JPH0818272A - 磁性クラッド材およびそれを用いた磁気シールド部品 - Google Patents
磁性クラッド材およびそれを用いた磁気シールド部品Info
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- JPH0818272A JPH0818272A JP6147240A JP14724094A JPH0818272A JP H0818272 A JPH0818272 A JP H0818272A JP 6147240 A JP6147240 A JP 6147240A JP 14724094 A JP14724094 A JP 14724094A JP H0818272 A JPH0818272 A JP H0818272A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 クラッド時における機械的応力による歪みの
影響を受けたとしても磁気特性の劣化が少なく、十分な
磁気シールド性を有する磁性クラッド材およびそれを用
いた磁気シールド部品を提供する 【構成】 本発明は、軟磁性材と非磁性材よりなる磁性
クラッド材であって、前記軟磁性材が重量%でNi55
〜85%,Cu2〜27%,Mn2〜27%,Si0.
1〜3%,Mo7%以下(0%を含む),Cr7%以下
(0%を含む)および残部実質的にFe(但し、Cuと
Mnの合量は6重量%以上)よりなることを特徴とする
磁性クラッド材およびそれを用いた磁気シールド部品で
ある。
影響を受けたとしても磁気特性の劣化が少なく、十分な
磁気シールド性を有する磁性クラッド材およびそれを用
いた磁気シールド部品を提供する 【構成】 本発明は、軟磁性材と非磁性材よりなる磁性
クラッド材であって、前記軟磁性材が重量%でNi55
〜85%,Cu2〜27%,Mn2〜27%,Si0.
1〜3%,Mo7%以下(0%を含む),Cr7%以下
(0%を含む)および残部実質的にFe(但し、Cuと
Mnの合量は6重量%以上)よりなることを特徴とする
磁性クラッド材およびそれを用いた磁気シールド部品で
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性クラッド材および
それを用いた磁気シールド部品に関する。
それを用いた磁気シールド部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば磁気ヘッド用の磁気シール
ド部品としては、シールドケースあるいは磁気コア間の
シールド板としてニッケル(Ni)−鉄(Fe)系軟磁
性合金、いわゆるパーマロイが一般に使用されている。
ド部品としては、シールドケースあるいは磁気コア間の
シールド板としてニッケル(Ni)−鉄(Fe)系軟磁
性合金、いわゆるパーマロイが一般に使用されている。
【0003】この磁気ヘッド用のシールドケースとして
は2重シールドによる磁気シールド性向上、磁気シール
ド板としてはクロストーク防止のために、軟磁性材と非
磁性材が組み合わされた構造のものが使用されている。
は2重シールドによる磁気シールド性向上、磁気シール
ド板としてはクロストーク防止のために、軟磁性材と非
磁性材が組み合わされた構造のものが使用されている。
【0004】そして、近年の装置の小形化、ひいては磁
気ヘッドの小形化の要求に伴い、磁気シールド部品の組
み立て工数の簡略化、製造の容易性のために、これら材
料を積層一体化した磁性クラッド材が使用されている。
気ヘッドの小形化の要求に伴い、磁気シールド部品の組
み立て工数の簡略化、製造の容易性のために、これら材
料を積層一体化した磁性クラッド材が使用されている。
【0005】上記磁性クラッド材に使用されている軟磁
性材としては、重量%で80%ニッケル(Ni),5%
モリブデン(Mo),残部鉄(Fe)の80Ni−5M
o−Fe合金あるいは重量%で78ニッケル(%N
i),5%銅(Cu)4%モリブデン(Mo),残部鉄
(Fe)の78Ni−5Cu−4Mo−Fe合金が一般
に使用されており、非磁性材としては、銅(Cu),銅
(Cu)−ニッケル(Ni)−亜鉛(Zn)系合金(洋
白),銅(Cu)−ニッケル(Ni)系合金(キュプロ
ニッケル),非磁性ステンレス鋼などが一般に使用され
ている。
性材としては、重量%で80%ニッケル(Ni),5%
モリブデン(Mo),残部鉄(Fe)の80Ni−5M
