JPH0817131B2 - フライバックトランス - Google Patents

フライバックトランス

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JPH0817131B2
JPH0817131B2 JP1005687A JP568789A JPH0817131B2 JP H0817131 B2 JPH0817131 B2 JP H0817131B2 JP 1005687 A JP1005687 A JP 1005687A JP 568789 A JP568789 A JP 568789A JP H0817131 B2 JPH0817131 B2 JP H0817131B2
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conductor foil
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はフライバックトランスに関する。
〔従来技術〕
従来のフライバックトランス1は、一般的には第15図
に示すように、1次巻線PCに磁気結合された複数の2次
巻線SC1ないしSC4を含み、それぞれの2次巻線SC1ない
しSC4間はそれぞれ整流ダイオードD1ないしD4で直列に
接続される。そして、1次巻線PCには、別の回路基板上
に配置されたトランジスタTr,ダンパダイオードDd,共振
コンデンサCPおよび直流電源Eなどで構成されるパルス
発生回路2が接続されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕 電圧変動率を改善する従来の方法として、可飽和リア
クトル型、可変容量型または供給電圧制御型などがあっ
た。
しかし、いずれの方法においても別回路をさらに付加
するというものであり、コストが高くなるとともに、ス
ペースをとってしまう。
また、可飽和リアクトル型および可変容量型において
はパルス幅が、また給電圧制御型においては3次電圧
が、それぞれ、変動してしまうので、フライバックトラ
ンスの出力を他の電源として使用する場合、その電源と
しての機能に影響を与えるという問題点があった。
他方、たとえば実開昭51−47820号において、各巻線
の共振周波数をずらせることによって電圧変動率を改善
する方法が開示されている。しかしながら、この従来技
術では、通常の巻線が用いられているため、共振周波数
をずらせて設定するのが難しいという欠点があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、より簡単に各
巻線の共振周波数を調整でき、電圧変動率が改善でき
る、フライバックトランスを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、直列に接続された複数の1次巻線部分か
らなる1次巻線、1次巻線に磁気結合される2次巻線、
およびそれぞれの1次巻線部分に並列に接続される共振
コンデンサを備え、それぞれの1次巻線部分の共振コン
デンサとによる共振周波数を互いにずらせるようにした
フライバックトランスにおいて、1次巻線部分は、その
上面に長手方向に延びて第1導体箔が形成された第1長
手絶縁シート、およびその上面に長手方向に延びて第2
導体箔が形成された第2長手絶縁シートをこの順で積層
し、第2導体箔が内側になるように円筒状に巻回したフ
ィルム巻回体を含み、第1導体箔および第2導体箔の実
質的な長さがインダクタンスを決定し、第1導体箔およ
び第2導体箔の間で第2絶縁シートを挟んで静電容量を
形成するようにしたことを特徴とする、フライバックト
ランスである。
〔作用〕
一般的に、フライバックトランスにおいては、その電
圧変動率は、それぞれ以下に示す整流ダイオードによる
順方向電圧降下Vf,1次巻線および2次巻線の巻線抵抗に
よる電圧降下Vr、および漏れリアクタンスによる電圧降
下Vxのベクトル和によって決定される。
Vf=Vd+(Rd×Ip) Vr=Ip×Rc Vx=ωL1×Ip ただし、Vd:定数 Rd:定数 Ip:2次巻線のピーク電流 Rc:巻線抵抗 ωL1:漏れリアクタンス である。
そこで、この発明はVf,VrおよびVxのすべてに関係す
るピーク電流Ipを減少させることによって、電圧変動率
