JPH08172765A - リニアモータ - Google Patents

リニアモータ

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JPH08172765A
JPH08172765A JP31627894A JP31627894A JPH08172765A JP H08172765 A JPH08172765 A JP H08172765A JP 31627894 A JP31627894 A JP 31627894A JP 31627894 A JP31627894 A JP 31627894A JP H08172765 A JPH08172765 A JP H08172765A
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coil
coil frame
frame
hole
carriage
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Hirokazu Araki
博和 荒木
Hiroya Suzuki
弘也 鈴木
Yuji Masuda
祐司 升田
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動子の構成部材の剛性が大であり、固有振
動数の大なるリニアモータを提供する。 【構成】 相隣る磁極の極性が異なるように複数個の永
久磁石を、空隙を介して異極が対向するように配設し、
この空隙内に多相コイルからなるコイルフレームを介装
させ、かつキャリッジを介してコイルフレームを前記永
久磁石の配設方向に移動可能に設けると共に、前記多相
コイルに正弦波駆動電流を供給するための駆動回路を備
えてなるリニアモータにおいて、多相コイルを構成する
夫々の相コイルを永久磁石の配設方向に沿って順次非重
畳状態に配設し、キャリッジとコイルフレームとを非磁
性金属材料によって一体鋳造して形成すると共に、前記
多相コイルを前記コイルフレーム内に樹脂材料により一
体に抱持固着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対向する永久磁石間に
形成された磁気空隙内を可動コイルが直線運動する形式
のリニアモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来10cm乃至100cmといった長いス
トロークの範囲内で物体の位置決めを行うための駆動装
置としては、例えば、特公昭58−49100号および
実開昭63−93783号公報に開示されているような
可動コイル形リニアモータが多用されている。このリニ
アモータは、厚さ方向に着磁した複数の永久磁石を異極
同士が対向するように配置し、対向する永久磁石間に形
成された空隙内に、磁束と直角方向に運動する可動コイ
ル組立体を配設した構造を有する。
【0003】このようなリニアモータでは、磁気回路部
にセンターヨークがなく、しかも空隙内で磁束が複数個
の閉ループを構成し、磁路の一部に磁束が集中しないよ
うになっているので、長いストロークの全域に亘って一
様な磁束密度を発生させることができる。
【0004】図8は従来のリニアモータを示す原理説明
図である。図8において1はヨークであり、鉄板のよう
な強磁性材料により例えば平板状に形成する。2は永久
磁石であり、厚さ方向に着磁し、表面にNS磁極が交互
に出現するようにヨーク1の長手方向に配設して固着す
る。上記のように形成したヨーク1を永久磁石2の異極
が対向するように空隙3を介して配設する。4は支持板
であり、前記空隙3を確保するためにヨーク1の長手方
向両端部に固着する。
【0005】なお支持板4は前記ヨーク1と同様の強磁
性材料によって形成することが好ましい。次に5はコイ
ルであり、前記空隙3における磁束と巻線方向が直交す
るような偏平の多相コイルによって形成する。すなわち
複数個のコイルを永久磁石2の配設方向に若干量宛ずら
せて配設し、磁極の方向を磁界検出素子等の手段を介し
て検出し、電流を流すべきコイルおよびその方向を切り
換え得るように形成する。なお上記コイル5はホルダ
(図示せず)に一体に支持されて可動子を形成する。
【0006】以上の構成により、コイル5に電流を流す
と、コイル5の巻線方向が永久磁石2による磁束と直交
しているので、コイル5はフレミングの左手の法則によ
り、ヨーク1の長手方向の駆動力を受けるから、コイル
5を一体に支持してなる可動子(図示せず)はヨーク1
