JPH08177639A - 2サイクルエンジンへの燃料供給装置 - Google Patents

2サイクルエンジンへの燃料供給装置

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JPH08177639A
JPH08177639A JP6320216A JP32021694A JPH08177639A JP H08177639 A JPH08177639 A JP H08177639A JP 6320216 A JP6320216 A JP 6320216A JP 32021694 A JP32021694 A JP 32021694A JP H08177639 A JPH08177639 A JP H08177639A
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JP
Japan
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fuel
combustion chamber
pipe
engine
cycle engine
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Application number
JP6320216A
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English (en)
Inventor
Takeshi Motoyama
雄 本山
Yoshihiko Moriya
美彦 守屋
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of The Air-Fuel Ratio Of Carburetors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジン回転を加速したい時に、燃焼室への燃
料の供給量を迅速に増加させることができる2サイクル
エンジンへの燃料供給装置を提供する。 【構成】吸気管20内の吸気通路に気化器9によって燃
料を供給して混合気を生成し、この混合気を2サイクル
エンジン8の吸気ポート21、クランク室48、掃気ポ
ート50、燃焼室46の順に流通させ、燃焼室46で燃
焼させる。一方、気化器9とは別に、加速ポンプ60を
設け、エンジン回転を加速したい時に、燃焼室46の直
前に設けられた掃気ポート50に燃料を追加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2サイクルエンジン
への燃料供給装置に係り、さらに詳しくはエンジン回転
数を変更したい時に、燃焼室への燃料の供給量を迅速に
増加させることができる2サイクルエンジンへの燃料供
給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりエンジンには、燃焼室へ混合気
を供給するための吸気通路が連設されており、この吸気
通路内の空気に対して、気化器によって霧化された燃料
が混合されて、混合気が生成される。この場合、エンジ
ンが負圧になることによって、吸気通路を通じて混合気
がエンジンに供給され、ここで生じる気流を利用して気
化器から燃料が供給されるようになっている。
【0003】一般に、エンジンの回転数が増加する程、
これに比例して吸入される空気の量が増加し、空気の量
が増加すればこれに比例して燃料を増加させなければな
らない。このため、従来、気化器に対して様々な改良が
行われてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、気化器が改良
されているとはいえ、2サイクルエンジンについては、
次のような問題点がある。まず、現在主流となっている
リード弁式の2サイクルエンジンでは、吸気通路から一
旦クランク室内に混合気を流入させた後、クランク室か
ら掃気ポートを通じて燃焼室へ混合気を供給する。これ
によって、クランク室内に流入された混合気をピストン
の裏側で圧縮し、燃焼室内に混合気が勢いよく送り込ま
れることになる。ところが、クランク室はピストンが下
死点にあるときの行程容積の4倍程の容積を有してい
る。したがって、例えばエンジン回転数を加速させるの
に合わせて、気化器によって吸気通路内の混合気の燃料
を濃くしたとしても、すでにクランク室内にある混合気
をまず燃焼室に送り込んで燃焼させた後でなければ、濃
くなった混合気を燃焼室に送り込むことができない。す
なわち、急加速時に混合気を濃くしてもそれが加速に寄
与するまで、数サイクル遅れてしまい過渡応答性が悪い
という問題がある。
【0005】また、実質的に混合気中の燃料が気化され
るのは燃焼室内であり、クランク室内では混合気中の燃
料が内壁面に付着する。しかも、クランク室の内壁面の
面積はかなり大きい。したがって、燃料が増量された混
合気がクランク室に流入しても、クランク室の内壁面へ
燃料が付着するために、直ちに増量した混合気のすべて
が次のサイクルで燃焼されるわけではない。結局、クラ
ンク室に残った燃料は、その後に流入してくる混合気に
乗って、燃焼室に運ばれることになる。これによっても
過渡応答性が悪いという問題がある。
【0006】この発明は前記の事情を考慮してなされた
ものであり、エンジン回転を加速したい時に、燃焼室へ
の燃料の供給量を迅速に増加させることができる2サイ
クルエンジンへの燃料供給装置を提供することを第1の
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明にあっては、2サイクルエン
ジンの燃焼室へ混合気を供給するための吸気通路内に燃
料を供給し前記混合気を生成する主燃料供給手段と、前
記2サイクルエンジンのリード弁の下流から前記燃焼室
に至るまでのいずれかの箇所に燃料を追加する燃料補正
手段とを具備することを特徴としている。また、請求項
2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の特徴に加
えて、前記燃料補正手段に、前記2サイクルエンジンの
行程に応じて、追加する燃料の流量を調節する第1の調
節手段を設けたことを特徴としている。
【0008】請求項3に記載の発明にあっては、請求項
2に記載の特徴に加えて、前記燃料補正手段が前記2サ
