JPH08174828A - インクジェット記録装置における記録ヘッド - Google Patents
インクジェット記録装置における記録ヘッドInfo
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- JPH08174828A JPH08174828A JP33571394A JP33571394A JPH08174828A JP H08174828 A JPH08174828 A JP H08174828A JP 33571394 A JP33571394 A JP 33571394A JP 33571394 A JP33571394 A JP 33571394A JP H08174828 A JPH08174828 A JP H08174828A
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Abstract
飛躍的に向上させたインクジェット記録装置の記録ヘッ
ドを提供することを目的とするものである。 【構成】本発明は、上記目的を達成するため、インクジ
ェット記録装置の記録ヘッドを構成する電気・熱変換体
の保護膜を、水素を殆ど含まない窒化シリコン層、また
は水素を殆ど含まない窒化シリコンとアルミナとの混合
材料の層で形成し、とりわけ、その保護膜のシリコンと
窒素の割合(Si/N 比)を0.9〜1.6とし、ま
たその窒化シリコンとアルミナとの混合材料において混
合材料に含まれる窒化シリコンの割合を50%以上とし
たものである。
Description
置に係り、特にその記録ヘッドを構成する電気・熱変換
体に保護膜乃至はその保護膜の上層に更に保護層を積層
してなるインクジェット記録装置の記録ヘッドに関する
ものである。
ッドにおいて、該記録ヘッドを構成する電気・熱変換体
の保護膜は、特開昭55−128467号に記載されて
いるように電気・熱変換体を少なくとも1層の保護膜に
よって被覆する構成が採られていた。そして、そのよう
な構成としては従来つぎのようなものがあった。 (1)図5に示されるように、電気・熱変換体をCVD
で成膜した1層の窒化シリコンの絶縁層(1−3)で被
覆した構成のもの。 (2)図6に示されるように、電気・熱変換体をCVD
で成膜した1層の窒化シリコンの絶縁層(1−3)で被
覆し、その上層のキャビテーション層をスパッタで成膜
したタンタル層1により形成したもの。 (3)図7に示されるように、電気・熱変換体をバイア
ススパッタで成膜した1層の二酸化けい素の絶縁層で
(1−4)被覆し、その上層のキャビテーション層をス
パッタで成膜したタンタル層1により形成したもの。
た従来の(1)及び(2)のものでは、その窒化シリコ
ン層をプラズマCVDで成膜するため、窒化シリコン層
に10〜20%の大量の水素が含まれることになり、組
成がSixNyHzとなって窒化シリコンの膜質が悪く耐キャ
ビテーション性が劣ることとなり、近年のインクジェッ
ト記録装置の高密化、多値化の実現を図る上で問題があ
る。また、これを常圧CVD法で行おうとしても、窒化シ
リコンの水素含有量は減るが高温で膜を形成するため、
アルミ配線等に影響があり記録ヘッドには使用できない
という問題がある。このようなことから、その耐キャビテ
ーション性を向上させるべく、保護層の上層にキャビテ
ーション保護膜を形成する上記(2)及び(3)の構成
が採られる。しかしながら、このようなものにおいて
も、そのキャビテーション性を向上させるためにはその
膜厚を厚くする必要があり、そのため膜の応力が大きく
なり膜剥がれが発生したり、インクを発砲させるための
エネルギー量が増大して、高速で電力損失の少ない装置
を実現することができなくなるという問題があった。
め、保護膜の膜厚を厚くせずに耐久性を飛躍的に向上さ
せたインクジェット記録装置の記録ヘッドを提供するこ
とを目的とするものである。
成するため、インクジェット記録装置の記録ヘッドを構
成する電気・熱変換体の保護膜を、水素を殆ど含まない
窒化シリコン層で形成したものである。そして本発明に
おいて、前記窒化シリコン層はその膜厚が0.5〜2.
