JPH08169093A - 熱収縮性多層フィルム、及び、その製造方法 - Google Patents

熱収縮性多層フィルム、及び、その製造方法

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JPH08169093A
JPH08169093A JP31462994A JP31462994A JPH08169093A JP H08169093 A JPH08169093 A JP H08169093A JP 31462994 A JP31462994 A JP 31462994A JP 31462994 A JP31462994 A JP 31462994A JP H08169093 A JPH08169093 A JP H08169093A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱収縮包装時に白化したり、溶融して孔が開
いたりぜず、又、溶断ヒートシール部から破袋が生じ難
く、しかも、溶断ヒートシール時のカット性が良好であ
る熱収縮性多層フィルムを提供する。又、上記の熱収縮
性多層フィルムを容易に製造できる方法を提供する。 【構成】 両外層のポリオレフィン系樹脂の架橋度が芯
層のポリオレフィン系樹脂の架橋度よりも高いことを特
徴とする。又、両外層に架橋性の高いポリオレフィン系
樹脂を、芯層に両外層のポリオレフィン系樹脂よりも架
橋性の劣るポリオレフィン系樹脂を積層させた後、電子
線やγ線照射により架橋処理を施すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の熱収縮性多層フィルム
は、熱収縮包装に用いられるものであって、耐熱性と高
温時の溶断ヒートシール強度を必要とする熱収縮包装に
好適に利用されるものである。
【0002】熱収縮包装は、熱収縮トンネル内を通過さ
せて被包装体を包被している熱収縮性フィルムを収縮さ
せ、被包装体を緊迫状態に包装するものである。そこ
で、熱収縮量を多くして緊迫性を付与させるために、熱
収縮トンネル内の温度はできるだけ高目に設定されるの
が普通である。しかし、熱収縮トンネル内の温度を高目
に設定すると、熱収縮性フィルムが白化したり、溶融し
て孔が開いたりするトラブルが発生していた。又、熱収
縮トンネル内を通過させる際に、溶断ヒートシール部か
らの破袋も多発していた。
【0003】そこで、熱収縮性フィルムに耐熱性を付与
させるために、融点の高い樹脂層を設けたり、電子線照
射等を行い全体を架橋させる方法等が行われてきた。し
かし、前者の場合、熱収縮温度が高くなり、熱収縮包装
仕上がりが低下していた。又、後者の場合、ヒートシー
ル性が低下し、高強度のヒートシール強度が得られず、
しかも、溶断ヒートシール時のカット性が悪くなってい
た。
【0004】又、各層の架橋度が異なる積層フィルムに
関しては、特開昭57−113066号に「放射線によ
る架橋性の異なるプラスチックフィルムを2層以上積層
し、少なくとも架橋性の高いプラスチックフィルムの層
を架橋させるに足りる放射線を照射してそのフィルム層
を架橋させることからなる積層架橋フィルムの製造方
法」が記載されている。又、特開昭57−197161
号や特開昭57−197162号にも同様な技術思想の
発明が記載されている。
【0005】これらの発明は、表面層の架橋度を低下さ
せて、ヒートシール性(合掌シール、封筒貼りシール)
を向上させようとするものである。しかし、このように
表面層の樹脂の架橋度を低下させると、得られた多層フ
ィルムの耐熱性が劣り、熱収縮包装に用いた場合、熱収
縮トンネル内を通過させる際にフィルムが白化し易くな
っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱収縮包装
体に緊迫性を付与させるように熱収縮トンネル内の温度
を高目に設定しても、熱収縮性フィルムが白化したり、