イクルエンジンを加速する際に作動するようになされて
おり、前記2サイクルエンジンに与える加速度に応じて
前記の追加する燃料の流量を調節する第2の調節手段を
前記燃料補正手段に設けたことを特徴としている。請求
項4に記載の発明にあっては、請求項3に記載の特徴に
加えて、前記燃料補正手段が、前記2サイクルエンジン
を減速する際に作動するようになされており、前記第2
の調節手段が前記2サイクルエンジンに与える減速度に
応じて前記の追加する燃料の流量を調節することを特徴
としている。
【0009】請求項5に記載の発明にあっては、請求項
4に記載の特徴に加えて、前記燃料補正手段が、前記2
サイクルエンジンに与える加速度に応じて、前記の追加
する燃料を供給する位置を変更可能であることを特徴と
している。さらに、請求項6に記載の発明にあっては、
請求項5に記載の特徴に加えて、前記燃料補正手段に、
前記2サイクルエンジンの回転数に応じて、前記の追加
する燃料の流量を調節する第3の調節手段を設けたこと
を特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1に記載の発明にあっては、吸気通路内
に燃料を霧化して混合気を生成する主燃料供給手段(例
えば気化器)とは別に、リード弁の下流から前記燃焼室
に至るまでのいずれかの箇所に燃料を追加する燃料補正
手段を設けている。例えば、燃焼室に混合気が供給され
る直前のポートに燃料を追加する場合には、回転数を加
速するために燃料を追加すると、直ちに燃焼室での掃排
気行程時における掃気気流に乗せて、追加された燃料を
燃焼室内に送り込むことが可能である。また、燃焼室に
直接燃料を追加する場合には、燃料を追加すると即座に
燃焼室内にその燃料が供給される。したがって、前記の
過渡応答性の問題を解決でき、エンジン回転を加速した
い時に、燃焼室への燃料の供給量を迅速に増加させるこ
とが可能である。請求項2に記載の発明にあっては、第
1の調節手段が2サイクルエンジンの行程に応じて、追
加する燃料の流量を調節する。例えば、燃焼室に混合気
が供給される直前のポートに燃料を追加する場合には、
このポートと燃焼室との間がピストンで閉塞されている
時に第1の調節手段で燃料を一時的に追加しないように
し、ポートと燃焼室との間が開放された時に燃料を追加
する。また、燃焼室に直接に燃料を追加する場合には、
2サイクルエンジンの燃焼行程および排気行程初期で燃
料を追加しないようにして、それ以外の行程で燃料を追
加する。このようにして、燃焼されずに無駄になること
を避け、燃料を追加することが可能である。
【0011】また、請求項3に記載の発明にあっては、
第2の調節手段により、2サイクルエンジンに与える加
速度に応じて追加する燃料の流量を調節するようにして
おり、急加速時には急加速のためにエンジンで必要とさ
れる大流量の燃料を追加することができる。その一方、
緩やかな加速時は、少ない流量の燃料を追加し、燃焼さ
れずに無駄になる燃料を少なくすることができ、燃費を
上昇させないで済む。請求項4に記載の発明にあって
は、2サイクルエンジンを減速する際に燃料補正手段が
作動して燃料を追加する。この際、第2の調節手段が2
サイクルエンジンに与える減速度に応じて追加する燃料
の流量を調節する。減速する際には、エンジンの回転数
がまだ下がっていない時に、主燃料供給手段で供給され
る燃料が少なくなり過ぎて、混合気内の燃料濃度が足り
なくなり、エンジンストールを起こすことがある。これ
に対して、燃料補正手段が燃料が追加することによっ
て、このようなエンジンストールを防止することができ
る。また、第2の調節手段によって、急減速時には、ま
だ下がっていない回転数に合せて大流量の燃料を追加す
ることができる。その一方、緩やかな減速時には、主燃
料供給手段による混合気の燃料濃度の低下も緩やかであ
るから、第2の調節手段によって少ない流量の燃料を追
加し、燃焼されずに無駄になる燃料を少なくすることが
できる。これによっても、やはり燃費を上昇させないで
済む。
【0012】また、請求項5に記載の発明にあっては、
燃料補正手段が、2サイクルエンジンに与える加速度に
応じて、追加する燃料を供給する位置を変更することが
可能である。例えば、急加速する時には、燃焼室の直前
のポートまたは燃焼室に直接燃料を追加し、緩やかに加
速する時には、クランク室に燃料を追加する。これによ
り、急加速の際には、直ちに目標とする回転数に応じた
燃料を追加することができ、緩やかな加速の際には、既
に燃焼室にある混合気を燃焼させてから、徐々に燃焼室
内の混合気の濃度を上昇させるようにできるので無駄に
なる燃料を少なくして燃費を上昇させないで済む。さら
に、請求項6に記載の発明にあっては、第3の調節手段
が、2サイクルエンジンの回転数に応じて、追加する燃
料の流量を調節する。すなわち、高回転数の際には、エ
ンジンの1行程の時間が短くなり、主燃料供給手段によ
って増量された燃料が燃焼室で燃焼するまでの時間的な
遅れも短くなるのに対して、低回転数の際には、エンジ
ンの1行程の時間が長くなり、主燃料供給手段によって
増量された燃料が燃焼室に流入するまでの時間的な遅れ
も長くなる。したがって、追加する燃料を回転数が低い
時に多くして、回転数が高い時に少なくすれば、実際に
エンジンが必要とする燃料濃度に合せて燃料を追加でき
ると共に、無駄になる燃料を減らして燃費を上昇させな
いで済む。
【0013】
【実施例】
(1) 第1実施例A.実施例の構成 以下、図面を参照してこの発明の一実施例について説明
する。まず、図1は実施例に係る2サイクルエンジンへ
の燃料供給装置を備えた自動二輪車を示す側面図であ
る。図において符号1はフレームを示す。フレーム1の
前部にはステアリングシャフト4が取り付けられてお
り、ステアリングシャフト4には前輪5が設けられてい
る。そして、ステアリング3の操作により前輪5を回転
し、自動二輪車の進行方向を変更するようになってい
る。
【0014】また、フレーム1の上には燃料タンク6お
よびシート7が固定され、フレーム1の中央には2サイ
クルエンジン(以下、「エンジン」とする)8が搭載さ
れている。エンジン8には、内部に吸気通路が設けられ
た吸気管20およびエアクリーナ10が連設されてお
り、エアクリーナ10および吸気管20を通じて空気が
取り入れられる。また、吸気管20とタンク6の間には
気化器(主燃料供給手段)9が接続され、これによって