の長手方向に移動する。次にコイル5に前記と逆方向の
電流を流すと、コイル5には前記と逆方向の駆動力が作
用するから、可動子は前記と逆方向に移動する。従って
コイル5への通電およびその電流の方向を選択すること
により、可動子を所定位置に移動させることができる。
【0007】図6は本発明の対象であるリニアモータの
例を示す要部断面図である。図6において11はベース
であり、軟鋼のような強磁性材料により平板状に形成す
る。12はセンターヨーク、13はサイドヨークであ
り、各々前記ベース11と同様の材料によって平板状に
形成すると共に、ベース11上に間隔を介して固着す
る。次に14は永久磁石であり、例えば希土類系磁石に
より後述するような形状寸法に形成し、センターヨーク
12およびサイドヨーク13の夫々の対向面に、相隣る
磁極の極性が異なるように複数個を、空隙15を介して
異極が対向するように配設する。
【0008】図6において永久磁石14の配設方向は紙
面と直交する方向である。次に16は可動子であり、キ
ャリッジ17の下方にコイルフレーム18を固着し、コ
イルフレーム18が前記空隙15内において紙面と直交
する方向に移動可能に設ける。このコイルフレーム18
は、推力リップルの発生を防止するため、非磁性材料に
よって形成する。すなわち、例えばアルミニウム合金製
の枠(絶縁性を付与するため表面はアルマイト処理をし
ておく)の表面に樹脂(例えばガラス入エポキシ樹脂)
製の基板を装着し、この基板上に後述するコイル19を
固着して形成する。
【0009】なおコイルフレーム18を磁性材料によっ
て形成したり、あるいは可動子16の側にバックヨーク
が存在すると、永久磁石14の吸着力によるアンバラン
スが発生し、推力リップルの発生原因の一つとなる。1
9はコイルであり、偏平状に形成すると共にコイルフレ
ーム18の両面に設ける。
【0010】図7は図6におけるコイルフレーム18を
示す要部斜視図であり、同一部分は図6と同一の参照符
号で示す。コイル19は例えば3相コイル(特開昭62
−193543号公報参照)とし、各相はすべて直列接
続すると共に、各相間はY形接続とする。
【0011】本発明の対象のリニアモータは、上記のよ
うに多相コイルを使用して、この多相コイルに正弦波状
の駆動電流を供給するのであるが、相数が多くなる程力
率が低下するため、入力電流を増加する必要があるの
で、2相または3相の通電方式を採用するのが望まし
い。すなわち本発明のリニアモータは、後述するような
特定形状の永久磁石を有する磁気回路と、2相または3
相の正弦波電流出力型の駆動回路とを組合わせた構成と
することが望ましい。
【0012】上記構成の可動子16を組立てる場合に
は、キャリッジ17にコイルフレーム18を嵌着すべき
溝20および貫通孔(図示せず)を穿設しておくと共
に、コイルフレーム18の上端縁にはねじ孔(図示せ
ず)を設け、ボルト若しくは止めねじ(何れも図示せ
ず)を締結して組立てる手段が一般に使用されている。
【0013】しかしながら、このような手段によるとき
には、キャリッジ17およびコイルフレーム18に溝2
0その他の機械加工を施しておく必要があると共に、組
立作業が煩雑であるため、加工工数および組立工数が大
になり、コスト高となるという問題点がある。一方上記
締結手段の他に、接着剤による固着手段も試みられてい
るが、位置決め用の溝20を加工する必要があると共
に、接着剤の硬化に時間を要することもあり、大幅な工
数低減を期待することができない。また組立後における
キャリッジ17とコイルフレーム18との直角度および
位置決め精度を確保することが困難であるという問題点
も併存する。
【0014】上記問題点を解決するために、本出願人は
すでに、多相コイルを備えたコイルフレームを成形用金
型内にインサートし、この成形用金型内に熱可塑性樹脂
材料を充填することにより前記コイルフレームを一体に
抱持固着してなるキャリッジを形成する、という内容に
ついて出願している(特願平3−328481号)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成により、可
動子16の組立工数を低減することができるが、未だ若
干の問題点が存在することが判明した。すなわちキャリ
ッジ17が熱可塑性樹脂材料によって形成されているた
め、剛性が不足し、またはキャリッジ17とコイルフレ
ーム18との結合部の固着強度が不足するため、可動子
16全体の固有振動数が低い(例えば500〜1kHz )
という問題点がある。このため、リニアモータの停止精
