JPH08166557A - 頭部装着型表示装置 - Google Patents

頭部装着型表示装置

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JPH08166557A
JPH08166557A JP15363595A JP15363595A JPH08166557A JP H08166557 A JPH08166557 A JP H08166557A JP 15363595 A JP15363595 A JP 15363595A JP 15363595 A JP15363595 A JP 15363595A JP H08166557 A JPH08166557 A JP H08166557A
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Withdrawn
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JP15363595A
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English (en)
Inventor
Jiyouji Karasawa
穣児 唐澤
Hiroshi Kamakura
弘 鎌倉
Shoichi Uchiyama
正一 内山
Masashi Sakaguchi
昌史 坂口
Hiroyuki Shindo
裕幸 新藤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 視認性が高く疲労の少ない頭部装着型表示装
置であり、理想的なPCモニターを実現する。 【構成】 使用者2の左右の眼のいずれか一方に虚像形
成光学系を配置する。また、それとは他方の眼の前方に
透過率が1より小さい部分透過型遮光板4を配置する。
さらに、使用者2の眼と虚像14とが形成する光軸13
を、使用者2が水平方向を見るときの視線とほぼ一致さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像表示素子で形成し
た画像を虚像拡大する頭部装着型の画像表示装置であ
り、特にパーソナルコンピューターやワードプロセッサ
ー等のデータディスプレイのモニター(以下PCモニタ
ーと称する)として好適な、頭部装着型表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、映像及びデータディスプレイの携
帯性を高める要請に答えるため、頭部装着型の表示装置
が提案されている。その代表的な一例として、USP
No.5,162,828に記載され、Virtual
Vision SPORTと銘打って、携帯型の頭部
装着型表示装置が商品化されている。これは、1枚の液
晶表示素子で形成した画像をレンズで虚像拡大し、使用
者の視野の周辺に虚像を視認すべく構成され、主に映像
表示用のディスプレイであるため、後述の種々の理由に
よりPCモニターとしては不適切である。
【0003】一方、データディスプレイ用の頭部装着型
表示装置としては、特開平5−100192公報に記載
のメガネ型ディスプレイが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの頭部装着型表
示装置を用いたデータディスプレイの一般的な形態は、
使用者の手元にキーボード等の入力手段を配置し、頭部
装着型表示装置を装着して入力手段の上方に入力情報を
モニターするものである。また、情報入力のための資料
や原稿を、入力手段の周辺に置いて作業を行うこともあ
り、頭部装着型表示装置の下方にはそれら入力手段や資
料を視認するための視野が確保されていることが望まれ
る。しかし、前者の技術は前述のごとく使用者の視野の
周辺に虚像を形成するものであり、特に商品化されてい
るものは使用者の視野の下方に虚像を形成する構成であ
る。従って、虚像と入力手段、資料、原稿等の視野領域
が重なってしまい、こうしたPCモニターとしてははな
はだ不適切である。また、このように視野の周辺を見続
けることは、眼球の回転を司る筋肉が緊張状態を持続す
ることになるため疲労し易い。また、この商品化された
製品は効き眼で虚像を見ることを義務づけているが、後
述する本出願人の実験によればこれも疲労の一原因であ
る。さらに、部分透過型遮光板が外景視野を定義し全視
野を部分透過型遮光板を通して視認する構成であるた
め、これをPCモニターとして使用すると、たとえば入
力手段を見るときの外光の部分透過型遮光板における透
過率と、虚像を見るときに他眼(虚像を見ない方の眼)
側で見る外光の部分透過型遮光板における透過率が常に
一定であるため、これもやはり後述する本出願人の実験
によって疲労の原因であることが確認されている。
【0005】上記課題の一部を解決する手段として提案
されたものが、後者に述べた従来技術であり、これは使
用者の前方にデータディスプレイの表示情報を虚像とし
て視認し、下方にキーボード等の入力手段を視認できる
ように部分透過型遮光板を構成したものである。しか
し、この技術は基本的に2枚の液晶表示素子の映像を2
眼で視認するいわゆる2眼式であるため、必然的に重量
増、コスト高、複雑な構造となり携帯性が悪い等の理由
により、PCモニターとしての本質に反する。また、虚
像を見るときに融像作用が必要であるため、虚像と入力
手段との視認を繰り返し行うことにより疲労が生じる。
また、左右の液晶表示素子の輝度、色等の画質差は避け
がたく、これも疲労の原因となる。さらに、装着中の前
方視野はほとんど確保されず圧迫感を与えるとともに安
全性も低い。これは虚像以外の視野領域の狭さを意味す
るため、資料や原稿を見ながらの作業性が極めて悪い。
さらに、モニター輝度と入力手段上の輝度との明暗差に
ついてはまったく考慮されておらず、これは虚像と入力
手段を繰り返し視認するときの瞳孔の拡縮をもたらすた
めにやはり疲労の原因となる。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは、第一に視認性
が高く疲労の少ない頭部装着型表示装置を実現すること
にある。第二に、装着中の前方及び下方視野を最大限確
保し、作業性と安全性を追求するものである。第三に、
軽量、コンパクト、低コスト、簡単な構造であり、携帯
性に優れる理想的なPCモニターを実現することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の頭部装着型表示装置は、画像表示素子及び
該画像表示素子によって形成された画像を虚像拡大する
拡大光学手段を備えた虚像形成光学系と、該虚像形成光
学系を収納する装置本体と、該装置本体に取り付けら
れ、虚像形成光学系を使用者の略眼幅方向に移動自在に
保持し、虚像形成光学系を使用者の左右の眼のいずれか
一方に対応して配置するための切り換え手段を有し、虚
像と使用者の眼とが形成する光軸と、使用者が水平方向
を見たときの視線とがほぼ一致するように、画像表示素
子及び拡大光学手段が配置されたことを特徴とする。
【0008】この切り換え手段は、装置本体に空転保持
され、使用者の略眼幅方向に延伸しネジ形状を有し、虚
像形成光学系が螺着嵌合する軸からなる。または、使用
者の略眼幅方向に延伸し略円筒形断面を有し、虚像形成
光学系が摩擦嵌合する軸からなる。または、使用者の略
眼幅方向に形成され、虚像形成光学系が摩擦嵌合する溝
からなる。
【0009】そのとき、虚像を視認する眼の他方の眼の
