JPH09243956A - 頭部装着型表示装置 - Google Patents

頭部装着型表示装置

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JPH09243956A
JPH09243956A JP8055217A JP5521796A JPH09243956A JP H09243956 A JPH09243956 A JP H09243956A JP 8055217 A JP8055217 A JP 8055217A JP 5521796 A JP5521796 A JP 5521796A JP H09243956 A JPH09243956 A JP H09243956A
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JP8055217A
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Takeshi Kohata
武志 降幡
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡大虚像の視認性を落とすことなく、使用者
の前方視野を確保し、安全性・作業性に優れ、かつ小型
で装着性に富んだ頭部装着型表示装置を実現する。 【解決手段】 使用者1は、拡大虚像3の中心と使用者
1の眼4の回旋点5とを結ぶ光軸6と水平軸7とがなす
仰角8が略23°以下になるように虚像形成光学系2を
配置する。該虚像形成光学系2は、液晶パネル20とバ
ックライト21からなる画像表示素子22と、虚像拡大
手段であるレンズ23と、少なくとも一枚の反射手段で
あるミラー24から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示素子で形
成した画像を虚像拡大して視認する頭部装着型表示装置
に関し、拡大虚像と使用者の眼の形成する光軸が、水平
視に対し上方に傾いている構成に関する。
【0002】
【従来の技術】頭部装着型の情報表示装置の内、視線を
上方に向けて画像を視認する例として、以下の3件の公
知資料が挙げられる。(1)USP No.5,16
2,828、(2)特願平5−283693公報、
(3)特願平6−4243公報である。これらは、1枚
の液晶表示素子で形成した画像をレンズで虚像拡大し
て、使用者の視野の上方に表示し、単眼視する物であ
る。
【0003】また、データ用ディスプレイとしては、特
願平5−100192公報に記載の眼鏡型ディスプレイ
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の従来技術は、共
通して情報量が少ないといった問題点がある。しかも、
付属の時計あるいはスピード計等の限られた情報源の表
示しかできない。そのため、近年求められている携帯型
ディスプレイとして、使用者のニーズにあった最適な装
置ではなかった。また、虚像拡大された画面を視認する
角度が、固定されているため汎用性に欠け、使用者の眼
に負担がかかり、疲労をもたらす原因になる。
【0005】後者においては、虚像形成光学系が眼前に
配置されているため、使用者の周辺視野を抑制するため
圧迫感があり、使用者が安全に作業できない事、さらに
装置本体前方に重量がかかり、装着ズレや重量バランス
が悪いといった問題があった。また、前方視野を確保す
るために、ハーフミラーを使ったシースルータイプの頭
部装着型表示装置もあるが、画像情報のコントラストが
悪くなり、眼への疲労をもたらしている。
【0006】本発明は、上記問題を解決するためのもの
であり、その目的とするところは、第一に画像情報の視
認性を落とさず使用者の前方視野を確保し、より安全に
作業できる様な構成を提案し、第二に重量バランスの良
い装着性に富んで疲労の少ない頭部装着型表示装置を実
現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1によれば、画像表示素子と該画像表示素子
によって形成した画像を、虚像拡大する拡大光学手段か
らなる虚像形成光学系を装置本体に収納し、装置本体を
頭部に装着して使用者の左右いずれか片方の眼、もしく
は両眼にそれぞれ対応した虚像形成光学系によって拡大
虚像を視認する頭部装着型表示装置において、拡大虚像
の中心と使用者の眼の回旋点とを結ぶ光軸が、使用者が
水平方向を見るときの視線方向から上方に略23°以下
であり、かつ拡大光学手段により虚像拡大された画像
が、少なくとも1枚の反射手段により反射され、使用者
の視認眼に結像されることを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、使用者の前方視野を十
分確保できるため、安全性に富み、作業性にも優れる。
また、後述する本出願人の実験によれば、画面中心が水
平方向に対して上方約23°以下であれば、画像情報を
無理なく視認できる事が確認されている。さらに、画像
情報を必要なときだけ上方視して視認すれば良いため、
画面を見続けることで発生する疲労についても抑えるこ
とが出来る。さらに、虚像形成光学系の突出量が減るた
め、装置本体を小型化でき、虚像形成光学系を使用者の
頭部に近い位置に配置できるため、重量バランスが良
く、装着ズレを防止できる。
【0009】請求項2によれば、虚像拡大された画像
を、使用者の眼に結像される直前で反射する為に配置さ
れた反射手段が、ハーフミラーであることを特徴とす
る。
【0010】上記構成によれば、通常のシースルーと同
様の効果が得られ、通常シースルー化にする際に発生す
る画像情報のコントラスト低下がない分、視認性に優れ
たディスプレイを提供できる。また、使用者の前方視野
に加えて、上方視野も確認できるため安全性に富む。
【0011】請求項3によれば、拡大光学手段により虚
像拡大された画像は、該画像が入射する第一プリズム入
射面と、該第一プリズム入射面から出射された前記画像
を全反射するための第二プリズム反射面と、該反射画像
を屈折して出射する第三プリズム出射面から構成された
三角プリズムにより、視認眼に結像することを特徴とす
る。
【0012】上記構成によれば、ミラーに対してプリズ
ム自体を小型で突出量が少なく出来るため、虚像形成光
学系をさらに小型化できる。
【0013】請求項4によれば、画像表示素子によって
