JPH0817577A - ルミネッセンスシリコン材料及びその形成方法及びルミネッセンス基材の処理方法及びエレクトロルミネッセンスデバイス - Google Patents

ルミネッセンスシリコン材料及びその形成方法及びルミネッセンス基材の処理方法及びエレクトロルミネッセンスデバイス

Info

Publication number
JPH0817577A
JPH0817577A JP7063756A JP6375695A JPH0817577A JP H0817577 A JPH0817577 A JP H0817577A JP 7063756 A JP7063756 A JP 7063756A JP 6375695 A JP6375695 A JP 6375695A JP H0817577 A JPH0817577 A JP H0817577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
luminescent
substrate
forming
silicon material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7063756A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2758849B2 (ja
Inventor
Peter Layton Francis Hemment
ピーター レイトン フランシス ヘメント
Takuya Komoda
卓哉 菰田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Surrey
Original Assignee
University of Surrey
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB9405870A external-priority patent/GB2288062A/en
Application filed by University of Surrey filed Critical University of Surrey
Publication of JPH0817577A publication Critical patent/JPH0817577A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2758849B2 publication Critical patent/JP2758849B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】室温でフォトルミネッセンス特性乃至エレクト
ロルミネッセンス特性を有するルミネッセンスシリコン
材料の製造プロセスを提供することである。 【構成】二酸化珪素(SiO2 )基板にシリコンイオン
を注入し、続いてイオン注入された基板をあるアニール
温度で一定時間アニールし、二酸化珪素基板に分散され
たシリコンのナノ結晶を形成する方法において、少なく
とも100KeVのエネルギーで、注入イオンのドーズ
量が1×1017/cm2 以上、表面侵食ドーズ量以下とな
るようにイオン注入することによって本願は特徴づけら
れる。本発明のプロセスにより作成されたルミネッセン
ス材料は、例えば、ルミネッセンス材料への紫外線照射
により可視光のフォトルミネッセンス特性を示し、エレ
クトロルミネッセンスデバイスに内蔵させることも可能
である。二酸化珪素基板内部に分散しているシリコンの
ナノ結晶は約30Åの平均粒径を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線照射あるいは電
圧印加等により励起することで、室温で可視フォトルミ
ネッセンス特性あるいはエレクトロルミネッセンス特性
を示すルミネッセンスシリコン材料を形成する方法、お
よびルミネッセンスシリコン材料のルミネッセンス特性
を向上させるための処理方法に関するものである。さら
に、本発明は、このルミネッセンスシリコン材料を使用
しているエレクトロルミネッセンスデバイスに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体エレクトロルミネッセンス化合物
の種々の発光デバイスは、広く産業界で使用されてい
る。このようなデバイスに使用されている化合物および
合金としては、ガリウム砒素(Ga−As)、ガリウム
−アルミニウム砒素(Ga−Al−As)、およインジ
ウムリン(In−P)等が例示される。これらのエレク
トロルミネッセンス半導体化合物は比較的輝度の高い発
光が得られるが、熱安定性が乏しく、材料が破損しやす
いため加工が困難である。さらに、これらのエレクトロ
ルミネッセンス半導体化合物とエレクトロルミネッセン
スの制御デバイスの両方をシリコン基板上に配設するた
めに、既存のシリコン集積回路の製造方法をそのまま使
用することは困難である。このような背景から、所望の
回路とともにシリコン基板に形成可能な発光デバイスの
需要が生じている。
【0003】L.T. Canham は、Appl. Phys. Lett., Vo
l. 57, No. 10(September3, 1990) におい
て、" メソポーラス(mesoporous)シリコン層" (ポア
幅:20〜500Å) と呼ばれるシリコン層が、緑色あ
るいは青色のレーザー光で照射されるとき、赤色のフォ
トルミネッセンスを室温下で生じることを報告してい
る。Canhamのプロセスには、シリコンウエハの表面をシ
リコンの量子ワイヤ(Quantum Wires) を含む多孔質シリ
コン構造にするため、シリコンウエハをフッ化水素酸水
溶液内で陽極酸化するステップが含まれている。この微
細な多孔質構造は、バルク状の結晶シリコンでは不可能
とされていたフォトルミネッセンスを起すためのシリコ
ンのバンド間遷移(interband transitions) を生じさせ
ると考えられている。
【0004】また、上記以外のフォトルミネッセンスシ
リコンの形成方法が、H.A.Atwaterらによって1993
年11月30日に米国のポストンで開催されたMaterial
s Research Societyの会合で" 二酸化珪素マトリックス
中におけるルミネッセンスシリコンおよびゲルマニウム
のナノ結晶のイオンビーム合成" として報告されてい
る。その報告書はイオン注入によりSiO2 マトリック
ス中にシリコンのナノ結晶を形成するプロセスを紹介し
ている。このプロセスでは、シリコンが1×10 16/cm
2 〜5×1016/cm2 のドーズ量でシリカ(SiO2
基板に注入され、その後、直径3nm (30Å) でダイヤ
モンド構造を有するシリコンのナノ結晶を析出させるた
