JPH08175853A - ロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解方法および装置 - Google Patents

ロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解方法および装置

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JPH08175853A
JPH08175853A JP32228094A JP32228094A JPH08175853A JP H08175853 A JPH08175853 A JP H08175853A JP 32228094 A JP32228094 A JP 32228094A JP 32228094 A JP32228094 A JP 32228094A JP H08175853 A JPH08175853 A JP H08175853A
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一成 安達
Norito Satou
準人 佐藤
Takashi Matsukuma
隆 松隈
Norio Misaki
規生 三崎
Isao Tamakoshi
勲 玉越
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B5/00Treatment of  metallurgical  slag ; Artificial stone from molten  metallurgical  slag 
    • C04B5/06Ingredients, other than water, added to the molten slag or to the granulating medium or before remelting; Treatment with gases or gas generating compounds, e.g. to obtain porous slag
    • C04B5/065Porous slag

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロックウール用溶融スラグに成分調整材を均
一に溶解する。 【構成】 電気炉8に貯えた溶融スラグ9を電極5によ
り加熱しつつ、炉蓋7の中央部に設けたランス挿入口3
からガスバブリングランス1を垂直に装入して、その下
部を炉内の溶融スラグ9中に浸漬する。ランス挿入口3
と同心に外側から包囲するように設置した成分調整材装
入口4から成分調整材10をガスバブリングランス1から
吹き込まれる不活性ガスの気泡11が浮上するガスバブリ
ング領域の溶融スラグ9の露出面に装入することにより
その溶解を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気炉に貯えた主原料
の溶融スラグを電極からの電力により加熱しつつ、該溶
融スラグに成分調整材を装入し、スラグ成分および温度
を調整するようにしたロックウール用溶融スラグへの成
分調整材溶解方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉で溶銑を製造する際に、多量に発生
する溶融スラグは、広い敷地に放流して凝固したスラグ
ブロックとした後、これを破砕してスラグ砕石とし、骨
材、路盤材あるいは埋立材に使用していた。その後、高
炉で副生した溶融スラグを水で急冷して水砕スラグと
し、高炉セメント、セメント混合材、コンクリート骨材
等に使用するようになったが、その他に溶融スラグを、
断熱材等として使用されるロックウールの原料として利
用するようになってきた。
【0003】すなわち高炉より副生する溶融スラグを電
気炉内に装入し、炉内に貯えた主原料の溶融スラグを電
極からの電力により加熱しつつ、溶融スラグに成分調整
材を装入し、スラグ成分および温度を調整してロックウ
ール用溶融スラグを製造することが行われている。この
方法では、高温の溶融スラグを電気炉内で加熱するの
で、溶融スラグに装入する成分調整材を溶解するために
少ないエネルギ投入量で足るので省エネルギとなる。一
般に、電気炉に設けたスラグ装入口より主として溶融ス
ラグをバッチで装入し、また別の成分調整材装入口から
所定量の成分調整材を装入し、電極によって所定の温度
に加熱している。
【0004】ところで、電気炉内に貯えられた溶融スラ
グに成分調整材を溶解するための時間を短くする手段と
して溶融スラグ中に不活性ガスを吹き込みガスバブリン
グにより溶融スラグを攪拌することが周知である。たと
えば、特開昭63−69731 号公報には、成分調整材を溶解
するため炭素質ランスを支持部材を介して電気炉内へ挿
入、引抜き、上下動可能に取り付け、炭素質ランスを通
して不活性ガスを電気炉内の溶融スラグ中に吹き込むも
のが開示されている。
【0005】また特開昭63−89439 号公報には、通常成
分調整材を溶融スラグの表面上へ上方より装入するが、
粉粒状の成分調整材であっても互いに固まり溶融スラグ
中にガスバブリングランスから不活性ガスを吹き込んで
攪拌しても成分調整材が均一に溶解しないことが多いた
め、上下動可能なランスから不活性ガスと共に成分調整
材を溶融スラグ中にインジェクションするものが開示さ
れている。
【0006】さらに特開平1−111749号公報には、図7
に示すように電気炉8Eに被せた炉蓋7Aに複数個(図
面では2個)の成分調整材装入口4Aを設け、各成分調
整材装入口4Aに成分調整材分投供給装置2Aを接続す
る。さらに溶融スラグを攪拌するために2本のガスバブ
