JPH08178942A - 超音波式流速・流量計測装置 - Google Patents

超音波式流速・流量計測装置

Info

Publication number
JPH08178942A
JPH08178942A JP6337134A JP33713494A JPH08178942A JP H08178942 A JPH08178942 A JP H08178942A JP 6337134 A JP6337134 A JP 6337134A JP 33713494 A JP33713494 A JP 33713494A JP H08178942 A JPH08178942 A JP H08178942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
measuring device
flow
ultrasonic
flow velocity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6337134A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichi Kubo
久保  竜一
Motoo Toyama
元夫 外山
Kazuhiro Inoue
和裕 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP6337134A priority Critical patent/JPH08178942A/ja
Publication of JPH08178942A publication Critical patent/JPH08178942A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波式流速・流量測定装置において、本体
をなすケーシングをシリコン材料によって形成し、微小
流量を測定できる測定装置を低コストで製造できる。 【構成】 ケーシング2を下側流路形成部材9と上側流
路形成部材10とから構成し、下側流路形成部材9には
凹溝11,11,…と発信素子6を形成し、上側流路形
成部材10には凸部12,12,…と受信素子7,8を
形成すると共に、流入口4,流出口5を形成する。そし
て、部材9,10を合わせることにより、V字状流路3
が形成され、この流路3内を被測流体が流れるときの順
方向の伝搬速度と、逆方向の伝搬速度の差から被測流体
の流量を検出する。また、シリコンウェハにより多数個
製造でき、かつ微小流量の測定ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測流体の流速または
流量を測定する超音波式流速・流量計測装置に関し、特
に微小流量を精密に測定することのできる超音波式流速
・流量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、超音波式流速・流量計測装置の
測定原理は、大別すると2つの方式に分けられ、流速の
変化によって超音波の伝搬速度が変化することを利用す
る第1の方式と、流体中に含まれる微小な異物(反射物
体)の移動速度によって生じる超音波のドップラー効果
を利用する第2の方式とがある。
【0003】そして、前者の測定原理によるものを超音
波伝搬時間変化法と呼び、流速の測定は主に超音波パル
スの伝搬経路の平均流速(測線上の平均流速)となる。
この方式の中には、伝搬時間の変化を利用した幾つかの
測定方式がある。
【0004】一方、後者の測定原理によるものを超音波
ドップラー効果法と呼び、流速測定は主に超音波ビーム
の交差領域の流速(ほぼ点流速)となる。
【0005】また、超音波伝搬時間変化法中のシングア
ラウンド法による流量計としては、特開昭57−206
14号公報(以下従来技術という)に記載されているも
のが知られている。
【0006】そして、この従来技術による流量計では、
配管の外部に1組切換方式の送受信素子から超音波が媒
質(被測流体)の流れに対して斜めの角度をなして入射
するように配設し、送受信素子を切換えて流れ方向に対
する超音波の順方向伝搬速度と逆方向伝搬速度とを検出
し、この差に基づいて流速または流量(以下、単に流量
という)を測定する。
【0007】そして、この流量計では、流れを妨げるこ
となく流量の測定ができ、超音波が伝わる被測流体であ
れば測定が可能で、高粘度流体、非導電流体、気体等の
流量を測定することもできる。さらに、応用範囲として
は小さいものでは血液の流量測定から大きいものでは河
川等の流量測定等広い範囲での測定を可能とすることが
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による超音波式流速・流量計測装置は、配管自体
がある程度の大きさとなり、さらに外側に超音波の送受
信素子を配設しているために、流量計自体の構造が大き
くなる。このため、流量が微小流量のときの測定は不可
能であった。
【0009】また、超音波が流れ方向に対して斜め方向
に伝搬されているから、流量を正確に測定することがで
