JPH0818137A - 高出力光増幅器 - Google Patents

高出力光増幅器

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JPH0818137A
JPH0818137A JP14514794A JP14514794A JPH0818137A JP H0818137 A JPH0818137 A JP H0818137A JP 14514794 A JP14514794 A JP 14514794A JP 14514794 A JP14514794 A JP 14514794A JP H0818137 A JPH0818137 A JP H0818137A
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JP
Japan
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glass
fiber
optical
optical amplifier
wavelength
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Application number
JP14514794A
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English (en)
Inventor
Yasutake Oishi
泰丈 大石
Makoto Shimizu
誠 清水
Teruhisa Kanamori
照寿 金森
Makoto Yamada
誠 山田
Shoichi Sudo
昭一 須藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Prの14準位の中心吸収波長(1.017
μm)と離れた発振波長の励起光源を用いても十分に高
い出力を得ることができる高出力光増幅器を提供するこ
とを目的としている。 【構成】 1.3μm発振の半導体レーザである信号光
源6と、光アイソレータ7,8と、Prの14準位の中
心吸収波長から離れた波長の励起光を発生する励起光源
4と、光カップラ2,5と、励起光源4からの励起光を
2分割して光カップラ2,5へ導く光スプリッタ10
と、コアにPrがドープされた増幅用光ファイバ3と、
光スペクトラムアナライザ9とから構成され、増幅用光
ファイバ3の長さは、励起光の波長でも十分な利得を得
ることができるよう上記中心吸収波長における最適長よ
り長く設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い出力特性を有する
1.3μm帯用の高出力光増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラセオジム(Pr)を光ファイ
バ、特にフッ化物ファイバのコアに添加したものを増幅
媒体とする光増幅器が、1.3μm帯用の光増幅器とし
て注目を集めている。Prを活性元素として用いた場
合、1.3μm帯の光増幅は、14準位から35準位へ
の誘導放出により起こる(図8参照)。
【0003】一般に、光増幅器を光通信システム中で用
いる場合、大別して2種類の使用方法がある。第1の使
用方法は、光増幅器をブースターアンプとして応用する
というものである。この場合、光増幅器は、光信号源の
出力を増大するために使われるため、大きな信号出力特
性が要求される。第2の使用方法は、光検出器の前段に
接続され、光ファイバ中を伝搬してきた減衰している光
信号を低雑音で増幅するプリアンプとして応用するとい
うものである。プリアンプに対する要求条件は微小信号
を低雑音で大きく増幅することであり、このような要求
条件を満たす光増幅器が用いられる。
【0004】これらの使用方法において、第1の方法
(ブースターアンプとして使用する場合)では、大きな
出力信号を得るために、光増幅器は、高い光強度でPr
が添加されたファイバを励起することが必要である。と
ころで、従来より、Pr添加ファイバ増幅器(以後、P
DFAという)には、励起光源として半導体レーザ(以
後、LDという)が用いられてきた(参考文献1:M.Sh
imizu et al OFC/100C'93 postdeadline papers PD12,1
993.)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LDに
よる励起では、最大でも300mW程度の励起が限界で
あり、PDFAの出力は、13dBm程度が限界であっ
た。ところが、ブースターアンプとして用いるには17