溶融して孔が開いたりせず、又、熱収縮時での加熱によ
り溶断ヒートシール部から破袋が生じ難く、しかも、溶
断ヒートシール時のカット性が可能である熱収縮性多層
フィルムを提供しようとするものである。又、上記の熱
収縮性多層フィルムを容易に製造できる方法を提供しよ
うとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、両外層
のポリオレフィン系樹脂の架橋度が芯層のポリオレフィ
ン系樹脂の架橋度よりも高いことを特徴とする熱収縮性
多層フィルムが提供され、そして、好ましくは、両外層
のポリオレフィン系樹脂のゲル分率が10〜80%、芯
層のポリオレフィン系樹脂のゲル分率が0〜40%であ
ることを特徴とする熱収縮性多層フィルムが提供され
る。更に、両外層に架橋性の高いポリオレフィン系樹脂
を、芯層に両外層のポリオレフィン系樹脂よりも架橋性
の劣るポリオレフィン系樹脂を積層させた後、電子線照
射やγ線照射により架橋処理を施すことを特徴とする前
記各熱収縮性多層フィルムの製造方法が提供される。
【0008】本発明の熱収縮性多層フィルムの両外層に
用いるポリオレフィン系樹脂としては、架橋性の高い樹
脂が好ましい。例えば、分枝状低密度ポリエチレン樹
脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(エチレン−α−オ
レフィン共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
が挙げられる。特に、延伸加工性や熱収縮特性等の面か
ら直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。中でも、
密度が0.910〜0.935g/cm3 の低密度直鎖
状ポリエチレン樹脂は、密度の高い方が架橋性に優れて
いる。又、密度が0.870〜0.910g/cm3
極低密度直鎖状ポリエチレン樹脂は、延伸加工性や熱収
縮特性のみならず、結晶性が非常に小さいために逆に架
橋性が良好である。しかも、密度の低い方が架橋性に優
れている。更に、これらの樹脂は、メルトインデックス
の小さい方、即ち、分子量の大きい方が架橋性に優れて
いるので好ましい。
【0009】又、両外層のポリオレフィン系樹脂には架
橋性を向上させるために、架橋促進剤を添加することも
できる。架橋促進剤としては、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート等を挙げることができる。
【0010】更に、該両外層の厚みの合計としては、全
体厚みの20〜80%の範囲が特に好ましい。両外層の
厚みの合計が全体厚みの20%未満では、両外層のポリ
オレフィン系樹脂に十分な架橋処理を施しても、フィル
ム全体の耐熱性や溶断ヒートシール部の耐熱強度が十分
でない場合がある。又、両外層の厚みの合計が全体厚み
の80%を越える場合、フィルムに耐熱性を十分に付与
させるように架橋処理を施すと、溶断ヒートシール時の
カット性が低下する場合がある。尚、両外層の厚みは同
じ厚みである必要はないが、得られるフィルムのカール
性等の面から、同じ厚みであるものが好ましい。
【0011】次に、本発明の熱収縮性フィルムの芯層に
用いるポリオレフィン系樹脂としては、両外層に用いら
れているポリオレフィン系樹脂の架橋性よりも低いポリ
オレフィン系樹脂を用いる。例えば、両外層に用いられ
ているものと同じポリオレフィン系樹脂でも、前記芯層
で説明したように密度やメルトインデックスの違いによ
って架橋性が相違するので、密度やメルトインデックス
等などの違う樹脂を適宜選択することによって、架橋性
の低いポリオレフィン系樹脂等を用いる。特に、延伸加
工性や熱収縮特性等の面から直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂が好ましい。
【0012】又、芯層のポリオレフィン系樹脂の架橋性
