JPH08165109A - 結晶性リン酸スズおよびその製造方法 - Google Patents

結晶性リン酸スズおよびその製造方法

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JPH08165109A
JPH08165109A JP30378794A JP30378794A JPH08165109A JP H08165109 A JPH08165109 A JP H08165109A JP 30378794 A JP30378794 A JP 30378794A JP 30378794 A JP30378794 A JP 30378794A JP H08165109 A JPH08165109 A JP H08165109A
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phosphate
tin
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salt
crystalline
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JP30378794A
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Koji Matsui
光二 松井
Senji Kasahara
泉司 笠原
Kazuhiko Sekizawa
和彦 関沢
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スズ塩水溶液およびリン酸塩水溶液を、
スズ塩に対するリン酸塩のモル比が0.5以上になるよ
うに混合して沈殿物を得、沈殿物を濾過,水洗後にリン
酸水溶液とを混合し、120℃以上で加熱することによ
って、BET比表面積が15m2/g以下、面間隔が
0.65nm以上の層状構造を有する結晶性リン酸スズ
を得る。 【効果】 500℃以上の高温下においても結晶性
の層状構造を保つことができ、触媒、触媒担体としても
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性が高く、更に耐
放射線性にも優れるイオン交換剤、吸着剤、あるいは触
媒、触媒担体として有用な結晶性リン酸スズに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、リン酸スズおよびその製造方法と
しては、 0.6mol/lのSnCl4水溶液1リットルと
1.2mol/lのNa2HPO4水溶液1リットルとを
混合して得られる沈殿物を約8mol/lのリン酸水溶
液中で還流して、リン酸スズを得る方法(例えば、J.
Inorg.Nucl.Chem.,33,559(1
971))、 8molのH3PO4および3molのHNO3からな
る水溶液1リットルに、SnCl4を0.26mol添
加して、得られる沈殿物を還流することによって、リン
酸スズを得る方法(例えば、Mat.Res.Bul
l.,20,115(1985))等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、の方法で
は、約8mol/lのH3PO4水溶液中で還流してリン
酸スズを得るが、このようにして得られたリン酸スズ
は、還流時の温度が低いために結晶性の低いものとな
り、かつ、BET比表面積が大きいものとなって、耐熱
性の低いものとなる。このようなリン酸スズは、高温下
でのイオン交換能が悪くなり、更に触媒担体の耐熱性が
低くなって、イオン交換剤、触媒、あるいは触媒担体と
して不適なものとなる。
【0004】一方、の方法で得られるリン酸スズは、
8molのH3PO4および3molのHNO3からなる
水溶液1リットル中で還流して得たものであるが、この
方法で得られたリン酸スズは、と同様に還流時の温度
が低いために結晶性が低下して、かつ、BET比表面積
の高いものとなって、上記のとおり、イオン交換剤、触
媒、あるいは触媒担体として不適なものとなる。
【0005】本発明では、このような従来方法における
欠点を解消した、耐熱性の高い、即ち、100℃以上の
高温下においてもイオン交換が可能であり、更に触媒お
よび触媒担体として優れた結晶性リン酸スズの提供を目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、リン酸ス
ズの微細構造と耐熱性とに着目して詳細に検討したとこ
ろによれば、BET比表面積が15m2/g以下であっ
て、かつ、結晶性の高いリン酸スズは、耐熱性に極めて
優れていることを見い出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、 a)BET比表面積が15m2/g以下であって、か
つ、面間隔が0.65nm以上の層状構造を有する結晶