dBm程度の出力が要求されるため、PDFAの特性
は、ブースターアンプとして用いるには不十分なもので
あった。
【0006】ところで、Prの14準位の基底状態吸収
は、1.017μmを中心として±0.05μm以上の
波長帯に拡がっている。しかしながら、波長が中心波長
である1.017μmから離れるに従い、光の吸収断面
積は減少していき、中心波長以外では、励起光の吸収効
率は悪くなってしまう。もちろん、1.017μmに発
振波長を有する大出力の小型レーザ光源があれば、それ
を用いてブースターアンプ用のPDFAを構成すること
はできる。
【0007】しかしながら、現在のところ、そのような
光源は存在しておらず、次善の策として、1.047μ
mに発振波長を有する、Nd:YLF(YLiF4 )固
体レーザを励起光源とする試みが行れている(参考文献
2:T.Whitley et al OAA'92postdeadline papers PD4,
1992.)。発振波長が1.047μmである場合の吸収
断面積は、1.017μmの場合に比較して、約2分1
に低下してしまうため、1.017μm励起と比較する
と、励起効率が悪くなり、PDFAから大出力を取り出
すために必要な励起光の強度が増大してしまうと報告さ
れている(参考文献2)。
【0008】したがって、Nd:YLF固体レーザを励
起光源とした場合、励起光源を冷却するための周辺装置
も必要になり、PDFAの小型化が困難となる。このた
め、特に小型、省エネルギー型の装置であることが要求
される光通信用としては適用できないということが通説
になっている。こうしたことから、小型固体レーザとし
ては、Nd:YLFよりも長波長で発振するNd:YA
Gレーザ(発振波長は1.064μm)等が存在するも
のの、発振波長がNd:YLFレーザよりさらに長波長
にずれるため、Nd:YLFレーザよりも発振効率が良
いにもかかわらず、PDFAの励起光源としては全く使
用できないものと考えられている。
【0009】上述したように、従来では、14準位の中
心吸収波長(1.017μm)に十分に近接した発振波
長の励起光源が存在せず、また、当該中心吸収波長から
離れた発振波長の励起光源を用いた場合には、十分に高
い出力を得るために励起光の強度を増大する必要があ
り、PDFAを小型化することが困難であった。本発明
は上述した事情に鑑みて為されたものであり、14準位
の中心吸収波長(1.017μm)から離れた発振波長
の励起光源を用いても十分に高い出力を得ることができ
る高出力光増幅器、特にPDFAを提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の高出力光増幅器は、コアにPrが
添加された光ファイバを増幅媒体とし、該増幅媒体を励
起するための所定波長の励起光を発生する励起光源を備
え、前記励起光源は希土類または遷移金属が添加された
固体を増幅媒体としたレーザであり、前記光ファイバの
長さを前記励起光の波長と前記増幅媒体の増幅特性とに
基づいて設定することを特徴としている。
【0011】請求項2に記載の高出力光増幅器は、上記
構成において、前記励起光の波長がPrの14準位の中
心吸収波長から離れている場合には、前記光ファイバの
長さを、前記中心吸収波長における前記光ファイバの最
適長よりも長く設定することを特徴としている。請求項
3に記載の高出力光増幅器は、上記構成において、前記
レーザの増幅媒体は、Ndが添加された結晶体であるこ
とを特徴としている。請求項4に記載の高出力光増幅器
は、請求項1ないし3いずれかに記載のものにおいて、
前記レーザの増幅媒体は、陽イオンとしてY,Alを含
む酸化物の結晶体であることを特徴としている。
【0012】請求項5に記載の高出力光増幅器は、上記
構成において、前記光ファイバは、コアにPrおよびY
bを添加してなることを特徴としている。請求項6に記
載の高出力光増幅器は、上記構成において、前記光ファ
イバは、コア径がその長手方向に沿って変動しているこ
とを特徴としている。請求項7に記載の高出力光増幅器
は、上記構成において、前記光ファイバのクラッド中に
もPrを添加したことを特徴としている。
【0013】請求項8に記載の高出力光増幅器は、上記
構成において、前記励起光源は、コアにNdまたはYb
が添加されたガラスから成るファイバレーザ、あるいは
NdまたはYbが添加されたガラスを活性媒体とするガ
ラスレーザであることを特徴としている。請求項9に記
載の高出力光増幅器は、請求項8に記載のものにおい
て、NdまたはYbが添加された前記ガラスは、フッ化
物ガラス,リン酸ガラス,フツリン酸ガラス,シリカガ