めに注入基板がアニール処理されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Calhamのプロセスで
は、シリコンウエハの電気化学的な溶解を伴うウエット
プロセスを実施しているので、シリコンの多孔質度を調
整することが困難であり、その結果、特定の色のルミネ
ッセンスを得ることが困難である。さらに、そのような
多孔質構造を有するシリコンウエハは脆弱で壊れやすい
という問題がある。したがって、このフォトルミネッセ
ンスシリコンを形成する方法は、特定色のルミネッセン
スを得るという見地から、あるいは集積回路を作成する
ための従来技術との適合性の見地から改善の余地が残さ
れている。
【0006】Atwater らのプロセスで使用された注入エ
ネルギーは、シリカ基板の表面に重大なスパッタリング
現象を引き起こし、結果的にシリカ基板の表面が侵食さ
れてしまうだろう。シリカ基板中のイオン注入プロファ
イルはイオン停止動力学に基づいて制御できる。低エネ
ルギーイオンビームの使用では、イオンが表面領域に注
入されることでスパッタリングが起りやすく、結果的に
高濃度のイオン注入を行なうことが困難であり、再現性
のある濃度−注入深さの関係を得ることが困難となる。
また、シリカ基板に注入されるイオンのドーズ量が、ス
パッタリング速度によって限定されてしまうだろう。さ
らに、Atwater らのシリカ膜はその膜厚が100 nm と
薄いので、注入イオンの十分な収容能力が得られないだ
ろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ルミネ
ッセンスシリコン材料を形成するプロセスを提供するこ
とである。このプロセスは、二酸化珪素(SiO2 )基
板にシリコンイオンを少なくとも100KeVのエネル
ギーで、注入イオンのドーズ量が1×1017/cm2
上、表面侵食ドーズ量以下となるようにイオン注入した
後、所定の温度で一定時間、基板に第1アニール処理を
施し、SiO2 基板内にフォトルミネッセンス特性乃至
エレクトロルミネッセンス特性を有するシリコンのナノ
結晶を分散、析出させることを特徴とする。ドーズ量の
上限である表面侵食ドーズ量は、二酸化珪素基板の表面
が注入イオンによって異常侵食されてしまうような高い
注入ドーズ量であると定義することができる。
【0008】本発明のプロセスは、シリコン材料にフォ
トルミネッセンスデバイスを形成することを可能にし、
発光色をコントロールすることも可能にしている。さら
に、長期にわたって安定なフォトルミネッセンス特性を
有する材料を提供でき、集積回路の作成のための従来技
術との適合性も良いものである。本発明のプロセスによ
り形成されたナノ結晶への紫外線照射等により、室温で
可視光のフォトルミネッセンスを得ることが可能であ
る。
【0009】本発明のさらなる目的は、以下に述べるル
ミネッセンスシリコン材料の形成プロセスを提供するこ
とである。すなわち、100 nm 以上の厚みを有する二
酸化珪素(SiO2 )基板に対して、SiO2 基板の厚
みの半分あるいはそれ以上の深さにシリコンイオンを注
入した後、所定の温度で一定時間、基板に第1アニール
処理を施し、SiO2 基板内にフォトルミネッセンス特
性乃至エレクトロルミネッセンス特性を有するシリコン
のナノ結晶を分散、析出させることを特徴とする。
【0010】本発明の別の目的は、前記ルミネッセンス
シリコン材料のルミネッセンス応答特性を向上させるた
めの第2アニール処理方法を提供することである。この
第2アニール処理は、ルミネッセンスシリコン材料を加
熱した水素あるいはふっ素雰囲気中で処理するものであ
る。例えば、水素と窒素の混合ガス雰囲気中で30分以
上、好ましくは1時間以上、800〜1000℃の温度
で実施され、それによりシリコンのナノ結晶を成長させ
るのである。その混合ガスの組成は、85%〜95%が
窒素であり、5%〜15%が水素である。フォトルミネ
ッセンス応答特性を向上させるための第2アニール処理
における水素の存在は非常に重要であり、水素を含まな
い窒素単独の雰囲気において熱処理を行なっても、フォ
トルミネッセンス応答特性を十分に改善することができ
ない。
【0011】本発明の別の目的は、次の構成よりなるエ
レクトロルミネッセンスデバイスを提供することであ
る。このデバイスは、下部層である導電性基板、導電性
基板上に設けられたルミネッセンス特性を示すシリコン
のナノ結晶が分散されている二酸化珪素(SiO2
層、および結晶質シリコンの上部層で構成されていて、
上部層と下部層の内の少なくとも一方はSiO2 層に電
場を印加してエレクトロルミネッセンスを起させるドラ
イバー回路を形成するためドーピング処理が行われてい
る。
【0012】第1アニール処理は、900〜1300℃
のアニール温度で、15分から6時間行われることが好
ましい。本発明のプロセスにおけるシリコンイオンの注
入を、異なる注入条件により区別される少なくとも2つ
のステップに分割して行うことも好ましい。例えば、第
1の注入エネルギーでシリコンイオンをSiO2 基板に
注入し、続いて第1のエネルギーとは異なる第2の注入
エネルギーでイオン注入を行なうのである。このような
イオン注入方法は、SiO2 基板中に多くのドーズ量を
得るのに有効であり、広い注入範囲にわたって均一に、
粒径のそろったシリコンのナノ結晶を形成することを可
能にする。また、このようにして作成されたシリコンの
ナノ結晶から発光される光の波長帯は狭いので、所望の
色の発光を得ることが可能である。ナノ結晶のサイズは
イオンドーズ量やアニール条件を変化させることで制御
することが可能である。
【0013】本発明のプロセスにおいて使用される二酸
化珪素(SiO2 )基板としては、単結晶シリコンウエ
ハの表面酸化により形成されたSiO2 層、あるいは石
英板を使用することが可能である。図1を参照しなが
ら、シリコンウエハの表面酸化により形成されたSiO
2 層を二酸化珪素(SiO2 )基板として、本発明のル
ミネッセンスシリコン材料を形成するプロセスを以下に
説明する。 (a) シリコンウエハ( Si Wafer)を酸化し、そ
の表面にSiO2 層( SiO2 Layer)を形成す
る。 (b) SiO2 層に、注入イオンのドーズ量が1×1017
/cm2 以上、表面侵食ドーズ量以下となるようにシリコ
ンイオンを注入する。注入エネルギーは、100KeV
以上であることが好ましく、シリコンイオンの注入深さ
(Rp)がSiO 2 層の厚み内になるように決定され
る。 (c) シリコンイオンが注入された基板に、所定の温度で
一定時間、第1アニール処理を施し、シリコンのナノ結
晶をSiO2 層中に分散、析出させる。
【0014】上記プロセスにより、SiO2 層内に平均
粒子径が約30Åのシリコンナノ結晶が形成される。こ
のように析出されたナノ結晶はSiO2 層内に分散され
