対による磁界はコイル25A
及び25Bの周回平面を突き抜ける形で磁気ギャップを
形成することになるため、外部への漏れ磁束が少なく、
他方のコイルへの悪影響が少なく、レンズボビン22が
安定してチルト動作するようになっている。
【0022】また、上記サスペンション23は、ステン
レス材やリン青銅材等の弾性力のある材料をエッチング
により薄く加工した板状弾性部材を用いている。また、
その形状は、図5のように、中心部が開口されて全体形
状が正方形を成す環状部23Aにヒンジ部23X,23
Yを有する構造となっている。上記環状部23Aの中心
部分はレンズボビン22が挿入されるようにレンズボビ
ン22の外形よりも大きく開口されている。また、上記
ヒンジ部23Xは、レンズボビン22のx軸回りの回動
軸となり、環状部23Aの外側に形成されて外枠24に
固定されることになる。また、上記ヒンジ部23Yは、
レンズボビン22のy軸回りの回動軸となり、環状部2
3Aの内側に形成されてレンズボビン22に固定される
ことになる。したがって、レンズボビン22は、これら
ヒンジ部23X,23Yにより360度任意な方向への
チルト動作可能に支持されることになり、更に、凸レン
ズL2の光軸と対物レンズ4の光軸とが一致する方向に
常に付勢されていることになる。また、このサスペンシ
ョン23は、上述のように2つのコイル25A,25B
の中間位置に配置されると共にヒンジ部23X,23Y
による凸レンズL2の回動軸が、この凸レンズL2の主
点付近を通る平面内に位置するように配置されている。
【0023】次に、上記アクチュエータの駆動について
説明する。図3中、例えば、コイル25Aに時計回りに
電流を流すと、マグネットM1からマグネットM2方向
に発生する磁界で、図4に示すようなFの方向への電磁
力が発生する。したがって、レンズボビン22はx軸を
中心にチルト変位を与えられることになり、サスペンシ
ョン23のヒンジ部23Xが変形して同図中反時計回り
(図4中の矢印方向)にチルトすることになる。このチ
ルト動作は、もう一方のコイル25Bに電流を流すこと
で同様にy軸を中心にチルトさせることができ、両方の
コイルに任意の電流を流すことにより、レンズボビン2
2は360度の任意の方向にチルト動作を行うことがで
きる。
【0024】ところで、上記サスペンション23は、薄
い弾性部材を使用しており全体的に変形しやすいため、
何らかの要因で目的とするチルト変形以外に変形してし
まい、アクチュエ−タの振動特性を乱す要因となること
がある。例えば、コイルの配線であるが、ムービングコ
イルタイプのアクチュエ−タの場合、可動部に取り付け
られたコイル25A,25Bのリード線が可動部から固
定部へと渡されるため、これが振動系の負荷となること
がある。そこで、上記コリメータレンズユニット13で
は、図6に示すようにレンズボビン22からサスペンシ
ョン23の形状に沿ってコイルリード線26を対称に配
置し外枠24まで導いている。このため、コイルリード
線26がレンズボビン22の振動の負荷となりにくく、
またリード線26にかかる力がないためリード線破断の
トラブルも防ぐことができる。また、リード線ではな
く、サスペンション23の環状部23Aとほぼ同型のフ
レキシブル基板を環状部23Aに取り付け、これをコイ
ルリード部としても良く、このような構成であっても振
動系の負荷を小さくすることができる。
【0025】また、コイル25A,25Bに発生する電
磁力のばらつき、組立時の精度誤差等により、振動特性
としていくつかのモードの共振を持つこともある。例え
ば上記実施例のような形状のサスペンション23の振動
モードでは、目的とするx軸、y軸中心のチルトモード
の他に、図7の様なz軸方向(凸レンズL2の光軸方
向)の並進モードがあり、その固有振動数はチルトモー
ドの固有振動数と近い値を取ることになる。本実施例の
コリメータレンズユニット13は、チルト補正を凸レン
ズL1と凸レンズL2とにより行っているが、レンズボ
ビン22のz軸方向の振動により、多少なりとも球面収
差の増大を引き起こすことになる。そこで、このモード
でのサスペンション23の変形を調べたところ、サスペ
ンション23の環状部23Aの変形が中心であることが
わかった。このため、上記コリメートレンズユニット3
では、サスペンション23の環状部23Aの剛性を増す
ことで、レンズボビン22の振動を防ぐようにしてい
る。このサスペンション23の剛性を増す方法として
は、例えば環状部23Aの厚さをヒンジ部23X,23
Yよりも厚くしたり、環状部23Aの周縁部にリブを設
ける等の構成とすれば良い。
【0026】また、上記コリメータレンズユニット13
