JPH08176383A - 耐放射線ポリ塩化ビニルシート - Google Patents

耐放射線ポリ塩化ビニルシート

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JPH08176383A
JPH08176383A JP32427994A JP32427994A JPH08176383A JP H08176383 A JPH08176383 A JP H08176383A JP 32427994 A JP32427994 A JP 32427994A JP 32427994 A JP32427994 A JP 32427994A JP H08176383 A JPH08176383 A JP H08176383A
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JP
Japan
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polyvinyl chloride
weight
pts
chloride sheet
sheet
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JP32427994A
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English (en)
Inventor
Masao Kimata
正雄 木俣
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コバルト60−γ線の放射線に対し、長時間
経過しても変色がきわめて少なく、かつ成形時に問題が
ない柔軟温度をもつ医療用器具等の包装の用途に好適な
耐放射線ポリ塩化ビニルシートを提供すること。 【構成】 ポリ塩化ビニル100重量部に対して有機錫
系安定剤a重量部、エポキシ系安定化助剤b重量部、か
つ式1≦a≦3、3≦b≦8、1.1a+1.7b≦1
4を満たしクラッシュベルグ柔軟温度が50℃以上であ
る耐放射線ポリ塩化ビニルシート、及びポリ塩化ビニル
100重量部に対して有機錫系安定剤a重量部、エポキ
シ系安定化助剤b重量部、及びグリセリン脂肪酸エステ
ルc重量部かつ式1≦a≦3、3≦b≦8、0≦c≦
3、1.1a+1.7b+0.6c≦14をみたす範囲
で添加しクラッシュベルグ柔軟温度が50℃以上である
耐放射線ポリ塩化ビニルシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐放射線の優れたポリ塩
化ビニルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルシートは各種の広い分野
で使用されており、特に薬品、医療用器具、包装素材と
して他のプラスチックと比べて最も重要な位置を占めて
いる。医療用器具の滅菌にはコバルト60−γ線、酸化
エチレン及び高圧蒸気による薬剤滅菌法が用いられてい
る。これまでおもに高圧蒸気法よる、酸化エチレンが主
流であったが、最近その残存ガスの許容濃度が問題にな
った。また高圧蒸気滅菌の場合は失透に戻すための処置
が必要である。1980年以降、包装後の滅菌が可能
で、コスト低減につながることによりコバルト60−γ
線滅菌あるいは、電子線滅菌への転換が考えられてい
る。医療用器具の滅菌線量として2.5〜5.0Mra
dが使用されているが、コバルト60−γ線でポリ塩化
ビニルに同線量照射した場合、照射による最初の過程は
脱塩素反応であり、高分子ラジカルと塩素原子を生成す
る。ポリ塩化ビニル分子の各結合の内、C−Cl結合エ
ネルギーが最も低いため、照射によってC−Cl結合以
外の結合が切断されても分子内ラジカルあるいはエネル
ギー移動によってすべてCーCl結合が切断される。生
成した塩素原子による水素引き抜き反応によりポリ塩化
ビニルに二重結合と塩酸が生成しこの繰り返しによりポ
リ塩化ビニル中に共役ポリエンが生成して着色かつ酸化
する。通常ポリ塩化ビニル成形時に熱により脱塩酸反応
が起こるのを抑えるための安定剤が配合されているが、
γ線照射後のポリ塩化ビニルの変色は著しくまたγ線照
射直後の変色のみならず、長期間経過後の変色及び加熱
処理をした場合の変色が問題になる。また変色を改良す
るために安定剤を多量に添加する場合があるが、安定剤
はポリ塩化ビニルシートと融和性が悪いために成形加工
時にブリード、プレートアウト生じシート作成時に支障
をきたす。またクラッシュベルグ柔軟温度が低くなるた
めに、加熱処理後シートの収縮がおこり実用上問題がの
こる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はコバル
ト60−γ線の放射線に対し、長時間経過しても変色が
きわめて少なく、かつ成形時に問題がない柔軟温度をも
つ医療用器具等の包装の用途に好適な耐放射線ポリ塩化
ビニルシートを提供することによる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はポリ塩化ビニル
100重量部に対して有機錫系安定剤a重量部、エポキ
シ系安定化助剤b重量部、かつ式1≦a≦3、3≦b≦
8、1.1a+1.7b≦14を満たしクラッシュベル
グ柔軟温度が50℃以上であることを特徴とする耐放射
線ポリ塩化ビニルシートであり、かつポリ塩化ビニル1
00重量部に対して有機錫系安定剤a重量部、エポキシ
系安定化助剤b重量部、及びグリセリン脂肪酸エステル
c重量部かつ式1≦a≦3、3≦b≦8、0≦c≦3、
1.1a+1.7b+0.6c≦14をみたす範囲で添
