JPH0816718B2 - 蒸気ドラム水位のファジィ制御方法 - Google Patents
蒸気ドラム水位のファジィ制御方法Info
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- JPH0816718B2 JPH0816718B2 JP2235108A JP23510890A JPH0816718B2 JP H0816718 B2 JPH0816718 B2 JP H0816718B2 JP 2235108 A JP2235108 A JP 2235108A JP 23510890 A JP23510890 A JP 23510890A JP H0816718 B2 JPH0816718 B2 JP H0816718B2
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- Control Of Non-Electrical Variables (AREA)
- Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、原子力発電プラント等における蒸気ドラム
内の液相水位を自動制御する方法に関するものである。
更に詳しく述べると、例えば原子炉低出力領域におい
て、原子炉で発生した蒸気−水混合流体を気水分離する
蒸気ドラム内の水位をファジィ推論の手法を用いて制御
する方法に関するものである。
内の液相水位を自動制御する方法に関するものである。
更に詳しく述べると、例えば原子炉低出力領域におい
て、原子炉で発生した蒸気−水混合流体を気水分離する
蒸気ドラム内の水位をファジィ推論の手法を用いて制御
する方法に関するものである。
[従来の技術] 以下、新型転換炉発電プラントを例にとって説明す
る。
る。
新型転換炉発電プラントにおける蒸気ドラムは、原子
炉から生じる蒸気と水の混合した冷却材を集めて気水分
離し、蒸気のみをタービン系へ送り、水はタービン系か
ら戻ってきた給水と混合して再び原子炉へ送り込む役割
をもつ機器である。この時、原子炉の中の燃料の除熱を
確保するとともに、タービンへの水のキャリーオーバを
防ぐ意味から、蒸気ドラム水位は適切な範囲に保たれて
いなければならない。そのため、蒸気ドラム水位を設定
値に維持するように給水流量を制御している。この水位
を一定に制御するには、原理的には気水分離された蒸気
の流量と給水の流量が合致するように給水調節弁によっ
て給水流量を制御すればよい。ところでタービン系から
蒸気ドラムに至る給水系には、通常、容量の異なる2種
の給水調節弁が並列に設置されており、原子炉出力に応
じてこれら2種の弁が使い分けられている。このうち、
原子炉出力約18%以上の高出力領域(高流量領域)で
は、水位信号、蒸気流量信号、及び給水流量信号の三要
素を精度良く測定できるため、主給水調節弁(容量の大
きな方の給水調節弁)は三要素PI(比例積分)制御方式
が採用されている。
炉から生じる蒸気と水の混合した冷却材を集めて気水分
離し、蒸気のみをタービン系へ送り、水はタービン系か
ら戻ってきた給水と混合して再び原子炉へ送り込む役割
をもつ機器である。この時、原子炉の中の燃料の除熱を
確保するとともに、タービンへの水のキャリーオーバを
防ぐ意味から、蒸気ドラム水位は適切な範囲に保たれて
いなければならない。そのため、蒸気ドラム水位を設定
値に維持するように給水流量を制御している。この水位
を一定に制御するには、原理的には気水分離された蒸気
の流量と給水の流量が合致するように給水調節弁によっ
て給水流量を制御すればよい。ところでタービン系から
蒸気ドラムに至る給水系には、通常、容量の異なる2種
の給水調節弁が並列に設置されており、原子炉出力に応
じてこれら2種の弁が使い分けられている。このうち、
原子炉出力約18%以上の高出力領域(高流量領域)で
は、水位信号、蒸気流量信号、及び給水流量信号の三要
素を精度良く測定できるため、主給水調節弁(容量の大
きな方の給水調節弁)は三要素PI(比例積分)制御方式
が採用されている。
しかし、原子炉出力18%以下の低出力領域(低流量領
域)では低流量給水調節弁(容量の小さい方の給水調節
弁)は蒸気ドラム水位信号のみによる一要素PI制御方式
が用いられている。これは主として、蒸気流量及び給水
流量を精度良く測定できないこと、及び蒸気流量以外の