形成された画像は、第一プリズム入射面の位置に設けた
凸面型の拡大光学手段により拡大され、該拡大虚像を全
反射するための第二プリズム反射面と、該反射画像を屈
折して出射する第三プリズム出射面から構成された三角
プリズムにより、視認眼に結像することを特徴とする。
【0014】上記構成によれば、プリズムとレンズの配
置を個々に行うことがないため、機構部品の削減によ
り、コスト削減にもつながる。また、画像表示素子とレ
ンズと眼の位置出し、つまりアライメントが簡単で、誤
差の発生を抑えることが出来るため、視認性の低下を防
げる。
【0015】請求項5によれば、拡大虚像の中心と使用
者の眼の回旋点とを結ぶ光軸が、前記使用者が水平方向
を見るときの視線方向から上方に略23°以下の範囲
で、拡大虚像の画面位置を垂直方向に調整する調整機構
を有することを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、使用者によって顔の形
や眼鏡使用の有無など、個人個人の使用形態のばらつき
に対応できるため、汎用性・共用性に富み、使用者が視
認しやすい位置に設定できるため、無理のないモニタリ
ングにより疲労防止にもつながる。請求項6によれば、
虚像形成光学系は、少なくとも眼幅Bを包括する一枚の
拡大光学手段と、該拡大光学手段に入射する画像を形成
するための一枚の画像表示素子から構成されることを特
徴とする。
【0017】上記構成によれば、装置本体におけるディ
スプレイが1つで済むため、低パワー・軽量化につなが
る。さらに、単眼視における視野闘争や、2つのディス
プレイを左右されぞれの眼で視認するときの眼幅調整等
がなく、簡単な構成で視認性の高いディスプレイを提供
できる。
【0018】請求項7によれば、虚像形成光学系に配置
した画像表示素子のアスペクト比(垂直/水平=K)
が、K=0.75〜0.3であることを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、垂直方向の画像情報が
減るため、上方視する角度も下がり、疲労防止効果があ
る。
【0020】請求項8によれば、画像表示素子が、拡大
虚像の中心と使用者の眼の回旋点とを結ぶ光軸に対して
傾けて配置されたことを特徴とする。
【0021】上記構成によれば、画像表示素子を傾けた
分、虚像画面の上端角度を下げることができ、上方視す
る為に使用している筋肉の負荷が低減できるため、疲労
低減効果があり、かつ虚像形成光学系の小型化にもつな
がる。
【0022】請求項9によれば、拡大光学手段は、拡大
虚像の中心と使用者の眼の回旋点とを結ぶ光軸に対して
傾けて配置された画像表示素子と、略平行になるように
配置したことを特徴とする。
【0023】上記構成によれば、画像表示素子と拡大手
段との光路差が、画像表示素子の上下で一定になるた
め、拡大虚像で発生する拡大光学手段の収差が低減し、
視認性を落とさずに使用者の上方視する角度を抑えるこ
とが出来る。
【0024】請求項10によれば、使用者の眼に結像さ
れる画像は、画像表示素子により形成された画像Aと、
前記画像表示素子の画面上部に設けた外景情報取り入れ
窓から入射した外景情報Bから構成され、前記画像Aと
前記外景情報Bを近接して表示することを特徴とする。
【0025】上記構成によれば、人間の視野の上側の限
界は約50°まであるが、35°以上の情報ははっきり
認識できないだけで、情報の存在は認識している。そこ
で、上方の視野を広げることで知覚限界に対する感覚が
緩み、今まで限界と感じていた範囲も許容範囲の中に納
まる事が出来る。その結果、眼にかかる負荷を低減する
ことができる。
【0026】請求項11によれば、画像表示素子と該画
像表示素子によって形成した画像を、虚像拡大する拡大
光学手段からなる虚像形成光学系を装置本体に収納し、
装置本体を頭部に装着して使用者の左右いずれか片方の
眼、もしくは両眼にそれぞれ対応した虚像形成光学系に
よって拡大虚像を視認する頭部装着型表示装置におい
て、拡大虚像上の注視点位置を検出するための視線位置
検出手段と、該視線位置検出手段による検出結果と使用
者があらかじめ設定した基準領域(左右上下画角が各5
°の弁別視野領域)との位置を比較するための比較手段
と、該比較手段の比較結果に応じて、拡大虚像の画面位
置を制御するための画面位置制御手段を装置本体内に有
し、画面位置制御手段によって拡大虚像の画面位置を制
御することを特徴とする。
【0027】上記構成によれば、拡大虚像の四端近傍に
ある情報を、人が瞬時に情報検出できる範囲内(弁別視
野領域)に画面情報を設定できるため、無理な上方視に
よる眼への負担が防止できるとともに、一定位置で視認
する事ができ、使用者が行う眼球運動をより安定させる
ことができるため、疲労低減にもつながる。
【0028】請求項12によれば、拡大虚像の中心と使
用者の眼の回旋点とを結ぶ光軸と、水平方向とがなす角
度を検出する視線角度検出手段と、該視線角度検出手段
の検出結果と拡大虚像の下端角度とを比較するための比
較手段と、該比較手段の比較結果に応じて、画像表示素
子及び駆動回路に供給するパワーを制御するためのパワ
ー制御手段を装置本体内に有し、パワー制御手段によっ
て画像表示素子に供給するパワーを制御することを特徴
とする。
【0029】上記構成によれば、使用者が視認していな
い間のパワーがセーブできるため、システム全体の稼働
時間が長くなり、携帯型の表示システムとしてより利便
性が向上する。
【0030】請求項13によれば、使用者の首の角度を
検出する角度検出手段と、該角度検出手段の検出結果に
応じて、拡大虚像の画面上端位置を制御するための画面
位置制御手段を装置本体内に有し、画面位置制御手段に
よって拡大虚像の画面上端位置を制御することを特徴と
する。
【0031】上記構成によれば、使用者が上方を視認す
るときに首が動いても、拡大虚像画面の上端位置は変化
しないので、無理な首の動きを誘発せず、首や肩も疲れ
ないため、安定した状態で作業できる。
【0032】ことを特徴とする頭部装着型表示装置。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照にして詳述する。
【0034】(第一の形態)図1、図2、図3は、本発
明の第一の形態における頭部装着型表示装置の概念図と