o−Fe合金あるいは重量%で78ニッケル(%N
i),5%銅(Cu)4%モリブデン(Mo),残部鉄
(Fe)の78Ni−5Cu−4Mo−Fe合金が一般
に使用されており、非磁性材としては、銅(Cu),銅
(Cu)−ニッケル(Ni)−亜鉛(Zn)系合金(洋
白),銅(Cu)−ニッケル(Ni)系合金(キュプロ
ニッケル),非磁性ステンレス鋼などが一般に使用され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の軟
磁性材と非磁性材よりなる磁性クラッド材は、クラッド
時の圧着,圧延などによる機械的応力による歪みの影響
を受けるために、磁性クラッド材を構成する軟磁性材の
磁気特性が低下し、磁気シールド部品として十分なシー
ルド効果が得られないという問題があった。
磁性材と非磁性材よりなる磁性クラッド材は、クラッド
時の圧着,圧延などによる機械的応力による歪みの影響
を受けるために、磁性クラッド材を構成する軟磁性材の
磁気特性が低下し、磁気シールド部品として十分なシー
ルド効果が得られないという問題があった。
【0007】軟磁性材は磁歪を調整することにより機械
的応力による歪みの影響による磁気特性の劣化を低減す
ることが可能であるが、一般に軟磁性材の耐歪性を改善
すると軟磁性材単体での透磁率が低下し、十分な磁気シ
ールド性が得られなくなるため、磁性クラッド材として
優れた磁気特性を得ることには限界があった。
的応力による歪みの影響による磁気特性の劣化を低減す
ることが可能であるが、一般に軟磁性材の耐歪性を改善
すると軟磁性材単体での透磁率が低下し、十分な磁気シ
ールド性が得られなくなるため、磁性クラッド材として
優れた磁気特性を得ることには限界があった。
【0008】本発明は、上記従来の磁性クラッド材にお
ける問題点を解決し、クラッド時における機械的応力に
よる歪みの影響を受けたとしても磁気特性の劣化が少な
く、十分な磁気シールド性を有する磁性クラッド材およ
びそれを用いた磁気シールド部品を提供するものであ
る。
ける問題点を解決し、クラッド時における機械的応力に
よる歪みの影響を受けたとしても磁気特性の劣化が少な
く、十分な磁気シールド性を有する磁性クラッド材およ
びそれを用いた磁気シールド部品を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の第1の発
明である磁性クラッド材は、軟磁性材と非磁性材よりな
る磁性クラッド材であって、前記軟磁性材が重量%でニ
ッケル(Ni)55〜85%,銅(Cu)2〜27%,
マンガン(Mn)2〜27%,シリコン(Si)0.1
〜3%,モリブデン(Mo)7%以下(0%を含む),
クロム(Cr)7%以下(0%を含む)および残部実質
的に鉄(但し、CuとMnの合量は6重量%以上)より
なることを特徴とする。
明である磁性クラッド材は、軟磁性材と非磁性材よりな
る磁性クラッド材であって、前記軟磁性材が重量%でニ
ッケル(Ni)55〜85%,銅(Cu)2〜27%,
マンガン(Mn)2〜27%,シリコン(Si)0.1
〜3%,モリブデン(Mo)7%以下(0%を含む),
クロム(Cr)7%以下(0%を含む)および残部実質
的に鉄(但し、CuとMnの合量は6重量%以上)より
なることを特徴とする。
【0010】また、本発明の第2の発明である磁気シー
ルド部品は、軟磁性材と非磁性材よりなる磁性クラッド
材を用いた磁気シールド部品であって、前記軟磁性材が
重量%でNi55〜85%,Cu2〜27%,Mn2〜
27%,Si0.1〜3%,Mo7%以下(0%を含
む),Cr7%以下(0%を含む)および残部実質的に
Fe(但し、CuとMnの合量は6重量%以上)よりな
る磁性クラッド材を用いたことを特徴とする。
ルド部品は、軟磁性材と非磁性材よりなる磁性クラッド
材を用いた磁気シールド部品であって、前記軟磁性材が
重量%でNi55〜85%,Cu2〜27%,Mn2〜
27%,Si0.1〜3%,Mo7%以下(0%を含
む),Cr7%以下(0%を含む)および残部実質的に
Fe(但し、CuとMnの合量は6重量%以上)よりな
る磁性クラッド材を用いたことを特徴とする。
【0011】本発明は、軟磁性材として軟磁性体単体で
の透磁率が高く、かつクラッド時における機械的応力に
よる歪みの影響を受けたとしても磁気特性の劣化が少な
い合金を用いることにより、従来得られていなかった高