蒸気ドラムからの流出流量が相対的に大きいために蒸気
流量と給水流量を等しいと見なせないこと、のためであ
る。
域)では低流量給水調節弁(容量の小さい方の給水調節
弁)は蒸気ドラム水位信号のみによる一要素PI制御方式
が用いられている。これは主として、蒸気流量及び給水
流量を精度良く測定できないこと、及び蒸気流量以外の
蒸気ドラムからの流出流量が相対的に大きいために蒸気
流量と給水流量を等しいと見なせないこと、のためであ
る。
[発明が解決しようとする課題] 上記のような蒸気ドラム水位信号のみによる一要素PI
制御方式では、蒸気ドラム水位が変化した後でないと給
水調節弁の開度調整動作が行われないため、原子炉出力
が変化した場合等に大きな水位変動が生じる傾向があ
る。
制御方式では、蒸気ドラム水位が変化した後でないと給
水調節弁の開度調整動作が行われないため、原子炉出力
が変化した場合等に大きな水位変動が生じる傾向があ
る。
そのため原子炉出力変更速度に一定の制限を設けた
り、運転員が必要に応じて手動調整を加えるなどして対
応していた。つまり熟練した運転員が常に原子炉出力や
各種弁開度などを監視しながら適切に手動補正を行う必
要があった。例えば給水調節弁を切り換える時には、主
給水調節弁を操作した後にすぐ低流量給水調節弁をそれ
に見合う分だけ操作して給水流量が変化しないようにし
ている。この時、仮に原子炉出力が変化すれば、その加
減も加えて操作することになる。
り、運転員が必要に応じて手動調整を加えるなどして対
応していた。つまり熟練した運転員が常に原子炉出力や
各種弁開度などを監視しながら適切に手動補正を行う必
要があった。例えば給水調節弁を切り換える時には、主
給水調節弁を操作した後にすぐ低流量給水調節弁をそれ
に見合う分だけ操作して給水流量が変化しないようにし
ている。この時、仮に原子炉出力が変化すれば、その加
減も加えて操作することになる。
本発明の目的は、従来運転員が行っていた蒸気ドラム
水位制御の手法をファジィ推論を用いて自動制御化する
ことにより、プラント運転制御性能を向上させるととも
に、運転員の負担軽減及び省力化を図ることにある。
水位制御の手法をファジィ推論を用いて自動制御化する
ことにより、プラント運転制御性能を向上させるととも
に、運転員の負担軽減及び省力化を図ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、炉から生じる蒸気と水との混合流体を気水
分離し、蒸気のみをタービン系へ送り、水はタービン系
から給水調節弁を通って戻ってくる給水と混合して再び
炉へ送り込む蒸気ドラムにおいて、低流量領域での水位
を、ファジィ制御の手法を用いて前記給水調節弁の開度
を調整することにより制御する方法である。
分離し、蒸気のみをタービン系へ送り、水はタービン系
から給水調節弁を通って戻ってくる給水と混合して再び
炉へ送り込む蒸気ドラムにおいて、低流量領域での水位
を、ファジィ制御の手法を用いて前記給水調節弁の開度
を調整することにより制御する方法である。
上記の目的を達成するため本発明では、前記給水調節
弁の開度調整量を、蒸気ドラム水位偏差及び水位変化率
に基づく第1のファジィ推論部と、給水−蒸気流量偏差
に基づく第2のファジィ推論部と、炉出力に基づく第3
のファジィ推論部とで個別に推論し、プラント状態に応
じた重み付けを行い合成演算して決定しており、この点
に特徴がある。
弁の開度調整量を、蒸気ドラム水位偏差及び水位変化率
に基づく第1のファジィ推論部と、給水−蒸気流量偏差
に基づく第2のファジィ推論部と、炉出力に基づく第3
のファジィ推論部とで個別に推論し、プラント状態に応
じた重み付けを行い合成演算して決定しており、この点
に特徴がある。
なお、本発明において「蒸気ドラム」とは蒸気と水と
の混合流体を気水分離する装置のことを言い、原子炉の
蒸気ドラムの他、それに類似した各種冷却系における気
水分離器、蒸気発生器なども含まれる。
の混合流体を気水分離する装置のことを言い、原子炉の
蒸気ドラムの他、それに類似した各種冷却系における気
水分離器、蒸気発生器なども含まれる。
[作用] 低流量領域では給水流量や蒸気流量が精度良く測定で
きないため、蒸気ドラム水位が変化しないように給水調
節弁の開度を調整する操作は全て運転員の勘や多くのパ
ラメータの総合評価によって達成されてきた。本発明で
