JPH081670A - 繊維強化熱可塑性樹脂成形体のリサイクル法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂成形体のリサイクル法

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JPH081670A
JPH081670A JP14203094A JP14203094A JPH081670A JP H081670 A JPH081670 A JP H081670A JP 14203094 A JP14203094 A JP 14203094A JP 14203094 A JP14203094 A JP 14203094A JP H081670 A JPH081670 A JP H081670A
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melting
fiber
recycled
thermoplastic resin
recycle material
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JP14203094A
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Shuji Yumitori
修二 弓取
Toshiaki Okumura
俊明 奥村
Takao Yokumoto
貴生 浴本
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Abstract

(57)【要約】 【構成】 繊維強化熱可塑性樹脂成形体の回収品をリサ
イクルして再成形するに当たり、該回収品をそのまま若
しくは粗破砕した後、当該回収品におけるマトリックス
樹脂の融点以上熱劣化温度以下の温度に加熱し、そのま
まの状態もしくは一旦予備成形した後、少なくとも加熱
部と押出し部を備え、且つ加熱部から押出し部までを非
酸化性ガスでシールされたプランジャー型加熱溶融押出
し装置へ連続的もしくは間欠的に供給し、前記回収品中
の繊維強化材を破断させることなく再成形する繊維強化
熱可塑性樹脂成形体のリサイクル法。 【効果】 繊維強化熱可塑性樹脂成形体の廃材(成形工
程で生じる切片や未塗装不良成形品、更には成形工程で
余った成形材素材等)を回収し、その物性を低下させる
ことなく成形原料として簡単且つ有効にリサイクルでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂
成形体の廃材(成形工程で生じる切片や未塗装不良成形
品、更には成形工程で余った成形材素材等を意味する:
以下、本明細書においては回収品という)を回収し、そ
の物性を低下させることなく成形原料として簡単且つ有
効にリサイクルすることのできる方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンやポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂をマトリックスと
し、これに強化用繊維としてガラス繊維や炭素繊維等を
複合した繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、比較的軽量で
且つ優れた機械的特性を有しており、しかも加熱軟化す
ることによって任意の形状に2次加工し得るといった特
徴を有しているところから、たとえば自動車等の内・外
装部品、家庭用電気製品等の外板材等を始めとして広汎
に利用されている。
【0003】他方、この種の繊維強化熱可塑性樹脂は、
一般に連続長繊維状の強化用繊維をマトリックス樹脂と
複合したものとして普及してきたが、最近では、例えば
BMCの如く連続繊維を適当な長さに切断したチョップ
ドストランドよりなる強化用繊維を熱可塑性樹脂と混合
し、様々の形状に成形加工できる様にした繊維強化樹脂
組成物もかなり汎用されてきている。そして、この様な
チョップドストランド複合タイプの繊維強化樹脂組成物
を製造する方法として、たとえ特開昭63−13555
0号公報や同63−199611号公報等に開示された
様な技術が提案されている。
【0004】この方法は、ガラス繊維集束体のチョップ
ドストランドを乱気流中で混合することにより開繊する
と共に、該混合系にマトリックスとなる熱可塑性樹脂粉