透磁率の磁性クラッド材を初めて得ることが可能となつ
たのである。
の透磁率が高く、かつクラッド時における機械的応力に
よる歪みの影響を受けたとしても磁気特性の劣化が少な
い合金を用いることにより、従来得られていなかった高
透磁率の磁性クラッド材を初めて得ることが可能となつ
たのである。
【0012】以下に、本発明の軟磁性材の組成である重
量%でNi55〜85%,Cu2〜27%,Mn2〜2
7%,Si0.1〜3%,Mo7%以下(0%を含
む),Cr7%以下(0%を含む)および残部実質的に
Fe(但し、CuとMnの合量は6重量%以上)の各組
成の限定理由に関して説明する。
量%でNi55〜85%,Cu2〜27%,Mn2〜2
7%,Si0.1〜3%,Mo7%以下(0%を含
む),Cr7%以下(0%を含む)および残部実質的に
Fe(但し、CuとMnの合量は6重量%以上)の各組
成の限定理由に関して説明する。
【0013】まず、Niは軟磁性材としての高透磁率を
得るために必要な元素である。Niはあまりその量が少
なくても、逆にあまりその量が多くても十分な透磁率を
得ることができないために、そのNiの量は55〜85
重量%とした。好ましくは70〜80重量%であり、こ
の範囲で最も高い透磁率を得ることが可能となる。より
好ましくは70〜80重量%である。
得るために必要な元素である。Niはあまりその量が少
なくても、逆にあまりその量が多くても十分な透磁率を
得ることができないために、そのNiの量は55〜85
重量%とした。好ましくは70〜80重量%であり、こ
の範囲で最も高い透磁率を得ることが可能となる。より
好ましくは70〜80重量%である。
【0014】次に、CuおよびMnはこれらの元素を複
合含有することにより高透磁率で機械的応力による歪み
の影響を受けたとしても磁気特性の劣化を小さくするた
めに必要な元素である。これらのそれぞれの量があまり
少ないと必要な特性が得られず、逆にあまりその量が多
いと熱間加工性が低下するため、そのCuおよびMnの
量はそれぞれ2〜27重量%とした。ここで、CuとM
nはそれらの合計量で6重量%以上とすることにより本
発明の意図する優れた効果を得ることができる。それら
の量の好ましくは2〜20重量%であり、より好ましく
は3〜15%である。
合含有することにより高透磁率で機械的応力による歪み
の影響を受けたとしても磁気特性の劣化を小さくするた
めに必要な元素である。これらのそれぞれの量があまり
少ないと必要な特性が得られず、逆にあまりその量が多
いと熱間加工性が低下するため、そのCuおよびMnの
量はそれぞれ2〜27重量%とした。ここで、CuとM
nはそれらの合計量で6重量%以上とすることにより本
発明の意図する優れた効果を得ることができる。それら
の量の好ましくは2〜20重量%であり、より好ましく
は3〜15%である。
【0015】次に、Siは熱間加工性を改善するために
必要な元素である。Siはあまりその量が少ないと必要
な効果が得られず、逆にあまりその量が多いと磁気特性
の劣化を生じるため、そのSiの量は0.1〜3重量%
とした。好ましくは0.1〜2重量%であり、さらに好
ましくは0.5〜2重量%である。
必要な元素である。Siはあまりその量が少ないと必要
な効果が得られず、逆にあまりその量が多いと磁気特性
の劣化を生じるため、そのSiの量は0.1〜3重量%
とした。好ましくは0.1〜2重量%であり、さらに好
ましくは0.5〜2重量%である。
【0016】次に、MoおよびCrは磁気特性および耐
摩耗性を改善するために必要な元素である。これらの元
素は微量添加でも十分な効果を得ることが可能である
が、それらの量があまり多いと冷間加工性が低下すると
共に透磁率も低下し十分な磁気シールド性が得られなく
なるために、これらの量はそれぞれ7重量%以下(0%
を含む)とした。磁気ヘッド用では磁気テープとの摺動
に対する耐摩耗性も要求されるため、それらの量はそれ
ぞれ2〜6重量%が好ましく、さらに好ましくは4〜6
重量%である。これらMoおよびCrはいずれか一方の
含有でも十分な効果を得ることが可能となるが、複合含
有することによりさらに優れた効果を得ることが可能と
なる。
摩耗性を改善するために必要な元素である。これらの元
素は微量添加でも十分な効果を得ることが可能である
が、それらの量があまり多いと冷間加工性が低下すると
共に透磁率も低下し十分な磁気シールド性が得られなく