リングランス1Aを傾斜させた状態として炉蓋7Aに固
定して設置する。電気炉8E内には主原料の溶融スラグ
9Aが主としてバッチ装入され所定量貯えられる。成分
調整材は、分投供給装置2Aからそれぞれの成分調整材
装入口4Aを経由して少量ずつ投入される。これと同時
に2本のガスバブリングランス1Aより不活性ガスを吹
き込んでバブリングする。このガスバブリングにより溶
融スラグと成分調整材とを攪拌混合し、成分調整材の溶
融時間を短縮するというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術に見られ
るようにロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解
を促進する攪拌手段としてガスバブリングが一般的に使
用されているが、ガスバブリングランスの挿入位置や挿
入角度については必ずしも明確に規定されていないのが
実状である。
【0008】本発明者らによるガスバブリングランスの
挿入位置や挿入角度についての調査によれば、ガスバブ
リングランスの先端挿入位置が不適切に電気炉の炉壁に
近い場合には、炉壁近傍を流動する溶融スラグの流速が
大きくなり、炉壁耐火物の損傷を早めることになる。ま
た炉内の溶融スラグが局所的に攪拌され炉内全体的に攪
拌されにくいという難点があった。さらに図7に示すよ
うにガスバブリングランス1Aを溶融スラグに傾斜を持
たせて挿入すると、バスバブリングによるガスバブリン
グランスの振動によりランス本体の折損を生じ易いとい
う問題点があった。
【0009】一方、前記従来技術のようなガスバブリン
グによる成分調整材の溶解時間短縮を図る場合には、電
気炉内で成分調整材が溶解した状態では溶融スラグの表
面温度が高く、したがって表面からの放散熱が多くなり
溶融スラグの温度を一定に保つためには多くの電力を投
入する必要があった。電気炉に高炉スラグを供給し成分
調整材を添加して溶融スラグの温度および成分濃度を調
整する手段として、前述のように1つの電気炉を使用す
ることが従来から行われているが、高炉スラグや成分調
整材の供給中にも溶融スラグを出湯する場合には未溶解
の成分調整材が混じるので成分濃度の変動が大きいとい
う問題があった。これに対し、高炉スラグの供給、成分
調整材の添加、溶融スラグの温度および成分温度調整、
溶融スラグの出湯の一連の操作を行う電気炉を2つ並列
に設置し、それぞれ交互に溶融スラグを出湯する方法が
知られている。
【0010】この方法では、成分濃度および温度の調整
は容易になるが、成分調整材を短時間に溶解し生産性を
向上するためには各々の電気炉に攪拌による溶解装置が
必要であり、設備費が高くなる・設置場所をとるといっ
た問題があった。また、高炉スラグの供給、成分調整材
の添加、成分濃度の一次調整、溶融スラグをバッチ出湯
する電気炉(一次電気炉)と、該一次電気炉からの溶融
スラグを供給され主として溶融スラグの温度調整および
成分濃度の二次調整の機能をもつ電気炉(二次電気炉)
とを直列に設置する方法が知られている。この方法で
は、成分濃度および温度の調整が容易になるとともに二
次電気炉からの完全な連続出湯ができるが、成分の濃度
を迅速に変更したい場合に一次電気炉の濃度が変化して
からタイムラグがあった後二次電気炉の濃度が変化し、
迅速な濃度変更がやりにくいといった問題があった。
【0011】本発明は、電気炉の炉壁の損傷を早めるこ
となく効率的に溶融スラグのガスバブリングによる攪拌
および成分調整材の溶解を行い、またガスバブリングラ
ンスの折損をなくし、さらに溶融スラグ表面からの放散
熱を少なくして、電極への電力供給量を少なくすること
ができるロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解
方法および装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】また本発明は、好ましくは2基の電気炉を
並列に設置したり、または直列に設置するときに、ガス
バブリングによる成分調整溶解装置の設備費を安くする
と共に設置場所を少なくし、さらに溶解スラグの迅速な
成分濃度の変更が可能なロックウール用溶融スラグへの
成分調整材溶解装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明にあたり、電気炉
に貯えた主原料の溶融スラグ中に浸漬するガスバブリン
グランスの挿入位置、挿入角度ならびに溶融スラグ上に
装入した成分調整材の溶融状況などを種々変更した実験
をくり返し行った。その結果、ガスバブリングランスの
挿入位置および成分調整材の装入位置に適当な位置があ
ることを知見し、これによって本発明を想到するに至っ
たものであり、その要旨とするところは次の通りであ
る。
【0014】前記目的を達成するための請求項1記載の
本発明は、電気炉に貯えた主原料の溶融スラグを電極か
ら供給する電力により加熱しつつ、該溶融スラグに成分
調整材を装入し、スラグの成分および温度を調整するよ
うにしたロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解
方法において、前記電気炉に被せた炉蓋の中央部に設け
たランス挿入口からガスバブリングランスをほぼ垂直に
挿入して、その下部を炉内の溶融スラグ中に浸漬する一
方、前記ランス挿入口と同心に外側から包囲するように
炉蓋に設置した円筒状の成分調整材装入口から成分調整
材をガスバブリングランスの周囲に存在する溶融スラグ
の表面上に装入し、前記ガスバブリングランスから吹き
込む不活性ガスによって、前記電気炉のほぼ中心部領域
で溶融スラグをバブリングすることによって成分調整材
を溶解することを特徴とするロックウール用溶融スラグ