ており、レーザー光の照射等の励起操作により、室温で
フォトルミネッセンス特性を発揮するものである。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明する。 (実施例1)厚みが500μmで2〜3Ωcmの抵抗を有
するP型シリコンウエハを湿式酸化し、その表面にイオ
ン注入のための厚さ5000Åのシリカ(SiO2 )層
を形成した。シリカ層を有するシリコンウエハが、ヒー
トシンクとして機能するアルミニウム板の上に固定され
た後、500KeVの容量を有する重イオン加速器を使
用して、注入エネルギー200KeV、室温の条件下
で、28Si+ イオンを6×1017/cm2 のドーズ量で
シリカ層に注入した。この加速器はイオン抽出する段階
と運動量解析を行なう段階の間に単一のイオン加速段階
を備えた装置である。シリカ層に均一にイオン注入を行
なうために380Hzと61Hzの周波数で走査する静
電X−Yビームが使用さている。イオンドーズ量は入射
ビーム電流の積分により決定された。その他の注入条件
としては、瞬間電流が5〜20μAの範囲であり、平均
スポットサイズは約3×5mmであった。この注入条件で
は、イオンの平均注入深さ(Rp)は3000Åであ
り、その半価幅σは700Åであった。このことは、イ
オン注入されたシリコンイオンのほぼ全数がシリカ層の
内部に原子として残留することを示している。
【0016】イオン注入されたシリコン基板に、RTA
(Rapid Thermal Annealing) 装置を使用して、窒素雰囲
気中で1300℃、30分の条件でアニール処理を施し
た。アニール温度である1300℃までの昇温時間は約
1分間であった。所定時間アニールが行われた後、自然
冷却で室温まで降温した。このようにして作成されたル
ミネッセンスシリコン材料のフォトルミネッセンス特性
は、常温( 27℃) で488 nm の波長のレーザー光を
このシリコン材料に照射することにより評価された。図
2に示すように、770nm以下の可視光領域にピークを
持つフォトルミネッセンススペクトルが得られているこ
とがわかる。
【0017】フォトルミネッセンスは、アニール処理
中、注入された個々のシリコン原子から共有結合性ナノ
結晶への転化を介して形成されるシリコン析出物内の量
子拘束(Quantum Confinement) のために生じると考えら
れている。フォトルミネッセンス特性が得られない場
合、注入されたシリコンイオンが非晶質(アモルファ
ス)シリカ(SiO2 )層内にランダムに分布している
だけであるだろう。結晶粒径が30Åあるいはそれ以下
であるシリコンのナノ結晶が、シリコンのバンド構造
に、可視光領域でのフォトルミネッセンス特性を与える
ような量子効果を引き起こすとも考えられている。本発
明においては、多量のシリコンイオンをシリカ層に注入
する場合でさえ、シリコンの再結晶の進行が緩慢であ
り、昇温しても再結晶速度が急激に増加しないことがわ
かった。したがって、所望の発光を得るためにシリコン
のナノ結晶のサイズを選定することが容易になるのであ
る。換言すれば、アニール温度あるいは時間を制御する
ことで所望の波長の発光を得ることができるのである。 (実施例2)アニール時間がそれぞれ15、30、6
0、および120分であることを除いて、実施例1と同
様の方法に基づいてルミネッセンスシリコン材料を作成
した。フォトルミネッセンス特性は、実施例1と同様に
488 nm の波長のレーザー光を使用して評価された。
図3に示す結果は、フォトルミネッセンススペクトルの
ピーク位置がアニール時間に応じて変化し、アニール時
間の選定により最大のピーク強度を得ることができるこ
とを示している。 (実施例3)アニール時間を30分とし、アニール温度
をそれぞれ900、1100、および1300℃とした
ことを除いて、実施例1と同様の方法に基づいてルミネ
ッセンスシリコン材料を作成した。フォトルミネッセン
ス特性は、実施例1と同様の方法で評価された。図4に
示す結果は、900℃でアニールしたサンプルは広い波
長にわたってエレクトロルミネッセンス特性を示してい
るが、アニール温度の上昇に伴ってスペクトルのピーク
が現れるようになることを示している。したがって、こ
れらの結果は、アニール温度を適切に選択することによ
り、所望の波長領域にフォトルミネッセンススペクトル
のピークを得ることができることを示している。 (実施例4)注入イオンのドーズ量を2×1017/cm2
とし、アニール温度を1100℃とし、アニール時間を
それぞれ30分あるいは120分としたことを除いて、
実施例1と同様の方法に基づいてルミネッセンスシリコ
ン材料を作成した。フォトルミネッセンス特性は、実施
例1と同様の方法で評価された。図5に示す結果より、
120分でアニールしたもののフォトルミネッセンスの
ピークが600nmに見られ、そのピークは30分間アニ
ールしたもののピークに比べ、ピーク形状がより明確で
あり、ピーク強度も高いことがわかる。 (実施例5)アニール時間を120分とし、アニール温
度をそれぞれ900, 1100, あるいは1300℃と
したことを除いて、実施例4と同様の方法に基づいてル
ミネッセンスシリコン材料を作成した。フォトルミネッ
センス特性は、実施例1と同様の方法で評価された。図
6に示す結果より、900℃でアニールした時、最も高
いフォトルミネッセンスピークを示すことがわかる。し
たがって、2×1017/cm2 のドーズ量でシリコン(S
+ )イオンをシリコンウエハに注入する場合、アニー
ル温度を900℃とすることが最も好ましいといえる。
また、実施例5において900℃でアニールした場合の
ルミネッセンスピークは実施例1〜3のドーズ量を6×
1017/cm2 とした場合のピークよりも青色の波長側に
シフトしていることがわかる。これらの結果は、アニー
ル時間に加えてアニール温度、さらに注入イオンのドー
ズ量を適切に選択することで所望の色の、すなわち、所
望の波長のフォトルミネッセンスを得ることが可能であ
ることを示してる。 (実施例6)この実施例は、図7に示す本発明のプロセ
スに関するものである。すなわち、シリコンウエハ(S
i Wafer)上のシリカ(SiO2 )層( SiO2
Layer)へのシリコンイオンの注入を異なる注入エ
ネルギーで2回に分けて行なった場合を示すものであ
る。詳細には、実施例1で使用したのと同様な表面酸化
されたシリコンウエハを作成し、まず200KeVの注
入エネルギーで28Si + イオンをシリカ層( SiO2
Layer)に注入し、次いで150KeVの注入エネ
ルギーで28Si+ イオンの注入を行なった。それぞれ
のドーズ量は1×1017/cm2 である。これらの異なる
注入エネルギーは、図8に示されるように、シリカ層の
深さ方向における注入イオンの分布を示す2つのガウス