度、アクセス時間等の特性の向上が困難であるという欠
点がある。一方この種のリニアモータに要求される特性
は、近年ますます厳しくなってきており、更に固有振動
数の大なるリニアモータの出現が望まれている。
【0016】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
を解決し、可動子を構成するキャリッジおよびコイルフ
レームの剛性が大であり、固有振動数の大なるリニアモ
ータを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明においては、相隣る磁極の極性が異なる
ように複数個の永久磁石を、空隙を介して異極が対向す
るように配設し、この空隙内に多相コイルからなるコイ
ルフレームを介装させ、かつキャリッジを介してコイル
フレームを前記永久磁石の配設方向に移動可能に設ける
と共に、前記多相コイルに正弦波駆動電流を供給するた
めの駆動回路を備えてなるリニアモータにおいて、多相
コイルを構成する夫々の相コイルを永久磁石の配設方向
に沿って順次非重畳状態に配設し、キャリッジとコイル
フレームとを非磁性金属材料によって一体鋳造して形成
すると共に、前記多相コイルを前記コイルフレーム内に
樹脂材料により一体に抱持固着する、という技術的手段
を採用した。
【0018】次に第2の発明においては、上記第1の発
明の技術的手段に、コイルフレームに各々磁界検出素子
および多相コイルを収納する素子空孔およびコイル空孔
を隣接して設け、永久磁石の配設方向における前記コイ
ルフレームの一方の端部と前記素子空孔との間、素子空
孔とコイル空孔との間およびコイル空孔とコイルフレー
ムの他方の端部との間に夫々形成される第1ないし第3
の桟の幅寸法を夫々a,b,c、永久磁石の幅寸法を
W、高さ寸法をH、第1の桟と第2の桟とのピッチ寸
法、第2の桟と第3の桟とのピッチ寸法および第1の桟
と第3の桟とのピッチ寸法を夫々p,q,r、ならびに
前記素子空孔の高さ寸法をH1 としたときに、 a<W,b<W,c<W, p≠(2n+1)W,q≠(2n+1)W,r≠(2n
+1)W (但し、nは正の整数) (1/2)H≦H1 に形成する、という技術的手段を付加した。
【0019】本発明における非磁性金属材料としては、
銅合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合
金等の公知の鋳造可能な非磁性合金の1種または2種以
上を使用することができる。就中アルミニウム合金およ
びマグネシウム合金のような軽合金を使用することが軽
量化の点で好ましい。
【0020】本発明における一体鋳造手段としては公知
の鋳造手段を採用できるが、例えば遠心鋳造法、置注ぎ
鋳造法、圧力ダイカスト法(ダイ鋳造法)、重力ダイカ
スト法、低圧鋳造法、爆発鋳造法、ロスト・ワックス法
に代表される精密鋳造法、圧迫鋳造法、減圧鋳造法、真
空鋳造法(真空脱ガス法)、組合せ鋳造法、連続鋳造
法、加圧鋳造法、半融体鋳造法(レオキャスティング)
等が挙げられる。これらの鋳造手段は通常大気中または
真空中で実施されるが、必要に応じて不活性ガス雰囲気
(Ar,N2 ,CO2 ,H2 等の1種または2種以上)
中で行ってもよい。
【0021】そして上記一体鋳造手段において、ニアネ
ットシェイプ(Near-Net-Shape)の一体鋳造品の得られ
易い鋳造方案を選択することが極めて重要となる。更に
上述のようにして形成された一体鋳造品に、必要に応じ
て適宜の熱処理および機械加工を施し、充分な強度およ
び寸法精度を付与することができる。
【0022】また多相コイルをコイルフレーム内に抱持
固着するための樹脂材料としては、熱硬化性樹脂および
熱可塑性樹脂を使用し、かつ注型成形、圧縮成形、トラ
ンスファー成形、射出成形等の公知の成形手段を使用す
ることができる。この中で生産性の点から射出成形によ
ることが好ましい。従って樹脂材料としては熱可塑性樹
脂を使用するのがよい。
【0023】上記の熱可塑性樹脂としては、例えばポリ
フェニリンサルファイド樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等の公知の樹
脂(好ましくは耐熱性樹脂がよい)の1種または2種以
上を用い得る。
【0024】これらの樹脂の内では、縦弾性率(測定
法:ASTM D−638)が10×104 kg/cm2
上(好ましくは13×104 kg/cm2 以上)のものが好
ましい。特に熱可塑性樹脂として液晶ポリマー(溶融状
態で液晶性を示す)の一種である液晶性ポリエステル樹