への成分調整材溶解方法である。
【0015】請求項2記載の本発明は、ランス挿入口の
外側における同心円上に設置した複数箇所の成分調整材
装入口から成分調整材をガスバブリングランスの周囲に
存在する溶融スラグの表面上に装入し、電気炉のほぼ中
心領域で溶融スラグをバブリングすることを特徴とする
請求項1記載のロックウール用溶融スラグへの成分調整
材溶解方法である。
【0016】請求項3記載の本発明は、成分調整材装入
口から成分調整材をガスバブリングランスの周囲に存在
する溶融スラグの表面上に装入し、電気炉のほぼ中心部
のガスバブリングが激しい領域にて成分調整材の溶解を
促進し、ガスバブリングが激しいガスバブリング領域を
除くその他の領域に存在する成分調整材が未溶解のまま
で溶融スラグの表面面積の60%以上を被覆していること
を特徴とする請求項1または2記載のロックウール用溶
融スラグへの成分調整材溶解方法である。
【0017】請求項4記載の本発明は、電気炉に貯えた
主原料の溶融スラグを電極からの電力により加熱しつ
つ、該溶融スラグに成分調整材を装入し、スラグ成分お
よび温度を調整するようにしたロックウール用溶融スラ
グへの成分調整材溶解装置において、前記電気炉に被せ
た炉蓋の中心部に設けたランス挿入口と、このランス挿
入口から垂直に挿入してその下部を炉内の溶融スラグ中
に浸漬したガスバブリングランスと、前記ランス挿入口
を外側から包囲するように炉蓋に設置した成分調整材装
入口とを具備したことを特徴とするロックウール用溶融
スラグへの成分調整材溶解装置である。
【0018】請求項5記載の本発明は、伸縮アームの先
端部に設けたランス支持部に支持されると共にフレキシ
ブル管を介して不活性ガス元管に接続されたガスバブリ
ングランスと、前記伸縮アームを伸縮させる伸縮駆動装
置と、上下動させる上下動駆動装置と、旋回させる旋回
駆動装置とを具備したことを特徴とする請求項4記載の
ロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解装置であ
る。
【0019】請求項6記載の本発明は、伸縮駆動装置に
よる伸縮アームの伸縮移動量測定器と、上下駆動装置に
よる伸縮アームの上下移動量測定器と、旋回駆動装置に
よる伸縮アームの旋回移動量測定器と、前記各測定器に
より測定されたそれぞれの測定値に基づきガスバブリン
グランスのランス挿入口への挿入、抜き出しおよび挿入
位置を自動調整するランス自動制御装置とを具備したこ
とを特徴とする請求項5記載のロックウール用溶融スラ
グへの成分調整材溶解装置である。
【0020】請求項7記載の本発明は、不活性ガス供給
元管に自動弁およびガス流量測定器を設置し、ランス自
動制御装置からの指令によりガスバブリングランスの先
端が電気炉内の所定位置に到達したタイミングで自動弁
を制御し、ガス流量測定器によりガス流量を測定して不
活性ガスの自動吹き出し、自動吹き止めおよびガス流量
を制御するように構成したことを特徴とする請求項6記
載のロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解装置
である。
【0021】請求項8記載の本発明は、同一容量の2基
の電気炉を交互に使用するように並列に設置し、溶融ス
ラグへの成分調整材溶解装置を両電気炉に兼用するよう
に設置したことを特徴とする請求項5、6または7記載
のロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解装置で
ある。請求項9記載の本発明は、2基の電気炉を一次電
気炉および二次電気炉として直列に設置し、溶融スラグ
への成分調整材溶解装置を両電気炉に兼用するように配
置したことを特徴とする請求項5、6または7記載のロ
ックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解装置であ
る。
【0022】
【作用】本発明では、電気炉に被せた炉蓋の中心部に設
けたランス装入口からガスバブリングランスをほぼ垂直
に挿入して、その下部を炉内の溶融スラグ中に浸漬する
一方、前記ランス挿入口を同心に外側から包囲するよう
に炉蓋に設置した成分調整材装入口から成分調整材をガ
スバブリングランスの周囲に存在する溶融スラグの表面
上に装入し、前記ガスバブリングランスから不活性ガス
を吹き込み、前記電気炉のほぼ中心部領域で溶融スラグ
をバブリングする。
【0023】このようにして電気炉の中央部にほぼ垂直
に挿入するのは、ランスの浸漬位置と溶融スラグの攪拌
状況をモデル実験により調査した結果、電気炉の炉壁損
傷を少なくし溶融スラグ全体を効率的に攪拌するには、
ランス先端のガス吹き込み口を略電気炉中心に位置させ
るのが最適であるからである。この場合には、ランス1
本にて溶融スラグ全体を攪拌可能であったが、ランス先
端を電気炉中心から偏心させた場合には、ランスに近い
炉壁の損傷が激しくなる。そこで炉壁の損傷を抑えるた
め吹き込みガス流量を少なくすれば溶融スラグ全体を攪
拌するためにランスを多数配置する必要があるといった
非効率な結果となる。なおこの結果は、従来ガスバブリ
ングが実施されているような水や溶鋼などの粘度の低い
(1〜5cp)液体の攪拌状況から単純には想定されずス
ラグなど粘度の高い(例えば数百cp)液体で顕著であっ
た。
【0024】溶融スラグに浸漬したランスは、ガス吹き
出しによる振動、また主原料の高炉から副生された溶融
スラグを供給する時などの溶融スラグ表面の堆積成分調
整材の移動により力が加わる。ランスを傾斜させて浸漬
する場合には、ランスの他端を完全に固定しておく必要
があるためランス振動の力を緩和させることが難しい、
