JPH08182107A - 集電装置の支持部 - Google Patents

集電装置の支持部

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JPH08182107A
JPH08182107A JP34087994A JP34087994A JPH08182107A JP H08182107 A JPH08182107 A JP H08182107A JP 34087994 A JP34087994 A JP 34087994A JP 34087994 A JP34087994 A JP 34087994A JP H08182107 A JPH08182107 A JP H08182107A
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吉伸 藤田
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稲生 堺井
Hiroyuki Kishimoto
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Takamasa Yamashita
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄道車両の走行時に、集電装置の支持部から
発生する空力音を低減化させる。 【構成】 鉄道車両の屋根に設置される集電装置の支持
部1の左右両側面に、実質的に鉛直方向に連続する凸部
10を設ける。凸部の断面形状は、三角形・正方形・半
円形などとする。 【効果】 車両走行時に集電装置から発生する騒音のう
ち、支持部に由来するものは全体の約3分の2を占める
と考えられているから、支持部から発生する空力音の低
減化の実現は、鉄道車両の騒音対策上、きわめて有効で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】時速300kmを越える高速走行
に適した低空力音型の集電装置として、翼形の集電舟と
これを支える柱状の支持部とから成る構造のものが提案
されている。本発明は、かかる低空力音型集電装置にお
いて、支持部から発生する空力音のさらなる低減化を目
的とするものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の屋根に設置されトロリー線か
ら電流を取り込むための集電装置として一般に使用され
ているのはパンタグラフ式構造のものであるが、これに
代わり時速300kmを越える高速走行に対応可能なも
のとして、図32に示す如く、トロリー線と接する摺板
31を上面に、またホーン部32を側部に、それぞれ装
着した翼形の集電舟33と、車両屋根40に立設され集
電舟33を支持する柱状の支持部34とで構成した低空
力音型の集電装置30が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記集電装
置30は、従来のパンタグラフ式構造に比べると、発生
する空力音レベルの格段な低減化に成功しているが、本
出願人は、より一層の騒音解消を図るべく各構成部材に
ついて検討を進めた結果、集電舟33を支える支持部3
4から発生する空力音が、集電装置30全体から発生す
る騒音のかなりの割合を占めるという知見を得た。そこ
で、この知見に基づき、支持部34について何らかの空
力音対策を講じることができれば、騒音の低減化に大き
な寄与を果たすことができると考えられる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両走行時に
支持部から発生する空力音の低減化するための手段を提
供するものである。本発明が採用する空力音の低減化手
段の特徴とするところは、支持部の表面の全体又は一部
に、非平滑構造を設けることである。
【0005】なお、支持部表面に設ける前記非平滑構造
については、さまざまな具体的態様が考えられるが、実
際的であると思われる4つの態様を以下に掲げる。第1
の態様は、前記非平滑構造が、支持部の表面に、実質的
に鉛直方向に設けられた凸部であることである。
【0006】第2の態様は、前記非平滑構造が、支持部
の表面に、実質的に水平方向に設けられた複数の凸部で
あることである。
【0007】第3の態様は、前記非平滑構造が、支持部
の表面に、傾斜させて設けられた凸部であることであ
る。
【0008】第4の態様は、前記非平滑構造が、支持部
表面に設けられた、特定の方向性を持たない凸部又は凹
部から成っていることである。
【0009】なお、支持部の水平断面形状は、円形・楕
円形・長円形又は円弧と直線との組み合わせから成る形