きないという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術による問題点に
鑑みなされたもので、本発明は微小量の被測流体の流速
または流量を正確に測定できると共に、小型で製造が容
易な超音波式流速・流量計測装置を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明による超音波式流速・流量計測装
置は、被測流体を測定するための本体をなすケーシング
と、該ケーシング内にV字状に折り曲がって形成され、
流入口と流出口にそれぞれ連通するV字状流路と、該V
字状流路の折曲げ部に設けられ、超音波を発信する発信
素子と、前記V字状流路の流入口と流出口に設けられ、
該発信素子からの超音波を受信する受信素子とから構成
したことにある。
【0012】請求項2の発明では、前記発信素子と受信
素子は、圧電体の両面に電極板を配設した3層構造とし
たことにある。
【0013】請求項3の発明では、前記ケーシングは、
V字状の凹溝が形成された第1の板体と、V字状の凸部
が形成された第2の板体とを重ね合わせることにより形
成したことにある。
【0014】請求項4の発明では、前記ケーシングを形
成する2枚の板体は、シリコン材料によって形成したこ
とにある。
【0015】
【作用】請求項1の発明では、V字状流路の折曲げ部に
1個の発信素子を設け、流入口、流出口となる両端側に
受信素子をそれぞれ設けたから、発信素子と流出口側の
受信素子によって被測流体の流れ方向に対して順方向と
なる超音波の流れと、発信素子と流入口側の受信素子に
よって被測流体の流れ方向に対して逆方向となる超音波
の流れを形成でき、超音波の流れに対する順方向伝搬速
度と逆方向伝搬速度を検出し、その差から流速または流
量を正確に検出できる。
【0016】請求項2の発明では、前記発信素子と受信
素子は、圧電体の両面に電極板を配設した3層構造とし
たから、パターンニング技術を用いることによって素子
を薄膜でかつ小さくすることができる。
【0017】請求項3の発明では、第1の板体にV字状
の凹溝を形成し、第2の板体にV字状の凸部を形成し、
各板体を合わせることにより、凹溝と凸部との間にV字
状流路を形成することができる。
【0018】請求項4の発明では、前記板体をシリコン
材料によって形成することにより、V字状の凹溝、V字
状の凸部をシリコンの異方性エッチングによって容易に
形成することができ、このとき作られるケーシングは小
さくすることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図19に
基づき説明する。
【0020】図中、1は本実施例による超音波式流速・
流量計測装置、2は該超音波式流速・流量計測装置1の
外形をなし、被測流体を測定するための本体となるケー
シングを示し、該ケーシング2は後述するシリコン材料
からなる下側流路形成部材9と上側流路形成部材10と
から構成されている。
【0021】3はケーシング2に台形状に形成されたV
字状流路を示し、該V字状流路3の形状から中央部が開
き角度が109.4度(54.7度×2)となった折曲
げ部3A、両端が先端部3B,3Cとなり、該先端部3
B,3Cには流入口4,流出口5がそれぞれ形成されて
いる。
【0022】6は発信素子を示し、該発信素子6は前記
V字状流路3の折曲げ部3A外側に位置して着膜形成さ
れている。7,8は受信素子を示し、該受信素子7,8
は前記流入口4,流出口5の近傍位置、即ちV字状流路
3の先端部3B,3C外側に位置してそれぞれ着膜形成
され、該受信素子7は被測流体の上流側に位置し、受信
素子8は下流側に位置している。
【0023】9はケーシング2を構成する第1の板体と
しての下側流路形成部材,10は該下側流路形成部材9
と合わせることによりケーシング2を形成する第2の板
体としての上側流路形成部材をそれぞれ示し、該下側流
路形成部材9にはV字状(台形状)の凹溝11,11,
…が形成され、上側流路形成部材10にはV字状(台形
状)の凸部12,12,…が形成され、該各凸部12は
隣接する凸部12の上底12Aの大きさが異なってい
る。
【0024】ここで、前記発信素子6は凹溝11の底部
11A外側に位置して着膜形成され、受信素子7,8は
各凸部12間の底部12B,12B外側に位置して着膜
形成されている。また、該底部12B,12Bの凸部1
2側には受信素子7,8が着膜形成され、凸部12外側
には流入口4,流出口5が穿設されている。
【0025】さらに、発信素子6、受信素子7と8は、
発信素子6を例に挙げて示す図3のように、底部11A
(12B)上に着膜形成され、例えば水晶,ZnO,P
ZT,PbTiO3 等の圧電体6A(7A,8A)と、
該圧電体6A(7A,8A)の上側に位置した電極板6
B(7B,8B)と、下側に位置した電極板6C(7
C,8C)とからなる3層構造となっている。
【0026】そして、発信素子6に例えば10MHzの
周波数を印加することにより、発信素子6と下流側に位
置した受信素子8では、該発信素子6から発信した超音
波を受信素子8によって検出することにより、流速を
V、音速をCとすると、被測流体の流れ方向に対して順
方向となる超音波の遅延時間(C+V)を検出する。一