また、溶融スラグ表面の堆積成分調整材がランス周囲に
あり高炉スラグ供給時などにランスに力がかかりやすい
ためランスが折損しやすい。それに対し、ランスを略垂
直に浸漬させた場合には、ランスの振動を緩和させるよ
うな支持方法が取りやすく、また、ランス周囲がガスバ
ブリング領域になり成分調整材が溶解するため高炉スラ
グ供給時の力もかからないので好適である。
【0025】ところで、ガスバブリングでは、吹き込ん
だガスは吹き込み位置から上方に浮上していく気泡の上
昇領域(ガスバブリング領域)が存在する。溶融スラグ
の上方から成分調整材を散布し溶融スラグを攪拌する場
合には、このガスバブリング領域にて成分調整材の溶解
が激しく溶融スラグ表面が露出しやすく、その周囲では
溶解が遅く成分調整材が堆積しやすいことが分かった。
従って、ガスバブリング領域にて成分調整材を溶解し、
その周囲にて成分調整材を断熱層として堆積させる方法
が有効である。このような状態は、電気炉のほぼ中心か
ら成分調整材を装入することでつくれるが、電気炉の炉
蓋の1箇所よりも同心円上の複数箇所から成分調整材を
投入した方が調整しやすい。
【0026】成分調整材(一般にはSiO2を多く含む珪石
粉)は熱伝導率が悪く、溶融スラグと成分調整材との接
触界面では溶解するものの、その上に堆積した珪石粉は
溶融スラグに比べ温度が低く、例えば溶融スラグ温度15
00℃の時に堆積した成分調整材表面の温度は 500℃程度
となり、溶融スラグが露出している場合の表面温度1300
〜1400℃に比べかなり低温となる。よって、溶融スラグ
表面に未溶解状態で成分調整材を堆積させることにより
断熱材の役目を果たし供給電力を少なくできることにな
る。
【0027】さらに溶融スラグ表面からの放散熱は、溶
融スラグ表面積Aに対して成分調整材が覆っている面積
Bの割合(面積割合=B/A)により変化し、図6に示
すように約6割以上になれば放散熱防止効果が大きくな
り、より好適には8割以上とすることが望ましい。以
下、本発明の構成、作用および効果を図面に基いて説明
する。
【0028】図1に示すように電気炉8に被せた炉蓋7
に設けたスラグ装入口(図示せず)から炉内に高炉で副
生された高温の溶融スラグ9を主としてバッチ装入する
と共に必要に応じて追加装入し電気炉8内に貯える。炉
蓋7を介して炉内に挿入した複数本(通常3本)の電極
5の下部を電気炉8内の溶融スラグ9中に浸漬し、電極
5からの電力により溶融スラグ9の温度を一定に保つた
め加熱するのは従来と同様である。
【0029】本発明では、電気炉8に被せた炉蓋7の中
央部つまり3本の電極5の中心位置に対応して設けたラ
ンス挿入口3からガスバブリングランス1をほぼ垂直に
挿入して、その下部を炉内の溶融スラグ9に浸漬する。
フレキシブル管23を介して不活性ガス供給元管(図示せ
ず)から供給される不活性ガスをガスバブリングランス
1に供給して溶融スラグ9中に吹き込むと、不活性ガス
は気泡11となってガスバブリング領域を炉内中央部に形
成しつつ溶融スラグ9中を浮上する。
【0030】一方、ランス挿入口3と同心にこれを外側
から包囲するように炉蓋7に成分調整材装入口4が設置
してあり、成分調整材供給管2から供給された粉粒状の
成分調整材10は、成分調整材装入口4からガスバブリン
グランス1の周囲に存在する溶融スラグ9の表面上に直
接装入される。このように成分調整材10が溶融スラグ9
の表面上に直接装入できるのは、ガスバブリング領域の
溶融スラグ9が湧出攪拌作用によって裸湯面となって露
出しているからであり成分調整材10が高温の溶融スラグ
9に装入されるので溶解速度が大きくなり、その溶解が
促進されることになる。
【0031】これに対して、電気炉8の中央部に形成さ
れるガスバブリングにより周辺に押しやられた周辺領域
の成分調整材(一般にはSiO2を多く含有する珪石粉を使
用)10は、成分調整材9が熱伝導率が小さいため溶融ス
ラグ9と成分調整材10との接触界面では溶解するもの
の、その上に堆石した成分調整材(珪石粉)10は溶融ス
ラグ9に比較して温度が低い未溶解成分調整材6となっ
て堆積した状態となる。
【0032】このようにガスバブリング領域の周囲にお
ける溶融スラグ9の表面に未溶解成分調整材6が堆積す
ると、これが断熱層としての役割を果たすので溶融スラ
グ9の表面から放散される放散熱を減少することができ
る。このため保熱力が強化される結果、加熱のために電
極5から供給する電力を削減することができるようにな
る。
【0033】本発明では、成分調整材溶解装置30を図2
および図3に示すような装置構成にすることができる。
すなわち、成分調整材溶解装置30が備えたガスバブリン
グランス1は、伸縮アーム13の先端部に設けたランス吊
り支持部12にて回動自在に支持されており、この伸縮ア
ーム13はテレスコープ部材13A、13Bを介してアーム本
体13Cに伸縮自在に支持されている。そして伸縮アーム
13とアーム本体13Cとの間にはそれぞれ軸受26A、26B
を介して軸支されたシリンダ型伸縮駆動装置14が取付け
てあり、シリンダ型伸縮駆動装置14を伸縮作動すること
により伸縮アーム13が伸縮され、これによってガスバブ
リングランス1が前後進される。
【0034】アーム本体13Cは、水平ピン28を介して上
下動支持部材27に対して傾動することにより上下動可能
に支持してある。またアーム本体13Cと上下動支持部材
27との間には、シリンダ型上下動駆動装置15が取付けて
あり、シリンダ型伸縮駆動装置15を伸縮作動することに
より水平ピン28を介して傾動され、これによって伸縮ア
ーム13の先端部に設けたランス支持部材12に支持された
ガスバブリングランス1が上下動される。この場合伸縮
アーム13は水平ピン28を支点とした円弧を描くのでガス
