JPH08177529A - ガスタービン - Google Patents

ガスタービン

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JPH08177529A
JPH08177529A JP31728294A JP31728294A JPH08177529A JP H08177529 A JPH08177529 A JP H08177529A JP 31728294 A JP31728294 A JP 31728294A JP 31728294 A JP31728294 A JP 31728294A JP H08177529 A JPH08177529 A JP H08177529A
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heat insulating
gas turbine
insulating segment
segment
heat
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JP31728294A
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English (en)
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Tsuneo Hijikata
常夫 土方
Kazuhiro Kitayama
和弘 北山
Iwataro Sato
岩太郎 佐藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】必要とされる冷却空気流量を低減し、ガスター
ビン効率の向上を図るとともに、インピンジメント冷却
による強制冷却を排除し、局所的熱勾配による熱応力を
極力低減できるガスタービンを提供する。 【構成】動翼の先端外周側を覆う配置でケーシングに防
熱セグメント7を設けたガスタービンにおいて、防熱セ
グメント7の材料に耐熱素材であるセラミック材料を適
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスタービンに係り、特
に動翼の先端外周側を覆う配置でケーシングに設けられ
る高温の動翼被冠構造物としての防熱セグメントを改良
したガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発電用として使用されているガス
タービンは、例えば図23に示すように、タービン部1
と同軸に設けられた圧縮部2の駆動により圧縮された高
圧空気を燃焼器3に導き、ここで燃料を加えられて燃焼
ガスを作り出すようになっている。燃焼ガスはトランジ
ションピース4,静翼5を経て動翼6に案内され、その
エネルギを回転トルクに代えることで発電機(図示せ
ず)を回して電力を発生させる。
【0003】ところで、この種のガスタービンにおいて
は、燃焼ガスのタービン入口温度が高ければ高いほどサ
イクル効率は増加することが知られており、このサイク
ル効率向上のため、タービン入口温度は上昇の一途を辿
っている。
【0004】そして、ガスタービンのタービン入口温度
の上昇に伴い、燃焼ガスの高温領域が拡がっている。こ
のような高温化の実現に関しては、高温強度に優れたN
i系やCo系の耐熱合金の研究およびこれらの耐熱合金
を制限温度以下に保つための冷却技術の開発が貢献して
きている。
【0005】例えばタービン入口温度1300℃級の産
業用ガスタービンでは、タービン段落数が3段とする
と、初段落の出口の主流ガスでさえ1000℃を超えて
いる。このため、図24に示すように、本段落で下流側
に位置する動翼6の被冠構造物としての防熱セグメント
7も、主流ガスが金属材料の耐熱温度を遥かに上回るの
で強制的に冷却している。
【0006】図24において、タービン第1段動翼の防
熱セグメント7の役割は、ケーシング8側と高温の主流
ガスa側との遮熱を行い、主流ガスaからの熱が直接ケ
ーシング8に伝導されることを防止し、ケーシング8が
熱による変形を受けるのを防ぐことにある。但し、防熱
セグメント7が耐熱合金であっても本部位の金属温度を
要求温度、例えば約800℃を保持する条件で冷却する
と、ここに生ずる大きな温度勾配により大きな熱変形例
がもたらされる。
【0007】そこで、このような熱変形があっても吸収