なるために、これらの量はそれぞれ7重量%以下(0%
を含む)とした。磁気ヘッド用では磁気テープとの摺動
に対する耐摩耗性も要求されるため、それらの量はそれ
ぞれ2〜6重量%が好ましく、さらに好ましくは4〜6
重量%である。これらMoおよびCrはいずれか一方の
含有でも十分な効果を得ることが可能となるが、複合含
有することによりさらに優れた効果を得ることが可能と
なる。
【0017】本発明においては、上記含有元素の他に、
熱間加工性を改善する目的などでマグネシウム(M
g),アルミニウム(Al),チタン(Ti),ジルコ
ニウム(Zr),カルシウム(Ca),硼素(B),炭
素(C)などの各種元素を、総量で1重量%以下含有さ
せることは本発明の効果を妨げるものではない。
熱間加工性を改善する目的などでマグネシウム(M
g),アルミニウム(Al),チタン(Ti),ジルコ
ニウム(Zr),カルシウム(Ca),硼素(B),炭
素(C)などの各種元素を、総量で1重量%以下含有さ
せることは本発明の効果を妨げるものではない。
【0018】また、本発明の軟磁性材にクラッドされる
非磁性材としては、Cu,Cu−Ni−Zn系合金(洋
白),Cu−Ni系合金(キュプロニッケル),非磁性
ステンレス鋼など、各種非磁性材を使用することが可能
である。なお、前記非磁性材の具体的構成は、Cu−N
i−Zn系合金としては、例えば、JIS C735
1,JIS C7451,JIS C7521,JIS
C7541,JISC7701,JIS C7941
などであり、またCu−Ni系合金としては、例えば、
JIS C7060,JIS C7150などであり、
また非磁性ステンレス鋼としては、例えばJIS SU
S304,JIS SUS316などが使用される。
非磁性材としては、Cu,Cu−Ni−Zn系合金(洋
白),Cu−Ni系合金(キュプロニッケル),非磁性
ステンレス鋼など、各種非磁性材を使用することが可能
である。なお、前記非磁性材の具体的構成は、Cu−N
i−Zn系合金としては、例えば、JIS C735
1,JIS C7451,JIS C7521,JIS
C7541,JISC7701,JIS C7941
などであり、またCu−Ni系合金としては、例えば、
JIS C7060,JIS C7150などであり、
また非磁性ステンレス鋼としては、例えばJIS SU
S304,JIS SUS316などが使用される。
【0019】ここで、非磁性ステンレス鋼と軟磁性材と
の磁性クラッド材は、磁気ヘッド用としての磁気テープ
との摺動に対する耐摩耗性が向上するため好ましい。ま
たCuと軟磁性材との磁性クラッド材は、軟磁性材の磁
気シールド効果と共にCuによる電磁シールド性を合せ
持つことになり磁気シールド性がさらに向上する。
の磁性クラッド材は、磁気ヘッド用としての磁気テープ
との摺動に対する耐摩耗性が向上するため好ましい。ま
たCuと軟磁性材との磁性クラッド材は、軟磁性材の磁
気シールド効果と共にCuによる電磁シールド性を合せ
持つことになり磁気シールド性がさらに向上する。
【0020】磁性クラッド材の構成は、軟磁性材と非磁
性材を各1層以上含む2層以上のクラッド材であれば何
らその構成は限定されるものではない。例えば、軟磁性
材/非磁性材の2層クラッド材,非磁性材/軟磁性材/
非磁性材の3層クラッド材,非磁性材/軟磁性材/軟磁
性材/非磁性材の4層クラッド材,非磁性材/軟磁性材
/非磁性材/軟磁性材/非磁性材の5層クラッド材など
適宜その構成を採用することが可能である。
性材を各1層以上含む2層以上のクラッド材であれば何
らその構成は限定されるものではない。例えば、軟磁性
材/非磁性材の2層クラッド材,非磁性材/軟磁性材/
非磁性材の3層クラッド材,非磁性材/軟磁性材/軟磁
性材/非磁性材の4層クラッド材,非磁性材/軟磁性材
/非磁性材/軟磁性材/非磁性材の5層クラッド材など
適宜その構成を採用することが可能である。
【0021】なお、磁性クラッド材として十分な磁気シ
ールド性を得るためには、軟磁性材の厚さは磁性クラッ
ド材の厚さの10%以上が好ましい。好ましくは30%
以上であり、さらに好ましくは50〜90%である。こ
の軟磁性材の厚さとは、軟磁性材が複数層存在する場合
にはそれらの厚さを合わせた厚さである。
ールド性を得るためには、軟磁性材の厚さは磁性クラッ
ド材の厚さの10%以上が好ましい。好ましくは30%