前方に、透過率が1より小さい部分透過型遮光板を配置
してもよい。また、透過率が3%以下の部分透過型遮光
板を配置すればさらに望ましい。
【0010】部分透過型遮光板は、虚像形成光学系を配
置した構造体の、使用者の顔面に対する前後方向の厚み
内に配置するのがよい。また、部分透過型遮光板の、虚
像と使用者の眼の形成する光軸に対する直交面への投影
面が、虚像形成光学系が形成する虚像視野領域の、前記
直交面による断面と略相似形状であり、その面積が少な
くとも同一であることが望ましい。
【0011】さらに、部分透過型遮光板の透過率を、部
分透過型遮光板の外表面側での周辺照度に応じて可変制
御するための制御手段を設けてもよい。このとき、部分
透過型遮光板の透過率は3%以下に制御されることが望
ましく、特に、周辺照度が100lx以下である時には
その透過率が増大するように制御されることが更に望ま
しい。そうするために、部分透過型遮光板は、偏光素
子、液晶表示素子あるいは変形自在な樹脂の間に液晶を
充填してなるフィルム型液晶表示素子からなることを特
徴とする。
【0012】また、虚像形成光学系の輝度を、装着時に
おける装置本体の下方でかつ使用者の手元の周辺輝度に
応じて可変制御するための制御手段を設けてもよい。そ
のときの虚像形成光学系の輝度は、周辺輝度と略一致す
ること、あるいは、本頭部装着型表示装置と入力手段と
の併用に際しては、その輝度が入力手段上の輝度と略一
致すること、あるいは、その輝度と周辺輝度または入力
手段上の輝度との関係が、略比例関係にあることが望ま
しい。
【0013】虚像形成光学系の輝度の制御手段は、画像
表示素子を形成する照明手段の輝度制御、偏光素子、液
晶表示素子あるいは変形自在な樹脂の間に液晶を充填し
てなるフィルム型液晶表示素子、エレクトロクロミック
素子からなることを特徴とする。
【0014】また、虚像形成光学系を配置した構造体の
下方の視界の上端と、使用者が水平方向を見るときの視
線とのなす角度が、鉛直方向で62゜以下であることを
特徴とする。
【0015】また、本頭部装着型表示装置とキーボード
等の視覚を要する入力手段との併用に際しては、使用者
が虚像を知覚する距離と入力手段を視認する距離が略等
くなるように、画像表示素子及び拡大光学手段が配置さ
れたことを特徴とする。
【0016】また、虚像と使用者の眼とが形成する光軸
と、使用者の顔面に対する垂直線とが水平方向において
なす角度が、輻輳方向をプラスとするときに−1゜〜+
5゜、望ましくは0゜〜1゜となるように、画像表示素
子及び拡大光学手段が配置されたことを特徴とする。
【0017】さらに、装置本体の下側に照度(輝度)検
出手段を、使用者の虚像視認時と入力手段視認時におけ
る使用者の頭部の動きに応じて、それぞれ部分透過型遮
光板の外表面側の周辺照度と、装置本体の下方でかつ使
用者の手元における周辺輝度を検出すべく配置し、部分
透過型遮光板の外表面側の周辺照度に応じて部分透過型
遮光板の透過率を、及び(あるいは)周辺輝度に応じて
虚像形成光学系の輝度を自動調整し、その調整は、請求
項11及び請求項17に記載の関係によることを特徴と
する。
【0018】
【作用】請求項1の構成によれば、虚像形成光学系を使
用者の左右の眼のいずれにも配置可能とし、その虚像と
使用者の眼とが形成する光軸と使用者が水平方向を見る
ときの視線とをほぼ一致させることにより、虚像を一方
の眼の前方に視認することができる。このため、虚像を
視認する眼の他方の眼の視野及び、虚像を視認する眼の
虚像視野領域の下方の視野が最大限確保される。従っ
て、キーボード等の入力手段や資料、原稿を十分に視認
可能となり、PCモニターとして好適であるとともに安
全性が高い。また、使用者が水平方向を見るという使用
者にとって最も自然な視線方向で虚像を見続けることが
できるため、疲労が少ない。また、虚像を視認する眼を
使用者が簡単に選択できるため、汎用性、共用性に優
れ、使用者が個人の判断で虚像を視認する眼を左右のど
ちらでも自由に切り換えることが可能である。さらに、
単眼視であるため、2眼視による融像作用や左右の液晶
表示素子の画質差を原因とする疲労は発生しない。ま
た、2眼式のものに比べて、軽量、コンパクト、低コス
ト、簡単な構造となり、携帯性にも優れる。
【0019】請求項2の構成によれば、装置本体に空転
保持された切り換え手段を回転させることにより、その
ネジと螺着嵌合した虚像形成光学系が左または右に移動
し、極めて簡単に虚像形成光学系の位置を切り換えるこ
とができる。また、使用者の略眼幅方向に虚像形成光学
系を移動するため、眼幅の調整を兼用することができ
る。従って、無理な眼球運動をとらないようにすること
ができるため、使用者の眼幅との不適合による眼の疲労
を解消できる上に、これら調整機構の構造が簡略化され
る。
【0020】請求項3の構成によれば、円筒形断面の切
り換え手段に虚像形成光学系を摩擦嵌合したため、その
摩擦力以上の力を虚像形成光学系に作用させることによ
り、簡単に虚像形成光学系の位置を切り換えることがで
きる。また、切り換え手段の断面が円筒形であるため、
その周りに虚像形成光学系を回転することにより俯角調
整をも兼用することができる。
【0021】請求項4の構成によれば、切り換え手段で
ある溝に虚像形成光学系を摩擦嵌合したため、簡単で安
定的に虚像形成光学系の位置を切り換えることができ
る。
【0022】請求項5〜13の構成によれば、虚像を視
認する眼の他方の眼の前方に透過率が1より小さい部分
透過型遮光板を配置し、その部分透過型遮光板の大きさ
を虚像視野領域と同一以上で最適化するとともに、その
透過率を最適化したため、あらゆる照度条件下において
虚像の視認性を確保しながら、装着中の前方及び下方の
視野を最大限確保して作業性と安全性を高めている。ま
た、その透過率の最適化は、疲労を極少にする最適解を
後述の実験により確認している。
【0023】請求項14〜21の構成によれば、虚像形
成光学系の輝度と使用者の手元の輝度との関係を最適化
することにより、使用者が虚像を視認するときと手元を
視認するときとの明暗差が軽減されて、疲労が極少化さ
れることをやはり後述の実験によって確認している。
【0024】請求項22の構成によれば、虚像形成光学
系を配置した構造体の下方に鉛直線から28゜以上の視
野を確保できるため、人間工学的に最適な位置にキーボ
ード等の入力手段を配置することが可能となり、入力作
業を原因とする疲労を軽減できる。
【0025】請求項23の構成によれば、使用者が虚像
を知覚する距離と入力手段を視認する距離が概ね一致す
るため、虚像視認と入力手段視認の繰り返しにおいて水
晶体の調節作用が不要となり、調節のタイムラグを原因
とする疲労を軽減できる。
【0026】請求項24の構成によれば、単眼視におけ
る最も見やすい方向に虚像を視認できるため、長時間の
使用においても疲労の発生は少ない。これも本出願人の
実験により確認されている。
【0027】請求項25の構成によれば、上述した部分
透過型遮光板の透過率の最適化及び(あるいは)虚像形
成光学系の輝度の最適化を自動的に実現できるため、使
用者の使用状況に応じて常に最適状態に装置本体が調整
されて疲労が軽減される。使用者は虚像を視認するとき
と手元の入力手段を視認するときとに上下方向の頭の回
転を伴うが、頭部に保持された装置本体もそれに連動す
るため、装置本体の下側に照度(輝度)検出手段を配置
して、装置本体の前方の照度と使用者の手元の輝度を順
