JPH08163212A - 電話機 - Google Patents

電話機

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JPH08163212A
JPH08163212A JP30194494A JP30194494A JPH08163212A JP H08163212 A JPH08163212 A JP H08163212A JP 30194494 A JP30194494 A JP 30194494A JP 30194494 A JP30194494 A JP 30194494A JP H08163212 A JPH08163212 A JP H08163212A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 事前学習した話者本人の聴感特性と発声特性
に基づいて、自動的に最適音量調整ができるようにする
ことを目的とする。 【構成】 伝送損失等が原因で受話音量が不足するとき
は、送話音量も絞ることによって相手方により大音量で
の発声を促す。また、受話音量のしきい値判別に用いる
しきい値Tu,Tlを、事前学習により話者個人の聴感
特性と発声特性とを反映して学習することができ、これ
により話者によって個人差のある聴感特性と発声特性に
最適な通話環境を設定する。また、通話中の外部騒音レ
ベルに応じて上記しきい値Tu,Tlに補正係数を乗じ
て補正することにより、話者と通話環境とに適応した高
品位の通信を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、受話音量に基づいて送
話音量を制御するとともに、話者に固有の受話音量のし
きい値を事前学習を通じて把握し、高品位の通話を可能
にした電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】親機と子機が無線により結ばれたコード
レス電話のような可搬型の電話機は、通話中の周囲の騒
音によって通話品質が左右されやすく、特に同じ可搬型
でも、室内外を問わず使用される携帯電話用或いは自動
車電話用の電話機は、外部騒音の影響をより顕著に受け
やすい。このため、こうした可搬型の電話機のなかに
は、周囲の騒音レベルを検知して受話音量や送話音量を
自動的に可変する構成のものがある。
【0003】図4に示す自動音量調整機能付きの電話機
1は、特開平3−10548号公報「電話機」に開示さ
れたものであり、集音マイクロフォン2が集音した外部
騒音(バックグランド・ノイズ)レベルと受話音量及び
送話音量の3個のファクタから、ファジィルールに従っ
て最適な受話音量及び送話音量を決定する構成とされて
いる。すなわち、ファジィルールに則ってファジィ推論
を行う制御部3が、集音マイクロフォン2の出力を大中
小の3レベルにしきい値判別し、しきい値判別された各
レベルごとに、送話音量と受話音量の大小関係に応じて
送話器4と受話器5のゲインを可変する構成とされてい
る。送話器4は、話者が発声する音声を捕捉するマイク
ロフォン4aに接続され、受話器5は通話する相手方か
ら送られてくる音声を発音するスピーカ5aの前段に接
続されている。
【0004】本公報に示されたファジィルールによれ
ば、例えば送話音量レベルが「中」で受話音量レベルが
「大」で外部騒音レベルが「小」である場合は、送話器
ゲインSgは「中」のまま受話器ゲインRgを「小」に
設定する。送話音量レベルが「中」で受話音量レベルが
「小」であるのに外部騒音レベルが「大」である場合
は、送話器ゲインSgを「小」として受話器ゲインRg
を「中」に設定する選択がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この電話機1は、送話
音量レベルと送話音量レベル及び外部騒音レベルに応じ
て受話器ゲインRgと送話器ゲインSgが自動的に可変
されるため、伝送路や通話環境の影響に受けずに通話品
質の向上を図ることができる。
【0006】この種の電話機に限らず、自動音量調整機
能の付いた従来の電話機は、例外なく受話器5と送話器
4との間に介在する話者本人について、ごく一般的な聴
感特性と発声特性の持ち主を想定して送話器ゲインSg
或いは受話器ゲインRgを決定している。このため例え
ば補聴器を使用している人や、或いは補聴器の助けを借
りるほどではないが軽度の聴覚障害を有する人、さらに
は一般の人よりも元来が地声の大きな人といった聴感特
性或いは発声特性が類型パターンから外れる人について
は、固定されたファジィルール自体の可適用性に疑問を
残すものであった。
【0007】例えば、外部騒音レベル自体は通話に支障