0ミクロンとすることが好ましく、前記窒化シリコン層
は、シリコンと窒素の割合(Si/N 比)が0.9〜
1.6であることが好ましい。
を構成する電気・熱変換体の保護膜を、水素を殆ど含ま
ない窒化シリコンとアルミナとの混合材料の層で形成す
ることもできる。そして、その場合には前記混合材料の
層は、その膜厚は0.5〜2.0ミクロンであることが
好ましく、その混合材料に含まれる窒化シリコンの割合
が、50%以上であることが好ましい。
に無機材料の層が積層されており、その材料として例え
ばタンタルまたは白金が用いられる。
式的断面図であり、図1において(1−1)は発熱抵抗
層の保護膜、2は配線電極層、3は発熱抵抗層、4は蓄
熱層、5は基板、6はこれらの構成部材で形成された記
録ヘッド用基体である。また、図3において1は発熱抵
抗層の保護膜(1−1)の上層に積層されているキャビ
テーション保護膜である。
膜を、水素をほとんど含まない窒化シリコン、または水
素を殆ど含まない窒化シリコンとアルミナとの混合材料
の層で形成することにより、その保護膜の膜厚を厚くせ
ずとも保護膜の耐久性を著しく向上させ、それによりエ
ネルギー量が増大することなく、高速で電力損失の少な
い装置を実現するようにしたものである。また、このよ
うに形成された保護膜の上層に無機材料からなるキャビ
テーション保護膜を積層することにより、その耐久性を
飛躍的に向上させ、高密化、多値化に対応した装置を実
現するようにしたものである。
は、つぎのように形成される。まず、基板(例えばシリ
コン)5に蓄熱層4を構成する二酸化シリコン(Sio
2)を熱酸化,CVD法,スパッタ法などによって2.
5μm程度成膜し、その後、その上に発熱抵抗層3のホ
ウ化ハフニウム(HfB2)を0.1μm程度、配線電
極層3のアルミニウムを0.5μmの順にスパッタある
いは蒸着し、フォトリソ工程により配線電極と発熱抵抗
部を形成しヒータ部を完成させる。次に、発熱抵抗層の
保護膜として、スパッタにより1.0μm程度の窒化シ
リコン層(SiN)を成膜する。成膜装置は、日電アネ
ルバのSPF−730Hを使用し、条件は、パワー=1
(Kw),Ar圧=4×10-3(Torr)である。S
IMSによって、この窒化シリコンの水素濃度の精密測
定を行った結果、水素濃度が0.1%以下であった。ま
た、島津製作所のEPMAによって、この窒化シリコン
のシリコンと窒素の組成比を測定した結果、Si/N比
=1.6であった。この成膜方法は、水素をほとんど含
まない成膜方法であれば良く、他にイオンビームスパッ
タなどがある。表1に膜構成と耐久性の結果を示し、表
3に使用したインクと耐久条件を示す。表1のNo1に
示される通り、水素をほとんど含んでいないスパッタの
SiNは、CVDで成膜したSiN(表1のNo13)
よりも耐久性に優れているという結果が得られた。表1
のNo13に示したCVDのSiNは、従来例であるプ
ラズマCVD法で成膜した膜である。条件は、反応ガス
にSiH4とNH3を使用し、温度を350℃,パワーを
10(w),圧力を1(Torr)とした。このよう
な、条件で成膜したSiNは、SIMSで水素濃度を測
定した結果10〜20%となっており、組成がSixNyHz
となっている。そのために、スパッタのSiNよりも膜
質が悪く、耐キャビテーション性がなくなり、耐久性が
悪くなった。なお表1のNo13に示したCVDのSi
/N比は0.75であった。
例2を示す。成膜方法、成膜条件が異なることの他は実
施例1と同じ構成になっている。図2において、その発
熱抵抗層の保護膜(1−2)はバイアススパッタにより
成膜した水素をほとんど含まない窒化シリコン層であ
る。条件は、パワー=1(Kw),Ar圧=4×10-3
(Torr),バイアスパワー=50(w)である。こ
のように作成したヘッドで耐久試験を行った結果、Si
/N比の値が1.3になり、表1のNo3に示される通
り、CVDで成膜したヘッド(表1のNo13)よりも
耐久性に優れているという結果が得られた。
す。成膜方法、成膜条件が異なることの他は実施例1と
同じ構成になっている。発熱抵抗層の保護膜(1−2)
は、バイアススパッタにより成膜した水素をほとんど含
まない窒化シリコンの保護膜である。条件は、パワー=
1(Kw),Ar圧=4×10-3(Torr),バイア
スパワー=100(w)である。このようにして作成し
たヘッドで耐久試験を行った結果、Si/N比の値が