分布を形成する。Rp1は200KeVでイオン注入し
た場合のシリコンイオンの最大注入濃度に対応する注入
深さを示し、Rp2は150KeVでイオン注入した場
合のシリコンイオンの最大注入濃度に対応する注入深さ
を示している。このように2段階でイオン注入した後、
実施例1で使用したのと同じRTA装置を用いて窒素雰
囲気中で1300℃、120分の条件でアニールし、シ
リコンのナノ結晶をシリカ層中に析出、成長させた。こ
のようにして作成されたルミネッセンスシリコン材料
は、常温(27℃)下で488nmのレーザー光を照射す
ることによりフォトルミネッセンス特性を示すことが確
認された。図9にはそのフォトルミネッセンススペクト
ルが示されている。図9の結果より、実施例6のルミネ
ッセンスシリコン材料は、実施例1〜5の図2〜6に示
されているものに比較して、比較的狭い範囲にルミネッ
センスピークを持っていることがわかる。したがって、
2段階のイオン注入法により、発光波長を狭い範囲内に
得ることができ、所望の発光波長を得るのに有効である
ことがわかる。
【0018】発光波長の範囲が狭くなる理由としては、
2段階のイオン注入法によりシリカ層に注入されたシリ
コンイオンの一定濃度域が形成されたからである考えら
れる。シリカ層の深さ方向に広範囲で均一に注入された
シリコンイオンは、個々のシリコン原子のシリコンナノ
結晶へ結晶化においても、シリカ層の深さ方向に広範囲
で均一にナノ結晶を分散させることを可能にし、かつ発
光波長を決定する因子とされている均一な粒径を有する
ナノ結晶の形成を可能にしていると考えられている。し
たがって、所望の発光波長を有するルミネッセンスシリ
コン材料の形成が、シリコンのナノ結晶の粒径を制御す
る因子であるドーズ量およびアニール条件の適切な選択
を行なうことにより可能となるのである。尚、本実施例
では2段階のイオン注入を行なっているが、シリコンイ
オンの均一分散の観点から、2段階以上のイオン注入エ
ネルギーを使用して本実施例の方法を変更してもよい。
【0019】このようにしてシリコンのナノ結晶を分散
させたシリカ層は、適切な条件下でエレクトロルミネッ
センス特性を発揮するので、種々のデバイスの構造に利
用することが可能である。一例として、光通信の分野で
の使用が考えられている可視光のエレクトロルミネッセ
ンスデバイスがある。図10はそのようなデバイスを示
すものであり、上部シリコン層10、下部シリコン層2
0、および中間シリカ(SiO2 )層30で構成される
ヘテロ構造(SOI;SIMOX )に作られている。この構造に
おいて、シリコンイオンはシリカ(SiO2 )層30に
注入されている。注入シリコンの濃度および分布形態
は、ドーズ量および注入エネルギーを適切に選択するこ
とにより制御可能であることは上記の通りである。シリ
コンのナノ結晶はその後アニール処理により成長させて
いる。図10に示される構造では、シリコンの融点まで
の温度でのアニール処理が可能である。上部シリコン層
10および下部シリコン層20のうち少なくとも一方
に、中間シリカ層30に電場を印加してエレクトロルミ
ネッセンスを起させるドライバー回路を形成するため、
不純物のドーピング処理を施すことが可能である。
【0020】上記実施例においては、シリコンウエハの
表面酸化により形成されたシリカ層が使用されている
が、その代わりとして石英板を使用し、上記と同じ条件
下でシリコンのイオン注入を行い、その後アニール処理
を実施することも可能である。 (実施例7)厚みが500μmで2〜3Ωcmの抵抗を有
するP型シリコンウエハを湿式酸化し、表面酸化(Si
2 )層を成長させた。シリカ(SiO2 )層の厚さは
1μmで、シリコンイオンの注入場所として使用され
る。シリカ層を有するシリコンウエハが、ヒートシンク
として機能するアルミニウム板の上に固定された後、注
入エネルギー200KeV、室温の条件下で、28Si
+ イオンを2×1017/cm2 のドーズ量でシリカ層に注
入した。イオン注入は、一価のシリコン( Si+) イオ
ンを使用する従来型の加速器で行われ、瞬間電流は5〜
20μAの範囲であり、平均スポットサイズは約3×5
mmである。この加速器は単一のイオン加速段階を備えた
装置で、イオンビームはその全運動エネルギーで運動量
解析される。イオン注入を均一に行なうために380H
zと61Hzの周波数で走査する静電X-Y ビームが使用
され、イオンドーズ量は入射ビーム電流の積分により決
定された。注入されたシリコンイオンの平均注入深さ
(Rp)は3000Åであり、その半価幅σは700Å
であった。上記注入条件において、スパッタリング現象
は問題とならないので、イオン注入されたシリコンイオ
ンはほぼ全数がシリカ層の内部に原子として残留するこ
とになる。
【0021】イオン注入されたシリコン基板をRTA(R
apid Thermal Annealing) 装置にて窒素雰囲気中で13
00℃、30分の条件で第1アニール処理した。第1ア
ニール温度である1300℃までの昇温時間は約2分間
であった。所定時間、第1アニール処理が行われた後、
自然冷却で室温まで降温した。その後、第1アニール処
理が施された基板に、同じRTA装置を使用して、10
%水素−90%窒素の混合ガス雰囲気中で第2アニール
処理が施された。第2アニール処理のアニール温度は8
00℃であり、アニール時間を60, 120,180,
240分と徐々に増加させていき、各アニール時間後に
処理基板のルミネッセンススペクトルを測定した。測定
には488nmの波長のアルゴンレーザー光を使用した。
測定結果を図11に示す。スペクトル(a) は第1アニー
ル処理後に測定されたものであり、スペクトル(b) は第
1アニール処理後に第2アニール処理を800℃で60
分間施した試料から得られるスペクトルを示す。スペク
トル(c) はスペクトル(b) の測定を終了した試料をさら
に60分間、800℃で第2アニール処理を施した試料
から得られるスペクトルである( 結果的に、スペクトル
(c) は120分間、第2アニール処理を施した試料から
得られるスペクトルを示していることになる) 。このよ
うな手順を繰り返して、第2アニール処理のトータル処
理時間が180分および240分となる試料から得られ
るスペクトル(d) および(e) がそれぞれ測定された。本
実施例7においては、ルミネッセンススペクトルの第2
アニール処理時間の増加に伴う変化を厳密に評価するた
め、第1アニール処理を施した単一の試料を使用して上
記のようにスペクトル測定が行われたが、第1アニール
処理を施した複数個の試料を作成し、第2アニール処理
時間の異なる試料を個々に作成してそれぞれのルミネッ
センススペクトルを測定しても、同様の傾向が得られる
だろう。
【0022】図11の結果は、第2アニール処理時間が
長いほど、ピーク波長におけるルミネッセンス強度が向
