JPH08178812A - 動的破壊試験装置 - Google Patents

動的破壊試験装置

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JPH08178812A
JPH08178812A JP32108194A JP32108194A JPH08178812A JP H08178812 A JPH08178812 A JP H08178812A JP 32108194 A JP32108194 A JP 32108194A JP 32108194 A JP32108194 A JP 32108194A JP H08178812 A JPH08178812 A JP H08178812A
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京亮 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価にして、確実な、信頼性の高い解析を可
能にする動的破壊試験装置を提供する。 【構成】 機械や構造物の使用材料の破壊抵抗特性を測
定するための動的破壊試験装置において、落錘4を落下
させ、この落錘4の落下によってガイドロッド7を引下
げ、試験片2へ衝撃を与える落錘式衝撃試験機1と、デ
ジタルリターダ11と、このデジタルリターダ11の駆
動により発光するストロボスコープ12と、このストロ
ボスコープ12により前記試験片2を照射してそれを投
影するスクリーン17と、このスクリーン17上のコー
スティック像を撮像するカメラ18と、前記落錘4の落
下と同期して前記デジタルリターダ11と、前記カメラ
18とをセット状態にする操作回路10とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械や構造物の使用材
料の破壊抵抗特性を測定するための動的破壊試験装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、衝撃的な荷重による機械や構造物
の破壊が機械の高速化、構造物の巨大化に伴い大きな問
題となっている。したがって、これらの安全性を評価す
るためには、機械や構造物の使用材料の破壊抵抗特性で
ある動的応力拡大係数KId、破壊靱性KIDを、予め理解
しておく必要がある。従来、破壊靱性を求めるため各種
の衝撃実験装置により実験が行われており、例えば、岡
村・林・中沢・国尾、「破壊力学実験法」(199
3)、P.112、浅倉書店発行に記載されているもの
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな破壊靱性を求めるための衝撃試験装置における標準
的な試験法については未だ確立されていない。この種の
衝撃試験装置においては、特に、以下の点が問題であ
り、開発条件として挙げられる。
【0004】(1)試験片は金属から高分子材料まで全
ての実験を可能とする。 (2)超高速度カメラを用いないで、普通のカメラで単
発の高速度写真撮影を可能とする。 (3)スクリーン上に写るコースティックス像が鮮明に
なるよう、既存のストロボランプの付属部品の開発 (4)落錘式衝撃試験機の設計開発 (a)試験片固定方法の開発 (b)落錘の保持装置の簡易化 (c)落錘の二度打ち防止方法の開発 (d)試験片セット位置の微調整 (5)落錘の支持及び落下指示、ストロボランプの発光
指示、カメラシャッタの操作などの制御方法の開発 そこで、本発明は、上記開発条件を踏まえて、コーステ
ィックス法によるモードIの亀裂を持った帯状試験片に
落錘を直接落下させて、破断して、その時、生じたスク
リーン上のコースティックス像の高速度写真を撮影し、
その直径より動的応力拡大係数KId及び動的破壊靱性K
IDを求めることにより、安価にして、確実な、信頼性の
高い解析を可能にする動的破壊試験装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)機械や構造物の使用材料の破壊抵抗特性を測定す
るための動的破壊試験装置において、落錘を落下させ、
この落錘の落下によってガイドロッドを引下げ試験片へ
衝撃を与える落錘式衝撃試験機と、デジタルリターダ
と、このデジタルリターダの駆動により発光するストロ
ボスコープと、このストロボスコープにより前記試験片
を照射してそれを投影するスクリーンと、このスクリー
ン上のコースティック像を撮像するカメラと、前記落錘
