JPH08177621A - ピストン - Google Patents
ピストンInfo
- Publication number
- JPH08177621A JPH08177621A JP32710794A JP32710794A JPH08177621A JP H08177621 A JPH08177621 A JP H08177621A JP 32710794 A JP32710794 A JP 32710794A JP 32710794 A JP32710794 A JP 32710794A JP H08177621 A JPH08177621 A JP H08177621A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- carbide ceramic
- ring groove
- ceramic particles
- filler wire
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/02—Light metals
- F05C2201/021—Aluminium
Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ピストントップリング溝の耐摩耗性及び耐凝
着性を安価な手段で確保することを目的とする。 【構成】 CuまたはCu−Alの基材中に、Nb,T
iC,ZrC,WC,SiCなどを少なくとも1つ含む
炭化物セラミックス粒子を含有させたフィラーワイヤを
用いた溶接によって、少なくともトップリング溝に耐摩
耗/耐凝着合金層を形成した。
着性を安価な手段で確保することを目的とする。 【構成】 CuまたはCu−Alの基材中に、Nb,T
iC,ZrC,WC,SiCなどを少なくとも1つ含む
炭化物セラミックス粒子を含有させたフィラーワイヤを
用いた溶接によって、少なくともトップリング溝に耐摩
耗/耐凝着合金層を形成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンに関するもの
である。
である。
【0002】
【従来の技術】近年、特にディーゼルエンジンの排出ガ
ス規制の強化から、ディーゼルエンジンの燃焼温度を高
くする必要がでてきた。この燃焼温度の高温化によって
ピストンが受ける熱量は非常に大きく、特にピストン頂
面に近いトップリング溝では温度が高くなる。従って、
ピストンリングに対する耐凝着性や、トップリング溝そ
のものの耐摩耗性を強化しなければならない。
ス規制の強化から、ディーゼルエンジンの燃焼温度を高
くする必要がでてきた。この燃焼温度の高温化によって
ピストンが受ける熱量は非常に大きく、特にピストン頂
面に近いトップリング溝では温度が高くなる。従って、
ピストンリングに対する耐凝着性や、トップリング溝そ
のものの耐摩耗性を強化しなければならない。
【0003】そこで、トップリング溝を強化する方法と
して、ニレジスト鋳鉄からなるリングをトップリング溝
まわりに鋳包むことが行われている。ところが、この方
法では生産性が悪くコストが高くなる。また、特開昭6
4−11073号公報に示される従来技術では、Cuま
たはCu−Alからなる溶加ワイヤを用いた溶接によっ
て、ピストンのトップリング溝まわりに耐摩耗合金層を
形成している。
して、ニレジスト鋳鉄からなるリングをトップリング溝
まわりに鋳包むことが行われている。ところが、この方
法では生産性が悪くコストが高くなる。また、特開昭6
4−11073号公報に示される従来技術では、Cuま
たはCu−Alからなる溶加ワイヤを用いた溶接によっ
て、ピストンのトップリング溝まわりに耐摩耗合金層を
形成している。
【0004】しかし、この溶加ワイヤを用いた方法で
は、ピストンリングに対する耐凝着性は十分に確保され
るが、耐摩耗性はニレジスト鋳鉄製リングを用いた方法
よりも劣り、ディーゼルエンジンの燃焼温度を十分に昇
温できない。
は、ピストンリングに対する耐凝着性は十分に確保され
るが、耐摩耗性はニレジスト鋳鉄製リングを用いた方法
よりも劣り、ディーゼルエンジンの燃焼温度を十分に昇
温できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ピストン要
部の耐摩耗性及び耐凝着性を安価な手段で確保すること
を課題とする。
部の耐摩耗性及び耐凝着性を安価な手段で確保すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明において講じた第1の手段は、Cuまたは
Cu−Alの基材中にNb,TiC,ZrC,WC,S
iCなどを少なくとも1つ含む炭化物セラミックス粒子
を含有させたフィラーワイヤを用いた溶接によって、ピ
ストンの少なくともトップリング溝に耐摩耗/耐凝着合
金層を形成したことである。
ために本発明において講じた第1の手段は、Cuまたは
Cu−Alの基材中にNb,TiC,ZrC,WC,S
iCなどを少なくとも1つ含む炭化物セラミックス粒子
を含有させたフィラーワイヤを用いた溶接によって、ピ
ストンの少なくともトップリング溝に耐摩耗/耐凝着合
金層を形成したことである。
【0007】上記した課題を解決するために本発明にお
いて講じた第2の手段は、CuまたはCu−Alからな
るフィラーワイヤを用いた溶接によって、ピストンの少
なくともトップリング溝に耐摩耗/耐凝着合金層を形成