状とすることが望ましい。
【0010】
【作用】支持部から生ずる騒音の主たる成分が、カルマ
ン渦の発生によるエオルス音にあると見られることか
ら、何らかの方策により、支持部の表面及び表面近傍を
通過した空気によるカルマン渦の発生を抑止すれば、空
力音を低減化できると考えられる。本発明では、支持部
の表面に、非平滑構造を設けることにより、後述する風
洞実験により証明される如く、従来の表面平滑な支持部
と比較して、空力音レベルの低減化がもたらされる。こ
れは、支持部表面の非平滑構造によって、そのメカニズ
ムの詳細は不明であるが、車両走行時に進行方向に対し
支持部の後方側に形成されるカルマン渦の生成が抑止さ
れるためであろうと推測される。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る支持部の各種実施例を図
面に基づいて説明する。なお、図面には、集電舟等の周
辺機器を省略して、支持部のみの概略構成を示した。 〔第1実施例〕図1に、本発明の第1実施例を示す。本
実施例の支持部1は、水平断面が車両進行方向に対して
前後左右対称で且つ車両進行方向を長手方向とする長円
形に形成され、左右両側面それぞれにおける前後方向の
中央位置に、鉛直方向に連続する凸部10を形成したも
のである。
【0012】本実施例が採用する支持部1の水平断面形
状について、若干詳しい説明を加える。図(B)に示す
如く、当該断面形状は、前後の端部領域α・側方領域β
及び中央領域γの3種類の部分から構成されている。前
後の端部領域α及び側方領域βはいずれも円弧から成
り、直線状の中央領域γに連なっている。通常、端部領
域αの曲率半径は、側方領域βの曲率半径よりも小さく
設定される。また前記凸部10は、中央領域γに形成さ
れる。
【0013】図1の実施例では、前記凸部10の断面形
状を、頂点kを直角とする直角二等辺三角形としてい
る。その高さh(同図C参照)は、支持部1の形状や寸
法、また搭載される車両の走行速度等に応じて最適とな
るように決められる。例えば、支持部1の形状及び寸法
が前述の例に従い、車両の最高速度が時速300kmの
場合、凸部10の高さhは、通常、2乃至25mmの範
囲で設定される。但し、高さhがある程度以上になる
と、高速の空気流から受ける空力の影響で、支持部1に
振動を与えるおそれがあるので、実際的には10mm以
下とするのが好ましいと考えられる。
【0014】凸部10の断面形状は、図1に示す直角二
等辺三角形以外にさまざまな変形が可能である。例え
ば、断面を三角形とする場合でも直角三角形以外の二等
辺三角形や正三角形も可能である。さらに、図2の
(A)の半円形、(B)の正方形、(C)の長方形、
(D)の正方形又は長方形の上端に半円を合体させた形
状(以下「方円形」と言う)等なども考えられる。但
し、これらの図形は、原則として左右対称形であること
が望ましい。
【0015】〔第2実施例〕支持部1に設ける凸部10
は、側面の中央部以外に、図3に示す如く、前後左右対
称に適宜間隔dを空けて平行に設けることも妨げない。
本実施例では、各凸部10の断面形状を直角二等辺三角
形とし、前後間隔dを約60〜200mmに設定してあ
るが、これら断面形状及び前後間隔dは、実施の態様に
応じて最適な状態が選択される。
【0016】なお、本実施例の如く複数個の凸部10を
平行に設ける場合、各凸部10の断面形伏は必ずしも二
等辺三角形や半円,長方形の如く軸対称な図形である必
要はなく、例えば各凸部10がそれぞれ不等辺三角形で
あっても、支持部1の左右方向の中心線e−eに対し前
後対称であればよい。また図面には、支持部1の左右側
面それぞれに2本の平行な凸部10,10を設けた例を
示しているが、3本以上の平行な凸部10を設けること
も妨げない。
【0017】〔第3実施例〕支持部1に設ける凸部は連
続的である必要はなく、鉛直方向に断続的に設けること
も妨げない。このような断続的凸部10の形成例を図4
に示す。本実施例では、凸部10の水平断面を正方形と
し、当該凸部10の鉛直方向長さfと、各凸部10どう
しの形成間隙gを等しい寸法に設定してある。勿論、上
記fとgとの関係に適宜変更し得るものである。
【0018】この実施例の応用として、凸部10の形状
又は寸法を部分的に異ならせることが考えられる。支持
部1周囲の基材等の設置状況によって、支持部1の表面
上を通過する空気流の速度分布は必ずしも一様となると
は限らない。例えば、支持部1の上端部付近と基端部付
近とで、空気流の速度に遅速差が生ずることも有り得る
と思われる。そこで、図5に例示する如く、実際の空気
流の状態に合わせて、空力音の発生を最も効率的に抑制
し得るよう凸部10の高さや形状等を部分的に変えても