方、発信素子6と上流側に位置した受信素子7では、該
発信素子6から発信した超音波を受信素子7によって検
出することにより、被測流体の流れ方向に対して逆方向
となる超音波の遅延時間(C−V)を検出するようにな
っている。
【0027】本実施例による超音波式流速・流量計測装
置1は上述の如くに構成されるが、被測流体の流れる配
管の途中に超音波式流速・流量計測装置1を設け、該超
音波式流速・流量計測装置1に流れ込む流体は、流入口
4からケーシング2内に流れ込み、V字状流路3内を矢
示方向に流通して流出口5から配管に放出される。
【0028】一方、前記V字状流路3に配設された素子
6,7,8においては、発信素子6と下流側に位置した
受信素子8によって、被測流体の流れ方向に対して順方
向となる超音波の伝搬経路を形成し、発信素子6と上流
側に位置した受信素子7によって、被測流体の流れ方向
に対して逆方向となる超音波の伝搬経路を形成する。そ
して、順方向の伝搬時間と逆方向の伝搬時間の差から被
測流体の流量を測定することができる。
【0029】次に、上述した超音波式流速・流量計測装
置1の製造方法を図4ないし図18に示す。
【0030】まず、図4ないし図9を参照しつつ下側流
路形成部材9の製造について説明する。
【0031】図4中、21は第1の板体となるシリコン
ウェハを示し、該シリコンウェハ21はその表面の結晶
方向が(100)面となるように形成されている。ま
た、該シリコンウェハ21の下面21Aと上面21Bに
はCVD法、熱酸化法等の手段を用いて二酸化珪素膜2
2,23が形成されている。さらに、該二酸化珪素膜2
2,23上にはフォトレジスト24,25が塗布されて
いる。
【0032】図5に示すパターンニング工程ではフォト
リソグラフィー技術を用い、予め下面21Aに塗布され
たフォトレジスト24にフォトマスク(凹溝11に対応
する複数個の正方形以外の部分、即ちエッチングによっ
て溶解しない部分を覆うように形成したもの)を介して
露光機(いずれも図示せず)等を用いてフォトレジスト
24を露光させ、該フォトレジスト24の露光された部
分を溶解するエッチング処理を施す。この後に、二酸化
珪素膜22,23を溶解するエッチング処理を行ない、
さらにフォトレジスト24,25を除去する。これによ
り、二酸化珪素膜24を複数個の凹溝11に対応する位
置が開口し、シリコンウェハ21の下面21Aが部分的
に露出するようにパターンニングすることができる。
【0033】次に、図6の凹溝形成工程では、前記シリ
コンウェハ21に異方性エッチングを施すことにより、
シリコンウェハ21の下面21Aの露出した部分が溶解
され、斜面がシリコンの(111)面となる傾斜角度α
(α=54.7度)を有し、底部11Aが(100)面
となる凹溝11,11,…が形成される。この後に、他
のエッチング処理によって二酸化珪素膜22,23を除
去する。なお、凹溝11の底部11Aは正方形で一辺の
長さ寸法がL1 となっている。
【0034】さらに、図7の発信素子6の形成工程で
は、前述したフォトリソグラフィー技術を用いて行な
い、前記シリコンウェハ21の上面21Bにおいて凹溝
11の底部11Aとなる位置で開口するマスクによって
パターン加工し、この位置に下側の電極板6Cを配線等
のパターンと共に成膜形成し、次に圧電体6Aを成膜し
イオンミリング等を用いてパターニングし、最後に上側
の電極板6Bを成膜・パターニングすることにより、シ
リコンウェハ21の上面21Bの所定位置に正方形状の
発信素子6を成膜形成することができる。
【0035】これにより、図8および図9に示すよう
に、シリコンウェハ21から複数個の凹溝11と発信素
子6を有する下側流路形成部材9を形成することができ
る。
【0036】次に、図10ないし図16に基づいて上側
流路形成部材10の製造について説明する。
【0037】図10中、31は第2の板体となるシリコ
ンウェハを示し、該シリコンウェハ31は下側流路形成
部材9を形成するシリコンウェハ21と同一構造となる
シリコンウェハが用いられ、該シリコンウェハ31の下
面31Aと上面31BにはCVD法、熱酸化法等の手段
を用いて二酸化珪素膜32,33が形成されている。さ
らに、該二酸化珪素膜32,33にはフォトレジスト3
4,35が塗布されている。
【0038】図11に示すパターンニング工程ではフォ
トリソグラフィー技術を用い、予め下面31Aに塗布さ
れたフォトレジスト34にフォトマスク(凸部12の上
底12Aに対応する部分に一辺がL2 となる正方形と、
一辺がL2 ,他辺がL3 となる長方形とを形成したも
の)を介して露光機(いずれも図示せず)等を用いてフ
ォトレジスト34を露光させ、該フォトレジスト34の
露光された部分を溶解するエッチング処理を施した後
に、二酸化珪素膜32,33を溶解するエッチング処理
を行ない、さらにフォトレジスト34,35を除去す
る。これにより、二酸化珪素膜34をシリコンウェハ3
1の下面31Aが部分的に露出し、凸部12の上底12
Aに対応する位置を覆うようにパターンニングすること
ができる。
【0039】次に、図12の凸部形成工程では、前記シ
リコンウェハ31に異方性エッチングを施すことによ