1.2となり、表1のNo4に示される通り、CVDで
成膜したヘッド(表1のNo13)よりも耐久性に優れ
ているという結果が得られた。
す。成膜方法、成膜条件が異なることの他は実施例1と
同じ構成になっている。この発熱抵抗層の保護膜は、リ
アクティブバイアススパッタにより成膜したもので、条
件はパワー=1(Kw),Ar圧=4×10-3(Tor
r),N2/Ar=1.0,バイアスパワー=50
(w)である。この保護膜は、リアクティブバイアスス
パッタで成膜した水素をほとんど含まない窒化シリコン
で、Ar+N2でバイアススパッタを行っているため
に、Si/N比が0.9となっている。このように作成
したヘッドで耐久試験を行った結果、表1のNo7に示
される通り、CVDで成膜したヘッド(表1のNo1
3)よりも耐久性に優れているという結果が得られた。
成膜方法乃至は成膜条件を変えて、以下のような比較実
験を行った。 (比較実験例1)表1のNo2に比較実験例1の結果を
示す。この発熱抵抗層の保護膜は、スパッタにより成膜
したものである。条件は、パワー=2(Kw),Ar圧
=4×10-3(Torr)である。このような条件で成
膜したSiNは、スパッタ条件のパワーを1(Kw)か
ら、2(Kw)に上げたことによって、Si/N比が
1.65となった。このように作成したヘッドで耐久試
験を行った結果、表1のNo2に示される通り、CVD
で成膜したヘッド(表1のNo13)と同等の耐久性で
あった。 (比較実験例2)表1のNo5に比較実験例2の結果を
示す。この発熱抵抗層の保護膜は、リアクティブスパッ
タにより成膜したもので、条件はパワー=1(Kw),
Ar圧=4×10-3(Torr),N2/Ar=1.0
である。この保護膜は、リアクティブスパッタで成膜し
た水素をほとんど含まない窒化シリコンで、Ar+N2
でスパッタを行っているために、Si/N比が0.75
と窒素の量が多くなっている。このように作成したヘッ
ドで耐久試験を行った結果、表1のNo5に示される通
り、CVDで成膜したヘッド(表1のNo13)と同等
の耐久性であった。 (比較実験例3)表1のNo6に比較実験例3の結果を
示す。この発熱抵抗層の保護膜は、リアクティブスパッ
タにより成膜したもので、条件はパワー=1(Kw),
Ar圧=4×10-3(Torr),N2/Ar=0.5
である。この保護膜は、リアクティブスパッタで成膜し
た水素をほとんど含まない窒化シリコンで、Ar+N2
でスパッタを行っているために、Si/N比が0.85
となっている。このように作成したヘッドで耐久試験を
行った結果、表1のNo6に示される通り、CVDで成
膜したヘッド(表1のNo13)と同等の耐久性であっ
た。このようなことから、発熱抵抗層の保護膜の耐久性
は、水素をほとんど含まない窒化シリコン層で形成する
こと、そのSi/N比が0.9〜1.6の範囲であるこ
とが好ましいことが明らかとなった。
果を示す。この保護膜はスパッタで成膜した水素をほと
んど含まない窒化シリコンとアルミナの混合材料で窒化
シリコンが50%含まれている。その他は実施例1と同
じ構成になっている。条件は、パワー=1(Kw),A
r圧=4×10-3(Torr)である。このように作成
したヘッドで耐久試験を行った結果、表1のNo8に示
される通り、CVDで成膜したヘッド(表1のNo1
3)よりも耐久性に優れているという結果が得られた。
す。この発熱抵抗層の保護膜はバイアススパッタで成膜
した水素をほとんど含まない窒化シリコンとアルミナの
混合材料で窒化シリコンが50%含まれており、その他
は実施例1と同じ構成になっている。条件は、パワー=
1(Kw),Ar圧=4×10-3(Torr),バイア
スパワー=50(w)である。このように作成したヘッ
ドで耐久試験を行った結果、表1のNo9に示される通
り、CVDで成膜したヘッド(表1のNo13)よりも
耐久性にすぐれているという結果が得られた。
示す。この保護膜はスパッタで成膜した水素をほとんど
含まない窒化シリコンとアルミナの混合材料で窒化シリ
コンが75%含まれており、その他は実施例1と同じ構
成になっている。条件は、パワー=1(Kw),Ar圧
=4×10-3(Torr)である。このように作成した
ヘッドで耐久試験を行った結果、表1のN010に示さ
れる通り、CVDで成膜したヘッド(表1のNo13)
よりも耐久性に優れているという結果が得られた。