ラス,ケイ酸塩ガラス,ボイントガラス,AlF3 −Z
rF4 フッ化物ガラス,あるいはフッ化ベリレイトガラ
スであることを特徴としている。
【0014】
【作用】上記構成によれば、励起光の波長および光ファ
イバの増幅特性に基づいて、光ファイバの長さを設定す
る。すなわち、Prの14準位の中心吸収波長から離れ
た波長で励起する場合にも、光ファイバの長さが適切に
設定され、得られる利得が著しく低下するということが
ない。このため、既存の安価な光源を励起光源として使
用可能となり、その場合でも十分に高い出力が得られ
る。
【0015】
【実施例】本発明の実施例について説明する前に、ま
ず、本発明の基本となる考え方について説明する。一般
に、所定波長の励起光をプラセオジム(Pr)添加ファ
イバに入射した場合、当該ファイバを所定の長さ(以
後、最適長という)にすることにより、当該ファイバか
ら最大の信号出力を得ることができる。これは、ファイ
バが不必要に長ければ(例えば、励起光が、ある長さで
全て吸収されている場合に、その長さより長いファイバ
を光増幅として用いた場合)、ファイバは有限の損失を
有するために、増幅された信号光が、ファイバ中の増幅
を受けない部分で減衰してしまうためである。
【0016】もちろん、上記最適長は、ファイバのコア
に添加するPrの濃度に依存するが、1.017μm励
起であって、かつ、Prの濃度が500ppmである場
合には、15m〜20m程度である。しかしながら、こ
の程度の長さのファイバを増幅媒体とした場合では、前
述したように、励起波長が1.017μmから離れれば
離れるほど、利得を得難くなり、出力される信号出力が
低下することになる。この様子は、一般に広く知られて
いるため、中心波長である1.017μmに発振波長が
合致した高出力レーザの開発が、従来より行われている
のである。
【0017】しかしながら、翻って考えれば、中心波長
以外の波長で励起した場合、利得が低下するのは、14
準位の吸収断面積が小さくなり、ファイバの一端へ入射
された励起光のパワーの全てがファイバ中のPrに吸収
されることなく、一部のパワーがファイバの他端より出
射されるためである。したがって、ファイバをより長く
すれば、入射された励起光はファイバ中のPrにより多
く吸収されることになり、利得は上昇する筈である。
【0018】すなわち、従来は、1.017μmと離れ
た波長で励起する場合にも、ファイバ長を適切に選択す
ること自体が知られていなかったため、1.017μm
の場合とほぼ同一の長さのファイバを使用しており、こ
れにより、利得が著しく低下していたということができ
る。これに対して、本発明では、励起波長に応じてファ
イバ長を選択することにより、既存の廉価な光源を励起
光源としても高い出力特性の光増幅器を構成できるよう
にしたものである。以下、上述した基本的な考え方に基
づいて為された本発明の実施例について、図面を参照し
て説明する。
【0019】〔第1実施例〕図1は、本発明の第1実施
例による高出力光増幅器の概略構成を示す図であり、こ
の図において、6は信号光源であり、本実例では、1.
3μm発振の半導体レーザを適用している。7,8はそ
れぞれ光アイソレータ、4は励起光源であり、本実施例
では、例えば、LD励起Ti:Al23(サファイヤ)
レーザを適用している。2,5は光カップラ、10は励
起光源4からの励起光を2分割して光カップラ2,5へ
導く光スプリッタ、3は増幅用光ファイバ、9は光スペ
クトラムアナライザである。
【0020】このような構成において、信号光源6から
の信号光は、光アイソレータ7および光カップラ2を介
して、増幅用光ファイバ3へ導かれ、当該増幅用光ファ
イバ3で増幅された後、光カップラ5および光アイソレ
ータ8を介して、光スペクトラムアナライザ9へ導かれ
る。ところで、本実施例では、増幅用光ファイバ3とし
て、コア・クラッド屈折率差3.7%、コア径1.8μ
m、コア中のPr濃度1000ppmのZrF4 系フッ
化物ファイバ(以後、単にフッ化物ファイバという)を
用いている。
【0021】ここで、図2を参照して、増幅用光ファイ
バ3の出力信号特性について考察する。図2は、励起光
強度を400mW一定とし、増幅用光ファイバ3の長さ
と励起光波長とをそれぞれ変えて、1.30μmの信号
光に対する利得の測定結果の一例を示した図である。こ
の図から、ファイバ長が所定の長さより長くなると、同
一のファイバ長では、1.017μmより長波長の励起
の方が、1.017μmの励起より高利得となることが
わかる。
【0022】例えば、ファイバ長が10mの場合には、
1.017μm励起の方が、1.064μm励起より、