の落下と同期して前記デジタルリターダと、前記カメラ
とをセット状態にする操作回路とを設けるようにしたも
のである。
【0006】(2)請求項1記載の動的破壊試験装置に
おいて、前記デジタルリターダは所定の遅延したパルス
を周期的に前記ストロボスコープに送り、間欠的な発光
を行わせるようにしたものである。 (3)請求項1記載の動的破壊試験装置において、前記
落錘式衝撃試験機は、門形のフレームと、前記試験片の
一端部をチャックする第1のチャック部と、前記試験片
の他端部をチャックする第2のチャック部と、前記第1
のチャック部を固定し前記門形のフレームに吊り下げる
第1の固定部と、前記第2のチャック部をスライド自在
にガイドする第2の固定部と、前記第2のチャック部に
連結される前記ガイドロッドの下端部に配置される前記
試験片の第2のチャック部より下部の部材の自重を除去
する試験片支持の自重除去装置と、前記ガイドロッドの
下端部の真下に設置されるショックアブソーバとを設け
るようにしたものである。
【0007】(4)請求項3記載の動的破壊試験装置に
おいて、前記落錘式衝撃試験機の第1及び第2のチャッ
ク部は、V溝付きのチャック本体とV溝付きの締め板と
を締着するようにしたものである。 (5)請求項1記載の動的破壊試験装置において、前記
ストロボスコープは、ストロボランプにリフレックスカ
バーを付けて閃光を集光させ、ピンホールをレンズサポ
ートに付け、ピンホール穴径をレンズ焦点に合わせて交
換できるように構成したものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、上記したように、 〔1〕上記(1)又は(2)記載の動的破壊試験装置に
よれば、 (1)衝撃試験において、コースティックス法による試
験片のき裂先端近傍に発生するコースティックス像は高
価な超高速カメラを用いないでも撮影することができ、
動的応力拡大係数KId及び破壊靱性KIDの挙動を安価に
して、確実に、信頼性の高い解析を行うことができる。
【0009】(2)試験作業は操作回路により、スイッ
チのワンタッチで自動的に操作できるもので、実験の誤
動作もなく合理化された。 〔2〕上記(3)記載の動的破壊試験装置によれば、 (1)落錘荷重及び落錘高さの測定ができ、エネルギが
正確に設定できる。 (2)試験片支持の自重除去装置及びショックアブソー
バの設置により、正確で、しかも信頼性の高い解析を行
うことができる。 〔3〕上記(4)記載の動的破壊試験装置によれば、試
験片を固定するチャックに細かいV溝加工を施したの
で、固定が確実になり、衝撃荷重が作用した場合、滑り
がなくコースティックス像の発生に時間遅れがなくなっ
た。 〔4〕上記(5)記載の動的破壊試験装置によれば、コ
ースティックス像の高速度写真が鮮明に撮影可能となっ
た。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の動的破壊試験装置の概
略全体構成図、図2はその動的破壊試験装置の操作回路
図、図3はその落錘式衝撃試験機の正面図、図4はその
落錘式衝撃試験機の側面図、図5はその動的破壊試験の
対象となる試験片である。
【0011】これらの図に示すように、本発明による試
験は、同一形状寸法に精密加工した多数の試験片2(図
5参照)を準備し、試験片2の1枚毎に、ストロボスコ
ープ12(図12参照)のストロボランプ13の閃光の
発光時間を設定し、落錘式衝撃試験機1(図3及び図4
参照)にセットし、落錘4による衝撃的なエネルギーを
試験片2に作用させて、試験片2が破壊するまでの状況
を、デジタルリターダ11の遅延回路により、ストロボ
ランプ13の閃光(閃光時間4μs)を発光させ、ピン
ホール14、コリメータ15、レンズ16を通して、試
験片2のき裂近傍に照射し、スクリーン17上に生じた
コースティックス像を、カメラ18を開放状態にして、
単発の高速度写真の撮影ができるようにしたものであ
る。
【0012】また、試験中における落錘4の電磁マグネ
ット5による保持及びガイドロッド7に沿った落錘4の
落下指示、デジタルリターダ11、ストロボスコープ1
2の発光指示、カメラシャッタ等の操作はコントロール
ボックス8の押しボタン8aを押すと内蔵される操作回
路10が自動的に操作できるように構成している。な
お、図1において、3はウエイト・サポート、6はベー
ス、ZO は試験片2とスクリーン17の距離、Zi は試
験片2とレンズ16の焦点位置との距離を示している。
