JPH08184582A - 斜角探傷用超音波アレイプローブ - Google Patents
斜角探傷用超音波アレイプローブInfo
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- JPH08184582A JPH08184582A JP6337924A JP33792494A JPH08184582A JP H08184582 A JPH08184582 A JP H08184582A JP 6337924 A JP6337924 A JP 6337924A JP 33792494 A JP33792494 A JP 33792494A JP H08184582 A JPH08184582 A JP H08184582A
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- vibrator
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2291/00—Indexing codes associated with group G01N29/00
- G01N2291/04—Wave modes and trajectories
- G01N2291/044—Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】S/N比が高く、素子ピッチを小さくできる斜角
アレイプローブを提供することにある。 【構成】素子のうち最上部の素子の上端より底面側に降
ろした垂線の足より先まで底面が切欠かれた切欠き部を
設け、あるいはこの切欠き部に対応する底部部分に切り
溝等を設けることにより横波の素子側への反射波の受信
レベルを欠陥エコーの検出に影響しない程度まで低減す
るものである。
アレイプローブを提供することにある。 【構成】素子のうち最上部の素子の上端より底面側に降
ろした垂線の足より先まで底面が切欠かれた切欠き部を
設け、あるいはこの切欠き部に対応する底部部分に切り
溝等を設けることにより横波の素子側への反射波の受信
レベルを欠陥エコーの検出に影響しない程度まで低減す
るものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、斜角探傷用超音波ア
レイプローブ(以下斜角アレイプローブ)に関し、詳し
くは、超音波電子スキャン装置において、斜角探傷を行
うときに用いる斜角アレイプローブにおいて、より精度
の高い測定を行う際に問題となるノイズを低減し、各振
動子(各素子)のピッチを小さくすることができるよう
な斜角アレイプローブに関する。
レイプローブ(以下斜角アレイプローブ)に関し、詳し
くは、超音波電子スキャン装置において、斜角探傷を行
うときに用いる斜角アレイプローブにおいて、より精度
の高い測定を行う際に問題となるノイズを低減し、各振
動子(各素子)のピッチを小さくすることができるよう
な斜角アレイプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】アレイプローブを用いて、探傷を行う場
合の技術として、多数の素子のうちの複数個を1つの素
子群として組にしてこれら素子群を順次電子的に高速に
切り換えて高速走査する電子走査方式、あるいは各素子
群の中において超音波を送受信するタイミングを制御す
ることにより電子的に焦点を結ばせる電子集束方式、さ
らには、電子的に偏向させる電子セクタ駆動方式などが
知られている。これらの電子的な制御をより高精細に行
えば、それだけ高分解の測定が可能であるが、それには
素子の配列ピッチを細かくする必要がある。また、高周
波の超音波を用いる理由が、分解能を高くすることにあ
る関係から、必然的に高い周波数のアレイプローブほど
素子ピッチが細かくなる。以上のことは、斜角アレイプ
ローブについても言えることであり、より精密な探傷を
行うために素子を細かいピッチでより多く配列したいと
いう要望がある。
合の技術として、多数の素子のうちの複数個を1つの素
子群として組にしてこれら素子群を順次電子的に高速に
切り換えて高速走査する電子走査方式、あるいは各素子
群の中において超音波を送受信するタイミングを制御す
ることにより電子的に焦点を結ばせる電子集束方式、さ
