JPH08166296A - 感熱装置 - Google Patents

感熱装置

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Publication number
JPH08166296A
JPH08166296A JP31078294A JP31078294A JPH08166296A JP H08166296 A JPH08166296 A JP H08166296A JP 31078294 A JP31078294 A JP 31078294A JP 31078294 A JP31078294 A JP 31078294A JP H08166296 A JPH08166296 A JP H08166296A
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JP
Japan
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metal cap
heat
temperature coefficient
positive temperature
coefficient thermistor
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Withdrawn
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JP31078294A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nohara
原 洋 野
Michikazu Takeuchi
内 通 一 竹
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Priority to KR1019950049717A priority patent/KR960024305A/ko
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱膨張及び熱収縮による熱検出誤差が生じる
のを防止すると共に、汁、油等の溢流による素子の劣化
を確実に阻止する。 【構成】 金属キャップ11は筒状に形成され、底部1
11の外面が感熱面113を構成し、底部111と対向
する側が開口している。正特性サーミスタ2は、電極2
1が金属キャップ11の底部111の内面114に面接
触している。蓋部材3は、金属キャップ11の内部に配
置され、正特性サーミスタ2の位置する収納空間115
を閉塞し、その周縁と側壁112の内面との間が封止さ
れている。端子部材41は、蓋部材3と正特性サーミス
タ2との間で圧縮され、正特性サーミスタ2を底部11
の内面114に押し付けている。端子部材42は、蓋部
材3によって支持され、金属キャップ11に導通してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスコンロ等の燃焼器または炊飯器にお
いて、鍋等の被加熱物の温度を検出する感熱装置は、特
開平4ー115131号公報、実開平5ー92666号
公報等で知られている。これらの先行技術文献で知られ
る感熱装置または温度検出装置においては、測温面を有
するホルダに感熱素子を固定して取付けていた。このよ
うな構造を取る場合に生じる問題点の一つは、温度検出
動作において、被加熱体から伝達される熱によってホル
ダが熱膨張し、そのために、ホルダと感熱素子との間の
熱結合が変化してしまい、熱検出誤差を生じてしまうこ
とである。被加熱体が冷えた後はホルダが熱収縮を起す
ため、ホルダと感熱素子との間の機械的な結合が変化す
る。このような熱膨張及び熱収縮は、加熱動作及び加熱
動作停止の繰返し毎に生じるから、熱検出誤差が使用回
数を重ねる毎に大きくなってしまう傾向にある。
【0003】また、感熱装置は、一般的使用状態とし
て、水分や塩素ガス等の有害な物質を含む雰囲気中で使
用されることが多い。このような雰囲気で使用された場
合も、そのような雰囲気の影響を受けない信頼性の高い
感熱装置を提供することが重要である。上述した先行技
術によっては、このような信頼性の高い感熱装置を得る
ことが困難であった。
【0004】更に、具体的な使用態様として、ガスコン