燃料タンク6からの燃料が気化器9を通じて吸気管20
内の吸気通路に供給される。気化器9は燃料を霧化しな
がら吸気通路内に供給し、吸気通路内で混合気を生成す
る。そして、この混合気がエンジン8に取り入れられ
る。エンジン8にはマフラー18が取り付けられてお
り、エンジン8内で燃焼した混合気がマフラー18を通
じて排出される。
【0015】エンジン8の出力は、図示しないクラッチ
を介して、ギアボックス11に伝達され、これによりギ
アボックス11の出力軸に固定されたドライブスプロケ
ット12が回転するようになっている。ドライブスプロ
ケット12の回転は、チェーン13によってドリブンス
プロケット14に伝達され、これによって後輪15が回
転し、自動二輪車に推進力が与えられる。後輪15は、
衝撃を吸収するリアアーム16を介してフレーム1に取
り付けられている。なお、符号17は運転者が足をのせ
るステップを示す。
【0016】さて、図2は図1中のエンジン8付近を拡
大して示す側面図であり、図3は図2のIII−III矢視断
面図である。エンジン8は、クランクケース30と、ク
ランクケース30に固定されたシリンダブロック32
と、シリンダブロック32に固定されたシリンダヘッド
カバー42とを備えている。クランクケース30の内部
には、クランク36が回転自在に支持されており、クラ
ンク36にはコンロッド38が取り付けられている。コ
ンロッド38には、円柱状のピストン40が取り付けら
れている。これによってピストン40が上下に往復する
と、クランク36が回転するようになっている。
【0017】クランクケース30の内部およびシリンダ
ブロック32の内部には、ピストン40が往復する円筒
状の空間34が設けられており、この空間34がクラン
ク室48と連なっている。そして、この空間34に連な
るようにシリンダヘッドカバー42には凹部35が形成
されている。空間34と凹部35は、燃焼室46とな
る。すなわち、ピストン40の上端面41によって、燃
焼室46が狭められてゆき、混合気が燃焼室46内で圧
縮される。シリンダヘッドカバー42には、点火プラグ
44が取り付けられており、圧縮された混合気が点火プ
ラグ44により点火される。
【0018】前述した吸気管20内の吸気通路は、クラ
ンクケース30に形成された吸気ポート21に連通して
おり、吸気ポート21はクランク室48に向けて開口し
ている。また、シリンダブロック32には、複数の掃気
ポート50,50が穿設されている。掃気ポート50,
50は、クランク室48と燃焼室46とを連通してい
る。
【0019】図2に示されるように、吸気ポート21は
一つの掃気ポート50と連なって形成されている。ま
た、吸気ポート21にはリード弁22が設けられてお
り、リード弁22は、2枚の弾性板22a,22bを有
している。そして、吸気ポート21からクランク室48
に向けて混合気が流入するときには、弾性板22a,2
2bが撓んで混合気を通過させるが、クランク室48ま
たは掃気ポート50から吸気ポート21へは混合気が逆
流しないようになっている。
【0020】そして、吸気ポート21を通じて供給され
る混合気は、一旦クランク室48内に流入し、クランク
室48から掃気ポート50を通過して燃焼室46まで流
入させられるようになっている。なお、燃焼室46には
排気ポート49が連通しており、燃焼した混合気が燃焼
室46から排気ポート49を通じて、マフラー18に向
けて排出される。
【0021】さて、このエンジン8では、燃焼室46に
混合気を供給する掃気ポート50中の混合気に燃料が追
加されるようになっている。図4は、この燃料を追加す
るための加速ポンプ(燃料補正手段)60を示す。加速
ポンプ60は、気化器9(図1)のフロートチャンバー
82に連通した管84と、管84に接続された圧力室8
6とを備えている。また、圧力室86には管88が接続
されており、管88には管90が接続されている。ここ
で、圧力室86には管84を通じて、フロートチャンバ
ー82内の燃料Fが流入する。圧力室86内には、管8
4へ燃料Fが逆流しないようにインレットチェックバル
ブ74が設けられている。また、圧力室86内には、ピ
ストン70が上下に摺動自在に配置されており、燃料F
が封止されている。このピストン70は、コイルスプリ
ング72によって上方へ付勢されている。なお、図にお
いて符号83はフロートを示す。
【0022】管90は、管88と接続される部分が大径
になされており、ここにディスチャージチェックバルブ
76が配置されている。このディスチャージチェックバ
ルブ76は、スプリング78によって管88側に押圧さ
れ、管88から管90へは燃料Fを流すが、管90から
管88へは逆流させないようになっている。この管90
は図2および図3に示す掃気ポート50内まで延在して
おり、管90の先端には吐出ノズル80が設けられてい
る。この吐出ノズル80の内部にはジェット81が設け
られており、ジェット81が燃料Fの流速を高めて掃気
ポート50内へ送り出す。
【0023】加速ポンプ60は、ステアリング3(図
1)に設けられたスロットル62によって操作される。
すなわちスロットル62を加速方向に回転すると、スロ
ットルレバー64が回転する。スロットルレバー64に
は、ポンプレバー65が一体に取り付けられており、ス
ロットルレバー64が加速方向に回転すると、ポンプレ
バー65も回転軸64aを中心に加速方向に回転し、コ
イルスプリング72に抗してプッシュロッド66を押し
下げる。なお、スロットルレバー64が減速方向に回転
する時には、コイルスプリング72によってプッシュロ
ッド66が持ち上げられる。
【0024】ポンプレバー65に押し下げられたプッシ
ュロッド66は、ピストン70を押し下げる。これによ
って、圧力室86および管88内の燃料Fの圧力が高ま
って、ディスチャージチェックバルブ76を押圧して管
90に流出する。そして、図2および図3に示す吐出ノ
ズル80から掃気ポート50に燃料Fが注入されること
になる。
【0025】プッシュロッド66の途中にはダンパー
(第2の調節手段)68が設けられている。プッシュロ
ッド66が急激に押し下げられると、ダンパー68はそ
のまま変位をピストン70に伝達し、圧力室86内の圧
力を大きく高めて、吐出ノズル80から流出する燃料F
の流量を大きくする。一方、プッシュロッド66が緩や
