JPH08176531A - ブレーキ用摩擦材 - Google Patents

ブレーキ用摩擦材

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JPH08176531A
JPH08176531A JP32554094A JP32554094A JPH08176531A JP H08176531 A JPH08176531 A JP H08176531A JP 32554094 A JP32554094 A JP 32554094A JP 32554094 A JP32554094 A JP 32554094A JP H08176531 A JPH08176531 A JP H08176531A
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JP
Japan
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halogen compound
friction
fade
brake
friction material
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Pending
Application number
JP32554094A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Wakamatsu
智之 若松
Yukinori Yamashita
幸典 山下
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価にして、今日の過酷な条件下に十分に耐
え得る耐フェード特性の優れたブレーキ用摩擦材を得
る。 【構成】 基材となるアスベスト以外の、セラミック、
ガラス、銅などの繊維質と、摩擦・摩耗を調整する、黒
鉛、硫酸バリウムなどの粉粒体を含むフェノール樹脂な
どの熱硬化性樹脂とから成って、ハロゲン化合物が添加
されている。そのハロゲン化合物は、NaCl、NH4
Cl、SnCl2 などの無機質であって、その融点が4
00℃以上1300℃未満のものである。また、添加量
は、全体の1〜10体積百分率である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐フェード特性に優
れたブレーキ用摩擦材に関するものである。
【0002】
【技術的背景】自動車等が高速で急制動を繰り返した場
合、その制動による摩擦熱によってブレーキパッドが高
温になる。このとき、この高温化によってブレーキパッ
ドを構成する有機物が気化又は液化する場合があり、こ
の気体、液体がロータ(ディスク)と摩擦材(ブレーキ
パッド)の界面に発生すると、摩擦係数が低くなる現
象、すなわちフェード現象が生じる。
【0003】このフェード現象を防止したブレーキ用摩
擦材として、特公昭47−29574号公報には、アス
ベスト(石綿)と熱硬化性樹脂とから成って、無機質ハ
ロゲン化合物を添加したものが開示されている。この摩
擦材は、ハロゲン化合物の添加によってフェード現象を
防止するとしている。
【0004】しかしながら、この摩擦材は、今日の自動
車の高性能化に伴う、ブレーキパッドの過酷な条件下に
おいて、十分なフェード現象を確実に防止し得ない。ま
た、今日、アスベストは、人体に悪影響を及ぼす等の理
由によって使用を制限されつつある。
【0005】このため、特開昭62−11789号公
報、特開昭59−24772号公報、特開昭59−24
773号公報、特開昭62−137436号公報、特開
平2−187324号公報、特開平5−215164号
公報などに示されるように、アスベスト以外の、例えば
ガラス繊維、スチール繊維、セラミック繊維を基材とし
たブレーキ用摩擦材が開発されて実用化されている。
【0006】これらのブレーキ用摩擦材において、フェ
ード現象を防止する手段は、特開昭59−29772
号公報などに示される、前述のハロゲン化合物を添加す
る、特開平2−187324号公報などで示される、
摩擦材表面を予め高温処理して、高温で気体や液体にな
る成分を除去する、特開平5−215164号公報な
どで示される、高温で分解しにくい原料を用いるなどで
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記手段は、今日の
過酷な条件下では十分でなく、さらなる改良が望まれて
いる。この十分な効果を得ていないのは、有機質ハロゲ
ンは、低温分解のため、フェード現象防止の分解条件に
不適当であり、また、ハロゲンでもフッ素を用いると、
分解により遊離したフッ素が周囲への腐食等を引き起こ
す可能性があって適当でなく、且つ、フッ素化合物は、
分解温度が高すぎるものが多く、フェード現象防止の分
解条件に不適当であることなどによる。上記手段は、
設備・処理工程の増加によるコスト高や、摩擦材そのも
のの強度劣化を招く恐れがある。また、上記手段は、
特殊な原料が必要のため、コスト高となっているととも
に、製法に手間が掛かるという問題がある。
【0008】ところで、ブレーキパッドにおいて生じる
フェード現象は、パッド表面の摩擦係数の高い部分が、
その高い摩擦抵抗によって局部的に高温になるためと考
える。この局部的な温度上昇は、摩擦係数の増大による
ものと考えられ、その摩擦係数の増大は潤滑剤を添加す
れば抑えることができる。しかし、一般の潤滑剤を多量
に添加すると、通常使用時の摩擦係数の低下を招く。こ
のため、フェード時の摩擦性能を高めるには、通常時に
は潤滑効果を発揮せず、フェード時の局所加熱で初めて
潤滑効果を発揮する潤滑剤を添加すればよいこととな
る。
【0009】このような効果は上記従来技術のハロゲン
化合物の中でも限定された化合物のみが発揮する。ハロ
ゲン化合物の添加は極めて容易であり、効果を上げるた
めに、限定条件を設けてもコスト的に問題も少ない。