できるように、セグメント支持体9をケーシング8との
間に設けて、熱変形分の間隙を設けたフック形状部1
0,11による嵌合構造を採用している。現状の耐熱金
属製の防熱セグメント7は、冷却のため吸込み流量の1
%程度の圧縮機吐出空気をセグメント支持体9に設けら
れた通気孔12,13を通り、防熱セグメント7を冷却
している。
【0008】また、防熱セグメント7を効率よく冷却す
るために、図13に示すように、高い冷却効率を有した
インピンジメント冷却板14による冷却構造をとってい
る。すなわち、通気孔13から流出した冷却空気bが、
インピンジメント冷却板14の孔15を通過して防熱セ
グメント7に衝突し、強制冷却が効率よく行われるよう
になっている。かつ主流ガスaよりも防熱セグメント7
の冷却空気供給室16の圧力が容易に高められるよう
に、その周方向にある隣接面ではシール板17によって
嵌合し、冷却空気の一部を放出して気密性を保持してい
る。
【0009】冷却空気の流れ方は矢印bで示すように、
圧縮機吐出を源にして、静翼5の外環側、防熱セグメン
ト7、インピンジメント冷却板14の孔16、そして最
後に防熱セグメント7に穿設した孔18またはシール板
17の勘合部間隙を通過して主流ガスa側に放出され
る。
【0010】ここで、冷却空気bの主流ガスに対する作
用を考察すると、次の2点でガスタービンの性能と深く
係っている。第1に、本部位から冷却空気bが主流ガス
aに放出されて混合しても、冷却空気bの吹出し速度に
対して主流ガスaの流速が遥かに大きいため、冷却空気
bは主に動翼6の先端部で軸流方向に流れ易くなる。こ
こには動翼6と防熱セグメント7との間隙19があるだ
けなので、動翼6で仕事をしないで下流段落に流れて行
くことになる。
【0011】第2に、防熱セグメント7からの主流ガス
aに吹き出される冷却空気bの方向は、主流ガスaに対
して平行でないため、混入時に主流ガスaに損失を生じ
ることになる。
【0012】以上の2点の評価として、防熱セグメント
7に供給される冷却空気bの流量減少分に対するガスタ
ービンの性能の関係を調べた結果、図26に示すよう
に、冷却空気流量を減らすとガスタービンの性能は顕著
に向上することが解る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように耐熱金属製の防熱セグメント7では、求められる
材料強度を確保するために、冷却空気bが不可欠な存在
となり、必要な冷却空気供給量を下回ると、防熱セグメ
ント7およびセグメント支持体9の高温化が生じて材料
強度上の支障を来し、ガスタービンの性能が制約を受け
るという問題を残している。なお、従来の耐熱金属製の
防熱セグメント7の形状は加工部位の多いやや複雑な形
状となっており、さらにセグメント支持体9との固定の
ためにフック構造をとっている。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、防熱セグメントの材料をセラミックスにするこ
とで、必要とされる冷却空気流量を低減し、ガスタービ
ン効率の向上を図るとともに、インピンジメント冷却に
よる強制冷却を排除し、局所的熱勾配による熱応力を極
力低減できるガスタービンを提供することを目的とす
る。
【0015】また、セラミック製防熱セグメントの構造
を単純化することで、フック部などに発生し易い曲げ応
力を極力抑え、信頼性を向上させると共に加工性、メン
テナンス性の向上も図れるガスタービンを提供すること
を目的とする。
【0016】さらに、従来の金属材料の防熱セグメント
とは異なり、主流ガス温度を上回っても構造強度上問題
の無いセラミックを適用することにより、耐熱強度上の
冷却空気を不必要にし、主流ガスの混入を減少させるシ
ールのための冷却空気で満足させるものとし、仮にシー
ル空気の減少に伴い主流ガスの大幅な混入によりセラミ
ック防熱セグメントへ供給するシール空気温度が上昇す
ることでセラミック防熱セグメントが高温になっても、
ここからの輻射でセグメント支持体が高温にならないよ
うにし、本部位への冷却空気の減少によりガスタービン
性能の向上を図ることができるガスタービンを提供する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、動翼の先端外周側を覆う配置
でケーシングに防熱セグメントを設けたガスタービンに
おいて、前記防熱セグメントの材料に耐熱素材であるセ