を改善しようとするものである。
それぞれの1次巻線部分と共振コンデンサとによる共
振周波数を互いにずらせると、合成1次パルス波形が矩
形波に近似し、それによって、2次巻線を流れるピーク
電流Ipが小さくなる。
この発明において、第1導体箔および第2導体箔の長
さや大きさを各1次巻線部分毎に適宜変更する。それに
よって、第1導体箔および第2導体箔で形成されるイン
ダクタンス値および静電容量値が変更され、各1次巻線
部分で異なる共振周波数を設定できる。
〔発明の効果〕
この発明によれば、ピーク電流Ipを小さくしてダイオ
ードによる順方向電圧降下Vr,巻線抵抗による電圧降下V
rおよび漏れリアクタンスによる電圧降下Vxを小さくす
ることによって電圧変動率を改善するようにしているの
で、従来のいずれの方法に比べても、別回路を付加する
必要がなく、コストが高くなることがない。すなわち、
各1次巻線部分の第1導体箔や第2導体箔の大きさや形
状を変えるだけで容易に共振周波数をずらすことができ
る。
さらに、ピーク電流が抑制されるので、それに起因す
るノイズが小さくなるとともに、整流ダイオードとして
定格の小さいダイオードを使用することができ、一層安
価になる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利
点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明か
ら一層明らかとなろう。
〔実施例〕
第1図を参照して、この実施例のフライバックトラン
ス10は、1次巻線PCを含み、この1次巻線PCは直列接続
された2つの1次巻線部分L1およびL2を含む。そして、
1次巻線部分L1およびL2には、共振コンデンサCP1およ
びCP2とダンパーダイオードDP1およびDP2とがそれぞれ
並列接続され、トランジスタTrおよび直流電源Eと接続
して1次回路が形成される。
ここで、それぞれ共振コンデンサCP1およびCP2が並列
接続された1次巻線部分L1およびL2としては、好ましく
は、たとえば第3図に示すようなフィルム巻回体12が用
いられる。
このフィルム巻回体12は、第3図に示すように、長尺
の第1および第2の絶縁シート14および16を含み、これ
ら第1および第2の絶縁シート14および16はそれぞれた
とえばポリエステルフィルムなどからなる。第1の絶縁
シート14の上面には、その長手方向に連続的に延びて、
たとえばアルミニウムまたは銅などの良導電性金属から
なる導体箔18が貼り付けられる。第2の絶縁シート16の
上面にも、その長さ方向の接地端子側に、同様の導体箔
20が貼り付けられる。
第1の絶縁シート14上の導体箔18の両端部には、それ
ぞれ別の導体箔22をたとえばスポット溶接で固着するこ
とによって、第1の端子24aおよび24bが取り付けられて
いる。すなわち、第1の端子24aおよび24bは、それぞれ
略長方形の導体箔22の端部が下り返されてスポット溶接
が施されている部分に挟まれ、導体箔22と一体固定され
る。また、第2の絶縁シート16上の第2の導体箔20の長
さ方向のほぼ中央には、同様に、別の導体箔26によっ
て、第2の端子28が取り付けられる。すなわち、第2の
端子28は、第2の導体箔20と導体箔26との間に挟まれ
て、スポット溶接などによって一体固定される。
このように形成された第1および第2の絶縁シート14
および16を積層した後、第4図に示すように、第2の絶
縁シート16の上面の第2の導体箔20が内側になるよう
に、第1および第2の絶縁シート14および16を円筒状に
巻きつけて、フィルム巻回体12が形成され、第1の端子
24aおよび24bならびに第2の端子28がともにフィルム巻
回体12の一方端面に露出する。
なお、第3図および第4図に示すフィルム巻回体12に
おいて、第1および第2の導体箔18および20は、蒸着や
めっき等によっても形成され得る。
このようにして、各1次巻線部分L1およびL2が構成さ
れるが、第1図および第A図ならびに第2B図では、共振
コンデンサCP1が付加された1次巻線部分L1に用いられ
るフィルム巻回体をフィルム巻回体12aとし、共振コン
デンサCP2が付加された1次巻線部分L2に用いられるそ
れをフィルム巻回体12bとして表している。同様に、フ