以上であり、さらに好ましくは50〜90%である。こ
の軟磁性材の厚さとは、軟磁性材が複数層存在する場合
にはそれらの厚さを合わせた厚さである。
【0022】本発明の磁性クラッド材の製造方法の一例
を説明すると下記の通りである。下記の製造方法の一例
は、軟磁性材/非磁性材としてのCu−Ni合金(キュ
プロニッケル)の2層クラッド材の場合である。
を説明すると下記の通りである。下記の製造方法の一例
は、軟磁性材/非磁性材としてのCu−Ni合金(キュ
プロニッケル)の2層クラッド材の場合である。
【0023】まず、所定組成の本発明の軟磁性合金およ
びキュプロニッケルを常法により溶解、鋳造しインゴッ
トを得る。得られたインゴットに鍛造,熱間圧延などの
熱間加工および冷間圧延などの冷間加工を施し、本発明
組成の軟磁性合金板およびキュプロニッケル板を得る。
びキュプロニッケルを常法により溶解、鋳造しインゴッ
トを得る。得られたインゴットに鍛造,熱間圧延などの
熱間加工および冷間圧延などの冷間加工を施し、本発明
組成の軟磁性合金板およびキュプロニッケル板を得る。
【0024】得られた軟磁性材板およびキュプロニッケ
ル板を各々1層ずつ2層積層し、冷間圧着により、2層
のクラッド材を得る。次に、このクラッド材をさらに冷
間圧延し、所定厚さおよび比率の磁性クラッド材を得
る。
ル板を各々1層ずつ2層積層し、冷間圧着により、2層
のクラッド材を得る。次に、このクラッド材をさらに冷
間圧延し、所定厚さおよび比率の磁性クラッド材を得
る。
【0025】それらの磁性クラッド材は、磁気シールド
部品として使用され、例えば磁気ヘッド用の磁気シール
ドケースとして使用される場合には、さらに磁性クラッ
ド材をプレスにより絞り加工を施され所定形状の磁気シ
ールドケースとし、磁気コアなどが内部に配置される。
また、例えば磁気シールド板として使用される場合に
は、さらに磁性クラッド材をプレス打ち抜きにより所定
形状の磁気シールド板ととなる。
部品として使用され、例えば磁気ヘッド用の磁気シール
ドケースとして使用される場合には、さらに磁性クラッ
ド材をプレスにより絞り加工を施され所定形状の磁気シ
ールドケースとし、磁気コアなどが内部に配置される。
また、例えば磁気シールド板として使用される場合に
は、さらに磁性クラッド材をプレス打ち抜きにより所定
形状の磁気シールド板ととなる。
【0026】これらの磁性シールド部品は、磁性焼鈍と
して、水素雰囲気中で、例えば1000℃近辺で所定時
間(例えば1時間)の条件で熱処理を加えて最終的な磁
気シールド部品を得る。
して、水素雰囲気中で、例えば1000℃近辺で所定時
間(例えば1時間)の条件で熱処理を加えて最終的な磁
気シールド部品を得る。
【0027】
【実施例】下記表1に示す各組成の軟磁性材について溶
解,鋳造しインゴットを得た。得られたインゴットに対
し、熱間鍛造および熱間圧延などの熱間加工、さらには
冷間圧延などの冷間加工を行い、厚さ0.5mmの軟磁性
材板を得た。
解,鋳造しインゴットを得た。得られたインゴットに対
し、熱間鍛造および熱間圧延などの熱間加工、さらには
冷間圧延などの冷間加工を行い、厚さ0.5mmの軟磁性
材板を得た。
【0028】得られた各軟磁性材板の単体での磁気特性
を評価するために、各軟磁性材板よりプレス打ち抜きに
よりリングサンプル(外径10mm,内径6mm)を作成
し、透磁率(μm)を測定した。その結果を併せて表1
に示す。
を評価するために、各軟磁性材板よりプレス打ち抜きに
よりリングサンプル(外径10mm,内径6mm)を作成
し、透磁率(μm)を測定した。その結果を併せて表1
に示す。
【0029】また、非磁性材板として常法により、厚さ
0.5mmの表1に示す各非磁性材を得た。得られた各軟
磁性材板と非磁性材板を冷間圧着し、表1に示す構成お
よび比率のクラッド材を得た。
0.5mmの表1に示す各非磁性材を得た。得られた各軟
磁性材板と非磁性材板を冷間圧着し、表1に示す構成お
よび比率のクラッド材を得た。
【0030】得られたクラッド材を、さらに冷間圧延
し、厚さ0.5mmの磁性クラッド材を得た。得られた磁
性クラッド材に対し、表1に示す熱処理条件により磁性
焼鈍を施した。
し、厚さ0.5mmの磁性クラッド材を得た。得られた磁
性クラッド材に対し、表1に示す熱処理条件により磁性
焼鈍を施した。
【0031】得られた磁性クラッド材の磁気特性を評価