次検出できるようにした本構成によれば、その検出結果
をそれぞれ部分透過型遮光板の透過率と虚像形成光学系
の輝度の最適化にフィードバックできることになる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照して詳
述する。 (実施例1)図1、図2は本発明の動作原理を示す第一
の実施例を表す模式図であり、図1は斜視図、図2は側
面図であり、これらには同時に内部光学系の配置も図示
されている。
【0029】図1、図2において、装置本体1は、使用
者2の左右の眼のいずれかに対応する前方に虚像形成光
学系3を有し、他方の眼の前方には部分透過型遮光板4
を有する。また、虚像形成光学系3及び部分透過型遮光
板4が使用者2の顔面中央付近で構造体によって連結さ
れるとともに、それぞれから左右に延出する構造体を介
して、ヒンジ6によって折り畳み自在に保持された左右
のテンプル5に連結される。装置本体1は略眼鏡形状を
形成し、従来の眼鏡と同様に、両耳及び鼻、または両側
頭部及び鼻に支持されて使用者2の頭部に保持される。
【0030】虚像形成光学系3は、液晶パネル7とそれ
を後方から照射するためのバックライト8からなる画像
表示素子9と、反射ミラー10と、拡大光学手段である
レンズ11とから構成される。画像表示素子9によって
形成され出射した画像光は、反射ミラー10によって光
路が変換され、レンズ11によって使用者の眼12内に
結像される。このとき、レンズ11の物体側焦点よりレ
ンズ11側に画像表示素子9の像形成面が配置され、レ
ンズ11の像側焦点近傍に眼12が配置されると、レン
ズ11の結像作用により、虚像形成光学系3の光軸13
の延長線上に、画面情報の拡大虚像14を視認すること
ができる。
【0031】同図において、虚像形成光学系3の光軸1
3とは、虚像14と使用者2の眼12とが形成する光軸
であるが、図2に示す側面図から明らかなように、これ
はすなわち使用者2が水平方向を見るときの視線と略一
致している。また、この形態をPCモニターとして使用
する場合には、本出願人の調査によると、虚像の水平画
角は30゜から40゜程度が望ましく、これは垂直画角
φが23゜から30゜に相当する。従って、垂直方向に
おいて画角φで規定される虚像視野領域の下方には、厳
密には虚像形成光学系3によって若干の減少はあるもの
の、外景を視認するための視野(図中のハッチング領
域)が図2に示すごとく十分に確保される。さらに、本
実施例によれば虚像形成光学系3が片方の眼にのみ配置
され、他方の眼の前方視野は元々確保されているため、
キーボード等の入力手段や資料、原稿等を十分に視認し
ながら操作することが可能となり、PCモニターとして
好適であるばかりか安全性が高い。
【0032】また、使用者が水平方向を見るという使用
者にとって最も自然な視線方向で虚像を見続けることが
できるため、疲労が少ない。さらに、単眼視であるた
め、2眼視による融像作用や左右の液晶表示素子の画質
差を原因とする疲労は発生しない。また、2眼式に比べ
て、軽量、コンパクト、低コスト、簡単な構造となり、
携帯性にも優れている。
【0033】表1は、虚像を効き眼で視認する場合と効
き眼以外の眼(以下、他眼と称する)で視認する場合と
について、その疲労度を比較するために主観評価した結
果を示した表である。被験者5人に対して、上述した虚
像形成光学系3を効き眼あるいは他眼に配置し、一時間
の入力作業を課題文書を用いて行ってもらった。また、
効き眼及び他眼のそれぞれに対して、虚像を視認する眼
の他方の眼に部分透過型遮光板4を完全遮光及び部分透
過の状態で配置した結果を、比較のために併記した。疲
労度については、A:全く感じない、B:多少感じる、
C:かなり感じる、D:つらいほど感じる、の4段階に
層別し、被験者数を○印の数で表すとともに、●印は作
業後も疲労感の残った被験者数を表している。
【0034】表1によれば、他眼で虚像を視認する場合
には、効き眼で虚像を視認する場合に比べて、部分透過
型遮光板4をいかなる形態にしようとも疲労が軽減され
ていることがわかる。従って、他眼で虚像を視認するよ
うにすることにより、前述した疲労軽減効果に加え、疲
労が一層軽減されたPCモニターを実現することができ
る。
【0035】
【表1】
【0036】図3及び図4は、虚像形成光学系3を使用
者2の左右の眼のいずれか一方に対応して配置するため
の切り換え手段の一例を示す。図3は、説明のために装
置本体1の一部を破断して示した正面図であり、図4は
その側面図である。
【0037】図3及び図4において、装置本体1は、使
用者2の左右いずれかの眼に対応する前方に虚像形成光
学系3を有する。この虚像形成光学系3は、装置本体1
に空転保持され使用者2の略眼幅方向に延伸し、ネジ形
状を有する軸15に螺着して装置本体1に保持される。
軸15は、使用者2の眼幅(大人の最大眼幅は72mm
と言われている)を移動できる長さのネジ部16と、そ
の両端に形成される円筒部17からなり、円筒部17が
装置本体1に形成された軸受け穴に嵌合して、装置本体
1に対して空転状態に保持される。また、装置本体1は
ヒンジ部19を介して保持部20に係合される。
【0038】軸15はその両端にノブ18が係合され、
一方のノブ18を回転させることにより装置本体1に対
して空転するため、それと螺着嵌合する虚像形成光学系
3が使用者2の左または右に移動し、使用者2は簡単に
虚像を視認する眼12を切り換えることができる。その
際に、虚像形成光学系3に軸15とは別の案内軸21ま
たは案内面を軸15と平行方向に設けることで、より安
定して虚像形成光学系3を移動することができるため、
使用者2は虚像を視認する眼12を極めて簡単に選択で
きる。従って、効き眼の異なる複数人の使用者が前述の
実験結果に則って他眼で虚像を視認するとしても、汎用
性、共用性に優れている。また、使用者2が個人の判断
で虚像を視認する眼を左右のどちらでも自由に切り換え
ることができる。
【0039】ところで、切り換え手段である軸15は使
用者2の略眼幅方向に延伸しているため、虚像形成光学
系3は使用者2の略眼幅方向に移動する。従って、虚像
を視認する眼を切り換える際に、使用者固有の眼幅に虚
像形成光学系3を同時に合わせることができるため、使
用者2の眼幅との不適合による眼の疲労を解消できる上
に、これら調整機構の構造を簡略化できる。
【0040】(実施例2)図5及び図6は、本発明にお
ける切り換え手段の別の実施例を表す模式図であり、図
5は正面図、図6は側面図である。
【0041】図5及び図6において、装置本体1は、使
用者2の左右いずれかの眼に対応する前方に虚像形成光
学系3を有する。また、虚像形成光学系3は保持部20
に固定された、断面が略円筒形の軸22に嵌合し、固定
ネジ23によって摩擦保持されている。さらに、軸22
は使用者2の眼幅を移動できるだけの長さの略円筒形断
面の直線部を使用者2の略眼幅方向に有している。この
状態で、固定ネジ23を緩めると、虚像形成光学系3の
摩擦嵌合状態が解除されるため、虚像形成光学系3は軸
22上を使用者2の左または右に移動し、使用者2は簡
単に虚像を視認する眼12を切り換えることができる。
虚像形成光学系3の移動後は固定ネジ23を締めること
によって、再び虚像形成光学系3は軸22に安定的に摩
擦保持される。従って、効き眼の異なる複数人の使用者
が前述の実験結果に則って他眼で虚像を視認するとして
も、汎用性、共用性に優れている。また、使用者2が個
人の判断で虚像を視認する眼を左右のどちらでも自由に