ィルム巻回体12aおよび12bのそれぞれの第1の端子を24
a1,24b1および24a2,24b2とし、また、それぞれの第2の
端子を281,282として区別している。
両方のフィルム巻回体12aおよび12bは同様に考えられ
るので、ここでは、フィルム巻回体12aについて説明す
る。フィルム巻回体12aは、第1の導体箔18によって、
第1の端子24a1および24b1の間に、第1図に示す1次巻
線部分L1が形成される。したがって、これら第1の端子
24a1および24b1の間の距離が1次巻線部分L1のインダク
タンスに影響を与える。そのため、第1の端子24a1およ
び24b1の取付位置を変更すれば、1次巻線部分L1のイン
ダクタンスの大きさを適当に調整できる。
このような1次巻線部分L1のインダクタンスは第1の
導体箔18をその幅方向に複数に分割して細長い平行導体
とし、それらを第1の端子24a1および24b1間に直列接続
すれば、より大きな値にすることができる。このように
して、1次巻線の巻数(インダクタンス)と静電容量と
をコントロールする。
また、フィルム巻回体12aにおいて、第1および第2
の導体箔18および20の間には、誘電体である第2の絶縁
シート16が介在するため、静電容量が形成される。この
静電容量が第1図に示す共振コンデンサCP1として作用
する。すなわち、第1および第2の導体箔18および20で
形成される共振コンデンサCP1は、等価的に、その一方
電極が第2の端子281に接続され、他方電極が1次巻線
部分L1に接続される。したがって、外部回路において
(または内部においてでもよい)、第1の端子24a1と第
2の端子281とを接続すれば、1次巻線部分L1に対して
共振コンデンサCP1が並列接続される。この共振コンデ
ンサCP1の容量は、第1および第2の導体箔18および20
の対向面積や第2の絶縁シート16の誘電率によって適宜
調整できる。
このようにして決まる1次巻線部分L1およびL2のイン
ダクタンスならびに共振コンデンサCP1およびCP2の静電
容量を適宜調整することによって、それぞれの組合せに
よる1次巻線部分L1およびL2の共振周波数を互いにずら
せることができる。
なお、共振コンデンサCP1およびCP2を構成する第2の
導体箔20も当然第1図に示すように、インダクタンス成
分を持ってしまうので、このインダクタンスを減じるこ
とが望ましい。そのためには、第2の端子28を第2の導
体箔20の長さ方向の中央に取り付けるようにすればよ
い。そうすれば、第2の導体箔20上には第2の端子28を
中心にして左右に逆方向の電流が流れ、したがって、逆
方向の電流によって生じる磁束が互いに相殺されるの
で、共振コンデンサCP1およびCP2に寄生する不要インダ
クタンスを減じることができる。
第2A図および第2B図に戻って、先に述べたフィルム巻
回体12a上に、2次巻線SC1ないしSC4が順次積層的に配
置される。
この2次巻線SC1ないしSC4としては、好ましくは、第
5A図および第5B図に示すめっきコイル30が用いられる。
めっきコイル30は、たとえばノリル、ポリカーボネイト
またはポリイミドなどの絶縁性樹脂によって筒状に形成
される中空のボビン32を含み、ボビン32の外表面上には
螺旋状の導体34が形成される。この導体34は、たとえば
第6図に示すように、ニッケルの無電解めっき層36,銅
の電解めっき層38およびクロムの電解めっき層40が積層
された3層構造を有する。このような螺旋状の導体34
は、ボビン32の外表面全面に第6図のような3層構造か
らなる導体34を形成し、その後たとえばレーザ等により
螺旋状のスリット42を形成することによって形成され
る。なお、導体34の始端および終端部分は、接続端子44
aおよび44bとして用いられる。
このようにして形成されるめっきコイル30を、ボビン
径がそれぞれ異なる4種類準備し、フィルム巻回体12a
に順次嵌め込まれる。その後、最上層の2次巻線SC4の
上に絶縁シート46を巻回し、その上にフィルム巻回体12
bを巻回する。このようにして、第1図および第2A図な
らびに第2B図に示すような、フライバックトランス10が
得られる。
そして、第1図および第2A図ならびに第2B図に示すよ
うに、各2次巻線SC1ないしSC4のそれぞれの間に、上述
の接続端子44aおよび44bを利用して整流ダイオードD1な