バブリングランス1をランス挿入口3にスムーズに上下
動させるため伸縮アーム13の前後進によるガスバブリン
グランス1の前後進作動との連動させて行う。
【0035】さらに上下動支持部材27は平面円形状の旋
回台25上に固設してあり旋回台25の側部にはシリンダ型
旋回駆動装置16が連結してある。このシリンダ型旋回駆
動装置16を伸縮作動することにより旋回台25に中心軸31
を中心にして回動するので旋回台25上に一体的に設けて
ある上下動支持部材27が旋回され、これによってガスバ
ブリングランス1を稼動位置1Aと待機位置1Bとの間
に旋回することができるようになっている。
【0036】そしてシリンダ型伸縮駆動装置14による伸
縮移動量は伸縮移動量測定器18により、またシリンダ型
上下動駆動装置15による上下移動量は上下移動量測定器
19により、さらにシリンダ型旋回駆動装置16による旋回
移動量は旋回移動量測定器20によりそれぞれ測定され、
これら各測定値はランス制御操作盤21に入力されガスバ
ブリングランス1の位置を確認しながら、ランス制御操
作盤21からの指令によりガスバブリングランス1を自動
にてランス挿入口3に挿入、抜取りができる。当然のこ
とながら必要に応じランス制御操作盤21によりガスバブ
リング1を手動にてランス挿入、抜取りできるような構
成になっている。
【0037】またガスバブリングランス1への不活性ガ
スは、ランス制御操作盤21からの指令により遮断弁24を
開とし不活性ガス供給元管17に配設したガス流量調整器
22にて流量を調整しながら、不活性ガス供給元管17およ
びフレキシブル管23を介してガスバブリングランス1を
通過し、電気炉8内の溶融スラグ9中に吹き込まれる。
【0038】次に本発明の作用について、ガスバブリン
グランス1が待機位置1Bにあるものとして説明する。
まず、電気炉8に設けたスラグ供給口29から高炉で副生
された溶融スラグの所定量をバッチ装入する。炉壁7を
介して炉内に電極5を挿入し、溶融スラグ9内の所定深
さになるまで浸漬し、電極5から電力を供給することに
より溶融スラグの加熱を開始する。
【0039】ランス制御操作盤21からの指令によりシリ
ンダ型旋回駆動装置16の作動を開始し、旋回移動量測定
器20により旋回移動量を測定しながら伸縮アーム13を旋
回し、所定の位置に到達したらランス制御操作盤21の指
令によりシリンダ型旋回駆動装置16の作動を停止する。
次にランス制御操作盤21からの指令によりシリンダ型伸
縮駆動装置14の作動を開始し、伸縮移動量測定器18によ
り伸縮移動量を測定しながらアーム本体3Cに設けたテ
レスコープ部材3B、3Aを介して伸縮アーム13を伸長
し、所定の位置に到達したらランス制御操作盤21の指令
により伸縮駆動装置14を停止する。この時、伸縮アーム
13の先端部に設けたランス吊り支持部12に支持されたガ
スバブリングランス1は、電気炉8に被せた炉蓋7の中
央部に設けたランス挿入口3の上方位置1Aに到達して
いる。
【0040】引続き、ランス制御操作盤21からの指令に
よりシリンダ型上下動駆動装置15の作動を開始し、上下
移動量測定器19により上下移動量を測定しながら伸縮ア
ーム13を介してガスバブリングランス1を下降し、ラン
ス挿入口3から電気炉8内に挿入する。この時、伸縮ア
ーム13はアーム本体13Cを上下動支持部材27に連結する
水平ピン28を支点として円弧を描くので、伸縮アーム13
に支持されたガスバブリングランス1がランス挿入口3
の位置に合致するように伸縮駆動装置14との連動によっ
てガスバブリングランス1を下降させる。なお、伸縮ア
ーム13を介するガスバブリングランス1に位置ずれを生
じた場合には、その位置ずれに応じ適宜に伸縮駆動装置
14、上下動駆動装置15、旋回駆動装置16を用いて位置の
修正を行うのは云うまでもない。
【0041】かくしてガスバブリングランス1の先端が
電気炉3内に貯めた溶融スラグ10の上方の所定位置を通
過するタイミングにて、ランス制御操作盤21からの指令
により遮断弁24を開としガス流量調整器22にて不活性ガ
ス(ここでは窒素N2 ガス)の流量を自動調整し、不活
性ガス供給元管17およびフレキシブル管23を経由してガ
スバブリングランス1内を通過させ、電気炉8内の浴上
空間にてN2 ガスの吹き出しを開始する。このようなタ
イミングでガスバブリングランス1からN2 ガスを吹き
出すことによって電気炉8外でN2 ガスが吹き出すのを
防止する。
【0042】その後、ガスバブリングランス1からN2
ガスを吹き出しながらガスバブリングランス1を溶融ス
ラグ9の所定深さまで浸漬させたら、ランス制御操作盤
21からの指令により上下動駆動装置15を停止する。成分
調整材供給管2から成分調整材10として粉粒状のSiO2
多く含有する珪石粉を成分調整材装入口4を介して溶融
スラグ9の中心部に装入する。また必要に応じ溶融スラ
グ9を電気炉8に追加装入する。ガスバブリングランス
1から溶融スラグ9中に吹き込まれたN2 ガスは溶融ス
ラグの中心部で気泡11となってランス1の周囲を浮上
し、ガスバブリング領域を形成し、溶融スラグ9の中心
部は裸油面となっているので装入された成分調整材を迅
速に溶解することができる。
【0043】一方、電気炉の中央部に形成されるガスバ
ブリング領域の周辺領域にある溶融スラグ9は、堆積し
た未溶解成分調整材6により被覆されているため断熱層
としての役割を果たし、溶融スラグ9の表面から放射さ
れる放射熱を減少できる。このため加熱のため電極5か
ら供給する電力を削減できるのは前述の通りである。こ
のようにして、電気炉8内に貯めた溶融スラグ9中に所
定量の成分調整材10として珪石粉を均一に溶解すると共
に電極5により溶融スラグ9を所定の温度に調整した