【0013】図2はこの動的破壊試験装置の操作回路図
を示している。図2において、操作回路10は、押釦ス
イッチPB1 10a(押しボタン8aに対応)のワンタ
ッチ操作で、リレーR1 10bが励磁されて、リレー接
点R110cがオンされて、カメラ18がセットされる
とともに、リレー接点R1 10dがオンされてタイマT
1 10eが駆動する。また、押釦スイッチPB2 10g
(押しボタン8aに対応)も、押釦スイッチPB1 10
aと一緒にワンタッチ操作でオンし、リレーR2 10h
が励磁されて、リレー接点R2 10iがオンされて、デ
ジタルリターダ11がセットされるとともに、リレー接
点R2 10jがオンされてタイマT2 10mが駆動され
る。
【0014】また、前記リレーR1 10bの励磁によ
り、リレー接点R1 10nがオンされて、リレーR3
0qが励磁されて、リレー接点R3 10rがオフされ
て、電磁マグネット5が消勢されるため、保持されてい
た落錘4は落下する。なお、10pはリレー接点であ
る。すなわち、コントロールボックス8の押しボタン8
aを押すと、バブルモードにしたカメラ18のシャッタ
ーをリモートコントロールで開けると同時に、デジタル
リターダ11のSIGNALモードのリセット信号を出
し、電磁マグネット5を消勢し、落錘4を落下させる。
落錘4が落錘受け41に接触すると、この落錘4が落錘
受け41に接触することによって検知されるBREAK
信号をトリガーとして、デジタルリターダ11で設定し
た遅延時間後にストロボスコープ12のストロボランプ
13の閃光が間欠的に発生し、試験片2の亀裂先端の破
壊現象が間欠的に撮像され、その後、操作回路10のタ
イマ10cにより、カメラ18のシャッターを閉じ、操
作回路10のタイマ10mにより、デジタルリターダ1
1をオフにする。
【0015】次に、試験の対象(供試品)となる試験片
について図5を用いて説明する。図5(a)及び図5
(b)に示すように、試験片2のき裂2aの形状は、亀
裂深さDのV型形状(α=10°以上)とした。鋼板の
場合、板厚さt=0.8mm以下、幅W=2.0mm、
ポリカーボネイト板、アクリル板等はt=3mm以下、
幅W=30mmとする。ここでは、鋼板を用い、両端部
にそれぞれ2個の取り付け穴2bを形成した。
【0016】本実験においては、試験片2の幅W、き裂
深さDの精粗により実験結果に大きな影響を及ぼす。し
たがって、試験片2の幅Wの加工は材料を切断後、立て
フライス盤によりフルバックカッタで、30枚一組(ポ
リカーボネイト板、厚さt=3mm)、100枚一組
(鋼板厚さt=0.8mm)を何組加工しても全て同一
寸法に加工できるように考慮した。
【0017】き裂形状(図示なし)は、多量にまとめて
加工可能な形削り盤により、ヘール型突切りバイトの刃
先角度α=10°のV型にして、30枚一組又は100
枚一組を加工できるようにした。バイト刃先は研削後、
油砥石で先端を鋭く仕上げるようにし、き裂深さDの加
工誤差は、形削り盤の刃物台のダイヤルメータを利用し
て、±0.005mm内の加工を可能にした。
【0018】取り付け穴2bは、穴空け治具により5枚
一組として、ボール盤による加工とした。ポリカーボネ
イト板、アクリル板等はすべて加工終了後、電気炉(F
uji KAGAKU KIKAI)により、図6に示
すように、0.5時間で128℃まで加熱し、そのまま
の128℃で1時間加熱した後、8時間かけて冷却す
る、いわゆる、焼鈍を行った。
【0019】このように、試験片が多量に同一加工が可
能なため、従来のフライス加工による試験片と比較し
て、実験結果によるKIdの大きなばらつきがなくなっ
た。次に、落錘式衝撃試験機について説明する。図3及
び図4に示すように、ベース6上に、H型鋼、みぞ型鋼
を門形とした溶接構造のフレーム21を構築し、その中
心に試験片2をセットし、直接、落錘4の荷重が作用し
て試験片2を破壊する落錘式衝撃試験機1とした。
【0020】(a)試験片の固定装置 試験片2の固定装置としては図7に示すように、試験片
2の上押さえチャック本体22及び下押さえチャック本
体23を有し、それぞれに締め板24,25を備えてお
り、試験片2に接触する方にV溝加工を施し、六角穴付
きボルト26,27により締着して、衝撃荷重が作用し
ても滑らずに確実に固定できるようにした。
【0021】試験片2の下押さえチャック本体23は、
図8(a)のようにすると、落錘荷重が作用した場合、