らには、電子的に偏向させる電子セクタ駆動方式などが
知られている。これらの電子的な制御をより高精細に行
えば、それだけ高分解の測定が可能であるが、それには
素子の配列ピッチを細かくする必要がある。また、高周
波の超音波を用いる理由が、分解能を高くすることにあ
る関係から、必然的に高い周波数のアレイプローブほど
素子ピッチが細かくなる。以上のことは、斜角アレイプ
ローブについても言えることであり、より精密な探傷を
行うために素子を細かいピッチでより多く配列したいと
いう要望がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特開昭63−
67564号に記述されるように、非金属材料などの欠
陥を探傷する場合には、斜角アレイプローブが用いられ
るが、この種の斜角アレイプローブは、共振周波数が5
MHz程度であり、素子ピッチが1mm程度であって、そ
の数が10個程度のものが通常用いられている。しか
し、非金属材料といっても各種の材料があって、その欠
陥探傷もより微少な欠陥へと移行しつつある。したがっ
て、より高い分解能での探傷の要求があるが、それに応
えるためには、プローブの周波数の向上とともに素子数
の一層の増加が必要であり、さらに素子ピッチを狭くす
ることが不可欠である。
67564号に記述されるように、非金属材料などの欠
陥を探傷する場合には、斜角アレイプローブが用いられ
るが、この種の斜角アレイプローブは、共振周波数が5
MHz程度であり、素子ピッチが1mm程度であって、そ
の数が10個程度のものが通常用いられている。しか
し、非金属材料といっても各種の材料があって、その欠
陥探傷もより微少な欠陥へと移行しつつある。したがっ
て、より高い分解能での探傷の要求があるが、それに応
えるためには、プローブの周波数の向上とともに素子数
の一層の増加が必要であり、さらに素子ピッチを狭くす
ることが不可欠である。
【0004】一方、素子ピッチを狭くすることは、素子
幅が狭くなる関係で欠陥エコーの受信レベルが低下して
ノイズとの区分けが難しくなるという問題がある。この
素子ピッチについて研究したところ、ピッチを0.5mm
程度かそれ以下に設定すると素子を増加させなくても、
S/N比が悪化して精度の高い測定が難しくなることが分
かった。この発明の目的は、このような従来技術の問題
点を解決するものであって、 S/N比が高く、素子ピッチ
を小さくできる斜角アレイプローブを提供することにあ
る。
幅が狭くなる関係で欠陥エコーの受信レベルが低下して
ノイズとの区分けが難しくなるという問題がある。この
素子ピッチについて研究したところ、ピッチを0.5mm
程度かそれ以下に設定すると素子を増加させなくても、
S/N比が悪化して精度の高い測定が難しくなることが分
かった。この発明の目的は、このような従来技術の問題
点を解決するものであって、 S/N比が高く、素子ピッチ
を小さくできる斜角アレイプローブを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る第1の発明の斜角アレイプローブの特徴は、底面が被
検体に接しているシューの斜面に複数個の振動子を配列
した斜角探傷用超音波アレイプローブにおいて、振動子
のうち最下部の振動子の下端より底面側に降ろした垂線
の足から、振動子のうちの最上部の振動子の上端より底
面側に降ろした垂線の足までの範囲を含む底面部が切欠
かれた切欠き部を、振動子のうち最下部の振動子の下端
の位置を通る斜面に垂直な直線より下側に有し、かつ、
切欠き部のシューに接する面の傾斜角度がこの接する面
における振動子からの横波の一次反射波が振動子側およ
び前記底面方向に向かわない角度に設定されているもの
である。
る第1の発明の斜角アレイプローブの特徴は、底面が被
検体に接しているシューの斜面に複数個の振動子を配列
した斜角探傷用超音波アレイプローブにおいて、振動子
のうち最下部の振動子の下端より底面側に降ろした垂線
の足から、振動子のうちの最上部の振動子の上端より底
面側に降ろした垂線の足までの範囲を含む底面部が切欠
かれた切欠き部を、振動子のうち最下部の振動子の下端
の位置を通る斜面に垂直な直線より下側に有し、かつ、
切欠き部のシューに接する面の傾斜角度がこの接する面
における振動子からの横波の一次反射波が振動子側およ