用いるファジィ制御方式は、このような運転員の知識や
経験に基づく制御のノウハウをうまく取り入れた制御系
を作るのに適している。
きないため、蒸気ドラム水位が変化しないように給水調
節弁の開度を調整する操作は全て運転員の勘や多くのパ
ラメータの総合評価によって達成されてきた。本発明で
用いるファジィ制御方式は、このような運転員の知識や
経験に基づく制御のノウハウをうまく取り入れた制御系
を作るのに適している。
本発明におけるようなプラントでは、蒸気ドラム水位
をはじめ、いくつかのプロセスデータが入力されるが、
これらの条件入力に対して漏れなく制御ルールを作成す
ると非常に多くのルールが必要となる。そこでファジィ
推論部を三つの推論部に分割して個々に推論を行い、そ
れぞれの推論結果をプラント状態に応じた重み付けを行
って合成演算し、最適な結論を導き出している。
をはじめ、いくつかのプロセスデータが入力されるが、
これらの条件入力に対して漏れなく制御ルールを作成す
ると非常に多くのルールが必要となる。そこでファジィ
推論部を三つの推論部に分割して個々に推論を行い、そ
れぞれの推論結果をプラント状態に応じた重み付けを行
って合成演算し、最適な結論を導き出している。
[実施例] 第1図は新型転換炉プラントに本発明方法を適用した
制御システムの一例を示す概念図である。先ずプラント
全体の構成について概略説明する。
制御システムの一例を示す概念図である。先ずプラント
全体の構成について概略説明する。
原子炉10で発生した蒸気と水との混合冷却材は蒸気ド
ラム12に入り気水分離される。分離された蒸気は、蒸気
隔離弁14を通り、蒸気止弁16及び蒸気加減弁18を通って
タービン20に入り発電機22を駆動し、復水器24に至る。
蒸気隔離弁14からの蒸気の一部は、タービンバイパス弁
26を通って復水器24に至る。復水器24の水は、復水ポン
プ28、給水加熱器30、給水ポンプ32、給水調節弁34を通
って蒸気ドラム12に戻る。この給水は蒸気ドラム12で分
離された水と混合され、再循環ポンプ36により下部ヘッ
ダ38を通って原子炉10へ戻る。ここで給水調節弁34は低
流量給水調節弁であり、説明を簡略化するため、それと
並列に設けられている主給水調節弁については図示して
いない。
ラム12に入り気水分離される。分離された蒸気は、蒸気
隔離弁14を通り、蒸気止弁16及び蒸気加減弁18を通って
タービン20に入り発電機22を駆動し、復水器24に至る。
蒸気隔離弁14からの蒸気の一部は、タービンバイパス弁
26を通って復水器24に至る。復水器24の水は、復水ポン
プ28、給水加熱器30、給水ポンプ32、給水調節弁34を通
って蒸気ドラム12に戻る。この給水は蒸気ドラム12で分
離された水と混合され、再循環ポンプ36により下部ヘッ
ダ38を通って原子炉10へ戻る。ここで給水調節弁34は低
流量給水調節弁であり、説明を簡略化するため、それと
並列に設けられている主給水調節弁については図示して
いない。
本実施例では原子炉10の出力を測定する中性子検出器
40、蒸気ドラム12の水位を測定するドラム水位検出器4
2、及びファジィ制御部44を設ける。ファジィ制御部44
へは蒸気ドラム水位信号、タービンバイパス弁開度信
号、給水調節弁開度信号、原子炉出力信号などが入力
し、ファジィ制御部44からの出力(給水調節弁開度要求
信号)で給水調節弁34の開度を制御する。
40、蒸気ドラム12の水位を測定するドラム水位検出器4
2、及びファジィ制御部44を設ける。ファジィ制御部44
へは蒸気ドラム水位信号、タービンバイパス弁開度信
号、給水調節弁開度信号、原子炉出力信号などが入力
し、ファジィ制御部44からの出力(給水調節弁開度要求
信号)で給水調節弁34の開度を制御する。
本発明によるファジィ制御系の演算フローを第2図に
示す。本発明では給水調節弁34の開度調整量を三つのフ
ァジィ推論部で個別に推論する。プラントからの前記の
ような各種プロセス信号をデータ処理し、蒸気ドラム水
位偏差及び水位変化率に基づく蒸気ドラム系の第1のフ
ァジィ推論部51と、給水−蒸気流量偏差に基づく給水−
蒸気流量系の第2のファジィ推論部52と、炉出力に基づ
く原子炉出力系の第3のファジィ推論部53とで、それぞ
れの制御ルールベース54,55,56によって個別に推論し、
プラント状態に応じた重み付けを行い合成演算する。