を低下させるために、架橋抑止剤を添加させたり、架橋
処理を施しても架橋が起こり難い樹脂や、分解を生じ易
い樹脂を混合させる方法等がある。特に、ポリエチレン
系樹脂にポリプロピレン系樹脂を混合させた樹脂組成物
は、架橋性が低く、しかも、延伸加工性が良好であるの
で好ましい。例えば、ポリエチレン系樹脂にポリプロピ
レン系樹脂を10〜5wt%混合させた樹脂組成物が好
ましい。
【0013】一般に、ポリエチレン系樹脂は電子線照射
やγ線照射により架橋反応が起こるが、ポリプロピレン
系樹脂は電子線照射やγ線照射により分解反応が起こる
と云われている。しかし、ポリプロピレン系樹脂にポリ
エチレン系樹脂を混合させて電子線やγ線を照射させる
と、分解されたポリプロピレン系樹脂はその分子鎖の一
部が架橋されたポリエチレン系樹脂によって取り囲まれ
たようになるものと思われる。そのため、ポリプロピレ
ン系樹脂にポリエチレン系樹脂を混合して架橋処理する
と、ある程度架橋されたような状態になり、ゲル分率も
高くなり、耐熱性も向上する。しかも、溶断ヒートシー
ル時のカット性は架橋処理されたポリエチレン系樹脂ほ
どは低下しない。
【0014】更に、芯層の厚みとしては、全体厚みの2
0〜80%の範囲が好ましい。芯層の厚みが全体厚みの
20%未満では、フィルムに十分な耐熱性を付与させる
ように両外層のポリオレフィン系樹脂に架橋処理を施す
と、溶断ヒートシール時のカット性が低下する場合があ
る。又、芯層の厚みが全体厚みの80%を越えると、両
外層のポリオレフィン系樹脂に十分な架橋処理を施して
も、フィルム全体としての耐熱性や溶断ヒートシール部
の耐熱性が十分でない場合がある。
【0015】尚、本発明の熱収縮性多層フィルムの全体
厚みとしては、特に限定されるものではないが、本発明
の熱収縮性多層フィルムが熱収縮包装に用いられること
から、10〜40μmの範囲内が好ましい。
【0016】又、本発明の熱収縮性多層フィルムは、接
着性樹脂や酸素遮断性樹脂を両外層と芯層の間の中間層
に挿入させたり、或は、本発明の熱収縮性多層フィルム
を製造する際に生じる不適品等の再生還元品を、両外層
と芯層の間の中間層や芯層を2層に分割してその層間に
挿入させることもできる。更に、各層には必要に応じて
滑剤やアンチブロッキング剤、或は、酸化防止剤等を添
加させることもできる。
【0017】本発明の熱収縮性多層フィルムは、両外層
のポリオレフィン系樹脂の架橋度が芯層のポリオレフィ
ン系樹脂の架橋度よりも高くなるように架橋処理が施さ
れている。両外層のポリオレフィン系樹脂の架橋度が、
芯層のポリオレフィン系樹脂の架橋度よりも低い場合に
は、得られるフィルムに十分な耐熱性が生じるように架
橋処理を施すと、溶断ヒートシール時にカットができな
くなってしまい、溶断ヒートシール時にカットができる
ように架橋処理を施すと、フィルムの耐熱性が劣ってし
まう。又、両外層と芯層のポリオレフィン系樹脂の架橋
度が同じになるように架橋処理が施されている場合に
も、得られるフィルムに耐熱性を持たせるようにする
と、溶断ヒートシール時にカットができなくなってしま
い、溶断ヒートシール時にカットができるようにする
と、フィルムの耐熱性が劣ってしまう。
【0018】そして、両外層と芯層のポリオレフィン系
樹脂の架橋度としては、両外層のゲル分率が10〜80
%、芯層のゲル分率が0〜40%になるように架橋処理
が施されているのが好ましい。両外層のポリオレフィン
系樹脂のゲル分率が10%未満では、得られるフィルム
の耐熱性が不十分な場合があり、80%を越えると、芯
層の架橋程度にかかわらず、溶断ヒートシール時にカッ
トできなくなる場合があるので共に好ましくない。又、
芯層のポリオレフィン系樹脂のゲル分率が40%を越え
ると、溶断ヒートシール時にカットができなくなる場合
があるので好ましくない。
【0019】尚、本発明におけるゲル分率0%とは、未