ロ等の燃焼器において、鍋等の被加熱物の温度を検出す
る感熱装置として用いられた場合は、沸騰した汁または
油等が鍋から溢流することによる感熱装置の劣化もあ
る。鍋から溢流した汁または油等は、感熱装置に存在す
る僅かな隙間を通って、毛細管現象等により、感熱素子
のあるホルダの内部に侵入し、感熱素子を劣化させる。
上述した先行技術文献は、汁または油等の溢流による感
熱素子の劣化を考慮しておらず、その防止手段は開示し
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、レベ
ル検定回路やスイッチ回路を省略した回路構成の簡単な
感熱装置を提供することである。
【0006】本発明のもう一つの課題は、熱膨張及び熱
収縮による熱検出誤差を生じるのを防止し得る感熱装置
を提供することである。
【0007】本発明の更にもう一つの課題は、水分や塩
素ガスの多い雰囲気中で使用され、或いは汁または油等
の溢流が生じた場合でも、劣化を確実に阻止し得る感熱
装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る感熱装置は、外装体と、正特性サーミ
スタと、蓋部材と、一対の端子部材とを含む。前記外装
体は、金属キャップを含み、前記金属キャップは、底部
を有するとともに、前記底部のまわりに連続する側壁を
有する筒状に形成され、前記底部の外面が感熱面を構成
し、前記底部と対向する側が開口している。前記正特性
サーミスタは、相対する両面のそれぞれに電極を有し、
前記金属キャップの内部に配置され、前記電極の一方が
前記金属キャップの前記底部の内面に面接触している。
前記蓋部材は、電気絶縁材料でなり、前記正特性サーミ
スタの後方に間隔を隔てて前記金属キャップの内部に配
置され、それによって前記正特性サーミスタの位置する
収納空間を閉塞し、周縁が前記金属キャップの前記側壁
によって支えられ、前記周縁と前記側壁の内面との間が
封止されている。前記端子部材の一方は、金属板材でな
り、前蓋部材と前記正特性サーミスタとの間の前記間隔
内で圧縮され、それによって前記電極の他方にバネ接触
し、前記正特性サーミスタを前記底部の前記内面に押し
付けている。前記端子部材の他方は、金属板材でなり、
前記蓋部材によって支持され、前記金属キャップに導通
している。
【0009】好ましくは、前記金属キャップは、前記底
部の前記内面に凹部を有しており、前記正特性サーミス
タは、前記凹部の内部に配置され、それによって位置決
めされている。
【0010】別の好ましい例では、前記端子部材は、同
体に形成されたリード部を有し、前記リード部が前記蓋
部材を貫通して前記開口側に導出されている。かかる構
造をとる場合、前記リード部が前記蓋部材を貫通する部
分は、封止剤によって封止される。
【0011】
【作用】外装体に含まれる金属キャップは、底部の外面
が感熱面を構成しており、正特性サーミスタは、電極の
一方が金属キャップの底部の内面に面接触している。こ
れにより、被感熱体から、金属キャップの感熱面に伝え
られた熱は、金属キャップから正特性サーミスタに伝達
され、正特性サーミスタによって検知される。このよう
に、正特性サーミスタによって熱を検知するので、正特
性サーミスタの優れたスイッチ特性を利用し、レベル検
定回路やスイッチ回路を省略した回路構成の簡単な感熱
装置を実現できる。
【0012】正特性サーミスタは、電極の一方が金属キ
ャップの底部の内面に面接触しており、端子部材の一方
は、蓋部材と正特性サーミスタとの間の間隔内で圧縮さ
れ、それによって電極の他方にバネ接触し、正特性サー
ミスタを底部の内面に押し付けているから、金属キャッ
プと正特性サーミスタとの間の熱結合が高くなる。しか
も、被感熱体の熱を受けて金属キャップが熱膨張し、ま
たは、被感熱体が冷えて金属キャップが熱収縮した場
合、これらの熱膨張及び熱収縮に伴う金属キャップの伸
縮が、端子部材の一方の弾性によって吸収される。更
に、正特性サーミスタは、金属キャップの底部の内面に
接触しているのであって、固着されている訳ではないの
で、金属キャップが熱膨張及び熱収縮をしても、正特性
サーミスタはその伸縮動作からフリーである。このた
め、正特性サーミスタは、金属キャップの熱膨張及び収