ら、前記と逆の手順によりガスバブリングランス1を電
気炉8からランス挿入口3から抜き去り、待機位置1B
に戻して待機させる。さらに電気炉8内の溶融スラグ9
から電極5を抜き出した後、電気炉8から溶融スラグ9
をスラグ鍋に排出し、これをロックウールの製造に供す
る。
【0044】なお、図2および図3に示す成分調整材溶
解装置30に配備する伸縮駆動装置14、上下動駆動装置15
および旋回駆動装置16としていずれもシリンダ型のもの
を使用する場合について説明したが、これに限定するも
のではなくラックピニオン機構、電動式アクチュエータ
等の周知の伸縮、上下動並びに旋回駆動装置を用いるこ
とができる。上下動駆動装置としては、鉛直なガイドポ
ストに沿って上下動キャリッジが駆動装置により昇降す
るような機構にすることにより伸縮アームの先端部に支
持させたガスバブリングランスを昇降するようにするこ
とも可能である。
【0045】ところで図4は、2基の電気炉8A、8B
を並列に設置する場合の平面を示す配置図である。図4
に示すように電気炉8Aおよび電気炉8Bに被せた炉蓋
7には、それぞれガスバブリングランス1を挿入するラ
ンス挿入口3、成分調整材を炉内に装入する成分調整材
装入口4および高炉から副生した溶融スラグを炉内に装
入するスラグ供給口29が設けてあり、また炉蓋7を介し
て3本の電極5が炉内に装入してある。さらに伸縮アー
ム13が、テレスコープ部材13A、13Bを介してアーム本
体13Cに伸縮自在に支持されている。
【0046】また一本の伸縮アーム13を、図2および図
3に示すのと同じシリンダ型伸縮駆動装置14、シリンダ
型上下動駆動装置15およびシリンダ型旋回駆動装置16等
により作動するようにした1台の成分調整材溶解装置30
を、2基の電気炉8Aと電気炉8Bとに亘り交互に兼用
するように設置してある。電気炉8Aへのスラグ供給口
29からの溶融スラグの装入、ランス挿入口3からのガス
バブリングランス1の挿入、成分調整材装入口4からの
成分調整材装入を行い溶融スラグの成分調整および電極
5によるスラグ温度調整並びに溶融スラグの出湯の一連
の操作を行う。
【0047】電気炉8Aの一連の操作が終了後に、電気
炉8Bに対し、同様に一連の操作を行いそれぞれ交互に
溶融スラグへの成分調整材溶解を行って出湯する。この
ようにすることによってスラグ溶解装置30は、2基の電
気炉8A、8Bに対して1台のスラグ溶解装置30を設置
して交互にガスバブリングにより成分調整材を溶解でき
る。このため、スラグ溶解装置30を設置場所を少なくす
ることができると共に溶解装置30の設備費も低く抑えら
れ、各電気炉8A、8Bの成分調整材溶解能力を低下さ
せることなく安定してロックウール用溶融スラグを生産
できる。
【0048】図5は、2基の電気炉8C、8Dを直列に
設備する場合の平面を示す配置図である。一次電気炉8
Cでは、炉内に貯めた溶融スラグへの成分調整材の装入
による成分濃度調整および温度の調整を行った後、溶融
スラグの出湯までの一連の操作を行う。また二次電気炉
8Dでは、一次電気炉8Cからの溶融スラグのスラグ装
入口29からの受湯、炉内に貯めた溶融スラグの電極5に
よる温度調整を主として行い、必要に応じて二次的な成
分調整を行う。
【0049】成分調整材溶解装置30は、通常一次電気炉
8C内に連続的に挿入して成分調整材を溶解させている
が、成分濃度を迅速に変更する必要がある場合に、一時
的に溶解装置30を二次電気炉8D内に挿入変更し、二次
電気炉8D内の溶融スラグの成分濃度を変更し、その後
溶解装置30を一次電気炉8Cに戻す。二次電気炉8Dの
成分濃度を上げる場合には、一次電気炉8Cの成分濃度
を可能な限り予め上げた後二次電気炉8Dに出湯すると
共に、二次電気炉8D内の溶融スラグを溶解装置30にて
攪拌しつつ補助的に添加した成分調整材を溶解して二次
電気炉8D内の成分濃度を上げる。二次電気炉8Dの成
分濃度を下げる場合には、一次電気炉8Cの攪拌を停止
し成分濃度を可能な限り予め下げた後二次電気炉8Dに
出湯すると共に、二次電気炉8D内に成分調整材を添加
することなく溶融スラグを溶解装置30にて攪拌して二次
電気炉8D内の成分濃度を下げる。この装置によれば、
溶解装置30を使用して一次電気炉8Cと二次電気炉8D
を必要に応じ攪拌できるため設置場所が少なく、溶解装
置30の設備費も低く抑えられ、最終の二次電気炉8D内
の成分濃度を迅速に変更できフレキシブルな生産ができ
る。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。実施例1 図1に示す構造の電気炉8に高炉から副生した溶融スラ
グを35トン貯え、約40分のサイクルにて溶融スラグ7ト
ンおよび成分調整材として珪石粉 1.2トンを成分調整材
装入口から装入し、電極5から1200kwh の電力を供給し
溶融スラグを加熱しつつ溶融スラグの成分調整および温
度調整を行った。
【0051】この時、図2および図3に示す伸縮、上下
動および旋回機構を具備する溶解装置30を用いてランス
制御操作盤21からの指令により伸縮アームの先端部に支
持されたガスバブリングランス1を炉蓋7に設けたラン
ス挿入口3から挿入し、ガスバブリングランス1から窒
素ガス流量約6m3 /hrにて炉内の溶融スラグを炉内中
心部にてガスバブリングして、所定成分濃度および所定
温度の溶融スラグを電気炉8から 8.2トンを排出した。
【0052】なお、本発明では電気炉8による1サイク
ルの操作時間をロックウールの製品生産量に合わせて調
整し、生産量が少ない場合には溶解装置30が具備するガ
スバブリングランス1を使用しないで待機させ、生産量
が多い場合に溶解装置30が具備するガスバブリングラン