脂(主鎖中に剛直鎖を有するポリエステル)を使用する
と好ましい。また縦弾性率を増大させるために、ガラス
繊維、CB繊維等を混入させた所謂FRP若しくはエン
ジニアリングプラスチックとするのが好ましい。
【0025】次に第2の発明における磁界検出素子とし
ては、ホール素子、磁気抵抗素子、方向性磁電素子、磁
気ダイオードのような磁電素子を使用できると共に、光
電素子を使用して光学的に永久磁石の位置を検出しても
よい。
【0026】なお第2の発明におけるコイルフレームの
構成部分の永久磁石の幅寸法および高さ寸法に対する限
定条件は、コイルフレームの移動の際にコイルフレーム
内に発生する渦電流を阻止し、リニアモータの特性を向
上させるためのものである。
【0027】
【作用】上記の構成により、可動子の製作、組立工数を
大幅に低減させ得ると共に、可動子を構成するキャリッ
ジおよびコイルフレームの剛性を向上させ、固有振動数
を大にさせ得るのである。
【0028】
【実施例】図1は本発明の実施例におけるキャリッジお
よびコイルフレームを示す要部斜視図であり、同一部分
は前記図6および図7と同一の参照符号で示す。図1に
おいて21はコイル空孔であり、コイルフレーム18に
例えば長方形状に形成して設ける。この場合、キャリッ
ジ17およびコイルフレーム18は、例えばJISAC
2Aのアルミニウム合金鋳物により、一体鋳造して形成
される。またコイル空孔21は、例えば中子等の使用に
より、鋳造時に同時に形成される。
【0029】なお必要に応じて上記一体鋳造品に適宜の
熱処理および機械加工を施し、キャリッジ17、コイル
フレーム18およびコイル空孔21の機能を充分に満足
する強度および寸法精度が付与されている。
【0030】図2は本発明の実施例における可動子を示
す要部側面図、図3(a)、図3(b)は図2における
A−A線断面図であり、同一部分は前記図1、図6およ
び図7と同一の参照符号にて示す。図2および図3
(a)、図3(b)において、22は端子であり、コイ
ルフレーム18に絶縁材料からなるスリーブ23を介し
て設けられ、コイル19の夫々の巻線端を接続し、所定
の結線が行われる。
【0031】上記コイル19をコイルフレーム18に固
定するには、例えばコイルフレーム18およびコイル1
9の外形輪郭に対応する空間を設けてなる成形用金型内
の所定位置にコイルフレーム18およびコイル19をイ
ンサートし、例えばポリフェニリンサルファイド樹脂の
ような熱可塑性樹脂を例えば射出成形手段によって成形
用金型内に注入充填すれば、コイル19がコイルフレー
ム18のコイル空孔21内に一体に抱持固着される。鎖
線は上記樹脂からなる保持部材24を示す。
【0032】なお図3(a)は2組のコイル19をそれ
らのコイルパターンが対称となるように背中合わせに配
置した場合であり、2組のコイル19,19の境界面が
中間面25となっている。一方図3(b)は、例えば絶
縁性を付与するため表面がアルマイト処理されたアルミ
ニウム合金等の非磁性材料からなる薄板の表面に、例え
ばガラス入りエポキシ樹脂製の基板を貼着して形成した
中間部材30によって中間面25を形成する。
【0033】この中間部材30はコイルフレーム18に
設けられた溝31に挿入されて一体化されるのである。
そして中間部材30の中間面25に2組のコイル19,
19をそれらのコイルパターンが対称となるように背中
合わせに配置することにより、コイルフレーム18への
固着強度を向上できる。
【0034】図4は本発明の実施例におけるコイルの構
成の例を示す説明図であり、(a)は側面、(b),
(c)は各々(a)におけるB−B線断面およびC−C
線断面を示し、同一部分は前記図2および図3と同一の
参照符号で示す。図4において、19a〜19fは夫々
コイル19を構成する相コイルを示す。
【0035】3相交流電流によってリニアモータを作動
させる場合には、3組の相コイルを必要とするが、図4
に示す例においては、相コイル19aと19e、19b
と19f、19cと19dは夫々同相位置にあり、3組
各2個、計6個の相コイル19a〜19fによってコイ
ル19を構成している。夫々の相コイル19a〜19f
は偏平状に形成され、コイル19の長手方向に殆ど隙間
を生ずることなく配置され、永久磁石14による鎖交磁
界に対して有効に作用するように設けられている。
【0036】なお相コイル19d〜19fは図4(a)
(b)に示すように、それらの上下端部が略Z字状に屈
曲され、鎖交磁界が存在しない上下端部においてのみ相
コイル19a〜19c上に重畳された構成とする。すな