び前記底面方向に向かわない角度に設定されているもの
である。
【0006】また、前記の目的を達成する第2の発明の
斜角アレイプローブの特徴は、素子のうち最下部の素子
の下端より底面側に降ろした垂線の足までの範囲を含
み、かつ、振動子のうち最下部の振動子の下端の位置を
通る斜面に垂直な直線より下側の底面部が超音波を乱反
射させるものである。
斜角アレイプローブの特徴は、素子のうち最下部の素子
の下端より底面側に降ろした垂線の足までの範囲を含
み、かつ、振動子のうち最下部の振動子の下端の位置を
通る斜面に垂直な直線より下側の底面部が超音波を乱反
射させるものである。
【0007】
【作用】ところで、アレイプローブは、図7(a)に示
すように、一般的に配列された各素子(その1つを素子
1とする)の角の部分に横波が発生する。この横波は、
プローブの内部で反射して再び素子側に戻り、それがあ
る素子で受信された場合にその受信タイミングがその素
子の欠陥エコーの受信タイミングに相当するときには横
波の受信がノイズとし作用して S/N比が低下する。特
に、その素子の幅が狭くなり、その受信エコーの検出レ
ベルが低下することにより 欠陥エコーを捉えることが
できない。これは、素子の幅に応じて縦波の受信エコー
の検出レベルが低下するが、横波は、素子の角で発生す
る関係から素子の幅に影響を受けないことによる。先に
説明したように、ピッチを0.5mm以下に設定すると素
子を増加させなくても、 S/N比が悪化する。そこで、図
7に従って、その理由について検討してみると、各素子
の角から放射される横波がノイズとして大きな影響を与
えていることが分かった。
すように、一般的に配列された各素子(その1つを素子
1とする)の角の部分に横波が発生する。この横波は、
プローブの内部で反射して再び素子側に戻り、それがあ
る素子で受信された場合にその受信タイミングがその素
子の欠陥エコーの受信タイミングに相当するときには横
波の受信がノイズとし作用して S/N比が低下する。特
に、その素子の幅が狭くなり、その受信エコーの検出レ
ベルが低下することにより 欠陥エコーを捉えることが
できない。これは、素子の幅に応じて縦波の受信エコー
の検出レベルが低下するが、横波は、素子の角で発生す
る関係から素子の幅に影響を受けないことによる。先に
説明したように、ピッチを0.5mm以下に設定すると素
子を増加させなくても、 S/N比が悪化する。そこで、図
7に従って、その理由について検討してみると、各素子
の角から放射される横波がノイズとして大きな影響を与
えていることが分かった。
【0008】図7(a)に示すように、斜角探傷を行う
場合には、各素子1,…は、シュー20の斜面20aに
配列される。そして、各素子1,…の素子ピッチPを狭
くすると、各素子の欠陥からのエコーの受信レベルは、
その素子の幅に応じて低下する。ここで、素子1,…の
角で発生する横波について下方へと向かう2ヶの横波
a,bのみとりあげて考えてみる。なお、c,dは、素
子1,…の反対側の角から発生するほぼ水平方向へと向
かう横波である。これについては、シュー20の端部に
到達する距離が長いことと、通常、シュー20の水平方
向には減衰部材等が設けられることでその一次反射波は
あまり問題とはならない。一方、底面側は、被検体に接
するので、減衰部材は設けられず、横波の一次反射波の
伝搬距離(路程)が比較的短いので、これがノイズとし
て作用する。なお、二次反射波以降は、その路程が長く
なる関係で徐々に減衰していく。
場合には、各素子1,…は、シュー20の斜面20aに
配列される。そして、各素子1,…の素子ピッチPを狭
くすると、各素子の欠陥からのエコーの受信レベルは、
その素子の幅に応じて低下する。ここで、素子1,…の
角で発生する横波について下方へと向かう2ヶの横波
a,bのみとりあげて考えてみる。なお、c,dは、素
子1,…の反対側の角から発生するほぼ水平方向へと向
かう横波である。これについては、シュー20の端部に
到達する距離が長いことと、通常、シュー20の水平方
向には減衰部材等が設けられることでその一次反射波は
あまり問題とはならない。一方、底面側は、被検体に接
するので、減衰部材は設けられず、横波の一次反射波の
伝搬距離(路程)が比較的短いので、これがノイズとし