上することを示している。 (実施例8)第2アニール処理がそれぞれ400℃, 8
00℃, 1200℃で温度で実施されたことを除いて実
施例7と同じ方法に基づいてフォトルミネッセンスシリ
コン材料が作成された。第2アニール処理後、自然冷却
で室温まで降温した。ルミネッセンススペクトルの測定
結果が図12に示されている。図12の結果から明らか
なように、ピーク波長におけるルミネッセンス強度は、
第2アニ−ル処理の処理温度に大きく依存している。す
なわち、400℃でのアニール処理では、ルミネッセン
ス強度の向上に対してほんのわずかな効果が見られるだ
けであり、その効果は1000℃でのアニール処理によ
り飽和するか、あるいはわずか減少に転じている。 (実施例9)異なったドーズ量で、かつ2種類の注入エ
ネルギーでイオン注入することを除いて実施例7と同じ
方法に基づいて実施例9のフォトルミネッセンスシリコ
ン材料を作成した。厚みが500μmで2〜4Ωcmの抵
抗を有するN型シリコンウエハを湿式酸化し、表面酸化
(SiO2 )層を成長させた。シリカ(SiO2 )層の
厚さは1μm で、シリコンイオンの注入場所として使用
される。シリカ層を有するシリコンウエハがアルミニウ
ム板の上に固定された後、注入エネルギー200KeV
と150KeVで、28Si+ イオンをそれぞれ1×1
17/cm2 のドーズ量でシリカ層に注入した。200K
eVの注入エネルギーでイオン注入した時の最大注入イ
オン濃度に対応する注入深さ(Rp)は3000Åであ
り、150KeVの注入エネルギーでイオン注入した時
の最大注入イオン濃度に対応する注入深さ(Rp)は2
250Åであった。
【0023】シリカ(SiO2 )はシリコン原子1個に
対して酸素原子2個の割合で構成されている。シリコン
イオンがこのシリカ層に外部から注入される時、注入さ
れたシリコンイオンはシリカ層にとって" 過剰なシリコ
ン" となる。シリカ層の表面からの深さ方向の距離に対
する注入イオン濃度の関係をグラフ化するとき、シリカ
層内の" 過剰なシリコン" がガウス分布を示すことがわ
かる。実施例7において行われた200KeVの注入エ
ネルギーで2×1017/cm2 のドーズ量を注入した場合
は、注入されたシリコンは一つのガウス分布を示すだろ
う。これに対して本実施例9では異なる注入エネルギ
ー、すなわち150KeVと200KeVで、それぞれ
1×1017/cm2 づつ注入されているので、注入分布は
2つのガウス分布を合成することにより示される( 例え
ば、実施例6の図8参照) 。実施例7と9において、注
入シリコンイオンのトータルドーズ量が2×1017/cm
2 と同じであるので、実施例9における注入イオンの最
大濃度は、実施例7における注入イオンの最大濃度より
も低くなるだろう。その結果、実施例9の注入分布は、
実施例7の場合に比べてなだらかな注入分布となる。換
言すれば、実施例9においては、シリカ層の深さ方向
に、より広範囲にわたって均一な注入イオンの体積濃度
を実現することができるでろう。局所的に高いシリコン
の注入分布が生じる場合、第1アニール処理でシリカ層
内に析出されるシリコンのナノ結晶のサイズが大きくな
ることがある。本実施例9のように、比較的広い範囲に
わたって均一な注入分布を形成することは、第1アニー
ル処理によって結晶サイズの小さい、より多くのシリコ
ンのナノ結晶をシリカ層内に均一に析出させることを促
進するので、ルミネッセンス強度をさらに向上させるこ
とが可能になるのである。
【0024】上記のようにイオン注入した試料に対し
て、実施例7の第1及び第2アニール処理が実施され
た。図13は各熱処理後の試料のフォトルミネッセンス
スペクトルを示している。図13の結果より、2つのピ
ーク波長におけるそれぞれのルミネッセンス強度が第2
アニール処理を行なうことによって向上されていること
がわかる。 (実施例10)第2アニール処理が窒素雰囲気中800
℃で実施されたことを除いて実施例7と同じ方法に基づ
いて実施例10のフォトルミネッセンスシリコン材料を
作成した。図14において、(a) のルミネッセンススペ
クトルは、実施例7と同様に、窒素中、30分、130
0℃の条件で第1アニール処理のみを施した試料から測
定されたものであり、(b) のルミネッセンススペクトル
は、(a) の試料にさらに、窒素雰囲気中、800℃、2
40分の条件で第2アニール処理を施した試料から測定
されたものである。図14の結果は、水素を含んでいな
い窒素ガス雰囲気中、800℃の第2アニール処理はル
ミネッセンス強度の向上に対してわずかな効果しかない
ことを示している。
【0025】実施例7〜10で述べられた実験は、本願
のプロセスにより作成されたルミネッセンスシリコン材
料を、水素を含有する雰囲気下、適切な処理時間や処理
温度で熱処理することにより、フォトルミネッセンス強
度を向上させることが可能であることを証明している。
この効果はシリカ層中への水素の拡散とそれに続くシリ
カ層中のシリコンナノ結晶の周囲にあるダングリングボ
ンドへの結合によるものと考えられる。" 非晶質シリコ
ン技術−1993"(Mat, Res. Soc. Symmp. Proc. 29
7, 1993, ed Eric A schiff et al, Material Res
earch Society.Pittsberg) において、水素が、多くの
ダングリングボンドを含む非晶質および多結晶シリコン
の光学特性および電気特性を改善することが報告されて
いるので、上記推測は、妥当なものであるだろう。非晶
質シリコンや希土類ドープシリコンのようなシリコン系
材料からのルミネッセンスに関する研究報告("希土類ド
ープ半導体", Mat. Res. Soc. Symp, Proc.,301, 1
993, ed Gennot S Pomereke et al, Material Resea
rch Society Pittsberg)は、不純物の存在がルミネッセ
ンス強度に大きな影響を及ぼすことを示している。ルミ
ネッセンス特性を担うメカニズムは個々の材料によって
異なるが、ルミネッセンス強度は放射再結合および非放
射再結合の経路のバランスによって左右される。すなわ
ち、非放射再結合の経路が放射再結合の経路に比べて多
く存在する場合、多くの電荷( 電子やホール) が光子(p
hoton)の放射を伴うことなくそのエネルギーを失って励
起状態から安定状態に移行してしまうので、良好なルミ
ネッセンス強度は得られない。不純物原子は、非放射再
結合の経路の一つとして作用するダングリングボンドに
新たな化学結合をもたらすことで、それを不動態化する
ことができ、結果的に放射再結合の経路の割合を増加さ
せることでルミネッセンス強度の向上に大きな影響を及
ぼすことができると考えられている。例えば、水素がシ
リカ層に拡散する時、水素は満たされていないシリコン