よい。同図(A)は波形凸部70を形成した例、同図
(B)は凸部10に適宜間隙を置いて長短2種類の凸部
10a,10bを組み合わせて配置した例であるが、こ
れら以外に、凸部10の形状は様々な応用が可能であ
る。
【0019】〔第4実施例〕支持部1の側面に設ける凸
部は鉛直方向以外に、図6に示す如く、実質的に水平な
方向に設けることも考えられる。但し、この場合、実用
的な程度まで騒音低減化効果を発揮させるためには、水
平方向の凸部20を複数本平行に形成することが必要で
ある。本実施例では、同図(B)に示すように、直径r
が約2mmの線材を、その配設ピッチpを約5mmに設
定して支持部1の表面へ実質的に水平方向に取着するこ
とにより、凸部20となした。従って、本例の場合、各
凸部20どうしの間隔qは約3mmである。なお、例示
するp,q,rの各寸法は、適宜変更することを妨げな
い。
【0020】〔風洞実験〕本発明の空力音低減化効果を
確認するため、前記第1〜第4実施例に掲げる凸部構造
を備えた支持部を供試体として用い、後述する要領によ
り風洞実験を行った。供試体について説明すると、試番
〜Eは第1実施例に係るものであり、そのうちA
〜Aは凸部の水平断面形状を直角二等辺三角形とし高
さhを3,7及び10mmとしたもの(図1参照)、B
・Bは断面形状を半円形とし半径を3及び6mmと
したもの(図2(A)参照)、C〜Cは断面形状を
正方形とし一辺の長さを3,6,8,10及び12mm
としたもの(図2(B)参照)、Dは断面形状を高さ2
4mm幅12mmの長方形としたもの(図2(C)参
照)、Eは断面形状を高さ18mm幅12mmの方円形
としたもの(図2(D)参照)である。試番のF・F
は第2実施例に係るものであって、断面が正方形であ
る2本の凸部を所定の前後間隔d=200mmを置いて
平行に配置し(図3参照)、正方形の一辺の長さをそれ
ぞれ3mm及び8mmに設定したものである。試番Gは
第3実施例に係り、断面が一辺8mmの正方形であって
鉛直方向長さfが50mmの凸部を、50mmの形成間
隔gを置いて断続的に配置したもの(図4参照)であ
る。試番Hは第4実施例に掲げる具体例に即したもので
あって、凸部は断面円形の線材を水平方向に取着して成
り、線材の直径r=約2mm、配設ピッチ=約5mm、
線材どうしの間隙q=約3mmに設定されている(図6
参照)。なお比較例として、凸部を形成していない支持
部1のみのもの(図7参照)を用いた。各供試体におけ
る凸部の形状及び寸法は表1にまとめる通りである。
【0021】
【表1】
【0022】支持部1の基本形状及び寸法はいずれの供
試体についても共通であり、水平断面形状は第1実施例
において説明したものに準ずる。すなわち、曲率の異な
る円弧から成る前後の端部領域αと側方領域β及び直線
状の中央領域γの3種類の部分から構成されている(図
1参照)。そして、水平断面形状の具体的寸法は、前後
方向の長さ寸法L=約350mm、幅寸法W=約144
mm、前後の端部領域αの曲率半径=約20mm、側方
領域βの曲率半径=約210mm、直線状の中央領域γ
の長さ=約57mmにそれぞれ設定されている。
【0023】空力音の測定方法は、供試体を風洞中に置
き、開口寸法が400mm×480mmの風洞口から時
速300kmの風を送って、供試体の側方へ2000m
m離れた位置に置いたマイクロフォンMにより、空力音
を測定する。
【0024】実験結果を、表2及び図8〜図15のグラ
フに示す。表2は、25〜10kHzの周波数帯域にお
ける空力音発生レベルを3分の1オクターブバンドごと
に測定した値、及び、全周波数帯域における空力音の全
体レベル値(いずれも単位dB)を示すものである。
【0025】
【表2】
【0026】前記表2に基づいて作成したグラフが図8
〜図15であり、縦軸は空力音レベル(単位dB)、横
軸は3分の1オクターブバンド周波数(単位Hz)であ
る。但し図12のグラフだけは、横軸が凸部の高さ寸法
(mm)を表している。図8〜12は第1実施例に関
し、図8は断面三角形の凸部を設けた場合、図9は断面
正方形の凸部を設けた場合、図10は断面が半円形・長
方形又は方円形の凸部を設けた場合の測定結果である。
これらのグラフから、どのような断面形状であっても、
支持部の側面に凸部を形成することにより、凸部を有し
ないもの(I)と比べて空力音レベルを低減化できるこ
とが分かる。
【0027】ところで、図8及び図9から、同一断面形
状であれば、高さ寸法の大きいものほど空力音の低減化
効果(特にピーク値の低減化効果)が大きくなるという
結果が得られている。また図11は、断面形状は異なる
が高さ寸法が等しい凸部について比較したグラフである
が、このグラフから、断面形状が違っても、凸部の高さ