回転変形を拘束するので、拘束されないように隙間28
を持った試験片ガイド29をウエイトサポート3に固定
した。また、図3及び図4に示すように、吊りボルト3
1、吊りナット32は試験片2の固定装置の自重、およ
び落錘荷重を支持すると同時に、試験片2の上下、左右
の位置調整ができる構造にした。なお、34はスライド
ブロックである。
【0022】(b)落錘の保持装置及び落錘 落錘4の保持は装置を簡略化するため、図3及び図4に
示すように、電磁マグネット(Fuji LRM30)
5を用い、スイッチ操作により落錘4を落下させるよう
にした。また、電磁マグネット5のウエイトサポート3
への固定は電流が絶縁できるように配慮した。
【0023】また、落錘4の重さP〔N〕が高さh
〔m〕よりガイドロッド7に沿って落下して、落錘受け
41に衝撃接触する。この接触により、ストロボスコー
プ12のストロボランプ13の閃光が発生するまでの時
間を、デジタルリターダ11により設定して試験を行う
(前述)ので、落錘4とガイドロッド7は絶縁するのが
望ましく、図3及び図4に示すように、落錘4の穴に塩
化ビニルパイブからなる絶縁スリーブ33を打ち込んで
ガイドロッド7に電流が流れないようにした。
【0024】(c)落錘による衝撃吸収装置 落錘による衝撃吸収装置として、試験片2が衝撃荷重に
より破断されない場合の二度打ち防止のため、図9に示
すように、衝撃吸収できるショックアブソーバ(富士精
機、RBC2725)42を落錘受け41の真下に設置
した。ショックアブソーバ42の最大吸収エネルギは1
47J(=147N・m)であり、本発明の場合、落錘
エネルギが147Jに達するには、落下高さh=0.7
5mとして落錘荷重P=210N(147/0.75=
210N)まで可能である。
【0025】(d)試験片支持の自重除去装置 図7の試験片固定装置の上押さえチャック本体22、締
め板24、ガイドロッド7、落錘受け41等の自重は試
験片2をチャックにセットすると、試験片2に自重が作
用して変形し、コースティックス像が小さく発生する。
従って、落錘受け41の下にコイルばね43を設置し、
これらの自重を除去するようにした。なお、これらの自
重Pは実測によると、P=29.4N(3kgf)であ
る。
【0026】コイルばね43は次のようにして求めた。
材料はピアノ線(SWP−A)とし、ばね中心径D=9
0mm、横弾性係数G=79.4×103 N/mm
2 (8.1×103 kgf/mm2 )、たわみδ=20
mm、有効巻き数n=5.5とすると、ばね線径dは、 d=4 √〔(8PD3 n)/(G・δ)〕=4 √〔(8
×29.4×903×5.5)/(79.4×103 ×
20)〕=4.94〔mm〕 ばね線径d=5mmとして、コイルばね43を衝撃試験
機に設置して実験してみると、コースティックス像の発
生は防止することができた。
【0027】以下、主要部分の計算を行った。 (a)フレーム フレームは、図10に示すように、フレームの下端はベ
ース51にボルトにより固定した門形ラーメン構造とし
た。コラム52はH形鋼(100×100−123
0)、ビーム53はみぞ形鋼(75×40−500)を
二本、背面合わせとして各部材はCO2 アーク溶接によ
る溶接構造とした。
【0028】図10に示すフレームを、図11(a)に
示すように、水平材ABの中央E点に集中荷重Pが作用
すると、角部材の曲げモーメント図は、図11(b)の
ようになる。図11(b)より、垂直材AC、BDに生
じる曲げモーメントMは剛節点A、Bでは、 M=Pl/4(2+k) …(1) 水平材中央の負荷点Eの曲げモーメントME は、 ME =Pl(1+k)/4(2+k) …(2) また、垂直材の下端C、Dに生じる曲げモーメントMO
は、 MO =M/2 …(3) 固定端C、Dの水平反力Hは、 H=(l/H)(M+MO )=3Pl/8(2+k)h …(4) ここで、kは水平材と垂直材の鋼性比で、 k=(I1 /l)/(I2 /h)=k1 /k2 …(5) ただし、I1 、I2 :断面2次モーメント 水平材の中央の負荷点E点の曲げ応力σE は、みぞ形鋼
を二本用いるので、 σE =ME /(2Z1 ) …(6) 垂直材A、B端の曲げ応力σABは、 σAB=M/Z2 …(7) 垂直材下端C、Dに生じる曲げ応力σO は、 σO =MO /Z2 …(8) ただし、Z1 、Z2 :部材の断面係数 以上の式より、フレームの強度について計算すると表1
のようになる。