い確認した結果、窒化シリコンの量が25%程度になる
と耐久性が1×109程度になり、アルミナ100%だ
と耐久性が1×108以下になる。このようなことか
ら、発熱抵抗層の保護膜の耐久性はその混合材料に含ま
れる窒化シリコンの割合が、50%以上とすることが好
ましいということがわかった。なお本実施例にて、成膜
方法を複数のチャンバーで行っても、静止対向で行って
も良いことは発明の主旨から明白である。
ており、実施例1で形成された発熱抵抗層の保護膜(1
−1)の上層に、キャビテーション保護層としてTa層
1を、スパッタで成膜し、記録ヘッド用基体6が形成さ
れている。表2に膜構成と耐久性の結果を示し、表3に
使用したインクと耐久条件を示す。表2のNo1に示さ
れる通り、水素をほとんど含んでいないスパッタのSi
N/Taという構成は、CVDで成膜したSiN/Ta
という構成よりも(表2のNo15)耐久性に優れてい
るという結果が得られた。表2のNo15に示したCV
DのSiNは、プラズマCVD法で成膜した膜であり、
表1のNo13の従来例と同じものである。したがっ
て、水素濃度10〜20%で、組成がSixNyHzであるこ
と、そのためにスパッタのSiNよりも膜質が悪く、耐
キャビテーション性がなく耐久性が悪いこと、Si/N
比が0.75であること等につき、表1のNo13と全
く同じである。
9を示す。図面において(1−2)はバイアススパッタ
で成膜した水素をほとんど含まない窒化シリコンによる
発熱抵抗層の保護膜であり、その他は実施例4と同じ構
成になっている。条件は、パワー=1(Kw),Ar圧
=4×10-3(Torr),バイアスパワー=50
(w)である。このように作成したヘッドで耐久試験を
行った結果、Si/N比の値が1.3になり、表1のN
o3に示される通り、CVDで成膜したヘッド(表2の
No15)よりも耐久性に優れているという結果が得ら
れた。 [実施例10]表2のNo4に実施例10を示す。この
保護膜はバイアススパッタで成膜した水素をほとんど含
まない窒化シリコンによる発熱抵抗層の保護膜であり、
その他は実施例4と同じ構成になっている。条件は、パ
ワー=1(Kw),Ar圧=4×10−3(Tor
r),バイアスパワー=100(w)である。このよう
に作成したヘッドで耐久試験を行った結果、Si/N比
の値が1.2となり、表2のNo4に示される通り、C
VDで成膜したヘツド(表2のNo15)よりも耐久性
に優れているという結果が得られた。
を示す。この発熱抵抗層の保護膜は、リアクティブバイ
アススパッタにより成膜したもので、その他は実施例4
と同じ構成になっている。条件は、パワー=1(K
w),Ar圧=4×10−3(Torr),N2/Ar=
1.0,バイアスパワー=50(w)である。この保護
膜は、リアクティブバイアススパッタで成膜した水素を
ほとんど含まない窒化シリコンで、Ar+N2でバイア
ススパッタを行っているために、Si/N比が0.9と
なっている。このように作成したヘッドで耐久試験を行
った結果、表2のNo7に示される通り、CVDで成膜
したヘッド(表2のNo15)よりも耐久性に優れてい
るという結果が得られた。
成膜方法乃至は成膜条件を変えて、以下のような比較実
験を行った。 (比較実験例4)表2のNo2に比較実験例4の結果を
示す。この発熱抵抗層の保護膜は、スパッタにより成膜
したものである。条件は、パワー=2(Kw)、Ar圧
=4×10-3(Torr)である。このような条件で成
膜したSiNは、スパッタ条件のパワーを1(Kw)か
ら、2(Kw)に上げたことによって、Si/N比が
1.65となった。このように作成したヘッドで耐久試
験を行った結果、表2のNo2に示される通り、CVD
で成膜したヘッド(表2のNo15)と同等の耐久性で
あった。 (比較実験例5)表2のNo5に比較実験例5の結果を
示す。この発熱抵抗層の保護膜は、リアクティブスパッ
タにより成膜したものである。条件はパワー=1(K
w),Ar圧=4×10-3(Torr),N2/Ar=
1.0である。この保護膜は、リアクティブスパッタで
成膜した水素をほとんど含まない窒化シリコンで、Ar
+N2でスパッタを行っているために、Si/N比が
0.75と窒素の量が多くなっている。このように作成
したヘッドで耐久試験を行った結果、表2のNo5に示
される通り、CVDで成膜したヘッド(表2のNo1
5)と同等の耐久性であった。 (比較実験例6)表2のNo6に比較実験例6の結果を