寸法が等しければほぼ同等の空力音低減化効果を奏する
ものと考えられる。従って、空力音の低減化には、凸部
の断面形状よりも、凸部の高さ寸法の方が重要な要素と
して機能すると推測される。図12に、各種断面形状の
凸部について、その高さ寸法と空力音の全体レベルとの
関係を示したが、断面形状の種類に関わらず、凸部高さ
が大きいものほど空力音レベルが低下する傾向が明らか
であり、これは前記推測を裏付けるものと言える。
【0028】なお、空力音レベルは、凸部の高さ寸法に
基本的に依存するが、凸部の断面形状の種類によっても
若干ながら差異が生じている。図12のグラフにおい
て、同一高さ寸法で比較したときに、凸部の断面形状が
正方形のもの(□)は半円形のもの(○)よりも、さら
にまた直角二等辺三角形のもの(▲)は断面が正方形の
ものよりも、幾分空力音レベルが低くなる傾向にある。
【0029】図13は第2実施例に関するものである。
このグラフから、支持部に複数の凸部を設けることによ
っても、空力音の低減化に有効であることが分かる。
【0030】図14のグラフから第3実施例に係る断続
的に形成した凸部が、また図15のグラフから第4実施
例に係る水平方向に形成した凸部が、それぞれ空力音の
低減化に有効に作用することが分かる。
【0031】以上説明したように、本発明は、前述する
第1〜第4実施例のいずれの態様を採用したとしても、
空力音の低減化を実現するものであることが理解され
る。但し、実際的には、凸部の断面形状及び高さ寸法に
より、振動などを発生させる場合があるので、その点を
考慮する必要がある。実験によると、時速300kmの
高速走行を行う場合、断面が正方形や長方形のもの、及
び、高さ寸法の大きいものは、比較的振動を発生させ易
いとされている。断面形状は、三角形とするのが好まし
いと考えられる。また、高さ寸法については10mm以
下、最適には5mm以下とするのが好ましい。
【0032】本発明の実施例は、前記第1〜第4実施例
に述べた態様以外に様々な応用が可能であるので、それ
らについて補足説明する。 〔応用例1〕まず、本発明の第1の態様に関する応用例
として、図16に示すように、鉛直方向の凸部10を千
鳥状に配置することが考えられる。 〔応用例2〕本発明の第2態様に関する応用例として、
図17に示すような、水平段部21を形成してもよい。 〔応用例3〕本発明において、支持部表面の凸部の形成
方向は、鉛直・水平以外に、適宜角度を持った傾斜方向
とすることができる。例を挙げると、図18は支持部1
表面にスパイラル状の凸部50を形成したもの(応用例
3−1,2)、図19は所定角度の傾斜凸部10を一定
間隔を置いて配置したもの(応用例3−3)、図20は
傾斜凸部10をジグザクに配置したものであって、この
場合、同図(A)のように各傾斜凸部10間に隙間を形
成する態様と、同図(B)のように各傾斜凸部10を連
続的に又は密接させて形成する態様とが考えられる(応
用例3−4)。さらに図21の如く、ジグザグに配置し
た傾斜凸部10を適宜間隔を置いて2列設けてもよい
(応用例3−5)。 〔応用例4〕支持部表面に設ける凸部は特定の方向性を
持たないものとすることもできる。無方向性凸部とは、
例えば図22に示すような、支持部1の表面全体又は一
部に設けた格子状の凸部60が挙げられる。
【0033】前述する応用例1〜4について、前記第1
〜第4実施例と同様に風洞実験を行ったところ、いずれ
の態様についても、空力音の低減化効果が認められた。
試験に供した各応用例の具体的構造は表3に掲げる通り
である。
【0034】
【表3】
【0035】各応用例の風洞実験における空力音測定結
果は、表4の通りであり、この表4に基づいて作成した
グラフを、図23乃至図30に掲げる。
【0036】
【表4】
【0037】表4の測定結果及びグラフから明らかなよ
うに、全ての例において、周波数特性で見た場合の空力
音の最大レベルの低下、及び、全周波数帯域で見た場合
の空力音の全体レベルの低下が認められる。すなわち、
空力音の低減化に有効であることが分かった。
【0038】〔その他の実施例〕本発明を実施するうえ
での具体的形態は、前記実験を行ったもの以外にさまざ
な実施可能性を有しており、例えば、無方向性凸部を設
ける場合、図31(A)のように、多数の突起80を吹
き付け塗装等の手法により支持部1の表面に形成した
り、反対に、同図(B)の如く、多数の凹部90を支持
部1表面に形成してディンプル状とすることも考えられ
る。
【0039】また凸部は、中空であっても中実であって
もよく、その断面形状については台形なども採用可能で
あり、さらに支持部と一体形成することも又別体に形成
してあとから取着することもできる。
【0040】さらに、線材を、支持部1の表面にスパイ