切り換えることができる。
【0042】ところで、切り換え手段である軸22は使
用者2の略眼幅方向に延伸しているため、虚像形成光学
系3は使用者2の略眼幅方向に移動する。従って、虚像
を視認する眼を切り換える際に、使用者固有の眼幅に虚
像形成光学系3を同時に合わせることができるため、使
用者2の眼幅との不適合による眼の疲労を解消できる上
に、これら調整機構の構造を簡略化できる。さらに、虚
像形成光学系3を略円筒形断面の軸22上に摩擦嵌合し
ているため、該軸22周りに虚像形成光学系3を回転す
ることも可能であり、これにより使用者2が水平方向を
見る視線に合わせて、俯角調整をも兼用することができ
る。
【0043】なお、軸22と保持部20との結合部には
保持部20の弾性変形の影響が軸22に及ばない構造を
付加するのがよい。また、本実施例では固定ネジ23に
よって虚像形成光学系3を摩擦嵌合する場合について述
べたが、虚像形成光学系3をバネを用いて軸22に付勢
して摩擦嵌合してもよく、この場合はバネの付勢力以上
の力を虚像形成光学系3に作用させるだけで、虚像形成
光学系3を左右に移動できるため、固定ネジ23を緩め
る等の動作は不要となり、より簡素化できる。
【0044】(実施例3)図7及び図8は、本発明にお
ける切り換え手段のさらに別の実施例を表す模式図であ
り、図7は斜視図、図8は虚像形成光学系の固定方法の
説明図である。
【0045】図7において、装置本体1は、保持部を兼
用する眼鏡型形状をなし、その一部に使用者の略眼幅方
向に形成された溝24を有している。また、図8に示す
ように、虚像形成光学系3は、溝24が形成された装置
本体を上下から挟み込む腕25、26を有し、腕25と
溝24と腕26とを下方から固定ネジ27で貫通してい
る。固定ネジ27の上端には固定つまみ28が螺着し、
固定ネジ27と固定つまみ28との間で虚像形成光学系
3を装置本体1に摩擦保持している。
【0046】この状態で、固定つまみ28を緩めると、
虚像形成光学系3の摩擦嵌合状態が解除されるため、虚
像形成光学系3は溝24に沿って使用者の左または右に
移動し、使用者は簡単に虚像を視認する眼を切り換える
ことができる。虚像形成光学系3の移動後は固定つまみ
28を締めることによって、再び虚像形成光学系3は装
置本体1に安定的に摩擦保持される。本実施例において
は、装置本体1と虚像形成光学系3の腕25、26との
面同士が接触するため、安定して虚像形成光学系3の移
動ができる。
【0047】従って、実施例1及び2と同様に、効き眼
の異なる複数人の使用者が前述の実験結果に則って他眼
で虚像を視認するとしても、汎用性、共用性に優れてい
る。また、使用者2が個人の判断で虚像を視認する眼を
左右のどちらでも自由に切り換えることができる。さら
に、切り換え手段である溝24は使用者2の略眼幅方向
に形成されており、虚像を視認する眼を切り換える際
に、使用者固有の眼幅に虚像形成光学系3を同時に合わ
せることができるため、使用者2の眼幅との不適合によ
る眼の疲労を解消できる上に、これら調整機構の構造を
簡略化できる。
【0048】なお、溝24は使用者の略眼幅方向に直線
的に形成されることが望ましいが、図7に示すように曲
線的であっても構わない。この場合は、虚像形成光学系
3と装置本体1との間に図8に示すような適度の隙間2
9を設けておけば、固定ネジ27を中心として虚像形成
光学系3を回転することができるため、移動に伴う虚像
形成光学系3の回転を容易に補正することができる。
【0049】(実施例4)前述したように、表1は、部
分透過型遮光板4の透過率の違いによる疲労度の比較表
でもある。表1によれば、効き眼で虚像を視認した場合
には明らかではないが、他眼で虚像を視認した場合に
は、完全透過<遮光<部分透過の順で、部分透過型遮光
板の透過率が疲労軽減に寄与することがわかる。特に、
他眼で虚像を視認し他方の眼に部分透過の部分透過型遮
光板を用いることによって、ほとんど疲労を感じないこ
とが判明した。この理由を本発明者は以下のように推測
する。
【0050】第一に、人間の視覚作用において効き眼側
の情報が支配的であるが、これはすなわち効き眼側の脳
神経系を含めた眼神経系における感度が高いためであ
り、従って刺激の高い虚像情報を他眼に表示した方が疲
労が低減される。第二に、部分透過の部分透過型遮光板
は、虚像と外景との重なりを原因とする虚像のコントラ
スト低下を抑え、虚像の見やすさを向上させ疲労を低減
させる。第三に、虚像とキーボード等の入力手段とを繰
り返し視認する際に、部分透過の部分透過型遮光板が用
いられると、部分透過型遮光板を通して視認する眼にも
常時適度の光が入射されることによって、その瞳孔の拡
縮度合いが低減し疲労が軽減する。第四に、部分透過の
部分透過型遮光板によって、前方の外景視野が適度に確
保されるため、装着中の圧迫感が軽減されるとともに、
作業に必要な視野及び安全性が確保され、これも疲労軽
減に寄与する。
【0051】従って、虚像形成光学系3を使用者2の左
右いずれか一方の眼に配置し、そして、他方の眼の前方
に透過率が1より小さい部分透過型遮光板を配置するこ
とにより、疲労の低減及び安全性の確保を達成すること
ができる。
【0052】図9は、上記部分透過型遮光板4の配置位
置を説明するための平面模式図である。虚像形成光学系
3は、使用者2の左右いずれか一方の眼の前方に配置さ
れ(図においては左眼12L)、使用者2が水平方向を
見る視線と、使用者2の一方の眼12Lと虚像14とが
形成する光軸13は一致しており、水平画角Ψをもって
虚像14が視認される。このとき、他方の眼12Rが、
仮にこの虚像14を実像として視認すればその水平視野
は図の破線で示される領域となる。これは垂直方向につ
いても同様に考えられ、実際には眼12Lのみによって
虚像14が視認されるが、使用者2の脳内ではまさにこ
れと同様の視覚作用がなされるものと考えられる。従っ
て、少なくともこの破線で示される領域以上の大きさを
持つ部分透過型遮光板4(または4’)を眼12Rの前
方に配置することによって、使用者2は虚像14とそれ
に相当する領域の外景像を重ねることなく虚像14を視
認することができる。また、この部分透過型遮光板4
(または4’)の前後方向の配置位置は、虚像形成光学
系3の、使用者2の顔面に対する前後方向の厚みD内で
あれば、部分透過型遮光板4、4’またはその間の位置
のいずれでもよく、また、虚像形成光学系3の厚みD内
に部分透過型遮光板4を配置することによって、装置本
体の小型化を図ることができる。
【0053】前述のように、部分透過型遮光板4(また
は4’)は前後方向の配置位置によってその大きさを変
える必要がある。図10は部分透過型遮光板の大きさを
説明するための模式図である。部分透過型遮光板4(ま
たは4’)は、必ずしも平面である必要はなく曲面でも
いいが、使用者2の眼12Lと虚像14とが形成する光
軸13における任意の直交面30への投影面31が、虚
像形成光学系3の形成する虚像視野領域の、直交面30
における断面32と、略相似形でありその面積が少なく
とも同一以上であるのが好ましい。この条件を満たせ
ば、図10に示すように虚像14を含む周辺に、投影面
31(すなわち部分透過型遮光板)による眼12Rの死
角領域33を形成することができるため、使用者2は虚
像14とそれに相当する領域の外景像を重ねることなく
虚像14を視認することができる。
【0054】以上のように、虚像を視認する眼の他方の