光学配置を表し、図1の(a)は使用者と虚像の位置関
係を側面と頭上から見た構成図、(b)は単眼視した場
合の構成図であり、図2は光学配置の側面図、図3の
(a)は反射手段を2枚配置した場合の側面図、(b)
は同様に3枚の場合の側面図である。
【0035】図1の(a)において、使用者1は虚像形
成光学系2を、拡大虚像3の中心と使用者1の眼4の回
旋点5とを結ぶ光軸6と、水平軸7とのなす角が上方に
約23°となる仰角8の位置に配置すれば、虚像形成光
学系2により虚像拡大された画面情報を約700mm先
に視認する事が出来る。この時に使用者1が視認する拡
大虚像3の垂直画角9は、光軸6を中心に両側9°ず
つ、合計18°確保されている。
【0036】虚像形成光学系2を使用者1の左右の眼
(4−1,4−2)の前にそれぞれ配置した場合の拡大
虚像3は、使用者1の眼幅10の半分の位置11を中心
に使用者1の前方約700mm×COS23°の位置
に、15”相当の大きさの拡大虚像3として視認する事
が出来る。この時の水平画角12は、使用者1の眼幅1
0の中心から両側12°ずつ、合計24°確保されてい
る。
【0037】同様に(b)は、虚像形成光学系2を左右
どちらか片方の眼4−2の前方だけに配置した場合で、
両眼視の場合と同じ拡大虚像3を視認眼の前方で視認す
る事になる。
【0038】表1は、上方視して画像情報を視認する事
ができる限界点について調べた結果である。
【0039】被験者5人に対して、以下の2つの指標を
視認してもらい、指標の上端付近の画像情報を、余り疲
労を感じることなく作業できる限界(以下、許容限界と
称する)と、認識が曖昧になる限界(以下、限界と称す
る)を調べた。2つの指標を設けた理由は、視認眼によ
る違いの把握と、虚像と実像の両方について確認するた
めである。測定した仰角は、指標の中心位置と水平方向
とのなす角である。
【0040】上記の虚像形成光学系2と同じ構成で作
った17”の拡大虚像を片眼で視認(但し、虚像位置=
620mm前方,水平画角=30°,垂直画角=24
°) 150mm前方に約4”の指標(実像)を両眼で視認
(の拡大虚像と同じ画角の実像に相当する) 表中の※印は、眼鏡使用者が眼鏡によって画像情報が蹴
られる角度を表す。
【0041】
【表1】
【0042】測定結果から、以下の点について確認でき
た。
【0043】・限界点については、どちらの指標におい
ても同様なレベルで、画面上端部の角度は約39°であ
る。
【0044】・許容限界については、単眼で虚像を見た
場合と両眼で実像を見た場合で多少違いはあるが、画面
中央で約17°〜20°、画面上端で約29°〜32°
の位置付近に存在する。
【0045】とで違いが出た理由は、レンズを使っ
て虚像拡大するの場合はレンズの性能に左右される
事、単眼より両眼視した方が知覚(認識)能力が高い
事、 の場合の画面周辺に設けた見切りによって視
野範囲が制限され、圧迫感が あり限界と感じる点が
低くなった事などが考えられる。
【0046】・眼鏡使用者の限界は、顔や眼鏡の形状に
より差はあるが、視認不可能の場合と眼鏡で蹴られる場
合とが半々であり、予想される画面上端部の角度は約3
5°〜40°付近である。
【0047】ここで、人間の視野は上方約35°以下で
あれば、自然な状態に近い情報受容が可能である事が論
文等の公知資料によってわかっている。また、眼の回旋
点から眼鏡までの距離が35mm、レンズ径が約46m
mである事から、眼鏡使用時に眼鏡から画面情報が蹴ら
れる角度は約33°になる。従って、画像上端部の上方
視限界を32°以下に設定すれば蹴られる事なく視認で
きる。
【0048】さらに、拡大虚像の画角について、実験に
用いた垂直画角24°の場合、最小文字サイズでの視角
が約0.7°であり、西ドイツのDIN規格から見て十
分過ぎる大きさのため、垂直画角を18°に変更した。
この場合の視角は約0.6°であり、この値でも十分認
識が可能である。
【0049】以上より、画像情報の中心における仰角は
約23°と設定でき、そのときの画面下端は約14°の
位置に配置されてる。ここで、従来の水平視認する頭部
装着型表示装置における垂直画角は約20°前後であ
り、この時の画像上端は水平方向から約10°上方の位
置に配置される。よって、本発明の画像下限は、従来の
頭部装着表示装置の画像上端より上方にあり、前方視野
が十分に確保された事がわかる。
【0050】また、虚像形成位置は使用者の約700m
m前方にあり、上述のDIN規格に書かれているディス
プレイの視認距離としての最適な位置に設定できる。
【0051】図2において、虚像形成光学系2は、液晶
パネル20とその後方から液晶パネル20を照射するた
めのバックライト21からなる画像表示素子22と、拡
大光学手段であるレンズ23と、反射手段であるミラー
24から構成される。画像表示素子22より出射された
画像25は、レンズ23によって虚像拡大され、ミラー
24によって光路が変更され、使用者1の虚像視認眼4
内に結像される。この時、レンズ23の物体側焦点より
レンズ側に画像表示素子22の像形成面を配置し、かつ
レンズ23の像側焦点近傍に虚像視認眼4を配置するこ
とで、レンズ23の結像作用によって虚像形成光学系2
の光軸の延長線上に画面情報の拡大虚像3を視認する事
が出来る。
【0052】また、使用者1は眼鏡27を装着したまま
装置本体26を頭部に装着しても、最も使用者1に近い
画像25の下端25−2とは接触せず、かつ画像25の
上端25−1が眼鏡27の上端から蹴られることはな
い。
【0053】点線で示した虚像形成光学系28は、通常
の水平視して視認する頭部装着型表示装置の虚像形成光
学系の場合であり、本発明の虚像形成光学系2よりも突
出量が多く、さらに、虚像形成光学系28の重心2は、
画像25線上にあるのに対して、本発明の虚像形成光学
系2の重心1は、画像表示素子22の端とミラー24の
端との中間点にあり、前述の重心2よりも使用者1側に
設定できるため、使用者1の前方にかかる荷重を低減す
ることができる。
【0054】図3の(a)において、画像表示素子22
から出射した画像25は、反射手段であるミラー24−
1によって光路が変更され、拡大光学系であるレンズ2
3で虚像拡大された後、ミラー24−2で再び光路が変
更され、使用者1の視認眼4内で結像される。(b)も