ラル状に巻回する場合、そのリード角の設定は、大きく
も小さくもできる。
【0041】支持部についていえば、その断面形状は、
実施例に掲げた曲線と直線との組み合わせのほか、楕円
形・長円形等曲線のみからなる図形としてもよい。
【0042】その他、本発明は、実施の状況に応じて適
宜変更することを妨げない。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、集電装置の支持部表面
に非平滑構造を設けることにより、当該支持部から発生
する空力音を低減化することが可能である。実施例の風
洞実験によれば、時速300kmの高速走行時におい
て、2〜10dBの空力音全体レベルの低減化を見込む
ことができる。集電装置から発生する騒音のうち、支持
部に由来するものは全体の約3分の2を占めると考えら
れているから、支持部から発生する空力音の低減化を実
現する本発明は、鉄道車両の騒音対策上、きわめて有効
な手段を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第I実施例を示すものであって、
(A)は支持部の斜視図、(B)は支持部の水平断面
図、(C)は凸部の拡大断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る凸部の各種断面形状
を例示する断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示すものであって、
(A)は支持部の斜視図、(B)は支持部の水平断面図
である。
【図4】本発明の第3実施例を示すものであって、
(A)は支持部の斜視図、(B)は凸部の垂直断面図で
ある。
【図5】本発明の第3実施例の別態様を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の第4実施例を示すものであって、
(A)は支持部の斜視図、(B)は凸部の垂直断面図で
ある。
【図7】風洞実験に用いた比較例(支持部のみ)を示す
ものであり、(A)は斜視図、(B)は水平断面図であ
る。
【図8】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示す
グラフであって、第1実施例のうち断面三角形の凸部を
設けた場合のものである。
【図9】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示す
グラフであって、第1実施例のうち断面正方形の凸部を
設けた場合のものである。
【図10】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、第1実施例のうち断面半円形・長方
形・方円形の凸部を設けた場合を併せて示すものであ
る。
【図11】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、同一高さ寸法で断面形状が異なる凸
部の比較を示すものである。
【図12】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、高さ寸法と空力音の全体レベルとの
関係を示すものである。
【図13】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、第2実施例に関するものである。
【図14】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、第3実施例に関するものである。
【図15】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、第4実施例に関するものである。
【図16】本発明の応用例1を示すものであって、
(A)は支持部の斜視図、(B)は支持部の部分拡大図
である。
【図17】本発明の応用例2を示すものであって、
(A)は支持部の斜視図、(B)は支持部の部分側面
図、(C)は支持部の部分拡大断面図である。
【図18】本発明の応用例3−1及び2を示すものであ
って、(A)は支持部の斜視図、(B)は支持部の側面
図である。
【図19】本発明の応用例3−3を示すものであって、
支持部の側面図である。
【図20】本発明の応用例3−4を示すものであって、
支持部の部分拡大側面図であり、(A)は傾斜凸部間に
すきまを設けた例、(B)は傾斜凸部を連続的に設けて
すきま無しとした例である。
【図21】本発明の応用例3−5を示すものであって、
支持部の側面図である。
【図22】本発明の応用例4を示すものであって、支持
部の側面図である。
【図23】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、応用例1に関するものである。
