JPH08178895A - 電解液中添加剤濃度の測定方法 - Google Patents

電解液中添加剤濃度の測定方法

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JPH08178895A
JPH08178895A JP6322180A JP32218094A JPH08178895A JP H08178895 A JPH08178895 A JP H08178895A JP 6322180 A JP6322180 A JP 6322180A JP 32218094 A JP32218094 A JP 32218094A JP H08178895 A JPH08178895 A JP H08178895A
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JP
Japan
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concentration
glue
additive
electrolytic solution
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JP6322180A
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Inventor
Hidenori Okamoto
秀則 岡本
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Nikko Kinzoku KK
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Nikko Kinzoku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定のための特別な装置を用いるまでもな
く、電解液中添加剤濃度を安価な設備でしかもメンテナ
ンスフリーで簡便に測定することのできる技術を提案す
ること。 【構成】 電解液中添加剤濃度の測定に当たり、電槽の
槽電圧経時変化よりそれの半値幅を求め、この半値幅と
添加剤濃度との関係より、被測定電解液中該添加剤濃度
を推定すること、とくに、被測定銅電解液にニカワ溶液
を添加することにより標準銅電解液を調整し、この標準
銅電解液についての槽電圧経時変化の半値幅を求めたの
ち、この半値幅とニカワ濃度との関係よりニカワ濃度を
推定すると共に、その半値幅とニカワ濃度との検量線を
作成し、そして、この検量線の傾きから被測定銅電解液
中チオ尿素濃度の推移を推定すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅電解液中などに含ま
れる膠(ニカワ)濃度を正確に測定するとともに、チオ
尿素の推移を把握する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銅の電解精製のような工業電解の分野で
は、均一電着面を得ることを目的として、電解液中にニ
カワやチオ尿素等の添加剤を添加しているが、この電解
液中の添加剤濃度の正確な測定技術や管理技術は未だ十
分に満足できるものが確立されておらず、一般には、そ
の消費量分を経験則に基づいて追添加することによって
対処しているのが実情である。それは、もし添加剤の過
不足が起こると、電着不良などを招くからである。
【0003】電解液中添加剤濃度の測定方法に関して
は、従来、多くの研究報告や特許出願がなされている。
これらの先行提案にかかる測定方法および装置は、主と
してサイクリックボルタメトリー法による測定であるこ
とから、高価な設備が必要となる上、各種の電極が必要
となると共に、メンテナンスの負荷が大きいという問題
点があった。また、この方法は、例えば、特開平5−1
95296号公報で記述しているように、電解液組成の
変動による測定誤差が大きく出るという問題点があっ
た。この改善策を提言している上記技術は、従来のサイ
クリックボルタメトリー法による測定よりももっと高価
な設備が必要となるという問題点を抱えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が抱えているこうした問題点を克服し、測定のため
の特別な装置を用いるまでもなく、電解液中添加剤濃度
を安価な設備でしかもメンテナンスフリーで簡便に測定
することのできる技術を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】さて、本発明者らは、上
記各従来技術が抱えている問題点を克服するために鋭意
研究を続ける中で、銅の電解に当たってアノードスライ
ムの発生しない陽極を使用して定電流電解を行った場合
には、カソード電位と槽電圧とが同じような経時変化を
示すことを見出した。そして、添加剤(ニカワ)無添加
の電解液にて銅電解を行った場合には槽電圧の経時変化
がほとんど見られないのに対し、添加剤(ニカワ)を加
えその濃度を高くすると、槽電圧の上昇速度が速くなる
こともわかった。さらに、以上の知見から本発明者ら
は、槽電圧経時変化とくにそれの半値幅と添加剤濃度と
の関係についても検討したところ、これらの間には強い
相関関係が存在することを確認したのである。
【0006】しかし、実際の現場の電解液については、
この電解液組成が常に変動していることから、上記のよ