【0029】
【表1】
【0030】部材の剛性比kは式(5)より、垂直材
(H形鋼)の断面2次モーメントI2=134cm4
みぞ形鋼の断面2次モーメントI1 =75.3cm
4 (表1より)、l=30cm、h=125cm(図1
1より)として、 k=(2I1 /l)/(I2 /h)=〔2×75.3/
30)〕/(134/125)=4.68 荷重Pは、鋼板試験片の破断荷重を仮定して、鋼板の極
限強さσ=400N/mm2 、試験片の幅W=20m
m、厚みt=0.8mmとして、 P=σ・t・W=400×20×0.8=6400
〔N〕 したがって、垂直材A、B点の曲げモーメントMは、前
記式(1)より、 M=Pl/4(2+k)=6400×30/4(2+
4.68)=7186〔N・cm〕 水平材のE点の曲げモーメントME は、前記式(2)よ
り、 ME =Pl(1+k)/4(2+k)=6400×30
×(1+4.68)/4×(2+4.68)=4081
4〔N・cm〕 垂直材A、B点の曲げ応力σABは、断面係数Z2 =2
6.7cm3 として、 σAB=M/Z2 =7186/26.7=269〔N/c
2 〕=2.69〔N/mm2 〕 水平材E点の曲げ応力σE は、断面係数Z1 =20.1
cm3 (表1より)として、 σE =ME /2Z1 =40814/2×20.1=10
15〔N/cm2 〕=10.15〔N/mm2 〕 垂直材下端C、D点の曲げ応力σO は、断面係数Z2
26.7cm3 として前記式(8)より、 σO =MO /Z2 =7186/2×26.7=134.
6〔N/cm2 〕=1.35〔N/mm2 〕 衝撃荷重を考慮して鋼材の極限強さσ=400N/mm
2 、安全率S=12として、許容曲げ応力σb は、 σb =σ/S=400/12=33.3〔N/mm2 〕 σb >σAB、σb >σE 、σb >σCD、σb >σO なの
で、十分安全である。 (b)締め付けボルト 試験片2を固定するボルトは六角穴付きボルト26,2
7を用いる。ボルト26,27の呼びdは、許容せん断
応力τ=100N/mm2 、荷重P=6400Nとし
て、 d=1.2√(4P/π・τ)=1.2√(4×640
0/π×100)=10.8〔mm〕 d=M12では大きすぎるので片側2本として、 d=1.2√(4P/2・π・τ)=1.2√(4×6
400/2×π×100)=7.7〔mm〕 d=M8として、試験片が鋼板の場合は4本、ポリカー
ボネイト板、アクリル板等は2本とする。
【0031】(c)ガイドロッド ガイドロッド7は、上部はチャック本体、下部は落錘受
け41にねじ込み固定する。上部ねじの呼びdはP=6
400N、安全率S=12、許容引張応力σt=570
/12=47.5N/mm2 (S45C)として、 d=1.2√(4P/π・σt )=1.2√(4×64
00/π×47.5)=15.7〔mm〕 d=M18 ねじ長さLは、ねじの許容面圧力q=40N/mm2
ねじの呼びd=18mm、谷の径d1 =15.5mmと
して、ねじ山数nは、 n=P/〔π/4(d2 −d1 2 )q〕=6400/
〔π/4×(182 −15.52 )×40〕=2.43
〔山〕 ねじの長さLは、ねじのピッチP=2.5mmなので、 L=n・p=2.43×2.5=6〔mm〕 ねじの長さL=20mmとしているので十分安全であ
る。なお、吊りボルト31・吊りナッド32のねじの呼
びはM20とした。
【0032】次に、撮影装置の改良について説明する。
図12(a)に示すように、ストロボランプ61を内蔵
するストロボスコープのレンズサポート62にレンズ6
3を付けた場合、スクリーン17のコースティックス像
は、閃光はまとまらず、高速度写真は鮮明に撮影不可能
であった。したがって、図12(b)に示すように、ス
トロボランプ71にリフレックスカバー72を付けて閃
光を集光させるようにし、レンズの代わりにピンホール
14をレンズサポート73に付け、ピンホール穴径をレ
ンズ焦点に合わせて交換できるようにした。
【0033】その結果、コースティックス像の高速度写
真が鮮明に撮影可能となった。以下、本発明の動的破壊
試験シテスムにより、モードIのき裂を持つポリカーボ
ネイト試験片の衝撃実験を表2に示す実験条件により実
施し、動的応力拡大係数KIdおよび動的破壊靱性KID
求め、併せて実験装置の機能成果を検討した。
【0034】
【表2】
【0035】落錘式衝撃試験機の落錘が落下して落錘受
けに接触してからの時間tをリターダの遅延回路により