縮の影響を受けることなく、金属キャップに安定して熱
結合する。これにより、熱膨張及び熱収縮による熱検出
誤差を生じるのを防止し得る。
【0013】金属キャップは、底部のまわりに連続する
側壁を有する筒状であり、正特性サーミスタは金属キャ
ップ内に配置されている。この構造に加えて、蓋部材
は、金属キャップの内部に配置され、それによって正特
性サーミスタの位置する収納空間を閉塞し、周縁が金属
キャップの側壁によって支えられ、周縁と側壁の内面と
の間が封止されている。この構造により、水分や塩素ガ
スの多い雰囲気中で使用されたり、或いは感熱面上の被
感熱体、例えば鍋から汁または油等の溢流が生じた場合
でも、水分、塩素ガス、汁または油等が、正特性サーミ
スタのある収納空間に侵入する確率は極めて低くなり、
信頼性が高くなる。
【0014】更に、正特性サーミスタは電極の一方が金
属キャップの底部の内面に面接触し、端子部材の一方は
電極の他方に接触し、端子部材の他方は金属キャップに
導通しているから、金属キャップを電気回路の一部とし
て利用し、構造を簡略化した感熱装置が得られる。
【0015】端子部材の一方は、蓋部材と正特性サーミ
スタとの間の間隔内で圧縮され、端子部材の他方は蓋部
材によって支持されているから、蓋部材が端子支持部材
として兼用される。このため、部品点数が少なくて済
み、構造の簡素化及び組立の容易化に寄与できる。一対
の端子部材は、金属板材で構成されているから、必要な
機能、例えばバネ押圧機能を簡単に付与することができ
る。蓋部材は、電気絶縁材料でなるから、一対の端子部
材を互いに電気絶縁して支持すると共に、これらの端子
部材を電気回路の一部となる金属キャップから確実に電
気絶縁できる。
【0016】金属キャップが底部の内面に凹部を有して
おり、正特性サーミスタが凹部の内部に配置され、それ
によって位置決めされている好ましい例では、正特性サ
ーミスタの位置決めが容易になると共に、位置ずれを生
じにくくなるので、安定した熱検知動作を確保できる。
【0017】一対の端子部材が同体に形成されたリード
部を有し、リード部が蓋部材を貫通して開口側に導出さ
れている好ましい例では、半田付け個所を減少させ、感
熱性及び耐熱性を向上させることができる。かかる構造
をとる場合に、リード部が蓋部材を貫通する部分を封止
剤によって封止した好ましい例では、リード部引き出し
部分におけるシール性の低下を阻止できる。
【0018】本発明の他の特徴及び利点については、添
付図面を参照し、以下に更に詳しく説明する。
【0019】
【実施例】図1は本発明に係る感熱装置の部分断面図。
図2は図1に示した感熱装置の一部を構成する組立体を
拡大して示す正面部分断面図、図3は図1に示した本発
明に係る感熱装置の一部を構成する組立体を拡大して示
す側面部分断面図である。これらの図を参照すると、本
発明に係る感熱装置は、外装体1と、正特性サーミスタ
2と、蓋部材3と、一対の端子部材41、42とを含
む。外装体1は、金属キャップ11を含み、金属キャッ
プ11は、底部111を有するとともに、底部111の
まわりに連続する側壁112を有する筒状に形成されて
いる。金属キャップ11は、底部111の外面が感熱面
113を構成し、底部111と対向する側が開口してい
る。金属キャップ11は例えばアルミニュウム、銅、黄
銅、リン青銅またはステンレススチール等の金属薄板に
よって構成できる。必要に応じて、金属キャップ11の
感熱面113に、ニッケルメッキ等を付与し、耐熱性を
向上させる。更に、感熱面113の平坦度を向上させる
とともに、必要な形状に形成する手段として、鍛造加工
によって製造することができる。
【0020】正特性サーミスタ2は、相対する両面のそ
れぞれに電極21、22を有し、金属キャップ11の内
部に配置され、電極21が金属キャップ11の底部11
1の内面114に面接触している。正特性サーミスタ2
の電極21、22はオーム性接触電極として形成するこ
とが望ましい。オーム性接触電極は、正特性サーミスタ
素体の表面にニッケル無電解メッキを付与することによ
って形成できる。また、電極21、22は、必要に応じ
て複層構造とし、表層を銀を主成分とする電極層とする
こともできる。更に、シルバーマイグレーション防止の
ために、銀電極層をニッケル層の上に、ニッケル電極面