同様に、レンズ23で虚像拡大された画像25が、ミラ
ー24−2とミラー24−3で反射された後、視認眼4
内で結像される。
【0055】ここで、使用者1の眼4に結像される直前
に配置された、図2のミラー24及び図3(a)の24
−2、(b)の24−3をハーフミラーに置き換えるこ
とで、使用者1が外景情報を視認するためのシースルー
機能を付加することができる。これにより、頭部装着型
表示装置を使用しない場合とほぼ同程度の前方視野が確
保でき、より安全に作業できる。
【0056】本実施例によれば、使用者の前方視野と上
方視野が十分確保できるため、安全性に富み、眼前での
作業性にも優れる。また、虚像画面の中心と水平方向と
がなす仰角が約23°以下であれば、画像情報を無理な
く視認できるため、従来の頭部装着型表示装置と同じ視
認性が得られる。さらに、画像情報を必要なときだけ上
方視して視認するため、画面を見続ける従来型の表示装
置より、疲労を抑えることができる。また、虚像形成光
学系の突出量が少なくても1割〜2割削減でき、重心位
置も使用者側に設定できるため、装置本体の小型化や、
装着時の重量バランスの改善による装着ズレ防止にも役
立つ。加えて、通常のシースルー機能で得られる外景情
報がシースルーせずに得られ、通常ハーフミラーで発生
する画像情報のコントラスト低下がない分、視認性に優
れたディスプレイを提供できる。
【0057】(第二の形態)図4は、本発明の第二の形
態における頭部装着型表示装置の光学配置を表し、
(a)はプリズムを使った虚像形成光学系の側面図、
(b)はプリズムの一辺がレンズで形成された虚像形成
光学系の側面図。なお、第一の形態と同様の部分につい
ては、同一符号を付して説明を省略する。
【0058】図4の(a)において、虚像形成光学系2
は、画像表示素子22と、拡大光学手段であるレンズ2
3と、三角プリズム30から構成される。画像25は、
レンズ23によって虚像拡大された後、第一プリズム入
射面30−1によって屈折されて光路が変更される。該
屈折された画像25が、プリズムの一辺に一体成形され
た第二プリズム反射面30−2のミラーで全反射され、
第三プリズム出射面30−3で使用者1の視認眼4内で
結像できるよう光路が再び変更される。ここで、第二プ
リズム反射面30−2は、前述のような一体成形でなく
ても、プリズム30の後方からミラー等を接着した物で
も良い。
【0059】(b)においては、構成はほぼ(a)と同
じであるが、拡大光学手段であるレンズ23を前述の第
一プリズム入射面30−1の位置に、凸面型のレンズと
して組み込んだプリズムレンズ31を配置することで、
画像表示素子22から出射された画像25を虚像拡大す
るのと同時に、その光路方向を変更する事ができる。
【0060】本実施例によれば、画像の光軸をプリズム
30によって屈折する事で、ミラー24により単純に反
射されるよりも、反射面を小型で突出量が少なくでき
る。さらに、虚像形成光学系の重心を従来型と同様に画
像軸上に配置できるため、簡単な機構形状にする事がで
きる。
【0061】また、プリズムレンズ31を配置すること
によって、構成部品が削減でき、取り付け機構や光学ア
ライメントが簡単化できるため、光学設計・組立での誤
差の発生を抑え、視認性の低下を防く効果もある。
【0062】(第三の形態)図5は、本発明の第三の形
態における頭部装着型表示装置の上方視する仰角の調整
機構を表し、(a)は側面図で、(b)は頭上から見た
図である。上述の実施形態と同様に、同様の部分につい
ては同一符号を付して説明を省略する。
【0063】(a)において、虚像形成光学系2は、前
述のように画像表示素子22とレンズ23とミラー24
で構成されている。この虚像形成光学系2の側面に固定
された接合部材40は、眼4の回旋点5を中心に回転
し、かつ装置本体26の両側に設けられたノブ41によ
って摩擦嵌合され、使用者1の眼前の上方向約23°以
下の任意な位置に固定できる。ここで、接合部材40と
ノブ41で摩擦嵌合される部分が、互いに平らな面同志
であっても、それぞれの接触部に配置した波形の凹凸部
材で摩擦嵌合させても良い。
【0064】(b)における装置本体26は、使用者1
の眼4の回旋点同志を結んだ線42の延長上で、ノブ4
1により接合部材40と摩擦嵌合する事で固定される。
【0065】また、眼4の回旋点5を中心として虚像形
成光学系2の回転する軌跡上に、虚像形成光学系2の角
度を調整するためのガイドを設けて、該ガイドに沿って
虚像形成光学系2をスライドさせても良い。本実施例に
よれば、使用者によって顔の形や眼の位置、眼鏡使用の
有無などの、個々の使用形態のばらつきにも対応できる
ため、汎用性・共用性に富む。また、使用者の好みによ
って上方視する角度が調整できるため、使用者が最も視
認しやすい位置に設定すれば、無理のないモニタリング
が可能で、疲労防止にもつながる。さらに、平行視して
視認すれば、通常の頭部装着型表示装置と同様の使い方
もでき、利便性にも優れる。
【0066】(第四の形態)図6は、本発明の第四の形
態における頭部装着型表示装置で、両眼で一つのディス
プレイを見るための光学配置構成図である。また、上述
した実施形態と同様に、同様の部分については同一符号
を付して説明を省略する。
【0067】使用者1は、一枚の画像表示素子22から
出射した画像25−1,25−2を、一枚のレンズ23
によって虚像拡大し、使用者1の前方Lの位置に、拡大
虚像3を両眼(4−1,4−2)で視認する。前述の場
合と違なり、両眼に対してレンズ23が一枚しか配置さ
れていないため、水平方向のレンズ長Yが少なくても眼
幅を包括する必要がある。ここで、画像表示素子22と
レンズ23の間の距離、レンズ23と眼4の間の距離を
レンズ23の焦点距離fに設定する。また、眼幅10の
距離Bを標準的な最大値とされている72mm、虚像の
大きさを15”、虚像幅をAとする。
【0068】レンズ23は、使用者1の眼幅10の距離
Bに加えて、左右の眼から(A−B)/2だけ外側の虚
像を視認するだけの長さXが必要であり、その時のレン
ズ23の長さY=2X+Bである。Xは、次のように計
算できる。
【0069】各眼(4−1,4−2)の法線(11−
1,11−2)から虚像端までの距離=(A−B)/2
であり、虚像までの距離L=700mm×Cos23°
