JPH08184040A - アンカー打設装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】斜面等に支柱を立て複数のステーロープで仮止
めアンカーして、支柱とウインチで削岩機を案内、下降
して打設することにより、支柱等の配置や撤去を容易と
しかつ打設の能率及び精度等を高め、施工性とともにア
ンカー打設性能、信頼性を向上している。 【構成】 斜面ａ等に立てる支柱１と、支柱１の上部に
連結して支柱１周囲の斜面ａ等に仮止めアンカー７して
多方向に調節して張設する複数のステーロープ６と、支
柱１のガイドレール４に装着して上下動し埋込アンカー
１４を打設する削岩機１０と、支柱１に装着して吊りロ
ープ９で削岩機１０を上下するウインチ８と、削岩機１
０の駆動ロツド１２の下端部に設けた埋込アンカー１４
のカップラー１３とを具備したことに特徴を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、雪崩や落石等の防護柵
や落石防止網等を構築する際に、各種の埋込アンカーを
打設するのに好適なアンカー打設装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、雪崩や落石等の防護柵や落石防止
網等を構築する場合、この柱や網等を吊持するケーブル
等の埋込アンカー（パイプ状アンカーやスパイラル状ア
ンカーボルト等）を足場の悪い斜面等で多数打設する必
要があり、通常、削岩機のロツド端のカップラーに埋込
アンカーを装着して、足場の悪い斜面で削岩機を把持し
埋込アンカーを地中深く打設しているが、この打設は多
くの手数を要する困難な作業になつて打設方向等のバラ
ツキが生じ易く、最近は、アンカー打設箇所に架台を組
み立て、架台で削岩機を吊り下げて打設している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のアンカー打設に
おいて、前記のように削岩機を把持してアンカーを打設
すると、足場の悪い斜面等で危険な作業となり多くの手
数、手間を要し、打設方向等のバラツキが生じ易いなど
の課題がある。また、架台は比較的に複雑で大型となり
斜面等の傾斜や凹凸に対応させて組み立て、撤去するの
に多くの手数、手間を要し、打設能率が低下し打設精度
に限界があるなどの課題がある。

【０００４】本発明は、前記のような課題を解決するた
めに開発されたものであつて、その目的とする処は、斜
面等に支柱を複数のステーロープで仮止めアンカーして
配置し、支柱とウインチで削岩機を案内、下降して打設
することにより、支柱等の配置や撤去を容易としかつ打
設の能率及び精度を高めて、施工性とともにアンカー打
設性能、信頼性を向上したアンカー打設装置を提供する
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、斜面等に立て
る支柱と、支柱の上部に連結し支柱周囲の斜面等に仮止
めアンカーし多方向に調節して張設する複数のステーロ
ープと、支柱のガイドレールに装着して上下動し埋込ア
ンカーを打設する削岩機と、支柱に装着して吊りロープ
で削岩機を上下するウインチと、削岩機の駆動ロツドの
下端部に設けた埋込アンカーのカップラーとを具備し、
支柱の配置や撤去を容易にするとともにアンカー打設の
能率及び精度を高めて、前記のような課題を解決してい
る。

【０００６】

【作用】斜面等のアンカー打設位置に支柱を立て、支柱
の上部に連結した複数のステーロープを支柱の周囲に仮
止めアンカーし、ステーロープの仮止めアンカー位置等
の調節で支柱が斜面等に対し容易に所定の角度で精度良
く固定して配設され、削岩機は支柱のガイドレールに案
内されウインチで操作されて下降し、削岩機のカップラ
ーを介し埋込アンカーが所定の方向に精度よくかつ能率
良く打設される。アンカー打設後は、削岩機を支柱から
外し各ステーロープの仮止めアンカーを抜き取るなどの
簡単な作業で容易に撤去されて、支柱に複数のステーロ
ープ等が付設した比較的に簡単でコンパクトな構造とな
り容易に搬送され、新たなアンカー打設位置に容易に配
設されるなど優れた施工性及びアンカー打設性能、信頼
性が得られる。