り、シリコンウェハ31の下面31Aの露出した部分が
傾斜角度αを有するように溶解され、凸部12,12,
…が形成される。この後に、他のエッチング処理によっ
て二酸化珪素膜32,33も除去する。
【0040】ここで、便宜上、図15に示すように凸部
12のうち、上底12Aの形状が一辺の長さ寸法がL2
となる正方形のものを大形凸部12とし、上底12Aの
形状が一辺の長さ寸法がL2 ,他辺の長さ寸法がL3 と
なる長方形のものを小形凸部12′とする。また、この
長さ寸法L2 ,L3 は前記下側流路形成部材9に形成さ
れた凹溝11の底部11Aの長さ寸法L1 に対して数1
の関係にある。
【0041】
【数1】L3 <L1 <L2
【0042】さらに、図13の受信素子7,8の形成工
程では、前述したフォトリソグラフィー技術を用いて行
ない、前記シリコンウェハ31の上面31Bにおいて各
凸部12の間に位置した底部12Bとなる位置で開口す
るマスクによってパターン加工し、この位置に下側の電
極板7C,8Cを配線等のパターンと共に成膜形成し、
次に圧電体7A,8Aを成膜しイオンミリング等を用い
てパターニングし、最後に上側の電極板7B,8Bを成
膜・パターニングすることにより、シリコンウェハ31
の上面31Bの所定位置に長方形状の受信素子7,8を
成膜形成することができる。
【0043】さらにまた、図14の流入口、流出口形成
工程でもフォトリソグラフィー技術と等方性エッチング
を用いて、流入口4、流出口5を形成する。
【0044】これにより、図15および図16に示すよ
うに、シリコンウェハ31によって複数の凸部12と受
信素子7,8を有する上側流路形成部材10を形成する
ことができる。
【0045】さらに、図17および図18に示す接合工
程においては、下側流路形成部材9に上側流路形成部材
10を重ねて直接接合を行なう。このとき、凹溝11の
一辺がL1 となる正方形の底部11Aと大形凸部12の
一辺の長さがL2 となる正方形の上底12Aとの関係か
ら、凹溝11の斜面と大形凸部12の斜面とが接合面と
なり、凹溝11と小形凸部12′との間には隙間が形成
され、これがV字状流路3となる。なお、図18の断面
と直交する方向では、V字状流路3を形成する部分と大
形凸部12とそれに対応した凹溝11の底部11Aとの
間だけが空間となり、他の部分は凹溝11の斜面と凸部
12の斜面とが接合固定されている。
【0046】そして、最後に、このように接合された下
側流路形成部材9と上側流路形成部材10を、図18の
一点鎖線で示す位置で切断することにより、複数個の超
音波式流速・流量計測装置1を製造でき、本実施例の場
合では11個形成することができる。
【0047】このように、本実施例による超音波式流速
・流量計測装置1では、ケーシング2にV字状流路3を
形成し、該V字状流路3の先端部3B,3Cに流入口
4,流出口5を形成すると共に、前記V字状流路3の折
曲げ部3Aに発信素子6を、該流入口4,流出口5の近
傍に位置した先端部3B,3Cに受信素子7,8を形成
する構成としたから、発信素子6と受信素子7,発信素
子6と受信素子8との距離を同一寸法とすることがで
き、従来技術のように素子の送信、受信を切換えること
なく、1個の発信素子6と2個の受信素子7,8によっ
て、被測流体の流れと順方向となる超音波の順方向伝搬
経路と、被測流体の流れと逆方向となる超音波の逆方向
伝搬経路を容易に形成することができる。
【0048】そして、従来技術と同様に、発信素子6か
ら発信された超音波が受信素子7で受信されるまでの逆
方向の遅延時間から逆方向伝搬速度を検出し、発信素子
6から発信された超音波が受信素子8で受信されるまで
の順方向の遅延時間から順方向伝搬速度を検出し、この
伝搬速度の差から被測流体の流量を高精度に検出するこ
とができる。
【0049】また、発信素子6と受信素子7,8は、圧
電体6A(7A,8A)の上面に電極板6B(7B,8
B)、下面に電極板6C(7C,8C)を配設した3層
構造としたから、パターンニング技術を用いることによ
って発信素子6と受光素子7を薄い膜状でしかも小さく
形成することができ、ケーシング2の外側に突出する部
分を小さし、超音波式流速・流量計測装置1の小型化を
図ることができる。
【0050】また、ケーシング2を下側流路形成部材9
と上側流路形成部材10とから構成し、該下側流路形成
部材9には複数個の凹溝11,11,…を形成し、上側
流路形成部材10には複数個の凸部12,12,…(大
形凸部12、小形凸部12′)を形成し、下側流路形成
部材9と上側流路形成部材10とを合わせることで、凹
溝11と凸部12との間にV字状流路3を交互に形成す
ることができる。
【0051】しかも、凸部12,12,…を凹溝11の
正方形の底部11Aよりも大きい上底12Aを有する大
形凸部12と、小さい上底12Aを有する小形凸部1
2′とに分けて形成したから、接合面は凹溝11と大形
凸部12の傾斜面となり、V字状流路3を確実に形成す
ることができる。
【0052】さらに、下側流路形成部材9と上側流路形
成部材10とをシリコン材料によって形成することによ
り、凹溝11、凸部12をフォトリソグラフィー法とシ