であるから、各眼の法線と虚像端のなす角αは、α=T
an−1((A−B)/2L)になる。レンズ23と眼
4の回旋点5との距離は、レンズ23の焦点距離fであ
るから、X=f×Tanαで計算できる。
【0070】従って、レンズ長Y=2f×Tanα+B
を満たすレンズ23を配置すれば、一枚の画像表示素子
22で形成した画像25を両眼で視認することができ
る。
【0071】上述した画像表示素子22は、NTSC標
準TV信号のアスペクト比(垂直/水平=K)であるK
=0.75〜0.3であればいずれでも良い。ここで、
K=0.3の画像表示素子22の垂直画角9は、K=
0.75の物に比べて約半分になる。
【0072】本実施例によれば、装置本体内の虚像形成
光学系が1つで済むため、低パワー・軽量化につなが
り、携帯型表示装置として最適である。さらに、単眼視
における視野闘争を防止できる事、2つの虚像形成光学
系を左右されぞれの眼に配置して視認する場合、眼幅調
整や個々の虚像形成光学系での視度調整が不要となり、
簡単な構成で視認性の高いディスプレイを提供できる。
【0073】また、横長表示の画像表示素子を用いるこ
とで、垂直方向の画像情報が減るため、上方視する角度
を下げられ、眼球運動の運動量が減り疲労防止にもな
る。
【0074】(第五の形態)図7は、本発明の第五の形
態における頭部装着型表示装置の光学配置を表し、
(a)は側面図、(b)は使用者と虚像との関係を表す
構成図である。上述の実施形態と同様に、同様の部分に
ついては同一符号を付して説明を省略する。
【0075】(a)における画像表示素子50は、拡大
虚像3の中心と使用者1の眼4の回旋点5とを結ぶ光軸
6に対してある角度βだけ傾けて配置される。ここで、
画像表示素子50から出射した画面中心の画像51は、
上述した画像25の光路と同じである。しかし、画面上
端の画像51−1と画面下端の画像51−2は、点線で
示した前述の虚像形成光学系2で形成した画像25の両
端画像に比べて、内側を通って使用者1の眼4に導かれ
る。
【0076】さらに、レンズ23を上述した画像表示素
子50に対して略平行に配置すれば、画面端の画像(5
1−1,51−2)の光路差が、レンズ23と画像表示
素子50の間で等しくなるため、レンズ23で発生する
収差が抑えられ、拡大虚像52の視認性の低下を防止で
きる。
【0077】(b)において、(a)で形成された拡大
虚像52は、上述の虚像形成光学系2で形成された拡大
虚像3の画面上端位置に対して移動するため、画面上端
と眼4の回旋点5を結ぶ光軸6が水平軸7となす角γ
は、垂直画角9より小さくなる。ここで、γは以下の計
算により求まる。
【0078】まず、画像表示素子50を角度βだけ傾け
ると、拡大虚像52も同様に傾く。この時の画面上端の
位置は、高さC=ACosβ,眼4からの距離L’=7
00+ASinβで表され、画面上端の角度γは、γ=
Tan-1(C/L’)となる。同様に画面下端について
も計算できるが、その変化分が少ないのでここでは省略
する。
【0079】また、画像表示素子50を傾けたことによ
って、画面の上下で虚像形成距離・画角が変化するた
め、使用者1は画面上下端の拡大虚像3を視認する際、
眼4の調節・輻輳機能を働かせることになる。しかし、
画像表示素子50の傾け角βが45°以下であれば、調
節幅は0.5ディオプター(以下Dと称し、医学・光学
用語で距離の逆数を表す)の範囲内にあり、そこでは完
全に調節と輻輳が合っていなくても、眼4が調整機能を
勝手に働く許容範囲である。この多少の自動調整におけ
る許容範囲が約0.5D程度であり、上記の調節範囲内
であれば問題なく視認できる。
【0080】本実施例によれば、画像表示素子を傾けた
分、虚像画面の上端角度を下げることができ、上方視す
る為に動く外眼筋に負担がかからず、疲労防止効果があ
るとともに、虚像形成光学系自体の小型化も可能であ
る。
【0081】また、画像表示素子とレンズを平行に配置
することで、画像表示素子からレンズまでの画面上下像
の光路差が一定にできるため、レンズで発生する収差を
抑え、視認性を落とす事なく上方視する角度を抑えるこ
とが出来る。
【0082】(第六の形態)図8は、本発明の第六の形
態における頭部装着型表示装置の画面上端の視野を拡大
した光学配置の構成を表し、(a)は側面図、(b)は
拡大虚像の構成図である。上述の実施形態と同様に、同
様の部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0083】(a)において、使用者1は、上述した画
像表示素子22によって形成された画像A部と、その画
像表示素子22の画面上部に設けた外景情報取り入れ窓
から入射する外景情報B部から構成された画像Zを、レ
ンズ23により虚像拡大し、ミラー24によって全反射
後、それぞれの画像(A部とB部)が近接した状態で眼
に結像させる。この時、外景情報B部は、垂直画角9の
2割程度の大きさを有していれば十分であり、表示内容
については外景情報B部の他に、LED70を使った警
告表示でも良い。
【0084】(b)の左側は、(a)によって形成され
た虚像画面Zを表し、右側が前述までの虚像形成光学系
2で形成した虚像画面3である。虚像画面Zは、虚像画
面A部の上に近接して外景情報B部を配置したことにな
るが、使用者1が実際にモニタリングするのは左側の点
線以下のA部の情報である。
【0085】第一の形態の中で述べたように、人間の上
方視野の範囲は約50°以下であり、35°以上にある
情報は存在のみを認識する程度しかできない。しかし、
情報の認識領域を広げることによって、上方視の視認限
界点に対する感覚が鈍り、相対的に上方視して情報を認
識できる範囲が広がる。従って、垂直画角9の2割の外
景情報70を設ける事で、使用者1が上方視する角度は
約35°になるが、情報の認識領域としては十分な範囲
内である事がわかる。
【0086】本実施例によれば、人間が自然な状態で認
識できる上方視野の35°以下に拡大虚像とは別に、外
景情報などを表示することで、知覚限界に対する感覚を
緩め、今まで限界と感じていた位置を許容範囲の中に納
める事が出来る。その結果、疲労抑制につながる。
【0087】(第七の形態)図9は、本発明の第七の形
態における頭部装着型表示装置の視線検出結果により画
面位置を調整する手段について表し、(a)は視線検出