ス1を使用し、ロックウール生産量に応じてランスから
の吹き込み窒素ガス流量を調整するのが好適である。
【0053】この間、ガスバブリングランス1の炉内へ
の挿入、抜取りおよび窒素ガスの吹き出し、遮断タイミ
ングはランス制御操作盤21からの指令により自動的に行
うと共に電気炉8内の溶融スラグ量に応じてガスバブリ
ングランス1の溶融スラグ内への浸漬深さを調整した。
同じ電気炉8に溶融スラグ35トンを貯え、約80分サイク
ルにて高炉から副生した溶融スラグ7トンおよび成分調
整材として珪石粉 1.2トンを装入し、この間ガスバブリ
ングランス1を使用しないガスバブリングレスにより、
電極5から2000kwh の電力を供給して溶融スラグを加熱
しつつ溶融スラグの成分調整および温度調整を行った。
このようにして電気炉8内で所定成分濃度および所定温
度に調整した溶融スラグを約 8.2トン排出した。
【0054】本発明によれば、ガスバブリングを行わな
い場合に比較して電力使用量を大幅に節減することがで
きた。実施例2 図5に示すように一次電気炉8Cに溶融スラグを35トン
貯え、高炉スラグ7トンおよび成分調整材として珪石粉
1.2トンを装入し、一次電気炉8Cの溶融スラグ 8.2ト
ンを二次電気炉8Dへ供給する。この間、連続的に図2
と図3に示す溶解装置30のガスバブリングランス1にて
攪拌した。通常、二次電気炉8Dでは、溶融スラグ20ト
ンを貯え、溶融スラグ 8.2トンを受湯し、成分調整材を
添加せずSiO2濃度41%の溶融スラグを連続出湯する。製
品の種類などを変更するため、SiO2濃度を43%に上げる
場合、従来の方法では変更開始から終了まで約 100分を
要したが、本発明の方法すなわち一次電気炉8Cへの成
分調整材供給量を増加し一次電気炉8CのSiO2濃度を上
げるとともに、二次電気炉8Dへも成分調整材を補助的
に添加し、一時的に溶解装置30を二次電気炉8Dで使用
する方法では、変更開始から終了まで約20分に短縮され
た。また、SiO2濃度を43%から41%まで下げる場合、従
来の方法では変更開始から終了まで約 130分を要した
が、本発明の方法すなわち一次電気炉8Cへの成分調整
材供給量を減少させ一次電気炉8DのSiO2濃度を下げる
とともに、一時的に溶解装置30を二次電気炉8Dで使用
して積極的に攪拌する方法では、変更開始から終了まで
約40分に短縮された。この結果、濃度の変更条件に応じ
て一つの溶解装置30にて効率的に攪拌ができ、成分濃度
の変更時間を短縮でき従来以上にフレキシブルな生産が
可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
気炉に被せた炉蓋の中央部に設けたランス挿入口からガ
スバブリングランスをほぼ垂直に挿入して、その下部を
炉内の溶融スラグ中に浸漬する一方、前記ランス挿入口
と同心に外側から包囲するように炉蓋に設置した円筒状
の成分調整材装入口から成分調整材をガスバブリングラ
ンスの周囲に存在する溶融スラグの表面上に装入し、前
記ガスバブリングランスから不活性ガスを吹き込み、前
記電気炉のほぼ中心部領域で溶融スラグをバブリングす
ることによって成分調整材を溶解するようにした。
【0056】その結果、電気炉内の中央部に浸漬したガ
スバブリングランスから溶融スラグ中に吹き込まれた不
活性ガスの気泡はランス周囲である溶融スラグの中央部
にガスバブリング領域で形成し、同領域の溶融スラグ表
面が露出した部分に成分調整材が主として装入されるの
でその溶解を促進することができる。またガスバブリン
グ領域の周辺領域にある溶融スラグ上には未溶解成分調
整材が堆積しているため溶融スラグからの放散熱を低減
できる。また電気炉内の中央部が比較的高温であるのに
対しその周辺温度が低いため電気炉炉壁の損傷を抑制で
きる。ガスバブリングランスはほぼ垂直に溶融スラグ中
に浸漬してあるのでガスバブリングによるランス振動が
少ない。このためランスの折損もなく、効率的に溶融ス
ラグによるガスバブリング攪拌による成分調整材の溶解
が達成でき、成分調整材の溶解能力ひいてはロックウー
ル用溶融スラグの生産性の向上が達成されることにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の要部を示す断面図である。
【図2】本発明に係る装置の全体配置を示す断面図であ
る。
【図3】本発明に係る装置の平面図である。
【図4】本発明の他の実施態様に係る装置の平面図であ
る。
【図5】本発明の他の実施態様に係る装置の平面図であ
る。
【図6】未溶解成分調整材の被覆面積と放散熱との関係
を示す線図である。
【図7】従来例に係る装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガスバブリングランス 2 成分調整材供給管 3 ランス挿入口 4 成分調整材装入口 5 電極 6 未溶解成分調整材 7 炉蓋 8 電気炉 9 溶融スラグ 10 成分調整材 11 気泡 12 ランス吊り支持部 13 伸縮アーム 14 伸縮駆動装置(シリンダ型) 15 上下動駆動装置(シリンダ型) 16 旋回駆動装置(シリンダ型) 17 不活性ガス供給元管 18 伸縮移動量測定器 19 上下移動量測定器 20 旋回移動量測定器 21 ランス制御操作盤 22 ガス流量調整器 23 フレキシブル管 24 遮断弁 25 旋回台 26 軸受 27 上下動支持部材 28 水平ピン 29 スラグ供給口 30 成分調整材溶解装置 31 中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松隈 隆 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 三崎 規生 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 玉越 勲 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気炉に貯えた主原料の溶融スラグを電