眼の前方に透過率が1より小さい部分透過型遮光板を配
置し、その部分透過型遮光板の大きさを虚像視野領域と
同一以上で最適化することによって、虚像の視認性を確
保しながら装着中の前方及び下方の視野を最大限確保し
て、作業性と安全性を高めることができる。
【0055】(実施例5)図11は、周辺照度と部分透
過型遮光板の透過率との関係の実験結果を表す図であ
る。この実験は、部分透過型遮光板の外表面における周
辺照度を変えながら、被験者5人に対して部分透過型遮
光板の透過率を主観的に最適化させたものである。ここ
で、最適化させた透過率とは前述の実施例4で述べた条
件をバランスさせる状態であり、すなわち、虚像のコン
トラスト低下が抑えられ、その瞳孔の拡縮度合いが低減
され、装着中の圧迫感が軽減されるとともに、作業に必
要な視野及び安全性が確保される透過率である。また、
横軸の周辺照度は、飛行機内での消灯状態の照度から室
内の窓際での照度までを想定した。
【0056】実際には1000lx以上の周辺照度も考
えられるが、同図より500lx辺りから部分透過型遮
光板の透過率に飽和傾向が見られるため、周辺照度がい
かようであろうとも、部分透過型遮光板の透過率は3%
以下が好ましいことが予測できる。また、傾向的には周
辺照度が100lx以下であるときは、それ以上である
ときに比べて部分透過型遮光板の透過率を増大させた方
がよく、その理由も上述の条件をバランスさせるためと
考えられる。
【0057】部分透過型遮光板の透過率を制御する方法
としては、部分透過型遮光板を偏光素子で構成して制御
する方法、偏光素子を伴う液晶表示素子で構成して制御
する方法等が考えられる。前者の場合には、例えば2枚
の偏光シートを回動自在に重ね合わせ、各透過軸のなす
角度を回転調整することによってその透過率を制御すれ
ばよく、透過率可変の部分透過型遮光板を最も安価に構
成することができる。また後者の場合には、ガラス基板
の間に液晶を充填してなる液晶表示素子から構成され、
特に変形自在な樹脂の間に液晶を充填してなるフィルム
型液晶表示素子が好ましく、この場合には自由な曲率で
部分透過型遮光板を形成することができデザインの自由
度が増大する。いずれの場合においても、液晶表示素子
を用いることによって、安価にして電気制御が可能な透
過率可変の部分透過型遮光板を構成することができる。
【0058】なお、部分透過型遮光板の透過率は、上記
のように制御する方法に限らず、3%以下で固定式とし
ても、もちろん同様の効果が得られる。
【0059】(実施例6)図12は、周辺輝度と虚像形
成光学系の輝度との関係の実験結果を表した図である。
この実験は、使用者の周辺における照度を変えながら、
すなわち、装着時における装置本体の下方でかつ使用者
の手元における周辺輝度を変えながら、被験者5人に対
して虚像形成光学系の輝度を主観的に最適化させたもの
である。この最適化された輝度とは、虚像と使用者の手
元とを繰り返し視認するときに最も見やすいと感じられ
る輝度である。このとき、部分透過型遮光板の透過率
は、実施例5に則り3%で固定とした。また、使用者の
周辺照度は、実施例5と同様に設定し、そのときの使用
者の手元における輝度を同時に測定した。
【0060】図12によれば、被験者により傾きと絶対
値に若干のばらつきはあるものの、周辺輝度と虚像形成
光学系の輝度とは明らかに比例関係にあることがわかっ
た。また、この輝度データから被験者の瞳孔径を算出し
たところ、被験者が虚像を見ているときとその手元を見
ているときとで、瞳孔径は概ね等しいことが判明した。
すなわち、これは虚像形成光学系の輝度と被験者の手元
の輝度とが概ね等しいことにほかならず、図12のデー
タは理想的にはY=Xの直線であることが予想される。
もちろん、キーボード等の視認しながら操作する入力手
段を使用者の手元において作業する際には、その手元の
輝度は入力手段上の輝度となるため、このときは虚像形
成光学系の輝度と入力手段上の輝度とが概ね等しいこと
が最適条件と考えられる。それは上述したように、虚像
と手元とを繰り返し視認するに際し、虚像形成光学系と
使用者の手元あるいはその手元に置かれた入力手段との
明暗差が極少化されるため、瞳孔の拡縮度合いが極少化
され、それを司る筋肉の疲労も最低限になるからであ
る。
【0061】この虚像形成光学系の輝度を制御する手段
として、偏光素子を用いる方法、偏光素子を伴う液晶表
示素子を用いる方法、エレクトロクロミック素子を用い
る方法、画像表示素子を構成する照明手段の輝度制御に
よる方法等が考えられる。前2者の場合は、偏光に関与
する方法であるが、画像表示素子を出射する画像光が液
晶表示素子によるように直線偏光化されている場合は、
後段の拡大光学手段によって偏光が乱されるため、これ
らの手段を画像表示素子と拡大光学手段との間または液
晶パネルとバックライトとの間に設置するのが望まし
い。第一の偏光素子を用いる場合には、実施例5で述べ
たように2枚の偏光シートを回動自在に重ね合わせ、各
透過軸のなす角度を回転調整することによってその透過
率を制御してもよいが、前述のように直線偏光化される
画像表示素子の場合には1枚の偏光シートによる回転の
みでよい。いずれにしても最も安価に輝度調整を行い得
る方法である。第二の液晶表示素子を用いる場合も実施
例5と同様であり、ガラス基板の間に液晶を充填してな
る液晶表示素子を用い、特に変形自在な樹脂の間に液晶
を充填してなるフィルム型液晶表示素子を用いれば設計
の自由度が向上する。この場合のメリットは、電気制御
による輝度調整を安価に構成できることである。第三の
エレクトロクロミック素子を用いる場合は、特に設置位
置に制限はなく、また前2者のように偏光素子を用いる
必要がないので、設計の自由度が高く最も透過率の高い
明るい虚像形成光学系を実現できるとともに、その透過
率の可変幅が広い。第四の画像表示素子を構成する照明
手段の輝度制御を利用する場合は、具体的な制御回路を
後述の実施例10で説明するが、それに限らず、その一
部である照明手段の駆動回路の電圧制御を手動で行って
もよい。
【0062】(実施例7)図13は、虚像形成光学系の
下方位置を説明するための図である。前述のように、虚
像形成光学系3は、使用者2の眼12と虚像14とが形
成する光軸13が、使用者2が水平方向を見るときの視
線と略一致するように、使用者2の顔前に配置される。
また、キーボード等の入力手段34が使用者の手元に配
置される。
【0063】このときの使用者2及び入力手段34は、
VDT作業において人間工学的に同図に示すような位置
関係が推奨されている。すなわち眼12から入力手段3
4の先端までの距離が約320mm、入力手段34の表
面から眼12までの距離が男性の最大値として約597
mmである。このとき、眼12が入力手段34の先端を
見るときの俯角αは、最大値で約62゜と計算できる。
一方、使用者の前方視界は虚像形成光学系3によって決
まり、そのうちの下方視界は虚像形成光学系3の構造体
の最下部によって制限される。換言すれば、虚像形成光
学系3の構造体の下方の視界の上端と、使用者2が水平
方向を見るときの視線とのなす角度βを、鉛直方向にお
いて62゜以下にすることによって、使用者2は虚像形
成光学系3の構造体に妨害されることなく入力手段34
を視認することが可能ということである。従って、上記
の構成によって人間工学的に最適な位置にキーボード等
の入力手段34を配置することが可能となり、入力作業
を原因とする疲労が軽減される。
【0064】(実施例8)図14は、虚像と入力手段等