方法を説明する図、(b)は画面位置調整手順を説明す
る図である。上述の実施形態と同様に、同様の部分につ
いては同一符号を付して説明を省略する。
【0088】まず、虚像形成光学系2の側面に、使用者
1の眼4に向かって平行光80を出射する光源を配置す
る。
【0089】(a)において、眼4の内部で平行光80
が角膜で反射して角膜反射像Pを形成する。この角膜反
射像Pが、眼球運動によってP’に移動する様子を観察
するためにCCDカメラを装置本体26内に配置する。
点Cは眼4の回旋点5であり、点Oは角膜中心を表す。
【0090】ここで、眼4の光軸6が角度δだけ回転す
ると、角膜の曲率中心Oと眼4の回旋点5位置が違うた
め、角膜中心OはO’へ移る。この時、角膜反射像Pは
P’に移動し、その移動量d=OCSinδとなり、こ
のdから視線位置の検出ができる。
【0091】(b)は、(a)で検出した視線位置に応
じて画面位置を調整する様子を、矢印に沿って示す。最
初の画面状態において、垂直・水平軸が81,82、注
視点83、虚像画面3、使用者1が設定する知覚能力の
高い基準領域(左右・上下画角が各5°の弁別視野領
域)84を表す。
【0092】注視点83に対する画面端までの距離を比
較手段により計算する。次に、画面位置制御手段によっ
て垂直方向の距離i分だけ画像表示素子22の書き込み
開始位置を遅らせた縮小画面85が形成される。同様に
して、水平方向に距離jだけ縮小された画面86ができ
る。注視点83は、注視点87に移動した事になり、最
も知覚能力の高い基準領域84に近い位置で使用者1は
画面を視認することができる。この時の画面中心を示す
垂直・水平軸は、81’,82’にそれぞれ移動する。
【0093】本実施例によれば、視線位置検出によっ
て、拡大虚像の四端近傍にある情報を、人が瞬時に情報
を知覚できる知覚能力の高い弁別視野領域付近で視認で
きるため、無理な上方視による眼への負担が低減できる
とともに、眼球運動が少なく安定した位置で視認する事
ができる。
【0094】また、拡大虚像の四隅ではレンズによる様
々な収差の発生が顕著に出るが、上記の結果から収差発
生の少ないレンズ中心付近で視認可能なため、拡大虚像
の視認性が良く、レンズ設計も簡単できるようになる。
【0095】(第八の形態)図10は、本発明の第八の
形態における頭部装着型表示装置の視線角度検出結果に
よりパワーを制御する手段のフローチャートを表す。上
述の実施形態と同様に、同様の部分については同一符号
を付して説明を省略する。
【0096】使用者1は、装置本体26を頭部に装着し
作業をスタートする。まず、虚像形成光学系2の位置を
仰角8が23°以下の範囲で任意に合わせる。そこから
決まる画面下端の角度を使用者1が設定する。次に、平
行光80を画面下端角度に合わせたら、視線角度検出を
開始する。第七の形態で記述したように、平行光80で
形成される角膜反射像Pの眼球運動によって移動する移
動量dをCCDカメラで測定し、移動量dより視線角度
を算出する。次に、視線と画面下端の角度を比較手段に
より比較し、視線角度<画面下端角度の場合には、使用
者1は前方視野領域での作業中であり、拡大虚像3をモ
ニタリングしていないと判断し、パワー制御信号をパワ
ー制御回路へ出力する。パワー制御回路では、その信号
を受けて画像表示素子22及び駆動回路へ供給するパワ
ーを一旦停止する。また、視線角度>画面下端角度の場
合には、使用者1が拡大虚像3をモニタリングして作業
していると判断でき、画像表示素子22及び駆動回路に
パワーを供給し続ける。
【0097】本実施例によれば、視線角度検出手段から
使用者のモニタリング状況を調べ、拡大虚像を視認して
いない間のパワーがセーブできるため、電池などで駆動
する携帯型表示装置の場合には、システム全体の稼働時
間が長く維持できるため、最適な携帯型表示システムを
提供できる。
【0098】(第九の形態)図11は、本発明の第九の
形態における頭部装着型表示装置の角度検出結果から画
面位置を調整する手段について表し、(a)は角度検出
の方法とその時の虚像を説明する図、(b)は虚像画面
位置の変化を説明する図である。上述の実施形態と同様
に、同様の部分については同一符号を付して説明を省略
する。
【0099】(a)における上の図は、前述のように使
用者1が上方視して虚像形成光学系を視認している状態
である。ここで、装置本体26内に角度検出手段である
ジャイロ90等を収納し、該ジャイロ90の垂直軸91
は眼4の回旋点5の延長線上にあり、水平軸92は使用
者1が水平視したときの方向に設定する。
【0100】下の図は、使用者1が上方視するために
頭、つまり首を動かして上方視した状態を表し、ジャイ
ロ90の水平軸92と新しい水平視方向92’とのなす
角度φ分だけ首が動いた事になる。この時の拡大虚像9
3の位置は、元の拡大虚像3の位置に比べて、首の動い
た角度φ分だけ上方向に移動量94だけ移動する。
【0101】そこで、(b)に示すように、ジャイロ9
0によって検出した首の角度φから、元の拡大虚像3に
対して拡大虚像93が移動した移動量94を計算し、画
面位置制御手段によって画面上端部をその移動量94分
だけ下げて画面を書き込み、制御画面95が形成され
る。この結果、画面上端部の位置を仰角8が常に略23
°以下に保つことができる。また、上述した首の動きと
は逆に、下を向いた場合にも同様の調整を行っても良
く、その場合には画面下端の位置を一定に保てる。
【0102】本実施例によれば、使用者が上方を視認す
るときに首を動かしても、拡大虚像画面の上端位置は変
化しないため、無理な首の動きを誘発せずに済むため、
首や肩が疲れず、安定した状態で作業できる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の頭部装着
型表示装置は、使用者の前方視野と上方視野が十分確保
できるため、安全性に富み、眼前での作業性に優れる。
さらに、画像情報を必要なときだけ上方視して視認する
ため、画面を見続ける従来型の表示装置より、疲労を抑
えることができる。また、虚像形成光学系の突出量が減
るため、装置本体が小型化でき、重心位置も使用者に近
い位置に設定できるため、装着時の重量バランスが改善
され、装着ズレ防止にもつながる。加えて、通常のシー
スルー機能で得られる外景情報を、シースルーをせずに