をきたすほど劣悪ではないにも拘わらず、相手方の音声
が聞き取りにくかったり或いは地声自体が大きいため
に、時としてかなりの大声で送話している人をよく見か
けるが、こうした大きな声を聞いた相手方は耳障りな感
じがするだけでなく、鼓膜に響く声を避けて無意識のう
ちに電話機を口元から遠ざけて話しやすく、結果的に受
話音量の一段の低下を招くためにより一層大声での送話
に拍車をかけるなど、悪循環による通話品質の低下を招
きやすいといった課題があった。
【0008】本発明の目的は、事前学習した話者本人の
聴感特性と発声特性に基づいて、自動的に最適音量調整
ができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、受話音量をし
きい値判別し、該しきい値判別された受話音量にほぼ比
例させて送話音量を可変する送話音量可変手段と、前記
しきい値判別に用いるしきい値を、話者別に対話形式で
事前学習する事前学習手段とを具備することを特徴とす
る電話機を提供することにより、前記目的を達成するも
のである。
【0010】また、事前学習手段が、事前学習の対象と
なる話者に発声を促すメッセージを受話音声として与
え、該受話音声に応答する話者の送話音量を測定し、該
メッセージの音量を段階的に可変して各段階ごとに得ら
れる受話音量に対する送話音量を前記しきい値として取
り込む対話形式の制御回路と、該制御回路が取り込んだ
しきい値を話者ごとに記憶するメモリとを具備するこ
と、また制御回路が、話者の周囲の騒音を検出し、該騒
音レベルに応じて前記しきい値を補正すること、或いは
メモリに、メッセージに関する所定の音声内容が記憶さ
せてあること等を特徴とする電話機を提供することによ
り、前記目的を達成するものである。
【0011】
【作用】本発明は、受話音量をしきい値判別し、しきい
値判別された受話音量にほぼ比例させて送話音量を可変
するとともに、しきい値判別に用いるしきい値を、話者
別に対話形式で事前学習することにより、話者によって
異なる聴感特性或いは発声特性に応じた適正な自動音量
調節を可能にする。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1ないし
図3を参照して説明する。図1は、本発明の電話機の一
実施例を示すブロック図、図2は、図1に示した制御回
路の事前学習動作を説明するためのフローチャート、図
3は、通話中の外部騒音レベルと事前学習結果に乗ずる
補正係数との関係を示す図である。
【0013】図1に示す電話機11は、無線電波を媒介
として送受信を行う携帯電話機であり、送受信アンテナ
12には、送受信器13が接続してある。送受信器13
が受信した受信信号は、受話音声レベルを可変するため
の受話レベル調整器14と利得が固定されたアンプ回路
15とを介して受話用スピーカ16に送り込まれ、発音
出力として話者の耳に達する。
【0014】一方、送話マイクロフォン17を介して入
力された送話信号は、利得が固定されたアンプ回路18
にて増幅されたのち、送話音量レベルを可変する送話音
量可変手段である送話レベル調整器19を介して送受信
器13に送り出され、所定の変調を受けて送受信アンテ
ナ12を介して空中にに放射される。
【0015】20は、外部騒音を検出する集音マイクロ
フォンであり、集音した周囲の騒音を、アンプ回路20
aを経由し、さらに音声信号を整流平滑化して音声パワ
ーを示す値に変換する整流回路21を介して制御回路2
2のAD変換入力ポートNiに外部騒音パワーを供給す
る。
【0016】また、この外部騒音パワーの外に、受話音
声パワーと送話音声パワーとが、受話レベル調整器14
と送話レベル調整器19の各直前から分岐させた線路を
経由し、それぞれ整流回路23,24を介して制御回路
22のAD変換入力ポートRi,Siに供給される。
【0017】制御回路22は、受話音量のレベルを大中
小の3段階程度にしきい値判別し、しきい値判別された
受話音量に対し送話音量のレベルを比例的に可変するこ
とにより、相手方に送話音量の不足又は過剰を認識させ
て高品位の通話品質維持を図る。すなわち、実施例の場
合、受話音量は大小2個のしきい値Tu,Tlを用いて
大中小の3レベルにしきい値判別され、各レベルに対応
して送話レベル調整器19のゲインは−0dB,−6d
B,−9dBのごとく3段階に切り替えられるようにな
っている。
【0018】ただし、上記のしきい値Tu,Tlは固定
されたものではなく、話者により聴感特性と発声特性に
個人差があることを考慮し、対話形式の事前学習を通じ
て話者に固有の値が事前入手できるよう構成してある。
すなわち、非通話中に事前学習モードを選択すると、制