かに押し下げられると、ダンパー68は圧縮されながら
ピストン70を押し下げる。したがって、圧力室86内
の圧力はあまり高まらず、吐出ノズル80から流出する
燃料Fの流量はさほど増加しない。つまり、急加速する
ために、スロットル62を急激に回転すれば、吐出ノズ
ル80から流出する燃料の流量が非常に大きくなり、ゆ
っくり加速する場合には吐出ノズル80での流量はあま
り大きくはならない。
【0026】なお、スロットルレバー64が回転する
と、その位置に応じて気化器9により霧化される燃料の
量が変更され、これによって混合気の燃料濃度がエンジ
ン回転数に応じたものに調節されるようになっている。
すなわち、エンジン回転数が大きい時には、気化器9が
燃料濃度を大きくし、エンジン回転数が小さい時には、
気化器9が燃料濃度を小さくする。
【0027】B.実施例の動作 次に、この実施例の動作について説明する。まず、この
実施例では、エアクリーナ10によって清浄化された空
気が、吸気管20内の吸気通路を通じてエンジン8に取
り込まれる。この際、気化器9により燃料が霧化され
て、混合気が吸気通路内で生成される。
【0028】この混合気は、ピストン40が上昇してい
る時に、吸気ポート21を通じて、クランク室48内に
流入する。そして、ピストン40が下降する時、混合気
はクランク室48内で1次圧縮させられ、圧力が上昇し
た状態でクランク室48から掃気ポート50を通じて、
燃焼室46に流入させられる。再度ピストン40が上昇
する時に、燃焼室46内の混合気は、2次圧縮させられ
て点火プラグ44により点火される。ピストン40の上
昇および混合気の慣性によって、この時には新しい混合
気がクランク室48内に流入している。
【0029】点火された混合気が燃焼室46内で燃焼す
ることによって、ピストン40が下降する。この後、1
次圧縮されたクランク室48内の混合気が燃焼室46へ
向けて流入を開始し、燃焼室46内の燃焼ガスが排気ポ
ート49を通じてマフラー18に向けて排出される。
【0030】以上の過程を繰り返し、燃焼室46内で混
合気が燃焼することにより、ピストン40に力が与えら
れて、クランク36が回転させられる。また、ピストン
40の往復するごとに、吸気ポート21から混合気が流
入し、この混合気が燃焼室46内の燃焼した混合気を排
気ポート49を通じて追い出しながら、掃気ポート50
を通じて燃焼室46内に流入する。
【0031】さて、ここで加速するために、運転者がス
ロットル62を加速方向に回転させたとする。すると、
スロットルレバー64が加速方向に回転して、気化器9
によって霧化される燃料の量が増大する。したがって、
混合気中の空燃比が低下、すなわち燃料濃度が濃くな
る。しかし、この時濃くなった燃料が燃焼室46内に流
入し、燃焼するのは、既に燃焼室46およびクランク室
48内にある混合気の燃焼が終了した後である。また、
クランク室48の内壁面に燃料が付着するために、増量
された燃料が燃焼されて、加速に寄与するのは数サイク
ル後になる。
【0032】また、スロットルレバー64が加速方向に
回転すると、ポンプレバー65によって図4に示すプッ
シュロッド66が押し下げられ、ピストン70が圧力室
86内の燃料Fを圧縮する。するとディスチャージチェ
ックバルブ76がスプリング78に抗して管88と管9
0の間を開いて、管90に燃料Fを流入させる。この燃
料Fは吐出ノズル80に設けられたジェット81によっ
て加速させられて、掃気ポート50(図2および図3)
に注入させられる。
【0033】ここで、プッシュロッド66が急激に押し
下げられると、ダンパー68はそのまま変位をピストン
70に伝達し、圧力室86内の圧力を大きく高めて、吐
出ノズル80から流出する燃料Fの流量を大きくする。
一方、プッシュロッド66が緩やかに押し下げられる
と、ダンパー68は圧縮されながらピストン70を押し
下げる。したがって、圧力室86内の圧力はあまり高ま
らず、吐出ノズル80から流出する燃料Fの流量の増加
はさほど大きくはならない。つまり、急加速するため
に、スロットル62を急激に回転すれば、吐出ノズル8
0から流出する燃料Fの流量が非常に大きくなり、ゆっ
くり加速する場合には吐出ノズル80での流量はあまり
大きくはならない。
【0034】このようにして掃気ポート50に追加され
た燃料は、燃焼室46での掃排気行程時における掃気気
流に乗り、燃焼室46内に送り込まれる。したがって、
エンジン回転を加速したい時に、直ちに燃焼室46に燃
料Fを補給することができ、気化器9単独で混合気の燃
料濃度を高くする場合に比べて、過渡応答性を改善する
ことが可能である。
【0035】なお、圧力室86から燃料Fが流出するこ
とによって、圧力室86の内部の圧力が低下する。そし
て、大気圧と圧力室86内の圧力が平衡したら、ディス
チャージチェックバルブ76が管88と管90の間を閉
塞する。また、圧力室86内の圧力とフロートチャンバ
ー82側の圧力と平衡したなら、インレットチェックバ
ルブ74が圧力室86と管84の間を開いて、燃料Fが
圧力室86内に流入する。これにより、吐出ノズル80
への追加燃料の供給は遮断されるが、気化器9によって
燃料濃度が濃くされた混合気がクランク室48、掃気ポ
ート50を通過して燃焼室46内に流入してくる。そし
て、これ以降は、定常的にエンジン8が稼働するように
なる。
【0036】また、ダンパー68を設けることによっ
て、前記のように急加速時には吐出ノズル80から注入
される燃料Fの量を非常に大きくすることができる一方
で、緩やかに加速する時には吐出ノズル80から注入さ
れる燃料Fの量をあまり大きくしないようにしている。
したがって、急加速の際に必要とされる燃料を迅速に増
加させることができると共に、緩やかに加速する際に燃
焼されずに無駄になる燃料が生じるの抑制することがで
き、これにより燃費の悪化が防止される。
【0037】さらに、この実施例では、吐出ノズル80
をシリンダブロック32に貫通させ、掃気ポート50の
断面中央まで延在させている。これによって吐出ノズル
80が加熱されており、吐出ノズル80内を通過する燃
料Fに余熱が与えられる。したがって、燃焼室46に流
入した後での燃料Fの燃焼性が高まり、エンジンの効率
がよい。
【0038】なお、この実施例では、ポンプレバー65
がスロットルレバー64によって回転されてから、圧力
室86内の圧力が十分に低下するまでの間、管88から