て作用する。なお、二次反射波以降は、その路程が長く
なる関係で徐々に減衰していく。
【0009】そこで、底面20cへと向かう横波a,b
について考えてみる。これの波長をλとすると、λ=v
/mとなる。ただし、mは、超音波の周波数、vは音速
である。ここで、素子の垂直方向に採った幅をhとし、
シュー20の傾斜角度をθとしたときに、幅hは、h=
P sinθになる。図7(b)に示されるように、h/λ
=1,2,3,4,5…のときに横波a,bのピークが
一致して横波aとbの合成波が最大になる。これが受信
されると、この合成波の受信タイミングの近傍で受信さ
れる欠陥エコーに対してノイズとして作用してそのレベ
ルが大きくなる。斜角アレイプローブは、通常、パルス
波で駆動されるため、その被検体からのエコーは、波数
が少なく、最初の1波長に対応するピークが高く、その
後のピークは順次小さくなる。したがって、各横波の伝
搬時間を距離に対応させて表すと、図7(b)の合成波
のずれの距離hが1波長に対応する場合が一番大きくな
る。公称5MHzの素子についてこれを考えてみると、
これの実際の受信横波周波数は4MHz程度である。こ
れについて、h/λ=1を計算すると、傾斜角θをθ=
43.5°とした場合、音速v=1435m/sec でそ
のピッチPは、0.52mmとなる。したがって、ピッチ
をこれの近傍にしたときには、受信レベルの低下に対し
て S/N比が低下し、ノイズが問題になる。
について考えてみる。これの波長をλとすると、λ=v
/mとなる。ただし、mは、超音波の周波数、vは音速
である。ここで、素子の垂直方向に採った幅をhとし、
シュー20の傾斜角度をθとしたときに、幅hは、h=
P sinθになる。図7(b)に示されるように、h/λ
=1,2,3,4,5…のときに横波a,bのピークが
一致して横波aとbの合成波が最大になる。これが受信
されると、この合成波の受信タイミングの近傍で受信さ
れる欠陥エコーに対してノイズとして作用してそのレベ
ルが大きくなる。斜角アレイプローブは、通常、パルス
波で駆動されるため、その被検体からのエコーは、波数
が少なく、最初の1波長に対応するピークが高く、その
後のピークは順次小さくなる。したがって、各横波の伝
搬時間を距離に対応させて表すと、図7(b)の合成波
のずれの距離hが1波長に対応する場合が一番大きくな
る。公称5MHzの素子についてこれを考えてみると、
これの実際の受信横波周波数は4MHz程度である。こ
れについて、h/λ=1を計算すると、傾斜角θをθ=
43.5°とした場合、音速v=1435m/sec でそ
のピッチPは、0.52mmとなる。したがって、ピッチ
をこれの近傍にしたときには、受信レベルの低下に対し
て S/N比が低下し、ノイズが問題になる。
【0010】以上は、素子1,…の角から発生し下方へ
向かう横波のうち2ヶのみとりあげたものであるが、素
子は多数同じピッチで配列されているので、他の素子の
角において発生した横波の反射波が前記にさらに加わっ
てくる。しかも、前記ピッチより小さなピッチに配列し
た場合には各素子の受信レベルが低下するので、斜角ア
レイプローブでは良好に欠陥エコーの受信ができなくな
る。その結果、0.5mm程度か、これ以下になると斜角
アレイプローブとしての使用は困難になる。このような
ことから、前記の構成のように、素子のうち最上部の素
子の上端より底面側に降ろした垂線の足より先まで底面
が切欠かれた切欠き部を設け、あるいはこの切欠き部に
対応する底部部分に切り溝等を設ければ、横波の素子側
への反射波の受信レベルを欠陥エコーの検出に影響しな
い程度まで低減することができる。しかも、このような
切欠きや溝等を底面の一部に設けても、素子から送出さ
れる縦波を受ける底面部分は、従来と同様に被検体に接
触するので問題は発生しない。
向かう横波のうち2ヶのみとりあげたものであるが、素
子は多数同じピッチで配列されているので、他の素子の
角において発生した横波の反射波が前記にさらに加わっ
てくる。しかも、前記ピッチより小さなピッチに配列し
た場合には各素子の受信レベルが低下するので、斜角ア
レイプローブでは良好に欠陥エコーの受信ができなくな
る。その結果、0.5mm程度か、これ以下になると斜角
アレイプローブとしての使用は困難になる。このような
ことから、前記の構成のように、素子のうち最上部の素