示す。本発明では給水調節弁34の開度調整量を三つのフ
ァジィ推論部で個別に推論する。プラントからの前記の
ような各種プロセス信号をデータ処理し、蒸気ドラム水
位偏差及び水位変化率に基づく蒸気ドラム系の第1のフ
ァジィ推論部51と、給水−蒸気流量偏差に基づく給水−
蒸気流量系の第2のファジィ推論部52と、炉出力に基づ
く原子炉出力系の第3のファジィ推論部53とで、それぞ
れの制御ルールベース54,55,56によって個別に推論し、
プラント状態に応じた重み付けを行い合成演算する。
第1〜第3のファジィ推論部51,…,53における制御ル
ールの内容は次のとおりである。なお、これらの制御ル
ールは幾つ設定してもよく、ファジィ推論法についても
一般に知られている何れの推論法を用いてもよい。
ールの内容は次のとおりである。なお、これらの制御ル
ールは幾つ設定してもよく、ファジィ推論法についても
一般に知られている何れの推論法を用いてもよい。
蒸気ドラム系の第1のファジィ推論部51は、蒸気ドラ
ム水位偏差(実水位−設定水位)及び水位変化率を入力
すると次のような制御ルールにより弁操作量を推論す
る。
ム水位偏差(実水位−設定水位)及び水位変化率を入力
すると次のような制御ルールにより弁操作量を推論す
る。
・もし水位偏差が正で大きく、水位変化率が正で大きい
ならば、弁を大きく閉める。
ならば、弁を大きく閉める。
・もし水位偏差が正で大きく、水位変化率が零ならば、
弁を少し閉める。
弁を少し閉める。
・もし水位偏差が正で大きく、水位変化率が負で大きい
ならば、弁は動かさない。
ならば、弁は動かさない。
・ ・・・・・ 蒸気−給水流量系の第2のファジィ推論部52は、主要
弁開度等から評価した流量偏差(給水流量−蒸気流量)
を入力すると次のような制御ルールにより弁操作量を推
論する。
弁開度等から評価した流量偏差(給水流量−蒸気流量)
を入力すると次のような制御ルールにより弁操作量を推
論する。
・もし流量偏差がやや給水過剰ならば、弁を少し閉め
る。
る。
・もし流量偏差が零ならば、弁は動かさない。
・もし流量偏差がかなり給水不足ならば、弁を大きく開
ける。
ける。
・ ・・・・・ 原子炉出力が上昇すれば、蒸気発生量が増えるため給
水流量を増やす必要がある。一般に原子炉出力に対する
適切な給水流量は原子炉出力と比例関係にある。そこで
原子炉出力系の第3のファジィ推論部53は、原子炉出力
から評価した最適給水流量と実際の給水流量との流量偏
差(給水流量−最適給水流量)を入力すると次のような
制御ルールにより弁操作量を推論する。
水流量を増やす必要がある。一般に原子炉出力に対する
適切な給水流量は原子炉出力と比例関係にある。そこで
原子炉出力系の第3のファジィ推論部53は、原子炉出力
から評価した最適給水流量と実際の給水流量との流量偏
差(給水流量−最適給水流量)を入力すると次のような
制御ルールにより弁操作量を推論する。
・もし流量偏差がかなり給水過剰ならば、弁を大きく閉
める。
める。
・もし流量偏差が零ならば、弁は動かさない。
・もし流量偏差がやや給水不足ならば、弁を少し開け
る。
る。
・ ・・・・・ ここで、蒸気流量と給水流量は精度良く測定できない
ため、例えば第3図に示す2つの給水−蒸気系統(Aル
ープ、Bループという)をもつ新型転換炉プラントの場
合、以下のようにして計算により算出する。
ため、例えば第3図に示す2つの給水−蒸気系統(Aル
ープ、Bループという)をもつ新型転換炉プラントの場
合、以下のようにして計算により算出する。
第2の推論部において使用するのは給水流量と蒸気流
量など蒸気ドラムからの流出流量との偏差である。その
流量偏差をΔF2A(t)とすれば、(1)式のように表
すことができる。
量など蒸気ドラムからの流出流量との偏差である。その
流量偏差をΔF2A(t)とすれば、(1)式のように表
すことができる。
ΔF2A(t)=FEEDA(t)+CUWRA(t)+ RCPSA(t)−TBA(t)−CUWA(t) …(1) ここで、 FEEDA(t):Aループ給水流量 CUWRA(t):Aループ炉浄化系戻り流量 RCPSA(t):Aループ再循環ポンプシール注水流量 TBA(t):タービンバイパス弁流量のうちのAループ
側からの蒸気流量 CUWA(t):Aループからの炉浄化系取水流量 である。このうち、CUWRA(t)、TBA(t)及びCUW