いしD4が接続されている。
このフライバックトランス10では、2つの1次巻線部
分L1およびL2が直列駆動される。
フライバックトランス10において、前述の方法によっ
て、1次巻線部分L1と共振コンデンサCP1とによる共振
周波数と、1次巻線部分L2と共振コンデンサCP2とによ
る共振周波数とを互いにずらせる。
その結果、合成1次パルスが、第7A図に示す従来の正
弦半波から、第7B図に示すパルスP1およびP2を合成して
なる点線のような矩形波に近い波形になる。すなわち、
トランジスタTrがオフになると同時に、第7B図図示の2
つのパルスP1およびP2が発生する。これに伴って、2次
巻線に流れる電流は、第8A図に示す従来の導通角Ton1が
狭くかつピーク値Ip1が大きい波形ではなく、第8B図に
示すような導通角Ton2が比較的広くかつピーク値Ip2が
比較的小さい矩形波となり、ピーク値Ip2はIp1の1/2〜1
/3に低減できる。
したがって、ピーク電流Ipが従来に比べて小さくな
り、そのピーク電流Ipの大きさに依存するダイオードの
順方向電圧降下Vf、巻線抵抗による電圧降下Vrおよび漏
れリアクタンスによる電圧降下Vlの全てを小さくするこ
とができる。
また、2次巻線SC1ないしSC4が2つのフィルム巻回体
12aおよび12bで挟まれるので、1次巻線部分L1およびL2
と2次巻線SC1ないしSC4との間の磁気結合が密になる。
そのため、2次漏れ磁束すなわち2次漏れインダクタン
スを従来の1/2程度の50mH〜300mHに減少することができ
る。
その結果、電圧変動率を第9図の線Cで示すように改
善することができる。
ちなみに、第9図における線Aは従来例の場合を示
す。
なお、第2A図および第2B図ならびに後述の第13A図お
よび第13B図において、共振コンデンサCP1,CP2(および
PC3)、ダンパダイオードDP1,DP2(およびDP3)、トラ
ンジスタTrならびに直流電源Eは図面の複雑化を避ける
ため、図示が省略されていることに留意されたい。
次に、第10図に示す他のフライバックトランス10は1
次巻線PCを含み、1次巻線PCは一連の巻線として形成さ
れ、タップによって2つの1次巻線部分L1とL2とに区分
される。そして、それぞれの1次巻線部分L1およびL2に
は共振コンデンサCP1およびCP2とダンパダイオードDP1
およびDP2とがそれぞれ並列接続され、トランジスタTr
および直流電源Eと接続して1次回路が形成される。こ
の1次回路は、第1図図示のフライバックトランス1の
1次回路と等価な回路になる。
ここで、それぞれ共振コンデンサCP1およびCP2が並列
接続された1次巻線部分L1およびL2としては、好ましく
は、たとえば第11A図に示すようなフィルム巻回体12′
が用いられる。
このフィルム巻回体12′は、第11A図に示すように、
第3図図示のフィルム巻回体12と同様の長尺の第1およ
び第2の絶縁シート14および16を含む。そして、第1の
絶縁シート14上には、フィルム巻回体12と同様に、導体
箔18が貼り付けられ、また導体箔18の両端部には別の導
体箔22を固着することによって、第1の端子24aおよび2
4bが取り付けられる。そしてさらに、導体箔18の中央部
にはタップ48が別の導体箔50によって取り付けられてい
る。そして、第2の絶縁シート16の上面には、2つの導
体箔20aおよび20bが貼り付けられ、それぞれの長さ方向
ほぼ中央には別の導体箔26aおよび26bによって、それぞ
れ第2の端子28aおよび28bが取り付けられている。
その後は、フィルム巻回体12と同様に、第1および第
2の絶縁シート14および16を積層した後、円筒状に巻き
付けて、フィルム巻回体12′が形成される。
このフィルム巻回体12′において、各部材の材料およ
びその形状等はフィルム巻回体12とほぼ同様であるので
ここではその詳述は省略する。
このようにして形成されるフィルム巻回体12′は、第
1の導体箔18′によって、第1の端子24aよびタップ48
の間に、第10図に示す1次巻線部分L1が形成され、第1
の端子24bおよびタップ48の間に、1次巻線部分L2が形
成される。したがって、タップ48を導体箔18の長手方向
に移動させることによって、1次巻線部分L1およびL2の
それぞれのインダクタンスの値を調整することもでき