末を加えることによって均一に混合し、ガラス繊維と熱
可塑性樹脂粉末が均一に混合されたバルク状の成形用樹
脂組成物を得るものであり、このバルク状組成物は、加
熱加圧成形によって任意の形状に成形することができる
ので、今後その需要は増大してくるものと予測される。
【0005】また、このバルク状組成物を適度に圧縮
し、その表面を加熱することにより表層部の熱可塑性樹
脂を溶融させて外皮を形成することによって型を整えた
予備成形体は、単なる繊維と樹脂粉末の混合物からなる
バルク状組成物に比べて嵩密度が大幅に高められ、搬送
や取扱にも便利であるばかりでなく、予備成形体の形状
を標準化することによって、その後の加熱加圧成形装置
への適用も容易に行なうことができるといった利点もあ
り、この様な形態のでの実用化も今後更に進んでいくも
のと考えられる。
【0006】他方、繊維強化熱可塑性樹脂は安価で且つ
上記の様に再加熱することによって容易に可塑化し、成
形材料としてリサイクルすることができるところから、
たとえば成型工程で余った成形残素材や切片もしくは未
塗装不良成形品をリサイクル材として回収し、成形原料
として再利用しようとする研究も進められている。こう
したリサイクル法の中でも最も一般的なのは、熱可塑性
樹脂単独のリサイクル材と同様に、回収品をクラッシャ
ー等によって粉砕し、溶融混練押出し機に投入しペレッ
トとして再利用する方法である。
【0007】ところが、この方法を繊維強化熱可塑性樹
脂のリサイクルに活用しようとすると、次の様な問題が
生じてくる。即ち熱可塑性樹脂そのものは、再加熱時の
温度や加熱雰囲気等を調整して熱劣化を可及的に抑える
ことにより、新しい成形原料と殆ど変わらない物性を示
すものとして再利用することができるが、強化材として
繊維を含有する繊維強化熱可塑性樹脂では、再生時の破
砕工程や溶融混練、押出し工程で強化繊維が細かく破砕
されて強化効果が大幅に低下し、実質的に充填強化材と
しての機能しか発揮し得なくなる。従って、新しい成形
材料と同一用途への再利用は不可能であり、繊維強化を
特に必要とされない低品位の成形材料として利用できる
に止まる。
【0008】こうした従来技術に対し、特開平4−33
8511号公報には、ガラス繊維強化プラスチック成形
品の回収品を、強化繊維の繊維長を保持しその強化効果
を保った状態でリサイクルする方法が開示されており、
繊維強化樹脂のリサイクル法としては極めて有効な方法
と思われる。しかしながらこの方法は、強化繊維の破断
を防止するためシート状の再生品としてしかリサイクル
することができず、下記の様な問題点を残している。
【0009】(1) 回収品を可塑化してシート状に成形加
工することは、回収品を加熱して可塑化しそのままの状
態もしくは塊状物等として再利用するよりも手数がかか
り、エネルギー消費も多くなってリサイクルによるコス
ト低減効果が減殺される。 (2) 連続的シートを得るには比較的多量のリサイクル材
が必要であり、例えば工場内回収品のリサイクルには不
向きである。 (3) 回収品を未使用の成形材料と混合して有効利用する
ことができない。 (4) ガラス繊維や炭素繊維の様な脆弱な強化繊維を含む
ものでは、その機械的特性を低下させないため慎重に取
り扱わなければならないが、上記方法ではシート状に成
形する際にロール加圧が加えられるので、強化繊維の破
断による物性の低下が避けられない。 (5) 再生品はシート状としてしか得られないため、これ
を再成形するにはシートの切断後再び加熱して可塑化し
なければならず、リサイクルプロセスの連続化が困難で
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記の様な
事情に着目してなされたものであって、(1) リサイクル
による強化繊維の破断や粉砕を可及的に防止し、新しい
素材を使用したのと実質的に同じ機械的特性を持った成
形品に再生することのできるリサイクル法を確立するこ
と、(2) 処理量、規模、連続・非連続に関わらず採用可
能なリサイクル法を確立すること、(3) 回収品をそれ単
独でリサイクルし得るだけでなく、新しい成形材料と混
合しても有効利用できる様なリサイクル法を確立するこ
と、(4) リサイクル品の可塑化から成形品への再生まで
の加工を連続したプロセスで実施できる様な省エネルギ
ープロセスを確立すること、(5) 再生工程で樹脂の酸化
劣化等を生じることなく、高品質の再生品を得ることの