御回路22が受信線路に介挿された混合器25に向け、
受話音声として聞き取られるようメモリ26から所定の
メッゼージを読み出し、このメッセージの音量を対話の
進行に合わせて段階的に可変する。一方、音量が異なる
メッセージごとに話者が応答したさいの送話音量は、前
記大小のしきい値Tu,Tlを決める値として取り込ま
れ、事前学習対象とされた話者に関する聴感及び発声デ
ータとしてメモリ26に記憶される。なお、実施例の場
合、制御回路22と混合器25とメモリ26とが、事前
学習手段を構成する。
【0019】事前学習は、具体的には図2に示すフロー
チャートに従って行われる。まず、最初のステップ(1
01)において、受話レベル調整器14の調整レベルを
−0dBにセットする。次に、ステップ(102)にお
いて、混合器25を経由して受話用スピーカ16に「聞
こえたらハイと答えて下さい」というメッセージを発す
る。そして、このメッセージを耳にした話者が、「ハ
イ」と発声すると、この発声が送話マイクロフォン17
を通してアンプ回路18に送り込まれ、さらに整流回路
24を介して制御回路22のAD変換入力ポートSiか
ら取り込まれる。このとき、制御回路22は、ステップ
(103)において、AD変換入力ポートNi,Siに
入力された騒音と送話音声の各パワーをディジタルデー
タとして取り込む。
【0020】この場合、送話音声のパワーは、メッセー
ジを受話した話者が自らの耳で聞いたのと同程度である
と思われる音量レベルで「ハイ」と応答したときの送話
音量を示すものであり、受話音量と送話音量とのギャッ
プを示す話者に固有のデータ、すなわち前述のしきい値
Tuとして後述するステップ(301)においてメモリ
26内に取り込まれる。一方また、騒音パワーの方は、
続く判断ステップ(104)において、事前学習自体の
成否を握る騒音許容限度を示すしきい値Nmと比較さ
れ、比較の結果、騒音が騒音許容限度Nmを越えてしま
っていたことが判った場合は、判断ステップ(105)
を経由して再びステップ(102)に戻り、同じ学習を
繰り返す。ただし、判断ステップ(105)における判
断が3回以上否定された場合は、外部環境が事前学習に
適した静かな環境でないことがはっきりするため、そこ
で事前学習を修了する。
【0021】一方、判断ステップ(104)において騒
音許容限度Nm以下の外部騒音のなかで事前学習が行わ
れていることが判った場合は、続くステップ(201)
において、受話レベル調整器19の調整レベルを−6d
Bにセットする。次に、前記と同様、ステップ(20
2)〜(205)に示した学習を実行する。この学習で
は、−6dBに絞った受話音量と送話音量とのギャップ
を示す話者に固有のデータが、前述のしきい値Tlとし
てメモリ26内に取り込まれる。また、騒音パワーが騒
音許容限度Nmを3回以上続けて上回った場合は、前記
と同様、外部環境が事前学習に適した静かな環境でない
ものと判断して、そこで事前学習を停止する。
【0022】以下、必要に応じて受話レベルを切り下げ
つつ、同様の学習を繰り返し処理できるが、この実施例
ではステップ(301)までにおいて前述の2個のしき
い値Tu,Tlが得られるため、これらのしきい値T
u,Tlをステップ(301)においてメモリ26に格
納し、そこで事前学習を完了する。
【0023】ところで、聴力障害のある人や地声の大き
な人の場合、通常の人に比べ同じ音量のメッセージに対
しても、比較的大きな声で応答してしまうため、受話音
量と送話音量が同程度で肩を並べるのではなく、受話音
量を送話音量が上回る結果、しきい値Tu,Tlはそれ
ぞれ−0dB,−6dBによりも大きめの値をとり、例
えばTuが1dB,Tlが−5dBといった値となる。
このため、いざ実際に通話を行ったさいに、標準的な聴
感特性と発声特性を有する人に対し、例えば0.5dB
の受話音量に対して送話ゲインを「大」に設定している
ケースでも、聴力障害のある人や地声の大きな人の場合
には、事前学習の効果によって送話ゲインは「中」に設
定され、これにより通話の相手方も話者の聴感特性や発
声特性における特異性に煩わされることなく、高品位の
通話が可能となる。
【0024】また、電話機11は、集音マイクロフォン
20によって外部雑音を常時検出しており、通話中にア
ンプ回路20aと整流回路21を介して取り込まれた外
部騒音のレベルに応じて、上記しきい値Tu,Tlに一
定の係数kを乗じて通話環境に適応した通話を可能にし
ている。ただし、この係数kは、図3に示したように、
外部騒音のレベルに常に線形に可変するとは限らず、外
部騒音レベルNが室内相当レベル(Na)に満たない場
合と、通話に支障をきたす喧噪レベル(Nb)以下で室