示す。この発熱抵抗層の保護膜は、リアクティブスパッ
タにより成膜したものである。条件はパワー=1(K
w),Ar圧=4×10-3(Torr),N2/Ar=
0.5である。この保護膜は、リアクティブスパッタで
成膜した水素をほとんど含まない窒化シリコンで、Ar
+N2でスパッタを行っているために、Si/N比が
0.85となっている。このように作成したヘッドで耐
久試験を行った結果、表2のNo6に示される通り、C
VDで成膜したヘッド(表2のNo15)と同等の耐久
性であった。このようなことから、発熱抵抗層の保護膜
の耐久性は、水素をほとんど含まない窒化シリコン層で
形成すること、そのSi/N比が0.9〜1.6の範囲
であることが好ましいことが明らかとなった。
を示す。この保護膜はスパッタで成膜した水素をほとん
ど含まない窒化シリコンで、その保護膜の上層にキャビ
テーション層として白金を成膜したものであり、その他
は実施例4と同じ構成になっている。条件は、パワー=
1(Kw),Ar圧=4×10-3(Torr)である。
このように作成したヘッドで耐久試験を行った結果、表
2のNo8に示される通り、CVDで成膜したヘッド
(表2のNo15)よりも耐久性に優れているという結
果が得られた。
を示す。この保護膜はスパッタで成膜した水素をほとん
ど含まない窒化シリコンとアルミナの混合材料で窒化シ
リコンが50%含まれており、その他は実施例4と同じ
構成になっている。条件は、パワー=1(Kw),Ar
圧=4×10-3(Torr)である。このように作成し
たヘッドで耐久試験を行った結果、表2のNo9に示さ
れる通り、CVDで成膜したヘッド(表2のNo15)
よりも耐久性に優れているという結果が得られた。
4を示す。この保護膜はバイアススパッタで成膜した水
素をほとんど含まない窒化シリコンとアルミナの混合材
料で窒化シリコンが50%含まれており、その他は実施
例4と同じ構成になっている。条件は、パワー=1(K
w),Ar圧=4×10-3(Torr),バイアスパワ
ー=50(w)である。このように作成したヘッドで耐
久試験を行った結果、表2のNo10に示される通り、
CVDで成膜したヘッド(表2のNo15)よりも耐久
性に優れているという結果が得られた。
5を示す。この保護膜はスパッタで成膜した水素をほと
んど含まない窒化シリコンとアルミナの混合材料で窒化
シリコンが75%含まれており、その他は実施例4と同
じ構成になっている。条件は、パワー=1(kw),A
r圧=4×10-3(Torr)である。このように作成
したヘッドで耐久試験を行った結果、表2のNo11に
示される通り、CVDで成膜したヘッド(表2のNo1
5)よりも耐久性に優れているという結果が得られた。
い確認した結果、窒化シリコンの量が25%程度になる
と耐久性が1×109程度になり、アルミナ100%だ
と耐久性が1×108以下になる。このようなことか
ら、発熱抵抗層の保護膜の耐久性はその混合材料に含ま
れる窒化シリコンの割合が、50%以上とすることが好
ましいということが明らかとなった。
6を示す。この保護膜はスパッタで成膜した水素をほと
んど含まない窒化シリコンとアルミナの混合材料で窒化
シリコンが50%含まれている。そして、その保護膜の
上層にキャビテーション層として白金を成膜したもので
ある。その他は実施例4と同じ構成になっている。条件
は、パワー=1(Kw),Ar圧=4×10-3(Tor
r)である。このように成膜したヘッドで耐久試験を行
った結果、表2のNo14に示される通り、CVDで成
膜したヘッド(表2のNo15)よりも耐久性に優れて
いるという結果が得られた。なお本実施例にて、成膜方
法を複数のチャンバーで行っても、静止対向で行っても
良いことは発明の主旨から明白である。
10-3(torr) B:パワー=2(Kw),Ar圧=4×10-3(tor
r) C:パワー=1(Kw),Ar圧=4×10-3(tor
r),バイアスパワー=50(w) D:パワー=1(Kw),Ar圧=4×10-3(tor
r),バイアスパワー=100(w) E:パワー=1(Kw),Ar+N2圧=4×10
-3(torr),N2/Ar=1.0 F:パワー=1(Kw),Ar+N2圧=4×10
-3(torr),N2/Ar=0.5 G:パワー=1(Kw),Ar圧=4×10-3(tor
r),バイアスパワー=50(w),N2/Ar=1.