約20dBだけ高利得となっているが、ファイバ長が6
0mの場合には、逆に、1.064μm励起の方が、
1.017μm励起より、約2dBだけ高利得となって
いる。また、ファイバ長が20mの場合の最大利得と、
ファイバ長が60mの増幅用光ファイバ3を1.064
μmで励起した場合の利得との差は、2dB以下となっ
ており、1.064μm励起でも十分大きな利得を得る
ことができるとことが確認された。
【0023】次に、増幅用光ファイバ3を1.017μ
m発振のLDで励起した場合(ファイバ長は20m)
と、1.064μm発振のNd:YAGレーザで励起し
た場合(ファイバ長は60m)との1.30μmの信号
強度の励起光強度依存性を、図3を参照して考察する。
なお、この図に示す信号強度は、1mWの強度の信号を
増幅用光ファイバ3へ入射した場合に得られたものであ
る。
【0024】図3から明らかなように、LD励起の場合
には、最大でも300mWの強度でしか励起できず、最
大信号出力も22mW程度であったが、Nd:YAGレ
ーザを用いると、800mWの強度まで励起可能であ
り、その際には、120mWの信号出力を得ることがで
きた。一般に、ブースターアンプとしてPDFAを使用
する場合、50mW以上の信号出力が要求される。した
がって、励起光源4としてNd:YAGレーザを用いた
場合、ブースターアンプとして十分に使用に耐え得る高
出力光増幅器を構成することができる。
【0025】〔第2実施例〕図4は、本発明の第2実施
例による高出力光増幅器の概略構成を示す図であり、こ
の図に示す高出力光増幅器は、2つの双方向励起光増幅
ユニットA,Bを、光アイソレータ11を介して直列に
接続して構成されている。なお、この図において、図1
の各部と共通する部分には同一の符号を付し、その説明
を省略する。
【0026】図4に示すように、双方向励起光増幅ユニ
ットAは、光カップラ2A,5Aと、バットジョイント
部14A,14Aと、希土類添加光ファイバからなる増
幅用光ファイバ3Aとから構成される。上記光カップラ
2Aの一方の入力端2Aaには、励起光源4が光スプリ
ッタ10′を介して接続され、他方の入力端2Abに
は、信号光源6が光アイソレータ7を介して接続され、
さらに、出力端2Acには、バットジョイント部14A
を介して希土類元素が添加された増幅用光ファイバ3A
の一端3Aaが接続されている。
【0027】また、光カップラ5aには、バットジョイ
ント部14Aを介して増幅用光ファイバ3Aの他端3A
bが接続され、光カップラ5aの出力端5aには、光ア
イソレータ11が接続されている。すなわち、双方向励
起光増幅ユニットAは、励起光源4からの励起光を、光
スプリッタ10′、光カップラ2A、および光ファイバ
3Aを介して入射し、かつ、光ファイバ3Aから伝搬さ
れる増幅信号光を出力端5Aaから出力する。
【0028】上述した双方向励起光増幅ユニットAと同
様に、双方向励起光増幅ユニットBは、一方の入力端2
Baに励起光源4が接続され、他方の入力端2Bbから
信号光が入力される第1の光カップラ2Bと、この光カ
ップラ2Bの出力端2Bcに一端3Baが接続された希
土類元素が添加された増幅用光ファイバ3Bと、この増
幅用光ファイバ3Bに接続され、励起光源4からの励起
光を光ファイバ3Bの他端3Bbから入射し、かつ、光
ファイバ3Bから伝搬される増幅信号光を出力端5Ba
から出力する光カップラ5Bとを備えている。
【0029】なお、本実施例において、上記励起光源4
としては、1.064μmで発振するLD励起Nd:Y
AGレーザ等が用いられる。また、上記光カップラ2A
は、信号光と励起光とを結合させ、増幅用光ファイバ3
Aへ入射するためものである。さらに、光カップラ5
A,2B,5Bは、増幅用光ファイバ3Aまたは3Bを
双方向励起させるものであり、特に、光カップラ5A,
2Bは、増幅用光ファイバ3Aから出射された信号光を
増幅用光ファイバ3Bへ導入するためのものである。ま
た、光カップラ5Bは、増幅用光ファイバ3Bからの増
幅信号光を出力するためのものである。
【0030】このような構成において、増幅用光ファイ
バ3Aで増幅された信号光は、光カップラ5A、光アイ
ソレータ11、光カップラ2Bを経由して光ファイバ3
Bへ入射され、ここで再度増幅されることになる。本出
願人は、上述した構成および動作の高出力光増幅器を用
いて増幅試験を行った。この試験に供した高出力光増幅
器の増幅用光ファイバ3Aとしては、コア径を1.6μ
m、長さを60m、コアクラッド比屈折率差「Δn」を
3.7%、コア中のPr3+の添加濃度を1000pp
m、コア組成がZrF4 (56)−BaF2 (16.