【図24】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、応用例2に関するものである。
【図25】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、応用例3−1に関するものである。
【図26】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、応用例3−2に関するものである。
【図27】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、応用例3−3に関するものである。
【図28】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、応用例3−4に関するものである。
【図29】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、応用例3−5に関するものである。
【図30】風洞実験による空力音レベルの測定結果を示
すグラフであって、応用例4に関するものである。
【図31】本発明の他の実施例を示すものであって、
(A)は表面に突起を設けた支持部の斜視図、(B)は
表面に凹部を設けてディンプル状となした支持部の斜視
図である。
【図32】従来の集電装置の全体を示すものであって、
(A)は正面図、(B)は平面図である。
【符号の説明】
1 支持部 10 凸部 20 凸部 21 水平段部 50 スパイラル状凸部 60 格子状凸部 70 波形凸部 80 突起 90 凹部 h 支持部の高さ寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 高賢 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両の屋根に設置される集電装置の
    集電舟を支持する柱状の支持部において、その表面の全
    体又は一部に、非平滑構造が設けられていることを特徴
    とする集電装置の支持部。
  2. 【請求項2】 前記非平滑構造は、支持部の表面に、実
    質的に鉛直方向に設けられた凸部である請求項1に記載
    の集電装置の支持部。
  3. 【請求項3】 前記非平滑構造は、支持部の表面に、実
    質的に水平方向に設けられた複数の凸部である請求項1
    に記載の集電装置の支持部。
  4. 【請求項4】 前記非平滑構造は、支持部の表面に、傾
    斜させて設けられた凸部である請求項1に記載の集電装
    置の支持部。
  5. 【請求項5】 前記非平滑構造は、支持部表面に設けら
    れた、特定の方向性を持たない凸部又は凹部から成って
    いる請求項1に記載の集電装置の支持部。
  6. 【請求項6】 前記支持部の水平断面形状が、円形・楕
    円形・長円形又は円弧と直線との組み合わせから成る形
    伏である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の集電装
    置の支持部。
  7. 【請求項7】 前記支持部の水平断面形状は、車両進行
    方向に対して前後対称である請求項6に記載の集電装置
    の支持部。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002145059A (ja) * 2000-11-07 2002-05-22 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd 鉄道車両の連結部外幌
JP2006174662A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Hitachi Ltd 鉄道車両の集電装置
EP2700552A3 (de) * 2010-09-10 2014-08-13 Bombardier Transportation GmbH Fahrzeugkomponente mit einem Strömungsleitelement

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US8985676B2 (en) 2010-09-10 2015-03-24 Bombardier Transportation Gmbh Vehicle component comprising a flow guiding element

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