積より小さくなるように設けてもよい。
【0021】蓋部材3は、耐熱性プラスチックまたはセ
ラミック等の電気絶縁材料でなり、正特性サーミスタ2
の後方に間隔Dを隔てて金属キャップ11の内部に配置
され、それによって正特性サーミスタ2の収納空間11
5を閉塞している。蓋部材3の周縁は金属キャップ11
の側壁112によって支えられ、周縁と側壁112の内
面との間が、封止剤51によって封止されている。図示
の蓋部材3は大径部31の上に小径部32を連続して設
けた形状を有している。大径部31は、金属キャップ1
1の内周部に形成したリング状段部116に嵌合され、
かつ、金属キャップ11に形成された絞り部(または突
起部)117によって押さえられている。封止剤51は
絞り部117と大径部31との間に生じる隙間を、大径
部31の全周にわたって埋めるように付着されている。
封止剤51は従来より周知の耐熱性封止剤を用いること
ができる。小径部32の表面は端子部材41を受ける受
面として用いられている。
【0022】端子部材41は、ステンレススチールまた
は鋼等の金属板材でなり、蓋部材3と正特性サーミスタ
2との間の間隔D内で圧縮され、それによって電極22
にバネ接触し、正特性サーミスタ2を底部111の内面
114に押し付けている。
【0023】端子部材42は、ステンレススチールまた
は鋼等の金属板材でなり、蓋部材3によって支持され、
金属キャップ11に導通している。この実施例では、端
子部材42は大径部31と小径部32との間の径差に応
じて発生する段部33に配置され、金属キャップ11の
側壁112の内面と、小径部32の立ち上がり側端面と
の間で圧縮されている(図3参照)。
【0024】実施例において、金属キャップ11は、底
部111の内面114に凹部118を有している。正特
性サーミスタ2は凹部118の内部に配置され、それに
よって位置決めされている。この構造によれば、正特性
サーミスタ2の位置決めが容易になると共に、位置ずれ
を生じにくくなるので、安定した熱検知動作を確保でき
る。
【0025】更に、一対の端子部材41、42は同体に
形成されたリード部411、421を有しており、リー
ド部411、421は蓋部材3を貫通して開口側に導出
されている。このような構造であると、半田付け個所を
減少させ、感熱性及び耐熱性を向上させることができ
る。かかる構造をとる場合には、リード部411、42
1が蓋部材3を貫通する部分を、封止剤52によって封
止することが好ましい。これにより、リード部引き出し
部分におけるシール性の低下を阻止できる。
【0026】図1〜図3に示す実施例では、外装体1
は、更に、第1の筒体12と、第2の筒体13と、コイ
ルスプリング14とを含んでいる。第1の筒体12は、
軸方向の一端側が金属キャップ11の開口部に差し込ま
れ、かつ、固定されている。第2の筒体13は、その軸
方向の一端側が第1の筒体12の軸方向の他端側に緩く
差し込まれ、それによって、第1の筒体12との間で軸
方向Y1またはY2の相対移動が許容されている。コイ
ルスプリング14は金属キャップ11及び第1の筒体1
2と第2の筒体13との間に配置されている。この構造
によれば、金属キャップ11の感熱面113に被感熱体
6を載せたとき、金属キャップ11及び第1の筒体12
がコイルスプリング14の弾力に抗して、第2の筒体1
3に対して軸方向Y1またはY2に相対移動する。
【0027】第1の筒体12と第2の筒体13との間に
は抜け止め機構15が形成されている。この抜け止め機
構15により、被感熱体6を取外した時に金属キャップ
11及び第1の筒体12が、コイルスプリング14のバ
ネ圧によって第2の筒体13から飛び出すのを阻止でき
る。図示された抜け止め機構は15は、第1の筒体12
の中間部を絞って狭幅部121を形成すると共に、第2
の筒体13の上半部を第1の筒体12の内径よりも少し
小さな大径部131とし、下半部を狭幅部121による
内径よりも少し小さい小径部132とし、第2の筒体1
3の大径部131と小径部132との間に径差によって
生じる段差を、狭幅部121によって受ける構造となっ
ている。
【0028】図4は本発明に係る感熱装置の使用状態を
示す図であり、感熱面113の上に鍋等の被感熱体6が
載せられている。被感熱体6の中には汁または油等61