る。
また、第1の端子24aとタップ48の間の導体箔18と第
2の導体箔20aとの間、および第1の端子24bおよびタッ
プ48の間の導体箔18と第2の導体箔20bとの間にはそれ
ぞれ静電容量が形成される。これらの静電容量はそれぞ
れ第10図に示す共振コンデンサCP1およびCP2として作用
する。すなわち、共振コンデンサCP1およびCP2は、それ
ぞれその一方電極がそれぞれ第2の端子28aおよび28bに
接続され、他方電極がそれぞれ1次巻線部分L1およびL2
に接続される。したがって、外部回路において(または
内部においてでもよい)、第11B図に示すように、第1
の端子24aおよびタップ48と第2の端子28aおよび28bと
をそれぞれ接続すれば、1次巻線部分L1およびL2に対し
てそれぞれ共振コンデンサCP1およびCP2が並列接続され
る。
このようにして決まる1次巻線部分L1およびL2のイン
ダクタンスならびに共振コンデンサCP1およびCP2の静電
容量を適宜調整することによって、第1図実施例と同様
に、それぞれの組合せによる1次巻線部分L1およびL2の
共振周波数を互いにずらせることができる。
なお、第10図に示すダンパダイオードDP1およびDP2
は、それぞれ第11A図に示す第1の端子24aとタップ48の
間、および第1の端子24bとタップ48との間に接続さ
れ、そして、トランジスタTrならびに直流電源Eは第1
の端子24aおよび24bの間に直列に接続して1次回路が形
成される。
そして、1次巻線PCには複数の2次巻線SC1ないしSC4
が磁気結合され、それぞれの2次巻線SC1ないしSC4間に
は整流ダイオードD1ないしD4が接続される。
このようにして形成されるフライバックトランス10に
おいても、合成1次パルスおよび2次巻線に流れる電流
は先の実施例と同様に第7B図および第8B図に示すような
波形となり、ピーク値Ip2も第8B図に示すように小さく
できる。
したがって、先の実施例と同様に、ピーク電流Ipも小
さくなり、ピーク電流Ipの大きさに依存する各電圧降下
Vf、VrおよびVlの全てを小さくでき、その結果、電圧変
動率を第9図の線Bで示すように改善することができ
る。
また、第12図に示す他の実施例のフライバックトラン
ス10は、3つの1次巻線部分L1,L2およびL3を直列接続
して形成される1次巻線PCを含む。そして、それぞれの
1次巻線部分L1,L2およびL3には、それぞれ共振コンデ
ンサCP1,CP2およびCP3とダンパダイオードDP1,DP2およ
びDP3が並列接続され、トランジスタTrおよび直流電源
Eと接続して1次回路が形成される。この実施例におい
ても1次巻線部分L1,L2およびL3には、第3図に示すフ
ィルム巻回体12が用いられ、それぞれフィルム巻回体12
a,12bおよび12cとするが、ここではその詳細な説明は省
略する。
この実施例では、第13A図および第13B図に示すよう
に、まず、フィルム巻回体12aを準備する。その上に、
2次巻線SC1およびSC2が順次積層的に配置される。2次
巻線SC1およびSC2としては、第5A図および第5B図図示の
めっきコイル30が利用され得る。そして、2次巻線SC1
およびSC2の上には、絶縁シート461を介して、フィルム
巻回体12bが巻回される。その上には、さらに、2次巻
線SC3およびSC4が積層的に配置される。2次巻線SC3お
よびSC4の上には、絶縁シート462を介して、フィルム巻
回体12cが巻回される。
この実施例では、2次巻線SC1ないしSC4は、それぞ
れ、2つのめっきコイルによって形成される。したがっ
て、2次巻線SC1ないしSC4は、それぞれ、第12図に示す
ように、2つのコイルが並列接続された形になる。この
ように2つのコイルの並列接続を用いることによって、
2次巻線SC1ないしSC4の直流抵抗を下げ、電流容量を大
きくすることができる。また、並列に接続されている各
コイルの一方が故障しても続けて運転できる。
この実施例のフライバックトランス10は、3つの1次
巻線部分L1,L2およびL3が直列駆動される。
この実施例において、1次巻線部分L1,L2およびL3の
それぞれの共振周波数を、先の実施例と同様の方法によ
って、互いにずらすことにより、合成1次パルス波形を
さらに矩形波に近い波形にすることができる。したがっ