得られ、かつハーフミラーで発生する画像情報のコント
ラスト低下がない分、視認性に優れたディスプレイが提
供できる。
【0104】プリズムを用いた屈折光学系により、反射
部を小型で突出量が少なくでき、かつ虚像形成光学系自
体の構造を簡単な形状にすることができる。さらに、プ
リズムレンズを配置することによって、構成部品の削
減、取り付け機構や光学アライメントが簡略化ができ、
光学設計や組立誤差を抑えられ、視認性の低下を防く効
果がある。
【0105】上方視角の調整が可能なので、使用者の顔
の形や眼の位置、眼鏡使用の有無などの、個々の使用形
態のばらつきにも対応できるため、汎用性・共用性に富
む。また、使用者の好みによって上方視する角度が調整
できるため、使用者が最も視認しやすい位置で無理のな
いモニタリングができ、疲労防止にもつながる。さら
に、平行視して視認するように調整すれば、通常の頭部
装着型表示装置と同様の使い方ができるため、利便性に
も優れる。
【0106】両眼で1つの虚像形成光学系を視認できる
ため、低パワー・軽量化の観点から、携帯型表示装置と
して優れる。さらに、単眼視における視野闘争を防止で
きる事、2つの虚像形成光学系の眼幅調整や視度調整が
不要となり、簡単な構成で視認性の高いディスプレイを
提供できる。また、横長表示の画像表示素子を用いるこ
とで、垂直方向の画像情報が減るため、上方視する角度
を下げられ、眼球運動の運動量が減り疲労防止にもな
る。
【0107】また、画像表示素子を傾けて配置すれば、
虚像画面の上端角度が下がり、疲労発生を抑える効果が
あるとともに、虚像形成光学系自体の小型化も可能であ
る。さらに、レンズを画像表示素子と略平行に配置すれ
ば、画面上下の画像光の光路差が画像表示素子からレン
ズまで一定にできるため、拡大虚像で発生する収差を抑
えられ、視認性の低下を抑えることが出来る。
【0108】さらに、画面上部に外景情報を取り入れて
視野を広げることで、上方視における知覚限界の感覚が
緩み、視認限界の許容範囲内に画面上端部を設定できる
ため、眼球運動を司る外眼筋にかかる負荷が低減し、疲
労抑制効果がある。
【0109】また、視線位置を検出し虚像配置位置を調
整することで、人が瞬時に情報検出できる知覚能力の高
い領域付近で視認できるため、無理な上方視せずに、安
定した位置で視認できるようになる。さらに、拡大虚像
の四隅ではレンズによる収差の発生が顕著に出るため、
上記の効果から収差発生が少ないレンズ中心付近で視認
すれば、拡大虚像の視認性が良くなるとともに、レンズ
設計も簡単になる。
【0110】視線角度検出によるパワー制御手段によ
り、使用者が拡大虚像を視認していない間のパワーがセ
ーブできるため、電池などで駆動する携帯型の表示シス
テムの場合には、システム全体の稼働時間が長く維持で
きる。
【0111】さらに、首の傾きに合わせて画像位置を調
整すれば、拡大虚像画面の上端位置の変動がないため、
無理な首の動きを誘発せず、安定した状態で作業でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の形態の実施例を表す構成図で
あり、(a)は使用者と虚像の関係を表す構成図、
(b)は単眼視した場合の構成図。
【図2】 本発明の第一の形態の実施例を表す光学配置
の側面透視図。
【図3】 本発明の第一の形態の実施例を表す光学配置
図であり、(a)は反射手段を2枚配置した側面透視
図、(b)は同様に3枚の場合の側面透視図。
【図4】 本発明の第二の形態の実施例を表す光学配置
図であり、(a)は三角プリズムを使った場合の側面透
視図、(b)は三角プリズムレンズでを使った場合の側
面透視図。
【図5】 本発明の第三の形態の実施例を表す構成図で
あり、(a)は側面透視図、(b)は頭上から見た透視
図。
【図6】 本発明の第四の形態の実施例を表す光学配置
の構成図。
【図7】 本発明の第五の形態の実施例を表す図であ
り、(a)は光学配置の側面透視図、(b)は使用者と
虚像の関係を表す構成図。
【図8】 本発明の第六の形態の実施例を表す図であ
り、(a)は光学配置の側面透視図、(b)は拡大虚像
を表す図。
【図9】 本発明の第七の形態の実施例を表す図であ
り、(a)は視線検出方法を説明する図、(b)は画面
位置調整手順を説明する図。
【図10】 本発明の第八の形態の実施例を表すフロー
チャート。
【図11】 本発明の第九の形態の実施例を表す図であ
り、(a)は角度検出の方法と虚像位置を説明する図、
(b)は画面位置の変化を説明する図。
【符号の説明】
1 使用者 2 虚像形成光学系 3 拡大虚像 4 眼 5 眼の回旋点 6 光軸 7 水平軸 8 仰角 9 垂直画角 10 眼幅 11 眼幅中心 12 水平画角 20 液晶パネル 21 バックライト 22 画像表示素子 23 レンズ 24 ミラー 25 画像 26 装置本体 27 眼鏡 28 従来の虚像形成光学系 30 三角プリズム 30−1 第一プリズム入射面 30−2 第二プリズム反射面 30−3 第三プリズム出射面 31 三角プリズムレンズ 40 接合部材 41 ノブ 42 両眼の回旋点同志を結ぶ軸 50 傾けて配置した画像表示素子 51 画像表示素子50により形成された画像 52 傾いた拡大虚像 70 LED 80 平行光 81 画面垂直軸 82 画面水平軸 83 注視点 84 基準領域 85 垂直縮小画面 86 全縮小画面 87 新しい注視点 90 ジャイロ 91 ジャイロ垂直軸 92 ジャイロ水平軸 93 新しい拡大虚像 94 移動量 95 制御画面

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示素子と該画像表示素子によって
    形成した画像を、虚像拡大する拡大光学手段からなる虚
    像形成光学系を装置本体に収納し、前記装置本体を頭部
    に装着して使用者の左右いずれか片方の眼、もしくは両
    眼にそれぞれ対応した前記虚像形成光学系によって拡大
    虚像を視認する頭部装着型表示装置において、前記拡大
    虚像の中心と前記使用者の眼の回旋点とを結ぶ光軸が、
    前記使用者が水平方向を見るときの視線方向から上方に
    略23°以下であり、かつ前記拡大光学手段により虚像
    拡大された画像が、少なくとも1枚の反射手段により反