が入れられている。前述したように、第2の筒体13
は、その軸方向の一端側が第1の筒体12の軸方向の他
端側に緩く差し込まれ、それによって、第1の筒体12
との間で軸方向Y1またはY2の相対移動が許容されて
いる。また、コイルスプリング14は金属キャップ11
及び第1の筒体12と第2の筒体13との間に配置され
ている。従って、金属キャップ11の感熱面113に被
感熱体6を載せたとき、金属キャップ11及び第1の筒
体12がコイルスプリング14の弾力に抗して、第2の
筒体13に対して軸方向Y1に相対移動し、汁または油
等61を含めた被感熱体6の総重量とコイルスプリング
14のバネ圧とが釣り合う位置で停止する。この相対移
動作用及びバネ作用とにより、感熱面113上に被感熱
体6を設置した時の衝撃が確実に緩和される。
【0029】ここで、外装体1に含まれる金属キャップ
11は、底部111の外面が感熱面113を構成してお
り、正特性サーミスタ2は電極21が金属キャップ11
の内面に押付けられている。これにより、被感熱体6か
ら、金属キャップ11の感熱面に伝えられた熱は、金属
キャップ11から正特性サーミスタ2に伝達され、正特
性サーミスタ2によって検知される。このように、正特
性サーミスタ2によって熱を検知するので、正特性サー
ミスタ2の優れたスイッチ特性を利用し、レベル検定回
路やスイッチ回路を省略した回路構成の簡単な感熱装置
を実現できる。感熱素子として負特性サーミスタを用い
る従来技術は知られている。しかし、負特性サーミスタ
の抵抗温度特性は、温度が高くなると抵抗値が次第に低
下する特性を示し、温度と抵抗値の間に明確なスイッチ
特性が存在しない。このため、負特性サーミスタ自体に
よってスイッチ特性を得ることができず、レベル検定回
路やスイッチ回路を付加しなければならない。これに対
して、正特性サーミスタ2は、温度がある値に到達する
と、抵抗値が急変するスイッチ特性を有する。このた
め、レベル検定回路やスイッチ回路を省略し、回路構成
を簡略化できる。
【0030】正特性サーミスタ2は、電極21が金属キ
ャップ11の底部111の内面114に面接触してお
り、端子部材41は、蓋部材3と正特性サーミスタ2と
の間の間隔D内で圧縮され、それによって電極22にバ
ネ接触し、正特性サーミスタ2を底部111の内面11
4に押し付けているから、金属キャップ11と正特性サ
ーミスタ2との間の熱結合が高くなる。しかも、被感熱
体6の熱を受けて金属キャップ11が熱膨張し、また
は、被感熱体6が冷えて金属キャップ11が熱収縮した
場合、これらの熱膨張及び熱収縮に伴う金属キャップ1
1の伸縮が、端子部材41、42の弾性によって吸収さ
れる。しかも、正特性サーミスタ2は、金属キャップ1
1の底部111の内面114に接触しているのであっ
て、固着されている訳ではないので、金属キャップ11
が熱膨張及び熱収縮をしても、正特性サーミスタ2はそ
の伸縮動作からフリーである。このため、正特性サーミ
スタ2は、金属キャップ11の熱膨張及び収縮の影響を
受けることなく、金属キャップ11に安定して熱結合す
る。これにより、熱膨張及び熱収縮による熱検出誤差を
生じるのを防止し得る。
【0031】金属キャップ11は、底部111のまわり
に連続する側壁112を有する筒状であり、正特性サー
ミスタ2は金属キャップ11内に配置されている。この
構造に加えて、蓋部材3は、金属キャップ11の内部に
配置され、それによって正特性サーミスタ2の収納空間
を開口から区画し、周縁が金属キャップ11の側壁11
2によって支えられ、周縁と側壁112の内面との間が
封止されている。この構造により、水分や塩素ガスの多
い雰囲気中で使用されたり、或いは感熱面113上の被
感熱体6、例えば鍋から汁または油等61の溢流が生じ
た場合でも、水分、塩素ガス、汁または油等61が、正
特性サーミスタ2のある収納空間115に侵入する確率
は極めて低くなり、信頼性が高くなる。
【0032】更に、正特性サーミスタ2は電極21が金
属キャップ11の底部111の内面114に面接触し、
端子部材41は電極22に接触し、端子部材42は金属
キャップ11に導通しているから、金属キャップ11を
電気回路の一部として利用し、構造を簡略化した感熱装
置が得られる。
【0033】端子部材41は、蓋部材3と正特性サーミ