できるリサイクル法を確立すること、といった全ての目
的を達成できる様なリサイクル法を提供しようとするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るリサイクル法の構成は、繊維強化
熱可塑性樹脂成形体の回収品をリサイクルして再成形す
るに当たり、該回収品をそのまま若しくは粗破砕した
後、当該回収品におけるマトリックス樹脂の融点以上熱
劣化温度以下の温度に加熱し、そのままの状態もしくは
一旦予備成形した後、少なくとも加熱部と押出し部を備
え、且つ加熱部から押出し部までを非酸化性ガスでシー
ルされたプランジャー型加熱溶融押出し装置へ連続的も
しくは間欠的に供給し、前記回収品中の繊維強化材を破
断させることなく再成形するところに要旨を有するもの
である。
【0012】
【作用】上記の様に本発明では、繊維強化熱可塑性樹脂
回収品をそのままの状態若しくは強化繊維の破砕が実質
的に問題とならない程度に粗めに破砕した状態で可塑化
する点、可塑化から成形までを非酸化性ガスシールする
ことによって樹脂成分の酸化劣化を防止する点、加熱可
塑化部から成形までの移送をプランジャー型押出し機に
よって行ない、移送および押出し過程で剪断力を作用さ
せないことによって強化繊維の破断を防止する点、に特
徴を有するものであり、こうした構成を採用することに
よって強化繊維の破断や樹脂成分の劣化を防止し、未使
用樹脂組成物を使用したのと殆ど変わらない機械的特性
を有する繊維強化樹脂成形品に再生することができ、或
は必要により未使用樹脂組成物と適宜混合して再使用す
ることも可能となり、更にはブロック状や塊状等任意の
形状に予備成形して再利用に供することもできる等、前
記特開平4−338511号公報に記載されたリサイク
ル法に比べて格段に優れた実用価値を有するものであ
る。
【0013】以下、実施例図面を参照しつつ本発明の構
成および作用効果を具体的に説明するが、図示例は本発
明の代表的な例示であってもとより本発明を限定する性
質のものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲で適
当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは
何れも本発明の技術的範囲に包含される。
【0014】図1は、本発明のリサイクル法を実施する
際に使用される装置を例示する概略説明図であり、図中
1は溶融押出し部、2はリサイクル材溶融供給部、3は
加圧成形部を夫々示し、溶融押出し部1は、新しい素材
である複合樹脂ブロックBの投入口4、該複合樹脂ブロ
ックBを加熱部6aへ供給するための押出しラム5a、
加熱部で溶融されて下方に落下した複合樹脂B1を、該
複合樹脂に剪断力を与えることなく押出し部7へ供給す
るためのプランジャー型押出し機8等を備え、その押出
し先端部にはゲート9およびカッター10が設けられて
おり、この部分で任意の寸法に切断して予備成形体とし
たり、あるいは直接加熱加圧成形装置3へ送られる。
尚、該溶融押出し装置1における複合樹脂ブロックBの
加熱溶融から溶融押出しまでの雰囲気は、複合樹脂の酸
化劣化を抑えるため非酸化性ガス雰囲気とされる。
【0015】またリサイクル材溶融供給部2は、リサイ
クル材投入部12と該リサイクル材を搬送するためのコ
ンベア13、該コンベア上のリサイクル材を搬送過程で
加熱溶融するためのヒータ−14、加熱溶融されたリサ
イクル材を前記溶融押出し機1における溶融押出し部7
の適所へ供給して合流させるためのゲート15及び供給
用プランジャー16を備えており、これらリサイクル材
の加熱溶融から供給までの間も非酸化性ガス雰囲気とす
る。
【0016】かくしてこの装置を使用すれば、回収され
たリサイクル材を溶融過程で酸化劣化させることなく新
しい成形原料と合流させて再利用することができ、しか
もこの溶融押出し装置を使用すれば、複合樹脂の溶融押
出しを剪断力の生じないプランジャータイプとすること
によって複合樹脂中に含まれる強化繊維の破断を可及的
に抑えることができるので、押出された予備成形体ある
いはそれを用いた加熱加圧成形体は、リサイクル材を含
まない新たしい複合樹脂を用いたのと殆ど遜色のない機
械的特性を発揮し得るものとなる。
【0017】このとき、必要によってはリサイクル材の
供給ゲート部15付近に計量・供給装置を設けておき、
リサイクル材の供給量を適宜調整できる様にすることも