架橋を意味するものではなく、架橋されていてもゲルの
測定が不可能であることを意味する。そして、ゲル分率
は、試料フィルムを130℃に加熱したキシレンに1時
間浸漬し、未溶融部分の重量を測定することにより次式
により算出した。 ゲル分率(%)=(未溶融部分の重量(g)/試料重量
(g))×100
【0020】本発明の熱収縮性多層フィルムを製造する
方法としては、両外層に架橋性の高いポリオレフィン系
樹脂を、芯層に両外層のポリオレフィン系樹脂よりも架
橋性の劣るポリオレフィン系樹脂を積層させた後、電子
線照射やγ線照射により架橋処理を施す方法が好適であ
る。即ち、積層させるポリオレフィン系樹脂の種類等を
適宜選択するのみで、電子線やγ線を照射する方法等は
特別な工夫を施す必要はなく、従来の一般的な方法によ
って容易に両外層のポリオレフィン系樹脂の架橋度を芯
層のポリオレフィン系樹脂の架橋度よりも高くすること
ができる。両外層のポリオレフィン系樹脂と芯層のポリ
オレフィン系樹脂を積層させる方法としては、特に限定
されるものではないが、複数の押出機と多層ダイによる
共押出方法が好適である。又、架橋処理は、熱収縮性を
付与させるための延伸加工が施された後に行ってもよい
が、架橋処理されていると延伸加工性も向上するので、
延伸加工前に行うのが好ましい。
【0021】本発明の熱収縮性多層フィルムに施される
架橋処理としては、フィルムの全面に均一な架橋処理が
施され易いことから、電子線照射やγ線照射による架橋
処理が好ましい。特に、電子線照射による架橋が一般的
で好ましい。電子線としては、コッククロトーウォルト
型、バンデグラフト型、変圧器整流型等の各種電子線加
速器から放出される50〜300Kev、好ましくは、
100〜300Kevの範囲のエネルギーが好ましい。
又、電子線やγ線を照射する雰囲気としては、窒素ガス
の雰囲気にする等して、酸素濃度を100PPM以下に
するのが好ましい。
【0022】
【作用】本発明の熱収縮性多層フィルムは、両外層のポ
リオレフィン系樹脂の架橋度が芯層のポリオレフィン系
樹脂の架橋度よりも高くなっている。そのため、耐熱性
が良好で、熱収縮トンネル内を通過させる際に、該フィ
ルム表面が溶融し難くて白化したり、孔が開いたりしな
い。しかも、溶断ヒートシール部の耐熱性も向上してお
り、熱収縮トンネル内を通過させる際に、該シール部か
ら破袋が生じるようなこともない。しかも、芯層が両外
層のポリオレフィン系樹脂よりも架橋度の低いポリオレ
フィン系樹脂からなっているために、溶断ヒートシール
時のカット性の低下は実用上問題にならない程度であ
る。
【0023】又、本発明の熱収縮性多層フィルムの製造
方法は、両外層に架橋性の高いポリオレフィン系樹脂
を、芯層に架橋性の低いポリオレフィン系樹脂を積層さ
せているので、一般の方法で電子線やγ線を照射させる
だけで、両外層のポリオレフィン系樹脂の架橋度を芯層
のポリオレフィン系樹脂の架橋度よりも容易に高くする
ことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例、及び、比較例を示し、本発明
の内容をより具体的に説明する。尚、本発明は、実施例
に記載された事項のみに限定されるものでないことは当
然である。又、本発明における熱収縮包装適性等は次の
ような方法によって測定した。
【0025】フィルムの耐熱性 直径が200mmの円形に切り取られた試料を、弛みを
生じさせることなく緊迫状態でホルダーに保持し、各温
度に設定された熱収縮トンネル内を5秒間で通過させ、
フィルムの表面が白化したり溶融して孔が開いたりしな
い最高温度を示した。
【0026】溶断ヒートシール部の耐熱性 溶断ヒートシール部を中央部に有する直径が200mm
の円形の試料を、上記フィルムの耐熱性測定と同様、弛
みを生じさせることなく緊迫状態でホルダーに保持し、
140℃に設定された熱収縮トンネル内を5秒間で通過
させ、溶断ヒートシール部に孔が開かないものを