A(t)は測定されていないものである。しかし、Aル
ープとBループ間の不平衡を無視すれば(1)式は次の
ように簡略化される。
側からの蒸気流量 CUWA(t):Aループからの炉浄化系取水流量 である。このうち、CUWRA(t)、TBA(t)及びCUW
A(t)は測定されていないものである。しかし、Aル
ープとBループ間の不平衡を無視すれば(1)式は次の
ように簡略化される。
ΔF2A(t) = FEEDA(t)−(TB(t)+BLOW(t))/2 …(2) ここで、 TB(t):タービンバイパス弁流量 BLOW(t):炉浄化系から復水器へのブローダウン流量 である。(2)式のうちBLOW(t)は測定されているが
TB(t)は測定されていない。またFEEDA(t)は測定
精度が悪いため使用できない。そこで、FEEDA(t)及
びTB(t)は各弁開度から次式により求めることとす
る。
TB(t)は測定されていない。またFEEDA(t)は測定
精度が悪いため使用できない。そこで、FEEDA(t)及
びTB(t)は各弁開度から次式により求めることとす
る。
FEEDA(t) =FFLOW(FVLOWA(t))+FFPRI(FVPRIA(t)) …
(3) TB(t)=FL(TV1(t))+FL(TV2(t))…(4) ここで、 FFLOW(FVLOWA(t)):Aループの低流量給水調節弁開
度FVLOWA(t)に対する給水流量を与える関数 FFPRI(FVPRIA(t)):Aループの主給水調節弁開度FV
PRIA(t)に対する給水流量を与える関数 FL(TV1(t)),FL(TV2(t)):タービンバイパス
弁1及び2の開度TV1(t)及びTV2(t)に対する蒸気
流量を与える関数 である。上記の弁開度から流量を与える関数は、両者の
相関データを基に最適フィッティング曲線を求めて使用
すればよい。但し、給水流量に関しては給水調節弁前後
の差圧がプラントの起動とともに大きく変化するため、
上記の一種類の関数ではフィッティング不可能である。
そこで、他の方法として、弁のCV曲線を用いて次式によ
り流量を求める方法がある。
(3) TB(t)=FL(TV1(t))+FL(TV2(t))…(4) ここで、 FFLOW(FVLOWA(t)):Aループの低流量給水調節弁開
度FVLOWA(t)に対する給水流量を与える関数 FFPRI(FVPRIA(t)):Aループの主給水調節弁開度FV
PRIA(t)に対する給水流量を与える関数 FL(TV1(t)),FL(TV2(t)):タービンバイパス
弁1及び2の開度TV1(t)及びTV2(t)に対する蒸気
流量を与える関数 である。上記の弁開度から流量を与える関数は、両者の
相関データを基に最適フィッティング曲線を求めて使用
すればよい。但し、給水流量に関しては給水調節弁前後
の差圧がプラントの起動とともに大きく変化するため、
上記の一種類の関数ではフィッティング不可能である。
そこで、他の方法として、弁のCV曲線を用いて次式によ
り流量を求める方法がある。
FEEDA(t)=ρ×(P1−P2−P3−P4)1/2 ×(CVLOWA(FVLOWA(t)) +CVPRIA(FVPRIA(t)))/1.17 …(3)′ ここで、 ρ:流体密度 P1:給水ポンプ出口圧力 P2:蒸気ドラム圧力 P3:蒸気ドラム中心から給水調節弁までの静水頭 P4:給水調節弁から蒸気ドラムまでの流体摩擦損失 CVLOWA(FVLOWA(t)):Aループの低流量給水調節弁開
度FVLOWA(t)に対するCV値を与える関数 CVPRIA(FVPRIA(t)):Aループの主給水調節弁開度FV
PRIA(t)に対するCV値を与える関数 である。即ち、(3)式若しくは(3)′式及び(4)
式を(2)式に適用して、給水流量と蒸気流量の偏差を
計算により推定することができる。
度FVLOWA(t)に対するCV値を与える関数 CVPRIA(FVPRIA(t)):Aループの主給水調節弁開度FV
PRIA(t)に対するCV値を与える関数 である。即ち、(3)式若しくは(3)′式及び(4)
式を(2)式に適用して、給水流量と蒸気流量の偏差を
計算により推定することができる。
次に第3の推論部で行われる原子炉出力による低流量
給水調節弁開度の操作量の推論は、過去に良好な蒸気ド
ラム水位制御が行われたケースにおける原子炉出力と給
水流量の相関の実績データから最適フィッティング曲線