リコンの異方性エッチングによって容易にかつ正確に形
成することができ、接合面も異方性エッチングにおける
シリコン(111)面として接合でき、この接合度を高
めることができる。また、シリコンのエッチングによっ
て超音波式流速・流量計測装置1を製造することによ
り、該超音波式流速・流量計測装置1の小型化を図るこ
とができる。そして、その形状は正確に形成でき、微小
流量も正確に検出することができる。
【0053】また、シリコンウェハ21によって下側流
路形成部材9を形成し、シリコンウェハ31によって上
側流路形成部材10を形成したから、一連の製造工程に
よって複数個の超音波式流速・流量計測装置1を製造す
ることができ、生産性を向上して製造コストの低減を図
ることができる。
【0054】次に、図19に本発明による第2の実施例
を示すに、本実施例の特徴は、下側流路形成部材9,上
側流路形成部材10の外側となる部分に酸化膜,窒化膜
等の絶縁薄膜9A,10Aをそれぞれ形成したもので、
該絶縁薄膜9A,10Aによって図6の凹溝形成工程、
図12の凸部形成工程において、絶縁薄膜9A,10A
によってエッチングがそれ以上すすむのを防止するもの
である。なお、前記第1の実施例と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0055】然るに、本実施例においても、前述した第
1の実施例と同様の作用効果を得ることができる上、本
実施例では、絶縁薄膜9A,10Aを用いることによ
り、エッチングがすすみ過ぎて底部11A,12Bが貫
通するのを防止し、超音波式流速・流量計測装置1の不
良発生を大幅に低減して歩留りを向上できる。
【0056】なお、前記各実施例のように、下側流路形
成部材9,上側流路形成部材10をシリコンウェハ2
1,31によって形成しているので、各種素子や配線パ
ターンを形成することができ、例えば、検出回路を一体
化させた超音波式流速・流量測定装置を得ることができ
る。
【0057】また、前記各実施例では、下側流路形成部
材9,上側流路形成部材10をシリコンウェハ21,3
1によってそれぞれ形成するものとして述べたが、本発
明はこれに限らず、異方性エッチングを用いることがで
きる酸化マグネシウム(MgO)の薄板を用いて製造す
るようにしてもよい。
【0058】さらに、前記各実施例では、発信素子6,
受信素子7と8を形成する図7と図13の素子形成工程
では、圧電体6A,7A,8Aをイオンミリングによっ
て形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、予め
希望形状に加工した圧電体を下側の電極板6C,7C,
8Cに接合するようにしてもよい。
【0059】さらにまた、前記各実施例では、発信素子
6,受信素子7と8をケーシング2の外側に形成するよ
うにしたが、本発明はこれに限らず、凹溝11の底部1
1Aと凸部12間の底部12Bに成膜形成してもよく、
この場合には外側に素子6,7,8を形成しないため、
より小型化を図ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、V字状流路の折曲げ部に1個の発信素子を設け、
流入口と流出口となる両端側に受信素子をそれぞれ設け
たから、発信素子と一方の受信素子によって被測流体の
流れ方向に対して順方向となる超音波の伝搬経路を形成
し、発信素子と他方の受信素子によって被測流体の流れ
方向に対して逆方向となる超音波の伝搬経路を形成す
る。これにより、1個の発信素子と2個の受信素子によ
って、超音波の流れに対する順方向伝搬速度と逆方向伝
搬速度を検出し、その差から流速または流量を検出で
き、超音波の発信源を切換えることなしに、簡単な構造
で流量、流速を正確に検出できる。
【0061】請求項2の発明では、前記発信素子と受信
素子は、圧電体の両面に電極板を配設した3層構造とし
たから、パターンニング技術を用いることによって各素
子をV字状流路に形成することができ、しかも各素子は
成膜形成によって形成できるから、各素子の大きさを薄
くかつ小さく製造でき、ケーシングから外側に突出する
部分を少なくでき、コンパクトに形成できる。
【0062】請求項3の発明では、ケーシングを2枚の
板体から構成し、第1の板体にV字状の凹溝を形成し、
第2の板体にV字状の凸部を形成して、各板体を合わせ
ることにより、凹溝と凸部との間にV字状流路を容易に
形成することができる。
【0063】請求項4の発明では、前記板体をシリコン
材料によって形成することにより、V字状の凹溝、V字
状の凸部をシリコンの異方性エッチングによって容易に
形成することができ、シリコン材料を用いることによ
り、ケーシングを小さくでき、しかもV字状流路等も正
確に形成できるから、被測流体が微小流量であっても正
確に検出することができる。さらに、シリコンウェハを
使用することにより、多数個取りが可能となり、製造コ
ストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による超音波式流速・流量計測装
置の断面斜視図である。
【図2】図1中の超音波式流速・流量計測装置を示す縦