によるコリメーションは、2つの凸レンズL1,L2で
行っているため、その位置関係が重要であるが、凸レン
ズL1を外枠24の所定位置に合わせて取り付けられる
ようにしたため、レンズ系を精度よく設定でき、また、
このコリメータレンズユニット13を一つのレンズとみ
なしてのコリメーション調整も可能となる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ピックア
ップ装置によれば、ディスクチルトによるどの方向のコ
マ収差においても、補正することが可能となり、またそ
の補正応答性もフォ−カス、トラッキング制御同様の特
性を持つため、従来補正が困難であった光ディスクのタ
ンジェンシャル方向のチルトに対しての補正も、フォ−
カスサーボや、トラッキングサーボの特性を乱すことな
く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップ装置の一実施例の概略
構成図である。
【図2】図1におけるコリメータレンズユニットの斜視
図である。
【図3】図2におけるコリメータレンズユニットの正面
図である。
【図4】図2におけるコリメータレンズユニットの要部
の断面図である。
【図5】図2におけるコリメータレンズユニットのサス
ペンションの形状を説明する図である。
【図6】図2におけるコリメータレンズユニットのリー
ド線の配線を説明する図である。
【図7】図2におけるコリメータレンズユニットの不要
振動を説明する図である。
【図8】本発明の光ピックアップ装置で行われるチルト
補正の原理を説明するための図である。
【図9】図1におけるコリメート光学系の凸レンズL2
の収差図である。
【図10】図1におけるコリメート光学系の凸レンズL
2の波面収差(rms)と画角の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光ピックアップ装置 2 レーザダイオード(レーザ光源) 3 コリメート光学系 4 対物レンズ 6 ビームスプリッタ 10 光ディスク 13 コリメータレンズユニット(コリメート光学系) 21 アクチュエータ 22 レンズボビン 23 サスペンション(保持部材) 23A 環状部 23X ヒンジ部(第1のヒンジ部) 23Y ヒンジ部(第2のヒンジ部) 24 外枠 25A,25B コイル L1 凸レンズ L2 凸レンズ(第1のレンズ) M1,M2,M3,M4 マグネット(永久磁石)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光源と、レーザ光源から放射された
    光束を平行光に変換するコリメート光学系ユニットと、
    光ディスクの透明層を透過して光束を集光する対物レン
    ズとを備え、前記コリメート光学系が、複数のレンズ群
    から成り、この複数のレンズ群のうち対物レンズに隣接
    した第1のレンズが、正弦条件を所定程度不満足に設定
    されると共に対物レンズ光軸に対して傾斜可能に設けら
    れている光ピックアップ装置であって、 前記第1のレンズを保持するレンズボビンと、 前記第1のレンズの光軸方向における前記レンズボビン
    の両端付近に、第1のレンズの光軸を中心にレンズボビ
    ンに周回される2つのコイルと、 前記2つのコイルの中間位置に設けられると共に、前記
    第1のレンズが直行する2つの軸回りに回動するように
    前記レンズボビンを支持する保持部材と、 前記2つのコイルのそれぞれの周回平面と平行な方向に
    磁界を発生すると共にそれぞれの磁界の向きが前記第1
    のレンズの2つの回動軸と一致するように2つのコイル
    のそれぞれの近傍に配置した二対の永久磁石とから成る
    アクチュエータを備え、このアクチュエータの前記2つ
    のコイルに電流を流すことで前記第1のレンズを傾斜さ
    せることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光ピックアップ装置におい
    て、 前記保持部材は、中央部が前記レンズボビンの外形より
    も大きく開口されている環状部と、この環状部の外側に
    形成されて前記第1のレンズの一方の回動軸となる第1
    のヒンジ部と、環状部の内側に形成されて前記第1のレ
    ンズの他方の回動軸となる第2のヒンジ部とを有し、前
    記環状部よりも前記ヒンジ部の方を変形しやすく構成し
    た板状弾性部材であることを特徴とする光ピックアップ
    装置。
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