【０００７】

【実施例】図１に本発明の一実施例を示す。図中１はベ
ースプレート２やステー３、ガードレール４、滑車５等
を備えた支柱、６はステーロープ、７はステーロープの
仮止めアンカー、８はハンドル８ａ付きウインチ、１０
は支柱のガードレールに上下動自在に装着し吊りロープ
９で吊持されたエア配管１１付き削岩機、１３は削岩機
のロツド１２先端に設けたカップラー、１４は打設され
る埋込アンカー（図示例は先端ビツト１５付きパイプ状
アンカー）である。

【０００８】図示の実施例は、斜面ａ等に立てる支柱１
と、支柱の上部に連結して支柱周囲の斜面等に仮止めア
ンカー７して多方向に調節して張設される複数のステー
ロープ６と、支柱のガイドレール４に装着して上下動し
埋込アンカー１４を打設する削岩機１０と、支柱に装着
して吊りロープ９で削岩機１０を上下するウインチ８
と、削岩機１０の駆動ロツド１２の下端部に設けた埋込
アンカー１４のカップラー１３とを具備したアンカー打
設装置になつている。

【０００９】さらに詳述すると、支柱１は、Ｈ形鋼や溝
形鋼等の各種の形鋼で形成され、下端部にベースプレー
ト２を設け、下部にベースプレート２付きステー３を設
け、上端部に滑車５を軸支５ａし、さらに側面にガイド
レール４を設けるとともに、必要に応じ下部は複数の継
ぎ支柱１ａをボルト・ナツト等の適宜の連結手段で着脱
可能に連設して、埋込アンカー１４の長さつまり打設ス
トロークに対応可能とし、ベースプレート２にアンカー
穴を設けて仮止めアンカーも可能とし（図示省略）、ス
テー３付き継ぎ支柱１ａの着脱も可能にした構造になつ
ている。

【００１０】ステーロープ６は、好ましくは図示のよう
に張線器６ｂを介装し、上端部を支柱１の上部周囲に突
設した複数の取付金具６ａにそれぞれ連結するととも
に、下端部を斜面ａ等に仮止めアンカー７し、支柱１の
周囲に複数本組に取り付けて張設され、支柱を斜面等上
に適宜の角度に調整して立てられる。ステーロープ６の
本数は、好ましくは支柱１の周囲に４本組として配設
し、必要に応じ３本又は２本（例えばステー３付きの場
合）に省略して配設可能になつている。

【００１１】ウインチ８は、支柱１の中央部に適宜の手
段で着脱可能に装着し、この吊りロープ９を滑車５に掛
け渡し削岩機１０の上部に着脱可能に連結して、ハンド
ル８ａで吊りロープ９を操作して削岩機を昇降操作する
構造になつている。

【００１２】削岩機１０は、支柱１の側面部に設けたガ
ードレール４に適宜の手段で着脱可能に装着して上下動
自在とし、この駆動ロツド１２の先端部に設けたカップ
ラー１３で埋込アンカー１４の上部を適宜の手段で連結
して、例えば、エア配管１１から供給される圧気や電動
で駆動され、駆動ロツド１２及びカップラー１３を介し
埋込アンカー１４を回転や打撃で地中に推進して打設す
る構造になつている。この削岩機は、公知になつている
各種の機構が適用可能でありこの具体的な構造の説明は
省略する。

【００１３】また、埋込アンカー１４は、好ましくは先
端ビツト１５を設けたパイプ状アンカー（図示例）や、
表面に螺旋を形成したアンカーボルト等が適用され、防
護柵や落石防止網等の用途に対応せしめ、斜面ａの地盤
等に対応した各種の構造やサイズの埋込アンカーを適用
し、削岩機１０のカップラー１３に適宜の手段で着脱可
能に装着して打設される。

【００１４】図示の実施例において、支柱１の上部に複
数のステーロープ６を連結して斜面ａ等に立てると、支
柱１は下部のベースプレート２や両ステー３のベースプ
レート２で斜面ａ等に支持されて配置され、各ステーロ
ープ６の下端部を支柱１周囲の斜面ａ等に仮止めアンカ
ー７し、各張線器６ｂでステーロープ６に適度の張力を
かけて、アンカー打設位置に支柱１を斜面ａ等の傾斜や
凹凸等に格別の影響を受けずに容易に所要の角度で精度
良く固定して配設される。各ステーロープ６の長さや仮
アンカー位置の選択、張線器６ｂによる長さ調節等で、
支柱１の設置角度の調整が容易に行われかつ固定されて
優れた配設性能、信頼性が得られる。