5)−LaF3 (3.5)−YF3 (2)−AlF3
(2.5)−LiF(7)−PbF2 (12.5モル
%)、クラッド組成がZrF4 (47.5)−BaF2
(23.5)−LaF3 (2.5)−YF3 (2)−A
lF3(4.5)−NaF(20モル%)のフッ化物フ
ァイバを用いた。また、増幅用光ファイバ3Bとして、
増幅用光ファイバ3Aと同一のものを使用した。このよ
うな増幅試験の結果、前述した第1実施例による高出力
光増幅器と同様、1.30μmの光信号を入射させ、出
力強度を測定したところ、励起光が800mWのとき1
20mW以上の出力が得られた。
【0031】〔第3実施例〕本発明の第3実施例による
高出力光増幅器の構成が、上述した第2実施例によるも
のと異なる点は、励起光源4(図4参照)として、N
d:YLF(発振波長:1.053μm)を用いた点で
ある。本実施例による高出力光増幅器を用いて増幅実験
を行ったところ、800mWの励起で120mW以上の
信号出力が得られた。
【0032】〔第4実施例〕本発明の第4実施例による
高出力光増幅器の構成が、前述した第2実施例によるも
のと異なる点は、増幅用光ファイバ3Bとしてコア・ク
ラッド屈折率差3.7%、コア径2.2μm、長さ60
m、コア中のPr濃度1000ppmのInF3 系フッ
化物ファイバを用いた点である。本実施例による高出力
光増幅器を用いて増幅実験を行ったところ、800mW
の励起で130mW以上の信号出力が得られた。
【0033】〔第5実施例〕本発明の第5実施例による
高出力光増幅器の構成が、前述した第2実施例によるも
のと異なる点は、増幅用光ファイバ3A、3Bのファイ
バ長をそれぞれ40mとし、かつ、励起光源4としてY
b:YAG(発振波長:1.029μm)を用いた点で
ある。本実施例による高出力光増幅器を用いて増幅実験
を行ったところ、700mWの励起で120mW以上の
信号出力が得られた。
【0034】〔第6実施例〕本発明の第6実施例による
高出力光増幅器の構成が、前述した第2実施例によるも
のと異なる点は、増幅用光ファイバ3Aとして、コア径
を1.6μm、長さを60m、コアクラッド比屈折率差
「Δn」を3.7%、コア中のPr3+の添加濃度を10
00ppm、コア組成がZrF4 (56)−BaF2
(16.5)−LaF3 (3.5)−YF3 (2)−A
lF3 (2.5)−LiF(7)−PbF2 (12.5
モル%)、クラッド組成がZrF4 (47.5)−Ba
2 (23.5)−LaF3 (2.5)−YF3 (2)
−AlF3 (4.5)−NaF(20モル%)のフッ化
物ファイバを用いた点と、増幅用光ファイバ3Bとし
て、コア径を3μm、長さを60m、コアクラッド比屈
折率差「Δn」を2%、コア中のPr3+の添加濃度を1
000ppm、コア組成がZrF4 (56)−BaF2
(21)−LaF3 (3.5)−YF3 (2)−AlF
3 (2.5)−LiF(7)−PbF2 (8モル%)、
クラッド組成がZrF4 (47.5)−BaF2 (2
3.5)−LaF3 (2.5)−YF3 (2)−AlF
3 (4.5)−NaF(20モル%)のフッ化物ファイ
バを用いた点である。すなわち、上流側に位置する双方
向光増幅ユニットAの増幅用光ファイバ3Aの屈折率差
が、下流側に位置する双方向光増幅ユニットBの増幅用
光ファイバ3Bの屈折率差よりも大となっている。本実
施例による高出力光増幅器を用いて増幅実験を行ったと
ころ、800mWの励起で120mW以上の信号出力が
得られた。