加しクラッシュベルグ柔軟温度が50℃以上であること
を特徴とする耐放射線ポリ塩化ビニルシートである。
【0005】本発明で使用されるポリ塩化ビニルは重合
度600〜3000のものが好ましく、特に重合度70
0〜1000のものが好ましい。本発明において、有機
錫安定剤としては例えばメチル錫メルカプト系、ブチル
錫マレート系、オクチル錫メルカプト系等を挙げること
ができ、変色をおさえるためにはメチル錫メルカプト系
が好ましい。有機錫安定剤の添加量が1重量部以下の場
合では、γ線照射後の変色が著しい。また有機錫安定剤
の添加量を3.0重量部以上にすると、塩化ビニル樹脂
製食品容器包装に関する自主規制基準に不適合になる。
【0006】エポキシ系安定化助剤としてはエポキシ化
大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ化植物油、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ化脂肪酸エ
ステル等が挙げられる。エポキシ化アマニ油としては粘
度が700〜1200cP、オキシラン酸素比率が9.
1%以上のものが好ましい。ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂としては粘度が11000〜15000cP、オ
キシラン酸素比率8.4〜8.9%のものが好ましい。
エポキシ化脂肪酸エステルととしては粘度が25〜30
cP、オキシラン酸素比率4.0%以上のものが好まし
い。 エポキシ系安定化助剤の添加量が3.0重量部以
下の場合では、γ線照射後の変色が著しく、エポキシ系
安定化助剤の添加量を8.0重量部以上ではシートの柔
軟温度が低くなり成形時問題になる。シートの柔軟温度
の低下をおさえるためにはビスフェノールA型エポキシ
樹脂が好ましい。グリセリン脂肪酸エステルとしては、
グリセリンモノステアレート、グリセリンモノパルミテ
ートなど公知の物を使用することができる。グリセリン
脂肪酸エステルの添加量が3重量部以上ではシートの柔
軟温度が低くなり成形時問題になる。また有機錫系安定
剤a重量部、エポキシ化植物油b重量部、グリセリン脂
肪酸エステルc重量部で1.1a+1.7b+0.6c
が14重量部を超えるとシートの柔軟温度が低くなり加
熱処理後シートの収縮がおこり実用上問題がおこる。
【0007】またこれらの塩化ビニル樹脂に必要により
補強剤、滑剤を添加できる。これらの塩化ビニル組成物
をシート状に成形加工するためには従来よりカレンダリ
ング法、押し出し法、プレス法、キャスト法などがある
がここで特に限定するものではない。
【0008】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお実施例中の各測定項目については以下の方法に
より測定した。 (1)色差(△E):色彩色差計により測定。色差基準
色にγ線未照射のシートを測定した。 (2)クラッシュベルグ柔軟温度:JISーK−673
4により測定。 《実施例1〜10》表1、2に示す平均重合度700の
ポリ塩化ビニル100重量部に表1、2に示す有機錫系
安定剤、エポキシ系安定化助剤各重量部、表1、2に示
すグリセリン脂肪酸エステル各重量部、滑剤1重量部、
MBS補強剤4重量部を配合して155℃の2本ロール
間で3分間混練後140℃で2分間プレスしシート(厚
み0.35mm)を得た。コバルト60−γ線照射装置
を用いて、上記シートを5.0Mrad照射してサンプ
ルAを得た。照射後のシートを熱風循環式恒温漕で60
℃2週間の加熱処理を行ってサンプルBを得た。サンプ
ルA,Bの色差(△E)測定の結果を表1、2に示す。
シートのクラッシュベルグ柔軟温度測定の結果を表1、
2に示す 《比較例1〜5》表3に示す平均重合度700のポリ塩
化ビニル100重量部に有機錫系安定剤、表3に示すエ
ポキシ系安定化助剤各重量部、表3に示すグリセリン脂
肪酸エステル各重量部に、滑剤1重量部、MBS補強剤
4重量部を配合し実施例1〜10と同様にサンプルA,
Bを得た。サンプルA,Bの色差(△E)測定の結果を
表3に示す。シートのクラッシュベルグ柔軟温度測定の
結果を表3に示す
【0009】
【0010】
【0011】 ・メチル錫メルカプト系安定剤 錫含有量 19.5% ・オクチル錫メルカプト系安定剤 錫含有量 15.5%
【0012】
【発明の効果】本発明のポリ塩化ビニルシートは放射線
照射後の変色が少なく耐放射線性にすぐれている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニル100重量部に対して、
    有機錫系安定剤a重量部、エポキシ系安定化助剤b重量
    部、かつ式1≦a≦3、3≦b≦8、1.1a+1.7
    b≦14を満たしクラッシュベルグ柔軟温度が50℃以
    上であることを特徴とする耐放射線ポリ塩化ビニルシー
    ト。
  2. 【請求項2】 ポリ塩化ビニル100重量部に対して、
    有機錫系安定剤a重量部、エポキシ系安定化助剤b重量
    部、及びグリセリン脂肪酸エステルc重量部かつ式1≦
    a≦3、3≦b≦8、0≦c≦3、1.1a+1.7b
    +0.6c≦14をみたす範囲で添加しクラッシュベル
    グ柔軟温度が50℃以上であることを特徴とする耐放射
    線ポリ塩化ビニルシート。
JP32427994A 1994-12-27 1994-12-27 耐放射線ポリ塩化ビニルシート Pending JPH08176383A (ja)

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