0 H:パワー=10(w),圧力=1(torr),反応
ガス=SiH4 .NH3 耐久性 ○:5×109以上 △:3×109程度 ×:1×109以下
記録装置の記録ヘッドを構成する発熱抵抗層の保護膜
を、水素をほとんど含まない窒化シリコン、または水素
を殆ど含まない窒化シリコンとアルミナとの混合材料の
層で形成し、また、その上層に無機材料からなるキャビ
テーション保護膜を積層することによって、その保護膜
の膜厚を厚くせずとも保護膜の耐久性を著しく向上さ
せ、それによりエネルギー量が増大することなく、高速
で電力損失の少ない装置を実現すると共に、高密化、多
値化に対応した装置を実現することができる。
割合(Si/N 比)を0.9〜1.6とし、またその
窒化シリコンとアルミナとの混合材料において混合材料
に含まれる窒化シリコンの割合を50%以上とすること
によりその耐久性を飛躍的に向上させることができる。
の模式的断面図である。
説明するための模式的断面図である。
の模式的断面図である。
説明するための模式的断面図である。
的断面図である。
的断面図である。
的断面図である。
コン層 1−3 CVDで成膜された窒化シリコン 1−4 バイアススパッタで成膜された二酸化
けい素による層 2 配線電極層 3 発熱抵抗層 4 蓄熱層 5 基板 6 記録ヘッド用基体
Claims (9)
- 【請求項1】インクジェット記録装置の記録ヘッドにお
いて、該記録ヘッドを構成する電気・熱変換体の保護膜
が水素を殆ど含まない窒化シリコン層で形成されている
ことを特徴とするインクジェット記録装置の記録ヘッ
ド。 - 【請求項2】前記窒化シリコン層は、その膜厚が0.5
〜2.0ミクロンであることを特徴とする請求項1に記
載のインクジェット記録装置の記録ヘッド。 - 【請求項3】前記窒化シリコン層は、シリコンと窒素の
割合(Si/N 比)が0.9〜1.6であることを特
徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェッ
ト記録装置の記録ヘッド。 - 【請求項4】インクジェット記録装置の記録ヘッドにお
いて、該記録ヘッドを構成する電気・熱変換体の保護膜
が水素を殆ど含まない窒化シリコンとアルミナとの混合
材料の層で形成されていることを特徴とするインクジェ
ット記録装置の記録ヘッド。 - 【請求項5】前記混合材料の層は、その膜厚が0.5〜
2.0ミクロンであることを特徴とする請求項4に記載
のインクジェット記録装置の記録ヘッド。 - 【請求項6】前記混合材料の層は、その混合材料に含ま
れる窒化シリコンの割合が、50%以上であることを特
徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置の記
録ヘッド。 - 【請求項7】前記保護膜には、その上層に無機材料の層
が積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項6
のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の記録
ヘッド。 - 【請求項8】前記無機材料の層が、タンタル層であるこ
とを特徴とする請求項7項に記載のインクジェット記録
装置の記録ヘッド。 - 【請求項9】前記無機材料の層が、白金層であることを
特徴とする請求項7項に記載のインクジェット記録装置
の記録ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33571394A JP3359169B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | インクジェット記録装置における記録ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33571394A JP3359169B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | インクジェット記録装置における記録ヘッド |
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JPH08174828A true JPH08174828A (ja) | 1996-07-09 |
JP3359169B2 JP3359169B2 (ja) | 2002-12-24 |
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ID=18291649
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33571394A Expired - Fee Related JP3359169B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | インクジェット記録装置における記録ヘッド |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3359169B2 (ja) |
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1994
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