うな相関関係があるからと言って電解液中の添加剤濃度
を直接定量したのでは、誤差が大きく出ることもわかっ
た。この点について、さらに研究を進めたところ、添加
剤溶液を添加する標準添加法または検量線を利用する方
法によれば、電解液組成変動の影響を全く受けずに添加
剤濃度の正確な測定が可能となることを見い出し、本発
明に想到したのである。
【0007】上述した知見に基づいて開発した本発明
は、電解液中添加剤濃度の測定に当たり、電槽の槽電圧
経時変化よりそれの半値幅を求め、この半値幅と添加剤
濃度との関係より、被測定電解液中該添加剤濃度を推定
することを特徴とする電解液中添加剤濃度の測定方法で
ある。さらに本発明は、被測定電解液中に添加剤溶液を
添加することにより標準電解液を調整し、この標準電解
液についての槽電圧経時変化の半値幅を求めることを特
徴とする。とくに、被測定銅電解液にニカワ溶液を添加
することにより標準銅電解液を調整し、この標準銅電解
液についての槽電圧経時変化の半値幅を求めたのち、こ
の半値幅とニカワ濃度との関係よりニカワ濃度を推定す
ると共に、その半値幅とニカワ濃度との検量線を作成
し、そして、この検量線の傾きから被測定銅電解液中チ
オ尿素濃度の推移を推定することを特徴とする電解液中
添加剤濃度の測定方法である。なお、本発明においてア
ノードとしては、電着物と同一の材質が好ましく、さら
に好ましい材質としては、測定中にアノードスライムの
発生しない材質の陽極を採用する。
【0008】
【作用】本発明各方法の特徴は、添加剤, 例えばニカワ
やチオ尿素などの濃度定量のために槽電圧の経時変化の
半値幅を用いることと、電解液組成などの変動に起因し
た誤差を無くすために、ニカワ溶液を標準添加して測定
することにより、標準電解液についての添加剤濃度と槽
電圧経時変化の半値幅との関係を示す検量線を作成し、
その傾きから被測定電解液中のチオ尿素濃度の推移を把
握することにある。
【0009】上述したように、銅の電解時にニカワ無添
加の電解液を用いた場合、槽電圧は上昇傾向を示さない
が、電解液のニカワ濃度が増加するとこの槽電圧上昇速
度が速くなる。そこで、その槽電圧上昇速度の代表特性
値として槽電圧経時変化のチャートより求めた半値幅に
着目し、この半値幅と電解液中ニカワ濃度の関係を調査
した。その結果、かかる半値幅と電解液中ニカワ濃度を
片対数プロットしたところ、この両者の間には図2に示
すような良好な直線的関係が得られることを確認した。
従って、この半値幅と電解液中ニカワ濃度との上記の関
係を利用すれば、以下の手順により、電解液中のニカワ
濃度の推定が可能となる。即ち、 (1) 被測定電解液にニカワ溶液を所定量添加し、半値幅
とこのニカワ濃度との関係を測定する。 (2) 上記ニカワ濃度に任意の値を上乗せし、得られた半
値幅と任意の値を上乗せしたニカワ濃度の対数とで回帰
式を求め、推定値との偏差の平方和を求める。 (3) 上記操作を繰り返し、最も推定値との偏差の平方和
が小さくなる上乗せ値を求める。 (4) こうして得られた、推定値との偏差の平方和が最も
小さくなる上乗せ値が被測定液中ニカワ濃度となる。
【0010】なお、上述した槽電圧経時変化の半値幅と
ニカワ濃度との関係から、銅電解液中のニカワ濃度を定
量するに当たっては、以下に説明するような方法を採用
することが好ましい。上記槽電圧経時変化の半値幅は、
図1に示す測定装置にて測定する。とくに、この槽電圧
経時変化の半値幅の測定において、正確な槽電圧を計測
するためには、アノード1とカソード2の面間距離を一
定に保つことが重要である。この点に関し本発明では、
上記測定装置の測定セルに溝を設け、この溝にアノード
1とカソード2を固定する構造のものを採用する。そし
て、測定中は電解液温度を一定に保つことが好ましい。
【0011】また、上述した標準電解液についてのニカ
ワ濃度と半値幅との検量線を正確に作成するためには、
測定中の電解液組成変化を避ける必要があるが、そのた
めにアノードとしては電着物と同一の材質を用いること
が好ましい。さらに好ましい材質としては、測定中にア
ノードスライムが発生しない材質、例えば、銅電解精製
の場合であれは、その液中ニカワ濃度を測定するとき、
電気銅, 無酸素銅等を使用するとよい。一方、カソード
については、実操業で使用している材質が使用できる
が、表面状態を一定にするため、エメリー紙で研磨する
等の前処理を施すことが好ましい。即ち、槽電圧の変化
の程度は、カソードの研磨状態によって影響を受けるた
め、カソード研磨に使用するエメリー紙は最も感度の良
くなる粗さのものを使用することが好ましい。
【0012】また、槽電圧上昇速度の変化は、電解液の
循環状態にも影響を受けるので、撹拌機回転数250 rpm
のような、いわゆる最も感度の良くなる循環状態を採用
することが好ましい。さらに、銅電解液中ニカワ濃度測
定について考えると、この電解液中に塩素イオンが存在
しないと明確な槽電圧の上昇が得られないことから、こ
の電解液については、塩素イオン濃度を1mg/1以上に
調整したのちに槽電圧を測定することが好ましい。これ
は、もし電解液中に所定量の塩素イオンが含まれていな
いと、ニカワ濃度の測定感度が低下するからである。
【0013】次に、槽電圧の経時変化, とくに槽電圧経
時変化の半値幅の求め方を図3に示す。図3は、実操業
での電解液で測定した槽電圧と通電後経過時間との関係
を示す図であり、この図に示す例では、半値幅は20min.