断面図である。
【図3】図2中のa部を拡大して示す拡大縦断面図であ
る。
【図4】実施例による製造方法に用いる第1の板体とな
る一方のシリコンウェハを示す縦断面図である。
【図5】パターンニング工程によって、シリコンウェハ
の下面にパターン膜を形成した状態を示す縦断面図であ
る。
【図6】凹溝形成工程によって、シリコンウェハの下面
に異方性エッチングを施すことによって凹溝を形成した
状態を示す縦断面図である。
【図7】発信素子形成工程によるシリコンウェハの上面
にパターニング処理によって発信素子を形成した状態を
示す縦断面図である。
【図8】図4から図7の工程により形成された下側流路
形成部材を表面側から見た状態を示す平面図である。
【図9】図8中の矢示IX−IX方向からみた縦断面図であ
る。
【図10】実施例による製造方法に用いる第2の板体と
なる他方のシリコンウェハを示す縦断面図である。
【図11】パターンニング工程によって、シリコンウェ
ハの下面にパターン膜を形成した状態を示す縦断面図で
ある。
【図12】凸部形成工程によって、シリコンウェハの下
面に異方性エッチングを施すことによって凸部を形成し
た状態を示す縦断面図である。
【図13】受信素子形成工程によるシリコンウェハの上
面にパターニング処理によって受信素子を形成した状態
を示す縦断面図である。
【図14】流入口、流出口形成工程によって、シリコン
ウェハの他側面をエッチング処理することによって流入
口と流出口を形成した状態を示す縦断面図である。
【図15】図10から図14の工程により形成された上
側流路形成部材を表面側から見た状態を示す平面図であ
る。
【図16】図15中の矢示XVI −XVI 方向からみた縦断
面図である。
【図17】接合工程による2枚のシリコンウェハを接合
する前の状態を示す縦断面図である。
【図18】2枚のシリコンウェハを接合処理した状態を
示す縦断面図である。
【図19】第2の実施例による超音波式流速・流量計測
装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 超音波式流速・流量計測装置 2 ケーシング 3 V字状流路 4 流入口 5 流出口 6 発信素子 6A,7A,8A 圧電体 6B,6C,7B,7C,8B,8C 電極板 7,8 受信素子 9 下側流路形成部材(第1の板体) 10 上側流路形成部材(第2の板体) 11 凹溝 12 凸部(大形凸部) 12′ 小形凸部 21 シリコンウェハ(第1の板体) 31 シリコンウェハ(第2の板体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測流体を測定するための本体をなすケ
    ーシングと、該ケーシング内にV字状に折り曲がって形
    成され、流入口と流出口にそれぞれ連通するV字状流路
    と、該V字状流路の折曲げ部に設けられ、超音波を発信
    する発信素子と、前記V字状流路の流入口と流出口に設
    けられ、該発信素子からの超音波を受信する受信素子と
    から構成してなる超音波式流速・流量計測装置。
  2. 【請求項2】 前記発信素子と受信素子は、圧電体の両
    面に電極板を配設した3層構造としてなる請求項1記載
    の超音波式流速・流量計測装置。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングは、V字状の凹溝が形成
    された第1の板体と、V字状の凸部が形成された第2の
    板体とを重ね合わせることにより形成してなる請求項1
    記載の超音波式流速・流量計測装置。
  4. 【請求項4】 前記ケーシングを形成する2枚の板体
    は、シリコン材料によって形成してなる請求項3記載の
    超音波式流速・流量計測装置。
JP6337134A 1994-12-26 1994-12-26 超音波式流速・流量計測装置 Pending JPH08178942A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6337134A JPH08178942A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 超音波式流速・流量計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6337134A JPH08178942A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 超音波式流速・流量計測装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08178942A true JPH08178942A (ja) 1996-07-12

Family