の結合手( ダングリングボンド) と結合し、例えば、-S
i-H, -Si-O-Si-, あるいは-Si-O-H の結合を生じるだろ
う。このような不純物元素の効果に関する考察の結果、
本発明者は、水素の含有に基づくルミネッセンス強度の
向上が、この化学種に限定されるものではなく、高反応
性、高電気陰性度を有する元素である" ふっ素" もま
た、ルミネッセンス特性に有益な効果をもたらすだろう
と確信するものである。
【0026】
【発明の効果】上記のように本発明の係るルミネッセン
スシリコン材料の製造方法は、二酸化珪素(SiO2
基板にシリコンイオンを少なくとも100KeVのエネ
ルギーで、注入イオンのドーズ量が1×1017/cm2
上、表面侵食ドーズ量以下となるようにイオン注入した
後、基板をあるアニール温度で一定時間アニールし、S
iO2 基板内にフォトルミネッセンス特性乃至エレクト
ロルミネッセンス特性を有するシリコンのナノ結晶を分
散、析出させることを特徴とするものである。このよう
に析出させたシリコンのナノ結晶の平均粒子径は約30
Å程度であり、レーザー光の照射等の励起操作により室
温でフォトルミネッセンス特性を発揮するものである。
また、アニール温度や注入イオンのドーズ量を適切に選
択することで所望の色の、すなわち、所望の波長のルミ
ネッセンスを得ることが可能である。
【0027】特に、本発明のプロセスにおけるシリコン
イオンの注入を、異なる注入条件により区別される少な
くとも2つのステップに分割して行うようにすれば、S
iO 2 基板中に比較的広い範囲にわたって均一な注入イ
オン分布を得ることが可能となる。このような特殊なイ
オン注入ステップを介して作成されたシリコンのナノ結
晶の発光は、比較的狭い光波長帯で起るので、所望する
色の発光を得ることが容易になるという長所がある。
【0028】本発明にかかるエレクトロルミネッセンス
デバイスは、下部層である導電性基板、導電性基板上に
設けられたルミネッセンス特性を示すシリコンのナノ結
晶が分散された二酸化珪素(SiO2 )層、および結晶
質シリコンの上部層で構成されている。上部層と下部層
の内の少なくとも一方に、二酸化珪素層に電場を印加し
てエレクトロルミネッセンスを起させるドライバー回路
を形成するため、ドーピング処理を施すことも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のルミネッセンスシリコン材料を形成す
るプロセスを説明する概略図である。
【図2】実施例1のルミネッセンスシリコン材料のルミ
ネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例2のルミネッセンスシリコン材料のルミ
ネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図4】実施例3のルミネッセンスシリコン材料のルミ
ネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図5】実施例4のルミネッセンスシリコン材料のルミ
ネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図6】実施例5のルミネッセンスシリコン材料のルミ
ネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図7】本発明のルミネッセンスシリコン材料を形成す
る別のプロセスを説明する概略図である。
【図8】図7のプロセスに基づいてイオン注入した場合
の注入イオン濃度と注入深さの関係を示すグラフであ
る;
【図9】実施例6のルミネッセンスシリコン材料のルミ
ネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図10】本発明のエレクトロルミネッセンスデバイス
の概略図である。
【図11】実施例7のルミネッセンスシリコン材料のル
ミネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図12】実施例8のルミネッセンスシリコン材料のル
ミネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図13】実施例9のルミネッセンスシリコン材料のル
ミネッセンススペクトルを示すグラフである。
【図14】実施例10のルミネッセンスシリコン材料の
ルミネッセンススペクトルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菰田 卓哉 イギリス国 サリー ジーユー2 5ワイ エイチギルフォード サリーリサーチパー ク オカムロード 40サリーテクノロジー センター ユニット31 マツシタ エレク トリック ワークス リミテッド ユーケ ー アールアンドディー ラボラトリー内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化珪素(SiO2 )基材にシリコン
    イオンを少なくとも100KeVのエネルギーで、注入
    イオンのドーズ量が1×1017/cm2 以上、表面侵食ド
    ーズ量以下となるようにイオン注入した後、基材を所定
    のアニール温度で一定時間アニールして、二酸化珪素基
    材内にフォトルミネッセンス特性乃至エレクトロルミネ
    ッセンス特性を有するシリコンのナノ結晶を分散、析出
    させることを特徴とするルミネッセンスシリコン材料の
    形成方法。
  2. 【請求項2】 シリコンイオンを約200KeVのエネ
    ルギーで注入することを特徴とする請求項1に記載のル
    ミネッセンスシリコン材料の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記イオン注入は、シリコンイオンを第
    1のエネルギーで二酸化珪素基材にイオン注入する初期
    注入段階と第1のエネルギーとは異なるエネルギーでイ
    オン注入する後期注入段階でなることを特徴とする請求
    項1に記載のルミネッセンスシリコン材料の形成方法。
  4. 【請求項4】 初期注入段階と後期注入段階の一方を、
    約150KeVの注入エネルギーで実施し、他方の段階
    を、約200KeVの注入エネルギーで実施することを
    特徴とする請求項3に記載のルミネッセンスシリコン材
    料の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記アニール温度が900〜1300℃
    であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載のルミネッセンスシリコン材料の形成方法。