可能である。また上記では、リサイクル材を新しい複合
樹脂と混合して再利用する方法を示したが、場合によっ
てはリサイクル材のみで再成形を行なうことも可能であ
る。
【0018】図2は、本発明で使用する他の装置を示す
ものであって、リサイクル材溶融供給部2の構成を若干
変更した以外は前記図1の装置と実質的に変わらない。
即ち本例のリサイクル材溶融供給部2は、上部にリサイ
クル材投入部17を備えた加熱溶融部18と、供給ゲー
ト15とプランジャー19を備えた供給部19からな
り、該リサイクル材溶融供給部2は内部を非酸化性ガス
雰囲気として複合樹脂の酸化劣化防止を図っている。そ
して、加熱溶融部18と供給部19の間にはシャッター
20が設けられており、加熱溶融されたリサイクル材は
逐次該シャッター20から供給部19へ送られ、プラン
ジャー19によりゲート15を通して押出し部7の適所
へ供給される。以降の工程は前記図1に示したのと全く
同様であり、リサイクル材は新しい複合樹脂素材と混合
し、あるいはリサイクル材単独で溶融押出し機で予備成
形された後、若しくは直接加熱加圧成形装置3へ送られ
て再成形に供される。
【0019】この場合も、例えばゲート15の適所ある
いはシャッター20付近等に計量・供給部を設け、この
部分でリサイクル材の供給量をコントロールできる様に
することも勿論可能である。尚、リサイクル材を加熱溶
融するときの温度は、マトリックス樹脂が溶融し且つ熱
分解を起こさない温度範囲とすべきであり、好ましい温
度は、マトリックス樹脂の種類によって変わってくるの
で一律に規定することはできないが、温度が低過ぎると
供給性及び新規複合樹脂素材との混合が不十分になるこ
とがあり、一方高温にすぎると樹脂が熱劣化を起こす恐
れがでてくるので、好ましくはマトリックス樹脂の溶融
温度を基準にしてそれより50〜100℃程度高温側で
且つ200〜250℃以上高温とならない温度範囲に設
定することが望まれる。熱可塑性樹脂をマトリックスと
する複合樹脂のリサイクル材を使用するときの標準的な
加熱溶融および溶融押出し温度は、180〜260℃の
範囲である。
【0020】本発明は、例えば上記図1,2に示した様
な装置を使用することによって実施されるが、要はリサ
イクル材の加熱溶融からリサイクル材として溶融押出し
を行なうまでの間で酸化劣化を防止するために、その雰
囲気を非酸化性ガスとし、且つ溶融押出し工程では、リ
サイクル材中の強化繊維を極力破断させない様にプラン
ジャー型の溶融押出しを採用することにより、再生品と
しての機械的特性の低下を防止し、新規素材を使用した
のと遜色のない機械的性質の再生品が得られる様にした
ところに特徴を有するものであり、こうした特徴を有効
に発揮し得る限り装置自体の具体的構成には一切制限が
なく、上記趣旨を逸脱しない範囲で設計を任意に変更す
ることは、本発明を実施するものの自由に委ねられる。
【0021】本発明でリサイクルされる繊維強化複合樹
脂における強化用繊維の種類には特に制限がなく、例え
ばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックス繊
維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊
維、アクリル繊維等、更にはSiCウイスカーやSi3
4 ウイスカー等が全て使用でき、これらは単独で使用
し得るほか必要により2種以上を複合して使用すること
ができる。これら繊維の中でも本発明の特徴が最も有効
に発揮されるのは、例えばガラス繊維やセラミックス繊
維、炭素繊維等の如くそれ自身脆弱で剪断力により破断
を起こし易い繊維である。
【0022】これらの強化用繊維は、フィラメント数が
ある程度多いほど強化効果の上では有効であるが、マト
リックス樹脂中への均一分散性や加熱加圧成形工程にお
ける作業性等を総合的に考えて好ましいのは、直径8〜
20μm程度のフィラメントを200〜4000本程
度、より好ましくは400〜1200本程度束ねたもの
である。繊維長さは用途に応じて変わってくるので一律
に決めることはできないが、熱可塑性樹脂との均一混合
性や強化効果等を考慮して一般的なのは1〜100mm
程度、より一般的には5〜25mm程度の範囲である。
【0023】またマトリックス樹脂としては公知の種々