ラミック材料を適用したことを特徴とする。
【0018】請求項2の発明は、請求項1記載のガスタ
ービンにおいて、セラミック製の防熱セグメントとこの
防熱セグメントをケーシングに支持するセグメント支持
体との間にセラミック製のバネを設けたことを特徴とす
る。
【0019】請求項3の発明は、請求項1記載のガスタ
ービンにおいて、セラミック製の防熱セグメントとセグ
メント支持体との組立に使用する固定用ボルトに、スプ
リング機能を付与したことを特徴とする。
【0020】請求項4の発明は、動翼の外周側を覆う配
置でケーシングに防熱セグメントを設けたガスタービン
において、前記防熱セグメントをセラミック材料によっ
て構成するとともにロータ回転軸に対して周方向に複数
に分割し、その分割面が半径方向及び軸方向に段差を成
し、組立の際に互いに隣接する防熱セグメントの各段差
を嵌合し、かつ半径方向及び周方向の段差間に間隙を設
定したことを特徴とする。
【0021】請求項5の発明は、請求項4記載のガスタ
ービンにおいて、個々のセラミック製の防熱セグメント
の周方向の両端に主流ガスの流出を防止する壁体を設け
たことを特徴とする。
【0022】請求項6の発明は、請求項4記載のガスタ
ービンにおいて、セラミック製防熱セグメントのさらに
半径方向の外側に薄板を設けたことを特徴とする。
【0023】請求項7の発明は、請求項5記載のガスタ
ービンにおいて、セラミック製防熱セグメントのさらに
半径方向で外側に薄板を設けたことを特徴とする。
【0024】
【作用】上述した構成の本発明に係るガスタービンにお
いては、防熱セグメントの材料をセラミックスにするこ
とで冷却に必要とされていた圧縮機吐出からの冷却空気
流量を従来の半分程度にまで削減でき、ガスタービン効
率の向上を図ることができる。しかも、インピンジメン
ト冷却による強制冷却が不必要となり、局所的熱勾配に
よる熱応力を極力低減できる。
【0025】また、セラミック製防熱セグメントの構造
を単純化し、セグメント支持体との固定をボルトで固定
する構造をとることで、フック部に生じ易い曲げ応力を
極力低減することが可能となるばかりでなく、加工部位
が減少し、さらに加工性が向上することやメンテナンス
性、組立性の向上も図れる。
【0026】また、本発明において、主流ガス温度を上
回る領域で構造上の耐熱強度を有するセラミックスを防
熱セグメントに適用すると同時に、隣接嵌合部の半径方
向および軸方向の段差に微小な間隙を設定して、セグメ
ント支持体からのシールを目的とする冷却空気を供給し
て主流ガスからの高温ガスの混入を妨げる構造にするこ
とで、防熱セグメントの冷却空気流量は金属材料製の防
熱セグメントに比して減少される。
【0027】ここで、セラミック製の防熱セグメントを
個々の分割構造として、周方向両端に壁体を追設するこ
とで、壁体の間を通過してセグメント支持体側へ通じる
流路抵抗が増すため、主流ガスからの高温ガスの混入が
しくくなり、シール用の冷却空気流量はさらに減少され
る。
【0028】また、防熱セグメントへ供給される冷却空
気の減少に伴い、本部位が高温になるため、遮熱板を設
けることでセグメント支持体側への輻射による伝熱を防
止することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、ガスタービン全体の構成については従来の
ものと同様であるから説明を省略し、また対応する部材
には図23〜図25と同一の符号を使用して説明する。
【0030】図1は本発明の実施例1を示すものであ
る。本実施例では、防熱セグメント7の材料に耐熱性に
優れ、かつ破壊靭性の低さを克服するため繊維を混入し
て複合化させた繊維強化セラミック複合材料を使用して
いる。
【0031】本実施例におけるセラミック製の防熱セグ
メント7は、図1に示すように、例えば単純な箱型形状
とされている。防熱セグメント7の周方向の各端面には
隣接する防熱セグメント7間から防熱セグメント7の内
部7aへの半径方向からの高温ガスの流入を防止するた
めの嵌合部として、凸部21および凹部22が設けられ
ている。
【0032】このセラミック製防熱セグメント7の組立
方法を図2に示している。セラミック製の防熱セグメン
ト7をセグメント支持体9へ組立てるには、位置決めピ
ン23を位置決めピン挿入穴24(図1参照)に挿入し
て周方向の位置を決める。位置決めピン23および位置