子の上端より底面側に降ろした垂線の足より先まで底面
が切欠かれた切欠き部を設け、あるいはこの切欠き部に
対応する底部部分に切り溝等を設ければ、横波の素子側
への反射波の受信レベルを欠陥エコーの検出に影響しな
い程度まで低減することができる。しかも、このような
切欠きや溝等を底面の一部に設けても、素子から送出さ
れる縦波を受ける底面部分は、従来と同様に被検体に接
触するので問題は発生しない。
【0011】
【実施例】図1は、この発明の一実施例の斜角アレイプ
ローブの断面図、図2は、その素子の1つについての横
波と縦波との関係の説明図、図3、図4、図5、そして
図6は、それぞれ斜角アレイプローブの他の一実施例の
断面図である。図1に示すように、斜角アレイプローブ
10は、従来のものより、まず、シュー2を厚くするこ
とで、シュー2の底面で縦波の領域と横波の領域とを分
離している。底面2cが各振動子からの縦波を受ける部
分である。切欠き部7に接する横波を受ける底面の領域
は、この領域での横波反射波を低減することで減少させ
る。そのために、横波を受ける底面部分を含む部分につ
いては、シュー2の底面2cから斜面2aに向かって仰
角αで切断した切欠き部7とする。このときの角度α
は、最上部の素子1aの上端部で発生した横波4aを受
ける切欠き部7に接する斜面2bにおける一次反射波4
cが、素子側に対しても、また、シュー2の縦波を受け
る底面2cに対しても反射しないような角度に設定す
る。なお、底面2cは、被検体5と接触面であり、切欠
き部7は、最上部の素子の上端より底面側に降ろした垂
線の足Pより先までのシュー2の底面が切欠かれて形成
され、さらに、この切欠き部7は、素子のうち最下部の
素子1nの下端の位置Qにおいて斜面に垂直な直線QO
(Oは、直線がシュー2の底面2cとが交わる点)が切
欠き部分には交わらないような角度に傾斜角αが選択さ
れているものである。
ローブの断面図、図2は、その素子の1つについての横
波と縦波との関係の説明図、図3、図4、図5、そして
図6は、それぞれ斜角アレイプローブの他の一実施例の
断面図である。図1に示すように、斜角アレイプローブ
10は、従来のものより、まず、シュー2を厚くするこ
とで、シュー2の底面で縦波の領域と横波の領域とを分
離している。底面2cが各振動子からの縦波を受ける部
分である。切欠き部7に接する横波を受ける底面の領域
は、この領域での横波反射波を低減することで減少させ
る。そのために、横波を受ける底面部分を含む部分につ
いては、シュー2の底面2cから斜面2aに向かって仰
角αで切断した切欠き部7とする。このときの角度α
は、最上部の素子1aの上端部で発生した横波4aを受
ける切欠き部7に接する斜面2bにおける一次反射波4
cが、素子側に対しても、また、シュー2の縦波を受け
る底面2cに対しても反射しないような角度に設定す
る。なお、底面2cは、被検体5と接触面であり、切欠
き部7は、最上部の素子の上端より底面側に降ろした垂
線の足Pより先までのシュー2の底面が切欠かれて形成
され、さらに、この切欠き部7は、素子のうち最下部の
素子1nの下端の位置Qにおいて斜面に垂直な直線QO
(Oは、直線がシュー2の底面2cとが交わる点)が切
欠き部分には交わらないような角度に傾斜角αが選択さ
れているものである。
【0012】具体的には、斜角アレイプローブ10の斜
面2aに設けられた多数配列された素子1a,1b,
…,1nのうち最上段の素子1aの上端から降ろした垂
線の足Pは、前記の切欠き部7の底面と交わる先端側S
より斜面2a側になるように最上段の素子1aの上端部
が斜面2aに配置される。さらに、最下部の素子1nの
下端の位置Qにおいて斜面に垂直な直線QOより下側に
切欠き部7が位置するように角度αが選択されている。
なお、3は、斜角アレイプローブの各素子が駆動された
ときに発生する縦波である。そこで、素子1a,1b,
…,1nが所定のタイミングで駆動されて縦波3が発生
するとともに素子1aで代表するような横波4a,4b
も発生するが、この横波は、切欠き部7との接触面2b
(傾斜面)に入射されて反射され、その一次反射波は、
底面2cと素子1a,1b,…,1n側には向かわな
い。その結果、素子1aに横波4a,4bの反射波が影
響を与えることはほとんどない。これが受信されるとき