【0035】〔第7実施例〕本発明の第7実施例による
高出力光増幅器が、第1実施例によるもの(図1参照)
と異なる点は、図5に示すように、増幅用光ファイバ3
として、クラッド12中のコア13の一端のコア径Wを
小とし、他端のコア径W´を大とした光ファイバを用い
た点である。すなわち、増幅用光ファイバ3のコア径
を、その長手方向に沿って徐々に変化させ、信号光の入
力側から、信号光の出力側に向けてコア径が次第に大と
なるよう増幅用光ファイバ3を構成している。上述した
構成をとることにより、増幅用光ファイバ3のコア径が
小なる領域(伝搬する信号光の上流側)では大きな利得
が得られ、コア径が大なる領域(伝搬する信号光の下流
側)では高い飽和出力が実現される。
【0036】本実施例による高出力光増幅器を用いて、
第1実施例と同様に増幅実験を行った。ただし、この増
幅試験に供した高出力光増幅器の増幅用光ファイバ3
は、コアガラス組成が、ZrF4 (56)−BaF2
(16.5)−LaF3 (3.5)−YF3 (2)−A
lF3 (2.5)−LiF(7)−PbF2 (12.5
モル%)、クラッドガラス組成が、ZrF4 (47.
5)−BaF2 (23.5)−LaF3 (2.5)−Y
3 (2)−AlF3 (4.5)−NaF(20モル
%)のフッ化物ファイバを用いた。
【0037】また、光ファイバの一端のコア径は1.4
μm、他端のコア径は2.2μm、コアクラッド比屈折
率差「Δn」を3.7%、コア中のPr3+の添加濃度を
1000ppmとした。もちろん、コア径の小なる光フ
ァイバ端を光カップラ2に接続し、他端を光カップラ5
に接続した。また、励起光源の波長は1.064μmで
あり、信号光波長は1.30μmとした。上記増幅試験
の結果、励起光強度が800mWのとき、増幅用光ファ
イバ3より120mW以上の出力信号が確認された。
【0038】〔第8実施例〕本発明の第8実施例による
高出力光増幅器の構成が、前述した第2実施例によるも
のと異なる点は、増幅用光ファイバ3A,3Bそれぞれ
のコアにPrを1000ppm添加し、クラッドにもP
rを300ppm添加した点である。ただし、Pr以外
の組成は、第2実施例によるものと同様である。本実施
例による高出力光増幅器を用いて増幅実験を行ったとこ
ろ、800mWの励起で120mW以上の信号出力が得
られた。ただし、上記増幅実験において、増幅用光ファ
イバ3A,3Bそれぞれのファイバ長を50mとした。
【0039】〔第9実施例〕本発明の第9実施例による
高出力光増幅器の構成が、前述した第1実施例によるも
のと異なる点は、励起光源4(図1参照)として、Nd
がコアにドープされたZrF4 系フッ化物ファイバレー
ザ(発振波長は1.05μm)を用いた点と、このファ
イバレーザの励起光源として、GaAlAs半導体レー
ザを用いて、47/245/2 又は43/2 準位を励起
した点である。本実施例による高出力光増幅器におい
て、波長が1.30μm、かつ、OdBmの信号光を入
射して出力信号強度を測定したところ、800mWの励
起(波長1.05μm)に対して、120mW以上の出
力信号が確認できた。
【0040】なお、励起光源4として、Ndがコアにド
ープされたフツリン酸ガラスファイバ(発振波長1.0
5μm),リン酸ガラスファイバ(発振波長1.053
μm),ケイ酸塩ガラスファイバ(発振波長1.06μ
m),シリカガラスファイバ(発振波長1.06μ
m),ボレイトガラスファイバ(発振波長1.06μ
m),フッ化ベリレイトガラスファイバ(発振波長1.