決めピン挿入穴24は全数の各セグメントに設ける。
【0033】また、セラミック製の防熱セグメント7を
セグメント支持体9に固定する方法は、予めセグメント
支持体9のボルト取付孔25に取付けてある固定用ボル
ト26によって、セラミック製防熱セグメント7の外周
側に設けられたスリット27に固定される。固定用ボル
ト26には圧縮機吐出空気を冷却空気として防熱セグメ
ント7の内部へ通し、かつ固定用ボルト26自身を冷却
するための通気孔28が穿設されている。
【0034】図2に示すように、通気孔28を通り防熱
セグメント7の内部7aへ流入した冷却空気は、隣接す
るセラミック製防熱セグメント7との隙間、またはセラ
ミック製防熱セグメント7のスリット27からセグメン
ト支持体9との隙間を通り、高温ガス通路部へ導かれ
る。
【0035】図3は図2におけるA−A矢視図である。
セラミック製防熱セグメント7の内部7aの冷却空気が
外部のケーシング8側に漏れないようにボルト取付孔2
5をワッシャ11で塞ぐ構造になっている。
【0036】図4はセラミック製防熱セグメント7の作
成の際の鋳型生成を容易にするために袋形状としたもの
で示している。なお、隣接するセラミック製防熱セグメ
ント7との嵌合を半径方向に溝を切った凹凸面29とす
ることで、セラミック製防熱セグメント7巻から防熱セ
グメント7の内部7aへの軸方向からの高温ガスの流入
を、より確実に防止することができる。
【0037】また、図5に示すように、隣接するセラミ
ック製防熱セグメント7との嵌合部30を半径方向に凹
凸を付けた形状とした場合、その嵌合部30の軸方向に
一定の隙間を生じ、タービン第1段動翼とのチップクリ
アランスを大きくし、動翼から逸れる流れを生じさせ
る。しかし、図6のような半径方向に溝を切った凹凸状
の嵌合部31を持った形状では、上記のような現象を抑
えることができる。
【0038】さらに、通路部側の張り出し部32を有す
ることで、内部ケーシング通路部側の張り出し部33
(図7参照)を短くし、内部ケーシング通路部側の張り
出し部33が熱による変形を受けるのを極力抑えること
ができる。
【0039】図7は図4のセラミック製防熱セグメント
を組み立てた場合の図である。組立方法は図1のセラミ
ック製防熱セグメントの組立方法と同様であるので説明
を省略する。
【0040】図8はセラミック製防熱セグメント7とセ
グメント支持体9との間に断熱材34が取付けられた形
状のものを示している。断熱材34にはアルミナ繊維ま
たはジルコニア繊維の繊維状断熱材等が適用され、これ
によりセラミック製防熱セグメント7からセグメント支
持体9への熱伝導を低減してケーシング8の熱変形をさ
らに抑えることができる。
【0041】図9および図10は、本発明の実施例2を
示している。これらの図に示すように、本実施例ではセ
ラミック製バネ35がセラミック製防熱セグメント7の
両側部に取り付けられている。そして、図11に示すよ
うに、セラミック製バネ35をセグメント支持体9とセ
ラミック製防熱セグメント7との間に挿入配置すること
により、セグメント支持体9とセラミック製防熱セグメ
ントに生じる熱伸び差による応力や隙間を緩和すること
ができる。
【0042】図12は本発明の実施例3を示している。
同図に示すように、本実施例ではセグメント支持体9と
セラミック製防熱セグメント7とを固定するための固定
用ボルト26にスプリング36およびワッシャ37が用
いられ、これにより、スプリング機能が付与されてい
る。そして、セラミック製防熱セグメント7の端部が熱
により外周側に反った場合に生じる応力を緩和すること
ができるようになっている。図13は、図12に示した
固定用ボルト26を用いてセラミック製防熱セグメント
7を組立てた状態を示している。
【0043】図13および図14は本発明の実施例を説
明するための原理図である。図13はこの実施例5によ
るガスタービンの動翼6の先端外部のセラミック製防熱
セグメント7を示す斜視図、図14は本実施例による防
熱セグメント7の組立状況をガスタービンロータの周方
向から見た図である。
【0044】図の本実施例では防熱セグメント7の両側
部に主流ガスの流れ方向に沿う上流側フック41および
下流側フック42が設けられ、これらのフック41,4
2を介して防熱セグメント7がセグメント支持体9に嵌
合支持されている。上流側フック41には周方向にずれ