である。ここで、半値幅とは、槽電圧経時変化のチャー
トが(槽電圧最大値+槽電圧最小値)/2の槽電圧と交わ
る2点間の長さを時間にした値である。
【0014】
【実施例】
実施例1 銅電解用合成液(Cu:45 g/l, H2SO4:190 g/l, Cl:
20 mg/l)を調整し、この合成液にニカワ溶液(0.3 g/l)
を所定量添加する一方、そのニカワ溶液添加量を変化さ
せた場合の槽電圧経時変化の半値幅との関係を、電解液
中チオ尿素の量を0mg/l, 2.0 mg/l, 3.0 mg/lの3水準
に亘って測定した。その結果を表1と図2に示す。図2
に示すところから明らかなように、この合成液のニカワ
濃度と槽電圧の半値幅との間には良好な直線の相関関係
が存在していると同時に、チオ尿素の濃度によってその
関係が変化する(回帰式の傾きが変化する)ことがわか
った。いずれにしても、こうした方法によって、正確な
ニカワ濃度の定量およびチオ尿素濃度の変化の把握が可
能となることがわかった。
【0015】なお、この実施例で採用した条件は以下の
とおりとした。・固定条件 電解液温 52℃ 電流密度 250A/m2 使用電極 アノード:無酸素銅 カソード:SUS板(800番エメリー紙にて研磨) 撹拌機回転数 250 RPM・変動条件 電解液中チオ尿素 0,2,3mg/l の3水準
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 次に、本発明方法の効果を験証するために、実操業の銅
電解液の半値幅とニカワ濃度との関係を上記実施例1と
同じ条件で測定した。まず、実操業の被測定銅電解液
に、ニカワ溶液(0.3 g/l) を表2に示すように標準添加
して標準電解液を調整し、この標準電解液についての槽
電圧の半値幅を求めた。そして、これらの測定値から、
図4に示すような前記半値幅と前記標準電解液中ニカワ
濃度の片対数プロット(図中○印)の図を作成した。つ
いで、この図をもとに被測定電解液中のニカワ濃度を次
のようにして推定した。まず、添加ニカワ濃度に0.1 を
上乗せし、ニカワ濃度を0.1, 0.3, 0.6, 0.9,1.3 とし
てその対数値と半値幅との回帰式を求め、偏差の平方和
を計算する。次に、上乗せ値を0.2 とし、同様の処理を
行い上乗せ値0.2 の場合の偏差の平方和を計算する。以
下、同様に上乗せ値を変化させ、その上乗せ値での偏差
の平方和を計算したところ、上乗せ値0.6 での偏差の平
方和が最も小さい値となった。従って、この被測定電解
液中のニカワ濃度は 0.6 mg/l であることがわかる。ま
た、図4の回帰直線の傾きは 0.9であることもわかっ
た。なお、この液にチオ尿素を1mg/l添加した場合、回
帰式の傾きは0.8 となり、回帰式の傾きよりチオ尿素濃
度の推移が把握できることがわかった。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電解液中の添加剤の濃度を安価な設備を使用して正確
に、しかもメンテナンスフリーで測定することができ、
ひいては電解液中添加剤の濃度管理を簡易に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】槽電圧測定装置の略線図。
【図2】ニカワ濃度と槽電圧経時変化の半値幅との関係
を示すグラフ。
【図3】槽電圧経時変化と半値幅との関係を説明する模
式図。
【図4】実施例におけるニカワ濃度推定結果を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1 アノード 2 カソード 3 測定セル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液中添加剤濃度の測定に当たり、電
    槽の槽電圧経時変化よりそれの半値幅を求め、この半値
    幅と添加剤濃度との関係に基づき、被測定電解液中添加
    剤濃度を推定することを特徴とする電解液中添加剤濃度
    の測定方法。
  2. 【請求項2】 被測定電解液中に添加剤溶液を添加する
    ことにより標準電解液を調整し、この標準電解液につい
    ての槽電圧経時変化の半値幅を求めることを特徴とする
    請求項1に記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 被測定銅電解液にニカワ溶液を添加する
    ことにより標準銅電解液を調整し、この標準銅電解液に
    ついての槽電圧経時変化の半値幅を求めたのち、この半
    値幅とニカワ濃度との関係よりニカワ濃度を推定すると
    共に、その半値幅とニカワ濃度との検量線を作成し、そ
    して、この検量線の傾きから被測定銅電解液中チオ尿素
    濃度の推移を推定することを特徴とする電解液中添加剤
    濃度の測定方法。
JP6322180A 1994-12-26 1994-12-26 電解液中添加剤濃度の測定方法 Pending JPH08178895A (ja)

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