047μm),AlF3 −ZrF4 系フッ化物ガラスフ
ァイバ(発振波長1.05μm、参考文献3:Material
s Science Forum,Vol.19-20,P.19,1987.)を用いた場合
でも、波長1.30μmで120mW以上の信号出力を
得ることができた。
【0041】また、本実施例では、Ndドープファイバ
レーザを用いたが、これに代えて、それぞれのガラスを
用いたNdドープガラスレーザを励起光源として使用し
ても良いことは言うまででもない。これらファイバレー
ザおよびガラスレーザを用いた場合、Ndを励起するた
めに用いる47/245/2 又は43/2 準位等の吸収帯
のバンド幅は結晶中よりも広く、励起波長を選択しやす
いという利点も生じる。
【0042】〔第10実施例〕本発明の第10実施例に
よる高出力光増幅器の構成が、上述した第9実施例によ
るものと異なる点は、励起光源4(図1参照)として、
図6(a),図6(b)あるいは図7(a)、図7
(b)に示すような構造を有するいわゆる2重クラッド
ファイバによるファイバレーザを用いた点である。本実
施例による高出力光増幅器を用いて増幅実験を行ったと
ころ、波長1.30μmで100mW以上の信号出力を
得ることができた。
【0043】〔第11実施例〕本発明の第11実施例に
よる高出力光増幅器の構成が、上述した第9および第1
0実施例によるものと異なる点は、第9および第10実
施例のファイバレーザ又はガラスレーザの活性イオンと
して、NdおよびYbをドープしたものを励起光源4
(図1参照)として用いる点である。これらのレーザの
励起光源としては、GaAlAs半導体レーザを用い、
これによりNdの47/245/2 又は43 /2準位を励
起している。上記励起が為されると、NdからYbへの
エネルギー移動が起こり、Ybの 25/2準位が励起さ
れ、Ybの25/227/2遷移による波長1.02μm
のレーザ発振が開始される。このレーザ光でPrドープ
ファイバ(増幅用光ファイバ3)を実際に励起した結
果、波長1.30μmで100mW以上の信号出力が得
られた。
【0044】〔第12実施例〕本発明の第12実施例に
よる高出力光増幅器の構成が、上述した第11実施例に
よるものと異なる点は、第11実施例のファイバレーザ
又はガラスレーザの励起光源として、InGaAs半導
体レーザ(波長940〜980nm)を用いてYbの2
5/2準位を励起して、Ybの25/227/2遷移によ
る1.02μm発振を起こさせている点である。このレ
ーザ光でPrドープファイバを実際に励起した結果、波
長1.30μmで100mW以上の信号出力を得ること
ができた。
【0045】以上説明した各実施例では、Nd:YAG
(1.064μm),Nd:YLF(1.053μ
m),Yb:YAG(1.029μm)を用いたLD励
起の固体レーザを励起光源として用いが、励起用の固体
レーザは、これらに限られるものではない。例えば、
1.047μm発振のNd:YLF固体レーザでも良
く、Pr3+3414吸収遷移の吸収帯に発振波長が
含まれるものであり、かつ、高出力なものであれば、励
起光源として使用可能である。もちろん、増幅器の経済
性から鑑み、できるだけ量子効率が高いものが望ましい
のは言うまでもない。これは、量子効率の高いもので
は、発熱量が低減されるため、増幅器を構成する際の放
熱手段等を簡易なものとすることができるためである。
【0046】なお、上記各実施例においては、ファイバ
素材として、ZrF4 系およびInF3 系のフッ化物ガ
ラスを用いたが、素材としては、これに限定されるもの
ではない。例えば、Hf4 系のフッ化物ガラス等のZr
4 系以外のフッ化物ガラス、塩化物ガラス、ヨウ化物
ガラス、臭化物ガラス、複数のハライドイオンを陰イオ
ンとするミックストハライドガラス、カルコゲナイドガ
ラス、ハライドイオンを含んだカルコハライドガラス、
フツリン酸ガラス、石英ガラス等の酸化物ガラスであっ
てもよい。また、コアにPrのみ添加されたファイバを
増幅用光ファイバとして用いたが、PrおよびYbが、
共に添加されたファイバをも用いることができることは
言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば十
分に高い出力特性を有するPrドープファイバアンプ
(PDFA)を構成することが可能であり、当該PDF
Aを光通信システム中でブースターアンプとして使用す
ることができる。特に、最近では安価かつ高出力の固体
レーザの入手が容易になっているため、これを増幅器の
励起光源として用いることができる本発明では、出力特
性および雑音特性に優れたPDFAを安価で提供するこ
とが可能となり、大きな経済効果をもたらすことができ
る。主な応用分野としては、光ケーブルテレビシステム
での応用があり、本発明による高出力光増幅器を適用す