ないように回り止め43としての切欠溝46がある。こ
の防熱セグメント7は複数でガスタービン動翼1の外周
側を覆っている。
【0045】図14中のB−B断面により防熱セグメン
ト7を軸方向から見た隣接する他の防熱セグメント7と
の組立時の状態を図15に示す。各防熱セグメント7は
隣接する縁部の段差47,48を互いに嵌合することに
よって接合されている。
【0046】図14中のC−C断面で防熱セグメント7
を半径方向から見た隣接する防熱セグメント7の組立時
の状態を図16に示す。
【0047】ここでも、先の図15と同様に、隣接部位
では各々が段差47,48を有して嵌合している。図1
5に示す半径方向の間隙δ1および周方向の間隙δ4,
δ5は、図16の軸方向に示す間隙δ2,δ3をガスタ
ービンの起動前の組立時に定められた値に管理する。動
翼6の防熱セグメント7の冷却空気の流れは、図14に
示すように、冷却空気通路12を通過後、3つに分岐さ
れる。すなわち、ひとつめは上流側冷却空気吹き出し4
9を通るルート、ふたつめは下流側冷却空気吹き出し5
0を通るルート、そして残りは冷却空気通路51を通過
してセラミック製防熱セグメント7に供給される。
【0048】セラミック製防熱セグメント7への冷却空
気の流れを図13に矢印bで示す。また、防熱セグメン
ト7が組立てられた状態で隣接部との間隙を通過する冷
却空気の流れbを図15および図16に示す。
【0049】図15及び図16における間隙δ1,δ2
は防熱セグメント7の上流側フック41および下流側フ
ック42を支点とした熱伸び差及び加工公差を考慮すれ
ばよく、最も精度の良い設定ができるため、ここで冷却
空気が通過する流路の間隙を設定することができる。
【0050】セラミック製防熱セグメント7への冷却空
気流量を減少させると、図13に示すように主流ガスa
からの混入流れa1の流量が増加してセグメント7は高
温になり、防熱セグメント7も高温になるが、主流ガス
aの混入の際も15及び図16で示す間隙δ1,δ3を
通ることになり、主流ガスaの混入流量が正確に設定で
きる。
【0051】以上のように、ガスタービンの性能を向上
するために防熱セグメント7へ供給する冷却空気流量を
減少させることはひとつの手法であるか、本部位に主流
ガスの混入が生じても安全な温度管理をすべく、冷却空
気流量と主流ガスの混入流量の通路設定ができる。
【0052】図17及び図18は本発明の実施例5の原
理を説明するための図である。図17は本実施例による
ガスタービン動翼の防熱セグメント7、図18は防熱セ
グメント7の組立状況をガスタービンロータの周方向か
ら見た図である。
【0053】上記の実施例4で述べた防熱セグメント7
に対し、図13に示すように、周方向の両端部に壁体5
3,54が設けられている。図18中のD−D断面によ
り防熱セグメント7を軸方向から見た隣接する防熱セグ
メント7の組立時の状態を図19で示す。上記の壁体5
3,54は防熱セグメント7の段差47,48に対応し
て設けられており、図19に示すように、隣接部位で各
々が段差47,48を介して嵌合すると同時に、両端の
壁体53,54が互いの周方向の間隙δ6を保ち、長い
流路を構成している。
【0054】図18中のE−E断面で半径方向から見た
隣接する防熱セグメント7の組立時の状態を図21に示
す。ここでも、先の図19と同様に、隣接部位では各々
が段差47,48を介して嵌合している。図19と共に
軸方向の間隙δ2,δ3、周方向の間隙δ4,δ6をガ
スタービンの起動前の組立時に定められた値に管理す
る。ここでは、防熱セグメント7の壁体53,54があ
ることで、組立時に隣接部間と形成される間隙δ6を、
冷却空気が通過する流れ方向に沿って設定できるので、
流路抵抗が増加する。
【0055】よって、本部位の気密性が上昇し、主流ガ
スの混入流量は減少する。また、仮に主流ガスが混入す
る場合でも防熱セグメント7の窪み部55へ主流ガスa
が入りにくく、図17に示す主流ガスaからの混入流れ
a1のように、間隙δ6を通過して再び主流ガスaに戻
り易くなる。よって、防熱セグメント7へ供給される冷
却空気流量は、この壁体53,54を設けることでさら
に低減できるようになる。
【0056】以上のように、ガスタービンの性能を向上
するために、防熱セグメント7屁供給する冷却空気流量
を減少させることは、ひとつの手法であるが、本部位に
主流ガスの混入が生じても安全な温度管理をすべく冷却