【0010】この発明は、上述の実情の下、ハロゲン化
合物を特定することにより、今日の過酷な条件下に十分
に耐え得る耐フェード特性の優れたブレーキ用摩擦材を
提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明においては、基材となるアスベスト以外の
繊維質と、摩擦・摩耗を調整する粉粒体を含む熱硬化性
樹脂とから成って、フッ素を除くハロゲン化合物が添加
されているブレーキ用摩擦材であって、上記ハロゲン化
合物が、無機質であって、その融点が400℃以上13
00℃未満のものである構成としたのである。
【0012】上記ハロゲン化合物の添加量は、全体の1
〜10体積百分率であるものとするとよい。
【0013】また、ここで言うハロゲン化合物は、塩
素、臭素、沃素を含む化合物であり、化合物は金属元
素、中でもアルカリ金属、アルカリ土類との化合物が望
ましい。
【0014】
【作用】上記ハロゲン化合物は、無機質ゆえに、高い融
点(分解点)をもち、かつアスベスト以外の繊維質と高
い親和性を有する。そして、400℃以下の融点を持つ
ハロゲン化合物では、通常のフェード現象が400℃以
上で生じるため、フェードに至るまでに分解して散逸
し、潤滑効果を発揮し得なかったり、低い温度で分散し
て摩擦係数を下げる恐れがある。一方、1300℃以上
の融点を持つハロゲン化合物は、通常のフェード現象が
1300℃以下で生じるため、フェード時には分散せず
に、潤滑効果を発揮しない恐れがある。
【0015】上記ハロゲン化合物の添加量は、摩擦材全
体に対する体積百分率で0.2〜30%、望ましくは、
上述のように1〜10%である。この範囲(0.2%)
以下では効果がなく、この範囲(30%)以上では、摩
擦材強度の低下、および他の摩擦調整材の割合が減少し
摩擦性能が低下するため適当ではない。
【0016】因みに、ハロゲン化合物でもフッ化物は、
遊離したフッ素の反応性が高すぎ、相手材ローターの腐
食並びに摩擦材中の有機物の腐食が大きすぎるため適当
ではない。このため、ハロゲンとしては、塩素、沃素、
臭素に限定した。
【0017】
【実施例】各摩擦材(実施例1〜6)は、表1中に示さ
れる配合の原料を混合して熱成形し、さらに摩擦材中の
フェノールレジンを硬化させて製造した。摩擦材の形態
としては、ディスクブレーキ用のパッドに成形した。
【0018】次に製造工程について説明する。まず、表
1に示す配合に従って原料を混合した。原料に用いたハ
ロゲン化合物には、100メッシュアンダーの物を用い
た。混合には高速回転できるチョッパを有するアイリッ
ヒミキサを用いた。次に、ミキサで混合した原材料を熱
成形プレスで成形し、その後硬化炉を用いてバインダレ
ジンの硬化を行った。成形における条件としては、16
0℃に加熱した金型の中に所定量の混合された材料を投
入し、適当なタイミングで圧抜きを行い、原材料の中か
ら発生するガスを金型の外に出すようにした。圧力はこ
のような圧抜き以外は常に一定に制御し、加圧時間は1
0分とした。この圧力は成形した摩擦材が計算上10%
体積の気孔を有するように定めた。パッドの裏板と摩擦
材との接着は、熱成形において摩擦材の成形と同時に行
った。硬化は230℃で3時間行った。また、比較例1
〜6を、表1に示す配合でもって、実施例と同様にして
製作した。
【0019】
【表1】
【0020】各実施例及び比較例のパッド(摩擦材)の
フェード性能評価には、イナーシャダイナモ試験機を用
いた。試験コードは「JASO C406−82」一般
性能試験を用い、フェード評価はその中の第一フェード
時の摩擦係数について調べた。第一フェード時での、各
制動の摩擦係数(以下μで表記)で、最小のμの値をm
in.μとし、各制動中での瞬間のμの最小値をmin
−min.μとして、それぞれのμの値の大小でフェー
ドを評価した。
【0021】その試験結果を表1に合わせて示した。表
1の結果から明らかなように、比較例1〜6の摩擦材か
らなるパッドに対して、実施例1〜6の摩擦材からなる
パッドを用いた場合には、その配合の相違により、フェ
ード時のμ低下、特にmin−min.μの改善に有効
であることが分かる。
【0022】
【発明の効果】この発明は以上のように構成したので、
安価にして、今日の過酷な条件下に十分に耐え得る耐フ
ェード特性の優れたブレーキ用摩擦材を得ることができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材となるアスベスト以外の繊維質と、
    摩擦・摩耗を調整する粉粒体を含む熱硬化性樹脂とから
    成って、フッ素を除くハロゲン化合物が添加されている
    ブレーキ用摩擦材であって、 上記ハロゲン化合物が、無機質であって、その融点が4
    00℃以上1300℃未満のものであることを特徴とす
    るブレーキ用摩擦材
  2. 【請求項2】 上記ハロゲン化合物の添加量が、全体の
    1〜10体積百分率であることを特徴とする請求項1記
    載のブレーキ用摩擦材。
JP32554094A 1994-12-27 1994-12-27 ブレーキ用摩擦材 Pending JPH08176531A (ja)

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JP32554094A JPH08176531A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ブレーキ用摩擦材

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Date Code Title Description
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Effective date: 20040330

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