管90まで燃料Fが流入し続ける。このため、エンジン
8が例えば燃焼行程にある時、すなわち例えば図2およ
び図3に示すようにピストン40が上死点付近にあって
掃気ポート50と燃焼室46との間が塞がれている時
に、掃気ポート50に吐出ノズル80から燃料Fが注入
されると、掃気ポート50の内壁面に燃料Fが付着し、
クランク室48側に流れ落ちる場合がある。しかし、注
入した燃料Fのうち掃気ポート50に付着した分は、次
の掃排時に、すぐに燃焼室46内に流入することにな
る。
【0039】なお、クランク室48側に流れ落ちる燃料
Fの量を極力少なくし、掃気ポート50へ吐出された燃
料を早急に燃焼室46内に流入させられるように以下の
ようにエンジン8の行程に応じて追加する燃料Fの流量
を調節する手段(第1の調節手段)を設けると好まし
い。 ピストン40が上死点付近にあって、掃気ポート4
0と連なるクランク室48の圧力が最小となるとき、掃
気ポート50の内圧は最も低くなり、かつピストン40
のスカートにより掃気ポート50と燃焼室46との間が
塞がれているため、この時掃気ポート50に燃料Fを吐
出しても、クランク室48側に流れ落ちやすくなる。こ
のため、例えば管90にアキュムレータを設けると共
に、アキュムレータと吐出ノズル80との間に電磁弁を
配置し、ピストン40が上死点付近にあるときは電磁弁
を閉じ、掃気のタイミングに合せて電磁弁を開く。これ
によって、エンジン8の掃排気時に掃気ポート50に注
入された燃料Fが掃気流にのって速やかに燃焼室46内
に流入する。具体的には、管90を伸縮性の大きいゴム
などで形成したり、管90の途中にダイヤフラム(図示
せず)を設けたりして、燃料Fを蓄積するアキュムレー
タとして機能させる。
【0040】 あるいは、例えばスプリング78の台
座の位置をエンジン8の回転に同期させて変動させるな
どにより、ディスチャージチェックバルブ76の開弁圧
力を調節し、ピストン40が上死点付近にある時、開弁
圧力を高くし、掃気のタイミングに合せてディスチャー
ジチェックバルブ76を開くようにする。この場合に
は、圧力室86とフロートチャンバー82の間に逆流が
可能なように、インレットチェックバルブ74を設けず
に、図5に示すジェット92を管84に設けるか、ある
いは圧力室86とディスチャージチェックバルブ76と
の間に前記と同様のアキュムレータを設ける。 または、図4に示すように、管90に電磁的な三方
弁51を設け、コントローラ52によって三方弁51を
制御して、ピストン40が上死点付近にある時は、フロ
ートチャンバー82に燃料Fを返し、そうでない時に吐
出ノズル80から燃料Fを吐出させるようにしてもよ
い。
【0041】C.変更例 前記の実施例では、エンジン8の高速回転時におい
ても、低速回転時においても、同様に掃気ポート50内
に燃料Fが追加されるようになっている。しかし、実際
の使用上、過渡応答性が問題となるのは、自動二輪車の
場合、3000ないし4000rpmの低速回転時であ
り、10000rpm程度の高速回転時ではあまり問題
にはされない。これは、回転が早いほど、エンジンの1
行程の時間が短く、気化器9で増量した燃料が燃焼する
までの時間的な遅れも短いためである。したがって、エ
ンジン回転数が高いときには、吐出ノズル80には燃料
Fを送らずにフロートチャンバー82に戻すように、例
えば図4に示す三方弁51(第3の調節手段)をコント
ローラ52で制御するとよい。これによって、高速回転
時に燃焼室で燃焼室46で燃焼されずに無駄になる燃料
を減らして燃費の悪化を防止できる。
【0042】 また、図5は、図4に示す加速ポンプ
60の一部を変更した例を示す。この変更例の加速ポン
プ(燃料補正手段)160では、圧力室86内にインレ
ットチェックバルブ74を設けずに、その代わりにジェ
ット(第2の調節手段)92を管84に設けている。こ
の場合には、ピストン70を緩やかに移動させると、圧
力室86内の燃料Fがジェット92を通して管84から
フロートチャンバー82に流れ、管90側には燃料Fが
流れない。その一方、ピストン70を急激に移動させる
と、ジェット92を通じて部分的には燃料Fがフロート
チャンバー82に流れるが、ジェット92を通過しなか
った分がディスチャージチェックバルブ76を押圧して
管90側へ流入する。すなわち、急加速時には吐出ノズ
ル80から燃料Fが噴出し、緩やかな加速時には吐出ノ
ズル80から燃料Fが噴出しない。したがって、この例
では、ダンパー68を設ける必要がない。
【0043】 次に、図6はさらに他の変形例を示
す。この例では、圧力室86が設けられた円筒の上端も
密閉されており、これによってピストン70の上部に圧
力室96が設けられている。圧力室96には、管98が
接続されており、管98には管100が接続されてい
る。ここで、圧力室96には管94を通じて、フロート
チャンバー82内の燃料Fが流入する。圧力室96内に
は、管94へ燃料Fが逆流しないようにインレットチェ
ックバルブ95が設けられている。このように圧力室9
6内においても燃料Fが封止されている。
【0044】管100は、管98と接続される部分が大
径になっており、ここにディスチャージチェックバルブ
101が配置されている。このディスチャージチェック
バルブ101は、スプリング102によって管98側に
押圧され、管98から管100へは燃料Fを流すが、管
100から管98へは逆流させない。この管100は管
90の途中に接続されている。
【0045】この加速ポンプ160は、エンジン8の加
速時には、前記の加速ポンプ60と同様に機能する。な
お、この場合には、ピストン70が下降するのに伴い、
インレットチェックバルブ95が開いて圧力室96に燃
料Fを流入させる。このため、前記の加速ポンプ60と
同様に、管84、圧力室86、管88、管90を通じて
吐出ノズル80から掃気ポート50に燃料Fを注入する
ことが可能である。
【0046】また、加速ポンプ160には次のような独
自の機能がある。まずエンジン8を減速するために、運
転者がスロットル62を減速方向に回転させたとする。
すると、スロットルレバー64が減速方向に回転して、
気化器9の方では、霧化される燃料の量が減少する。し
たがって、混合気中の空燃比が上昇、すなわち燃料濃度
が薄くなる。この時薄くなった燃料が燃焼室46内に流
入し、燃焼されるのは、既に燃焼室46およびクランク