    射され、前記使用者の視認眼に結像されることを特徴と
    する頭部装着型表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の頭部装着型表示装置に
    おいて、虚像拡大された画像を、使用者の眼に結像され
    る直前で反射する為に配置された反射手段が、ハーフミ
    ラーであることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の頭部装着型表示装置に
    おいて、拡大光学手段により虚像拡大された画像は、該
    画像が入射する第一プリズム入射面と、該第一プリズム
    入射面から出射された前記画像を全反射するための第二
    プリズム反射面と、該反射画像を屈折して出射する第三
    プリズム出射面から構成された三角プリズムにより、視
    認眼に結像することを特徴とする頭部装着型表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の頭部装着型表示装置に
    おいて、画像表示素子によって形成された画像は、前記
    第一プリズム入射面の位置に設けた凸面型の拡大光学手
    段により虚像拡大され、該拡大虚像を全反射するための
    第二プリズム反射面と、該反射画像を屈折して出射する
    第三プリズム出射面から構成された三角プリズムによ
    り、視認眼に結像することを特徴とする頭部装着型表示
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の頭部装着型表示装置に
    おいて、拡大虚像の中心と使用者の眼の回旋点とを結ぶ
    光軸が、前記使用者が水平方向を見るときの視線方向か
    ら上方に略23°以下の範囲で、前記拡大虚像の画面位
    置を垂直方向に調整する調整機構を有することを特徴と
    する頭部装着型表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の頭部装着型表示装置に
    おいて、虚像形成光学系は、少なくとも眼幅Bを包括す
    る一枚の拡大光学手段と、該拡大光学手段に入射する画
    像を形成するための一枚の画像表示素子から構成される
    ことを特徴とする頭部装着型表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の頭部装着型表示装置に
    おいて、虚像形成光学系に配置した画像表示素子のアス
    ペクト比(垂直/水平=K)が、K=0.75〜0.3
    であることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の頭部装着型表示装置に
    おいて、画像表示素子が、拡大虚像の中心と使用者の眼
    の回旋点とを結ぶ光軸に対して傾けて配置されたことを
    特徴とする頭部装着型表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の頭部装着型表示装置に
    おいて、拡大光学手段は、拡大虚像の中心と使用者の眼
    の回旋点とを結ぶ光軸に対して傾けて配置された画像表
    示素子と、略平行となるように配置したことを特徴とす
    る頭部装着型表示装置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の頭部装着型表示装置
    において、使用者の眼に結像される画像Zは、画像表示
    素子により形成された画像A部と、前記画像表示素子の
    画面上部に設けた外景情報取り入れ窓から入射した外景
    情報B部から構成され、前記画像A部と前記外景情報B
    部を近接して表示することを特徴とする頭部装着型表示
    装置。
  11. 【請求項11】 画像表示素子と該画像表示素子によっ
    て形成した画像を、虚像拡大する拡大光学手段からなる
    虚像形成光学系を装置本体に収納し、前記装置本体を頭
    部に装着して使用者の左右いずれか片方の眼、もしくは
    両眼にそれぞれ対応した前記虚像形成光学系によって拡
    大虚像を視認する頭部装着型表示装置において、前記拡
    大虚像上の注視点位置を検出するための視線位置検出手
    段と、該視線位置検出手段による検出結果と前記使用者
    があらかじめ設定した基準領域(左右上下画角が各5°
    の弁別視野領域)との位置を比較するための比較手段
    と、該比較手段の比較結果に応じて、前記拡大虚像の画
    面位置を制御するための画面位置制御手段を装置本体内
    に有し、前記画面位置制御手段によって前記拡大虚像の
    画面位置を制御することを特徴とする頭部装着型表示装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の頭部装着型表示装
    置において、拡大虚像の中心と使用者の眼の回旋点とを
    結ぶ光軸と、水平方向とがなす角度を検出する視線角度
    検出手段と、該視線角度検出手段の検出結果と前記拡大
    虚像の下端角度とを比較するための比較手段と、該比較
    手段の比較結果に応じて、前記画像表示素子及び駆動回
    路に供給するパワーを制御するためのパワー制御手段を
    装置本体内に有し、前記パワー制御手段によって前記画
    像表示素子に供給するパワーを制御することを特徴とす
    る頭部装着型表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の頭部装着型表示装
    置において、使用者の首の角度を検出する角度検出手段
    と、該角度検出手段の検出結果に応じて、拡大虚像の画
    面上端位置を制御するための画面位置制御手段を装置本
    体内に有し、前記画面位置制御手段によって前記拡大虚
    像の画面上端位置を制御するすることを特徴とする頭部
    装着型表示装置。
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Cited By (5)

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