「○」、10個中2個まで小穴が開くものを「△」、1
0個中3個以上穴が開くものを「×」で示した。
【0027】溶断ヒートシール時のカット性 溶断ヒートシール機(富士インパスル(株)“ポリシー
ラー”PS210E型)の目盛りを最大にして溶断ヒー
トシールを行い、カットできるかどうか観察し、カット
できるものを「○」、カットできるが溶断カットシール
部に糸引きが生じるものを「△」、カットできなかった
ものを「×」で示した。
【0028】〔実施例1〕両外層がエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(酢酸ビニル:10モル%)、芯層がエチレ
ン−ブテン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン、密
度:0.915g/cm3 )であるチューブ状未延伸原
反を2台の押出機と2種3層の多層サーキュラーダイに
よって成形した。尚、該シートの厚みは、240μmで
各層の厚み構成は、1:2:1であった。得られた未延
伸原反に電子線を5Mrad照射した後、従来の一般的
なインフレーション方式によって二軸延伸加工を施し、
厚さ19μmの熱収縮性多層フィルムを得た。得られた
熱収縮性多層フィルムの各層のゲル分率、及び、熱収縮
包装適性等を表1に示す。
【0029】
【表1】 表1から明らかな如く、耐熱性や溶断ヒートシール部の
耐熱強度に優れていた。又、溶断ヒートシール時のカッ
ト性も良好であった。
【0030】〔実施例2〕両外層がエチレン−ブテン共
重合体(直鎖状低密度ポリエチレン、密度:0.880
g/cm3 芯層がエチレン−プロピレン共重合体(ポリ
プロピレン系樹脂)とエチレン−ブテン共重合体(直鎖
状低密度ポリエチレン、密度:0.920g/cm3
を重量割合で8:2に混合された組成物であるチューブ
状未延伸原反を、実施例1と同様な方法によって成形し
た。尚、該シートの厚みは、300μmで各層の厚み構
成は、1:1:1であった。得られた未延伸原反に電子
線を5Mrad照射した後、従来の一般的なインフレー
ション方式によって二軸延伸加工を施し、厚さ25μm
の熱収縮性多層フィルムを得た。得られた熱収縮性多層
フィルムの各層のゲル分率、及び、熱収縮包装適性等を
表1に併記する。表1から明らかな如く、実施例1と同
様、耐熱性や溶断ヒートシール部の耐熱強度に優れてい
た。又、溶断ヒートシール時のカット性も良好であっ
た。
【0031】〔実施例3〜4〕両外層がエチレン−ブテ
ン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン、密度:0.8
80g/cm3 )、芯層がエチレン−ブテン共重合体
(直鎖状低密度ポリエチレン、密度:0.925g/c
3 )であるチューブ状未延伸原反を、実施例1と同様
な方法によって成形した。尚、該シートの厚みは、17
0μmで各層の厚み構成は、1:2:1であった。得ら
れた未延伸原反に電子線を6Mrad(実施例3)、及
び、4Mrad(実施例4)照射した後、従来の一般的
なインフレーション方式によって二軸延伸加工を施し、
厚さ15μmの熱収縮性多層フィルムをそれぞれ得た。
得られた各熱収縮性多層フィルムの各層のゲル分率、及
び、熱収縮包装適性等を表1に併記する。表1から明ら
かな如く、実施例3の熱収縮性多層フィルムは、溶断ヒ
ートシール時のカット性が多少低下していたが、実用包
装には何等問題なかった。尚、該フィルムの耐熱性や溶
断ヒートシール部の耐熱強度は良好であった。又、実施
例4の熱収縮性多層フィルムは、耐熱性や溶断ヒートシ
ール部の耐熱強度が多少低下していたが、実用包装には
何等問題がなかった。尚、該フィルムの溶断ヒートシー
ル時のカット性は良好であった。
【0032】〔比較例1〕両外層、芯層共に実施例1の
両外層に用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体であるチ