性リン酸スズ b)スズ塩水溶液およびリン酸塩水溶液を、スズ塩に対
するリン酸塩のモル比が0.5以上になるように混合し
て沈殿物を得、該沈殿物を濾過,水洗したあとにリン酸
水溶液とを混合して、120℃以上の温度で加熱する上
記a)の製造方法 を要旨とするものである。以下、本発明を更に詳細に説
明する。
【0008】本明細書において、結晶性リン酸ズズに係
わる「BET比表面積」は、吸着分子として窒素を用い
て測定したものをいう。「面間隔」とは、結晶格子にお
いて指数付けされた格子面の面間隔のうち最大の面間隔
のことであり、粉末X線回折で測定される最小角度の回
折線のピ−ク位置(2θ)を、下記のブラッグの式
(d:面間隔,λ:X線の波長,n=1)に代入して、
算出されるd値のことをいう。 2dsinθ=nλ 本発明の結晶性リン酸スズのBET比表面積は、15m
2/g以下であることが重要であり、好ましいBET比
表面積の範囲は、12m2/g以下、より好ましくは1
〜10m2/gである。結晶性リン酸スズのBET比表
面積が上述の範囲にあれば、耐熱性が充分高く、更に、
高温下でのイオン交換の使用、あるいは触媒、触媒担体
として有用なものとなるからである。
【0009】また、本発明の結晶性リン酸スズは、面間
隔が0.65nm以上の層状構造を有する。粉末X線回
折法で、上記の範囲の面間隔が観測されれば、結晶性が
高く、かつ、層状構造を有する結晶性のリン酸スズを形
成していることになる。結晶性リン酸スズの面間隔が
0.65nmよりも小さくなると、2次元の層状構造が
3次元の網目構造になるために、層間内に存在するイオ
ン交換サイトが減少して、イオン交換能が低下するから
である。充分な結晶性、充分なイオン交換能を有すると
いう点で、好ましい面間隔は0.70nm以上、更に好
ましくは0.75〜0.80nmである。
【0010】本発明の上記a)の結晶性リン酸スズを得
るにあたっては、スズ塩水溶液およびリン酸塩水溶液
を、スズ塩に対するリン酸塩のモル比が0.5以上にな
るように混合して沈殿物を得、該沈殿物を濾過,水洗す
る。収率よく沈殿物を得るために、好ましいスズ塩に対
するリン酸塩のモル比は2以上である。また、該沈殿物
を濾過,水洗することによって、得られる結晶性リン酸
スズの収率および純度を高めることができる。スズ塩水
溶液とリン酸塩水溶液との混合方法に制限はなく、いか
なる条件で混合してもよい。また、スズ塩水溶液、ある
いはリン酸塩水溶液を調製する際の濃度は、それらの溶
解度と混合時の操作性の兼ね合いから、スズ水溶液は1
mol/l以下、リン酸塩水溶液は2mol/l以下が
好ましい。
【0011】結晶性リン酸スズの製造に用いられるスズ
塩としては、水に可溶性のスズ塩であれば良く、塩化ス
ズ(IV),臭化スズ(IV),ヨウ化スズ(IV),
硫酸スズ(IV)などを挙げることができる。また、リ
ン酸塩としては、リン酸水素ニナトリウム,リン酸ニ水
素ナトリウム,リン酸水素ニカリウム,リン酸水素ニア
ンモニウムなどを挙げることができる。あるいは、リン
酸塩の代りにオルトリン酸,メタリン酸,ピロリン酸等
のリン酸を使用することもできる。
【0012】次いで、本発明では、上記の沈殿物とリン
酸水溶液とを混合して、120℃以上の温度で加熱す
る。得られる結晶性リン酸スズのBET比表面積を15
2/g以下とし、かつ、結晶性を高くするために、好
ましい加熱温度は130℃以上、より好ましくは140
〜200℃である。また、最適な加熱時間は、1〜10
0時間である。加熱方法としては、還流法などを例示す
ることができるが、より結晶性の高いものを得るために
は、オートクレーブ中、自生圧下で加熱することが好ま
しい。
【0013】リン酸としてはオルトリン酸,メタリン
酸,ピロリン酸等が使用できる。また、上記沈殿物とリ
ン酸水溶液とを混合して得られるスラリ−のリン酸濃度
が、9mol/l以上になるように調製すると、得られ
る結晶性リン酸スズの結晶性が更に高くなるので、より
いっそうの耐熱性に優れたものとなる。
【0014】このようにして得られた結晶性リン酸スズ
を、濾過,水洗して、乾燥すれば、本発明の結晶性リン
酸スズとなる。本発明の結晶性リン酸スズは、結晶性が
高く、かつ、BET比表面積が比較的小さいので、容易
に濾過,水洗することができる。
【0015】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明の結晶性
リン酸スズは、耐熱性が高く、即ち、500℃以上の高
温下においても結晶性の層状構造を保つことができ、触
媒、触媒担体としても有用である。
【0016】
【実施例】以下、実施例について本発明を更に詳細に説
明する。しかし、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。
【0017】実施例1 0.6mol/lの塩化スズ(IV)水溶液1リットル
に1.2mol/lのリン酸水素ナトリウム水溶液1.