  6. 【請求項6】 基材を15分〜6時間アニールすること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のルミネ
    ッセンスシリコン材料の形成方法。
  7. 【請求項7】 窒素ガス雰囲気中で基材をアニールする
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のル
    ミネッセンスシリコン材料の形成方法。
  8. 【請求項8】 基材に追加アニール処理を所定の雰囲気
    中で実施し、ルミネッセンス特性が向上するように前記
    ナノ結晶を改質することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載のルミネッセンスシリコン材料の形成方
    法。
  9. 【請求項9】 基材の追加アニール処理を水素の存在下
    で実施することを特徴とする請求項8に記載のルミネッ
    センスシリコン材料の形成方法。
  10. 【請求項10】 基材の追加アニール処理を水素を含む
    ガスの存在下で実施することを特徴とする請求項9に記
    載のルミネッセンスシリコン材料の形成方法。
  11. 【請求項11】 基材の追加アニール処理を800〜1
    100℃の温度で実施すことを特徴とする請求項8乃至
    10のいずれかに記載のルミネッセンスシリコン材料の
    形成方法。
  12. 【請求項12】 基材の追加アニール処理を少なくとも
    1時間以上実施することを特徴とする請求項8乃至11
    のいずれかに記載のルミネッセンスシリコン材料の形成
    方法。
  13. 【請求項13】 二酸化珪素基材をシリコンウエハの表
    面酸化によって形成することを特徴とする請求項1乃至
    12のいずれかに記載のルミネッセンスシリコン材料の
    形成方法。
  14. 【請求項14】 二酸化珪素基材は石英板であることを
    特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のルミネ
    ッセンスシリコン材料の形成方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至14の方法によって得ら
    れるルミネッセンスシリコン材料。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至14の方法によって得ら
    れるルミネッセンスシリコン材料と短波長光の光源とを
    有するフォトルミネッセンスデバイス。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至14の方法によって得ら
    れるルミネッセンスシリコン材料、およびルミネッセン
    スシリコン材料にエレクトロルミネッセンスを起させる
    ためにルミネッセンスシリコン材料に電場を印加する手
    段とを有するエレクトロルミネッセンスデバイス。
  18. 【請求項18】 結晶質シリコンの上部層、結晶質シリ
    コンの下部層、および上部層と下部層の間に挟まれた二
    酸化珪素(SiO2 )の中間層を有し、中間層の内部に
    はエレクトロルミネッセンス特性を有するナノ結晶が分
    散されていて、上部層と下部層の少なくとも一方には、
    中間層に電場を印可してエレクトロルミネッセンスを起
    させるドライバー回路を形成するためドーピング処理が
    施されていることを特徴とするエレクトロルミネッセン
    スデバイス。
  19. 【請求項19】 イオン注入範囲が注入範囲の標準偏差
    の3倍以上になるように、かつ注入イオンのドーズ量が
    1×1017/cm2 以上、表面侵食ドーズ量以下となるよ
    うにシリコンイオンを厚さが100nm以上である二酸化
    珪素(SiO 2 )基材に注入した後、基材を所定のアニ
    ール温度で一定時間アニールし、二酸化珪素基材内にフ
    ォトルミネッセンス特性乃至エレクトロルミネッセンス
    特性を有するシリコンのナノ結晶を分散、析出させるこ
    とを特徴とするルミネッセンスシリコン材料の形成方
    法。
  20. 【請求項20】 二酸化珪素基材の厚さが500nmであ
    り、シリコンイオンの注入範囲がおよそ300nmである
    ことを特徴とする請求項1及び19に記載のルミネッセ
    ンスシリコン材料の形成方法。
  21. 【請求項21】 二酸化珪素(SiO2 )基材の厚さが
    100〜500nmであり、二酸化珪素基材の厚みの1/
    2あるいはそれ以上の注入範囲にシリコンイオンを注入
    した後、基材をあるアニール温度で一定時間アニール
    し、二酸化珪素基材内にフォトルミネッセンス特性乃至
    エレクトロルミネッセンス特性を有するシリコンのナノ
    結晶を分散、析出させることを特徴とするルミネッセン
    スシリコン材料の形成方法。
  22. 【請求項22】 ルミネッセンス特性を有するシリコン
    ナノ結晶が分散された二酸化珪素(SiO2 )のフォト
    ルミネッセンス乃至エレクトロルミネッセンス基材を加
    熱された水素もしくはフッ素雰囲気中でアニールするこ
    とを特徴とするルミネッセンス基材の処理方法。
  23. 【請求項23】 前記ルミネッセンス基材を水素含有ガ
    ス雰囲気の存在下、800〜1000℃の温度で、少な
    くとも1時間以上アニールすることを特徴とする請求項
    22に記載のルミネッセンス基材の処理方法。
  24. 【請求項24】 前記水素含有ガスの組成は85〜95
    %が窒素であり、5〜15%が水素であることを特徴と
    する請求項23に記載のルミネッセンス基材の処理方
    法。
JP7063756A 1994-03-24 1995-03-23 ルミネッセンスシリコン材料及びその形成方法及びルミネッセンス基材の処理方法及びエレクトロルミネッセンスデバイス Expired - Lifetime JP2758849B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9405870A GB2288062A (en) 1994-03-24 1994-03-24 Forming luminescent silicon material and devices
GB9505361-7 1995-03-17
GB9505361A GB2287825B (en) 1994-03-24 1995-03-17 Forming luminescent silicon material electroluminescent device containing that material
GB9405870-8 1995-03-17