のレベルは低下する。このことは、他の素子1b,…,
1nについても同様である。なお、二次反射波以上のレ
ベルは減衰が大きくなるのでノイズとしての問題は発生
し難い。
面2aに設けられた多数配列された素子1a,1b,
…,1nのうち最上段の素子1aの上端から降ろした垂
線の足Pは、前記の切欠き部7の底面と交わる先端側S
より斜面2a側になるように最上段の素子1aの上端部
が斜面2aに配置される。さらに、最下部の素子1nの
下端の位置Qにおいて斜面に垂直な直線QOより下側に
切欠き部7が位置するように角度αが選択されている。
なお、3は、斜角アレイプローブの各素子が駆動された
ときに発生する縦波である。そこで、素子1a,1b,
…,1nが所定のタイミングで駆動されて縦波3が発生
するとともに素子1aで代表するような横波4a,4b
も発生するが、この横波は、切欠き部7との接触面2b
(傾斜面)に入射されて反射され、その一次反射波は、
底面2cと素子1a,1b,…,1n側には向かわな
い。その結果、素子1aに横波4a,4bの反射波が影
響を与えることはほとんどない。これが受信されるとき
のレベルは低下する。このことは、他の素子1b,…,
1nについても同様である。なお、二次反射波以上のレ
ベルは減衰が大きくなるのでノイズとしての問題は発生
し難い。
【0013】図3に示すように、従来のようなシュー2
0の構成では、素子1(素子1a,1b,…,1nの代
表として)の両端より横波4が発生する。この横波4は
探傷には不要なノイズである。両端から出た横波4のう
ち図3に点線で示すように垂直にシュー20の底面で反
射する横波4が欠陥Fに対して探傷に悪影響を及ぼす。
すなわち、横波4は、縦波3のほぼ半分の音速のため、
横波が受信される時間が、縦波が探傷を行っている被検
体5の表面付近の欠陥Fが受信される時間と重なってし
まう。しかし、図2に示すように、図1の実施例の斜角
アレイプローブ10ではシュー2の厚さを厚くして、縦
波通過領域と横波通過領域とに底面部分を分けて、素子
1から出たシュー2の底面2cにおいて縦波3が通る底
面2cの部分から完全にはずれて横波4が通る底面部分
2b(傾斜面2b)を形成している。このようにして、
被検体5に接触する底面2cを確保し、さらに切欠き部
7を設けてあるので、横波4の反射波のレベルを欠陥エ
コーに比較して問題にならないほど小さくできる。
0の構成では、素子1(素子1a,1b,…,1nの代
表として)の両端より横波4が発生する。この横波4は
探傷には不要なノイズである。両端から出た横波4のう
ち図3に点線で示すように垂直にシュー20の底面で反
射する横波4が欠陥Fに対して探傷に悪影響を及ぼす。
すなわち、横波4は、縦波3のほぼ半分の音速のため、
横波が受信される時間が、縦波が探傷を行っている被検
体5の表面付近の欠陥Fが受信される時間と重なってし
まう。しかし、図2に示すように、図1の実施例の斜角
アレイプローブ10ではシュー2の厚さを厚くして、縦
波通過領域と横波通過領域とに底面部分を分けて、素子
1から出たシュー2の底面2cにおいて縦波3が通る底
面2cの部分から完全にはずれて横波4が通る底面部分
2b(傾斜面2b)を形成している。このようにして、
被検体5に接触する底面2cを確保し、さらに切欠き部
7を設けてあるので、横波4の反射波のレベルを欠陥エ
コーに比較して問題にならないほど小さくできる。
【0014】図4に示すように、斜角アレイプローブ1
1は、前記角度αが最下部から斜面2aに立てた垂線2
dに沿った角度となっていて、切欠き部7に超音波吸収
体6が接着されている。この実施例では、シュー2の横
波4が通る部分を超音波吸収体6にして横波4を吸収す
る。その結果として横波4の一次反射波のレベルが各素
子の欠陥エコー検出に影響しない程度にまで減衰する。
1は、前記角度αが最下部から斜面2aに立てた垂線2
dに沿った角度となっていて、切欠き部7に超音波吸収
体6が接着されている。この実施例では、シュー2の横
波4が通る部分を超音波吸収体6にして横波4を吸収す
る。その結果として横波4の一次反射波のレベルが各素
子の欠陥エコー検出に影響しない程度にまで減衰する。
【0015】図5の実施例は、素子のうち最下部の素子
1nの下端より底面側に降ろした垂線の足の後から素子