    極から供給する電力により加熱しつつ、該溶融スラグに
    成分調整材を装入し、スラグの成分および温度を調整す
    るようにしたロックウール用溶融スラグへの成分調整材
    溶解方法において、前記電気炉に被せた炉蓋の中央部に
    設けたランス挿入口からガスバブリングランスをほぼ垂
    直に挿入して、その下部を炉内の溶融スラグ中に浸漬す
    る一方、前記ランス挿入口と同心に外側から包囲するよ
    うに炉蓋に設置した円筒状の成分調整材装入口から成分
    調整材をガスバブリングランスの周囲に存在する溶融ス
    ラグの表面上に装入し、前記ガスバブリングランスから
    吹き込む不活性ガスによって、前記電気炉のほぼ中心部
    領域で溶融スラグをバブリングすることによって成分調
    整材を溶解することを特徴とするロックウール用溶融ス
    ラグへの成分調整材溶解方法。
  2. 【請求項2】 ランス挿入口の外側における同心円上に
    設置した複数箇所の成分調整材装入口から成分調整材を
    ガスバブリングランスの周囲に存在する溶融スラグの表
    面上に装入し、電気炉のほぼ中心領域で溶融スラグをバ
    ブリングすることを特徴とする請求項1記載のロックウ
    ール用溶融スラグへの成分調整材溶解方法。
  3. 【請求項3】 成分調整材装入口から成分調整材をガス
    バブリングランスの周囲に存在する溶融スラグの表面上
    に装入し、電気炉のほぼ中心部のガスバブリングが激し
    い領域にて成分調整材の溶解を促進し、ガスバブリング
    が激しいガスバブリング領域を除くその他の領域に存在
    する成分調整材が未溶解のままで溶融スラグの表面面積
    の60%以上を被覆していることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のロックウール用溶融スラグへの成分調整材
    溶解方法。
  4. 【請求項4】 電気炉に貯えた主原料の溶融スラグを電
    極からの電力により加熱しつつ、該溶融スラグに成分調
    整材を装入し、スラグ成分および温度を調整するように
    したロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解装置
    において、前記電気炉に被せた炉蓋の中心部に設けたラ
    ンス挿入口と、このランス挿入口から垂直に挿入してそ
    の下部を炉内の溶融スラグ中に浸漬したガスバブリング
    ランスと、前記ランス挿入口を外側から包囲するように
    炉蓋に設置した成分調整材装入口とを具備したことを特
    徴とするロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解
    装置。
  5. 【請求項5】 伸縮アームの先端部に設けたランス支持
    部に支持されると共にフレキシブル管を介して不活性ガ
    ス元管に接続されたガスバブリングランスと、前記伸縮
    アームを伸縮させる伸縮駆動装置と、上下動させる上下
    動駆動装置と、旋回させる旋回駆動装置とを具備したこ
    とを特徴とする請求項4記載のロックウール用溶融スラ
    グへの成分調整材溶解装置。
  6. 【請求項6】 伸縮駆動装置による伸縮アームの伸縮移
    動量測定器と、上下駆動装置による伸縮アームの上下移
    動量測定器と、旋回駆動装置による伸縮アームの旋回移
    動量測定器と、前記各測定器により測定されたそれぞれ
    の測定値に基づきガスバブリングランスのランス挿入口
    への挿入、抜き出しおよび挿入位置を自動調整するラン
    ス自動制御装置とを具備したことを特徴とする請求項5
    記載のロックウール用溶融スラグへの成分調整材溶解装
    置。
  7. 【請求項7】 不活性ガス供給元管に自動弁およびガス
    流量測定器を設置し、ランス自動制御装置からの指令に
    よりガスバブリングランスの先端が電気炉内の所定位置
    に到達したタイミングで自動弁を制御し、ガス流量測定
    器によりガス流量を測定して不活性ガスの自動吹き出
    し、自動吹き止めおよびガス流量を制御するように構成
    したことを特徴とする請求項6記載のロックウール用溶
    融スラグへの成分調整材溶解装置。
  8. 【請求項8】 同一容量の2基の電気炉を交互に使用す
    るように並列に設置し、溶融スラグへの成分調整材溶解
    装置を両電気炉に兼用するように配置したことを特徴と
    する請求項5、6または7記載のロックウール用溶融ス
    ラグへの成分調整材溶解装置。
  9. 【請求項9】 2基の電気炉を一次電気炉および二次電
    気炉として直列に設置し、溶融スラグへの成分調整材溶
    解装置を両電気炉に兼用するように設置したことを特徴
    とする請求項5、6または7記載のロックウール用溶融
    スラグへの成分調整材溶解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100768316B1 (ko) * 2001-11-12 2007-10-17 주식회사 포스코 전기로용 카본 인젝션 장치

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