とを視認するときの距離の関係を示した図である。前述
のように、虚像形成光学系3は使用者2の顔前に配置さ
れ、使用者2は眼12から距離Aをおいて虚像14を視
認する。このときの距離Aを虚像知覚距離と称する。ま
た、使用者2の手元に配置したキーボード等の入力手段
34を使用者2が視認するときは、厳密には頭部の傾斜
を伴って、同図に示すような状態で入力手段34を視認
することになり、このときの距離Bを視認距離と称す
る。
【0065】使用者2は虚像14を視認するときは虚像
知覚距離Aに眼12を調節し、入力手段34を視認する
ときは視認距離Bに眼12を調節する。従って、虚像1
4と入力手段34とを繰り返し視認する場合には、その
都度それぞれの距離への調節作用を行う必要があり、調
節頻度が高ければ高いほど疲労が増大すると考えられ
る。そこで、虚像知覚距離Aと視認距離Bとを略等しく
すれば、この繰り返し視認における調節作用がほとんど
不要になるため、この調節作用の繰り返しによる疲労を
低減することができる。
【0066】虚像知覚距離Aは、使用者の視力や調節安
静位の位置等により変化し使用者によってまちまちだ
が、使用者がピントを合わせることのできる許容幅もあ
る程度広いため、虚像知覚距離Aをその許容幅の中で適
宜調整することが可能である。このためには、画像表示
素子と拡大光学手段との相対距離を可変させればよく、
画像表示素子または拡大光学手段をそれぞれの光軸方向
に移動させる機構を具備すればよい。また、その調整は
虚像14及び入力手段34を繰り返し視認しながら、虚
像知覚距離Aを視認距離Bに合わせ込むことにより容易
にできる。
【0067】(実施例9)図15は虚像の水平方向の形
成位置を説明するための図であり、表2にそれを決定す
るための実験結果をまとめて示す。
【0068】
【表2】
【0069】表2は、被験者5人に対して虚像形成光学
系を提示し、各被験者が負荷なく視認可能な水平方向の
角度を、許容範囲及び最適値の形で主観的に決定させた
ものである。各角度は、図15における使用者2の顔面
に対する垂直線38と、虚像と左眼12Lの形成する光
軸とが、水平方向においてなす角であり、同図の光軸3
9のように輻輳方向をプラス、その逆方向をマイナスと
して表示した。表2の結果を図15上で説明するなら
ば、同図における一重ハッチング40が−1゜から+5
゜の範囲を、二重ハッチング41が0゜から+1゜の範
囲を示しており、一重ハッチング40が許容範囲で、そ
の中でも二重ハッチング41の範囲が最も望ましいエリ
アと判断できる。
【0070】これらのエリアに使用者の眼と虚像とが形
成する光軸を配置すると、使用者2は単眼視における最
も見やすい方向に負荷なく虚像を視認できるので、短時
間の使用はもとより長時間の使用においても疲労の発生
はきわめて少ないものとなる。
【0071】(実施例10)図14を用いて、本発明の
第10の実施例を説明する。本実施例においては、装置
本体の下側に照度(輝度)検出手段であるフォトセンサ
ー35が配置されており、その検出結果は部分透過型遮
光板の透過率と虚像形成光学系の輝度の最適化のために
フィードバックされる。前述し図14に示したように、
虚像14の視認時と入力手段34の視認時とには使用者
2に頭部の傾斜が伴う。ゆえに、装置本体の下側に配置
したフォトセンサー35の検出方向も、頭部の動きに連
動した装置の動きとともに、同図の方向36と方向37
とに切り替わる。このとき、虚像14を視認するときの
フォトセンサー35における方向36からの照度(部分
透過型遮光板の外表面側の周辺照度)の検出結果を部分
透過型遮光板の透過率制御に、また入力手段34を視認
するときのフォトセンサー35における方向37からの
輝度(入力手段34上の輝度)の検出結果を、虚像形成
光学系3の輝度制御に、それぞれ用いることにより前述
の実施例5及び実施例6に述べた関係に基づいて、それ
ぞれを自動制御することが可能となる。従って、部分透
過型遮光板の透過率の最適化及び虚像形成光学系の輝度
の最適化を自動的に実現できるため、使用者の使用状況
に応じて常に最適状態に装置本体が調整されて使用者の
疲労が軽減される。
【0072】なお、フォトセンサー35の配置位置は、
図2に示したような虚像形成光学系の光学配置において
は、図14に示したような反射ミラーの裏面側が、スペ
ース効率の点でも検出方向の点でも望ましい。また、こ
れらの制御手段は同時に具備されることが疲労低減にお
いては望ましいが、どちらか一方の具備であっても疲労
低減効果は著しい。
【0073】次に、部分透過型遮光板の透過率及び虚像
形成光学系の輝度を自動調整するための制御回路の一実
施例を、図16及び図17を用いて説明する。
【0074】図16(a)及び図16(b)は、部分透
過型遮光板の透過率制御のために液晶表示素子を用いた
例であり、図16(a)は回路図、図16(b)はその
動作波形を示したタイミングチャートである。フォトセ
ンサー35はフォトダイオード42とレンズ43とから
構成され、レンズ43により入力光がフォトダイオード
42上に結像されて検出信号が得られる。この検出信号
はアンプ44で増幅されてオペアンプ45のマイナス端
子に入力される。一方、オペアンプ45のプラス端子に
は電圧制御用の抵抗46が接続され、100lxに相当
する電圧が供給される。オペアンプ45では両入力の大
小が判断され、フォトセンサー側入力照度が参照照度で
ある100lxより明るいと判断した場合は、S1信号
がスイッチ47によりスイッチングされて、アンプ49
で増幅された後液晶表示素子50に入力される。逆にフ
ォトセンサー側入力照度が参照照度である100lxよ
り暗いと判断した場合は、S2信号がスイッチ48によ
りスイッチングされて、アンプ49で増幅された後液晶
表示素子50に入力される。上記のS1、S2信号は、
これに用いる液晶表示素子の表示モードがノーマリーブ
ラックであり、図16(b)に示すような振幅関係があ
るとすると、S1信号が選択されたときは部分透過型遮
光板の透過率が減少し、S2信号が選択されたときは部
分透過型遮光板の透過率が増大して、所望の制御を行う
ことができる。なお、この信号の選択数を増加すること
によって、さらに細かい透過率制御ができる。
【0075】図17は、虚像形成光学系の輝度制御の一
実施例を示した回路図で、画像表示素子を構成する照明
手段の輝度制御によるものである。上記に説明したフォ
トセンサー35からの検出信号は、アンプ51で増幅さ
れてトランジスタ52に入力され、その入力電圧に応じ
て照明手段である蛍光灯53の駆動回路54の電圧を制
御する。その結果、蛍光灯53はフォトセンサー35か
らの検出信号に応じてその輝度が制御され、すなわち、
虚像形成光学系の輝度が制御される。
【0076】なお、上記の2つの制御を併用する場合に
は、フォトセンサー35の検出信号の急激な変化を捕ら
えて、その検出方向が変化したと判断したり、あるいは
使用者の頭部の動きを機械的に検出して、部分透過型遮
光板の透過率または虚像形成光学系の輝度のいずれか一
方の制御にフォトセンサー35の検出信号を用いるよう
にすればよい。
【0077】上記の各実施例において各構成要件は上記
内容に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能である。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の頭部装着
型表示装置は、虚像形成光学系を使用者の左右の眼のい