れば、これまでにない低コストな光ケーブルテレビシス
テムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による高出力光増幅器の概
略構成を示す図である。
【図2】同実施例による増幅用光ファイバ3の増幅特性
を示す特性図である。
【図3】同実施例で得られた信号光の励起光強度依存性
を示す特性図である。
【図4】本発明の第2実施例による高出力光増幅器の概
略構成を示す図である。
【図5】本発明の第7実施例による高出力光増幅器に用
いられる増幅用光ファイバ3の構造を説明するための概
念図である。
【図6】本発明の第10実施例による高出力光増幅器に
用いられるファイバレーザのファイバ部分の構造を説明
するための図であり、(a)は同ファイバの断面構造を
表す概念図、(b)は同断面における屈折率分布を示す
特性図である。
【図7】本発明の第10実施例による高出力光増幅器に
用いられるファイバレーザのファイバ部分の構造を説明
するための図であり、(a)は同ファイバの断面構造を
表す概念図、(b)は同断面における屈折率分布を示す
特性図である。
【図8】Pr3+のエネルギーダイヤグラムである。
【符号の説明】
2,2A,2B 光カップラ 3,3A,3B 増幅用光ファイバ 4 励起光源 6 信号光源 7,8,11 光アイソレータ 9 光スペクトラムアナライザ 10,10′ 光スプリッタ 12 クラッド 13 コア 14A,14B バットジョイント部 A,B 双方向励起光増幅ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 誠 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 須藤 昭一 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアにPrが添加された光ファイバを増
    幅媒体とし、 該増幅媒体を励起するための所定波長の励起光を発生す
    る励起光源を備え、 前記励起光源は希土類または遷移金属が添加された固体
    を増幅媒体としたレーザであり、前記光ファイバの長さ
    を前記励起光の波長と前記増幅媒体の増幅特性とに基づ
    いて設定することを特徴とする高出力光増幅器。
  2. 【請求項2】 前記励起光の波長がPrの14準位の中
    心吸収波長から離れている場合には、前記光ファイバの
    長さを、前記中心吸収波長における前記光ファイバの最
    適長よりも長く設定することを特徴とする請求項1に記
    載の高出力光増幅器。
  3. 【請求項3】 前記レーザの増幅媒体は、Ndが添加さ
    れた結晶体であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の高出力光増幅器。
  4. 【請求項4】 前記レーザの増幅媒体は、陽イオンとし
    てY,Alを含む酸化物の結晶体であることを特徴とす
    る請求項1ないし3いずれかに記載の高出力光増幅器。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバは、コアにPrおよびY
    bを添加してなることを特徴とする請求項1ないし4い
    ずれかに記載の高出力光増幅器。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバは、コア径がその長手方
    向に沿って変動していることを特徴とする請求項1ない
    し5いずれかに記載の高出力光増幅器。
  7. 【請求項7】 前記光ファイバのクラッド中にもPrを
    添加したことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに
    記載の高出力光増幅器。
  8. 【請求項8】 前記励起光源は、コアにNdまたはYb
    が添加されたガラスから成るファイバレーザ、あるいは
    NdまたはYbが添加されたガラスを活性媒体とするガ
    ラスレーザであることを特徴とする請求項1ないし7い
    ずれかに記載の高出力光増幅器。
  9. 【請求項9】 NdまたはYbが添加された前記ガラス
    は、フッ化物ガラス,リン酸ガラス,フツリン酸ガラ
    ス,シリカガラス,ケイ酸塩ガラス,ボイントガラス,
    AlF3 −ZrF4 フッ化物ガラス,あるいはフッ化ベ
    リレイトガラスであることを特徴とする請求項8に記載
    の高出力光増幅器。
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Cited By (4)

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