て、2次巻線を流れる電流は、さらに広い導通角を有し
かつより小さいピーク値を有する矩形波となる。
また、2次巻線SC1およびSC2がフィルム巻回体12aお
よび12bに挟まれ、2次巻線SC3およびSC4がフィルム巻
回体12bおよび12cに挟まれているので、2次巻線SC1な
いしSC4からの2次漏れ磁束をさらに低減でき、したが
って、2次漏れインダクタンスを従来の1/5〜1/8程度の
50mH〜100mHに減少することができる。
その結果、この実施例のフライバックトランス10の電
圧変動率は、第9図の線Dで示すようにさらに改善され
る。
なお、第14図に上述の実施例の等価回路図を示す。
また、上述の実施例では2次巻線SC1ないしSC4として
めっきコイル30を用いたが、これに限定されず、任意の
ものでよいことは勿論である。
さらに、上述の実施例においては、1次巻線としてフ
ィルム巻回体が用いられたがこれに限定されず、従来と
同様の巻線であってもよい。
また、上述の実施例のように1次巻線と共振コンデン
サとを同じフィルム巻回体内に構成する必要はなく、1
次巻線と共振コンデンサとはそれぞれ別部品として構成
してもよい。
さらに、必ずしも2次巻線は1次巻線に挟まれている
必要はない。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す結線図である。 第2A図および第2B図はこの実施例の構造を示す図解図で
あり、第2A図は一部破断正面図、第2B図は一部省略右側
面図である。 第3図はこの実施例のフィルム巻回体の絶縁シートを展
開的に示す斜視図である。 第4図は第3図に示す絶縁シートを巻き込む状態を示す
図解図である。 第5A図および第5B図は2次巻線として用いられるめっき
コイルを示す図解図であり、第5A図は正面図、第5B図は
側面図を示す。 第6図は第5図に示すめっきコイルの導体部分を示す拡
大断面図である。 第7A図および第7B図は合成1次パルス波形図であり、第
7A図は従来技術の波形図、第7B図は第1図実施例の波形
図である。 第8A図および第8B図は2次電流の波形図であり、第8A図
は従来技術の波形図、第8B図は第1図実施例の波形図で
ある。 第9図は各実施例の電圧変動率を比較例とともに示すグ
ラフである。 第10図はこの発明の他の実施例を示す結線図である。 第11A図は第10図実施例のフィルム巻回体の絶縁シート
を展開的に示す斜視図である。 第11B図は第11A図のフィルム巻回体の各端子の接続状態
を示す結線図である。 第12図はこの発明のさらに他の実施例を示す結線図であ
る。 第13A図および第13B図はこの実施例の構造を示す図解図
であり、第13A図は一部破断正面図であり、第13B図は一
部省略右側面図である。 第14図は上述の実施例の等価回路図である。 第15図は従来のフライバックトランスを示す結線図であ
る。 図において、10はフライバックトランス、PCは1次巻
線、L1,L2,L3は1次巻線部分、CP1,CP2,CP3は共振コン
デンサ、SC1ないしSC4は2次巻線を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直列に接続された複数の1次巻線部分から
    なる1次巻線、前記1次巻線に磁気結合される2次巻
    線、および前記それぞれの1次巻線部分に並列に接続さ
    れる共振コンデンサを備え、前記それぞれの1次巻線部
    分と共振コンデンサとによる共振周波数を互いにずらせ
    るようにしたフライバックトランスにおいて、 前記1次巻線部分は、その上面に長手方向に延びて第1
    導体箔が形成された第1長手絶縁シート、およびその上
    面に長手方向に延びて第2導体箔が形成された第2長手
    絶縁シートをこの順で積層し、前記第2導体箔が内側に
    なるように円筒状に巻回したフィルム巻回体を含み、 前記第1導体箔および前記第2導体箔の実質的な長さが
    インダクタンスを決定し、前記第1導体箔および前記第
    2導体箔の間で前記第2絶縁シートを挟んで静電容量を
    形成するようにしたことを特徴とする、フライバックト
    ランス。
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