空気流量と主流ガスの混入流量の通路設定ができる。
【0057】図21は実施例6を示している。同図は、
防熱セグメントの組立状況をガスタービンロータの周方
向から見た図で、実施例4における防熱セグメント7の
外周側一周全体を覆う薄板64が設けられている。この
薄板64はセグメント支持体9に設けられた溝65に嵌
合され、冷却空気流路67を有している。この薄板64
は防熱セグメント7が高温になり、ここから防熱セグメ
ント7への輻射を遮断する。
【0058】例えばタービン入口温度が1300℃級の
ガスタービンの場合、防熱セグメント7へ冷却空気を空
冷の金属製の防熱セグメントの半分に減少させると、防
熱セグメント7の温度は1200℃強になる。ここで薄
板64が無い場合の防熱セグメント7の内環66の温度
は約900℃になるが、薄板64がある場合の防熱セグ
メント7の内環66の温度は約540℃に低下し、遮熱
効果があることが解る。
【0059】また、図21は本発明の実施例7を示して
いる。同図は、防熱セグメント7の組立状況をガスター
ビンロータの周方向から見た図である。この実施例7の
ガスタービンでは、防熱セグメント7の外周側一周全体
を覆う薄板64が設けられている。薄板64はセグメン
ト支持体9に作られた溝65に嵌合されている。この薄
板64は防熱セグメント7が高温になり、ここからセグ
メント支持体9への輻射を遮断する。この遮熱効果も実
施例6とほぼ同等である。
【0060】以上のように、ガスタービンの性能を向上
するために、防熱セグメント7へ供給する冷却空気流量
を減少させることはひとつの手法であるが、防熱セグメ
ント7の高温化に対して、遮熱効果のある薄板64を組
み合せることで、安全な温度管理の下で冷却空気流量を
減少できる。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、防熱セ
グメントの材料にセラミック材料を使用することで、冷
却空気流量の低減による高効率化が可能となる。また、
セラミック製防熱セグメントの構造を単純化すること
で、熱応力や曲げ応力を極力低減でき、信頼性向上が図
れる。しかも、加工性,メンテナンス性および組立性の
向上が図れる。
【0062】また、本発明のガスタービンの動翼の先端
外部セラミック被冠構造集成体によれば、ガスタービン
動翼の先端外部を被冠する防熱セグメントにあって、主
流ガス温度を上回る領域で構造上の耐熱強度を有するセ
ラミックスを本部位に適用し、半径方向及び軸方向の段
差に微小な間隙を設定したシール構造を設定すること、
また、防熱セグメントに遮熱効果のある薄板を設けるこ
とで、従来の金属材料製の防熱セグメントの冷却空気流
量に比して流量を減少させることができるとともに、セ
グメント支持体の高温化を防止できる機能も有するの
で、冷却空気の安全な低減によってガスタービンの性能
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるセラミック製防熱セ
グメントの構成を示す斜視図。
【図2】図1に示すセラミック製防熱セグメントの組立
断面図。
【図3】図2におけるA−A矢視断面図。
【図4】前記実施例1におけるセラミック製防熱セグメ
ントの変形例を示す斜視図。
【図5】図1のセラミック製防熱セグメントの嵌合部を
通路部側から見た図。
【図6】図3のセラミック製防熱セグメントの嵌合部を
通路部側から見た図。
【図7】図4に示すセラミック製防熱セグメントの組立
断面図。
【図8】断熱材を取り付けたセラミック製防熱セグメン
トの組立断面図。
【図9】本発明の実施例2におけるセラミック製バネの
組立方法を示す斜視図。
【図10】図9に示すセラミック製バネの斜視図。
【図11】図9に示すセラミック製バネを取り付けたセ
ラミック製防熱セグメントの組立断面図。
【図12】本発明の実施例3における防熱セグメントの
固定用ボルトにスプリング機能を持たせた構造図。
【図13】本発明の実施例4における防熱セグメントを
示す斜視図。
【図14】図13における防熱セグメントの組立状況を
示す図。
【図15】図14のB−B矢視断面図。
【図16】図15のC−C矢視断面図。
【図17】本発明の実施例5における防熱セグメントを
示す斜視図。
【図18】図17に示す防熱セグメントの組立断面図。
【図19】図18のD−D矢視図断面図。
【図20】図18のE−E矢視図断面図。
【図21】本発明の実施例6における防熱セグメントを