わち相コイル19a〜19fは、夫々の中央部が相互に
重ならないように隣り合わせて同一平面状に順次配列
し、上記鎖交磁界内に位置するコイル中央部を、コイル
19の片側では1相分、両側では2相分の厚さを有する
偏平状のコイル19を形成するという非重畳状態に構成
するのである。
【0037】上記のように構成されたコイル19は、通
常は2組を図4(b)(c)に示す中間面25(この場
合はコイル19,19の境界面)を介して対称に一体化
して使用される。なおこのような構成のコイル19は、
前記図2および図3に示すように、コイルフレーム18
のコイル空孔21内に収納され、例えば熱可塑性樹脂か
らなる保持部材24によってコイルフレーム18に一体
に抱持固着される。
【0038】上記の構成により、コイル19に3相交流
電流を通電することにより、図2においてキャリッジ1
7およびコイルフレーム18ならびにコイル19からな
る可動子16を左右方向に駆動することができる。この
場合、キャリッジ17とコイルフレーム18とは一体鋳
造によって形成されているため、また多相コイル19は
保持部材24によってコイルフレーム18に一体に抱持
固着されているため、充分な剛性を有し、例えば0.5 〜
1.0 kHz の低周波数域における共振を発生することな
く、その固有振動数が1.0 kHz を超え、好ましくは2.0
kHz 以上となり、停止精度を向上させることができると
共に、アクセス時間を短縮させることができるのであ
る。
【0039】図5は本発明の他の実施例を示す一部構成
部材を省略した要部側面図であり、同一部分は前記図1
ないし図4と同一の参照符号で示す。図5において、2
6は磁界検出素子を収納する素子空孔である。磁界検出
素子としては、例えばホール素子を使用し、対向する永
久磁石14の磁極を検出し、対応する相コイル(図示せ
ず、図4における符号19a〜19f参照)への通電を
制御する。
【0040】27〜29は夫々第1ないし第3の桟であ
り、夫々永久磁石14の配設方向、すなわちコイルフレ
ーム18の長手方向における、コイルフレーム18の右
端部と素子空孔26との間、素子空孔26とコイル空孔
21との間、およびコイル空孔21とコイルフレーム1
8の左端部との間に形成される。a〜cは夫々第1ない
し第3の桟27〜29の幅寸法、p〜rは夫々第1の桟
27と第2の桟28とのピッチ寸法、第2の桟28と第
3の桟29のピッチ寸法、および第1の桟27と第3の
桟29のピッチ寸法である。なおWおよびW1 は各々永
久磁石14および素子空孔26の幅寸法であり、Hおよ
びH1 は各々永久磁石14および素子空孔26の高さ寸
法である。
【0041】コイルフレーム18は強度および剛性を保
つために、第1ないし第3の桟27〜29の幅寸法a〜
cをある程度確保する必要があるが、これらの部位は永
久磁石14の磁界中を移動するため、渦電流が発生す
る。この渦電流はリニアモータの効率を低下させるた
め、可能な限り少なくする必要がある。従って第1ない
し第3の桟27〜29の幅寸法a〜cは夫々永久磁石1
4の幅寸法Wより小に形成することが好ましい。すなわ
ちa<W,b<W,c<Wとする。
【0042】次に上記第1ないし第3の桟27〜29の
夫々の間のピッチ寸法p〜rは、リニアモータの出力向
上のために永久磁石14の幅寸法Wの偶数倍とすること
が最も好ましいが、奇数倍とならないように形成するこ
とが好ましい。すなわち p≠(2n+1)W,q≠
(2n+1)W,r≠(2n+1)W(但し、nは正の
整数)とするのがよい。
【0043】磁界検出素子を収納する素子空孔26は、
永久磁石14の磁極を検出するという機能を果たすため
には、永久磁石14の幅寸法Wと略同程度の幅寸法W1
を有し、かつ前記磁極と対向する位置に設ける必要があ
る。図5に示す例においては、素子空孔26の高さ寸法
1 は永久磁石14の高さ寸法Hよりも大きく、問題の
生じない場合であるが、素子空孔26が小さく、上記寸
法H1 がH/2よりも小さい場合には、下記のような問
題が生じてくる。
【0044】すなわち、素子空孔26の上側または下側
の部分の一方または両方のコイルフレーム18の領域が
前記磁極(1磁極または2磁極以上)と対向することに
なり、かつこの領域の幅方向寸法が永久磁石14の幅寸
法Wと同程度以上となっているため渦電流が発生し、不
要な損失の原因となるおそれがある。このため素子空孔
26の高さ寸法H1 は、永久磁石14の高さ寸法H以上
に形成することが好ましい。
【0045】上記の構成により、前記の実施例における