のうち最上部の素子1aの上端より底面側に降ろした垂
線の足より先の点Sまでの範囲の底面部分2eに超音波
を波乱反射させる多数の切り溝8を設けた例である。切
欠け部7や超音波吸収体6に換えて、シュー2の底面の
横波4が当たる前記の先端側Sの部分から斜面2a側の
下端までの前記の底面部分2eの形状を波形溝にして超
音波が散乱する構造としている。その結果、前記と同様
に素子側への横波4の反射波が減衰する。さらに、図5
に示すように、前記の底面部分2eに、例えば、矩形の
切欠き部9を形成して、ここに超音波吸収体6を設けて
もよい。
1nの下端より底面側に降ろした垂線の足の後から素子
のうち最上部の素子1aの上端より底面側に降ろした垂
線の足より先の点Sまでの範囲の底面部分2eに超音波
を波乱反射させる多数の切り溝8を設けた例である。切
欠け部7や超音波吸収体6に換えて、シュー2の底面の
横波4が当たる前記の先端側Sの部分から斜面2a側の
下端までの前記の底面部分2eの形状を波形溝にして超
音波が散乱する構造としている。その結果、前記と同様
に素子側への横波4の反射波が減衰する。さらに、図5
に示すように、前記の底面部分2eに、例えば、矩形の
切欠き部9を形成して、ここに超音波吸収体6を設けて
もよい。
【0016】
【発明の効果】以上の説明のように、この発明にあって
は、素子のうち最上部の素子の上端より底面側に降ろし
た垂線の足より先まで底面が切欠かれた切欠き部を設
け、あるいはこの切欠き部に対応する底部部分に切り溝
等を設けて横波の素子側への反射波の受信レベルを欠陥
エコーの検出に影響しない程度まで低減するようにして
いるので、反射横波と重なる被検体の浅い部分の欠陥を
検出する際の S/N比を向上させることができ、素子のピ
ッチを従来よりも小さくしてより高い分解能の測定が可
能な斜角アレイプローブを実現することができる。
は、素子のうち最上部の素子の上端より底面側に降ろし
た垂線の足より先まで底面が切欠かれた切欠き部を設
け、あるいはこの切欠き部に対応する底部部分に切り溝
等を設けて横波の素子側への反射波の受信レベルを欠陥
エコーの検出に影響しない程度まで低減するようにして
いるので、反射横波と重なる被検体の浅い部分の欠陥を
検出する際の S/N比を向上させることができ、素子のピ
ッチを従来よりも小さくしてより高い分解能の測定が可
能な斜角アレイプローブを実現することができる。
【図1】図1は、この発明の一実施例の斜角アレイプロ
ーブの断面図である。
ーブの断面図である。
【図2】図2は、その素子の1つについての横波と縦波
との関係の説明図である。
との関係の説明図である。
【図3】図3は、この発明の他の一実施例の斜角アレイ
プローブの断面図である。
プローブの断面図である。
【図4】図4は、この発明のさらに他の一実施例の斜角
アレイプローブの断面図である。
アレイプローブの断面図である。
【図5】図5は、この発明のさらに他の一実施例の斜角
アレイプローブの断面図である。
アレイプローブの断面図である。
【図6】図6は、この発明のさらに他の一実施例の斜角
アレイプローブの断面図である。
アレイプローブの断面図である。
【図7】図7は、斜角アレイプローブの振動子における
横波発生の説明図である。
横波発生の説明図である。
1…振動子、1a,1b,1n…素子(振動子)、2,
20…シュー、2a,20a…斜面、2b…垂線、2
c,20c…底面、2d…横波を減衰させる底面部分、
3…縦波、4,4a,4b…横波、5…被検体、6…超
音波吸収体、7,9…切欠き部、8…切り溝、10,1
1…斜角アレイプローブ。
20…シュー、2a,20a…斜面、2b…垂線、2
c,20c…底面、2d…横波を減衰させる底面部分、
3…縦波、4,4a,4b…横波、5…被検体、6…超
音波吸収体、7,9…切欠き部、8…切り溝、10,1
1…斜角アレイプローブ。
Claims (4)
- 【請求項1】底面が被検体に接しているシューの斜面に
複数個の振動子を配列した斜角探傷用超音波アレイプロ
ーブにおいて、前記振動子のうち最下部の振動子の下端
より前記底面側に降ろした垂線の足から、前記振動子の
うちの最上部の振動子の上端より前記底面側に降ろした
垂線の足までの範囲を含む底面部が切欠かれた切欠き部
を、前記振動子のうち最下部の振動子の下端の位置を通