示す組立断面図。
【図22】本発明の実施例7における防熱セグメントを
示す組立断面図。
【図23】ガスタービン全体の主要構成を示す断面図。
【図24】従来の金属製防熱セグメントを示す組立断面
図。
【図25】図24のF−F矢視断面図。
【図26】防熱セグメントに供給される冷却空気流量減
少分に対するガスタービンの性能の関係を示す特性図。
【符号の説明】
1 タービン部 2 圧縮部 3 燃焼器 4 トランジションピース 5 静翼 6 動翼 7 防熱セグメント 7a 内部 8 ケーシング 9 セグメント支持体 10,11 フック形状部 12,13 通気孔 14 インピンジメント冷却板 15 孔 16 冷却空気供給室 17 シール板 18 孔 19 間隙 21 凸部 22 凹部 23 位置決めピン 24 位置決めピン挿入穴 25 ボルト取付孔 26 固定用ボルト 27 スリット 28 通気孔 29 凹凸面 30,31 嵌合部 32 張り出し部(通路部側) 33 張り出し部(内部ケーシング通路部側) 34 断熱材 35 セラミック製バネ 36 スプリング 37 ワッシャ 41 上流側フック 42 下流側フック 43 回り止め 46 切欠溝 47,48 段差 49 上流側冷却空気吹き出し 50 下流側冷却空気吹き出し 51 冷却空気通路 53,54 壁体 55 窪み部 64 薄板 65 溝 66 内環

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動翼の先端外周側を覆う配置でケーシン
    グに防熱セグメントを設けたガスタービンにおいて、前
    記防熱セグメントの材料に耐熱素材であるセラミック材
    料を適用したことを特徴とするガスタービン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスタービンにおいて、
    セラミック製の防熱セグメントとこの防熱セグメントを
    ケーシングに支持するセグメント支持体との間にセラミ
    ック製のバネを設けたことを特徴とするガスタービン。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のガスタービンにおいて、
    セラミック製の防熱セグメントとセグメント支持体との
    組立に使用する固定用ボルトに、スプリング機能を付与
    したことを特徴とするガスタービン。
  4. 【請求項4】 動翼の外周側を覆う配置でケーシングに
    防熱セグメントを設けたガスタービンにおいて、前記防
    熱セグメントをセラミック材料によって構成するととも
    にロータ回転軸に対して周方向に複数に分割し、その分
    割面が半径方向及び軸方向に段差を成し、組立の際に互
    いに隣接する防熱セグメントの各段差を嵌合し、かつ半
    径方向及び周方向の段差間に間隙を設定したことを特徴
    とするガスタービン。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のガスタービンにおいて、
    個々のセラミック製の防熱セグメントの周方向の両端に
    主流ガスの流出を防止する壁体を設けたことを特徴とす
    るガスタービン。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のガスタービンにおいて、
    セラミック製防熱セグメントのさらに半径方向の外側に
    薄板を設けたことを特徴とするガスタービン。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のガスタービンにおいて、
    セラミック製防熱セグメントのさらに半径方向で外側に
    薄板を設けたことを特徴とするガスタービン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11148303A (ja) * 1997-09-15 1999-06-02 Asea Brown Boveri Ag プラットホームのためのセグメント装置
CN115013079A (zh) * 2022-07-08 2022-09-06 泰安凯顺机电工程有限公司 一种使用寿命高的汽轮机

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