する際に、Nb,TiC,ZrC,WC,SiCなどを
少なくとも1つ含む炭化物セラミックス粒子からなるパ
ウダーを溶融部に同時添加するようにしたことである。
いて講じた第2の手段は、CuまたはCu−Alからな
るフィラーワイヤを用いた溶接によって、ピストンの少
なくともトップリング溝に耐摩耗/耐凝着合金層を形成
する際に、Nb,TiC,ZrC,WC,SiCなどを
少なくとも1つ含む炭化物セラミックス粒子からなるパ
ウダーを溶融部に同時添加するようにしたことである。
【0008】
【作用】上記した第1の手段によれば、CuまたはCu
−Alの基材中にNb,TiC,ZrC,WC,SiC
などを少なくとも1つ含む炭化物セラミックス粒子を含
有させたフィラーワイヤをトップリング溝付近に溶接
し、このトップリング溝付近に耐摩耗/耐凝着合金層が
形成される。
−Alの基材中にNb,TiC,ZrC,WC,SiC
などを少なくとも1つ含む炭化物セラミックス粒子を含
有させたフィラーワイヤをトップリング溝付近に溶接
し、このトップリング溝付近に耐摩耗/耐凝着合金層が
形成される。
【0009】上記した第2の手段によれば、Cuまたは
Cu−Alからなるフィラーワイヤをトップリング溝付
近に溶接する際に、Nb,TiC,ZrC,WC,Si
Cなどを少なくとも1つ含む炭化物セラミックス粒子か
らなるパウダーが溶融部に同時添加される。
Cu−Alからなるフィラーワイヤをトップリング溝付
近に溶接する際に、Nb,TiC,ZrC,WC,Si
Cなどを少なくとも1つ含む炭化物セラミックス粒子か
らなるパウダーが溶融部に同時添加される。
【0010】
【実施例】本発明に係る実施例を図面に基づいて説明す
る。
る。
【0011】図1に示されるように、Al合金からなる
ピストン11の粗形材には凹部12が鋳造時に(鋳造形
状として)又は切削加工などにより形成される。この凹
部12に図示しないフィラーワイヤを溶接(アーク溶接
[MIG溶接やTIG溶接など],プラズマ溶接,レー
ザ溶接など)によって肉盛させ、図2に示されるような
肉盛21を形成する。ここで、フィラーワイヤとして
は、CuまたはCu−Alの基材中にNb,TiC,Z
rC,WC,SiCなどを少なくとも1つ含む炭化物セ
ラミックス粒子を含有させたものが用いられる。フィラ
ーワイヤの基材にCu−Alを用いた場合には、もちろ
ん肉盛21の主成分はCu−Alであるが、基材にCu
を用いた場合でも、溶接時に凹部12付近のAl合金が
溶解するので、肉盛21の主成分はCu−Alとなる。
この後、図3に示されるようにトップリング溝15やリ
ング溝16が切削加工によって形成され、肉盛り21の
切削されない部分は耐摩耗/耐凝着合金層22として残
る。
ピストン11の粗形材には凹部12が鋳造時に(鋳造形
状として)又は切削加工などにより形成される。この凹
部12に図示しないフィラーワイヤを溶接(アーク溶接
[MIG溶接やTIG溶接など],プラズマ溶接,レー
ザ溶接など)によって肉盛させ、図2に示されるような
肉盛21を形成する。ここで、フィラーワイヤとして
は、CuまたはCu−Alの基材中にNb,TiC,Z
rC,WC,SiCなどを少なくとも1つ含む炭化物セ
ラミックス粒子を含有させたものが用いられる。フィラ
ーワイヤの基材にCu−Alを用いた場合には、もちろ
ん肉盛21の主成分はCu−Alであるが、基材にCu
を用いた場合でも、溶接時に凹部12付近のAl合金が
溶解するので、肉盛21の主成分はCu−Alとなる。
この後、図3に示されるようにトップリング溝15やリ
ング溝16が切削加工によって形成され、肉盛り21の
切削されない部分は耐摩耗/耐凝着合金層22として残
る。
【0012】Nb,TiC,ZrC,WC,SiCなど
の炭化物セラミックス粒子は、フィラーワイヤにおい
て、その含有量が5〜30vol%とされるのがよい。
炭化物セラミックス粒子の含有量が5vol%以下では
添加の効果が十分に発揮できず、30vol%を超える
と、肉盛21のが硬くなりすぎてしまいトップリング溝
15の切削加工性が落ちる。また、炭化物セラミックス
粒子の粒径は20μm以下がよく、これを超えた場合に
も肉盛21のが硬くなりすぎてしまいトップリング溝1
5の切削加工性が落ちる。
の炭化物セラミックス粒子は、フィラーワイヤにおい
て、その含有量が5〜30vol%とされるのがよい。
炭化物セラミックス粒子の含有量が5vol%以下では
添加の効果が十分に発揮できず、30vol%を超える
と、肉盛21のが硬くなりすぎてしまいトップリング溝
15の切削加工性が落ちる。また、炭化物セラミックス
粒子の粒径は20μm以下がよく、これを超えた場合に
も肉盛21のが硬くなりすぎてしまいトップリング溝1
5の切削加工性が落ちる。
【0013】以上では、CuまたはCu−Alの基材か
らなるフィラーワイヤに、Nb,TiC,ZrC,W
C,SiCなどを少なくとも1つ含む炭化物セラミック
ス粒子を予め含有させたものを用いた方法を説明した
が、次のようにしても良い。
らなるフィラーワイヤに、Nb,TiC,ZrC,W
C,SiCなどを少なくとも1つ含む炭化物セラミック
ス粒子を予め含有させたものを用いた方法を説明した
が、次のようにしても良い。
【0014】即ち、CuまたはCu−Alからなるフィ
ラーワイヤをトップリング溝付近に溶接する際に、N
b,TiC,ZrC,WC,SiCなどを少なくとも1
つ含む炭化物セラミックス粒子からなるパウダーを溶融