ずれにも配置可能とし、その虚像と使用者の眼とが形成
する光軸と使用者が水平方向を見るときの視線とをほぼ
一致させることにより、虚像を一方の眼の前方に視認す
ることができる。このため、虚像を視認する眼の他方の
眼の視野及び、虚像を視認する眼の虚像視野領域の下方
の視野が最大限確保される。従って、キーボード等の入
力手段や資料、原稿を十分に視認可能となり、PCモニ
ターとして好適であるとともに安全性が高い。また、使
用者が水平方向を見るという使用者にとって最も自然な
視線方向で虚像を見続けることができるため、疲労が少
ない。また、虚像を視認する眼を使用者が簡単に選択で
きるため、汎用性、共用性に優れ、使用者が個人の判断
で虚像を視認する眼を左右のどちらでも自由に切り換え
ることが可能である。さらに、単眼視であるため、2眼
視による融像作用や左右の液晶表示素子の画質差を原因
とする疲労は発生しない。また、2眼式のものに比べ
て、軽量、コンパクト、低コスト、簡単な構造となり、
携帯性にも優れる。
【0079】また、虚像を視認する眼の切り換え手段と
して、装置本体に空転保持され使用者の略眼幅方向に延
伸しネジ形状を有する軸に虚像形成光学系を螺着嵌合す
る構成にしたため、その軸を回転させるだけで、極めて
簡単に虚像形成光学系の位置を切り換えることができ
る。また、使用者の略眼幅方向に虚像形成光学系を移動
するため、眼幅の調整を兼用することができる。従っ
て、無理な眼球運動をとらないようにすることができる
ため、使用者の眼幅との不適合による眼の疲労を解消で
きる上に、これら調整機構の構造が簡略化される。
【0080】また、別の切り換え手段として、円筒形断
面の切り換え手段に虚像形成光学系を摩擦嵌合する構成
としたことにより、やはり簡単に虚像形成光学系の位置
を切り換えることができる。また、切り換え手段の断面
が円筒形であるため、その周りに虚像形成光学系を回転
することにより俯角調整をも兼用することができる。
【0081】また、さらに別の切り換え手段として、使
用者の略眼幅方向に形成された溝に虚像形成光学系を摩
擦嵌合する構成としたことにより、簡単かつ安定的に虚
像形成光学系の位置を切り換えることができる。
【0082】また、虚像を視認する眼の他方の眼の前方
に透過率が1より小さい部分透過型遮光板を配置し、そ
の部分透過型遮光板の大きさを虚像視野領域と同一以上
で最適化するとともに、その透過率を最適化したため、
あらゆる照度条件下においても虚像の視認性を確保しな
がら、装着中の前方及び下方の視野を最大限確保して作
業性と安全性を高めることができる。
【0083】また、虚像形成光学系の輝度と使用者の手
元の輝度との関係を最適化することにより、使用者が虚
像を視認するときと手元を視認するときとの明暗差が減
少されるため、疲労を極少化できる。
【0084】また、虚像形成光学系を配置した構造体の
下方に鉛直線から28゜以上の視野を確保できるため、
人間工学的に最適な位置にキーボード等の入力手段を配
置することが可能となり、入力作業を原因とする疲労を
軽減できる。
【0085】また、使用者が虚像を知覚する距離と入力
手段を視認する距離が概ね一致するような構成にしたた
め、虚像視認と入力手段視認との繰り返しにおいて水晶
体の調節作用が不要となり、調節のタイムラグを原因と
する疲労を軽減できる。
【0086】また、虚像と使用者の眼の形成する光軸と
使用者の顔面に対する垂直線とが水平方向においてなす
角度を、輻輳方向をプラスとするときに−1゜〜+5
゜、望ましくは0゜〜1゜に設定したことにより、単眼
視における最も見やすい方向に虚像を視認できるため、
長時間の使用においても疲労の発生は少ない。
【0087】さらに、装置本体の下側に照度(輝度)検
出手段を配置し、使用者の頭の動きに連動して装置本体
の前方の照度と使用者の手元の輝度とを順次検出できる
ようにしたことにより、その検出結果をそれぞれ部分透
過型遮光板の透過率と虚像形成光学系の輝度との最適化
にフィードバックすることが可能となり、部分透過型遮
光板の透過率の最適化及び(あるいは)虚像形成光学系
の輝度の最適化を自動的に実現できるため、使用者の使
用状況に応じて常に最適状態に装置本体が調整されて疲
労が軽減される。
【0088】上記各構成において、部分透過型遮光板の
透過率や虚像形成光学系の輝度を制御する手段として偏
光素子を用いることにより、最も簡単で安価にその調整
手段を形成することができる。また、同手段として液晶
表示素子あるいはフィルム型液晶表示素子を用いること
により、その調整を電気的に容易で安価に行えるととも
に、特にフィルム型液晶表示素子を用いる場合は自由な
曲面により同手段を形成することができる。また、同手
段としてエレクトロクロミック素子を用いることによ
り、光量損失が少なく可変幅の広い同手段を形成するこ
とができる。さらに、同手段として画像表示素子を形成
する照明手段の輝度制御を用いることにより、簡単な回
路付加のみにより目的の手段を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の動作原理を示す斜視図。
【図2】 図1における側面図。
【図3】 本発明の切り換え手段を示す正面図。
【図4】 図3における側面図。
【図5】 本発明の別の切り換え手段を示す正面図。
【図6】 図5における側面図。
【図7】 本発明のさらに別の切り換え手段を示す斜視
図。
【図8】 図7における虚像形成光学系の固定方法の説
明図。
【図9】 本発明の部分透過型遮光板の配置位置を説明
するための平面図。
【図10】 本発明の部分透過型遮光板の大きさを説明
するための模式図。
【図11】 周辺照度と部分透過型遮光板の透過率との
関係の実験結果を表す図。
【図12】 周辺輝度と虚像形成光学系の輝度との関係
の実験結果を表す図。
【図13】 本発明の虚像形成光学系の下方位置を説明
するための図。
【図14】 虚像と入力手段等とを視認するときの距離
の関係を示した図。
【図15】 本発明における虚像の水平方向の形成位置
を説明するための図。
【図16】 本発明における部分透過型遮光板の透過率
制御の一実施例を表し、(a)は回路図、(b)はその
動作波形を示したタイミングチャート。
【図17】 本発明における虚像形成光学系の輝度制御
の一実施例を表す回路図。
【符号の説明】
1 装置本体 2 使用者 3 虚像形成光学系 4 部分透過型遮光板 5 テンプル 6 ヒンジ 7 液晶パネル 8 バックライト 9 画像表示素子 10 反射ミラー 11 レンズ 12 眼 13 光軸 14 虚像 15 軸 16 ネジ部 17 円筒部 18 ノブ 19 ヒンジ部 20 保持部 21 案内軸 22 軸 23 固定ネジ 24 溝 25 腕 26 腕 27 固定ネジ 28 固定つまみ 29 隙間 30 直交面 31 投影面 32 断面 33 死角領域 34 入力手段 35 フォトセンサー 36 方向 37 方向 38 使用者の顔面に対する垂直線 39 光軸 40 一重ハッチング 41 二重ハッチング 42 フォトダイオード 43 レンズ 44 アンプ 45 オペアンプ 46 抵抗 47 スイッチ 48 スイッチ 49 アンプ 50 液晶表示素子 51 アンプ 52 トランジスタ 53 蛍光灯 54 駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 昌史 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 新藤 裕幸 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示素子及び該画像表示素子によっ