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0817577A true JPH0817577A (ja) 1996-01-19
JP2758849B2 JP2758849B2 (ja) 1998-05-28

Family

ID=26304572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7063756A Expired - Lifetime JP2758849B2 (ja) 1994-03-24 1995-03-23 ルミネッセンスシリコン材料及びその形成方法及びルミネッセンス基材の処理方法及びエレクトロルミネッセンスデバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2758849B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100708644B1 (ko) * 2004-02-26 2007-04-17 삼성에스디아이 주식회사 박막 트랜지스터, 이를 구비한 평판 표시장치, 박막트랜지스터의 제조방법, 평판 표시장치의 제조방법, 및도너 시트의 제조방법
CN100459044C (zh) * 2006-07-10 2009-02-04 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 非挥发性半导体存储器的制造方法
WO2010103616A1 (ja) 2009-03-10 2010-09-16 三菱電機株式会社 かご行先階表示装置
JPWO2009122458A1 (ja) * 2008-03-31 2011-07-28 国立大学法人広島大学 量子ドットの製造方法
JP2012084331A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Sharp Corp 発光装置
KR101283553B1 (ko) * 2011-10-12 2013-07-15 서울시립대학교 산학협력단 열 산화 공정을 이용한 나노결정층과 산화막의 동시 형성 방법
CN113448084A (zh) * 2021-07-12 2021-09-28 杭州电子科技大学 一种高温热源色调制方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100708644B1 (ko) * 2004-02-26 2007-04-17 삼성에스디아이 주식회사 박막 트랜지스터, 이를 구비한 평판 표시장치, 박막트랜지스터의 제조방법, 평판 표시장치의 제조방법, 및도너 시트의 제조방법
CN100459044C (zh) * 2006-07-10 2009-02-04 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 非挥发性半导体存储器的制造方法
JPWO2009122458A1 (ja) * 2008-03-31 2011-07-28 国立大学法人広島大学 量子ドットの製造方法
US8470693B2 (en) 2008-03-31 2013-06-25 Hiroshima University Method for manufacturing quantum dot
WO2010103616A1 (ja) 2009-03-10 2010-09-16 三菱電機株式会社 かご行先階表示装置
JP2012084331A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Sharp Corp 発光装置
KR101283553B1 (ko) * 2011-10-12 2013-07-15 서울시립대학교 산학협력단 열 산화 공정을 이용한 나노결정층과 산화막의 동시 형성 방법
CN113448084A (zh) * 2021-07-12 2021-09-28 杭州电子科技大学 一种高温热源色调制方法
CN113448084B (zh) * 2021-07-12 2023-03-24 杭州电子科技大学 一种高温热源色调制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2758849B2 (ja) 1998-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5852346A (en) Forming luminescent silicon material and electro-luminescent device containing that material
Michel et al. Impurity enhancement of the 1.54‐μm Er3+ luminescence in silicon
Jadwisienczak et al. Visible emission from AlN doped with Eu and Tb ions
JP2009524227A (ja) 酸素含有半導体ウェハの処理方法、および半導体素子
JP2758849B2 (ja) ルミネッセンスシリコン材料及びその形成方法及びルミネッセンス基材の処理方法及びエレクトロルミネッセンスデバイス
Reed et al. Erbium-doped silicon and porous silicon for optoelectronics
JPH09106958A (ja) 結晶基体のドーピング
JP4246424B2 (ja) 量子井戸構造を有するSi系半導体デバイスおよびその製造方法
Peng et al. Luminescence properties of porous silicon
US5858559A (en) Method for altering the luminescence of a semiconductor
JP2931204B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP3027092B2 (ja) 多孔質シリコン発光層の形成法
JP5051331B1 (ja) 赤外発光素子の製造方法
KR19990051970A (ko) 실리콘 발광소자의 적외선 발광층 형성방법
CN1161104A (zh) 半导体器件的制造方法
Tyschenko et al. Photoluminescence of Si 3 N 4 films implanted with Ge+ and Ar+ ions
JP3602212B2 (ja) 発光素子用半導体及びその製造方法
Lalic Light emitting devices based on silicon nanostructures
Kononets et al. Effect of ultraviolet irradiation on the luminescence and optical properties of ZnS: Mn films
Fedorenko et al. Relaxation spectra of photoluminescence from porous silicon obtained by chemical etching of laser-modified silicon
Bondarenko et al. Porous silicon as low-dimensional host material for erbium-doped structures
Chen 7 Light Emission Properties of Si Nanocrystals Embedded in a Dielectric Matrix
KR19990016267A (ko) 실리콘 발광 소자용 발광층 형성방법
Tyschenko et al. Study of photoluminescence of SiO x N y films implanted with Ge+ ions and annealed under the conditions of hydrostatic pressure
JPH06267931A (ja) シリコン基板の多孔質化法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980224

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080313

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090313

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090313

Year of fee payment: 11

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090313

Year of fee payment: 11

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100313

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100313

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110313

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110313

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140313

Year of fee payment: 16

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term