スタ2との間の間隔D内で圧縮され、端子部材42は蓋
部材3によって支持されているから、蓋部材3が端子支
持部材として兼用される。このため、部品点数が少なく
て済み、構造の簡素化及び組立の容易化に寄与できる。
一対の端子部材41、42は、金属板材で構成されてい
るから、必要な機能、例えばバネ押圧機能を簡単に付与
することができる。蓋部材3は、電気絶縁材料でなるか
ら、一対の端子部材41、42を互いに電気絶縁して支
持すると共に、これらの端子部材41、42を電気回路
の一部となる金属キャップ11から確実に電気絶縁でき
る。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)レベル検定回路やスイッチ回路を省略した回路構
成の簡単な感熱装置を提供することができる。 (b)熱膨張及び熱収縮による熱検出誤差を生じるのを
防止し得る感熱装置を提供することができる。。 (c)水分や塩素ガスの多い雰囲気中で使用され、或い
は汁または油等の溢流が生じた場合でも、劣化を確実に
阻止し得る感熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る感熱装置の部分断面図であ
る。
【図2】図1に示した感熱装置の一部を構成する組立体
を拡大して示す部分断面図である。
【図3】図1に示した本発明に係る感熱装置の一部を構
成する組立体を拡大して示す部分断面図である。
【図4】本発明に係る感熱装置の使用状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 外装体 2 正特性サーミスタ 3 蓋部材 11 金属キャップ 111 底部 112 側壁 113 感熱面 21 電極 22 電極 41 端子部材 42 端子部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装体と、正特性サーミスタと、蓋部材
    と、一対の端子部材とを含む感熱装置であって、 前記外装体は、金属キャップを含み、前記金属キャップ
    は、底部を有するとともに、前記底部のまわりに連続す
    る側壁を有する筒状に形成され、前記底部の外面が感熱
    面を構成し、前記底部と対向する側が開口しており、 前記正特性サーミスタは、相対する両面のそれぞれに電
    極を有し、前記金属キャップの内部に配置され、前記電
    極の一方が前記金属キャップの前記底部の内面に面接触
    しており、 前記蓋部材は、電気絶縁材料でなり、前記正特性サーミ
    スタの後方に間隔を隔てて前記金属キャップの内部に配
    置され、それによって前記正特性サーミスタの位置する
    収納空間を閉塞し、周縁が前記金属キャップの前記側壁
    によって支えられ、前記周縁と前記側壁の内面との間が
    封止されており、 前記端子部材の一方は、金属板材でなり、前蓋部材と前
    記正特性サーミスタとの間の前記間隔内で圧縮され、そ
    れによって前記電極の他方にバネ接触し、前記正特性サ
    ーミスタを前記底部の前記内面に押し付けており、 前記端子部材の他方は、金属板材でなり、前記蓋部材に
    よって支持され、前記金属キャップに導通している感熱
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された感熱装置であっ
    て、 前記金属キャップは、前記底部の前記内面に凹部を有し
    ており、 前記正特性サーミスタは、前記凹部の内部に配置され、
    それによって位置決めされている感熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された感熱装置であっ
    て、 前記端子部材は、同体に形成されたリード部を有し、前
    記リード部が前記蓋部材を貫通して前記開口側に導出さ
    れている感熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された感熱装置であっ
    て、 前記リード部が前記蓋部材を貫通する部分は、封止剤に
    よって封止されている感熱装置。
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