ューブ状未延伸原反を、実施例1と同様な方法によって
成形した。尚、該シートの厚みは、330μmであっ
た。得られた未延伸原反に電子線を5Mrad照射した
後、従来の一般的なインフレーション方式によって二軸
延伸加工を施し、厚さ25μmの熱収縮性多層フィルム
を得た。得られた熱収縮性多層フィルムの各層のゲル分
率、及び、熱収縮包装適性等を表1に併記する。表1か
ら明らかな如く、耐熱性や溶断ヒートシール部の耐熱強
度は良好であったが、溶断ヒートシール時のカット性に
劣っていた。
【0033】〔比較例2〕両外層が、エチレン−プロピ
レン共重合体(ポリプロピレン系樹脂)とエチレン−ブ
テン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン、密度:0.
920g/cm3)を重量割合で8:2に混合された組
成物で、芯層がエチレン−酢酸ビニル共重合体であるチ
ューブ状未延伸原反を、実施例1と同様な方法によって
成形した。尚、該シートの厚みは、240μmで各層の
厚み構成は、1:1:1であった。得られた未延伸原反
に電子線を5Mrad照射した後、従来の一般的なイン
フレーション方式によって二軸延伸加工を施し、厚さ1
9μmの熱収縮性多層フィルムを得た。得られた熱収縮
性多層フィルムの各層のゲル分率、及び、熱収縮包装適
性等を表1に併記する。表1から明らかな如く、溶断ヒ
ートシール時のカット性は良好であったが、耐熱性や溶
断ヒートシール部の耐熱強度に劣っていた。
【0034】
【発明の効果】本発明の熱収縮性多層フィルムは、耐熱
性に優れているので熱収縮トンネル温度を高めに設定す
ることができ、緊迫性に優れた熱収縮包装体を得ること
ができる。又、熱収縮トンネル内を通過させる際に、フ
ィルムが白化したり孔が開いたり、或は、溶断ヒートシ
ール部から破袋が生じるようなことがないので、熱収縮
包装時のトラブルが無くなり、熱収縮包装が容易に行え
るようになる。又、溶断ヒートシール時のカット性も良
好であるので、包装時の不良品を無くすることができ
る。更に、本発明の熱収縮性多層フィルムの製造方法
は、架橋性の異なる樹脂を積層させて電子線やγ線を照
射させると云う簡単な方法で行えるので、実用生産にお
いて非常に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:24 B29L 9:00 (72)発明者 多田 照雄 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 近藤 和夫 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両外層のポリオレフィン系樹脂の架橋度
    が芯層のポリオレフィン系樹脂の架橋度よりも高いこと
    を特徴とする熱収縮性多層フィルム。
  2. 【請求項2】 両外層のポリオレフィン系樹脂のゲル分
    率が10〜80%、芯層のポリオレフィン系樹脂のゲル
    分率が0〜40%であることを特徴とする請求項1記載
    の熱収縮性多層フィルム。
  3. 【請求項3】 両外層に架橋性の高いポリオレフィン系
    樹脂を、芯層に両外層のポリオレフィン系樹脂よりも架
    橋性の劣るポリオレフィン系樹脂を積層させた後、電子
    線照射又はγ線照射により架橋処理を施すことを特徴と
    する請求項1乃至2いずれかに記載の熱収縮性多層フィ
    ルムの製造方法。
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JP2002123175A (ja) * 2000-08-08 2002-04-26 Dainippon Printing Co Ltd ストレッチラベル
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