る前記斜面に垂直な直線より下側に有し、かつ、前記切
欠き部の前記シューに接する面の傾斜角度がこの接する
面における前記振動子からの横波の一次反射波が前記振
動子側および前記底面方向に向かわない角度に設定され
ている斜角探傷用超音波アレイプローブ。 - 【請求項2】前記振動子の配列ピッチがほぼ0.5mm程
度か、これ以下であって、前記切欠き部に超音波を減衰
させる部材が設けられている請求項1記載の斜角探傷用
超音波アレイプローブ。 - 【請求項3】底面が被検体に接しているシューの斜面に
複数個の振動子を配列した斜角探傷用超音波アレイプロ
ーブにおいて、前記振動子のうち最下部の振動子の下端
より前記底面側に降ろした垂線の足から前記振動子のう
ち最上部の振動子の上端より前記底面側に降ろした垂線
の足までの範囲を含み、かつ、前記振動子のうち最下部
の振動子の下端の位置を通る前記斜面に垂直な直線より
下側の底面部が超音波を乱反射させるものである斜角探
傷用超音波アレイプローブ。 - 【請求項4】前記振動子の配列ピッチがほぼ0.5mm程
度か、これ以下であって、前記底面部に切欠き部が設け
られ、この切欠き部に超音波減衰部材が装着されている
請求項3記載の斜角探傷用超音波アレイプローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6337924A JPH08184582A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 斜角探傷用超音波アレイプローブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6337924A JPH08184582A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 斜角探傷用超音波アレイプローブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08184582A true JPH08184582A (ja) | 1996-07-16 |
Family
ID=18313287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6337924A Pending JPH08184582A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 斜角探傷用超音波アレイプローブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08184582A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007248403A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-09-27 | Hitachi Engineering & Services Co Ltd | 水浸用アレイプローブ装置 |
JP2019095438A (ja) * | 2017-11-22 | 2019-06-20 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | ランプを有する構造体の超音波検査 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP6337924A patent/JPH08184582A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007248403A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-09-27 | Hitachi Engineering & Services Co Ltd | 水浸用アレイプローブ装置 |
JP2019095438A (ja) * | 2017-11-22 | 2019-06-20 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | ランプを有する構造体の超音波検査 |
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