の熱可塑性樹脂が用いられ、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ABS、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアセタール、ポ
リアクリレート等の汎用樹脂の他、ポリスルホン、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性に優れた熱可
塑性樹脂を用いることもできる。もちろんこれらのポリ
マーの一部が変性された、例えば酸変性ポリプロピレン
等であっても構わない。
【0024】更に該リサイクル材中には、必要に応じ
て、複合樹脂組成物に機能性を与え或は軽量化やコスト
低減などを目的として、無機質もしくは有機質の充填
材、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、二酸化
チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウムや、カオリンク
レー、石英粉といった粘土鉱物等の無機系粉末状充填剤
や、シラスバルーン、ガラスバルーン、フライアッシュ
バルーン等の無機系中空微粒子状充填剤、古紙、木粉、
ヤシ殻粉等の有機系粉末状充填剤、ポリスチレン系やポ
リエステル系等の有機系架橋ビーズ等の1種以上が混合
されたものであっても勿論構わない。
【0025】本発明は上記の様に構成されており、リサ
イクル材としての溶融加熱工程および溶融押出し工程で
マトリックス樹脂の熱劣化や酸化劣化を防止すると共
に、強化繊維の破断を極力抑えてその補強効果を実質的
にそのまま持続した状態で再利用することができるの
で、リサイクル製品の機械的特性は新しい複合樹脂素材
を使用したのと遜色のないものが得られ、更にはブロッ
ク状等の予備成形体若しくは溶融押出し後引き続いて加
熱圧縮工程へ送ることが可能であるので、従来のリサイ
クル法に比べて次の様な極めて実用的な様々の利点を享
受することができる。
【0026】(1) リサイクルによるマトリックス樹脂の
劣化が抑えれられると共に、強化繊維の破断や粉砕も可
及的に抑制されるので、新しい素材を使用したのと実質
的に同じ機械的特性を持った成形品に再生することがで
きる。 (2) リサイクル材の処理量、規模、連続・非連続に関係
なく適用することができる。 (3) 回収品を新規複合樹脂素材と混合して再利用できる
他、それ単独でリサイクルし有用な再成形品を得ること
ができる。 (4) リサイクル品の可塑化から成形品への再生までの加
工を連続化することも容易であり、省エネルギー化が増
進される。
【0027】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。 実施例1 アミノシランコーティング処理された直径13μm、長
さ13mm、1200フィラメントを1束とするチョッ
プドストランドガラス繊維90gとポリプロピレン粉末
190gおよび酸変性されたポリプロピレン20gを、
エアーミキシング法によって均一に混合し、得られた均
一混合物を加熱加圧成形し、30cml×30cmw ×
4mmt の板状体を4枚成形した。
【0028】このうち3枚は、板状のまま窒素雰囲気中
で再度可塑化した後、図1に示した様な加熱溶融押出し
装置によって再度加熱溶融および溶融押出しを行ない、
同じ金型を用いて再度加熱加圧成形した。この操作を1
〜6回繰り返し、夫々再成形品とした。得られた各再成
形品(板状物)のX,Y方向から夫々5本づつ試験片を
切り出して3点曲げ試験(JIS K 7055)に供
した。
【0029】結果は表1に示す通りであり、2回目の再
成形で曲げ強度は僅かに5.4%低下しているだけであ
り、また2回目以降の低下も非常に少なく、6回目まで
には合計6回の溶融押出しと加熱加圧成形が行なわれた
にもかかわらず、新規素材を用いたものに比べて曲げ強
度は9.9%低下しただけに過ぎず、曲げ強度の低下レ
ベルは実用上殆ど支障のないものであった。従って、リ
サイクル材を単独で再利用する場合でも6〜10回程度
の再利用は十分に可能であると思われる。こうした傾向
から、リサイクル材を新規複合樹脂素材と混合して使用
すれば、上記曲げ強度の低下は更に少なく抑えられるこ
とが明らかであり、リサイクル材の配合量を少なめに抑
えることによって、曲げ強度の低下を無視できる程度に
抑え得るものと思われる。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 チョップドガラス繊維の長さを1〜13mmに変更した