内相当レベル(Na)以上の場合と、喧噪レベル(N
b)を越える場合の3通りの場合について、以下のごと
く設定してある。すなわち、 N<Naでは、 k=1 Na≦N≦Nbでは、k=(Nb−N)/(Nb−N
a) Nb<Nでは、 k=0 である。このため、電話機11は、話者個人の聴感特性
や発声特性の外に、周囲の外部騒音レベルにも対応して
しきい値Tu,TlをkTu,kTlのごとくダイナミ
ックに可変することができる。具体的には、外部騒音レ
ベルNが室内相当レベル(Na)に満たない場合は、事
前学習結果をそのまま(k=1)利用して、受話音量に
連動する送話音量制御に活用する。ただし、外部騒音レ
ベルNが通話に支障をきたす喧噪レベル(Nb)以下で
室内相当レベル(Na)以上の場合には、外部騒音レベ
ルNに逆比例的に事前学習効果を薄め、さらに喧噪レベ
ル(Nb)を越える外部騒音に至っては、事前学習の効
果をすべて無視することにする。従って、喧噪この上な
い環境にあっては、事前学習により得られたしきい値T
u,Tlはともに「0」とされてしまい、これにより受
話音量の大小に関係なく送話ゲインは1に保たれる。
【0025】また、電話機11は、通話中も整流回路2
3を介して制御回路22に受話音量を取り込む構成であ
るため、この受話音量と送話音量の関係を適時検証する
ことにより、事後学習を行うことも可能である。すなわ
ち、前述の事前学習では制御回路22が発するメッセー
ジに応答する話者の送話音量から、話者の聴感特性と発
声特性に対応するしきい値Tu,Tlの学習を図ったの
に対し、事後学習にあっては、制御回路22が発するメ
ッセージではなく、通話先の相手方の音声に応答する話
者の送話音量から話者の聴感特性と発声特性に対応する
新たなしきい値Tu’,Tl’を学習することができ
る。ただし、この事後学習を実施するか否かは、事前学
習と同様、話者の意思に任せるのがよく、それらの選択
は釦操作を通じて簡単に実行できるようにしておくとよ
い。
【0026】このように、上記電話機11によれば、送
線路における伝送損失等が原因で受話音量が不足すると
きは、送話音量も絞ることによって相手方により大音量
での発声を促し、またその逆に相手方の地声が大きかっ
たり、伝送損失が極端に少ない近距離の通話であって受
話音量が過剰であるような場合には、送話音量も上げる
ことによって相手方により小音量での発声を促すという
ように、快適な通話環境の設定が可能である。また、受
話音量のしきい値判別に用いるしきい値Tu,Tlを、
事前学習による話者個人の聴感特性と発声特性とを反映
してメモリ26に取り込むことができ、これにより話者
によって個人差のある聴感特性と発声特性に最適な通話
環境の設定が可能である。
【0027】また、受話音声として制御回路22がメッ
セージを発し、このメッセージを聞いた話者が自らの耳
で聞いたのと同じレベルと思われる音量で「ハイ」と応
答したときの送話音量を採取しつつ、離散値的に可変し
た受話音量に対して送話音量を採取するため、話者に固
有の受話音量に対する送話音量の応答関係を、きめ細か
に入手することができる。また、学習結果はメモリ26
に格納しておくことができるため、複数の話者について
個々に事前学習の結果を管理することも可能である。
【0028】さらにまた、学習時と異なる環境で通話す
るさいに、学習時と通話時の騒音の音量比に応じて補正
係数kを乗じてしきい値Tu,Tlを補正するようにし
たから、学習時と通話時の周囲の環境の違いが話者に固
有の聴感特性と発声特性に与える影響を、定量的に補正
することができ、これにより特に携帯電話や自動車電話
といった外部騒音の影響の変化の激しい移動体通信向け
に環境適応能力の高い電話機11を提供することができ
る。
【0029】また、メモリ26に、話者の事前学習に用
いるメッセージに関する所定の音声内容を記憶させたの
で、メモリ26から読み出したメッセージに従って対話
を誘導することにより、音声合成ICメモリ等を用いる
ことなく、対話形式の事前学習が可能であり、メモリ2
6を学習結果の記憶用途以外にメッセージの記憶媒体と
して活用できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、受話音
量をしきい値判別し、該受話音量にほぼ比例させて送話
音量を可変する送話音量可変手段と、前記しきい値判別
に用いるしきい値を、話者別に対話形式で事前学習する
事前学習手段とを設けて構成したから、相手方の置かれ
た環境の騒音や伝送線路における伝送損失等が原因で受
話音量が不足するときは、送話音量も絞ることによって
相手方により大音量での発声を促し、またその逆に相手
方の地声が大きかったり、伝送損失が極端に少ない近距