部に同時添加して、肉盛21を形成する。この方法で用
いられる溶接方法としては、プラズマ溶接或いはレーザ
溶接が用いられる。なお、炭化物セラミックス粒子から
なるパウダーのフィラーワイヤに対する添加量は、同様
に5〜30vol%がよく、炭化物セラミックス粒子パ
ウダーの粒径も20μm以下がよい。
ラーワイヤをトップリング溝付近に溶接する際に、N
b,TiC,ZrC,WC,SiCなどを少なくとも1
つ含む炭化物セラミックス粒子からなるパウダーを溶融
部に同時添加して、肉盛21を形成する。この方法で用
いられる溶接方法としては、プラズマ溶接或いはレーザ
溶接が用いられる。なお、炭化物セラミックス粒子から
なるパウダーのフィラーワイヤに対する添加量は、同様
に5〜30vol%がよく、炭化物セラミックス粒子パ
ウダーの粒径も20μm以下がよい。
【0015】
【発明の効果】上記した発明によれば、ピストンの少な
くともトップリング溝に、CuまたはCu−Alを主成
分とした耐摩耗/耐凝着合金層が形成されることで、あ
る程度の耐摩耗性と十分な耐凝着性とが確保される上、
ピストン本体の合金よりも硬度の高い炭化物セラミック
ス粒子が合金層中に均一分散されることで十分な耐摩耗
性が確保できる。
くともトップリング溝に、CuまたはCu−Alを主成
分とした耐摩耗/耐凝着合金層が形成されることで、あ
る程度の耐摩耗性と十分な耐凝着性とが確保される上、
ピストン本体の合金よりも硬度の高い炭化物セラミック
ス粒子が合金層中に均一分散されることで十分な耐摩耗
性が確保できる。
【図1】本発明に係る実施例のピストン粗形材の断面図
である。
である。
【図2】図1における肉盛施工後の断面図である。
【図3】図2における切削加工後の断面図である。
15・・・トップリング溝、22・・・耐摩耗/耐凝着
合金層
合金層
Claims (6)
- 【請求項1】 CuまたはCu−Alの基材中に、N
b,TiC,ZrC,WC,SiCなどを少なくとも1
つ含む炭化物セラミックス粒子を含有させたフィラーワ
イヤを用いた溶接によって、少なくともトップリング溝
に耐摩耗/耐凝着合金層を形成したピストン。 - 【請求項2】 前記フィラーワイヤにおける前記炭化物
セラミックス粒子の含有量を5〜30vol%としたこ
とを特徴とする請求項1記載のピストン。 - 【請求項3】 前記炭化物セラミックス粒子の粒径を2
0μm以下としたことを特徴とする請求項1記載のピス
トン。 - 【請求項4】 CuまたはCu−Alからなるフィラー
ワイヤを用いた溶接によって、ピストンの少なくともト
ップリング溝に耐摩耗/耐凝着合金層を形成する際に、
Nb,TiC,ZrC,WC,SiCなどを少なくとも
1つ含む炭化物セラミックス粒子からなるパウダーを溶
融部に同時添加することを特徴とするピストン。 - 【請求項5】 前記フィラーワイヤに対する前記炭化物
セラミックス粒子パウダーの添加量を5〜30vol%
としたことを特徴とする請求項4記載のピストン。 - 【請求項6】 前記炭化物セラミックス粒子の粒径を2
0μm以下としたことを特徴とする請求項4記載のピス
トン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32710794A JPH08177621A (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32710794A JPH08177621A (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | ピストン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08177621A true JPH08177621A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18195377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32710794A Pending JPH08177621A (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08177621A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008261329A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Waertsilae Schweiz Ag | ピストンリング溝をコーティングするための溶射方法、溶射ワイヤーの使用、および溶射層を有するピストン |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP32710794A patent/JPH08177621A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008261329A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Waertsilae Schweiz Ag | ピストンリング溝をコーティングするための溶射方法、溶射ワイヤーの使用、および溶射層を有するピストン |
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