を求め、その曲線を用いて、入力された原子炉出力に見
合う最適給水流量を設定し、それと実際の給水流量との
偏差に基づいて前述の制御ルールに従って行われる。即
ち、実際の給水流量と最適給水流量の偏差ΔF3A(t)
は次式により求める。
給水調節弁開度の操作量の推論は、過去に良好な蒸気ド
ラム水位制御が行われたケースにおける原子炉出力と給
水流量の相関の実績データから最適フィッティング曲線
を求め、その曲線を用いて、入力された原子炉出力に見
合う最適給水流量を設定し、それと実際の給水流量との
偏差に基づいて前述の制御ルールに従って行われる。即
ち、実際の給水流量と最適給水流量の偏差ΔF3A(t)
は次式により求める。
ΔF3A(t)=FEEDA(t)−FF3LOW(P0(t)) …
(5) ここで、 FF3LOW(P0(t)):原子炉出力P0(t)に対する最適
給水流量を与える関数 である。
(5) ここで、 FF3LOW(P0(t)):原子炉出力P0(t)に対する最適
給水流量を与える関数 である。
このように本発明では、蒸気ドラム水位制御に対して
最も注目すべき三つの側面からそれぞれ独自の推論を行
い、確定値W1,W2,W3を得、それらを重み付き合成演算に
よって統合して出力し、給水調節弁の開度を制御するも
のである(第2図参照)。ここで、重み付き合成演算の
際の各推論部の重みゲイン(m1,m2,m3)は、原子炉核加
熱時のように蒸気流量の変化が小さい領域では蒸気ドラ
ム水位系の重みを大きくし、定格圧力到達以降のように
蒸気流量や給水流量の変化が大きい領域では給水−蒸気
流量系及び原子炉出力系の重みを大きくするように自動
的に設定する等、上位のメタルールによってプラントの
状態に応じて切り換えることにより、多種の特性を自在
に設定することができる。
最も注目すべき三つの側面からそれぞれ独自の推論を行
い、確定値W1,W2,W3を得、それらを重み付き合成演算に
よって統合して出力し、給水調節弁の開度を制御するも
のである(第2図参照)。ここで、重み付き合成演算の
際の各推論部の重みゲイン(m1,m2,m3)は、原子炉核加
熱時のように蒸気流量の変化が小さい領域では蒸気ドラ
ム水位系の重みを大きくし、定格圧力到達以降のように
蒸気流量や給水流量の変化が大きい領域では給水−蒸気
流量系及び原子炉出力系の重みを大きくするように自動
的に設定する等、上位のメタルールによってプラントの
状態に応じて切り換えることにより、多種の特性を自在
に設定することができる。
新型転換炉プラントにおける本発明方法の機能確認試
験の結果を第4図に示す。これは蒸気ドラム水位信号の
みの一要素入力によるPIコントローラにより自動制御さ
れた蒸気ドラムB水位と、本発明方法の推論結果の情報
により制御された蒸気ドラムA水位とを比較したもので
ある。これにより本発明方法により制御された蒸気ドラ
ムAの方が水位変動をより小さく抑える良好な制御性を
示すことが確認された。
験の結果を第4図に示す。これは蒸気ドラム水位信号の
みの一要素入力によるPIコントローラにより自動制御さ
れた蒸気ドラムB水位と、本発明方法の推論結果の情報
により制御された蒸気ドラムA水位とを比較したもので
ある。これにより本発明方法により制御された蒸気ドラ
ムAの方が水位変動をより小さく抑える良好な制御性を
示すことが確認された。
[発明の効果] 本発明は上記のようなファジィ制御による蒸気ドラム
水位制御方法であるから、従来三要素PI制御方式を採用
できず一要素PI制御にたよってきた低流量領域でも蒸気
ドラム水位変動幅を従来技術の約1/2〜1/6に低減でき、
制御性能が大幅に向上する。
水位制御方法であるから、従来三要素PI制御方式を採用
できず一要素PI制御にたよってきた低流量領域でも蒸気
ドラム水位変動幅を従来技術の約1/2〜1/6に低減でき、
制御性能が大幅に向上する。
また本発明では、三種類の側面から推論した結果を、
プラントの状態に応じて重み付けを変えて合成演算する
ため、制御ルール数を少なくでき、またプラントの状態
毎に、それに適した特性を容易に制御系に持たせること
ができる。
プラントの状態に応じて重み付けを変えて合成演算する
ため、制御ルール数を少なくでき、またプラントの状態
毎に、それに適した特性を容易に制御系に持たせること
ができる。
第1図は本発明方法を適用した新型転換炉プラントの一