離の通話であって受話音量が過剰であるような場合に
は、送話音量も上げることによって相手方により小音量
での発声を促すというように、快適な通話環境の設定が
可能であり、また受話音量のしきい値判別に用いるしき
い値を、話者に固有の聴感特性と発声特性の反映した値
として事前学習することにより、話者によって個人差の
ある聴感特性と発声特性に最適な通話環境の設定が可能
である等の優れた効果を奏する。
【0031】また、事前学習手段が、受話音声としてメ
ッセージを発し、該メッセージの音量を段階的に可変
し、各段階ごとに話者が応答したさいの送話音量をしき
い値として取り込み、該制御回路が取り込んだしきい値
をメモリに記憶させる構成としたから、受話音量として
発するメッセージは、例えば「聞こえたら、ハイと答え
て下さい」のごとく話者の発声を促す内容のものでよ
く、このメッセージを聞いた話者が自らの耳で聞いたの
と同レベルであると思われる音量で「ハイ」と応答した
ときの送話音量を採取しつつ、離散値的に可変した受話
音量に対して送話音量を採取することにより、話者に固
有の受話音量に対する送話音量の応答関係を得ることが
でき、耳の遠い人や地声の大きな人など話者に固有の聴
感特性と発声特性に基づくしきい値の事前学習が可能で
あり、また学習結果はメモリに格納しておくことができ
るため、複数の話者について個々に事前学習の結果を管
理することが可能である等の効果を奏する。
【0032】さらにまた、本発明は、制御回路が、話者
の周囲の騒音を検出し、該騒音レベルに応じて前記しき
い値を補正する構成としたから、学習時と異なる環境で
通話するさいに、学習時と通話時の騒音の音量比に応じ
てしきい値を補正することにより、学習時と通話時の周
囲の環境の違いが話者に固有の聴感特性と発声特性に与
える影響を、定量的に補正することができ、これにより
特に携帯電話や自動車電話といった外部騒音の影響の変
化の激しい移動体通信向けに環境適応能力の高い電話機
を提供することができる等の効果を奏する。
【0033】また、本発明は、メモリに、話者の事前学
習に用いるメッセージに関する所定の音声内容を記憶さ
せたので、メモリから読み出したメッセージに従って対
話を誘導することにより、音声合成ICメモリ等を用い
ることなく、対話形式の事前学習が可能であり、メモリ
を学習結果の記憶用途以外にメッセージの記憶媒体とし
ても活用できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電話機の一実施例を示すブロック図で
ある。
【図2】図1に示した制御回路による対話形式事前学習
動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】通話中の外部騒音レベルと事前学習結果に乗ず
る補正係数との関係を示す図である。
【図4】従来の電話機の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 電話機 14 受話レベル調整器 16 受信用スピーカ 17 送信マイクロフォン 19 送信レベル調整器 20 集音マイクロフォン 22 制御回路 25 混合器 26 メモリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受話音量をしきい値判別し、該しきい値
    判別された受話音量にほぼ比例させて送話音量を可変す
    る送話音量可変手段と、前記しきい値判別に用いるしき
    い値を、話者別に対話形式で事前学習する事前学習手段
    とを具備することを特徴とする電話機。
  2. 【請求項2】 前記事前学習手段は、事前学習の対象と
    なる話者に発声を促すメッセージを受話音声として与
    え、該受話音声に応答する話者の送話音量を測定し、該
    メッセージの音量を段階的に可変して各段階ごとに得ら
    れる受話音量に対する送話音量を前記しきい値として取
    り込む対話形式の制御回路と、該制御回路が取り込んだ
    しきい値を話者ごとに記憶するメモリとを具備すること
    を特徴とする請求項1記載の電話機。
  3. 【請求項3】 前記制御回路は、話者の周囲の騒音を検
    出し、該騒音レベルに応じて前記しきい値を補正するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電話機。
  4. 【請求項4】 前記メモリは、前記メッセージに関する
    所定の音声内容が記憶させてあることを特徴とする請求
    項2記載の電話機。
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