以外は上記実施例1と全く同様の素材を使用し、且つ同
様の方法でエアミキシングおよび加熱加圧成形を行な
い、夫々の曲げ強度を上記と同様にして測定した。結果
は表2および図3に示す通りであり、これらの結果から
も明らかである様に、繊維長によって成形体の曲げ強度
は著しく変わり、繊維長が短くなるにつれて曲げ強度は
大幅に低下してくることが分かる。こうした結果を、前
記実施例1で得られた再成形後の曲げ強度の低下に適用
して考えれば明らかである様に、前記実施例1では、6
回の再加熱・溶融押出し成形によってもガラス繊維の破
断は殆ど起こっておらないため、高レベルの曲げ強度を
維持しているものと考えられる。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、
(1) リサイクルによるマトリックス樹脂の劣化が防止さ
れると共に、強化繊維の破断や粉砕も可及的に防止さ
れ、新しい素材を使用したのと実質的に同じ機械的特性
を持った成形品に再生できる、(2)リサイクル材の処理
量、規模、連続・非連続に関わらず容易に再利用でき
る、(3) 回収品をそれ単独でリサイクルし得るだけでな
く、新しい成形材料と混合しても有効利用できる、(4)
リサイクル品の可塑化から成形品への再生までの加工を
連続化することができ、省エネルギー化が達成される、
といった諸種の効果を得ることができ、実用上極めて有
用なリサイクル法を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する際に用いられる加熱溶融押出
し装置を例示する概略説明図である。
【図2】本発明を実施する際に用いられる他の加熱溶融
押出し装置を例示する概略説明図である。
【図3】繊維強化熱可塑性樹脂における強化繊維の長さ
を変えたときの曲げ強度に与える影響を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 溶融押出し部 2 リサイクル材供給部 3 加熱加圧成形装置 8,16 プランジャー 7 押出し部 13 搬送コンベア 14 ヒーター 15 ゲート 18 加熱溶融部 19 供給部 20 シャッター
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 101:12 105:06 105:26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化熱可塑性樹脂成形体の回収品を
    リサイクルして再成形するに当たり、該回収品をそのま
    ま若しくは粗破砕した後、当該回収品におけるマトリッ
    クス樹脂の融点以上熱劣化温度以下の温度に加熱し、そ
    のままの状態もしくは一旦予備成形した後、少なくとも
    加熱部と押出し部を備え、且つ加熱部から押出し部まで
    を非酸化性ガスでシールされたプランジャー型加熱溶融
    押出し装置へ連続的もしくは間欠的に供給し、前記回収
    品中の繊維強化材を破断させることなく再成形すること
    を特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂成形体のリサイクル
    法。
JP14203094A 1994-06-23 1994-06-23 繊維強化熱可塑性樹脂成形体のリサイクル法 Withdrawn JPH081670A (ja)

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JP14203094A JPH081670A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 繊維強化熱可塑性樹脂成形体のリサイクル法

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JP14203094A Withdrawn JPH081670A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 繊維強化熱可塑性樹脂成形体のリサイクル法

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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