【００１５】次に、削岩機１０を支柱１のガイドレール
４に装着し、ウインチ８から繰り出され滑車５に掛け渡
した吊りロープ９の先端を削岩機１０の上部に適宜の手
段で連結すると、ウインチ８の操作により削岩機１０が
ガイドレール４に案内されて所定の角度で精度良く上下
動可能となり、削岩機１０を駆動してウインチ８で下降
させると、削岩機１０のカップラー１３に適宜の手段で
取り付けた埋込アンカー１４が適度の回転とともに打込
力（衝撃等）で地中に所定の角度で円滑に精度良く容易
に打設される。

【００１６】アンカー打設が終了すると、埋込アンカー
１４からカップラー１３を外し吊りロープ９を外して削
岩機１０を支柱から取り外し、各ステーロープ６の仮止
めアンカー７を抜き取つて容易に撤去でき、必要に応じ
ウインチ８も取り外しでき、支柱１に複数のステーロー
プ６が付設されている程度の比較的に簡単でコンパクト
な構造となり容易に取り扱つて搬送でき、また、新たな
アンカー打設位置に容易に配設できるなど、施工能率と
ともにアンカー打設性能、信頼性が著しく高められる。

【００１７】さらに、図示の実施例では、支柱１の下部
に複数の継ぎ支柱１ａをボルト・ナツト等の連結手段で
着脱可能に連結しているため、埋込アンカー１４の長さ
即ち打込ストローク等に対応させて継ぎ支柱１ａを増減
し打設性能を随時に調整可能になつている。また、斜面
ａの傾斜や凹凸等に対応させて、図示のように支柱１及
び両ステー３の下端部に設けた各ベースプレート２を斜
面ａ上に設置したり、支柱１の下端部の継ぎ支柱１ａを
外し両ステー３のベースプレート２のみを斜面ａ上に配
置し、ステー３付き継ぎ支柱１ａを外し支柱の下端部の
ベースプレート２のみを斜面ａ上に配置するなどの多様
な組み替え配設が可能であり、斜面ａ等の傾斜や凹凸等
に格別に影響されずに容易に配設できる対応性を備えて
いる。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、前述のように構成され斜面等
のアンカー打設位置に支柱を立て、支柱の上部に連結し
た複数のステーロープを支柱の周囲に仮止めアンカー
し、ステーロープの仮止めアンカー位置の選択等の調整
で支柱が斜面等に所定の角度で精度良く容易に固定して
配設され、支柱のガイドレールに装着した削岩機をウイ
ンチで下降せしめて削岩機のカップラーを介し埋込アン
カーが所定の方向に精度よくかつ能率良く打設される。
また、アンカー打設後は、支柱から削岩機等を外し各ス
テーロープの仮止めアンカーを抜き取るなどの簡単な作
業で容易に撤去されるとともに、支柱に複数のステーロ
ープ等が付設された比較的に簡単でコンパクトな構造と
なり容易に搬送でき、新たなアンカー打設位置に容易に
配設できるなど施工性、アンカー打設性能、信頼性が著
しく向上されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側視図（Ａ）とその右
側の側視図（Ｂ）である。

【符号の説明】

ａ 斜面 １ 支柱 ４ ガイドレール ６ ステーロープ ７ 仮止めアンカー ８ ウインチ ９ 吊りロープ １０ 削岩機 １２ 駆動ロツド １３ カップラー １４ 埋込アンカー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 斜面等に立てる支柱と、支柱の上部に連
   結して支柱周囲の斜面等に仮止めアンカーし多方向に調
   節して張設する複数のステーロープと、支柱のガイドレ
   ールに装着して上下動し埋込アンカーを打設する削岩機
   と、支柱に装着して吊りロープで削岩機を上下するウイ
   ンチと、削岩機の駆動ロツドの下端部に設けた埋込アン
   カーのカップラーとを具備したことを特徴とするアンカ
   ー打設装置。