作用に加えて、有害な渦電流の発生を最少限に抑制する
ことができ、リニアモータの効率を向上させることがで
きるのである。
【0046】なお上記の実施例においては、図3(a)
に示されるように、コイル19とコイルフレーム18と
を非接触状態で配置して、熱可塑性樹脂を介して一体に
固着した例であり、また図3(b)に示されるように、
コイルフレーム18に形成された溝31に中間部材30
を挿入され得るようにコイル19を配置し、これらを熱
可塑性樹脂によって一体に固着した例について記述し
た。しかし上記以外に、例えばコイル19が固着される
コイルフレーム18側に突起を設けると共に、この突起
と係合する係合部をコイル19に設けて両者を係合させ
た後、熱可塑性樹脂によって一体に固着させて固着強度
を一層高める等の、コイルフレーム18およびコイル1
9に係わる設計変更を行うことは自由である。
【0047】
【発明の効果】本発明は以上記述のような構成および作
用であるから、キャリッジおよびコイルフレームの剛性
を向上させることができ、固有振動数を従来のものにお
ける500Hz〜1kHz から1kHz を超え、好ましくは2
kHz 以上に向上させることができる。従って停止精度の
向上およびアクセス時間を短縮することができる。また
キャリッジとコイルフレームとを一体鋳造する構成のた
め、組立工数および組立時間の低減が図れ、製作コスト
の低減が可能であると共に、寸法精度を向上させ得ると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるキャリッジおよびコイ
ルフレームを示す要部斜視図である。
【図2】本発明の実施例における可動子を示す要部側面
図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図であり、(a)は
中間部材を欠如するもの、(b)は中間部材を有するも
のを示す。
【図4】本発明の実施例におけるコイルの構成の例を示
す説明図であり、(a)は側面、(b)は(a)におけ
るB−B線断面、(c)は(a)におけるC−C線断面
を示す。
【図5】本発明の他の実施例を示す一部構成部材を省略
した要部側面図である。
【図6】本発明の対象であるリニアモータの例を示す要
部断面図である。
【図7】図6におけるコイルフレーム18を示す要部斜
視図である。
【図8】従来のリニアモータを示す原理説明図である。
【符号の説明】
14 永久磁石 16 可動子 17 キャリッジ 18 コイルフレーム 19 コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相隣る磁極の極性が異なるように複数個
    の永久磁石を、空隙を介して異極が対向するように配設
    し、この空隙内に多相コイルからなるコイルフレームを
    介装させ、かつキャリッジを介してコイルフレームを前
    記永久磁石の配設方向に移動可能に設けると共に、前記
    多相コイルに正弦波駆動電流を供給するための駆動回路
    を備えてなるリニアモータにおいて、 多相コイルを構成する夫々の相コイルを永久磁石の配設
    方向に沿って順次非重畳状態に配設し、キャリッジとコ
    イルフレームとを非磁性金属材料によって一体鋳造して
    形成すると共に、前記多相コイルを前記コイルフレーム
    内に樹脂材料により一体に抱持固着したことを特徴とす
    るリニアモータ。
  2. 【請求項2】 コイルフレームに各々磁界検出素子およ
    び多相コイルを収納する素子空孔およびコイル空孔を隣
    接して設け、永久磁石の配設方向における前記コイルフ
    レームの一方の端部と前記素子空孔との間、素子空孔と
    コイル空孔との間およびコイル空孔とコイルフレームの
    他方の端部との間に夫々形成される第1ないし第3の桟
    の幅寸法を夫々a,b,c、永久磁石の幅寸法をW、高
    さ寸法をH、第1の桟と第2の桟とのピッチ寸法、第2
    の桟と第3の桟とのピッチ寸法および第1の桟と第3の
    桟とのピッチ寸法を夫々p,q,r、ならびに前記素子
    空孔の高さ寸法をH1 としたときに、 a<W,b<W,c<W, p≠(2n+1)W,q≠(2n+1)W,r≠(2n
    +1)W (但し、nは正の整数) (1/2)H≦H1 に形成したことを特徴とする請求項1記載のリニアモー
    タ。
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