室48内にある混合気の燃焼が終了した後であるが、急
減速の際には、エンジン回転数が十分に少なくなる前
に、気化器9で供給される燃料が一時的に少なくなり過
ぎて、混合気中の燃料濃度が薄くなり過ぎ、エンジンス
トールを起こすおそれがある。
【0047】その一方、スロットルレバー64が減速方
向に回転すると、ポンプレバー65も減速方向に回転す
る。これにより、プッシュロッド66を押し下げていた
力が解除されるので、コイルスプリング72によって図
6に示すプッシュロッド66が持ち上げられ、ピストン
70が圧力室96内の燃料Fを圧縮する。するとディス
チャージチェックバルブ101がスプリング102に抗
して管98と管100の間を開いて、管100および管
90に燃料Fを流入させる。この燃料Fは吐出ノズル8
0に設けられたジェット81によって加速させられて、
掃気ポート50(図2および図3)に注入させられる。
したがって、一時的に混合気中の燃料濃度が薄くなり過
ぎても、加速ポンプ160によって、掃気ポート50に
燃料が補給されるので、エンジンストールを防止するこ
とが可能である。なお、この場合には、ピストン70が
上昇するのに伴い、インレットチェックバルブ74が開
いて圧力室86に燃料Fを流入させる。
【0048】ここで、プッシュロッド66が急激に持ち
上げられると、ダンパー68はそのまま変位をピストン
70に伝達し、圧力室96内の圧力を大きく高めて、吐
出ノズル80から流出する燃料Fの流量を大きくする。
一方、プッシュロッド66が緩やかに持ち上げられる
と、ダンパー68は圧縮されながらピストン70を持ち
上げる。このため、圧力室96内の圧力はあまり高まら
ず、吐出ノズル80から流出する燃料Fの流量の増加は
さほど大きくはならない。つまり、急減速するために、
スロットル62を急激に回転すれば、吐出ノズル80か
ら流出する燃料Fの流量が非常に大きくなり、ゆっくり
減速する場合には吐出ノズル80での流量はあまり大き
くはならない。したがって、急減速の際にエンジンスト
ール防止のために燃料を迅速に増加させることができる
と共に、緩やかに減速する際に燃焼されずに無駄になる
燃料が生じるの抑制することができ、これにより燃費の
悪化が防止される。
【0049】なお、圧力室96から燃料Fが流出するこ
とによって、圧力室96内部の圧力が低下する。そして
大気圧と圧力室96内の圧力が平衡したら、ディスチャ
ージチェックバルブ101が管98と管100の間を閉
塞する。また、圧力室96内の圧力とフロートチャンバ
ー82側の圧力と平衡したなら、インレットチェックバ
ルブ95が圧力室96と管94の間を開いて、燃料Fが
圧力室96内に流入する。これにより、吐出ノズル80
への追加燃料の供給は遮断されるが、スロットル62の
回転後、一定時間経過すると、エンジン回転数が下がる
ので、気化器9によって燃料濃度が薄くされた混合気が
クランク室48、掃気ポート50を通過して燃焼室46
内に流入してきても、エンジンストールのおそれはな
い。そして、これ以降は、定常的にエンジン8が稼働す
るようになる。
【0050】この変更例においても、前記のように燃料
Fを管90内に一時的に蓄積できるようにすることなど
により、エンジン8の行程に応じて燃料Fの流量を調節
するとよい。また、図5に示すように管84にジェット
92を設けて、インレットチェックバルブ74およびダ
ンパー68を省略するようにしてもよい。
【0051】 さらに、図示はしないが、管90を分
岐させ、その分岐部に弁を設けて、スロットル62の動
作に応じて弁を作動させて、急加速する時には、掃気ポ
ート50に燃料Fを追加し、緩やかに加速する時には、
クランク室48に燃料Fを追加するようにしてもよい。
これにより、急加速の際には、直ちに目標とする回転数
に応じた燃料Fを燃焼室46に供給することができ、緩
やかな加速の際には、既に燃焼室46にある混合気を燃
焼させてから、徐々に燃焼室46内の混合気の濃度を上
昇させるようにできるので無駄になる燃料を少なくし、
燃費を上昇させないで済む。
【0052】(2) 第2実施例A.実施例の構成 次にこの発明に係る第2実施例について、図7および図
8を参照して説明する。この第2実施例も図1に示す自
動二輪車に搭載されたエンジン8に適用するものであ
り、図4に示す加速ポンプ60を使用する点で共通す
る。したがって、図1ないし図4に示す構成要素に対応
する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0053】図7に示すように、第2実施例において
は、圧力室86から管88,90を通じて、燃焼室46
に直接燃料Fを追加するようになっている。ここで、管
90は、シリンダヘッドカバー42に形成された凹部3
5に向けて燃料Fを供給するようになされている。管9
0は、前述のアキュムレータとなりうるように、伸縮性
の大きいゴムによって形成されており、図8に示すよう
に、管90のシリンダヘッドカバー42側の先端部は、
硬質の接続管110に接続されており、接続管110
は、固定管112に接続されている。さらに固定管11
2は、シリンダヘッドカバー42に固定されており、固
定管112の内部がシリンダヘッドカバー42に形成さ
れた孔114に連通している。
【0054】接続管110には、チェックバルブ(第1
の調節手段)116が設けられており、燃焼室46の内
部の圧力が管90の内部の圧力よりも高い時には、管9
0から燃焼室46側へ燃料Fが流入しないようになされ
ている。
【0055】なお、管90の途中に、三方弁51を設
け、コントローラ52で三方弁51を制御して、燃焼室
46の内部の圧力が管90の内部の圧力よりも高い時
に、燃料Fをフロートチャンバー82に戻し、燃焼室4
6の内部の圧力が管90の内部の圧力よりも低い時に、
燃料Fを燃焼室46に向けて流すようにしてもよい。
【0056】B.実施例の動作 この実施例においても、第1実施例と同様に、気化器9
によって混合気が生成されて、吸気ポート21、クラン
ク室48、掃気ポート50を経て、燃焼室46内に流入
し、燃焼室46内で混合気が燃焼されるようになってい
る。そして、図4に示す加速ポンプ60の動作によっ
て、エンジン8の回転数を加速する際には、管90を燃
料Fが流れてきて、接続管110、固定管112、孔1
14を通じて燃焼室46内に注入される。この場合、加
速ポンプ60は、実質的に第1実施例と同様の動作を行