ID=18305768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6337134A Pending JPH08178942A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 超音波式流速・流量計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08178942A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008170211A (ja) * 2007-01-10 2008-07-24 Toshiba Corp 超音波流量計
US9557201B2 (en) 2012-08-22 2017-01-31 Apator Mitors Aps Ultrasonic flow meter with a connection arrangement including elastic connectors arranged within an insulating support arrangement

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008170211A (ja) * 2007-01-10 2008-07-24 Toshiba Corp 超音波流量計
US9557201B2 (en) 2012-08-22 2017-01-31 Apator Mitors Aps Ultrasonic flow meter with a connection arrangement including elastic connectors arranged within an insulating support arrangement
US9568347B2 (en) 2012-08-22 2017-02-14 Apator Miitors Aps Ultrasonic flow meter including a meter housing insert having transducer recesses with slanted bottom walls
US10359305B2 (en) 2012-08-22 2019-07-23 Apator Miitors Aps Ultrasonic flow meter with a connection arrangement including elastic connectors arranged within an insulating support arrangement
US10488238B2 (en) 2012-08-22 2019-11-26 Apator Miitors Aps Ultrasonic flow meter including a meter housing insert having transducer recesses with slanted bottom walls

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7736985B2 (en) Method for manufacturing semiconductor device using overlapping exposure and semiconductor device thereof
CN100402986C (zh) 超声波式流体测量装置
WO2004074783A1 (ja) 超音波式流体計測装置
US10812045B2 (en) BAW sensor with enhanced surface area active region
US11353428B2 (en) BAW sensor device with peel-resistant wall structure
JP2895704B2 (ja) 超音波流量計
JP2992660B2 (ja) ガスレートセンサ
JP2023164607A (ja) 物理量計測装置
JPH08178942A (ja) 超音波式流速・流量計測装置
JP3570315B2 (ja) 超音波式流量計およびそれを用いたガスメータ
McLean et al. Interdigital capacitive micromachined ultrasonic transducers for sensing and pumping in microfluidic applications
JP2003194607A (ja) 熱式流量計
JP2005345445A (ja) 超音波流量計
JP2003114142A (ja) 超音波式ガスメータ
JPH10239126A (ja) 流量計
US20240113691A1 (en) Method for manufacturing vibrator
US20240110787A1 (en) Method for manufacturing vibrator
JP4092977B2 (ja) 流量計測装置
JP2001208585A (ja) 流量計
JPH08278176A (ja) 超音波流量計
JP3472865B2 (ja) ガスレートセンサの製造方法
JP3497279B2 (ja) 超音波式流量計
JPS59100820A (ja) 液体流速計
JP2001343264A (ja) 流量計測方法及び流量計測装置
JPH09318411A (ja) 超音波式流量計