    て形成された画像を虚像拡大する拡大光学手段を備えた
    虚像形成光学系と、該虚像形成光学系を収納する装置本
    体と、該装置本体に取り付けられ、前記虚像形成光学系
    を使用者の略眼幅方向に移動自在に保持し、前記虚像形
    成光学系を使用者の左右の眼のいずれか一方に対応して
    配置するための切り換え手段を有し、前記虚像と使用者
    の眼とが形成する光軸と、使用者が水平方向を見たとき
    の視線とがほぼ一致するように、前記画像表示素子及び
    前記拡大光学手段が配置された頭部装着型表示装置。
  2. 【請求項2】 前記切り換え手段は、前記装置本体に空
    転保持され、使用者の略眼幅方向に延伸しネジ形状を有
    し、前記虚像形成光学系が螺着嵌合する軸からなる請求
    項1に記載の頭部装着型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記切り換え手段は、使用者の略眼幅方
    向に延伸し略円筒形断面を有し、前記虚像形成光学系が
    摩擦嵌合する軸からなる請求項1に記載の頭部装着型表
    示装置。
  4. 【請求項4】 前記切り換え手段は、使用者の略眼幅方
    向に形成され、前記虚像形成光学系が摩擦嵌合する溝か
    らなる請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
  5. 【請求項5】 前記虚像を視認する眼の他方の眼の前方
    に設けられ、透過率が1より小さい部分透過型遮光板を
    更に有する請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
  6. 【請求項6】 前記部分透過型遮光板の透過率が3%以
    下である請求項5に記載の頭部装着型表示装置。
  7. 【請求項7】 前記部分透過型遮光板が、前記虚像形成
    光学系が配置された構造体の、使用者の顔面に対する前
    後方向の厚み内に配置される請求項5に記載の頭部装着
    型表示装置。
  8. 【請求項8】 前記部分透過型遮光板の、前記虚像と使
    用者の眼の形成する光軸に対する直交面への投影面が、
    前記虚像形成光学系が形成する虚像視野領域の、前記直
    交面による断面と略相似形状であり、その面積が少なく
    とも同一である請求項5に記載の頭部装着型表示装置。
  9. 【請求項9】 前記部分透過型遮光板の透過率を、前記
    部分透過型遮光板の外表面側の周辺照度に応じて可変制
    御するための制御手段を更に有する請求項5に記載の頭
    部装着型表示装置。
  10. 【請求項10】 前記部分透過型遮光板の透過率は、3
    %以下に制御される請求項9に記載の頭部装着型表示装
    置。
  11. 【請求項11】 前記部分透過型遮光板の透過率は、周
    辺照度が100lx以下のときに増大するように制御さ
    れる請求項10に記載の頭部装着型表示装置。
  12. 【請求項12】 前記部分透過型遮光板は偏光素子から
    なる請求項9に記載の頭部装着型表示装置。
  13. 【請求項13】 前記部分透過型遮光板は、液晶表示素
    子あるいは、変形自在な樹脂の間に液晶を充填してなる
    フィルム型液晶表示素子からなる請求項9に記載の頭部
    装着型表示装置。
  14. 【請求項14】 前記虚像形成光学系の輝度を、装着時
    における前記装置本体の下方でかつ使用者の手元の周辺
    輝度に応じて可変制御するための制御手段を更に有する
    請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
  15. 【請求項15】 前記虚像形成光学系の輝度が、前記周
    辺輝度と略一致するように制御される請求項14に記載
    の頭部装着型表示装置。
  16. 【請求項16】 本頭部装着型表示装置とキーボード等
    の視覚を要する入力手段との併用に際し、前記周辺輝度
    が前記入力手段上の輝度であり、前記虚像形成光学系の
    輝度が前記入力手段上の輝度と略一致するように制御さ
    れる請求項14に記載の頭部装着型表示装置。
  17. 【請求項17】 前記虚像形成光学系の輝度と前記周辺
    輝度とは、略比例関係になるように制御される請求項1
    4に記載の頭部装着型表示装置。
  18. 【請求項18】 前記虚像形成光学系の輝度を可変制御
    するための制御手段は、画像表示素子を形成する照明手
    段の輝度制御からなる請求項14に記載の頭部装着型表
    示装置。
  19. 【請求項19】 前記虚像形成光学系の輝度を可変制御
    するための制御手段は、偏光素子からなる請求項14に
    記載の頭部装着型表示装置。
  20. 【請求項20】 前記虚像形成光学系の輝度を可変制御
    するための制御手段は、液晶表示素子あるいは、変形自
    在な樹脂の間に液晶を充填してなるフィルム型液晶表示
    素子からなる請求項14に記載の頭部装着型表示装置。
  21. 【請求項21】 前記虚像形成光学系の輝度を可変制御
    するための制御手段は、エレクトロクロミック素子から
    なる請求項14に記載の頭部装着型表示装置。
  22. 【請求項22】 前記虚像形成光学系を配置した構造体
    の下方の視界の上端と、使用者が水平方向を見るときの
    視線とのなす角度が、鉛直方向において62゜以下であ
    る請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
  23. 【請求項23】 本頭部装着型表示装置とキーボード等
    の視覚を要する入力手段との併用に際し、使用者が前記
    虚像を知覚する距離と前記入力手段を視認する距離が略
    等しくなるように、前記画像表示素子及び前記拡大光学
    手段が配置された請求項1に記載の頭部装着型表示装
    置。
  24. 【請求項24】 前記虚像と使用者の眼とが形成する光
    軸と、使用者の顔面に対する垂直線とが水平方向におい
    てなす角度が、輻輳方向をプラスとするときに−1゜〜
    +5゜、望ましくは0゜〜1゜となるように、前記画像
    表示素子及び前記拡大光学手段が配置された請求項1に
    記載の頭部装着型表示装置。
  25. 【請求項25】 前記装置本体の下側に照度(輝度)検
    出手段を、使用者の虚像視認時と入力手段視認時とにお
    ける該使用者の頭部の動きに応じて、それぞれ前記部分
    透過型遮光板の外表面側の周辺照度と、前記装置本体の
    下方でかつ使用者の手元の周辺輝度とを検出すべく配置
    し、前記部分透過型遮光板の外表面側の周辺照度に応じ
    て前記部分透過型遮光板の透過率を、及び(あるいは)
    前記周辺輝度に応じて前記虚像形成光学系の輝度を、請
    求項11及び(あるいは)請求項17に記載の関係で自
    動調整することを特徴とする、請求項9または14に記
    載の頭部装着型表示装置。
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