するために、各磁性クラッド材よりプレス打ち抜きによ
りリングサンプル(外径10mm,内径6mm)を作成し、
透磁率(μm)を測定した。その結果を併せて表1に示
す。
するために、各磁性クラッド材よりプレス打ち抜きによ
りリングサンプル(外径10mm,内径6mm)を作成し、
透磁率(μm)を測定した。その結果を併せて表1に示
す。
【0032】なお、磁性クラッド材の透磁率の測定は軟
磁性材の部分のみの断面積で測定した。また、比較とし
て従来使用されている軟磁性材および本発明の組成範囲
外の軟磁性材を、上記と同様の製造方法により製造し、
厚さ0.5mmの軟磁性材板を得た。
磁性材の部分のみの断面積で測定した。また、比較とし
て従来使用されている軟磁性材および本発明の組成範囲
外の軟磁性材を、上記と同様の製造方法により製造し、
厚さ0.5mmの軟磁性材板を得た。
【0033】得られた各軟磁性材板の単体での磁気特性
を評価するために、各軟磁性材板よりプレス打ち抜きに
よりリングサンプル(外径10mm,内径6mm)を作成
し、透磁率(μm)を測定した。その結果を併せて表1
に示す。
を評価するために、各軟磁性材板よりプレス打ち抜きに
よりリングサンプル(外径10mm,内径6mm)を作成
し、透磁率(μm)を測定した。その結果を併せて表1
に示す。
【0034】そして、得られた各比較例の軟磁性材板と
非磁性材板を用い、上記実施例と同様に磁性クラッド材
を製造し、得られた比較例の磁性クラッド材の磁気特性
を評価するために、各磁性クラッド材よりプレス打ち抜
きによりリングサンプル(外径10mm,内径6mm)を作
成し、透磁率(μm)を測定した。その結果を併せて表
1に示す。
非磁性材板を用い、上記実施例と同様に磁性クラッド材
を製造し、得られた比較例の磁性クラッド材の磁気特性
を評価するために、各磁性クラッド材よりプレス打ち抜
きによりリングサンプル(外径10mm,内径6mm)を作
成し、透磁率(μm)を測定した。その結果を併せて表
1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】上記表1より明らかなように、磁性クラッ
ド材とした場合の軟磁性材単体からの透磁率の低下は、
本発明の実施例の試料1〜24は比較例の試料25〜3
4に比較し、軟磁性材単体からの透磁率の低下、すなわ
ち磁気特性の劣化が小さく、優れた磁気シールド性を有
する磁性クラッド材を得ることができた。
ド材とした場合の軟磁性材単体からの透磁率の低下は、
本発明の実施例の試料1〜24は比較例の試料25〜3
4に比較し、軟磁性材単体からの透磁率の低下、すなわ
ち磁気特性の劣化が小さく、優れた磁気シールド性を有
する磁性クラッド材を得ることができた。
【0037】上記本発明の磁性クラッド材を用い、プレ
スにより絞り加工により所定形状の磁気シールドケース
を製造した。また、上記本発明の磁性クラッド材を用
い、プレス打ち抜きにより所定形状の磁気シールド板を
製造した。得られた磁気シールドケースおよび磁気シー
ルド板のいずれにおいても、優れた磁気シールド性を有
していた。
スにより絞り加工により所定形状の磁気シールドケース
を製造した。また、上記本発明の磁性クラッド材を用
い、プレス打ち抜きにより所定形状の磁気シールド板を
製造した。得られた磁気シールドケースおよび磁気シー
ルド板のいずれにおいても、優れた磁気シールド性を有
していた。
【0038】
【発明の効果】従来の磁性クラッド材における問題点を
解決し、クラッド時における機械的応力による歪みの影
響を受けたとしても磁気特性の劣化が少なく、十分な磁
気シールド性を有する磁性クラッド材およびそれを用い
た磁気シールド部品を提供することが可能となる。
解決し、クラッド時における機械的応力による歪みの影
響を受けたとしても磁気特性の劣化が少なく、十分な磁
気シールド性を有する磁性クラッド材およびそれを用い
た磁気シールド部品を提供することが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/11 Z 25/04 101 S 33/14 E H01F 1/16
Claims (3)
- 【請求項1】 軟磁性材と非磁性材よりなる磁性クラッ
ド材であって、前記軟磁性材が重量%でニッケル55〜
85%,銅2〜27%,マンガン2〜27%,シリコン
0.1〜3%,モリブデン7%以下(0%を含む),ク