う。
【0057】このようにして、燃焼室46に直接に燃料
Fを追加することによって、エンジン8の回転を加速し
たい時に、即座に燃焼室46内に燃料Fが供給される。
したがって、前記の過渡応答性の問題を解決することが
できる。さらに、この実施例では、燃料Fをシリンダヘ
ッドカバー42の孔114を通して追加するようにして
いるため、燃料Fに余熱が与えられる。したがって、燃
焼室46に流入した後での燃料Fの燃焼性が高まり、エ
ンジンの効率がよい。
【0058】また、第1実施例と同様に、ダンパー68
を設けることによって、急加速時には吐出ノズル80か
ら注入される燃料Fの量を非常に大きくすることができ
る一方で、緩やかに加速する時には吐出ノズル80から
注入される燃料Fの量をあまり大きくしないようにして
いる。したがって、急加速の際に必要とされる燃料を迅
速に増加させることができるとともに、緩やかに加速す
る際に燃焼されずに無駄になる燃料が生じるの抑制する
ことができ、これにより燃費の悪化が防止される。
【0059】ここで、チェックバルブ116は、燃焼室
46の内部の圧力が管90の内部の圧力よりも低い時に
のみ接続管110と固定管112との間を開くようにし
ている。また、燃焼行程や排気行程でチェックバルブ1
16が閉じるために、燃焼室46内で燃料が燃焼したこ
とに起因する排ガスが管90側へ流れ込むのを防止する
ことができる。したがって、管90、接続管110内で
の燃料Fの汚染を防止することが可能である。
【0060】なお、この実施例では、管90がゴムによ
って形成されており、チェックバルブ116が閉じてい
る時には、管90が膨張して、燃料Fを蓄積し、チェッ
クボール116が開くと、勢いよく燃料Fを燃焼室46
内に注入する。ただし、燃焼室46の内部の圧力が管9
0の内部の圧力よりも高い時に、コントローラ52が三
方弁51を制御して、燃料Fをフロートチャンバー82
に戻すようにして、燃焼室46の内部の圧力が管90の
内部の圧力よりも低い時に、燃料Fを燃焼室46に向け
て流すようにしてもよい。また、ゴム製の管90と三方
弁51とを併用し、管90内の圧力が高くなり過ぎた時
に、三方弁51で燃料Fをフロートチャンバー82に戻
して、管90の破裂を防止してもよい。
【0061】これらによって、燃焼室46内の圧力が比
較的低い状態である圧縮行程や掃気行程で燃料Fを追加
することができる一方で、燃焼室46で燃料が燃焼して
いる行程や、その後の排気行程のような燃焼室46内の
圧力が極めて高いときには、燃焼室46から管90側へ
の燃料の逆流を防止することができる。すなわち、燃料
をこれから燃焼させようとしている時に燃料Fを追加で
き、追加しても燃料Fが無駄に排出されることの多い時
には燃料Fを追加しないようにしているので、エンジン
効率がよく、燃費を抑制することができる。
【0062】C.変更例 第2実施例においても、第1実施例の変更例と同様の変
更をすることが可能である。すなわち、 例えば三方弁51(第3の調節手段)をコントロー
ラ52で制御することにより、エンジン回転数が高いと
きには、吐出ノズル80には燃料Fを送らずにフロート
チャンバー82に戻すようにすることができる。 図5に示すように、管84にジェット92を設け
て、インレットチェックバルブ74とダンパー68を省
略することができる。 また、図6に示す加速ポンプ160を加速ポンプ6
0の代わりに設けて、減速時のエンジンストールを防止
することが可能である。 さらに、管120を分岐させ、その分岐部に弁を設
けて、スロットル62の動作に応じて弁を作動させて、
急加速する時には、掃気ポート50に燃料Fを追加し、
緩やかに加速する時には、クランク室48に燃料Fを追
加するようにしてもよい。
【0063】 また、第2実施例においては、管90
をシリンダヘッドカバー42側に配置して燃料Fを燃焼
室46の最頂部から注入するようにしているが、これに
限ることなく、管120,130のようにシリンダブロ
ック32に配置して、燃焼室46の側面から燃料Fを注
入するようにしてもよい。ここで、管120は排気ポー
ト49よりやや上に設けられ、管130は排気ポート4
9と同じ高さに設けられる。この場合にも、第2実施例
とほぼ同様の効果が得られる。
【0064】また、管120は、燃焼室46内の圧力が
高い状態である圧縮行程の末期、燃焼行程、排気行程の
初期では、ピストン40のスカートによって閉じられ
る。管130は、圧縮行程の中末期、燃焼行程、排気行
程では、ピストン40のスカートによって閉じられる。
これらによって、燃焼室46内の圧力が比較的低い状態
である圧縮行程や掃気行程で燃料Fを追加することがで
きる一方で、燃焼室46で燃料が燃焼している行程や、
その後の排気行程のような燃焼室46内の圧力が極めて
高いときには、燃焼室46から管90側への燃料の逆流
を防止することができる。したがって、図8のように燃
料が無駄にならないようにするチェックバルブ116を
設ける必要がない。ただし、排気行程で燃焼室46内の
高い圧力がまだ高い時に、廃ガスが管120側に流れ込
まないようにするためには、チェックバルブ116を設
けると好ましい。
【0065】ここで、チェックバルブ116で燃焼室4
6と管120を遮断する場合でも、チェックバルブ11
6を設けずにピストン40のスカートのみで燃焼室46
と管120を遮断する場合でも、管120を伸縮可能な
ゴムによって形成して膨張させることにより燃料Fを蓄
積させるとよい。また、三方弁51を設けて燃焼室46
に流入させられない燃料Fをフロートチャンバー82に
戻し、管120内の圧力が高くなり過ぎた時に、管12
0の破裂を防止するとよい。なお、管90,120,1
30は単独で設けることも、組合わせて設けることも可
能である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明にあっては、燃料補正手段を設けたことにより、エ
ンジン回転を加速したい時に、燃焼室への燃料の供給量
を迅速に増加させることができ、過渡応答性の問題を解
決することが可能である。請求項2に記載の発明にあっ
ては、燃焼されずに無駄になる燃料が生じるのを避け
て、燃料を追加することが可能である。また、請求項3
に記載の発明にあっては、急加速時には急加速のために
エンジンで必要とされる大流量の燃料を追加することが