例を示す概念図、第2図はファジィ制御系の演算フロー
線図、第3図は新型転換炉プラントの一例の給水−蒸気
系統概略図、第4図はファジィ制御システム機能確認結
果を示すグラフである。 10……原子炉、12……蒸気ドラム、20……タービン、34
……給水調節弁、40……中性子検出器、42……ドラム水
位検出器、44……ファジィ制御部、51……第1のファジ
ィ推論部、52……第2のファジィ推論部、53……第3の
ファジィ推論部。
例を示す概念図、第2図はファジィ制御系の演算フロー
線図、第3図は新型転換炉プラントの一例の給水−蒸気
系統概略図、第4図はファジィ制御システム機能確認結
果を示すグラフである。 10……原子炉、12……蒸気ドラム、20……タービン、34
……給水調節弁、40……中性子検出器、42……ドラム水
位検出器、44……ファジィ制御部、51……第1のファジ
ィ推論部、52……第2のファジィ推論部、53……第3の
ファジィ推論部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−231306(JP,A) 特開 昭64−12295(JP,A) 特開 昭61−217604(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】炉から生じる蒸気と水との混合流体を気水
分離し、蒸気のみをタービン系へ送り、水はタービン系
から給水調節弁を通って戻ってくる給水と混合して再び
炉へ送り込む蒸気ドラムの低流量領域での水位を、前記
給水調節弁の開度を調整することにより制御する方法に
おいて、前記給水調節弁の開度調整量を、蒸気ドラム水
位偏差及び水位変化率に基づく第1のファジィ推論部
と、給水−蒸気流量偏差に基づく第2のファジィ推論部
と、炉出力に基づく第3のファジィ推論部とで個別に推
論し、プラント状態に応じた重み付けを行い合成演算し
て決定することを特徴とする蒸気ドラム水位のファジィ
制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2235108A JPH0816718B2 (ja) | 1990-09-05 | 1990-09-05 | 蒸気ドラム水位のファジィ制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2235108A JPH0816718B2 (ja) | 1990-09-05 | 1990-09-05 | 蒸気ドラム水位のファジィ制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04115195A JPH04115195A (ja) | 1992-04-16 |
JPH0816718B2 true JPH0816718B2 (ja) | 1996-02-21 |
Family
ID=16981176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2235108A Expired - Fee Related JPH0816718B2 (ja) | 1990-09-05 | 1990-09-05 | 蒸気ドラム水位のファジィ制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0816718B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7621141B2 (en) | 2004-09-22 | 2009-11-24 | York International Corporation | Two-zone fuzzy logic liquid level control |
CN107272526A (zh) * | 2017-08-17 | 2017-10-20 | 宝鸡文理学院 | 一种工业锅炉模糊控制器 |
-
1990
- 1990-09-05 JP JP2235108A patent/JPH0816718B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04115195A (ja) | 1992-04-16 |
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