ロム7%以下(0%を含む)および残部実質的に鉄(但
し、銅とマンガンの合量は6重量%以上)よりなること
を特徴とする磁性クラッド材。 - 【請求項2】 軟磁性材と非磁性材よりなる磁性クラッ
ド材を用いた磁気シールド部品であって、前記軟磁性材
が重量%でニッケル55〜85%,銅2〜27%,マン
ガン2〜27%,シリコン0.1〜3%,モリブデン7
%以下(0%を含む),クロム7%以下(0%を含む)
および残部実質的に鉄(但し、銅とマンガンの合量は6
重量%以上)よりなる磁性クラッド材を用いたことを特
徴とする磁気シールド部品。 - 【請求項3】 磁気シールド部品は、磁気ヘッド用の磁
気シールドケースおよび/または磁気シールド板である
ことを特徴とする請求項2に記載の磁気シールド部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6147240A JPH0818272A (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 磁性クラッド材およびそれを用いた磁気シールド部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6147240A JPH0818272A (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 磁性クラッド材およびそれを用いた磁気シールド部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0818272A true JPH0818272A (ja) | 1996-01-19 |
Family
ID=15425751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6147240A Pending JPH0818272A (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 磁性クラッド材およびそれを用いた磁気シールド部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0818272A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005069712A1 (ja) * | 2004-01-19 | 2005-07-28 | Japan Science And Technology Agency | 木質系電波吸収材 |
JP2018056562A (ja) * | 2016-09-23 | 2018-04-05 | 積水化学工業株式会社 | λ/4型電波吸収体用抵抗皮膜及びλ/4型電波吸収体 |
-
1994
- 1994-06-29 JP JP6147240A patent/JPH0818272A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005069712A1 (ja) * | 2004-01-19 | 2005-07-28 | Japan Science And Technology Agency | 木質系電波吸収材 |
GB2430078A (en) * | 2004-01-19 | 2007-03-14 | Japan Science & Tech Agency | Woody electric wave absorber |
GB2430078B (en) * | 2004-01-19 | 2008-04-16 | Japan Science & Tech Agency | Woody electric wave absorber |
US7544427B2 (en) | 2004-01-19 | 2009-06-09 | Incorporated National University Iwate University | Woody electric-wave-absorbing building material |
JP2018056562A (ja) * | 2016-09-23 | 2018-04-05 | 積水化学工業株式会社 | λ/4型電波吸収体用抵抗皮膜及びλ/4型電波吸収体 |
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