できる一方、緩やかな加速時には、少ない流量の燃料を
追加し、燃焼されずに無駄になる燃料を少なくすること
ができ、燃費の抑制に役立つ。
【0067】請求項4に記載の発明にあっては、エンジ
ンストールを防止できると共に、急減速時には、まだ下
がっていない回転数に合せて大流量の燃料を追加するこ
とができる。その一方、緩やかな減速時には、主燃料供
給手段による混合気の燃料濃度の低下も緩やかであるか
ら、第2の調節手段によって少ない流量の燃料を追加
し、燃焼されずに無駄になる燃料を少なくすることがで
きる。これによっても、やはり燃費の抑制に役立つ。ま
た、請求項5に記載の発明にあっては、急加速の際に
は、直ちに目標とする回転数に応じた燃料を追加するこ
とができ、緩やかな加速の際には、既に燃焼室にある混
合気を燃焼させてから、徐々に燃焼室内の混合気の濃度
を上昇させるようにできるので無駄になる燃料を少なく
して燃費を上昇させないで済む。さらに、請求項6に記
載の発明にあっては、追加する燃料を回転数が低い時に
多くして、回転数が高い時に少なくすることにより、実
際にエンジンが必要とする燃料濃度に合せて燃料を追加
できると共に、無駄になる燃料を減らして燃費の悪化を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例に係る2サイクルエン
ジンへの燃料供給装置が設けられた自動二輪車を示す側
面図である。
【図2】 図1中のエンジンおよび燃料供給装置付近を
拡大して示す側面図である。
【図3】 図2のIII−III線に沿って矢視したエンジン
の断面図である。
【図4】 第1実施例の燃料供給装置で使用される加速
ポンプを示す断面図である。
【図5】 図3の加速ポンプの一部を変更した例を示す
断面図である。
【図6】 図3の加速ポンプの他の変更例を示す断面図
である。
【図7】 第2実施例に係るエンジンを示す側面図であ
る。
【図8】 第2実施例の燃料供給装置の吐出ノズルを示
す断面図である。
【符号の説明】
6 タンク、8 2サイクルエンジン、9 気化器(主
燃料供給手段)、10 エアクリーナ、20 吸気管、
21 吸気ポート、22 リード弁、46 燃焼室、4
8 クランク室、49 排気ポート、50 掃気ポー
ト、51 三方弁(第1の調節手段、第3の調節手
段)、60 加速ポンプ(燃料補正手段)、62 スロ
ットル、64 スロットルレバー、65 ポンプレバ
ー、66 プッシュロッド、68 ダンパー(第2の調
節手段)、76 ディスチャージチェックバルブ(第1
の調節手段)、80 吐出ノズル、81 ジェット8
1、82 フロートチャンバー、86 圧力室、90
管(第1の調節手段)、92 ジェット(第2の調節手
段)、96 圧力室、101 ディスチャージチェック
バルブ(第1の調節手段)、116 チェックバルブ
(第1の調節手段)、120 管(第1の調節手段)、
130 管(第1の調節手段)、160 加速ポンプ
(燃料補正手段)、F 燃料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2サイクルエンジンの燃焼室へ混合気を
    供給するための吸気通路内に燃料を供給し前記混合気を
    生成する主燃料供給手段と、 前記2サイクルエンジンのリード弁の下流から前記燃焼
    室に至るまでのいずれかの箇所に燃料を追加する燃料補
    正手段とを具備することを特徴とする2サイクルエンジ
    ンへの燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料補正手段に、前記2サイクルエ
    ンジンの行程に応じて、追加する燃料の流量を調節する
    第1の調節手段を設けたことを特徴とする請求項1に記
    載の2サイクルエンジンへの燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 前記燃料補正手段が前記2サイクルエン
    ジンを加速する際に作動するようになされており、前記
    2サイクルエンジンに与える加速度に応じて前記の追加
    する燃料の流量を調節する第2の調節手段を前記燃料補
    正手段に設けたことを特徴とする請求項1または2に記
    載の2サイクルエンジンへの燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 前記燃料補正手段が、前記2サイクルエ
    ンジンを減速する際に作動するようになされており、前
    記第2の調節手段が前記2サイクルエンジンに与える減
    速度に応じて前記の追加する燃料の流量を調節すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の2サ
    イクルエンジンへの燃料供給装置。
  5. 【請求項5】 前記燃料補正手段が、前記2サイクルエ
    ンジンに与える加速度に応じて、前記の追加する燃料を
    供給する位置を変更可能であることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の2サイクルエンジンへの
    燃料供給装置。
  6. 【請求項6】 前記燃料補正手段に、前記2サイクルエ
    ンジンの回転数に応じて、前記の追加する燃料の流量を
    調節する第3の調節手段を設けたことを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれかに記載の2サイクルエンジンへ
    の燃料供給装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046612A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Andreas Stihl Ag & Co Kg 内燃エンジンおよびその作動方法

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JP2007046612A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Andreas Stihl Ag & Co Kg 内燃エンジンおよびその作動方法

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