100μs、200μs、300μs…と設定して撮影
したコースティックス像の高速度写真をとり、このコー
スティックス像の写真より、その直径Dを求めて、式
(9)に示す静的実験の応力拡大係数KI の式より求め
た動的応力拡大係数KIdおよび破壊靱性KIDを図13に
示す。
【0036】 KI =〔1.671/(ZO t・|CO |)〕×〔1/(λ3/2 )〕×(D/ δ)5/2 …(9) ただし、ZO :試験片とスクリーンの距離(図1より) t:試験片の厚さ λ:光の倍率でλ=(ZO −Zi )/Zii :試験片とレンズ焦点位置との距離(図1より) CO :光学常数でポリカーボネイトの場合 CO =−1.39×10 -4 2 /MN δ:コースティックス像の形状に関する定数 ポリカーボネイトの場合、δ=3.05(透過型) このように実験を行った結果、実験No.1の場合、衝
撃エネルギEs=6Nmと小さいため、KIdは時間の経
過とともに緩やかに増加して、時間t=2800μsに
おいてKId=2.5MN/m3/2 となったが、試験片は
破断しなかった。また、試験片のき裂先端近傍は、実験
前と変わらず、試験片は弾性変形してもとの状態に戻っ
たものと推定できる。
【0037】実験No.2の場合、KIdは時間t=18
00μs以降急上昇し、時間t=2400μsではKId
は6MN/m3/2 と最大を示し、時間t=2450μs
ではコースティックス像は淡く、試験片の破断状態が濃
く影響されている。この場合のKIdは1.4MN/m
3/2 であり、この時点で試験片の破断が始まり切断され
たものであり、このKIdが破壊靱性KIDと推定される。
【0038】ポリカーボネイトの場合、KId MAXまでが
弾性域を保ち、瞬間に断塑性に変形し、破断しているこ
とが判る。なお、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であ
り、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。 〔1〕請求項1又は2記載の動的破壊試験装置によれ
ば、 (1)衝撃試験において、コースティックス法による試
験片のき裂先端近傍に発生するコースティックス像は高
価な超高速カメラを用いないでも撮影することができ、
動的応力拡大係数KId及び破壊靱性KIDの挙動を安価に
して、確実に、信頼性の高い解析を行うことができる。
【0040】(2)試験作業は操作回路により、スイッ
チのワンタッチで自動的に操作できるもので、実験の誤
動作もなく合理化された。 〔2〕請求項3記載の動的破壊試験装置によれば、 (1)落錘荷重及び落錘高さの測定ができ、エネルギが
正確に設定できる。 (2)試験片支持の自重除去装置及びショックアブソー
バの設置により、正確で、しかも信頼性の高い解析を行
うことができる。 〔3〕請求項4記載の動的破壊試験装置によれば、試験
片を固定するチャックに細かいV溝加工を施したので、
固定が確実になり、衝撃荷重が作用した場合、滑りがな
くコースティックス像の発生に時間遅れがなくなった。 〔4〕請求項5記載の動的破壊試験装置によれば、コー
スティックス像の高速度写真が鮮明に撮影可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動的破壊試験装置の概略全体構成図で
ある。
【図2】本発明の動的破壊試験装置の操作回路図であ
る。
【図3】本発明の動的破壊試験装置の落錘式衝撃試験機
の正面図である。
【図4】本発明の動的破壊試験装置の落錘式衝撃試験機
の側面図である。
【図5】本発明の動的破壊試験の対象となる試験片を示
す図である。
【図6】本発明の動的破壊試験の対象となる試験片の熱
処理を示す図である。
【図7】本発明の動的破壊試験の対象となる試験片の固
定装置の斜視図ある。
【図8】本発明の動的破壊試験の対象となる試験片の回
転変形の拘束構造を示す図である。
【図9】本発明の動的破壊試験装置の衝撃吸収装置の構
成図である。
【図10】本発明の動的破壊試験装置の門型フレームを
示す図である。
【図11】本発明の動的破壊試験装置の門型フレームの
機械的強度の説明図である。
【図12】本発明の動的破壊試験装置の撮影装置の構成
図である。
【図13】本発明の実験例による試験片の動的応力拡大
係数KId及び破壊靱性KIDを示す図である。
【符号の説明】