7リットルを添加して、白色状の沈殿物を得た。この沈
殿物を濾過,水洗した後に、85wt%のリン酸水溶液
1.5リットルと混合して、スラリ−を調製した。この
ときのスラリ−の体積は、2.4リットルであり、リン
酸濃度は10mol/lであった。このスラリ−をオ−
トクレ−ブに入れ、140℃の温度で70時間加熱した
後、濾過,洗浄,乾燥を行った。得られた結晶性リン酸
スズは、BET比表面積が10m2/gであり、粉末X
線回折の測定から、面間隔が0.78nmの結晶性の高
い層状構造であることを確認した。また、得られた結晶
性リン酸スズの収率は、92%であった。
【0018】得られた結晶性リン酸スズを550℃で1
時間焼成し耐熱性試験を行った。焼成後の結晶性リン酸
スズは、BET比表面積が9m2/gであり、粉末X線
回折の測定から、面間隔が0.66nmの結晶性の高い
層状構造を保持していることを確認した。
【0019】実施例2 加熱温度を140℃で93時間行った以外は、実施例1
と同様の条件で行った。得られた結晶性リン酸スズは、
BET比表面積が7m2/gであり、粉末X線回折の測
定から、面間隔が0.76nmの結晶性の高い層状構造
であることを確認した。得られた結晶性リン酸スズの収
率は、100%であった。
【0020】得られた結晶性リン酸スズを550℃で1
時間焼成し耐熱性試験を行った。焼成後の結晶性リン酸
スズは、BET比表面積が6m2/gであり、粉末X線
回折の測定から、面間隔が0.68nmの結晶性の高い
層状構造を保持していることを確認した。
【0021】実施例3 0.3mol/lの塩化スズ(IV)水溶液1リットル
に0.6mol/lのリン酸水素ナトリウム水溶液1リ
ットルを添加して、白色状の沈殿物を得た。この沈殿物
を濾過,水洗した後に、85wt%のリン酸水溶液1.
3リットルと混合して、スラリ−を調製した。このとき
のスラリ−の体積は、1.9リットルであり、リン酸濃
度は11mol/lであった。このスラリ−を120℃
の温度で100時間加熱した後、濾過,洗浄,乾燥を行
った。得られた結晶性リン酸スズは、BET比表面積が
15m2/gであり、粉末X線回折の測定から、面間隔
が0.76nmの比較的結晶性の高い層状構造であるこ
とを確認した。得られた結晶性リン酸スズの収率は、1
0%であった。
【0022】得られた結晶性リン酸スズを550℃で1
時間焼成し耐熱性試験を行った。焼成後の結晶性リン酸
スズは、BET比表面積が13m2/gであり、粉末X
線回折の測定から、面間隔が0.65nmの結晶性の高
い層状構造を保持していることを確認した。
【0023】比較例1 0.6mol/lの塩化スズ(IV)水溶液1リットル
に1.2mol/lのリン酸水素ナトリウム水溶液1リ
ットルを添加して、白色状の沈殿物を得た。この沈殿物
を濾過,水洗した後に、85wt%のリン酸水溶液0.
78リットルと混合して、スラリ−を調製した。このと
きのスラリ−の体積は、1.8リットルであり、リン酸
濃度は7mol/lであった。このスラリ−を100℃
の温度で120時間加熱した後、濾過,洗浄,乾燥を行
った。得られたリン酸スズは、BET比表面積が130
2/gであり、粉末X線回折の測定からは、面間隔が
0.79nmの層状構造であることを確認した。また、
得られたリン酸スズの収率は、極めて低く、4%であっ
た。
【0024】得られたリン酸スズを550℃で1時間焼
成し耐熱性試験を行った。焼成後のリン酸スズは、BE
T比表面積が2m2/gであり、粉末X線回折の測定か
ら、層状構造を有さないリン酸スズであることを確認し
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BET比表面積が15m2/g以下であ
    って、かつ、面間隔が0.65nm以上の層状構造を有
    することを特徴とする結晶性リン酸スズ。
  2. 【請求項2】 スズ塩水溶液およびリン酸塩水溶液を、
    スズ塩に対するリン酸塩のモル比が0.5以上になるよ
    うに混合して沈殿物を得、該沈殿物を濾過,水洗した後
    にリン酸水溶液とを混合して、120℃以上の温度で加
    熱することを特徴とする、請求項1の結晶性リン酸スズ
    の製造方法。
JP30378794A 1994-12-07 1994-12-07 結晶性リン酸スズおよびその製造方法 Pending JPH08165109A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005285426A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Tayca Corp プロトン伝導性固体電解質膜およびそれを用いた燃料電池

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005285426A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Tayca Corp プロトン伝導性固体電解質膜およびそれを用いた燃料電池

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