1 落錘式衝撃試験機 2 試験片 2a 試験片のき裂 2b 取り付け穴 3 ウエイトサポート 4 落錘 5 電磁マグネット 6,51 ベース 7 ガイドロッド 8 コントロールボックス 10 操作回路 10a,10g 押釦スイッチ 10b,10h,10q リレー 10c,10d,10i,10j,10n,10p,1
0r リレー接点 10f,10k タイマ接点 10e,10m タイマ 11 デジタルリターダ 12 ストロボスコープ 13,71 ストロボランプ 14 ピンホール 15 コリメータ 16 レンズ 17 スクリーン 18 カメラ 21 フレーム 22 上押さえチャック本体 23 下押さえチャック本体 24,25 締め板 26,27 六角穴付きボルト 28 隙間 29 試験片ガイド 31 吊りボルト 32 吊りナット 33 絶縁スリーブ 34 スライドブロック 41 落錘受け 42 ショックアブソーバ 43 コイルばね 52 コラム 53 ビーム 72 リフレックスカバー 73 レンズサポート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械や構造物の使用材料の破壊抵抗特性
    を測定するための動的破壊試験装置において、(a)落
    錘を落下させ、該落錘の落下によってガイドロッドを引
    下げ、試験片へ衝撃を与える落錘式衝撃試験機と、
    (b)デジタルリターダと、(c)該デジタルリターダ
    の駆動により発光するストロボスコープと、(e)該ス
    トロボスコープにより前記試験片を照射してそれを投影
    するスクリーンと、(f)該スクリーン上のコースティ
    ック像を撮像するカメラと、(g)前記落錘の落下と同
    期して前記デジタルリターダと、前記カメラとをセット
    状態にする操作回路とを具備することを特徴とする動的
    破壊試験装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動的破壊試験装置におい
    て、前記デジタルリターダは所定の遅延したパルスを周
    期的に前記ストロボスコープに送り、間欠的な発光を行
    わせることを特徴とする動的破壊試験装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の動的破壊試験装置におい
    て、前記落錘式衝撃試験機は、(i)門形のフレーム
    と、(ii)前記試験片の一端部をチャックする第1のチ
    ャック部と、(iii)前記試験片の他端部をチャックする
    第2のチャック部と、(iv) 前記第1のチャック部を固
    定し、前記門形のフレームに吊り下げる第1の固定部
    と、(v)前記第2のチャック部をスライド自在にガイド
    する第2の固定部と、(vi)前記第2のチャック部に連
    結される前記ガイドロッドの下端部に配置される前記試
    験片の第2のチャック部より下部の部材の自重を除去す
    る試験片支持の自重除去装置と、(vii)前記ガイドロッ
    ドの下端部の真下に設置されるショックアブソーバとを
    具備することを特徴とする動的破壊試験装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の動的破壊試験装置におい
    て、前記落錘式衝撃試験機の第1及び第2のチャック部
    は、V溝付きのチャック本体とV溝付きの締め板とを締
    着してなる動的破壊試験装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の動的破壊試験装置におい
    て、前記ストロボスコープは、ストロボランプにリフレ
    ックスカバーを付けて閃光を集光させ、ピンホールをレ
    ンズサポートに付け、ピンホール穴径をレンズ焦点に合
    わせて交換できるように構成したことを特徴とする動的
    破壊試験装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102539254A (zh) * 2011-11-18 2012-07-04 中国矿业大学(北京) 数字激光动态焦散线实验方法和系统
CN109975137A (zh) * 2019-04-16 2019-07-05 中国矿业大学(北京) 一种动态加载的焦散线-shpb同步实验系统及方法

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